特開2017-52645(P2017-52645A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 信光電通株式会社の特許一覧

特開2017-52645物品収受ボックスを利用する配送システム
<>
  • 特開2017052645-物品収受ボックスを利用する配送システム 図000003
  • 特開2017052645-物品収受ボックスを利用する配送システム 図000004
  • 特開2017052645-物品収受ボックスを利用する配送システム 図000005
  • 特開2017052645-物品収受ボックスを利用する配送システム 図000006
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-52645(P2017-52645A)
(43)【公開日】2017年3月16日
(54)【発明の名称】物品収受ボックスを利用する配送システム
(51)【国際特許分類】
   B65G 61/00 20060101AFI20170224BHJP
   A47G 29/30 20060101ALI20170224BHJP
【FI】
   B65G61/00 550
   A47G29/30
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2015-180241(P2015-180241)
(22)【出願日】2015年9月12日
(71)【出願人】
【識別番号】515254172
【氏名又は名称】信光電通株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100186783
【弁理士】
【氏名又は名称】小野尾 勝
(74)【代理人】
【識別番号】100117145
【弁理士】
【氏名又は名称】小松 純
(72)【発明者】
【氏名】吉川 宏信
【テーマコード(参考)】
3K100
【Fターム(参考)】
3K100CA43
3K100CA45
3K100CA48
3K100CC05
3K100CD03
(57)【要約】
【課題】配送する物品に関する情報を受取者に知らせ、荷物の受取り自体の可否を事前に選択でき、物品収受ボックスの施錠を解除するシステムを構築する。
【解決手段】ID情報の送信手段と、物品情報を受信する第1サーバの受信手段と、物品収受ボックス用サーバへ物品情報を送信する手段と、受取者より物品受取許可情報が第1サーバへ返信される通信手段と、物品収受ボックス用サーバへ送信する許可情報送信手段と、通知情報を受取者の端末に送信する通知情報送信手段と、物品収受ボックスの施錠を解除する開錠手段と、物品収受ボックス用サーバより第1サーバへ物品配送情報を送信する配送完了送信手段とを有する物品収受ボックスを利用する配送システムである。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品配送サービスによって発送される物品を収受する物品収受ボックスを利用する配送システムにおいて、
前記発送される物品に付帯されたID情報を読み取って第1サーバへ送信する送信手段と、
前記送信されたID情報より物品情報を受信する第1サーバの受信手段と、
物品情報により指定された物品収受ボックスに係る物品収受ボックス用サーバへ物品情報を送信する手段と、
物品受取者の端末へ物品情報を送信し前記物品受取者の端末より物品受取許可情報が第1サーバへ返信される通信手段と、
前記返信された物品受取許可情報を前記指定された物品収受ボックス用サーバへ第1サーバより送信する許可情報送信手段と、
前記返信された物品受取許可情報に基づく通知情報を受取者の端末に送信する通知情報送信手段と、
前記指定された物品収受ボックスに設置された読取装置に前記通知情報を読み取らせることによって物品収受ボックスの施錠を解除する開錠手段と、
物品を物品収受ボックス内に入庫し施錠されることにより物品収受ボックス用サーバより第1サーバへ物品配送情報を送信する配送完了送信手段と、
を有する物品収受ボックスを利用する配送システム。
【請求項2】
物品配送サービスによって発送される物品を収受する物品収受ボックスを利用する配送システムにおいて、
前記発送される物品に付帯されたID情報を読み取って第1サーバへ送信する送信手段と、
前記送信されたID情報より物品情報を受信する第1サーバの受信手段と、
