(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-52560(P2017-52560A)
(43)【公開日】2017年3月16日
(54)【発明の名称】連結モジュール及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
B65D 90/00 20060101AFI20170224BHJP
B65G 69/34 20060101ALI20170224BHJP
【FI】
B65D90/00 G
B65G69/34
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2016-89006(P2016-89006)
(22)【出願日】2016年4月27日
(31)【優先権主張番号】104129639
(32)【優先日】2015年9月8日
(33)【優先権主張国】TW
(71)【出願人】
【識別番号】502181816
【氏名又は名称】謝榮▲寛▼
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100102819
【弁理士】
【氏名又は名称】島田 哲郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100141081
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 庸良
(74)【代理人】
【識別番号】100147555
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 公一
(74)【代理人】
【識別番号】100171251
【弁理士】
【氏名又は名称】篠田 拓也
(72)【発明者】
【氏名】謝榮▲寛▼
【テーマコード(参考)】
3E070
3F078
【Fターム(参考)】
3E070AA25
3E070WJ07
3F078AA02
3F078EA18
(57)【要約】
【課題】構造強度を損ねずに構造が簡単であるコンテナ固縛装置に用いられる連結モジュールを提供する。
【解決手段】通孔は、第2の開口側に長軸Xに平行する方向である第1の長さ方向沿いの第1の長さe1と、第1の長さ方向及び第1の軸線方向とそれぞれ直交する方向である第1の幅方向沿いの第1の幅w1とを有するように非円形に貫通して形成されている。係止部222は、通孔において係着されるように、その第2の軸線方向に直交する方向である第2の長さ方向沿いの、第1の長さe1より大きい第2の長さe2と、第2の長さ方向及び第2の軸線方向とそれぞれ直角の方向である第2の幅方向沿いの、第1の幅w1より大きい第2の幅w2とを有する。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンテナを搬送手段に固定する際に用いられるコンテナ固縛装置に用いられる連結モジュールであって、
前記コンテナ固縛装置におけるラッシングロッドの長軸に延伸されるように連結されてなり、前記ラッシングロッドと一体状に繋がる、連結部と、
前記長軸沿いに延伸されるように前記連結部の反対側にある、延伸部と、
前記連結部と前記延伸部との間で前記長軸と垂直な第1の軸線に沿う方向である第1の軸線方向に沿って前記コンテナ側の第1の側面から前記コンテナから離れる第2の側面に向かって貫通し、それぞれ前記第1の軸線を中心として前記第1の側面側に開口する、第1の開口と、
前記第2の側面側に開口する第2の開口を含む通孔を画成した内周面を有する、環状部と、
を有し、
前記通孔が、前記第2の開口側に前記長軸に平行する方向である第1の長さ方向沿いの第1の長さと、前記第1の長さ方向及び前記第1の軸線方向とそれぞれ直交する方向である第1の幅方向沿いの第1の幅と、を有するように、非円形に貫通して形成されるように前記内周面によって画成されている、ベースと、
前記第1の軸線方向でなく且つ前記第1の軸線及び前記長軸と交わる第2の軸線を中心軸として前記第2の軸線に沿う方向である第2の軸線方向に沿って延伸されると共に、前記通孔を貫通して前記ベースと連結して前記ベースに回転可能に枢支されるように設けられたヘッドであって、
前記通孔を貫通して前記ベースに枢支されるように前記第2の軸線を中心として延伸されて設けられたヘッドブロックと、前記ヘッドが前記ベースと連結された時、前記ベースの前記第1の側面の外部にあり、且つ、前記コンテナに係着するように前記ヘッドブロックから前記通孔の外側に向かって湾曲状に延伸されて形成されたフックブロックと、前記フックブロックが前記コンテナに係着された時、前記コンテナに対して揺動せずに保持されるように前記ヘッドブロックから突き出て形成されたアンカーブロックと、を有し、
前記ヘッドブロックは、前記第2の軸線方向に沿って延伸されるように前記通孔を滑り移動可能に設けられた軸部と、前記ヘッドブロックが前記ベースと連結された時の前記軸部における前記第2の側面側から前記第2の軸線方向と直角に張り出て設けられた係止部と、を有し、
前記係止部は、前記第2の軸線方向に直交する方向である第2の長さ方向及び前記第2の軸線方向とそれぞれ直角の方向である第2の幅方向沿いに、前記第1の幅より大きい第2の幅を有する、
