【解決手段】本発明は、置換アシルアニリド化合物、および対象の、特に、筋消耗疾患および/または障害または骨関連疾患および/または障害を含めたいろいろな疾患または状態を処置する場合のそれらの使用を提供する。一つの態様において、本発明は、式S−(I):【化2】
【発明を実施するための形態】
【0066】
本発明の詳細な説明
[00074]次の詳細な説明において、多くの具体的な詳細は、本発明について十分な理
解を与えるために示している。しかしながら、本発明を、これら具体的な詳細を伴うことなく行うことができるということは、当業者に理解されるであろう。他の場合、周知の方法、手順および成分は、本発明を不明確にしないように、詳細に記載しなかった。
【0067】
[00075]本発明は、一つの態様において、式Iの構造を特徴とする置換アシルアニリ
ドを提供する。一つの態様において、その化合物は、SARMである。一つの態様において、その化合物は、特に、経口テストステロン補充療法、男性用避妊、女性の性的欲求維持、骨粗鬆症を含めたいろいろな疾患または状態を処置する、前立腺癌を処置するおよび/または前立腺癌を画像化する場合に有用である。若干の態様において、本発明の化合物は、ARの非ステロイド性リガンドであり、アンドロゲン活性および/またはアナボリック活性を示す。若干の態様において、それら化合物は、組織選択的方式で部分アゴニストまたは部分アンタゴニストである。若干の態様において、それら化合物は、組織選択的方式で完全アゴニストまたは完全アンタゴニストであり、それは、若干の態様において、組織選択的なアンドロゲン作用および/またはアナボリック作用を可能にする。これら物質は、単独で、またはプロゲスチンまたはエストロゲンまたは本明細書中に記載の他の物質との組合せで活性でありうる。他の態様において、それら物質は、アゴニスト、アンタゴニスト、部分アゴニストまたは部分アンタゴニストである。
【0068】
[00076]若干の態様において、本発明は、アンドロゲン補充療法(ART)に有用である、(a)体組成を改善すること;(b)骨密度(BMD)を増加させること;(c)骨質量増加させること;(d)骨強度を増加させること;(e)骨機能を改善すること;(f)骨折リスクを減少させること;(g)筋強度を増加させること;(h)筋機能を改善すること;(i)運動耐性を改善すること;(j)リビドーを増強すること;(k)性行為を改善すること;および/または(l)気分を改善することおよび/または(m)認知を改善することに有用である化合物を提供する。
【0069】
[00077]若干の態様において、本発明は、本発明のSARM化合物の合成的製造方法
を提供する。若干の態様において、本発明は、選択的アンドロゲンモジュレーター化合物を含む組成物、またはARを結合する、精子形成、骨形成および/または吸収を調節する、筋消耗または筋消耗に関連した質感を処置する、前立腺癌を処置するおよび/またはアンドロゲン依存状態へのホルモン療法を提供するためのその使用を提供する。
【0070】
[00078]一つの態様において、本発明は、式(I):
【0072】
を有する構造で表される化合物またはその異性体、薬学的に許容しうる塩、医薬製品、多形、結晶、N−オキシド、水和物またはいずれかそれらの組合せを提供する。
[00079]一つの態様において、本発明は、式S−(I):
【0074】
を有する構造で表される式(I)の化合物のS異性体またはその薬学的に許容しうる塩、医薬製品、多形、結晶、N−オキシド、水和物またはいずれかそれらの組合せを提供する。
【0075】
[00080]一つの態様において、本発明は、式R−(I):
【0077】
を有する構造で表される式(I)の化合物のR異性体またはその薬学的に許容しうる塩、医薬製品、多形、結晶、N−オキシド、水和物またはいずれかそれらの組合せを提供する。
【0078】
[00081]一つの態様において、本発明は、式(I)の化合物の類似体を提供する。別
の態様において、本発明は、式(I)の化合物の誘導体を提供する。別の態様において、本発明は、式(I)の化合物の代謝産物を提供する。別の態様において、本発明は、式(I)の化合物の薬学的に許容しうる塩を提供する。別の態様において、本発明は、式(I)の化合物の医薬製品を提供する。別の態様において、本発明は、式(I)の化合物の水和物を提供する。別の態様において、本発明は、式(I)の化合物のN−オキシドを提供する。別の態様において、本発明は、式(I)の化合物の多形を提供する。別の態様において、本発明は、式(I)の化合物の結晶を提供する。別の態様において、本発明は、式(I)の化合物の不純物を提供する。別の態様において、本発明は、式(I)の化合物の類似体、誘導体、代謝産物、異性体、薬学的に許容しうる塩、医薬製品、多形、結晶、不純物、水和物、N−オキシドのいずれかの組合せを提供する。
【0079】
[00082]若干の態様において、「異性体」という用語には、光学異性体および類似体
、構造異性体および類似体、配座異性体および類似体等が含まれるが、これに制限されるわけではない。一つの態様において、「異性体」という用語は、記載の化合物の光学異性体を包含する意味である。本発明の化合物が、少なくとも一つのキラル中心を含有するということは、当業者に理解されるであろう。したがって、本発明の方法に用いられる化合物は、光学活性な形またはラセミ体の形で存在しうるし、単離されうる。若干の化合物は、更に、多形を示すことがありうる。本発明が、いずれかのラセミ体、光学活性、多形または立体異性の形またはそれらの混合物であって、本明細書中に記載のアンドロゲン関連状態の処置に有用な性質を有する形を包含するということは理解されるはずである。一つの態様において、それら化合物は、純粋な(R)異性体である。別の態様において、それら化合物は、純粋な(S)異性体である。別の態様において、SARMは、(R)異性体および(S)異性体の混合物である。別の態様において、SARMは、等量の(R)異性体および(S)異性体を含むラセミ混合物である。光学活性な形を製造する(例えば、再結晶法によるラセミ体の分割による、光学活性出発物質からの合成による、キラル合成による、またはキラル固定相を用いたクロマトグラフィー分離による)方法は、当該技術分野において周知である。
【0080】
[00083]別の態様において、SARMは、(R)異性体および(S)異性体の混合物
である。別の態様において、その混合物は、60%の(R)異性体および40%の(S)異性体を含む。別の態様において、その混合物は、40%の(R)異性体および60%の(S)異性体を含む。その混合物は、70%の(R)異性体および30%の(S)異性体を含む。別の態様において、その混合物は、30%の(R)異性体および70%の(S)異性体を含む。別の態様において、その混合物は、80%の(R)異性体および20%の(S)異性体を含む。別の態様において、その混合物は、20%の(R)異性体および80%の(S)異性体を含む。その混合物は、90%の(R)異性体および10%の(S)異性体を含む。別の態様において、その混合物は、10%の(R)異性体および90%の(S)異性体を含む。
【0081】
[00084]一つの態様において、本発明の化合物は、SARMである。一つの態様にお
いて、本発明の化合物は、例えば、エストロゲン受容体、プロゲステロン受容体またはグルココルチコイド受容体などの核内ホルモン受容体を結合する。
【0082】
[00085]一つの態様において、本発明は、SARM化合物のいろいろな光学異性体の
使用を包含する。本発明の化合物が、少なくとも一つのキラル中心を含有するということは、当業者に理解されるであろう。したがって、本発明の方法に用いられる化合物は、光学活性な形またはラセミ体の形で存在しうるし、単離されうる。若干の化合物は、更に、多形を示すことがありうる。本発明が、いずれかのラセミ体、光学活性、多形または立体異性の形またはそれらの混合物であって、本明細書中に記載のアンドロゲン関連状態の処置に有用な性質を有する形を包含するということは理解されるはずである。一つの態様において、それら化合物は、純粋な(R)異性体である。別の態様において、それら化合物は、純粋な(S)異性体である。別の態様において、それら化合物は、(R)異性体および(S)異性体の混合物である。別の態様において、それら化合物は、等量の(R)異性体および(S)異性体を含むラセミ混合物である。光学活性な形を製造する(例えば、再結晶法によるラセミ体の分割による、光学活性出発物質からの合成による、キラル合成による、またはキラル固定相を用いたクロマトグラフィー分離による)方法は、当該技術分野において周知である。
【0083】
[00086]本発明は、本発明の化合物の「薬学的に許容しうる塩」を包含するが、それ
は、本発明の化合物と酸または塩基との反応によって生じることができる。
[00087]式Iのアミンの適する薬学的に許容しうる塩は、無機酸からまたは有機酸か
ら製造することができる。一つの態様において、アミンの無機塩の例は、重硫酸塩、ホウ酸塩、臭化物、塩化物、半硫酸塩、臭化水素酸塩、塩酸塩、2−ヒドロキシエチルスルホン酸塩(ヒドロキシエタンスルホン酸塩)、ヨウ素酸塩、ヨウ化物、イソチオン酸塩、硝酸塩、過硫酸塩、リン酸塩、硫酸塩、スルファミン酸塩、スルファニル酸塩、スルホン酸(アルキルスルホン酸塩、アリールスルホン酸塩、ハロゲン置換アルキルスルホン酸塩、ハロゲン置換アリールスルホン酸塩)、スルホン酸塩およびチオシアン酸塩である。
【0084】
[00088]一つの態様において、アミンの有機塩の例は、脂肪族、環状脂肪族、芳香族
、芳香脂肪族、複素環式、カルボン酸およびスルホン酸のクラスの有機酸を含み、その例は、酢酸塩、アルギニン、アスパラギン酸塩、アスコルビン酸塩、アジピン酸塩、アントラニル酸塩、アルカンカルボン酸塩、置換アルカンカルボン酸塩、アルギニン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、重硫酸塩、酪酸塩、重炭酸塩、重酒石酸塩、カルボン酸塩、クエン酸塩、樟脳酸塩、カンフルスルホン酸塩、シクロヘキシルスルファミン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、エデト酸カルシウム、カムシレート、炭酸塩、カルブラネート(calvulanates)、ケイ皮酸塩、ジカルボン酸塩、ジグルコン酸塩、ドデシルスルホン酸塩、二塩酸塩、デカン酸塩、エナント酸塩(enanthuates)、エタンスルホン酸塩
、エデト酸塩、エディシレート、エストレイト、エシレイト、フマル酸塩、ギ酸塩、フッ化物、ガラクツロン酸塩、グルコン酸塩、グルタミン酸塩、グリコール酸塩、グルコレート(glucorate)、グルコヘプタン酸塩、グリセロリン酸塩、グルセプテート、グリコリ
ラルサニレート(glycollylarsanilates)、グルタル酸塩、グルタミン酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、ヒドロキシマレイン酸塩、ヒドロキシカルボン酸、ヘキシルレゾルシネート、ヒドロキシ安息香酸塩、ヒドロキシナフトエ酸塩、ヒドロフルオレート、乳酸塩、ラクトビオン酸、ラウリン酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、メチレンビス(β−オキシナフトエート)、マロン酸塩、マンデル酸塩、メシラート、メタンスルホン酸塩、メチルブロミド、メチル硝酸塩、メチルスルホン酸塩、マレイン酸一カリウム、ムチン酸塩、モノカルボン酸塩、ミトレート(mitrates)、ナフタレンスルホン酸塩、2−ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、ナプシラート、N−メチルグルカミン、シュウ酸塩、オクタン酸塩、オレイン酸塩、パモ酸塩、フェニル酢酸塩、ピクリン酸塩、フェニル安息香酸塩、ピバル酸塩、プロピオン酸塩、フタル酸塩、フェニル酢酸塩、ペクチン酸塩、フェニルプロピオン酸塩、パルミチン酸塩、パントテン酸塩、ポリガラクツロン酸塩、ピルビン酸塩、キナ酸塩、サリチル酸塩、コハク酸塩、ステアリン酸塩、スルファニル酸塩、塩基性酢酸塩、酒石酸塩、テオフィリン酢酸塩、p−トルエンスルホン酸塩(トシラート)、トリフルオロ酢酸塩、テレフタル酸塩、タンニン酸塩、テオクレート(teoclates)、ト
リハロ酢酸塩、トリエチオジド(triethiodide)、トリカルボン酸塩、ウンデカン酸塩または吉草酸塩である。
【0085】
[00089]一つの態様において、カルボン酸またはフェノールの無機塩の例は、アンモ
ニウム;リチウム、ナトリウム、カリウム、セシウムを含めたアルカリ金属;カルシウム、マグネシウム、アルミニウムを含めたアルカリ土類金属;亜鉛、バリウム、塩素または第四級アンモニウムを含む。
【0086】
[00090]別の態様において、カルボン酸またはフェノールの有機塩の例は、アルギニ
ン、有機アミンであって、脂肪族有機アミン、脂環式有機アミン、芳香族アミン、ベンザチン、t−ブチルアミン、ベネタミン(N−ベンジルフェネチルアミン)、ジシクロヘキシルアミン、ジメチルアミン、ジエタノールアミン、エタノールアミン、エチレンジアミン、ヒドラバミン(hydrabamines)、イミダゾール、リシン、メチルアミン、メグラミン、N−メチル−D−グルカミン、N,N’−ジベンジルエチレンジアミン、ニコチンアミド、有機アミン、オルニチン、ピリジン、ピコリ(picolies)、ピペラジン、プロカイン、トリス(ヒドロキシメチル)メチルアミン、トリエチルアミン、トリエタノールアミン、トリメチルアミン、トロメタミンまたは尿素を含めたものを含む。
【0087】
[00091]一つの態様において、それら塩は、生成物の遊離塩基または遊離酸の形と、
1当量またはそれを超える適当な酸または塩基とを、その塩が不溶性である溶媒または基剤中において、または真空中でまたは凍結乾燥でまたは既存の塩のイオンを別のイオンに交換することでまたは適するイオン交換樹脂で除去される水などの溶媒中において反応させることによるなどの慣用的な手段によって形成することができる。
【0088】
[00092]一つの態様において、本発明は、更に、本明細書中に記載の化合物のアミノ
置換基のN−オキシドを包含する。更に、フェノール性化合物のエステルは、脂肪族および芳香族カルボン酸、例えば、酢酸エステルおよび安息香酸エステルで製造することができる。
【0089】