物品情報により指定された物品収受ボックスに係る物品収受ボックス用サーバへ物品情報を送信する手段と、
物品収受ボックス用サーバより物品受取者の端末へ物品情報を送信し前記物品受取者の端末より物品受取許可情報が物品収受ボックス用サーバへ返信される通信手段と、
前記返信された物品受取許可情報に基づき物品収受ボックスの施錠を開錠するための施錠コードを物品収受ボックス用サーバより第1サーバへ送信する使用許可後施錠コード発行手段と、
前記返信された物品受取許可情報に基づく通知情報を受取者の端末に送信する通知情報送信手段と、
前記指定された物品収受ボックスに設置された読取装置に前記通知情報を読み取らせることによって物品収受ボックスの施錠を解除する開錠手段と、
物品を物品収受ボックス内に入庫し施錠されることにより物品収受ボックス用サーバより第1サーバへ物品配送情報を送信する配送完了送信手段と、
を有する物品収受ボックスを利用する配送システム。
【請求項3】
更に、配送された物品を受け取った物品受取者の端末によって物品に表示されたID情報を読み取って配送業者サーバへ受取情報を送信する受取情報送信手段を有することを特徴とする請求項1又は2に記載された物品収受ボックスを利用する配送システム。
【請求項4】
前記物品受取者の端末に送信する通知情報が二次元コードであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一に記載された物品収受ボックスを利用する配送システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品収受ボックスを利用して荷物を配送するシステムに関する。特に本発明は、荷物の受取者が受取り自体の可否を受取者が事前に選択できるシステムであり、また配達業者と物品収受ボックス用サーバとの間で、配送に関する情報の送受信や、物品収受ボックスの施錠を解除するシステムであり、さらに本発明は、荷物を受け取った事実をデジタル信号化して通知するシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
現在、荷物の配達において、宅配便の利用が一般化している。宅配便における一番の問題は、荷物の受取人の不在問題である。一般的に在宅率が高いのは、週末及び平日の午前10時までと午後4時〜6時と言われている。しかし、一人の配達人が複数の宅配物を配送することから、在宅率の高い時間に配送できる件数は限られている。また不在の場合は、不在配達票を郵便受け等に残すことになるが、受取人のストレスになると共に、再配達をする手間とコストが問題となっている。
このような問題を解決する手段の一つとして、集合住宅の公共部分や、個人住宅の専用部分に設置された宅配ボックスの利用が増加している。
【0003】
このような宅配ボックスを利用した配達システムについては、種々の発明が散見される。例えば特許文献1には、受取者の本人確認や宅配ボックスの開錠を読み取りコードで行う技術が開示されている。また特許文献2及び3には、受取者が不在の場合における宅配物の受け渡しに関する技術が開示されている。また特許文献4には、配達前に受取者の要望を聞いた上で効率的な宅配が可能となる技術が開示されている。さらに特許文献5には、宅配業者からの配達が行われたか否かの判断が行える技術が開示されている。
【0004】
しかし、上記いずれの文献にも、配送前に受取者に荷物の確認をするシステムについての開示はない。
また、現在の宅配ボックスを利用したシステムには、受取者が望まない荷物が配送されてしまうという問題もある。かかる問題を解決する手段については、上記いずれの文献にも開示も示唆もない。
さらに宅配ボックスを利用したシステムは、荷物を所定の宅配ボックスまで届けることができるのであるが、現実には受取者が荷物を受け取っていないというクレームが多数存在し問題となっている。このような問題についても同時に解決する新規な配送システムの提供が望まれていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−121209号公報
【特許文献2】特開2008−27182号公報
【特許文献3】特開2005−144034号公報
【特許文献4】特開2002−163336号公報
【特許文献5】特開2000−189311号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、配送する物品に関する情報を受取者に知らせ、荷物の受取り自体の可否を事前に選択できるシステムを構築することを目的とする。