前記ヘッドと、
を備えていることを特徴とする、
連結モジュール。
【請求項2】
前記係止部は、前記第1の長さより大きい前記第2の長さ方向沿いの第2の長さを有し、
前記係止部は、前記軸部の上部から前記第2の軸線方向と垂直に張り出て形成されたアッパーブロックと、前記軸部の両側から前記第2の軸線方向と垂直に張り出て形成されたサイドブロックと、が設けられ、
前記第2の長さは、前記係止部の下端から前記第2の長さ方向沿いに前記アッパーブロックの上端に至る長さであり、
前記第2の幅は、前記第2の幅方向沿いの両側の前記サイドブロックの間の幅を有する、
ことを特徴とする、請求項1に記載の連結モジュール。
【請求項3】
前記係止部が、十字形に形成される、
ことを特徴とする、請求項2に記載の連結モジュール。
【請求項4】
前記係止部が、四角形に形成される、
ことを特徴とする、請求項2に記載の連結モジュール。
【請求項5】
前記環状部は、異なった肉厚により前記内周面に段差を形成するように、肉厚が大きい方の第1の通孔壁と、肉厚が小さい方の第2の通孔壁と、を有し、
前記通孔は、前記第1の通孔壁により、前記第1の側面側の前記第1の開口を含む内径が小さい方の第1の通孔と、前記第2の通孔壁により、前記第1の通孔と連通するように前記第2の側面側の前記第2の開口を含む内径が大きい方の第2の通孔と、が形成され、
前記係止部は、前記第1の通孔壁と前記第2の通孔壁とによって形成された段差に係合されるように、前記第2の通孔にて定位される、
ことを特徴とする、請求項2〜4のいずれかの一項に記載の連結モジュール。
【請求項6】
コンテナを搬送手段に固定する際に用いられるコンテナ固縛装置に用いられる、ベースとヘッドとを備える連結モジュールを製造する方法において、
前記ベースに成形されるベース粗成形体と、前記ヘッドと、を用意し、
前記ベース粗成形体は、前記コンテナ固縛装置におけるラッシングロッドの長軸に上下延伸されるように連結されてなるものとして、前記コンテナ固縛装置におけるラッシングロッドと連結される連結部としての連結端部と、前記長軸沿いに延伸されるように前記連結端部の反対側にある延伸端部と、前記連結端部と前記延伸端部との間に前記長軸と直角に貫通する通し穴が形成された環状部と、を有し、
前記環状部は、前記長軸と平行且つ互いに相反する第1の側面と第2の側面とを有し、
前記通し穴は、前記第1の側面側の第1の開口と、前記第2の側面側の第2の開口と、を有すると共に、前記長軸と直角の第1の軸線に沿う方向である第1の軸線方向に沿って延伸されるように前記長軸と平行な第1の長さ方向沿いの第1の長さと、前記第1の長さ方向及び前記第1の軸線方向とそれぞれ直交する方向である第1の幅方向沿いの元の幅と、を有し、
前記ヘッドは、
前記第1の軸線方向でない且つ前記第1の軸線及び前記長軸と交わる第2の軸線を中心軸として前記第2の軸線に沿う方向である第2の軸線方向に沿って延伸されると共に、前記ベース粗成形体に回転可能に前記通し穴を貫通して設けられ、前記通し穴を貫通するように前記第2の軸線を中心として延伸されて設けられた、ヘッドブロックと、
前記ベース粗成形体と連結された時、前記第1の側面の外部にあり、且つ、前記コンテナに係着するように前記ヘッドブロックから前記通し穴の外側に向かって湾曲状に延伸されて形成された、フックブロックと、
前記フックブロックが前記コンテナに係着された時、前記コンテナに対して揺動せずに保持されるように、前記ヘッドブロックから突き出て形成された、アンカーブロックと、
を有し、
前記ヘッドブロックは、前記第2の軸線方向に沿って延伸されるように前記通し穴を滑り移動可能に設けられた軸部と、前記ヘッドブロックが前記ベース粗成形体と連結された時の前記軸部における前記第2の側面側から前記第2の軸線方向と直角に張り出て設けられた係止部と、を有し、
前記係止部は、
前記第2の軸線方向に直交する方向である第2の長さ方向及び前記第2の軸線方向とそれぞれ直角の方向である第2の幅方向沿いに前記元の幅より大きい第2の幅を有する、第1のステップと、
前記係止部が前記通し穴の前記第2の側面の外部に突き出るように、前記ヘッドを前記ベース粗成形体に対して斜めにして前記通し穴に通す、第2のステップと、
前記係止部が前記通し穴を介して前記第2の側面の外部に突き出るように、前記ヘッドを前記ベース粗成形体に対して動かしながら前記通し穴に通す、第3のステップと、
前記ベース粗成形体を前記ベースに成形するように、前記長軸と垂直の短軸に沿う方向である短軸方向に沿って前記環状部の両側を前記軸部側にプレスし、前記通し穴が、前記第1の長さと、前記元の幅より小さく且つ前記係止部の前記第2の幅より小さい第1の幅方向沿いの第1の幅と、を有する非円形にされた通孔に形成される、第4のステップと、
を有する、
ことを特徴とする、連結モジュールの製造方法。
【請求項7】
前記第1のステップでは、前記係止部は、前記第1の長さより大きい前記第2の長さ方向沿いの第2の長さを有し、また、前記係止部は、前記軸部の上部から前記第2の軸線方向と垂直に張り出て形成されたアッパーブロックと、前記軸部の両側から前記第2の軸線方向と垂直に張り出て形成されたサイドブロックと、が設けられ、前記第2の長さは、前記係止部の下端から前記第2の長さ方向沿いに前記アッパーブロックの上端に至る長さであり、前記第2の幅は、前記第2の幅方向沿いの両側の前記サイドブロック間の幅であり、