[00093]「アルキル」基は、一つの態様において、直鎖、分岐状鎖および環状のアル
キル基を含めた飽和脂肪族炭化水素を意味する。一つの態様において、そのアルキル基は、1〜12個の炭素を有する。別の態様において、アルキル基は、1〜7個の炭素を有する。別の態様において、アルキル基は、1〜6個の炭素を有する。別の態様において、アルキル基は、1〜4個の炭素を有する。そのアルキル基は、未置換であってよいし、またはハロゲン、ヒドロキシ、アルコキシ カルボニル、アミド、アルキルアミド、ジアルキルアミド、ニトロ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、カルボキシル、チオおよびチオアルキルより選択される1個またはそれを超える基で置換されていてよい。一つの態様において、アルキル基は、CH
3である。
【0090】
[00094]「アルケニル」基は、別の態様において、1個またはそれを超える二重結合
を有する、直鎖、分岐状鎖および環状の基を含めた不飽和炭化水素を意味する。そのアルケニル基は、1個の二重結合、2個の二重結合、3個の二重結合等を有していてよい。アルケニル基の例は、エテニル、プロペニル、ブテニル、シクロヘキセニル等である。一つの態様において、アルキレン基は、1〜12個の炭素を有する。別の態様において、アルキレン基は、1〜7個の炭素を有する。別の態様において、アルキレン基は、1〜6個の炭素を有する。別の態様において、アルキレン基は、1〜4個の炭素を有する。そのアルケニル基は、未置換であってよいし、またはハロゲン、ヒドロキシ、アルコキシ カルボニル、アミド、アルキルアミド、ジアルキルアミド、ニトロ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、カルボキシル、チオおよびチオアルキルより選択される1個またはそれを超える基で置換されていてよい。
【0091】
[00095]「ハロアルキル」基は、上に定義のようなアルキル基であって、1個または
それを超えるハロゲン原子で、一つの態様において、Fで、別の態様において、Clで、別の態様において、Brで、別の態様において、Iで置換されているものを意味する。
【0092】
[00096]「アリール」基は、少なくとも一つのカルボン酸芳香族基または複素環式芳
香族基を有する芳香族基であって、未置換であってよいし、またはハロゲン、ハロアルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、カルボニル、アミド、アルキルアミド、ジアルキルアミド、ニトロ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、カルボキシまたはチオまたはチオアルキルより選択される1個またはそれを超える基で置換されていてよいものを意味する。アリール環の非制限例は、フェニル、ナフチル、ピラニル、ピロリル、ピラジニル、ピリミジニル、ピラゾリル、ピリジニル、フラニル、チオフェニル、チアゾリル、イミダゾリル、イソオキサゾリル等である。一つの態様において、アリール基は、4〜8員環である。別の態様において、アリール基は、一つまたは複数の4〜12員環である。別の態様において、アリール基は、6員環である。別の態様において、アリール基は、5員環である。別の態様において、アリール基は、2〜4縮合環系である。
【0093】
[00097]「ヒドロキシル」基は、OH基を意味する。TがORである場合、RはOH
ではないということは、当業者に理解される。
[00098]一つの態様において、「ハロゲン」という用語は、一つの態様において、F
、別の態様において、Cl、別の態様において、Br、別の態様において、Iを意味する。「アリールアルキル」基は、別の態様において、アリールに結合したアルキルを意味し、ここにおいて、アルキルおよびアリールは、上に定義の通りである。アリールアルキル基の例は、ベンジル基である。
【0094】
[00099]一つの態様において、本発明は、式Iの化合物および/またはその類似体、
誘導体、異性体、代謝産物、薬学的に許容しうる塩、医薬製品、水和物、N−オキシド、プロドラッグ、多形、不純物または結晶または組合せを提供する。一つの態様において、本発明は、その化合物の類似体を提供する。別の態様において、本発明は、その化合物の誘導体を提供する。別の態様において、本発明は、その化合物の異性体を提供する。別の態様において、本発明は、その化合物の代謝産物を提供する。別の態様において、本発明は、その化合物の薬学的に許容しうる塩を提供する。別の態様において、本発明は、その化合物の医薬製品を提供する。別の態様において、本発明は、その化合物の水和物を提供する。別の態様において、本発明は、その化合物のN−オキシドを提供する。別の態様において、本発明は、その化合物のプロドラッグを提供する。別の態様において、本発明は、その化合物の多形を提供する。別の態様において、本発明は、その化合物の結晶を提供する。別の態様において、本発明は、その化合物の不純物を提供する。別の態様において、本発明は、本明細書中に記載の化合物、または別の態様において、本発明の化合物の類似体、誘導体、異性体、代謝産物、薬学的に許容しうる塩、医薬製品、水和物、N−オキシド、プロドラッグ、多形、不純物または結晶の組合せを含む組成物を提供する。
【0095】
[000100]本発明は、更に、本明細書中に記載の化合物のアミノ置換基のN−オキシドを包含する。
[000101]本発明は、それら化合物の誘導体を提供する。一つの態様において、「誘導体」には、エーテル誘導体、酸誘導体、アミド誘導体、エステル誘導体等が含まれるが、これに制限されるわけではない。別の態様において、本発明は、更に、それら化合物の水和物を包含する。
【0096】
[000102]一つの態様において、「水和物」には、半水和物、一水和物、二水和物、三水和物等が含まれるが、これに制限されるわけではない。
[000103]本発明は、他の態様において、それら化合物の代謝産物を提供する。一つの態様において、「代謝産物」とは、代謝または代謝過程によって別の物質から生じるいずれかの物質を意味する。
【0097】
[000104]本発明は、他の態様において、それら化合物の医薬製品を提供する。「医薬製品」という用語は、他の態様において、例えば、本明細書中に記載のような、薬学的使用に適する組成物(医薬組成物)を意味する。
【0098】
[000105]別の態様において、本発明は、式Iの化合物の製造方法を提供する。一つの態様において、このような方法における最初の工程は、下のスキームのものを含む。
【0100】
[000106]
図1Kおよび
図1Lは、式S−(I)の化合物の大規模合成の製造方法の一つの態様を提供する。
[000107]一つの態様において、式IのSARM化合物は、本明細書中に示されるような方法によって、更には、当業者に知られているであろうように製造することができる。
【0101】
[000108]一つの態様において、本発明は、
図1および実施例1に示されるような、式(I)の構造によって表される化合物を製造する方法を提供する。
【0103】
[000109]別の態様において、本発明は、式(I)の構造によって表される化合物の(S)鏡像異性体
【0105】
を製造する方法であって、
(a)式17:
【0109】
を有するカルボン酸とを、カップリング試薬の存在下でカップリングさせて、式R−19
【0111】
を有するアミドを生じ;そして
(b)式R−19のアミドと、式20:
【0113】
を有する化合物とを反応させて、式S−(I)の化合物を生じる
工程を含む方法を提供する。
[000110]一つの態様において、工程(a)の化合物R−18を、カップリング剤と反応させた後、式17の化合物を加える。
【0114】
[000111]
図1Aおよび実施例1は、式S−(I)の化合物の製造方法の一つの態様を提供する。
[000112]別の態様において、本明細書中に上に概説された方法の工程(b)の条件は、炭酸カリウム、炭酸ナトリウムまたは炭酸セシウム、または2−プロパノール、THFまたはメチルエチルケトンを溶媒として用い、場合により、転移触媒、BTBAC(ベンジルトリブチルアンモニウムクロリド)または他の適する物質を含むこの反応に適当な別の塩基を含んでよい。
【0115】
[000113]別の態様において、本発明は、式R−(I):
【0117】
を有する構造によって表される化合物の(R)鏡像異性体を製造する方法であって、
(a)式17:
【0121】
を有するカルボン酸とを、カップリング試薬の存在下でカップリングさせて、式S−19
【0123】
を有するアミドを生じ;そして
(b)式S−19のアミドと、式20
【0125】
を有する化合物とを反応させて、R−(I)の化合物を生じる
工程を含む方法を提供する。
[000114]一つの態様において、工程(a)の化合物S−18を、カップリング剤と反応させた後、式17の化合物を加える。
【0126】
[000115]
図1Bは、式R−(I)の化合物のこのような製造方法の一つの態様を示す。
[000116]別の態様において、本明細書中に上に概説された方法の工程(b)の条件は、炭酸カリウム、炭酸ナトリウムまたは炭酸セシウム、または2−プロパノール、THFまたはメチルエチルケトンを溶媒として用い、場合により、転移触媒、BTBAC(ベンジルトリブチルアンモニウムクロリド)または他の適する物質を含むこの反応に適当な別の塩基を含んでよい。
【0127】
[000117]別の態様において、本発明は、式S−(I)
【0129】
を有する構造によって表される化合物の(S)鏡像異性体を製造する方法であって、
(a)式17:
【0133】
を有するカルボン酸とを、カップリング試薬の存在下でカップリングさせて、式R−19
【0135】
を有するアミドを生じ;
(b)式R−19のアミドと、塩基とを反応させて、オキシランS−21
【0137】
を形成し;そして
(c)式S−21のオキシランと、式20:
【0139】
を有する化合物とを反応させて、S−(I)の化合物を生じる
工程を含む方法を提供する。
[000118]一つの態様において、それによって、工程(a)の化合物R−18を、カップリング剤と反応させた後、式17の化合物を加える。
【0140】
[000119]
図1Cは、式S−(I)の化合物のこのような製造方法の態様を示す。
[000120]別の態様において、本発明は、式R−(I):
【0142】
を有する構造によって表される化合物の(R)鏡像異性体を製造する方法であって、
(a)式17:
【0146】
を有するカルボン酸とを、カップリング試薬の存在下でカップリングさせて、式S−19
【0148】
を有するアミドを生じ;
(b)式S−19のアミドと、塩基とを反応させて、オキシランS−21
【0150】
を形成し;そして
(c)式S−21のオキシランと、式20
【0152】
を有する化合物とを反応させて、R−(I)の化合物を生じる
工程を含む方法を提供する。
[000121]一つの態様において、それによって、工程(a)の化合物S−18を、カップリング剤と反応させた後、式17の化合物を加える。
【0153】
[000122]
図1Dは、式R−(I)の化合物のこのような製造方法の態様を示す。
[000123]別の態様において、本発明は、式S−(I)
【0155】
を有する構造によって表される化合物の(S)鏡像異性体を製造する方法であって、
(a)式S−22
【0159】
を有する化合物とを反応させて、式R−23
【0161】
を有する化合物を生じ;
(a)式R−23の化合物を開環して、式S−24
【0163】
を有する化合物を生じ;そして
式S−24の化合物のカルボン酸と、式17
【0165】
を有するアミンとをカップリングさせて、式S−(I)の化合物を生じる
工程を含む方法を提供する。
[000124]
図1Eは、式S−(I)の化合物のこのような製造方法の態様を示す。
【0166】
[000125]別の態様において、本発明は、式R−(I):
【0168】
を有する構造によって表される化合物の(R)鏡像異性体を製造する方法であって、
(a)式R−22
【0172】
を有する化合物とを反応させて、式S−23
【0174】
を有する化合物を生じ;
(b)式S−23の化合物を開環して、式R−24
【0176】
を有する化合物を生じ;そして
式R−24の化合物のカルボン酸と、式17
【0178】
を有するアミンとをカップリングさせて、式R−(I)の化合物を生じる
工程を含む方法を提供する。
[000126]
図1Fは、式R−(I)の化合物のこのような製造方法の態様を示す。
【0179】
[000127]別の態様において、本発明は、式S−(I)
【0181】
を有する構造によって表される化合物の(S)鏡像異性体を製造する方法であって、
(a)式R−18
【0183】
を有するカルボン酸と、トリブロモアセトアルデヒドとを反応させて、式R−25
【0185】
を有する化合物を生じ、そのジオキサラン誘導体R−25と、式20
【0187】
を有する化合物とを反応させて、式R−26
【0189】
を有する化合物を生じ;
(b)式R−26の化合物を開環して、式S−24
【0191】
を有する化合物を生じ;そして
式S−24の化合物のカルボン酸と、式17
【0193】
を有するアミンとをカップリングさせて、式S−(I)の化合物を生じる
工程を含む方法を提供する。
[000128]
図1Gは、式S−(I)の化合物のこのような製造方法の態様を示す。
【0194】
[000129]別の態様において、本発明は、式R−(I)
【0196】
を有する構造によって表される化合物の(R)鏡像異性体を製造する方法であって、
(a)式S−18
【0198】
を有するカルボン酸と、トリブロモアセトアルデヒドとを反応させて、式S−25:
【0200】
を有する化合物を生じ、そのジオキサラン誘導体S−25と、式30:
【0202】
を有する化合物とを反応させて、式S−26
【0204】
を有する化合物を生じ;
式S−26の化合物を開環して、式R−24
【0206】
を有する化合物を生じ;そして
式R−24の化合物のカルボン酸と、式17:
【0208】
を有するアミンとをカップリングさせて、式R−(I)の化合物を生じる
工程を含む方法を提供する。
[000130]
図1Hは、式R−(I)の化合物のこのような製造方法の態様を示す。
【0209】