また本発明は、荷物を一時的に保管する宅配ボックス(以下、本発明においては「物品収受ボックス」と記載する。)に係るサーバを設置することにより、配達業者又は配達業者から委託を受けた者と物品収受ボックス用サーバとの間で、配送に関する情報の送受信や、物品収受ボックスの施錠を解除するシステムを構築することを目的とする。
さらに本発明は、荷物を受け取った事実をデジタル信号化して通知するシステムを構築することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)物品配送サービスによって発送される物品を収受する物品収受ボックスを利用する配送システムにおいて、前記発送される物品に付帯されたID情報を読み取って第1サーバへ送信する送信手段と、前記送信されたID情報より物品情報を受信する第1サーバの受信手段と、物品情報により指定された物品収受ボックスに設置された物品収受ボックス用サーバへ物品情報を送信する手段と、物品受取者の端末へ物品情報を送信し前記物品受取者の端末より物品受取許可情報が第1サーバへ返信される通信手段と、前記返信された物品受取許可情報を前記指定された物品収受ボックス用サーバへ第1サーバより送信する許可情報送信手段と、前記返信された物品受取許可情報に基づく通知情報を受取者の端末に送信する通知情報送信手段と、前記指定された物品収受ボックスに設置された読取装置に前記通知情報を読み取らせることによって物品収受ボックスの施錠を解除する開錠手段と、物品を物品収受ボックス内に入庫し施錠されることにより物品収受ボックス用サーバより第1サーバへ物品配送情報を送信する配送完了送信手段と、を有する物品収受ボックスを利用する配送システムである。
【0008】
本発明は、配送業者によって提供される物品配送サービスによって発送される物品を収受する物品収受ボックスを利用する配送システムである。
ここで配送される物品に付帯されたID情報とは、ICカード、一次元コード又は二次元コード等に記録された情報のことである。例えばICカードとは、情報を集積回路に組み込んだカードのことである。本発明においては、スマートカード、チップカード又はRFIDも含むものとする。このようなID情報を配送される物品に吊り下げタグや直接貼り付けること等によって付帯させている点が本発明の特徴の一つである。
また一次元コードとは、バーコード等の所定方向に印字された情報コードである。さらに二次元コードとは、水平方向と垂直方向に情報を持つ表示方式のコードのことである。例えば、QRコード(登録商標)、SPコード等のマトリックス式のものや、PDF417等のスタック式のものが挙げられる。
【0009】
本発明におけるID情報とは、荷物の注文者に関する情報、配送する物品の内容、受取人に関する情報、荷物の到着予定日時等の物品情報を含む概念である。
また本発明における物品収受ボックス用サーバは、物品受取者の自宅の物品収受ボックス内に設置されている必要はない。すなわち、通信網を使用して遠隔操作が可能であれば、必ずしも物品受取者の自宅の物品収受ボックス内及び物品収受ボックスと同一の構内にサーバが設置されている必要はない。もちろん、物品収納ボックス用サーバを、物品受取者の自宅の物品収受ボックス内及び物品収受ボックスと同一の構内に設置しても良い。
また本発明における第1サーバとは配送業者等が保有するサーバのことである。ただし、本発明における第1サーバは配送業者が保有するサーバに限定されない。本発明における第1サーバの概念には、例えば、配送業者から委託されたサービス提供業者のような配送業者以外が保有しているサーバも含まれている。
また物品受取許可情報とは、物品受取者が物品の受け取りを容認する情報のみならず、物品の受け取りを拒否する情報も含む概念である。例えば、第1サーバより物品受取者の端末へ物品情報を送信し、かかる物品情報の内容より、物品受取者が物品の配送を希望しない場合は、物品の受け取りを拒否することもできる。かかる構成も本発明の特徴の一つである。
また通知情報送信手段の後の工程である開錠手段においては、基本的には物品の受け取りを容認する情報を得た第1サーバが物品収納ボックスに設置された読取装置に施錠を開錠するための情報を送信することになる。
【0010】