前記第2のステップでは、前記第2の軸線が前記第1の軸線に対し斜めに交わっている状態且つ前記フックブロックが前記ヘッドブロックの上側にある状態で、前記アッパーブロックを斜めにして前記通し穴に通すステップを有する、
ことを特徴とする、請求項6に記載の連結モジュールの製造方法。
【請求項8】
前記第1のステップでは、前記係止部が、十字形に形成される、
ことを特徴とする、請求項7に記載の連結モジュールの製造方法。
【請求項9】
前記第1のステップでは、前記係止部が、四角形に形成される、
ことを特徴とする、請求項7に記載の連結モジュールの製造方法。
【請求項10】
前記第1のステップでは、前記環状部は、異なった肉厚により前記環状部の前記通し穴を画成する内周面に段差を形成するように、肉厚が大きい方の第1の通孔壁と、肉厚が小さい方の第2の通孔壁と、を有し、前記通し穴は、前記第1の通孔壁により、前記第1の側面側の前記第1の開口を含む内径が小さい方の第1の通し穴と、前記第2の通孔壁により、前記第1の通し穴と連通するように前記第2の側面側の前記第2の開口を含む内径が大きい方の第2の通し穴と、が形成され、
前記第3のステップでは、前記第2の軸線が前記第1の軸線にほぼ平行する状態で、前記アッパーブロックが前記第1の通し穴及び前記第2の通し穴を介して前記第2の側面の外部に突き出るように、前記ヘッドを前記ベース粗成形体に対して移動させながら前記軸部を前記通し穴に通すステップを有し、
前記第4のステップでは、前記ベース粗成形体が前記ベースに成形された時、前記係止部を、前記第1の通孔壁と前記第2の通孔壁とによって形成された段差に係合されるように、前記第2の通し穴に定位させるステップを有する、
ことを特徴とする、請求項7〜9のいずれかの一項に記載の連結モジュールの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車や船等に積み重ねられたコンテナを固縛するコンテナ固縛技術に関し、より詳しくは、コンテナを車や船等に固定する際に用いられるコンテナ固縛装置におけるラッシングロッドをコンテナと連結する連結モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車や船等の搬送手段上に多段に積まれたコンテナは移動中の揺れ等による荷崩れを防止するために、コンテナ固縛装置が使用される(例えば特許文献1〜3参照)。
図1は、従来のコンテナ固縛装置の一例によって例えばデッキ上に積み重ねられたコンテナ4を固定保持している状態を示す図であり、
図2は
図1の一部を拡大して示す図である。通常、船上にラッシングブリッジ9が建てられラッシングブリッジ9に複数のピラー91が立設されるとともに、同ピラー91にはラッシング用取付け部としてのアイプレート92が装着されている。アイプレート92は通し穴920が設けられている。コンテナ4は通常そのコーナーに隅金具41が設けられ、隅金具41は、係留孔40と係留孔40が外部に連通する連通孔410とが設けられている。コンテナ固縛装置は、隅金具41の係留孔40に係合される連結モジュール8と、その一端に連結モジュール8が一体状に設けられたラッシングロッド7と、ラッシングロッド7の他端に一端が連結されたターンバックル6と、を備えている。
図3は、従来のコンテナ固縛装置の一例を用いてサイズの異なったコンテナをデッキ上に固定したことを説明する図である。
図3に示されたように、デッキ上に積み重ねられた下側の1段目の複数のコンテナ4のそれぞれの上の両隅に設けられた隅金具41と斜に対応するアイプレート92との間にコンテナ固縛装置を斜に交差させて掛け渡し、そして、2段目、3段目の複数のコンテナ4A、4Bのそれぞれの対応する下の隅に設けられた隅金具41と斜に対応するアイプレート92の間に伸縮可能なコンテナ固縛装置が、該コンテナの隅金具41及び船体上のアイプレート92に斜に交差させて掛け渡すようにしてコンテナ4を係止し、ターンバックル6に挿設されたねじ棒5のねじ締めによりラッシングロッド7に張力を与え、積み重ねたコンテナ4(4A、4B、・・・)の安定化を図るようにする。(例えば、特許文献1〜3参照)
【0003】
図4は、従来のコンテナ固縛装置の一部を拡大して示す斜視図である。連結モジュール8は、
図2および
図4に示されたように、ラッシングロッド7の一端と連結されるように設けられたベース1と、隅金具41に係着されるヘッド2と、ヘッド2をベース1に連結するように設けられたピン3と、を備えている。ベース1は、ヘッド2を取り付ける通孔102が形成された二股状の一対の挟持爪101を有する。ヘッド2は、ベース1の通孔102に収容されるように形成された、ヘッドブロック202と、ヘッドブロック202から延伸され、このヘッドブロック202と共に略Lの字形となるよう一体形成され連通孔410を介して係留孔40に挿入された時、係着するように湾曲状に形成された、フックブロック201と、フックブロック201が係留孔40に係着された時、隅金具41に対して揺動せずに保持されるようヘッドブロック202から下向きに突き出て形成された、アンカーブロック203と、を有する。ヘッドブロック202は、ピン3を装着するピン孔204が設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】台湾特許第250956号公報