[000131]別の態様において、本発明は、式(I)
【0211】
を有する構造によって表される化合物のラセミ混合物を製造する方法であって、
(a)式24
【0215】
[式中、Pは、イソシアネート(NCO)またはイソチオシアネート(NCS)より選択される]
を有する化合物とを反応させて、式28aまたは式28b
【0217】
を有する化合物をそれぞれ生じ、
(b)式28aまたは式28bのオキサゾリジンジオンまたは2−チオキソオキサゾリド−4−オンを、塩基の存在下で開環して、式(I)の化合物を生じる
工程を含む方法を提供する。
【0218】
[000132]
図1Iは、式(I)のラセミ化合物のこのような製造方法の態様を示す。
[000133]別の態様において、本発明は、式(I):
【0220】
を有する構造によって表される化合物のラセミ混合物を製造する方法であって、
(a)メタクリル酸を塩素化し、
【0224】
を有する3−シアノ4−トリフルオロメチルアニリンと、塩化メタクリロイルとをカップリングさせて、式29:
【0226】
を有するアミドを生じ、
(c)式29のアミドを酸化して、式21
【0228】
を有するオキシランを生じ;そして
(d)式21のオキシランと、式20
【0230】
を有する化合物とを反応させて、式(I)の化合物を生じる
工程を含む方法を提供する。
[000134]別の態様において、工程(c)の式29のアミドの酸化は、オゾンを含む。別の態様において、酸化剤は、ペルオキシ酸、例えば、過酢酸(CH
3COOOH)である。別の態様において、酸化剤は、メタクロロ過安息香酸(m−CPBA)である。別の態様において、酸化剤は、マグネシウムモノペルオキシフタル酸(MagnesiumMonoPeroxyPthalic Acis)(MMPP)である。別の態様において、酸化剤は、触媒量(1.0〜0.1mol%)のマンガン(
2+)塩と一緒の過酸化水素である。
【0231】
[000135]
図1Jは、式(I)のラセミ化合物の製造方法の態様を示す。
[000136]一つの態様において、本発明は、本発明の化合物の純粋な鏡像異性体を製造する方法であって、(a)本発明の化合物のラセミ混合物を製造し;そして(b)それらラセミ混合物から本発明の純粋な化合物を分離する工程を含む方法を提供する。
【0232】
[000137]一つの態様において、本発明のラセミ化合物からの光学活性な(R)異性体または(S)鏡像異性体の分離は、結晶化法を含む。別の態様において、結晶化法には、鏡像異性体のいろいろな結晶化が含まれる。別の態様において、結晶化法には、ジアステレオマー塩(酒石酸塩またはキニーネ塩)のいろいろな結晶化が含まれる。別の態様において、結晶化法には、キラル補助(auxillary)誘導体(メントールエステル等)のいろ
いろな結晶化が含まれる。別の態様において、本発明のラセミ化合物からの光学活性な(R)異性体または(S)鏡像異性体の分離は、ラセミ体混合物と別のキラル基とを反応させ、ジアステレオマー混合物を形成後、ジアステレオマーの分離を行い、そして追加したキラル基を除去して、純粋な鏡像異性体を得ることを含む。別の態様において、本発明の化合物のラセミ混合物からの光学活性な(R)異性体または(S)鏡像異性体の分離は、キラル合成を含む。別の態様において、本発明の化合物のラセミ混合物からの光学活性な(R)異性体または(S)鏡像異性体の分離は、生物学的分割を含む。別の態様において、本発明の化合物のラセミ混合物からの光学活性な(R)異性体または(S)鏡像異性体の分離は、酵素的分割を含む。別の態様において、本発明の化合物のラセミ混合物からの光学活性な(R)異性体または(S)鏡像異性体の分離は、キラル固定相を用いたクロマトグラフィー分離を含む。別の態様において、本発明の化合物のラセミ混合物からの光学活性な(R)異性体または(S)鏡像異性体の分離は、アフィニティークロマトグラフィーを含む。別の態様において、本発明の化合物のラセミ混合物からの光学活性な(R)異性体または(S)鏡像異性体の分離は、キャピラリー電気泳動を含む。別の態様において、本発明の化合物のラセミ混合物からの光学活性な(R)異性体または(S)鏡像異性体の分離は、キラル炭素のヒドロキシル基のエステル基を、光学活性な酸、例えば、(−)−カンファン酸で形成し、そのようにして得られたジアステレオマーエステルを、分別結晶化または好ましくは、フラッシュクロマトグラフィーによって分離後、別々のエステルを各々加水分解してアルコールにすることを含む。
【0233】
[000138]別の態様において、本発明の方法によってまたは本発明のラセミ混合物のキラル分離によって得られた鏡像異性体の純度および選択性は、HPLC分析によって決定することができる。
【0234】
[000139]別の態様において、その方法は、更に、式Iの化合物を、その類似体、異性体、代謝産物、誘導体、薬学的に許容しうる塩、医薬製品、N−オキシド、水和物またはいずれかそれらの組合せへと変換する工程を含む。
【0235】
[000140]本発明のこの側面により、そして一つの態様において、アミド誘導体、例えば、式19の化合物およびフェノール誘導体、例えば、20などを反応させるのに用いられる試薬は、塩基の存在下で行われる。−XH部分(例えば、XがOである場合のフェノール部分)の水素を脱プロトンし且つカップリングを可能にするいずれか適する塩基を用いることができる。塩基の非制限例は、アルカリ炭酸塩などの炭酸塩、例えば、炭酸ナトリウム(Na
2CO
3)、炭酸カリウム(K
2CO
3)および炭酸セシウム(Cs
2CO
3);アルカリ金属重炭酸塩などの重炭酸塩、例えば、重炭酸ナトリウム(NaHCO
3)、重炭酸カリウム(KHCO
3);水素化ナトリウム(NaH)、水素化カリウム(KH)および水素化リチウム(LiH)などのアルカリ金属水素化物等である。
【0236】
[000141]脱離基Lは、この側面により、そして一つの態様において、当業者に知られているであろうように、化学反応について慣例的に考えられるいずれか除去可能な基を含んでよい。適する脱離基は、ハロゲン、例えば、F、Cl、BrおよびI;アルキルスルホネートエステル(−OSO
2R)(式中、Rは、アルキル基である)、例えば、メタンスルホネート(メシラート)、トリフルオロメタンスルホネート、エタンスルホネート、2,2,2−トリフルオロエタンスルホネート、ペルフルオロブタンスルホネート;アリールスルホネートエステル(−OSO
2Ar)(式中、Arは、アリール基である)、例えば、p−トルオイルスルホネート(トシラート)、ベンゼンスルホネートであって、未置換であってよいし、またはメチル、塩素、臭素、ニトロ等で置換されていてよいもの;No
3、No
2またはスルフェート、スルフィット、ホスフェート、ホスフィット、カルボキシレート、イミノエステル、N
2またはカルバメートである。
【0237】
[000142]本発明のこの側面により、そして一つの態様において、反応は、例えば、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、アセトン、メチルエチルケトン、2−プロパノール;ピリジンなどの芳香族アミン;ベンゼン、トルエンおよびキシレンなどの脂肪族および芳香族炭化水素;ジメチルスルホキシド(DMSO)、ジメチルホルムアミド(DMF)およびジメチルアセトアミド(DMAC)などの適する不活性溶媒または希釈剤中で行われる。一つの態様において、反応は、本明細書中の上に記載のような適する不活性溶媒または希釈剤中において、好適には、トリエチルアミンなどの塩基の存在下、そして上記のような範囲内の温度で行うことができる。一つの態様において、反応は、当業者に知られているであろうように、−20〜120℃の範囲内の適当な温度で、または例えば、周囲温度またはその付近の温度で行うことができる。
【0238】
[000143]本明細書中の上に定義のカップリング試薬は、式24または式18のカルボン酸/チオカルボン酸をその反応性誘導体に変え、それによって、それぞれのアミンとカップリング可能にして、アミド/チオアミド結合を形成することができる試薬である。カルボン酸/チオカルボン酸の適する反応性誘導体は、例えば、アシルハライド/チオアシルハライド、例えば、酸/チオ酸および無機酸塩化物、例えば、塩化チオニルの反応によって形成されるアシル/チオアシルクロリド;混合無水物、例えば、酸およびイソブチルクロロホルメートなどのクロロホルメートの反応によって形成される無水物;活性エステル/チオエステル、例えば、酸およびペンタフルオロフェノールなどのフェノールの反応によって形成されるエステル、ペンタフルオロフェニルトリフルオロアセテートなどのエステル、またはメタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノールまたはN−ヒドロキシベンゾトリアゾールなどのアルコール;アシル/チオアシルアジド、例えば、酸/チオ酸およびジフェニルホスホリルアジドなどのアジドの反応によって形成されるアジド;アシルシアニド/チオアシルシアニド、例えば、酸およびジエチルホスホリルシアニドなどのシアニドの反応によって形成されるシアニド;または酸/チオ酸およびジシクロヘキシルカルボジイミドなどのカルボジイミドの反応の生成物である。
【0239】
[000144]その方法が、当業者に理解されるであろうように、該当する式の化合物を生じるのに適当であるように、本明細書中に記載のいずれかの態様を含んでよいということは理解されるはずである。
【0240】
[000145]一つの態様において、本発明の化合物を製造する方法は、あまり酸性でない条件の存在下における開環を含んでよく、それは、別の態様において、化合物混合物を得る可能性を減少させ、そしてより高い収率および純度の目的の化合物を与える。一つの態様において、式18のカルボン酸を生じる本明細書中に記載の方法の開環は、HBrの存在下で行われ、それは、一つの態様において、30%まで、または別の態様において、40%まで、または別の態様において、25%まで、または別の態様において、23%まで、または別の態様において、20〜25%までの濃度である。一つの態様において、本発明の化合物は、大規模合成によって製造して、極めて純粋な生成物を高収率で与えることができる。
【0241】
[000146]一つの態様において、反応は、本明細書中の上に記載のような適する不活性溶媒または希釈剤中において、好適には、トリエチルアミンなどの塩基の存在下、そして上記のような範囲内の温度で行うことができる。
【0242】
[000148]若干の態様において、本明細書中に記載の化合物は、筋消耗障害、骨関連障害および糖尿病関連障害を予防するおよび処置する場合に有用である。
[000149]若干の態様において、本明細書中に記載の化合物は、単独でかまたは組成物として、男性および女性において、性腺機能低下、骨量減少、勃起障害、リビドー欠乏、骨粗鬆症および生殖能力などのいろいろなホルモン関連状態の処置に有用である。若干の態様において、本明細書中に記載の化合物は、特に、赤血球生成、骨形成、筋成長、グルコース取込み、インスリン分泌を促進すること、および/または脂質形成、凝固、インスリン抵抗性、アテローム性動脈硬化症、破骨活性およびその他を予防することを含めた、本明細書中に記載の状態の処置を引き続き生じるいろいろな過程への機能を刺激するまたは促進するまたは回復する場合に有用である。
【0243】
[000150]一つの態様において、本発明の方法は、受容体に接触しまたは受容体を結合し、それによって、記載の作用を媒介する記載の化合物を利用する。若干の態様において、受容体は、核内受容体であり、それは、一つの態様において、アンドロゲン受容体であり、または別の態様において、エストロゲン受容体であり、または別の態様において、プロゲステロン受容体であり、または別の態様において、グルココルチコイド受容体である。若干の態様において、多数の作用は、対象の多数の受容体に結合する機能として同時に起こることがありうる。若干の態様において、本明細書中に記載の化合物の組織選択的作用は、異なった標的器官への同時作用を与える。
【0244】
医薬組成物
[000151]若干の態様において、本発明は、記載の化合物を含む組成物を投与することを含む使用方法を提供する。本明細書中で用いられる「医薬組成物」は、「治療的有効量」の活性成分、すなわち、薬学的に許容しうる担体または希釈剤と一緒の式Iの化合物を意味する。本明細書中で用いられる「治療的有効量」は、ある一定の状態および投与計画に治療的作用を与えるその量を意味する。
【0245】
[000152]本明細書中で用いられる「投与すること」という用語は、対象を、本発明の化合物と接触した状態にすることを意味する。本明細書中で用いられる投与は、invitroで、すなわち、試験管中で、またはin vivo で、すなわち、生体、例えば、ヒトの細胞
または組織中で達成することができる。一つの態様において、本発明は、本発明の化合物を対象に投与することを包含する。
【0246】
[000153]本発明の化合物を含有する医薬組成物は、経口、非経口、脈管内、癌近傍、経粘膜、経皮、筋肉内、鼻腔内、静脈内、皮内、皮下、舌下、腹腔内、脳室内、頭蓋内、膣内、吸入による、直腸内、腫瘍内、またはリコンビナントウイルス/組成物を組織に送達することができるいずれかの手段(例えばね針またはカテーテル)によるなどの、当業者に知られているいずれかの方法によって対象に投与することができる。或いは、局所投与は、粘膜細胞への適用に、皮膚または眼への適用に望まれることがありうる。別の投与方法は、吸引またはエアゾル製剤による。
【0247】
[000154]一つの態様において、医薬組成物は、経口投与され、したがって、経口投与に適する形で、すなわち、固形または液状の製剤として製剤化される。適する固形経口製剤には、錠剤、カプセル剤、丸剤、顆粒剤、ペレット剤、散剤等が含まれる。適する液状経口製剤には、液剤、懸濁剤、分散剤、乳剤、油剤等が含まれる。本発明の一つの態様において、SARM化合物は、カプセル中に製剤化される。この態様により、本発明の組成物は、本発明の化合物および不活性担体または希釈剤に加えて、ゼラチン硬カプセルを含む。
【0248】
[000155]一つの態様において、超微粉カプセル剤は、本発明の化合物を含有する粒子を含み、ここにおいて、本明細書中で用いられる「超微粉」という用語は、100ミクロン未満、または別の態様において、60ミクロン未満、または別の態様において、36ミクロン未満、または別の態様において、16ミクロン未満、または別の態様において、10ミクロン未満、または別の態様において、6ミクロン未満である粒度を有する粒子を意味する。