(2)物品配送サービスによって発送される物品を収受する物品収受ボックスを利用する配送システムにおいて、前記発送される物品に付帯されたID情報を読み取って第1サーバへ送信する送信手段と、前記送信されたID情報より物品情報を受信する第1サーバの受信手段と、物品情報により指定された物品収受ボックスに係る物品収受ボックス用サーバへ物品情報を送信する手段と、物品収受ボックス用サーバより物品受取者の端末へ物品情報を送信し前記物品受取者の端末より物品受取許可情報が物品収受ボックス用サーバへ返信される通信手段と、前記返信された物品受取許可情報に基づき物品収受ボックスの施錠を開錠するための施錠コードを物品収受ボックス用サーバより第1サーバへ送信する使用許可後施錠コード発行手段と、前記返信された物品受取許可情報に基づく通知情報を受取者の端末に送信する通知情報送信手段と、前記指定された物品収受ボックスに設置された読取装置に前記通知情報を読み取らせることによって物品収受ボックスの施錠を解除する開錠手段と、物品を物品収受ボックス内に入庫し施錠されることにより物品収受ボックス用サーバより第1サーバへ物品配送情報を送信する配送完了送信手段と、を有する物品収受ボックスを利用する配送システムである。
【0011】
(3)更に、配送された物品を受け取った物品受取者の端末によって物品に表示されたID情報を読み取って配送業者サーバへ受取情報を送信する受取情報送信手段を有することを特徴とする上記(1)又は(2)に記載された物品収受ボックスを利用する配送システムである。
本発明の受取情報送信手段とは、荷物の受取人が物品収受ボックスを開けて荷物を受け取ったことを配送業者へ知らせるシステムのことである。
(4)前記物品受取者の端末に送信する通知情報が二次元コードであることを特徴とする上記(1)乃至(3)のいずれか一に記載された物品収受ボックスを利用する配送システムである。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係る物品収受ボックスを利用する配送システムにより、配送する物品に関する情報を受取者に知らせ、荷物の受取り自体の可否を事前に選択できるという優れた効果を提供する。
また本発明に係る物品収受ボックスを利用する配送システムを採用すれば、荷物を一時的に保管する物品収受ボックスに係るサーバを設置することにより、配達業者又は配達業者から委託を受けた者と物品収受ボックス用サーバとの間で、配送に関する情報の送受信や、物品収受ボックスの施錠を解除することが可能となる。
さらに本発明に係る物品収受ボックスを利用する配送システムにより、荷物を受け取った事実をデジタル信号化して通知することができ、物品収受ボックスを利用した際に生じるトラブルを抑止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の実施形態1に係る物品収受ボックスを利用する配送システムを示す構成図である。
図2】本発明の実施形態1に係る物品収受ボックスを利用する配送システムにおけるサーバのシステム構成を示すためのブロック図である。
図3】本発明の実施形態1に係る物品収受ボックスを利用する配送システムにおける信号の送受信フローを示すためのブロック図である。
図4】本発明の実施形態2に係る情報のフローを示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態の一例を図面に則して説明する。ただし下記に示す実施形態は本発明の例示であって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
実施形態1
図1は、本発明の実施形態1に係る物品収受ボックスを利用する配送システムを示す構成図である。
荷物の受取者に配送する荷物が特定された後、図1に示す如く、荷物に印刷されたQRコード(登録商標)をコードリーダーによって読み取ることによって入手されたID情報を、パーソナルコンピュータ等01を使用して第1サーバへ送信する。かかるID情報には、配送する荷物の種類(壊れ易い、生物等の情報)と製品名、荷物の配送日時に関する情報、受取者の物品情報が含まれている。
ID情報は、パーソナルコンピュータ等01を介してFTP機能及びSMTP機能を有するデータロガーより送信される。そのためID情報はデータ送信とメール送信が可能となる。物品情報を含んだID情報は、インターネット(NET)を通じて配送業者が管理する第1サーバ02にFTP送信される。この際、第1サーバは、クラウドSQLサーバーであっても良い。
【0015】
