特開2017-52343(P2017-52343A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-52343(P2017-52343A)
(43)【公開日】2017年3月16日
(54)【発明の名称】狭路走行車両
(51)【国際特許分類】
   B62D 7/15 20060101AFI20170224BHJP
   B62D 1/14 20060101ALI20170224BHJP
   B62D 7/04 20060101ALI20170224BHJP
【FI】
   B62D7/15 B
   B62D1/14
   B62D7/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2015-176713(P2015-176713)
(22)【出願日】2015年9月8日
(71)【出願人】
【識別番号】515246683
【氏名又は名称】奥田 信也
(71)【出願人】
【識別番号】515231472
【氏名又は名称】田中 秀樹
(74)【代理人】
【識別番号】100081776
【弁理士】
【氏名又は名称】大川 宏
(72)【発明者】
【氏名】奥田 信也
(72)【発明者】
【氏名】田中 秀樹
【テーマコード(参考)】
3D030
3D034
【Fターム(参考)】
3D030DB95
3D034BA03
3D034BB03
3D034BC07
3D034CA03
3D034CB03
3D034CC01
3D034CC03
3D034CC12
3D034CC13
3D034CC15
3D034CC17
(57)【要約】
【課題】ガイドレールなしに狭いカーブ路を走行できる狭路走行車両を提供すること。
【解決手段】前側ボギー2及び後側ボギー3に一端が固定され他端がそれぞれ他方側に延びる前側揺動バー23A及び後側揺動バー33Aと、前側揺動バー23Aの他端側及び後側揺動バー33Aの他端側と係合して前側揺動バー23Aの他端側及び後側揺動バー33Aの他端側を車体1の左右方向に駆動して前側ボギー2及び後側ボギー3を水平面で右左方向に駆動する駆動アーム5bと、駆動アーム5bを車体1の左右方向に駆動する操作アーム5cとを有する。
【選択図】図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体と、
該車体の前部及び後部の下面側でそれぞれ水平面内に揺動可能に枢支された両端側に車輪を有する前側ボギー及び後側ボギーと、
該前側ボギー及び該後側ボギーに一端が固定され他端がそれぞれ他方側に延びる前側揺動バー及び後側揺動バーと、
該車体に枢支された枢支部を有し該枢支部から下方に突出し該前側揺動バーの他端側及び該後側揺動バーの他端側と係合して該前側揺動バーの他端側及び該後側揺動バーの他端側を該車体の左右方向に駆動して該前側ボギー及び該後側ボギーを水平面で右左方向に駆動する駆動アームと、
該駆動アームを該車体の左右方向に駆動する操作アームと、
を具備する狭路走行車両。
【請求項2】
前記前側揺動バー及び前記後側揺動バーは、前記前側ボギー及び前記後側ボギーのそれぞれ他方側に突出した各係合部と、両端部が各該係合部に揺動自在で且つ相対摺動可能に保持された連結バーとからなり、
前記駆動アームは該連結バーを前記車体の前後方向に延びる状態で該車体の左右方向に駆動するものである請求項1に記載の狭路走行車両。
【請求項3】
前記車体と前記前側ボギー及び後側ボギーの間に水平ベアリングを有する請求項1又は2に記載の狭路走行車両。
【請求項4】
前記操作アームの長さをR、前記駆動アームの長さをrとするとき、r/R〜0.4である請求項2又は3に記載の狭路走行車両。
【請求項5】
前記前側ボギー及び前記後側ボギーの両側の車輪の一方が駆動輪で他方が従動輪である請求項1〜4のいずれか1項に記載の狭路走行車両。
【請求項6】
前記枢支部は前後方向に長い枢支バーであり、該枢支バーの両端部にそれぞれ前記操作アームを備える請求項1〜5のいずれか1項に記載の狭路走行車両。
【請求項7】
前記操作アームを前記枢支バーに対面して着座した搭乗者が操作する請求項6に記載の狭路走行車両。














【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、左右両輪が車体に対して回動するボギーと共に一体に操舵される車両に関するものである。