【0249】
[000156]更に、別の態様において、医薬組成物は、液状製剤の静脈内、動脈内または筋肉内注射によって投与される。適する液状製剤には、液剤、懸濁剤、分散剤、乳剤、油剤等が含まれる。一つの態様において、医薬組成物は、静脈内投与され、したがって、静脈内投与に適する形で製剤化される。別の態様において、医薬組成物は、動脈内投与され、したがって、動脈内投与に適する形で製剤化される。別の態様において、医薬組成物は、筋肉内投与され、したがって、筋肉内投与に適する形で製剤化される。
【0250】
[000157]更に、別の態様において、医薬組成物は、体表面へ局所投与され、したがって、局所投与に適する形で製剤化される。適する局所用製剤には、ゲル剤、軟膏剤、クリーム剤、ローション剤、滴剤等が含まれる。局所投与について、本発明の化合物またはそれらの塩、エステル、N−オキシド等のような生理学的に許容される誘導体は、医薬担体を含むまたは不含の生理学的に許容しうる希釈剤中の液剤、懸濁剤または乳剤として製造され且つ適用される。
【0251】
[000158]更に、別の態様において、医薬組成物は、坐剤として、例えば、肛門坐剤または尿道坐剤として投与される。更に、別の態様において、医薬組成物は、ペレットの皮下植込みによって投与される。もう一つの態様において、ペレットは、本明細書中に記載の化合物の一定期間にわたる制御放出を与える。もう一つの態様において、医薬組成物は、膣内投与される。
【0252】
[000159]別の態様において、活性化合物は、小胞、具体的には、リポソーム中で送達することができる(Langer,Science249:1627-1633(1990); Treat et al., in Liposome
s in theTherapy of Infectious Disease and Cancer,Lopez- Berestein and Fidler(eds.), Liss, NewYork, pp. 363-366(1989); Lopez-Berestein, ibid., pp.317-327 を参
照されたい;一般的には、ibid を参照されたい)。
【0253】
[000160]本明細書中で用いられる「薬学的に許容しうる担体または希釈剤」は、当業者に周知である。担体または希釈剤は、固形製剤用の固形担体または希釈剤、液状製剤用の液状担体または希釈剤、またはそれらの混合物であってよい。
【0254】
[000161]固形担体/希釈剤には、ガム、デンプン(例えば、トウモロコシデンプン、プレゲル化(pregeletanized)デンプン)、糖(例えば、ラクトース、マンニトール、スクロース、デキストロース)、セルロース系材料(例えば、微結晶性セルロース)、アクリレート(例えば、ポリメチルアクリレート)、炭酸カルシウム、酸化マグネシウム、タルクまたはそれらの混合物が含まれるが、これに制限されるわけではない。
【0255】
[000162]一つの態様において、本発明の組成物は、一つまたはそれを超える薬学的に許容しうる賦形剤と一緒に、本発明の化合物またはいずれかそれらの組合せを包含してよい。
【0256】
[000163]本発明が、本明細書中に記載の化合物のいずれかの態様を包含し、それを、若干の態様において、「本発明の化合物」と称するということは理解されるはずである。
[000164]適する賦形剤および担体は、本発明の態様により、固形または液状であってよく、そのタイプは、概して、用いられている投与タイプに基づいて選択される。リポソームは、組成物を送達するのに用いることもできる。適する固形担体の例には、ラクトース、スクロース、ゼラチンおよび寒天が含まれる。経口剤形は、適する結合剤、滑沢剤、希釈剤、崩壊剤、着色剤、着香剤、流動誘導剤および溶融剤を含有してよい。液状剤形は、例えば、適する溶媒、保存剤、乳化剤、懸濁化剤、希釈剤、甘味剤、増粘剤および溶融剤を含有してよい。非経口および静脈内の形は、更に、選択された注射またはデリバリーシステムのタイプとそれらを適合性にする鉱物または他の物質を包含すべきである。当然ながら、他の賦形剤を用いることもできる。
【0257】
[000165]液状製剤について、薬学的に許容しうる担体は、水性または非水性の溶液、懸濁液、エマルジョンまたは油であってよい。非水性溶媒の例は、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、およびオレイン酸エチルなどの注射可能有機エステルである。水性担体には、水、アルコール性/水性溶液、シクロデキストリン、生理食塩水および緩衝化基剤を含めたエマルジョンまたは懸濁液が含まれる。油の例は、石油、動物、植物または合成由来のもの、例えば、ラッカセイ油、ダイズ油、鉱油、オリーブ油、ヒマワリ油および魚肝油である。
【0258】
[000166]非経口ビヒクル(皮下、静脈内、動脈内または筋肉内注射用)には、塩化ナトリウム溶液、リンガーデキストロース、デキストロースおよび塩化ナトリウム、加乳リンガー液および不揮発性油が含まれる。静脈内ビヒクルには、体液および栄養素補給物、リンガーデキストロースを基剤としたものなどの電解質補給物等が含まれる。例は、界面活性剤および他の薬学的に許容しうるアジュバントの添加を伴うまたは伴わない、水および油などの滅菌液である。概して、水、生理食塩水、水性デキストロースおよび関連糖溶液、およびプロピレングリコールまたはポリエチレングリコールなどのグリコールは、特に、注射可能液剤に好適な液状担体である。油の例は、石油、動物、植物または合成由来のもの、例えば、ラッカセイ油、ダイズ油、鉱油、オリーブ油、ヒマワリ油および魚肝油である。
【0259】
[000167]更に、それら組成物は、結合剤(例えば、アラビアゴム、トウモロコシデンプン、ゼラチン、カルボマー、エチルセルロース、グアーガム、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポビドン)、崩壊剤(例えば、トウモロコシデンプン、バレイショデンプン、アルギン酸、二酸化ケイ素、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、グアーガム、ナトリウムデンプングリコラート)、いろいろなpHおよびイオン強度の緩衝剤(例えば、Tris−HCl、アセテート、ホスフェート)、表面への吸収を妨げるアルブミンまたはゼラチンなどの添加剤、洗剤(例えば、Tween20、Tween 80、PluronicF68、胆汁酸塩)、プロテアーゼ阻害剤、界面活性剤(
例えば、ラウリル硫酸ナトリウム)、透過増強剤、可溶化剤(例えば、クレモホル(cremophor)、グリセロール、ポリエチレングリセロール、塩化ベンザルコニウム(benzlkoniumchloride)、安息香酸ベンジル、シクロデキストリン、ソルビタンエステル、ステア
リン酸)、酸化防止剤(例えば、アスコルビン酸、ピロ亜硫酸ナトリウム、ブチル化ヒドロキシアニソール)、安定剤(例えば、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース)、粘度増加剤(例えば、例えば、カルボマー、コロイド二酸化ケイ素、エチルセルロース、グアーガム)、甘味剤(例えば、アスパルテーム、クエン酸)、保存剤(例えば、Thimerosal、ベンジルアルコール、パラベン)、着色剤、滑沢剤(例えば、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウム)、流動助剤(例えば、コロイド二酸化ケイ素)、可塑剤(例えば、フタル酸ジエチル、クエン酸トリエチル)、乳化剤(例えば、カルボマー、ヒドロキシプロピルセルロース、ラウリル硫酸ナトリウム)、ポリマーコーティング剤(例えば、ポロキサマーまたはポロキサミン)、コーティングおよび薄膜形成剤(例えば、エチルセルロース、アクリレート、ポリメタクリレート)および/またはアジュバントを更に含んでよい。
【0260】
[000168]一つの態様において、本明細書中で与えられる医薬組成物は、制御放出組成物、すなわち、本発明の化合物が、投与後一定期間にわたって放出される組成物である。制御放出または徐放性組成物には、親油性デポ剤(例えば、脂肪酸、ロウ、油)中の製剤が含まれる。別の態様において、組成物は、速放性組成物、すなわち、化合物の全てが、投与直後に放出される組成物である。
【0261】
[000169]また別の態様において、医薬組成物は、制御放出システムで送達することができる。例えば、その物質は、静脈内注入、植込み可能な浸透圧ポンプ、経皮パッチ、リポソーム、または他の投与用式を用いて投与することができる。一つの態様において、ポンプを用いることができる(Langer,supra; Sefton, CRC Crift.Ref. Biomed. Eng.14:201(1987);Buchwald et al., Surgery88:607(1980); Saudek et al., N. Engl. J. Med.
321:674(1989)を参照されたい)。別の態様において、ポリマー性材料を用いることが
できる。また別の態様において、制御放出システムは、治療標的、すなわち、脳に近接して置かれ、それによって、全身用量の一部分だけを必要とすることができる(例えば、Goodson,inMedical Applications of Controlled Release, supra, vol. 2, pp. 116-138
(1984) を参照されたい)。他の制御放出システムは、Langer(Science249:1627-1633(1
990))によって概説に論じられている。
【0262】
[000170]それら組成物は、更に、ポリ乳酸、ポリグリコール酸(polglycolicacid)
、ヒドロゲル等のようなポリマー性化合物の粒状標品中へまたは上への、またはリポソーム、ミクロエマルジョン、ミセル、ユニラメラまたはマルチラメラビヒクル、赤血球影またはスフェロプラスト上への、活性物質の組込みを包含していてよい。このような組成物は、物理的状態、可溶性、安定性、invivo 放出速度および in vivo クリアランス速度
に影響するであろう。
【0263】
[000171]本発明によって更に包含されるのは、ポリマー(例えば、ポロキサマーまたはポロキサミン)でコーティングされた粒状組成物、および組織特異的受容体、リガンドまたは抗原に対して向けられた抗体にカップリングしたまたは組織特異的受容体のリガンドにカップリングした配合物である。
【0264】
[000172]本発明によって更に包含されるのは、ポリエチレングリコールなどの水溶性ポリマー、ポリエチレングリコールおよびポリプロピレングリコールのコポリマー、カルボキシメチルセルロース、デキストラン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドンまたはポリプロリンの共有結合によって修飾された化合物である。それら修飾化合物は、静脈内注射後の血液中において、該当する未修飾化合物の場合より実質的に長い半減期を示すことが知られている(Abuchowskiet al., 1981; Newmark et al., 1982; および Katre et al.,1987)。このような修飾は、水溶液中への化合物の溶解度を増加させ、凝集
を排除し、化合物の物理的および化学的安定性を増強し、そして化合物の免疫原性および反応性を大きく減少させることもありうる。結果として、所望の in vivo 生物学的活性
は、未修飾化合物の場合よりも少ない頻度または少ない用量でのこのようなポリマー−化合物付加物(abducts)の投与によって達成することができる。
【0265】
[000173]活性成分を含有する医薬組成物の製造は、当該技術分野において、例えば、混合法、造粒法または錠剤成形法によって十分に理解される。活性な治療的成分は、しばしば、薬学的に許容しうるし且つ活性成分と相容性である賦形剤と混合される。経口投与には、本発明の化合物またはそれらの塩、エステル、N−オキシド等のような生理学的に許容される誘導体を、ビヒクル、安定剤または不活性希釈剤などの、この目的に慣例的な添加剤と混合し、そして錠剤、コーティング錠、ゼラチン硬または軟カプセル剤、水性、アルコール性または油状の液剤などの、投与に適する形へと慣例法によって変換する。非経口投与には、本発明の化合物またはそれらの塩、エステル、N−オキシド等のような生理学的に許容される誘導体を、所望ならば、この目的に慣例的な且つ適する物質、例えば、可溶化剤またはその他と一緒に、溶液、懸濁液またはエマルジョンへと変換する。
【0266】
[000174]活性成分は、中和された薬学的に許容しうる塩の形としての組成物へと製剤化することができる。薬学的に許容しうる塩には、(ポリペプチドまたは抗体分子の遊離アミノ基で形成される)酸付加塩が含まれるが、それは、例えば、塩酸またはリン酸などの無機酸、または酢酸、シュウ酸、酒石酸、マンデル酸等のような有機酸で形成される。遊離カルボキシル基から形成される塩は、例えば、ナトリウム、カリウム、アンモニウム、カルシウムまたは第二鉄の水酸化物などの無機塩基、およびイソプロピルアミン、トリメチルアミン、2−エチルアミノエタノール、ヒスチジン、プロカイン等のような有機塩基から誘導することもできる。
【0267】
[000175]薬剤中での使用について、化合物の塩は、薬学的に許容しうる塩であろう。他の塩は、しかしながら、本発明による化合物のまたはそれらの薬学的に許容しうる塩の製造に有用でありうる。本発明の化合物の適する薬学的に許容しうる塩には、例えば、本発明による化合物の溶液と、塩酸、硫酸、メタンスルホン酸、フマル酸、マレイン酸、コハク酸、酢酸、安息香酸、シュウ酸、クエン酸、酒石酸、炭酸またはリン酸などの薬学的に許容しうる酸の溶液とを混合することによって形成することができる酸付加塩が含まれる。
【0268】
[000176]一つの態様において、本発明は、本発明の化合物を含む医薬組成物を提供する。一つの態様において、このような組成物は、経口テストステロン補充療法に有用である。
【0269】