物品情報を含んだID情報は、第1サーバ02に構築されたデータベースに格納される。ここで、本実施形態1に係る配送システムにおけるインターネット(NET)には、物品収受ボックス03と同一構内に設置された物品収受ボックスサーバ04と、予め第1サーバ02に登録されている又はID情報に基づいて新たに登録した携帯電話の基地局05に接続された携帯端末、IPアドレス又は固定電話等の端末(06)が接続されている。
次にID情報に含まれている物品情報により指定された物品収受ボックス03に設置された物品収受ボックス用サーバ04へ前記物品情報を送信する。 そして上記手段と略同時に、物品情報により指定された物品受取者の端末06へ物品情報を送信する。この際、物品情報をIP設定し、HTTPS転送によってデータを送信しても良い。HTTPS転送によって物品情報を送信した場合は、物品受取者の端末06へは、メール送信によって、配送する荷物の種類と製品名、荷物の配送日時が送信されることになる。
【0016】
次に端末06により物品情報を受信した物品受取者は、物品の受け取りを認容するか拒否するかについての情報を第1サーバ02へ返信する。
この際、物品を受け取りを認容する情報を受け取った第1サーバ02は、物品受取許可情報を物品収受ボックス用サーバ04に送信する。物品受取許可情報には、物品収受ボックスの扉を開錠するための暗証番号が含まれている。かかる暗証番号が設定された物品収受ボックスは、タッチセンサによって開錠することも、暗証番号を入力することによって開錠することも可能である。設定した暗証番号を開錠するための電子鍵又は暗証番号は、荷物を届ける宅配業者の配送人の端末に送信される。そして指定された物品収受ボックス03に設置された読取装置に電子鍵又は暗証番号を読み取らせ、予め設定された暗証番号と照合し、照合が確認された場合は、物品収受ボックス03の施錠が解除される。配送人は、配送する荷物を物品収受ボックス内に入庫し物品収受ボックス03の扉を閉める。そして物品収受ボックス03の扉を閉めることにより、扉は自動施錠されるとともに、物品収受ボックス用サーバ04より第1サーバ02へ物品配送完了を知らせる物品配送情報を送信する。この際、物品配送情報は、配送人が直接端末等により第1サーバ02へ送信しても良い。
【0017】
一方、物品配送情報を受け取った第1サーバ02は、物品受取許可情報に基づく通知情報を受取者の端末06へ送信する。かかる通知情報には、荷物の配送日時と物品収受ボックスに設定されている暗証番号を開錠するための電子鍵を含んでいる。この際、電子鍵の代わりに暗証番号を送信しても良い。受取人は物品収受ボックス03に設置された読取装置に電子鍵又は暗証番号を読み取らせ、予め設定された暗証番号と照合し、照合が確認された場合は、物品収受ボックス03の施錠を解除し、配送された荷物を受け取ることができる。
【0018】
図2は、本発明の実施形態1に係る物品収受ボックスを利用する配送システムにおけるサーバのシステム構成を示すためのブロック図である。
図2に示す如く、本実施形態に係る配送システムは、配送業者が管理する第1サーバと、物品収受ボックス用サーバが設置されており、各サーバはネットワーク上に接続されている。第1サーバと物品収受ボックス用サーバは、それぞれ情報通信可能に接続されている。
第1サーバには、ID情報を読み込むための入力部が設けられている。かかる入力部は、ID情報を読み取るコードリーダとデータを送信するパーソナルコンピュータ等によって構成されている。
第1サーバは、インターネット(NET)を介して情報を受け取る受信部と、情報を発信する送信部と、行った事件を記憶するデータ記憶管理部と、ID情報に含まれる物品情報を格納する発送者データベース、配送日等を格納するスケジュールデータベース、受取者の氏名・住所・連絡先(電話番号やメールアドレス等)の情報を格納する受取人データベース、配送する物品に関する情報を格納する物品情報データベース、受取者の収受ボックスの所在や収受ボックス用サーバのIPアドレスを格納する収受ボックスデータベースと、ID情報を解析する二次元コード解析処理部と、受取者からの物品受取許可情報を受け取る受信部と、暗証番号等を設定通知する開錠コード設定部と、配送が正常に終了したことを確認するための受領確認処理部とを備える。
配送業者サーバは、物品収受ボックス用サーバや、図示しない受取者の携帯端末等に情報を送信する機能を有する。出力部は、必要に応じて記録データを紙媒体等に印字する機能を有している。