【背景技術】
【0002】
自動車のように前輪のみを操舵する車両は、後輪が前輪より小回りするため、狭くて急なカーブを有する狭路(下水路、地下インフラ通路等)を走行する車両には、適さない。
【0003】
それに対して、ボギー台車は前輪と後輪の走行軌跡を一致させることができるので、狭くて急なカーブを有する狭路走行に適する。
【0004】
従来のボギー台車としては、例えば、図14に示すボギー台車が知られている(例えば、特許文献1参照。)。この従来のボギー台車は、センサからの検出信号に基づき「左カーブ」であると判別すると、ボギー12の両側に支持された左右の駆動輪7、8のうち左駆動輪8のモータ16の電流を切って左輪8をフリー回転にし、右駆動輪7の駆動力だけで走行する。また、「右カーブ」であると判別すると、左右の駆動輪7、8のうち右駆動輪7のモータ15の電流を切って右輪7をフリー回転にし、左駆動輪8の駆動力だけで走行する。直線経路では両モータ15、16が共に駆動され、左右両輪7、8が共に駆動される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2000−142386号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記従来のボギー台車は、前側ボギー12の駆動輪7、8の回転を制御して操舵するので、自動車のように前輪のみ操舵する台車に相当し、後側ボギー13の走行輪9、10はカーブの曲線から外れてしまう。そこで、従来のボギー台車では、走行する床面に敷設されたガイドレールに機械的にガイドされるように構成されている。
【0007】
さらに、例えば、センサで「左カーブ」を検出すると、ボギー12の両側に支持された左右の駆動輪7、8のうち左輪側のモータ16の電流を切って左輪をフリー回転にし、右側の駆動力で走行するだけであるので、狭い通路のカーブを走行するためには、回転制御を細かく行う必要がある。
【0008】
本発明は上記の問題に鑑みてなされたものであり、ガイドレールなしに狭いカーブ路を走行できる狭路走行車両を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
課題を解決するためになされた本発明に係る狭路走行車両は、車体と、該車体の前部及び後部の下面側でそれぞれ水平面内に揺動可能に枢支された両端側に車輪を有する前側ボギー及び後側ボギーと、該前側ボギー及び該後側ボギーに一端が固定され他端がそれぞれ他方側に延びる前側揺動バー及び後側揺動バーと、該車体に枢支された枢支部を有し該枢支部から下方に突出し該前側揺動バーの他端側及び該後側揺動バーの他端側と係合して該前側揺動バーの他端側及び該後側揺動バーの他端側を該車体の左右方向に駆動して該前側ボギー及び該後側ボギーを水平面で右左方向に駆動する駆動アームと、該駆動アームを該車体の左右方向に駆動する操作アームと、を具備する。
【0010】
駆動アームで前側揺動バーの他端側及び後側揺動バーの他端側を水平面内で左右方向に駆動すると、前側ボギー及び後側ボギーが水平面内で右左方向に駆動されるので、前側ボギーと後側ボギーは互いに反対方向に回転し、前側ボギーと後側ボギーの車輪は同じ曲線上を走行する。したがって、狭い曲線路をガイドレールなしで走行することができる。
【0011】
上記狭路走行車両において、前記前側揺動バー及び前記後側揺動バーは、前記前側ボギー及び前記後側ボギーのそれぞれ他方側に突出した各係合部と、両端部が各該係合部に揺動自在で且つ相対摺動可能に保持された連結バーとからなり、前記駆動アームは該連結バーを前記車体の前後方向に延びる状態で該車体の左右方向に駆動するものであるとよい。これにより、操舵をスムーズに行うことができる。
【0012】
また、前記車体と前記前側ボギー及び後側ボギーの間に水平ベアリングを有するとよい。これにより、車体に対して前側ボギーと後側ボギーとが滑らかに揺動することができる。
【0013】
また、前記操作アームの長さをR、前記駆動アームの長さをrとするとき、r/R〜0.4であるとよい。これにより、ハンドル入力角θが可動範囲の18°まで出力ボギー旋回角Ψがリニアに変化する。その結果、操舵のフィーリングが良くなる。