[000177]一つの態様において、本発明は、更に、本発明の二つまたはそれを超える化合物またはそれらの多形、異性体、水和物、塩、N−オキシド等を含む組成物を提供する。本発明は、更に、本発明の化合物を単独で、またはプロゲスチンまたはエストロゲン、または別の態様において、化学療法用化合物、骨形成または筋原性化合物、または本明細書中に記載の用途に適する他の物質との組合せで含む組成物および医薬組成物に関する。一つの態様において、本発明の組成物は、適する担体、希釈剤または塩を含むであろう。
【0270】
[000178]一つの態様において、本発明の方法は、本発明の式Iの化合物のいろいろな投薬量での投与を含むことができる。一つの態様において、本発明の化合物は、0.1〜200mg/日の投薬量で投与される。一つの態様において、本発明の化合物は、0.1〜10mg、または別の態様において、0.1〜26mg、または別の態様において、0.1〜60mg、または別の態様において、0.3〜16mg、または別の態様において、0.3〜30mg、または別の態様において、0.6〜26mg、または別の態様において、0.6〜60mg、または別の態様において、0.76〜16mg、または別の態様において、0.76〜60mg、または別の態様において、1〜6mg、または別の態様において、1〜20mg、または別の態様において、3〜16mg、または別の態様において、30〜60mg、または別の態様において、30〜76mg、または別の態様において、100〜2000mg/日の用量で投与される。
【0271】
[000179]一つの態様において、本発明の方法は、本発明の式Iの化合物のいろいろな投薬量での投与を含むことができる。一つの態様において、本発明の化合物は、1mgの投薬量で投与される。別の態様において、本発明の化合物は、3mg、6mg、10mg、16mg、20mg、26mg、30mg、36mg、40mg、46mg、50mg、56mg、60mg、66mg、70mg、76mg、80mg、86mg、90mg、96mgまたは100mgの投薬量で投与される。
【0272】
[000180]一つの態様において、本発明は、(a)本明細書中に記載の化合物のいずれかの態様;および(b)薬学的に許容しうる担体または希釈剤を含む医薬組成物の投与を含む使用方法を提供し;それは、本明細書中に記載の化合物の類似体、異性体、代謝産物、誘導体、薬学的に許容しうる塩、N−オキシド、水和物またはいずれかそれらの組合せを包含すると理解されるはずであり、そして式Iの化合物を含んでよい。
【0273】
[000181]若干の態様において、本発明は、(a)本明細書中に記載の化合物の、それらの類似体、異性体、代謝産物、誘導体、薬学的に許容しうる塩、医薬製品、N−オキシド、水和物またはいずれかそれらの組合せを含めたいずれかの態様;(b)薬学的に許容しうる担体または希釈剤;(c)流動助剤;および(d)滑沢剤を含む医薬組成物の使用方法を提供する。
【0274】
[000182]別の態様において、本発明は、(a)本明細書中に記載の化合物の、それらの類似体、異性体、代謝産物、誘導体、薬学的に許容しうる塩、医薬製品、N−オキシド、水和物またはいずれかそれらの組合せを含めたいずれかの態様;(b)ラクトース一水和物;(c)微結晶性セルロース;(d)ステアリン酸マグネシウム;および(e)コロイド二酸化ケイ素を含む医薬組成物の使用方法を提供する。
【0275】
[000183]若干の態様において、本発明の方法は、本発明の化合物を含む組成物を利用していて、それは、それら化合物が、アンドロゲン受容体の非ステロイド性リガンドであり、しかもinvivo アナボリック活性を示すという利点を与える。本発明により、この
ような化合物は、深刻な副作用を伴わない、好都合な投与様式を与える、そして生産費用を低下させ且つ経口で生物学的に利用可能である、他の望ましくないステロイド受容体との有意の交差反応性を欠く、そして長い生物学的半減期を有することができる。
【0276】
[000184]哺乳動物、特に、ヒトへの投与について、医師が、実際の投薬量および処置期間を決定するであろうと考えられるが、それは、個体に最も適しているであろうし、そして具体的な個体の年齢、体重および応答で異なることがありうる。
【0277】
[000185]一つの態様において、投与用組成物は、滅菌液剤であってよく、または他の態様において、水性または非水性の懸濁剤または乳剤であってよい。一つの態様において、それら組成物は、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、注射可能有機エステル、例えば、オレイン酸エチル、またはシクロデキストリンを含んでよい。別の態様において、組成物は、更に、湿潤剤、乳化剤および/または分散助剤を含んでよい。別の態様において、それら組成物は、更に、滅菌水またはいずれか他の滅菌注射可能基剤を含んでよい。
【0278】
[000186]一つの態様において、本発明は、本明細書中に記載のように、本発明のいずれかの方法で用いるための、本明細書中に記載のいずれかの態様を含めた化合物および組成物を提供する。一つの態様において、本発明の化合物またはそれを含む組成物の使用は、当業者に理解されるであろうように、対象の所望の応答を阻害する、抑制する、増強するまたは刺激する場合に有用であろう。別の態様において、それら組成物は、追加の活性成分を更に含んでよいが、その活性は、本発明の化合物が投与されている具体的な用途に有用である。
【0279】
[000187]若干の態様において、本発明の方法は、本発明の化合物を含む組成物を利用していて、それは、それら化合物が、アンドロゲン受容体の非ステロイド性リガンドであり、しかもinvivo アナボリック活性を示すという利点を与える。本発明により、この
ような化合物は、深刻な副作用を伴わない、好都合な投与様式を与える、そして生産費用を低下させ且つ経口で生物学的に利用可能である、他の望ましくないステロイド受容体との有意の交差反応性を欠く、そして長い生物学的半減期を有することができる。
【0280】
[000188]哺乳動物、特に、ヒトへの投与について、医師が、実際の投薬量および処置期間を決定するであろうと考えられるが、それは、個体に最も適しているであろうし、そして具体的な個体の年齢、体重および応答で異なることがありうる。
【0281】
[000189]一つの態様において、投与用組成物は、滅菌液剤であってよく、または他の態様において、水性または非水性の懸濁剤または乳剤であってよい。一つの態様において、それら組成物は、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、注射可能有機エステル、例えば、オレイン酸エチル、またはシクロデキストリンを含んでよい。別の態様において、組成物は、更に、湿潤剤、乳化剤および/または分散助剤を含んでよい。別の態様において、それら組成物は、更に、滅菌水またはいずれか他の滅菌注射可能基剤を含んでよい。
【0282】
[000190]一つの態様において、本発明は、本発明のいずれかの方法で用いるための、本明細書中に記載のいずれかの態様を含めた化合物および組成物を提供する。一つの態様において、本発明の化合物またはそれを含む組成物の使用は、当業者に理解されるであろうように、対象の所望の応答を阻害する、抑制する、増強するまたは刺激する場合に有用であろう。別の態様において、それら組成物は、追加の活性成分を更に含んでよいが、その活性は、本発明の化合物が投与されている具体的な用途に有用である。
【0283】
[000191]若干の態様において、それら組成物は、更に、5α−レダクターゼ阻害剤(5ARI)、一つまたは複数のSARM、選択的エストロゲン受容体モジュレーター(SERM)、アナストラゾール(anastrazole)、エクセメスタン(exemestane)またはレ
トロゾール(letrozole)などがあるがこれに制限されるわけではないアロマターゼ阻害
剤;GnRHアゴニストまたはアンタゴニスト、ステロイド性または非ステロイド性GRリガンド、ステロイド性または非ステロイド性PRリガンド、ステロイド性または非ステロイド性ARアンタゴニスト、17−アルドケトレダクターゼ阻害剤または17β−ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ阻害剤を含むであろう。このような組成物は、若干の態様において、例えば、不妊、ホルモン応答性癌、例えば、性腺癌または泌尿生殖器癌の新形成などのホルモン依存状態を処置するのに用いることができる。
【0284】
[000192]若干の態様において、組成物は、本明細書中に記載の化合物、更には、特に、フィナステリド(finasteride)、デュタステリド(dutasteride)、イゾンステリド(izonsteride)などの5ARI;RU−58642、RU−56279、WS9761A
およびB、RU−59063、RU−58841、ベクスロステリド(bexlosteride)、LG−2293、L−245976、LG−121071、LG−121091、LG−121104、LGD−2226、LGD−2941、YM−92088、YM−175735、LGD−1331、BMS−357597、BMS−391197、S−40503、BMS−482404、EM−4283、EM−4977、BMS−564929、BMS−391197、BMS−434588、BMS−487745、BMS−501949、SA−766、YM−92088、YM−580、LG−123303、LG−123129、PMCol、YM−175735、BMS−591305、BMS−591309、BMS−665139、BMS−665539、CE−590、116BG33、154BG31、アルカリン(arcarine)、ACP−105などの他のSARM;タモキシフェン、4−ヒドロキシタモキシフェン、イドキシフェン(idoxifene)、トレ
ミフェン(toremifene)、オスペミフェン(ospemifene)、ドロロキシフェン(droloxifene)、ラロキシフェン、アルゾキシフェン(arzoxifene)、バゼドキシフェン(bazedoxifene)、PPT(1,3,5−トリス(4−ヒドロキシフェニル)−4−プロピル−1
H−ピラゾール)、DPN(ジアリールプロピオニトリル)、ラソフォキシフェン(lasofoxifene)、ピペンドキシフェン(pipendoxifene)、EM−800、EM−652、ナ
フォキシジン(nafoxidine)、ジンドキシフェン(zindoxifene)、テスミリフェン(tesmilifene)、ミプロキシフェン(miproxifene)ホスフェート、RU58,688、EM
139、ICI164,384、ICI182,780、クロミフェン(clomiphene)、MER−25、ジエチルスチベストロル(diethylstibestrol)、クメストロル(coumestrol)、ゲニステイン(genistein)、GW5638、LY353581、ズクロミフェン(zuclomiphene)、エンクロミフェン(enclomiphene)、デルマジノンアセテート(delmadinoneacetate)、DPPE、(N,N−ジエチル−2−{4−(フェニルメチル)−
フェノキシ}エタンアミン)、TSE−424、WAY−070、WAY−292、WAY−818、シクロコムノル(cyclocommunol)、プリナベレル(prinaberel)、ERB
−041、WAY−397、WAY−244、ERB−196、WAY−169122、MF−101、ERb−002、ERB−037、ERB−017、BE−1060、BE−380、BE−381、WAY−358、[18F]FEDNP、LSN−500307、AA−102、Banzhi lian、CT−101、CT−102、VG−101などのSERM;ロイプロリド、ゴセレリン、トリプトレリン(triptorelin)、アルファプロ
ストル(alfaprostol)、ヒストレリン(histrelin)、デチレリクス(detirelix)、ガ
ニレリクス(ganirelix)、アンチドイツレリクス(antideiturelix)、セトロレリクス
(cetrorelix)、ラモレリクス(ramorelix)、ガニレリクス、アンタレリクス(antarelix)、テベレリクス(teverelix)、アバレリクス(abarelix)、オザレリクス(ozarelix)、スフゴリクス(sufugolix)、プラザレリクス(prazarelix)、デガレリクス(degarelix)、NBI−56418、TAK−810、アシリン(acyline)などのGnRHアゴニストまたはアンタゴニスト;FSHアゴニスト/アンタゴニスト、LHアゴニスト/アンタゴニスト、レトロゾール、アナストラゾール、アタメスタン(atamestane)、ファドロゾール(fadrozole)、ミナメスタン(minamestane)、エクセメスタン、プロメスタン(plomestane)、リアロゾール(liarozole)、NKS−01、ボロゾール(vorozole
)、YM−511、フィンロゾール(finrozole)、4−ヒドロキシアンドロステンジオ
ン、アミノグルエチミド(aminogluethimide)、ログレチミド(rogletimide)などのア
ロマターゼ阻害剤;ZK−216348、ZK−243149、ZK−243185、LGD−5552、ミフェプリストン、RPR−106541、ORG−34517、GW−215864X、Sesquicillin、CP−472555、CP−394531、A−222977、AL−438、A−216054、A−276575、CP−394531、CP−409069、UGR−07などのステロイド性または非ステロイド性グルココルチコイド受容体リガンド;ステロイド性または非ステロイド性プロゲステロン受容体リガンド;フルタミド(flutamide)、ヒドロキシフルタミド、ビカルタミド(bicalutamide
)、ニルタミド(nilutamide)などのステロイド性または非ステロイド性ARアンタゴニスト、ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ阻害剤、ベザフィブラート(bezafibrate
)、フェノフィブラート(fenofibrate)、ジェムフィブロジル(gemfibrozil)などのPPARαリガンド;ダルグリタゾン(darglitazone)、ピオグリタゾン(pioglitazone)、ロシグリタゾン(rosiglitazone)、イサグリタゾン(isaglitazone)、リボグリタゾ