【特許文献2】台湾登録実用新案第284618号公報
【特許文献3】台湾特許第245730号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
コンテナ固縛装置を用いてコンテナ4を船等に対して安定して固縛するため、連結モジュール8は丈夫であるように所定の構造強度やピン3を装着するための所定の肉厚を有しなければならない。また、ピン3もヘッド2をベース1に対して位置決めすると共に連結保持するための構造強度を有しなければならない。
【0006】
また、ラッシングロッド7同士が交差して接触しながら隣接するコンテナ4A、コンテナ4B、を船等に固縛する際、デッキ上の堆積空間を最大限に使用するために、連通孔410の径幅や、ピン3の装着、隅金具41に対するフックブロック201の係着、アンカーブロック203の位置決め等により連結モジュール8の隅金具41に対する距離d(
図2)も限られるため、コンテナ固縛装置の使用期間が長くなるにつれて、
図2のようにラッシングロッド7に窪み103が形成されるほど磨耗してしまい、曲がるなど変形する。そのため、ラッシングロッド7が変形によって破断して、積まれたコンテナが荷崩れする危険をきたす問題点がある。
【0007】
また、コンテナは、その規格(長さ、幅、高さ)が船や車の容量に応じて異なるため、場合によってデッキ上に規格が異なるコンテナ4A、4B(
図3、
図4)、を積むときには、例えばピラー91のコンテナからの距離A1(
図1)を大きくするようにピラー91の設置位置を移して、ラッシングロッド7の係留位置を変えることによって、ラッシングロッド7同士が交差して接触することを避けたいが、このためにピラー91の設置コストやラッシング作業コスト、デッキ上の堆積空間、を費やすことになる。
【0008】
また、ヘッド2にピン3が移動可能なスペースとして形成されるスロット210を設けた連結モジュール8A(
図4)も、従来から用いられている。この連結モジュール8Aでは、ベース1やヘッド2は所定の構造強度やピン3を装着するための所定の肉厚を有しなければならず、ピン3の移動スペースも限られるため、なおも改善すべき所がある。
【0009】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、構造が簡単でありながら構造強度が損なわれていない、コンテナ固縛装置の連結モジュールを提供することを目的とする。
【0010】
また、本発明は、構造が簡単でありながら構造強度が損なわれていないコンテナ固縛装置の連結モジュールを製造可能な製造方法を提供することをも目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために、第1の観点によれば、コンテナを搬送手段に固定する際に用いられるコンテナ固縛装置に用いられる連結モジュールであって、コンテナ固縛装置におけるラッシングロッドの長軸に延伸されるように連結されてなり、ラッシングロッドと一体状に繋がる連結部と、該長軸沿いに延伸されるように連結部の反対側にある延伸部と、連結部と延伸部との間で該長軸と垂直な第1の軸線に沿う方向である第1の軸線方向に沿ってコンテナ側の第1の側面からコンテナから離れる第2の側面に向かって貫通し、それぞれ第1の軸線を中心として第1の側面側に開口する第1の開口と、第2の側面側に開口する第2の開口を含む通孔を画成した内周面を有する環状部と、を有し、この通孔は、第2の開口側に該長軸に平行する方向である第1の長さ方向沿いの第1の長さと、第1の長さ方向及び第1の軸線方向とそれぞれ直交する方向である第1の幅方向沿いの第1の幅と、を有するように、非円形に貫通して形成されるように該内周面によって画成されている、ベースと、第1の軸線方向でなく且つ第1の軸線及び該長軸と交わる第2の軸線を中心軸として第2の軸線に沿う方向である第2の軸線方向に沿って延伸されると共に該通孔を貫通してベースと連結してベースに回転可能に枢支されるように設けられたヘッドであって、該通孔を貫通してベースに枢支されるように第2の軸線を中心として延伸されて設けられたヘッドブロックと、ヘッドがベースと連結された時、ベースの第1の側面の外部にあり、且つ、コンテナに係着するようにヘッドブロックから該通孔の外側に向かって湾曲状に延伸されて形成されたフックブロックと、フックブロックがコンテナに係着された時、コンテナに対して揺動せずに保持されるようにヘッドブロックから突き出て形成されたアンカーブロックと、を有し、ヘッドブロックは、第2の軸線方向に沿って延伸されるように該通孔を滑り移動可能に設けられた軸部と、ヘッドブロックがベースと連結された時の該軸部における第2の側面側から第2の軸線方向と直角に張り出て設けられた係止部と、を有し、この係止部は、第2の軸線方向に直交する方向である第2の長さ方向及び第2の軸線方向とそれぞれ直角の方向である第2の幅方向沿いに第1の幅より大きい第2の幅とを有する、ヘッドと、を備えていることを特徴とする連結モジュールを提供する。
【0012】