【0014】
また、前記前側ボギー及び前記後側ボギーの両側の車輪の一方が駆動輪で他方が従動輪であるとよい。これにより、走行効率が高く(燃費がよく)、左右どちらのカーブも滑らかに曲がることができる。
【0015】
また、前記枢支部は前後方向に長い枢支バーであり、該枢支バーの両端部にそれぞれ前記操作アームを備えるとよい。これにより、オペレータが左右の手それぞれで操作アームを操作することができ、操舵を確実に行うことができる。
【0016】
また、前記操作アームを前記枢支バーに対面して着座した搭乗者が操作するものとするとよい。これにより、狭い車体で操舵が容易になる。
【発明の効果】
【0017】
本発明の狭路走行車両の場合、駆動アームで前側揺動バーの他端側及び後側揺動バーの他端側を水平面内で左右方向に駆動すると、前側ボギー及び後側ボギーが水平面内で右左方向に駆動されるので、前側ボギーと後側ボギーは互いに反対方向に回転し、前側ボギーと後側ボギーの車輪は同じ曲線上を走行する。したがって、狭い曲線路をガイドレールなしで走行することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の実施形態1に係る狭路走行車両の上面視図である。
図2図1のA−A線端面視図である。
図3】実施形態1に係る狭路走行車両の操舵装置の側方視図である。
図4図3のA矢視図である。
図5】実施形態1に係る狭路走行車両の動作を説明するための上面視模式図である。
図6】実施形態1に係る狭路走行車両のボギー旋回特性を説明する図である。
図7】実施形態1に係る狭路走行車両のハンドル入力角θとボギー旋回角Ψの関係を示すグラフである。
図8】実施形態2の狭路走行車両の下面視図である。
図9図8のA−A線端面視図である。
図10】実施形態2の狭路走行車両の要部側方視図である。
図11】実施形態2の狭路走行車両の動作を説明する上面視模式図である。
図12】実施形態3の狭路走行車両の下面視図である。
図13図12のA−A線要部断面図である。
図14】従来技術におけるボギー台車の模式平断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、発明を実施するための形態を図面に基づき詳細に説明する。
【0020】
(実施形態1)
図1は本実施形態に係る狭路走行車両の上面視図、図2図1のA−A線端面図、図3は本実施形態の狭路走行車両の操舵装置の側方視図、図4図3のA矢視図、図5は本実施形態の狭路走行車両の動作を説明する上面視模式図である。
【0021】
本実施形態に係る狭路走行車両は、図1〜4に示すように、車体1と、車体1の前部の下面側で水平面内に揺動可能に枢支された両端側に車輪21a、21bを有する前側ボギー2及び車体1の後部の下面側で水平面内に揺動可能に枢支された両端側に車輪31a、31bを有する後側ボギー3と、前側ボギー2の後方に突出した係合部23、後側ボギー3の前側に突出した係合部33及び両端部が係合部23と係合部33に揺動自在で且つ相対摺動可能に保持された連結バー6と、車体1に枢支された枢支部5aを有し枢支部5aから下方に突出し連結バー6と係合して連結バー6を車体1の左右方向に駆動して前側ボギー2及び後側ボギー3を水平面で右左方向に駆動する駆動アーム5bと、駆動アーム5bを車体1の左右方向に駆動する操作アーム5cと、を具備している。
【0022】
前側ボギー2の車台22が車軸線ALfと車体1の幅方向の中心線CLとの交点CPfで車体1の下面から下方に延びる軸11aに水平面内で揺動可能に軸支されている。また、後側ボギー3の車台32が車軸線ALbと車体1の幅方向の中心線CLとの交点CPbで車体1の下面から下方に延びる軸11bに水平面内で揺動可能に軸支されている。
【0023】
係合部23は一端部に連結バー6を摺動可能に保持する貫通穴23aを、他端部に前側ボギー2の車台22の後端中間点の軸孔24(中心線CLから下した垂線に沿う軸孔)に係合して水平面内で揺動可能にする軸部23bを備えている。
【0024】
係合部33は一端部に連結バー6を摺動可能に保持する貫通穴33aを、他端部に後側ボギー3の車台32の前端中間点の軸孔34(中心線CLから下した垂線に沿う軸孔)に係合して水平面内で揺動可能にする軸部33bを備えている。
【0025】