ン(rivoglitazone)、ネトグリタゾン(netoglitazone)などのPPARγリガンド;ナベグリタザル(naveglitazar)、ファルグリタザル(farglitazar)、テサグリタザル(tesaglitazar)、ラガグリタザル(ragaglitazar)、オキセグリタザル(oxeglitazar)、PN−2034、PPARδなどの二重作用性PPARリガンド;17−ケトレダクターゼ阻害剤、3β−DHΔ4,6−イソメラーゼ阻害剤、3β−DHΔ4,5−イソメラーゼ阻害剤、17,20デスモラーゼ阻害剤、p450c17阻害剤、p450ssc阻害剤、17,20−リアーゼ阻害剤またはそれらの組合せを含めた別の治療的化合物を含むであろう。
【0285】
[000193]若干の態様において、それら組成物は、更に、Ghrelin受容体リガンドまた
は成長ホルモン類似体および分泌促進剤、IGF−1、IGF−1類似体および分泌促進剤、ミオスタチン(myostatin)類似体、プロテアソーム阻害剤、アンドロゲン性/アナ
ボリックステロイド、Enbrel、メラノコルチン(melanocortin)4受容体アゴニスト、インスリンまたはそれらの組合せを含むであろう。このような組成物は、若干の態様において、骨量減少または筋骨格状態を処置するのに用いることができる。
【0286】
[000194]若干の態様において、組成物は、本明細書中に記載の化合物、更には、特に、プラルモレリン(pralmorelin)、エクサモレリン(examorelin)、タビモレリン(tabimorelin)、カピモレリン(capimorelin)、カプロモレリン(capromorelin)、イパモ
レリン(ipamorelin)、ep−01572、ep−1572、jmv−1843などのG
hrelin 受容体リガンドまたは成長ホルモン類似体および分泌促進剤、テストステロン/
オキサンドロロン(oxandrolone)などのアンドロゲン性/アナボリックステロイド;ブ
レメラノチド(bremelanotide)などのメラノコルチン4受容体アゴニスト、ヒトグレリ
ン、CYT−009−GhrQb、L−692429、GHRP−6、SK&F−110679、U−75799Eなどの Ghrelin またはその類似体、レプチン(メトレレプチ
ン、ペグ化レプチン);LEP(116−130)、OB3、[D−Leu4]−OB3、rAAV−レプチン、AAV−hOB、rAAVhOBなどのレプチン受容体アゴニスト;インスリン(短時間、中等度および長時間作用性製剤);コルチゾルまたはコルチコステロイド、またはそれらの組合せを含めた別の治療的化合物を含むであろう。
【0287】
[000195]本発明は、若干の態様において、投与経路に適当に製剤化され、別個におよび類似のまたは代わりの経路によって投与される個々の物質を含む組成物の投与を考える。本発明は、若干の態様において、同じ製剤中で投与される個々の物質を含む組成物の投与を考える。本発明は、若干の態様において、いろいろな物質の一定の経過時間にわたる投与の時差投与、同時投与を考えるが、しかしながら、それらの作用は、対象において相乗的である。
【0288】
[000196]二つまたはそれを超える物質の投与についての上の手段、タイミング、経路またはそれらの組合せはいずれも、本明細書中に記載の「組合せで投与される」という句によって包含されると考えるべきである。
【0289】
[000197]一つの態様において、本発明の化合物は、抗癌薬との組合せで投与される。一つの態様において、抗癌薬は、単クローン性抗体である。一つの態様において、単クローン性抗体は、癌の診断、監視または処置に用いられる。一つの態様において、単クローン性抗体は、癌細胞上の特異的抗原に対して反応する。一つの態様において、単クローン性抗体は、癌細胞受容体アンタゴニストとして作用する。一つの態様において、単クローン性抗体は、患者の免疫応答を増強する。一つの態様において、単クローン性抗体は、細胞増殖因子に対して作用し、それによって、癌細胞成長をブロックする。一つの態様において、抗癌単クローン性抗体は、抗癌薬、放射性同位体、他の生物学的応答修飾因子、他の毒素、またはそれらの組合せに共役するまたは連結する。一つの態様において、抗癌単クローン性抗体は、本明細書中の上に記載のSARM化合物に共役するまたは連結する。
【0290】
[000198]別の態様において、本発明は、本発明の化合物が、単クローン性抗体(例えば、ネズミまたはヒト化単クローン性抗体)などの標的指向物質に結合した物質と組み合わされているかまたはそれに共有結合している化合物および組成物を包含する。一つの態様において、標的指向物質に結合した物質は、細胞傷害性物質である。この組合せが、例えば、より大きい特異性を有する癌細胞中への細胞傷害性物質の導入を可能にすることができるということは理解されるであろう。したがって、細胞傷害性物質の活性な形(すなわち、遊離形)は、抗体によって標的とされる細胞中にのみ存在するであろう。当然ながら、本発明の化合物は、癌に対して治療的活性を有する単クローン性抗体と組み合わせることもできる。
【0291】
[000199]一つの態様において、化合物は、選択的チロシンキナーゼ阻害剤との組合せで投与される。若干の態様において、選択的チロシンキナーゼ阻害剤は、癌促進受容体の触媒作用部位を阻害することによって、腫瘍成長を阻害する。一つの態様において、選択的チロシンキナーゼ阻害剤は、増殖因子シグナリングを調節する。若干の態様において、選択的チロシンキナーゼ阻害剤は、EGFR(ERB B/HER)ファミリーメンバーを標的とする。一つの態様において、選択的チロシンキナーゼ阻害剤は、BCR−ABLチロシンキナーゼ阻害剤である。一つの態様において、選択的チロシンキナーゼ阻害剤は、上皮増殖因子受容体チロシンキナーゼ阻害剤である。一つの態様において、選択的チロシンキナーゼ阻害剤は、血管内皮増殖因子(VEGF)チロシンキナーゼ阻害剤である。一つの態様において、選択的チロシンキナーゼ阻害剤は、血小板由来増殖因子(PDGF)阻害剤である。
【0292】
[000200]一つの態様において、化合物は、癌ワクチンとの組合せで投与される。一つの態様において、癌ワクチンは、既存の癌をそれによって処置する治療的ワクチンである。若干の態様において、癌ワクチンは、癌の発生をそれによって予防する予防的ワクチンである。一つの態様において、双方のタイプのワクチンは、癌の負担を減少させる可能性を有する。一つの態様において、処置用または治療的ワクチンは、癌患者に投与され、既に発症した癌に対する生体自然防御を強化するように設計される。一つの態様において、治療的ワクチンは、既存の癌の更なる成長を妨げる、処置される癌の再発を妨げる、または以前の処置によって死滅しなかった癌細胞を排除することができる。若干の態様において、予防用または予防的ワクチンは、健康な個体に投与され、その疾患への高リスクを示す個体の癌を標的とするように設計される。一つの態様において、癌ワクチンは、抗原/アジュバントワクチンである。一つの態様において、癌ワクチンは、全細胞腫瘍ワクチンである。一つの態様において、癌ワクチンは、樹状細胞ワクチンである。一つの態様において、癌ワクチンは、ウイルスベクターおよび/またはDNAワクチンを含む。一つの態様において、癌ワクチンは、イディオタイプワクチンである。
【0293】
[000201]一つの態様において、化合物は、抗癌化学療法薬との組合せで投与される。一つの態様において、抗癌化学療法薬は、シクロホスファミドなどがあるがそれに制限されるわけではないアルキル化剤である。一つの態様において、抗癌化学療法薬は、ドキソルビシンなどがあるがそれに制限されるわけではない細胞傷害性抗生物質である。一つの態様において、抗癌化学療法薬は、メトトレキサートなどがあるがそれに制限されるわけではない代謝拮抗薬である。一つの態様において、抗癌化学療法薬は、ビンデシンなどがあるがそれに制限されるわけではないビンカアルカロイドである。若干の態様において、抗癌化学療法薬には、カルボプラチンなどがあるがそれに制限されるわけではない白金化合物およびドセタキセル(docetaxel)などのタキサン類が含まれる。一つの態様におい
て、抗癌化学療法薬は、アナストラゾール、エクセメスタンまたはレトロゾールなどがあるがそれに制限されるわけではないアロマターゼ阻害剤である。
【0294】
[000202]一つの態様において、化合物は、アリソルBアセテート(alisolB acetate
)などのBax活性モジュレーターとの組合せで投与される。一つの態様において、化合物は、ロサルタン(losartan)などのアンギオテンシンII受容体遮断薬との組合せで投与される。一つの態様において、化合物は、セレン、緑茶カケシン(cachecins)、ノコギ
リパルメット(sawpalmetto)、リコペン、ビタミンD、食用ダイズ、ゲニステインまた
はイソフラボンとの組合せで投与される。
【0295】
[000203]一つの態様において、化合物は、アルキル化剤、抗生物質、ホルモン性抗腫瘍薬および代謝拮抗薬などの抗腫瘍薬との組合せで投与される。有用なアルキル化剤の例には、ブスルファン、イムプロスルファン(improsulfan)およびピポスルファン(piposulfan)などのアルキルスルホネート;ベンゾジゼパ(benzodizepa)、カルボクオン(carboquone)、メツレデパ(meturedepa)およびウレデパ(uredepa)などのアジリジン類
;アルトレタミン(altretamine)、トリエチレンメラミン、トリエチレンホスホルアミ
ド、トリエチレンチオホスホルアミドおよびトリメチロールメラミンなどのエチレンイミンおよびメチルメラミン;クロラムブシル、クロマファジン(chlomaphazine)、シクロ
ホスファミド、エストラムスチン(estramustine)、イホスファミド(iphosphamide)、メクロレタミン(mechlorethamine)、メクロレタミンオキシド塩酸塩、メルファラン、
ノベンビチン(novembichine)、フェネステリン(phenesterine)、プレドニムスチン(prednimustine)、トロホスファミド(trofosfamide)およびウラシルマスタードなどの
ナイトロジェンマスタード;カルムスチン(carmustine)、クロロゾトシン(chlorozotocin)、ホテムスチン(fotemustine)、ロムスチン(lomustine)、ニムスチン(nimustine)、ラニムスチン(ranimustine)、ダカルバジン(dacarbazine)、マンノムスチン(mannomustine)、ミトブロニトール(mitobronitol)、ミトラクトール(mitolactol)およびピポブロマン(pipobroman)などのニトロソ尿素が含まれる。より多くのこのような物質は、医薬品化学および腫瘍学業者に知られているであろう。
【0296】
[000204]若干の態様において、本発明の化合物との組合せに適する他の物質には、アブリン、オーリントリカルボン酸、クロラムフェニコール、コリシンE3、シクロヘキシミド、ジフテリア毒素、エデインA、エメチン、エリスロマイシン、エチオニン、フッ化物、5−フルオロトリプトファン、フシジン酸、グアニリルメチレンジホスホネートおよびグアニリルイミドジホスホネート、カナマイシン、カスガマイシン、キロマイシン(kirromycin)およびO−メチルトレオニン、モデクシン(medeccin)、ネオマイシン、ノルバリン、パクタマイシン(pactamycin)、パロモマイシン(paromomycin)、ピュロマイ
シン、リシン、α−サルシン、志賀毒素、ショードマイシン、スパルソマイシン、スペクチノマイシン、ストレプトマイシン、テトラサイクリン、チオストレプトンおよびトリメトプリムなどのタンパク質合成阻害剤が含まれる。硫酸ジメチルなどのアルキル化剤、マイトマイシンC、ナイトロジェンマスタードおよび硫黄マスタード、MNNGおよびNMSを含めたDNA合成阻害剤;アクリジン色素、アクチノマイシン、アドリアマイシン、アントラセン、ベンゾピレン、臭化エチジウム、プロピジウムジヨージドインターツウィニング(propidiumdiiodide-intertwining)などの挿入剤、およびジスタマイシン(dis
tamycin)およびネトロプシンなどの物質も、本発明の化合物と医薬組成物中で組み合わ
せることができる。アシクロビル、アデニン、β−1−D−アラビノシド、アメトプテリン、アミノプテリン、2−アミノプリン、アフィジコリン、8−アザグアニン、アザセリン、6−アザウラシル、2’−アジド−2’−デオキシヌクレオシド(deoxynucliosides)、5−ブロモデオキシシチジン、シトシン、β−1−D−アラビノシド、ジアゾオキシノルロイシン、ジデオキシヌクレオシド、5−フルオロデオキシシチジン、5−フルオロデオキシウリジン、5−フルオロウラシル、ヒドロキシ尿素および6−メルカプトプリンなどのDNA塩基類似体も、本発明の化合物との組合せ療法で用いることができる。クーママイシン、ナリジクス酸、ノボビオシンおよびオキソリン酸などのトポイソメラーゼ阻害剤、コルセミド、コルヒチン、ビンブラスチンおよびビンクリスチンを含めた細胞分裂阻害剤;およびアクチノマイシンD、α−アマニチンおよび他の真菌アマトキシン、コルジセピン(3’−デオキシアデノシン)、ジクロロリボフラノシル、ベンゾイミダゾール、リファンピシン、ストレプトバリシンおよびストレプトリジギンを含めたRNA合成阻害剤も、本発明の化合物と組み合わせて、医薬組成物を提供することができる。
【0297】
[000205]一つの態様において、化合物は、前立腺癌用ワクチン、AlisolBアセテー
ト、アンギオテンシンII受容体遮断薬または当該技術分野において知られているその他との組合せで投与される。一つの態様において、化合物は、例えば、セレン、緑茶カケシン、ノコギリパルメット、リコペン、ビタミンD、食用ダイズ、ゲニステインまたはイソフラボン食品およびその他などの前立腺(良性または悪性)肥大を減少させる物質との組合せで投与される。
【0298】