また、第2の観点によれば、本発明は、コンテナを搬送手段に固定する際に用いられるコンテナ固縛装置に用いられる、ベースとヘッドとを備える連結モジュールを製造する方法において、ベースに成形されるベース粗成形体と、ヘッドと、を用意し、ベース粗成形体は、コンテナ固縛装置におけるラッシングロッドの長軸に上下延伸されるように連結されてなるものとして、コンテナ固縛装置におけるラッシングロッドと連結される連結部としての連結端部と、該長軸沿いに延伸されるように該連結端部の反対側にある延伸端部と、連結端部と延伸端部との間に該長軸と直角に貫通する通し穴が形成された環状部と、を有し、この環状部は、該長軸と平行且つ互いに相反する第1の側面と第2の側面と、を有し、この通し穴は、第1の側面側の第1の開口と、第2の側面側の第2の開口を有すると共に、該長軸と直角の第1の軸線に沿う方向である第1の軸線方向に沿って延伸されるように該長軸と平行な第1の長さ方向沿いの第1の長さと、第1の長さ方向及び第1の軸線方向とそれぞれ直交する方向である第1の幅方向沿いの元の幅と、を有し、ヘッドは、第1の軸線方向でない且つ第1の軸線及び該長軸と交わる第2の軸線を中心軸として第2の軸線に沿う方向である第2の軸線方向に沿って延伸されると共にベース粗成形体に回転可能に該通し穴を貫通して設けられ、該通し穴を貫通するように第2の軸線を中心として延伸されて設けられた、ヘッドブロックと、ベース粗成形体と連結された時、第1の側面の外部にあり、且つ、コンテナに係着するようにヘッドブロックから該通し穴の外側に向かって湾曲状に延伸されて形成された、フックブロックと、フックブロックがコンテナに係着された時、コンテナに対して揺動せずに保持されるようにヘッドブロックから突き出て形成された、アンカーブロックと、を有し、ヘッドブロックは、第2の軸線方向に沿って延伸されるように該通し穴を滑り移動可能に設けられた軸部と、ヘッドブロックがベース粗成形体と連結された時の該軸部における第2の側面側から第2の軸線方向と直角に張り出て設けられた係止部と、を有し、この係止部は、第2の軸線方向に直交する方向である第2の長さ方向及び第2の軸線方向とそれぞれ直角の方向である第2の幅方向沿いに上記の元の幅より小さい第2の幅とを有する、第1のステップと、係止部が該通し穴の第2の側面の外部に突き出るようにヘッドをベース粗成形体に対して斜めにして該通し穴に通す、第2のステップと、係止部が該通し穴を介して第2の側面の外部に突き出るようにヘッドをベース粗成形体に対して動かしながら該通し穴に通す、第3のステップと、ベース粗成形体をベースに成形するように、該長軸と垂直の短軸に沿う方向である短軸方向に沿って環状部の両側を該軸部側にプレスし、該通し穴が、第1の長さと、上記の元の幅より小さく且つ係止部の第2の幅より小さい第1の幅方向沿いの第1の幅と、を有する非円形にされた通孔に形成される、第4のステップと、を有する、ことを特徴とする連結モジュールの製造方法をも提供する。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係る連結モジュールは、従来の連結モジュールのようにピン3を設けない構成になっているため、ヘッド20にスロット210やピン孔204等を開けずにすむので、構造が簡単である上、所定の構造強度を有する。また、係止部の、第2の長さ方向沿いの第2の長さが通孔の第1の長さより大きく、第2の幅方向沿いの第2の幅が通孔の第1の幅よりも大きいので、係止部が通孔に係合・連結されて定位されることができる。従って、ヘッドがベースに対して回動可能且つ簡単に脱離できない効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】従来のコンテナ固縛装置の一例を用いてコンテナをデッキ上に固定したことを説明する図である。
【
図3】従来のコンテナ固縛装置の一例を用いてサイズの異なったコンテナをデッキ上に固定したことを説明する図である。
【
図4】従来のコンテナ固縛装置の一部を拡大して示す斜視図である。
【
図5】本発明に係る連結モジュールが用いられたコンテナ固縛装置の一例を用いてコンテナをデッキ上に固定したことを説明する図である。
【
図7】第1の実施例に係る連結モジュールを示す組立斜視図である。
【
図8】第1の実施例に係る連結モジュールの製造方法における第1のステップを説明する図である。
【
図9】第1の実施例に係る連結モジュールの製造方法における第2のステップを説明する図である。
【
図10】第1の実施例に係る連結モジュールの製造方法における第3のステップを説明する図である。
【
図11】第1の実施例に係る連結モジュールの製造方法における第4のステップを説明する図である。
【
図12】第2の実施例に係る連結モジュールを示す分解斜視図である。
【
図13】第3の実施例に係る連結モジュールを示す分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、添付図面に従って本発明に係る実施例について説明する。なお、図面において実質的に同一の部材については同一の符号を付している。
【0016】