操舵装置5は、車体1の上面の中心線CL上に固定された前後の軸受5dに回転可能に軸支された枢支バー5a、枢支バー5aに上部が固定され下方に延びて下部が連結バー6を駆動する駆動アーム5b、枢支バー5aの両端部に固定された操作アーム5cを備えている。駆動アーム5bの下端部は、連結バー6との係合を確実に行うためにホーク状をしている(図4参照。)。
【0026】
25はアウターレースが前側ボギー2の車台22に固定された水平ベアリングであり、35はアウターレースが後側ボギー3の車台32に固定された水平ベアリングである。
【0027】
26は前側ボギー2の車台22に固定され車輪21bを駆動するモータであり、36は後側ボギー3の車台32に固定され車輪31aを駆動するモータである。
【0028】
次に、本実施形態の狭路走行車両の動作を説明する。図5(a)に示す直線路走行状態から操作アーム5c(図2〜4参照)を右(図4中の矢印B方向)に駆動することで駆動アーム5bを左(図4中の矢印C方向)に駆動すると、連結バー6が中心線CLと交差する水平面内の矢印A方向(左)に変位する。すると、その連結バー6の変位する力が係合部23、係合部33を介して、前側ボギー2には矢印B方向(時計回り)に回転させる回転モーメントが、後側ボギー3には矢印C方向(反時計回り)に回転させる回転モーメントが作用し、図5(b)に示す状態になる。
【0029】
図5(a)の状態(直線路走行状態)における前側ボギー2と後側ボギー3との中間点を通る中心線CLに対する垂線VLとボギー2、3の車軸ALf、ALbとの成す角(出力ボギー旋回角)がΨに等しい。したがって、本発明の実施形態1の狭路走行車両では、前側ボギー2の車輪21bと後側ボギー3の車輪31bは同一の外円上を転動し、前側ボギー2の車輪21aと後側ボギー3の車輪31aは同一の内円上を転動するので、狭いカーブ路でも走行することができる。
【0030】
操作アーム5cの回転角(入力角)をθ、駆動アーム5bの基準半径(回転中心からホークの根本までの距離)をr、ボギー力点旋回半径(操作アームの長さ)をRとすると(図4参照。)、本実施例の狭路走行車両の場合、出力ボギー旋回角Ψは
Ψ=sin−1[(r/R)tanθ] (1)
と表される。
【0031】
本実施形態の狭路走行車両では、駆動アーム5bの回転による連結バー6の変位を作図すると図6のようになる。図6から、本実施形態の狭路走行車両の場合、(r/R)=0.4であることがわかる。
【0032】
(1)式で(r/R)=0.4として、θとΨの関係を計算した結果を図7に示す。図7からθが18°(〜本実施例の狭路走行車両の可動範囲)までΨがリニアに変化することがわかる。
【0033】
本実施形態の狭路走行車両はモータ26、36を備えており、前側ボギー2の車輪21bを駆動輪、21aを従動輪、後側ボギー3の車輪31aを駆動輪、31bを従動輪としているので、走行効率が高く(燃費がよく)、左右どちらのカーブも滑らかに曲がることができる。
【0034】
また、枢支バー5aが前後方向に長く、枢支バー5aの両端部に操作アーム5cを備えているので、オペレータが左右の手それぞれで操作アーム5cを操作することができ、操舵を確実に行うことができる。さらに、オペレータが枢支バー5aに対面して着座することができるので、狭い車体の上での操舵が容易になる。
【0035】
本実施形態の狭路走行台車では、前側ボギー2の車輪21bをモータ26で駆動し、後側ボギー3の車輪31aをモータ36で駆動するが、モータ26の駆動力をデファレンシャルギヤを介して車輪21a、21bに、モータ36の駆動力をデファレンシャルギアを介して車輪31a、31bにそれぞれ伝達するようにするとよい。これにより、左右どちらのカーブもより一層滑らかに曲がることができる。
【0036】
(実施形態2)
図8は本実施形態に係る狭路走行車両の下面視図、図9図8のA−A線断面図、図10は本実施形態の狭路走行車両の操舵装置5の側方視図、図11は本実施形態に係る狭路走行車両の動作を説明するための下面視図である。
【0037】