また図2には記載されていないが、宅配場所を示す地図情報データベースを備えていても良い。
【0019】
次に物品収受ボックス用サーバは、インターネット(NET)を介して情報を受け取る受信部と、情報を発信する送信部と、行った事件を記憶するデータ記憶管理部と、物品情報を格納する物品情報データベース、配送予定日等を格納する配送情報データベース、送信されてきた暗証番号等を保管する開錠コードデータベースと、第1サーバより送信されてきた開錠コードを受け取る開錠コード受信部と、受取者からの物品受取許可情報を受け取る受信部と、配送が正常に終了したことを知らせる受領確認送信部とを備える。
配送業者サーバは、物品収受ボックス用サーバや、図示しない受取者の携帯端末等に情報を送信する機能を有する。出力部は、必要に応じて記録データを紙媒体等に印字する機能を有している。
さらに配送業者サーバは、同一構内にある物品収受ボックスと直接接続されており、開錠コードの照合により、物品収受ボックスの扉を開閉したり、荷物を受け取った後にかかる事実を物品収受ボックス内のセンサより入手し第1サーバに受領確認情報として送信することができる。
【0020】
図3は、本発明の実施形態1に係る物品収受ボックスを利用する配送システムにおける信号の送受信フローを示すためのブロック図である。
受取者に荷物を配送する者が、配送される荷物に印刷された二次元コードを読み取ることによってID情報を入手する。そして、読み取ったID情報を第1サーバ(配送業者サーバ)に送信する。そして、二次元コードより受け取者に関する情報等から形成される物品情報を抽出解析する。
かかる物品情報は、第1サーバより荷物が配送される物品収受ボックスに設置された物品収受ボックス用サーバに送信されるする。また物品情報は、物品情報により抽出された物品受取者の端末へも送信される。
そして物品情報を受信した物品受取者は、物品の受け取りを認容するか拒否するかについての情報を第1サーバへ返信する。本発明は、このような構成を採用することによって、配送する物品に関する情報を予め受取者に知らせ、荷物の受取り自体の可否を事前に選択できるという優れた効果を提供する。
ここで仮に受取者が、物品の受け取りを拒否した場合は、第1サーバより物品受取拒否情報を配送元に送信する工程を設けても良い。
【0021】
物品を受け取りを認容する情報を受け取った第1サーバは、物品受取許可情報を受取者の端末及び物品収受ボックス用サーバへ送信する。物品受取許可情報としては、物品の配送日を知らせる物品収受日時情報及び設定された暗証番号が含まれている開錠コードを受取者の端末及び物品収受ボックス用サーバへ送信する。物品収受ボックス用サーバにおいては、開錠コードによって物品収受ボックスの扉が開くように設定され、受取者の端末には、物品収受ボックスの扉を開けるための暗証コードが入力される。
そして受取者が物品収受ボックスを空け荷物を取り出した後、扉を閉めることにより、物品収受ボックス用サーバより第1サーバへ物品配送完了を知らせる物品配送情報が送信される。
この際、配送された物品を受け取った物品受取者の端末によって物品に表示されたID情報を読み取って配送業者サーバへ受取情報を送信する受取情報送信手段を設けても良い。
そして、第1サーバが、物品収受ボックス用サーバより、物品受領確認情報を受信することによって物品収受ボックスを利用する配送システムは完了する。
【0022】
実施形態2
図4は、本発明の実施形態2に係る情報のフローを示すブロック図である。
図4に示す如く、荷物の受取者41は販売会社42に対して商品を注文する。販売会社42は、宅配会社43に荷物の配送手配を依頼する。この際、販売会社42は、荷物に印刷されたID情報をコードリーダー等によって読み取って宅配会社42へ送信する。宅配会社43は図示しない第1サーバにID情報を入力し、物品情報を抽出する。
宅配会社42は、サービス会社44に物品情報を送信する。サービス会社44は、自社が管理する物品収受ボックス用サーバに物品情報を入力した後、受取者41の端末へ物品情報を送信する。そして受取者41は、荷物の内容及び配送日を確認し、宅配サービス会社43によるサービスの提供を受けるか否か、及び荷物を受け取るか否かに関する情報をサービス会社44へ返信する。
【0023】