図5は、コンテナ固縛装置200の一例を概略的に示す図であり、この例に係るコンテナ固縛装置200は、隅金具41の係留孔40に係合される本発明の実施例に係る連結モジュール100と、その一端に連結モジュール100が一体状に設けられたラッシングロッド7と、ラッシングロッド7の他端に一端が連結されたターンバックル6と、を備えている。なお、このコンテナ固縛装置200は、連結モジュール100を除いて、従来のコンテナ固縛装置とほぼ同様な構成を有するので、詳細な説明を省略する。
【0017】
(実施例1)
本実施例に係る連結モジュール100は、ベース10とヘッド20とを備えている。ベース10は、通常ラッシングロッド7と同性質のものであり、例えば金属で、ラッシングロッド7の一端と一体状に連結されるように設けられている。ヘッド20は、例えば加圧成形による一体成形品であり、隅金具41に係着されるようにフック状に作られる。
【0018】
図6は、実施例1に係る連結モジュール100の構成を概略的に示す縦断面図、
図7は、第1の実施例に係る連結モジュールを示す組立斜視図である。ベース10は、ラッシングロッド7の長軸Xに上下延伸されるように連結されてなり、ラッシングロッド7と一体状に繋がる連結部11と、長軸X沿いに連結部11の反対側にある延伸部12と、を有する。ベース10は、連結部11と延伸部12との間にコンテナ4側の第1の側面13からコンテナ4から離れる第2の側面14に向かって貫通する通孔170を開けた環状部17を有する(
図7参照)。この形態では、環状部17は外形がほぼ矩形状であり、通孔170を画成した内周面150を有する。なお、環状部17は、異なった肉厚により内周面150に段差171を形成するように、肉厚が大きい方の第1の通孔壁150aと、肉厚が小さい方の第2の通孔壁150bと、を有する。
【0019】
通孔170は、内周面150によって画成されるように非円形に貫通して形成され、長軸Xと直角な第1の軸線L1を中心軸として第1の軸線L1に沿う方向である第1の軸線方向に貫通すると共に、肉厚が違う第1の通孔壁150aと第2の通孔壁150bとにより、第1の側面13側の第1の開口151を含む内径が小さい方の第1の通孔15と、第1の通孔15と連通するように第2の側面14側の第2の開口152を含む内径が大きい方の第2の通孔16と、がそれぞれ形成されている。
【0020】
この例では、第1の通孔15は、第2の通孔16側に、例えば長軸Xに平行する方向である第1の長さ方向沿いの第1の長さe1と、第1の長さ方向及び第1の軸線方向とそれぞれ直交する方向である第1の幅方向沿いの第1の幅w1と、を有するように、ほぼ矩形状に形成されている。
【0021】
ヘッド20は、一例としては金属材により一体成形されたものであり、第1の軸線方向でなく且つ第1の軸線L1及び長軸Xと交わる第2の軸線L2を中心軸として第2の軸線L2に沿う方向である第2の軸線方向に沿って延伸されるようにベース10に回転可能に枢支されるように、通孔170即ち第1の通孔15と第2の通孔16とを貫通して設けられている。ヘッド20は、この形態では、第1の通孔15と第2の通孔16とを貫通してベース10に枢支されるように、第2の軸線L2を中心として延伸されて設けられたヘッドブロック22と、ベース10と連結された時に第1の側面13の外部にあり、且つ係留孔40に係着するように、ヘッドブロック22から第1の通孔15の外側に向かって上向きに湾曲状に延伸されて形成されたフックブロック21と、フックブロック21が係留孔40に係着された時に隅金具41に対して揺動せずに保持されるように、ヘッドブロック22から下向きに突き出て形成されたアンカーブロック23と、を有する。
【0022】
ヘッドブロック22は、第2の軸線方向に沿って延伸されるように第1の通孔15を滑り移動可能に設けられた軸部221と、第1の通孔15を画成する第1の通孔壁150aと第2の通孔16を画成する第2の通孔壁150bとの間に形成された段差171に係合されるように軸部221の第2の通孔16側から第2の軸線方向と直角に張り出て設けられた係止部222と、を有する。
【0023】
軸部221は、その第2の軸線方向における垂直断面がほぼ矩形状に形成されている。係止部222は、この例では、その第2の通孔16において係着される部分がほぼ十字形に形成され、その第2の軸線方向に直交する方向である第2の長さ方向沿いの、第1の長さe1より大きい第2の長さe2と、第2の長さ方向及び第2の軸線方向とそれぞれ直角の方向である第2の幅方向沿いの、第1の幅w1より大きい第2の幅w2と、を有する。
【0024】
この形態では、第2の通孔壁150bは、その一部例えば連結部11側の下周部が第1の通孔壁150aから続いて延伸され、その他部すなわち延伸部12側の上周部が第1の通孔壁150aとは段差171が形成されるように肉薄になる。
【0025】
係止部222は、軸部221の上部から第2の通孔壁150bの上部側に向かって第2の軸線L2と垂直につば状に張り出て第2の通孔16内の段差171に係止されるように形成された、アッパーブロック223と、軸部221の両側から第2の通孔壁150bの両側に向かってつば状に張り出て第2の通孔16内の段差171に係止されるように形成された、サイドブロック224、224と、が設けられている。
【0026】