[000206]一つの態様において、化合物は、免疫調節薬との組合せで投与される。一つの態様において、免疫調節薬は、免疫抑制薬である。一つの態様において、免疫抑制薬は、コルチコステロイド、シクロスポリン、アザチオプリン、メトトレキサート、シクロホスファミド、タクロリムス−FK−506、抗胸腺細胞グロブリン、ミコフェニレート・メフチル(mycophenylatemoeftil)またはそれらの組合せを含む。一つの態様において
、コルチコステロイドは、グルココルチコイドである。
【0299】
[000207]一つの態様において、免疫調節薬は、免疫刺激薬である。一つの態様において、免疫刺激薬は、ワクチンまたはいずれかの抗原などの、それによって免疫応答中に抗原特異性を与える特異的免疫刺激因子である。一つの態様において、免疫刺激薬は、それによって抗原特異性とは関係なく作用して、他の抗原の免疫応答を増大させるまたは抗原特異性を伴うことなく免疫系の成分を刺激する非特異的免疫刺激因子である。一つの態様において、非特異的免疫刺激因子は、フロイント完全アジュバントである。一つの態様において、非特異的免疫刺激因子は、フロイント不完全アジュバントである。一つの態様において、非特異的免疫刺激因子は、モンタニドISAアジュバントである。一つの態様において、非特異的免疫刺激因子は、Ribi'sアジュバントである。一つの態様において、
非特異的免疫刺激因子は、Hunter's TiterMax である。一つの態様において、非特異的免疫刺激因子は、アルミニウム塩アジュバントである。一つの態様において、非特異的免疫刺激因子は、ニトロセルロース吸着タンパク質である。一つの態様において、非特異的免疫刺激因子は、GerbuAdjubantである。
【0300】
[000208]一つの態様において、化合物は、骨粗鬆症、骨折等のような骨の疾患、障害または状態を処置する物質との組合せで投与され、そして本発明は、それを処置する方法であって、本明細書中に記載の化合物を単独でまたは他の物質との組合せで投与することによる方法を含む。
【0301】
[000209]一つの態様において、骨代謝回転マーカーを、臨床科学者が骨活性を監視するための有効で妥当な手段として示した。別の態様において、尿中ヒドロキシプロリン、血清アルカリ性ホスファターゼ、酒石酸耐性酸性ホスファターゼおよびオステオカルシンのレベルを、尿中カルシウム−クレアチニン比と一緒に、骨代謝回転マーカーとして用いる。別の態様において、オステオカルシンレベルを、骨形成マーカーとして用いる。別の態様において、c−テロペプチドを、骨吸収マーカーとして用いる。
【0302】
[000210]一つの態様において、本発明は、癌を有する対象における、骨折、骨手術、骨照射、脊髄圧迫、新骨転移、骨欠損またはそれらの組合せなどの骨格関連イベント(SRE)の処置、予防、抑制または阻害、またはそれを発生するリスクの減少であって、本明細書中に記載の化合物および/またはその類似体、誘導体、異性体、代謝産物、薬学的に許容しうる塩、医薬製品、水和物、N−オキシドまたはいずれかそれらの組合せを投与することを含むものを提供する。本発明は、特に、アンドロゲン剥奪療法(ADT)を受けているまたは受けていた前立腺癌を有する対象における式(I)の化合物でのSREの処置に関する。
【0303】
[000211]一つの態様において、本明細書中で与えられる方法を用いておよび/または本明細書中で与えられる組成物を利用して処置される骨格関連イベントは、骨折であり、それは、一つの態様において、病的骨折、非外傷性骨折、脊椎骨折、非脊椎骨折、体型測定的骨折またはそれらの組合せである。若干の態様において、骨折は、単純骨折、開放骨折、横骨折、若木骨折または粉砕骨折である。一つの態様において、骨折は、体内のいずれかの骨にありうるが、それは、一つの態様において、腕、手根、手、指、脚、足根、足、足指、股関節、鎖骨またはそれらの組合せのいずれか一つまたはそれを超える骨の骨折である。
【0304】
[000212]別の態様において、本明細書中で与えられる方法および/または組成物は、病的骨折、脊髄圧迫、高カルシウム血症、骨関連痛またはそれらの組合せなどの骨格関連イベントの処置、予防、抑制、阻害またはそのリスクの減少に有効である。
【0305】
[000213]別の態様において、本明細書中で与えられる方法を用いておよび/または本明細書中で与えられる組成物を利用して処置することが求められる骨格関連イベントは、骨手術および/または骨照射の必要性を含み、若干の態様において、それは、一つの態様において、骨損傷または神経圧迫によって生じる痛みの処置のためである。別の態様において、本明細書中で与えられる方法を用いておよび/または本明細書中で与えられる組成物を利用して処置することが求められる骨格関連イベントは、脊髄圧迫、または対象のホルモン療法の変更を含めた抗腫瘍療法の変更の必要性を含む。若干の態様において、本明細書中で与えられる方法を用いておよび/または本明細書中で与えられる組成物を利用して処置することが求められる骨格関連イベントは、骨転移または骨欠損を処置する、抑制する、予防する、その発生率を減少させるまたは進行を遅延させるまたは重症度を減少させることを含む。一つの態様において、骨欠損は、骨粗鬆症、オステオペニアまたはそれらの組合せを含んでよい。一つの態様において、骨格関連イベントは、本明細書中に挙げられた態様のいずれかの組合せを含んでよい。
【0306】
[000214]一つの態様において、本明細書中で与えられる方法および/または本明細書中で与えられる組成物を利用することは、病巣の数、病巣のサイズまたはそれらの組合せに関するような、骨への転移を減少させる場合に有効である。本発明のこの側面により、そして一つの態様において、本明細書中で与えられるのは、対象の骨への癌転移を予防するまたは阻害する方法であって、その対象に、トレミフェン、ラロキシフェン、タモキシフェンまたはそれらの類似体、機能性誘導体、代謝産物または組合せ、またはその薬学的に許容しうる塩を含む組成物を投与する工程を含む方法である。一つの態様において、このような代謝産物は、オスペミフェン、フィスペミフェン(fispemifene)またはそれらの組合せを含んでよい。一つの態様において、癌は前立腺癌である。
【0307】
[000215]当業者は、本明細書中で与えられる方法による、本明細書中で与えられる組成物を利用した抗腫瘍療法の変更を、特に、基礎疾患の重症度、基礎疾患の源、患者の疼痛程度および患者の疼痛源、並びに病期の関数として行う、または関数として調整するまたは変化させることができるということを容易に理解すると考えられる。治療的変更には、ある種の態様において、投与経路の変更(例えば、腔内、動脈内、腫瘍内等)、投与される組成物の形(例えば、錠剤、エリキシル剤、懸濁剤等)、投薬量の変更等が含まれてよい。これら変更は各々、当該技術分野において十分に理解されるし、本明細書中に与えられる態様によって包含される。
【0308】
[000216]一つの態様において、骨格関連イベントは、癌療法の結果である。一つの態様において、骨格関連イベントは、ホルモン剥奪療法の結果であるが、別の態様において、それらは、アンドロゲン剥奪療法(ADT)の産物である。
【0309】
[000217]一つの態様において、本発明の化合物は、筋質量低下、筋強度低下、虚弱、性腺機能低下、骨粗鬆症、オステオペニア、BMD減少および/または骨質量減少などの、アンドロゲン剥奪療法(ADT)で誘発される副作用の予防または逆転に有用である。
【0310】
[000218]男性の場合、成熟期の性ホルモンの自然低下(アンドロゲンの直接低下、並びにアンドロゲンの周辺芳香族化により誘導される一層低レベルのエストロゲン)は、骨虚弱と関連しているが、この作用は、アンドロゲン剥奪療法を受けた男性において一層顕著である。
【0311】
[000219]組合せ使用のためのこのような物質は、本明細書中に記載のSERM;ビスホスホネート、例えば、アレンドロネート(alendronate)、チルドロエート(tiludorate)、クロドロニエート(clodroniate)、パミドロネート(pamidronate)、エチドロネ
ート(etidronate)、アレンドロネート、ゾレンドロネート(zolendronate)、シマドロネート(cimadronate)、ネリドロネート(neridronate)、ミノドロン酸(minodronica
cid)、イバンドロネート(ibandronate)、リセドロネート(risedronate)、ホモレシ
ドロネート(homoresidronate);カルシトニン、例えば、サケ、Elcatonin、SUN−8577、TJN−135;ビタミンDまたは誘導体(ZK−156979);カルシトリオール、トピトリオール(topitriol)、ZK−150123、TEI−9647、BX
L−628、Ro−26−9228、BAL−2299、Ro−65−2299、DP−035などのビタミンD受容体リガンドまたはその類似体;エストロゲン、エストロゲン誘導体または複合エストロゲン;抗エストロゲン、プロゲスチン、合成エストロゲン/プロゲスチン;RANKリガンドmAb、例えば、デノスマブ(denosumab)またはAMG
162(Amgen);αvβ3インテグリン受容体アンタゴニスト;破骨細胞液胞型ATP
アーゼ阻害剤;破骨細胞受容体へのVEGF結合のアンタゴニスト;カルシウム受容体アンタゴニスト;PTh(副甲状腺ホルモン)またはその類似体であって、Forteo、PTHrP類似体(副甲状腺ホルモン関連ペプチド)、CathepsinK阻害剤(AAE581)などのもの;ストロンチウムラネレート(strontium ranelate);チボロン(tibolone);HCT−1026、PSK3471;ガリウムマルトレート(galliummaltolate);Nutropin AQ;プロスタグランジン、p38プロテインキナーゼ阻害剤;骨形成タンパク質(BMP);BMP拮抗作用阻害剤、HMG−CoAレダクターゼ阻害剤、ビタミンKまたは誘導体、抗吸収剤、イプリフラボン(ipriflavone)、フッ化物塩、食用カルシウム
サプリメント、オステオプロテゲリンまたはいずれかそれらの組合せを含んでよい。一つの態様において、本明細書中に記載のSERM、オステオプロテゲリンおよび副甲状腺ホルモンの組合せ投与は、骨のいずれかの疾患、障害または状態を処置するのに考えられる。
【0312】
[000220]一つの態様において、免疫調節薬は、抗炎症薬である。一つの態様において、抗炎症薬は、非ステロイド性抗炎症薬である。一つの態様において、非ステロイド性抗炎症薬は、cox−1阻害剤である。一つの態様において、非ステロイド性抗炎症薬は、cox−2阻害剤である。一つの態様において、非ステロイド性抗炎症薬は、cox−1およびcox−2阻害剤である。若干の態様において、非ステロイド性抗炎症薬には、アスピリン、サルサラート、ジフルニサル、イブプロフェン、フェノプロフェン、フルビプロフェン(flubiprofen)、フェナメート(fenamate)、ケトプロフェン、ナブメトン(nabumetone)、ピロキシカム、ナプロキセン、ジクロフェナク、インドメタシン、スリン
ダク、トルメチン、エトドラク(etodolac)、ケトロラク(ketorolac)、オキサプロジ
ンまたはセレコキシブ(celecoxib)が含まれるが、これに制限されるわけではない。一
つの態様において、抗炎症薬は、ステロイド性抗炎症薬である。一つの態様において、ステロイド性抗炎症薬は、コルチコステロイドである。
【0313】
[000221]一つの態様において、免疫調節薬は、抗リウマチ薬である。一つの態様において、抗リウマチ薬は、非ステロイド性抗炎症薬である。一つの態様において、抗リウマチ薬は、コルチコステロイドである。一つの態様において、コルチコステロイドは、プレドニゾンまたはデキサメタゾンである。一つの態様において、抗リウマチ薬は、疾患修飾性抗リウマチ薬である。一つの態様において、疾患修飾性抗リウマチ薬は、遅効性抗リウマチ薬である。一つの態様において、疾患修飾性抗リウマチ薬は、抗マラリア薬である。一つの態様において、疾患修飾性抗リウマチ薬には、クロロキン、ヒドロキシクロロキン、メトトレキサート、スルファサラジン、シクロスポリン、アザチオプリン、シクロホスファミド、アザチオプリン、スルファサラジン、ペニシラミン、オーロチオグルコース、金チオリンゴ酸ナトリウムまたはオーラノフィンが含まれるが、これに制限されるわけではない。一つの態様において、抗リウマチ薬は、免疫抑制性細胞傷害性薬である。一つの態様において、免疫抑制性細胞傷害性薬には、メトトレキサート、メクロレタミン(mechlorethamine)、シクロホスファミド、クロラムブシルまたはアザチオプリンが含まれる
が、これに制限されるわけではない。
【0314】
[000222]一つの態様において、化合物は、抗糖尿病薬との組合せで投与される。一つの態様において、抗糖尿病薬は、スルホニル尿素である。一つの態様において、スルホニル尿素には、トルブタミド、アセトへキサミド、トラザミド、クロルプロパミド、グリピジド、グリブリド(glyburide)、グリメピリド(glimepiride)またはグリクラジドが含まれるが、これに制限されるわけではない。一つの態様において、抗糖尿病薬は、メグリチニドである。一つの態様において、メグリチニドには、プランジン(prandin)または
ナテグリニド(nateglinide)が含まれるが、これに制限されるわけではない。一つの態
様において、抗糖尿病薬は、ビグアニドである。一つの態様において、ビグアニドには、メトホルミンが含まれるが、これに制限されるわけではない。一つの態様において、抗糖尿病薬は、チアゾリジンジオンである。一つの態様において、チアゾリジンジオンには、ロシグリタゾン(rosiglitazone)、ピオグリタゾン(pioglitazone)またはトログリタ
ゾン(troglitazone)が含まれるが、これに制限されるわけではない。一つの態様において、抗糖尿病薬は、α−グルコシダーゼ阻害剤である。一つの態様において、α−グルコシダーゼ阻害剤には、ミグリトール(miglitol)またはアカルボース(acarbose)が含まれるが、これに制限されるわけではない。一つの態様において、抗糖尿病薬は、PPARα/γリガンド、ジペプチジルペプチダーゼ4(DPP−4)阻害剤、SGLT(ナトリウム依存性グルコース輸送体1)阻害剤、FBPアーゼ(フルクトース1,6−ビスホスファターゼ)阻害剤、グルカゴンモジュレーター、グルココルチコイド受容体(GR)アンタゴニスト、グルコキナーゼアクチベーター(GK)、グリコーゲンホスホリラーゼ阻害剤(GP)、インクレチン(GLP−1およびGIP)または模擬体、β3−アドレナリン受容体アゴニストβ