本実施形態に係る狭路走行車両は、図8〜10に示すように、車体1と、車体1の前部及び後部の下面側でそれぞれ水平面内に揺動可能に枢支された両端側に車輪21a、21b;31a、31bを有する前側ボギー2及び後側ボギー3と、前側ボギー2及び後側ボギー3に一端が固定され他端がそれぞれ他方側に延びる前側揺動バー23A及び後側揺動バー33Aと、車体1に枢支された枢支部5aを有し枢支部5aから下方に突出し前側揺動バー23Aの他端側及び後側揺動バー33Aの他端側と係合して前側揺動バー23Aの他端側及び後側揺動バー33Aの他端側を車体1の左右方向に駆動して前側ボギー2及び後側ボギー3を水平面で右左方向に駆動する駆動アーム5bと、駆動アーム5bを車体1の左右方向に駆動する操作アーム5cと、を具備する。
【0038】
すなわち、両側に車輪21a、21bが支持された前側ボギー2が左右方向中心線CL(A−A線)と交差する前側軸22を介して水平面内で揺動可能に車体1に枢支されている。また、両側に車輪31a、31bが支持された後側ボギー3が左右方向中心線CLと交差する後側軸32を介して水平面内に揺動可能に車体1に枢支されている。
【0039】
前側揺動バー23Aの一端部は前側ボギー2の後端部の左右方向中間部に固定され、後側揺動バー33Aの一端部は後側ボギー3の前端部の左右方向中間部に固定されている。前側揺動バー23Aの他端部と後側揺動バー33Aの他端部は上下に重なり合うようにしてある。
【0040】
駆動アーム5bの先端部はフォーク状に二つのロッド5b1、5b2に分かれている(図10参照。)。前側揺動バー23と後側揺動バー33の上下方向に重なる部分の前後方向中心線VLと交差する部位は、二つのロッド5b1、5b2で滑らかに挟持されている。
【0041】
次に、本実施形態の狭路走行車両の動作を説明する。図11(a)に示す直線路走行状態から操作アーム5cを右に駆動することで駆動アーム5bを左(図11(a)中の矢印A方向)に駆動すると、前側ボギー2には矢印B方向(時計回り)に回転させる回転モーメントが、後側ボギー3には矢印C方向(反時計回り)に回転させる回転モーメントが作用し、図11(b)に示す状態になる。
【0042】
図11(b)で左右方向中心線CLと、前側ボギー2の車軸ALf、後側ボギー3の車軸ALbとの成す角が出力ボギー旋回角Ψである。すなわち、実施形態2の狭路走行車両では、前側ボギー2の車輪21bと後側ボギー3の車輪31bは同一の外円上を転動し、前側ボギー2の車輪21aと後側ボギー3の車輪31aは同一の内円上を転動するので、狭いカーブ路でも走行することができる。
【0043】
(実施形態3)
本実施形態の狭路走行車両は、実施形態2の狭路走行車両の前側揺動バー23Aと後側揺動バー33Aを変更した点が、実施形態2の狭路走行車両と大きく異なる。実施形態2の狭路走行車両と同一の構成要素には同一の符号を付し説明を省略する。
【0044】
本実施形態の狭路走行車両の後方に延びる前側揺動バー23Bの後端部には前後方向に長い長穴23B1が形成されている。同様に後側揺動バー33Bの前端部には前後方向に長い長穴33B1が形成されている。
【0045】
直線路走行状態では、図12に示すように、長穴23B1と長穴33B1とは上下方向で重なり、前後方向の中間部に連結軸4が介挿されている。
【0046】
実施形態2の狭路走行車両の場合、悪路走行時に前側揺動バー23Aと後側揺動バー33Aの重なりが悪くなり、駆動アーム5bによる駆動が良好に行われない恐れがある。本実施形態の狭路走行車両の場合、前側揺動バー23Bと後側揺動バー33Bとが長穴23B1と長穴33B1を介して連結軸4で滑らかに連結されているので、悪路走行時でも駆動アーム5bによる駆動を良好に行うことができる。
【0047】
本発明は、上記し且つ図面に示した実施形態のみに限定されるものではなく、要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更して実施できる。
【符号の説明】
【0048】
1・・・・・・・・・車体
2・・・・・・・・・前側ボギー
21a、21b・・車輪
23・・・・・・・係合部
23A、23B・・前側揺動バー
3・・・・・・・・・後側ボギー
31a、31b・・車輪
33・・・・・・・係合部
33A、33B・・後側揺動バー
5・・・・・・・・・操舵装置
5a・・・・・・・枢支部(枢支バー)
5b・・・・・・・駆動アーム
5c・・・・・・・操作アーム
6・・・・・・・・・連結バー
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14