このように、係止部222は、第2の長さ方向沿いのアッパーブロック223に至る第2の長さe2が第1の長さe1よりも大きく、第2の幅方向沿いの両側のサイドブロック224、224の間の第2の幅w2が第1の幅w1よりも大きいので、第1の通孔壁150aと第2の通孔壁150bとによって形成された段差171に係合されるように第2の通孔16にて定位される。従って、ヘッド20はベース10からは簡単に脱離されないようにすることができる。
【0027】
以上のように構成された連結モジュール100は、従来の連結モジュール8のようにピン3を設けない構成になっているため、ヘッド20にスロット210やピン孔204等を開けずにすむので、構造が簡単である上、所定の構造強度を有する。
【0028】
また、ヘッド20は、フックブロック21が連通孔410を介して係留孔40に挿入して係着され、アンカーブロック23によってコンテナ4がデッキに対して位置決めされるように連結定位されると共に、係止部222がサイドブロック224、224によって第2の通孔16に係合されることによって、ベース10と隅金具41との間に、
図6に示されているように、距離Dが形成される。
【0029】
従来の連結モジュール8は、コンテナ4に対して位置決めされるとピン3の回動も限られ、また連結モジュール8Aはピン3のスロット210での移動もスロット210のスペースによって限られるため、ラッシングロッド7同士を交差させて使用すると、ラッシングロッド7が磨耗する問題点がある。これに対して、本発明に係る連結モジュール100はピンなどを使わないため、ピンなどによる問題点が解消されるので、ラッシングロッド7を交差させて使用してもよいコンテナ固縛装置が得られる。
【0030】
また、コンテナ4に対する距離Dが従来の連結モジュール8のコンテナ4に対する距離dよりも大きいため、ラッシングロッド7を交差させて用いた場合でも、ラッシングロッド7の磨耗が大幅に軽減され、ピラー91もコンテナ4との距離A1が変わらないまま利用されることができる。
【0031】
また、本発明に係る連結モジュール100の構造が従来の構造と比べて簡単なので、製造コストの低減を図ることができる上、サイズ的に変わらないのにその構造強度が高いため、本発明に係る連結モジュール100を用いたコンテナ固縛装置は、長く使用することができる。
【0032】
次に、本発明に係る連結モジュール100の製造方法について、添付図面を参照して説明する。
【0033】
第1のステップでは、
図8に示されたように、予め開孔加工等を行ってベース10形状に粗成形された所定の通し穴15´が形成されたベース粗成形体10´と、所定形状に成形されたヘッド20と、を用意する。
【0034】
ベース粗成形体10´は、例えばラッシングロッド7の長軸Xに延伸されるように形成されたものであり、ラッシングロッド7と連結される連結部としての連結端部11´と、長軸Xに沿って延伸されるように該連結端部11´と反対側の延伸端部12´と、を有し、連結端部11´と延伸端部12´との間に、長軸Xと直角に貫通する通し穴15´が形成された環状部17´を有し、該環状部17´は、長軸Xと平行且つ互いに相反する第1の側面13´と第2の側面14´とを有する。通し穴15´は、第1の側面13´側の第1の通し穴151´と、第2の側面14´側の、第1の通し穴151´よりも径大の第2の通し穴152´と、を有するように、環状部17´の内周面150´によって画成されると共に長軸Xと直角の第1の軸線L1に沿う方向である第1の軸線方向に沿って延伸されるように長軸Xと平行な第1の長さ方向を含む断面がほぼ楕円形にされ、第1の長さ方向沿いの第1の長さe1と、第1の長さ方向及び第1の軸線方向とそれぞれ直交する方向である第1の幅方向沿いの元の幅wと、を有する。
【0035】
ヘッド20は、
図6と
図7に示されたように、上記のように、第2の軸線L2を中心軸として延伸されて形成されたものであり、フックブロック21と、ヘッドブロック22と、アンカーブロック23と、を有し、ヘッドブロック22は、通し穴15´を貫通する、軸部221と係止部222とを有し、係止部222は、アッパーブロック223とサイドブロック224、224とを有する。係止部222は、その第2の軸線方向に直交する方向である第2の長さ方向沿いの第2の長さe2と、第2の長さ方向及び第2の軸線方向とそれぞれ直角の方向である第2の幅方向沿いの第2の幅w2と、を有する。ここでは、第2の長さe2は、係止部222の下端からアッパーブロック223の上端に至る長さであり、且つ第1の長さe1より大きい。第2の幅w2は、二つのサイドブロック224、224間の幅を有し、且つ元の幅wよりやや小さい。
【0036】
第2のステップでは、
図9に示されたように、ヘッド20の第2の軸線L2が第1の軸線L1に対し斜めに交わっている状態且つフックブロック21がヘッドブロック22の上側にある状態で、アッパーブロック223を斜めにしてヘッド20をベース粗成形体10´に対して揺動させながら通し穴15´に通す。
【0037】
第3のステップでは、
図10に示されたように、第2の軸線L2が第1の軸線L1にほぼ平行する状態で、アッパーブロック223が第1の通し穴151´及び第2の通し穴152´を介して第2の側面14´の外部に突き出るようにヘッド20をベース粗成形体10´に対して移動させながら軸部221を通し穴15´に通す。これによって、ヘッド20がベース粗成形体10´に対して位置決めされる。