受取者41より宅配サービス会社を利用する旨、及び荷物の受取りを認容する旨の返信を受けたサービス会社44は、宅配会社43へ、物品収受ボックス45の施錠を開錠するための施錠コード及び解錠・施錠情報を送信する。そして宅配サービス会社44は、解錠・施錠情報を受取者の端末に送信し、物品収受ボックス45の扉を施錠コードに基づいて解錠できるように設定する。
宅配会社43は受け取った施錠コードにて物品収受ボックス45の扉を開け、荷物をボックス内に配置する。宅配会社43が物品収受ボックス45の扉を開けた後、解錠・施錠情報をサービス会社44へ送信する。 その後、受取者41が物品収受ボックス45の扉を施錠コードを使用して開け、荷物を取り出す。その後、受け取り情報をサービス会社44へ送信する。その後、サービス会社44より宅配会社43へ受け取り情報を送信し、配達の完了を知らせる。
【符号の説明】
【0024】
41 受取者
42 販売会社
02,43 宅配会社(第1サーバ)
04,44 サービス会社(物品収受ボックス用サーバ)
03,45 物品収受ボックス
図1
図2
図3
図4
【手続補正書】
【提出日】2016年12月21日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品配送サービスによって発送される物品を収受する物品収受ボックスを利用する配送システムにおいて、前記発送される物品に付帯されたID情報を読み取って第1サーバへ送信する送信手段と、前記送信されたID情報より物品情報を受信する第1サーバの受信手段と、物品情報により指定された物品収受ボックスに係る物品収受ボックス用サーバへ物品情報を送信する手段と、物品受取者の端末へ物品情報を送信し前記物品受取者の端末より物品受取許可又は否定情報が第1サーバへ返信される通信手段と、前記返信された物品受取許可又は否定情報のうち物品を受け取る旨の物品受取許可情報に対しては前記指定された物品収受ボックス用サーバへ第1サーバより送信する許可情報送信手段と、前記返信された物品受取許可又は否定情報のうち物品を受け取る旨の物品受取許可情報に基づく少なくとも荷物の配送日時及び物品収受ボックスの施錠を開錠するための電子鍵又は暗証番号を有する通知情報を受取者の端末に送信する通知情報送信手段と、前記指定された物品収受ボックスに設置された読取装置に前記通知情報を読み取らせることによって物品収受ボックスの施錠を解除する開錠手段と、物品を物品収受ボックス内に入庫し施錠されることにより物品収受ボックス用サーバより第1サーバへ物品配送情報を送信する配送完了送信手段と、を有する物品収受ボックスを利用する配送システム。
【請求項2】
物品配送サービスによって発送される物品を収受する物品収受ボックスを利用する配送システムにおいて、前記発送される物品に付帯されたID情報を読み取って第1サーバへ送信する送信手段と、前記送信されたID情報より物品情報を受信する第1サーバの受信手段と、物品情報により指定された物品収受ボックスに係る物品収受ボックス用サーバへ物品情報を送信する手段と、物品収受ボックス用サーバより物品受取者の端末へ物品情報を送信し前記物品受取者の端末より物品受取許可又は否定情報が物品収受ボックス用サーバへ返信される通信手段と、前記返信された物品受取許可又は否定情報のうち物品を受け取る旨の物品受取許可情報に基づき物品収受ボックスの施錠を開錠するための電子鍵又は暗証番号を物品収受ボックス用サーバより第1サーバへ送信する使用許可後施錠コード発行手段と、前記返信された物品受取許可情報に基づく少なくとも荷物の配送日時及び物品収受ボックスの施錠を開錠するための電子鍵又は暗証番号を有する通知情報を受取者の端末に送信する通知情報送信手段と、前記指定された物品収受ボックスに設置された読取装置に前記通知情報を読み取らせることによって物品収受ボックスの施錠を解除する開錠手段と、物品を物品収受ボックス内に入庫し施錠されることにより物品収受ボックス用サーバより第1サーバへ物品配送情報を送信する配送完了送信手段と、を有する物品収受ボックスを利用する配送システム。
【請求項3】
更に、配送された物品を受け取った物品受取者の端末によって物品に表示されたID情報を読み取って配送業者サーバへ受取情報を送信する受取情報送信手段を有することを特徴とする請求項1又は2に記載された物品収受ボックスを利用する配送システム。
【請求項4】
前記物品受取者の端末に送信する通知情報が二次元コードであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一に記載された物品収受ボックスを利用する配送システム。