【0038】
第4のステップでは、
図11に示されたように、長軸Xと垂直の短軸Yに沿う方向である短軸方向に沿って環状部17´の両側を軸部221側にプレスすることによって、ベース粗成形体10´をベース10に成形するように変形させる。ここで、ほぼ楕円形の環状部17´がほぼ矩形状の環状部17に成形され、楕円形の通し穴15´がほぼ矩形状の通孔170に成形される。通し穴15´は、第1の通し穴151´が第1の長さe1と第1の幅w1とを有する第1の通孔15になると共に、第2の通し穴152´が第2の通孔16になる。なお、係止部222が第1の通孔15を貫通して抜けられないように、係止部222の第2の幅w2が、通し穴15´の元の幅wよりやや小さく、第2の長さe2が、第1の長さe1よりも長く、第2の幅w2が、第1の幅w1よりも大きくされる。このように係止部222が、第1の通孔15を通って、第2の通孔16にて第1の通孔壁150aと第2の通孔壁150bとによって形成された段差171に係合して、定位させる。
【0039】
以上のステップによって、ヘッド20がベース10に枢動可能に連結された連結モジュール100が製造される。そして、連結モジュール100は、ベース10を介してラッシングロッド7の一端に連結されて、コンテナ固縛装置が得られる。
【0040】
なお、係止部222は、通孔170における第2の通孔16にて係止定位される形状にされればよいので、例示の形に制限されないことは言うまでもない。
【0041】
(実施例2)
図12には、実施例2に係る連結モジュールの構成を示している。実施例1においては、係止部222がほぼ十字形に形成されているのに対して、実施例2では、ヘッド20Aの係止部222Aは軸部221との連続端面を覆うように、アッパーブロック223が、軸部221の上部からつば状に、ダウンブロック223Aが、軸部221の下部からつば状に、サイドブロック224A、224Aが、軸部221の両側からそれぞれつば状に張り出るように、周面が連続するほぼ矩形状になっている。
【0042】
このように形成された係止部222Aは、第2の長さe2が第1の長さe1よりも長く、第2の幅w2が第1の幅w1よりも大きいため(例えば
図7参照)、第1の通孔15と第2の通孔16との間の段差に係合されて定位されることができる。従って、ヘッド20Aが、ベース10に対して回動可能且つ脱離不能に連結されることができる。
【0043】
(実施例3)
図13には、実施例3に係る連結モジュールの構成を示している。この例では、係止部222Bは、軸部221の上部からつば状に突き出るように形成されたアッパーブロック223Bと、軸部221の両側からつば状に突き出るように形成されたサイドブロック224B、224Bとで、ほぼ四角形状に形成されている。
【0044】
このように形成された係止部222Bは、上記例と同様に、第2の長さe2が第1の長さe1よりも長く、第2の幅w2が第1の幅w1よりも大きいため(例えば
図7参照)、第1の通孔15と第2の通孔16との間の段差に係合されて定位されることができる。従って、ヘッド20Bが、ベース10に対して回動可能且つ脱離不能に連結されることができる。
【0045】
以上のように構成された本発明に係る連結モジュール100は、その構造強度が低減されることがないため、コンテナ固縛装置に利用されると、コンテナ固縛装置を長く使うことができる。本発明に係る連結モジュール100を用いたコンテナ固縛装置は、ラッシングロッド7が交差して用いられても、窪みができるほど損耗することがなくなるので、デッキ上に設置されたピラー91をその設置位置を移動することなく、そのまま利用することができ、コンテナを設置するスペースを費やすことがなくなる。
【0046】
以上、本発明をいくつかの実施例を挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0047】
本発明に係る連結モジュールは、コンテナを車や船等に固定する際に用いられるコンテナ固縛装置に有用である。
【符号の説明】
【0048】
10 ベース
100 連結モジュール
11 連結部
12 延伸部
13、14 側面
150 内周面
15 第1の通孔
150a 第1の通孔壁
150b 第2の通孔壁
151 第1の開口
152 第2の開口
16 第2の通孔
17 環状部
170 通孔
171 段差
10´ ベース粗成形体
11´ 連結端部
12´ 延伸端部
13´、14´ 側面
15´ 通し穴
150´ 内周面
151´ 第1の通し穴
17´ 環状部
20、20A、20B ヘッド
21 フックブロック
22 ヘッドブロック
221 軸部
222、222A、222B 係止部
223、223B アッパーブロック
223A ダウンブロック
224、224A、224B サイドブロック
23 アンカーブロック
4、4A、4B コンテナ
40 係留孔
41 隅金具
410 連通孔
200 コンテナ固縛装置
5 ねじ棒
6 ターンバックル
7 ラッシングロッド
9 ラッシングブリッジ
91 ピラー
92 アイプレート
X 長軸
A1 距離
d、D 距離
L1 第1の軸線
L2 第2の軸線
e1 第1の長さ
e2 第2の長さ
w 元の幅
w1 第1の幅
w2 第2の幅