3−AR)、カルニチンパルミトイルトランスフェラーゼ−I(CPT−1)リガンド、レシスチン(resistin)類似体、アジポネクチン類似体、トリアシルグリセロールリパーゼ阻害剤、毛様体神経栄養因子(CNTF)類似体、インスリン様増殖因子1(IGF−1)または類似体、インスリン受容体(IR)モジュレーター、c−Jun N−末端キナーゼ(JNK)阻害剤、PXRモジュレーター、PTP−1Bホスファターゼ(またはPTPN1)阻害剤、グリコーゲンシンターゼキナーゼ−3(GSK3β)モジュレーター、11β−ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ1型(11β−HSD1)阻害剤、阻害剤κBキナーゼ(IKKβ)モジュレーター、インターロイキン−6(IL−6)またはTNF−αモジュレーターである。
【0315】
[000223]一つの態様において、抗糖尿病薬は、インスリンである。一つの態様において、インスリンは、速効性インスリンインスリンである。一つの態様において、インスリンは、短時間作用性インスリンである。一つの態様において、インスリンは、中等度作用性インスリンである。一つの態様において、インスリンは、中等度および短時間作用性インスリン混合物である。一つの態様において、インスリンは、長時間作用性インスリンである。一つの態様において、抗糖尿病薬は、2000年3月6日出願の米国出願第09/519,079号に開示されたものなどの脂肪酸結合タンパク質(aP2)、グルカゴン様ペプチド−1(GLP−1)の阻害剤、およびWO0168603号に開示されたものなどのジペプチジルペプチダーゼIV(DPP4)阻害剤であり、それらは援用される。
【0316】
[000224]一つの態様において、化合物は、神経系処置薬との組合せで投与される。一つの態様において、神経系処置薬は、自律神経系処置薬である。一つの態様において、自律神経系処置薬は、アドレナリン様作用薬である。一つの態様において、アドレナリン様作用薬は、β−アドレナリン受容体アゴニスト、α−アドレナリン受容体アゴニストまたはそれらの組合せである。一つの態様において、アドレナリン様作用薬は、カテコールアミンである。一つの態様において、アドレナリン様作用薬には、イソプロテレノール(isoproterenol)、ノルエピネフリン、エピネフリン、アンフェタミン、エフェドリンまた
はドーパミンが含まれるが、これに制限されるわけではない。一つの態様において、アドレナリン様作用薬は、直接作用性アドレナリン様作用薬である。若干の態様において、直接作用性アドレナリン様作用薬には、フェニレフリン、メタラミノールまたはメトキサミンが含まれるが、これに制限されるわけではない。
【0317】
[000225]一つの態様において、自律神経系処置薬は、アドレナリン受容体アンタゴニストである。一つの態様において、アドレナリン受容体アンタゴニストは、ハロアルキルアミン、イミダゾリンまたはキナゾリンである。一つの態様において、ハロアルキルアミンには、フェノキシベンザミンが含まれるが、これに制限されるわけではない。一つの態様において、イミダゾリンには、フェントールアミンまたはトラゾリンが含まれるが、これに制限されるわけではない。一つの態様において、キナゾリンには、プラゾシン、テラゾシン(terazosin)、ドキサゾシン(doxazosin)またはトリマゾシン(trimazosin)が含まれるが、これに制限されるわけではない。一つの態様において、アドレナリン受容体アンタゴニストは、混合αおよびβ遮断活性を有する。一つの態様において、混合αおよびβ遮断薬は、ラベタロール、ブシンドロール(bucindolol)、カルベジロール(carvedilol)またはメドロキサロール(medroxalol)である。
【0318】
[000226]一つの態様において、自律神経系処置薬は、コリン様作用薬である。一つの態様において、コリン様作用薬は、直接作用性副交感神経様作用薬である。一つの態様において、直接作用性副交感神経様作用薬には、メタコリン、ピロカルピン、カルバコールまたはベタネコールが含まれるが、これに制限されるわけではない。
【0319】
[000227]一つの態様において、自律神経系処置薬は、コリンエステラーゼ阻害剤である。一つの態様において、コリンエステラーゼ阻害剤は、第四級アンモニウム薬である。一つの態様において、第四級アンモニウム薬には、エトロホニウムまたはアンベノニウムが含まれるが、これに制限されるわけではない。一つの態様において、コリンエステラーゼ阻害剤は、フィゾスチグミン、ピリドスチグミン、ネオスチグミンまたはリバスチグミン(rivastigmine)などのカルバメートである。一つの態様において、コリンエステラーゼ阻害剤は、有機ホスフェート薬である。一つの態様において、タクリン、ドネペジル(donepezil)またはガランタミンなどの阻害剤は、中枢神経系中のアセチルコリンを標的
とする。
【0320】
[000228]一つの態様において、自律神経系処置薬は、ムスカリン性遮断薬である。一つの態様において、ムスカリン性遮断薬は、アトロピンまたはスコポラミンなどのベラドンナアルカロイドである。
【0321】
[000229]一つの態様において、自律神経系処置薬は、神経節遮断薬である。一つの態様において、神経節遮断薬には、ニコチン、トリメタファンまたはメカミルアミンが含まれるが、これに制限されるわけではない。
【0322】
[000230]一つの態様において、神経系処置薬は、中枢神経系処置薬である。一つの態様において、中枢神経系処置薬は、局所麻酔薬である。一つの態様において、局所麻酔薬には、ベンゾカイン、クロロプロカイン、コカイン、プロカイン、ブピバカイン、レボブピバカイン、リドカイン、メピバカイン、プリロカインまたはロピバカイン(ropivacaine)が含まれるが、これに制限されるわけではない。一つの態様において、中枢神経系処
置薬は、全身麻酔薬である。一つの態様において、全身麻酔薬には、エスフルラン(esflurane)、セボフルラン(sevoflurane)、イソフルラン(isoflurane)、ハロタン、エンフルラン(enflurane)、メトキシフルラン、キセノン、プロポフォール、エトミデート
、メトヘキシタール(methohexital)、ミダゾラム、ジアゼパモル(diazepamor)、ケタミン、チオペントン(thiopentone)/チオペタールまたはリドカイン/プロカインが含
まれるが、これに制限されるわけではない。
【0323】
[000231]一つの態様において、中枢神経系処置薬は、鎮痛薬である。若干の態様において、鎮痛薬には、パラセタモールまたは非ステロイド性抗炎症薬が含まれるが、これに制限されるわけではない。若干の態様において、鎮痛薬には、オピエート、またはモルフィン、ペチジン、オキシコドン、ヒドロコドン、ジアモルフィン、トラマドールまたはブプレノルフィンなどのモルヒネ模擬体が含まれる。若干の態様において、二つまたはそれを超える鎮痛薬の組合せが望まれる。
【0324】
[000232]一つの態様において、中枢神経系処置薬は、筋弛緩薬または血管収縮薬である。一つの態様において、筋弛緩薬には、メトカルバモール(methocarbamol)、バクロ
フェン、カリソプロドール、クロルゾキサゾン、シクロベンザプリン、ダントロレン、メタキサロン(metaxalone)、オルフェナドリン(orphenadrine)、亜硝酸アミル、パンクロニウム(pancuroninm)、チザニジン、クロニジンまたはガバペンチン(gabapentin)
が含まれるが、これに制限されるわけではない。一つの態様において、血管収縮薬には、抗ヒスタミン薬、アドレナリンジメチルアルギニン、カフェイン、アサ、カテコールアミン、うっ血除去薬、プソイドエフェドリン、ノルエピネフリン、テトラヒドロゾリンまたはトロンボキサンが含まれるが、これに制限されるわけではない。
【0325】
[000233]一つの態様において、中枢神経系処置薬は、抗嘔吐薬である。一つの態様において、抗嘔吐薬は、ドラセトロン(dolasetron)、グラニセトロン(granisetron)、
オンダンセトロン(ondansetron)またはトロピセトロン(tropisetron)などの5−HT3受容体アンタゴニストである。一つの態様において、抗嘔吐薬は、ドンペリドン、ドロペリドール、ハロペリドール、クロルプロマジン、プロメタジンまたはメトクロプラミドなどのドーパミンアンタゴニストである。一つの態様において、抗嘔吐薬は、シクリジン、ジフェンヒドラミン、ジメンヒドリナートまたはメクリジンなどの抗ヒスタミンである。一つの態様において、抗嘔吐薬は、アサまたはマリノール(marinol)などのカンナビ
ノイドである。
【0326】
[000234]一つの態様において、中枢神経系処置薬は、鎮静薬である。一つの態様において、鎮静薬は、ミルタザピン(mirtazapine)またはトラゾドン(trazodone)などの抗うつ薬である。一つの態様において、鎮静薬は、セコバルビタール、ペントバルビタールまたはアモバルビタールなどのバルビツレートである。一つの態様において、鎮静薬は、ジアゼパム、クロナゼパム、アルプラゾラム、テマゼパム(temazepam)、クロルジアゼ
ポキシド、フルニトラゼパム、ロラゼパムまたはクロラゼペートなどのベンゾジアゼピンである。一つの態様において、鎮静薬は、ゾルピデム(zolpidem)またはアルピデム(alpidem)などのイミダゾピリジンである。一つの態様において、鎮静薬は、ザレプロン(zaleplon)などのピラゾロピリミジンである。一つの態様において、鎮静薬は、ジフェン
ヒドラミン、ジメンヒドリナートまたはドキシラミンなどの抗ヒスタミンである。一つの態様において、鎮静薬は、ジプラシドン(ziprasidone)、リスペリドン(risperidone)、クエチアピン(quetiapine)、クロザピン(clozapine)、プロクロルペラジン、ペル
フェナジン、ロキサピン(loxapine)、トリフロペラジン、チオチキセン、ハロペリドールまたはフルフェナジンなどの抗精神病薬である。一つの態様において、鎮静薬は、カノコソウ植物マンダラゲまたはカワカワなどの薬草鎮静薬である。若干の態様において、鎮静薬は、エスゾピクロン(eszopiclone)、ラメルテオン(ramelteon)、メタカロン、エトクロルビノル(ethchlorvynol)、クロラール水和物、メプロバメート、グルテチミド
、メチプリロン、γ−ヒドロキシブチレート、エチルアルコール、三塩化メチル、ゾピクロンまたはジエチルエーテルである。
【0327】
[000235]一つの態様において、中枢神経系処置薬は、神経変性障害用薬である。一つの態様において、神経変性障害用薬は、タクリン、ドネペジル、ガランタミンまたはリバスチグミンなどのアセチルコリンエステラーゼ阻害剤である。一つの態様において、神経変性障害用薬は、メマンチンなどのN−メチル−D−アスパルテート(NMDA)アンタゴニストである。一つの態様において、リルゾール(riluzole)などの神経変性障害用薬は、運動ニューロンへの損傷を減少させる。一つの態様において、神経変性障害用薬は、疾患の進行を引き起こす遺伝子を沈黙させる。一つの態様において、中枢神経系処置薬は、抗てんかん薬(AED)である。若干の態様において、抗てんかん薬には、ナトリウムチャンネル遮断薬、GABA受容体アゴニスト、GABA再吸収阻害剤、GABAトランスアミナーゼ阻害剤、潜在的GABA作用機構を含むAED、グルメート遮断薬、または他の作用機構を含むAEDが含まれる。若干の態様において、抗てんかん薬には、カルバマゼピン、ホスフェニトイン(fosphenytoin)、オクスカルバゼピン(oxcarbazepine)
、ラモトリジン(lamotrigine)、ゾニサミド(zonisamide)、クロバザム(clobazam)
、クロナゼパム、フェノバルビタール、プリミドン、チアガビン(tiagabine)、ビガバ
トリン(vigabatrin)、ガバペンチン、バルプロエート、フェルバメート(felbamate)
、トピラメート(topiramate)、レベチラセタム(levetiracetam)またはプレガバリン
(pregabalin)が含まれるが、これに制限されるわけではない。
【0328】
[000236]一つの態様において、中枢神経系処置薬は、抗嗜癖薬である。一つの態様において、抗嗜癖薬は、ジスルフィラム(disulfiram)などの抗アルコール症薬である。一つの態様において、抗嗜癖薬は、セロトニン吸収阻害剤、ドーパミン作用性アゴニストまたはオピオイドアンタゴニストである。
【0329】
[000237]一つの態様において、中枢神経系処置薬は、アルツハイマー病処置薬である。若干の態様において、アルツハイマー病処置薬には、コリンエステラーゼ阻害剤、γセクレターゼ(secreatse)阻害剤またはβ低下薬が含まれるが、これに制限されるわけで
はない。
【0330】
[000238]一つの態様において、中枢神経系処置薬は、軽度認知障害処置薬である。若干の態様において、軽度認知障害処置薬には、AMPA調節因子が含まれるが、これに制限されるわけではない。
【0331】
[000239]一つの態様において、中枢神経系処置薬は、パーキンソン病処置薬である。若干の態様において、パーキンソン病処置薬には、ドーパミン作用薬、アマンタジン、ベンズトロピン、ビペリデン(biperiden)、ブロモクリプチン、エンタカポン(entacapone)、カルビドパ/レボドパ、セレギリン/デプレニル(deprenyl)、イフェンヒドラミ
ン、ペルゴリド(pergolide)、プロシクリジン(procyclidine)、セレギリンまたはト
リヘキシルフェニジルが含まれるが、これに制限されるわけではない。
【0332】
[000240]一つの態様において、化合物は、コリンエステラーゼ阻害剤、γセクレターゼ(secreatse)阻害剤、A−β低下薬などのアルツハイマー病処置薬;またはAMPA
調節因子などの軽度認知障害(MCI)処置薬、またはドーパミン作用薬などのパーキンソン病処置薬、またはSSRI、SNRI、例えば、デュロキセチン(duloxetine)などの大うつ病処置薬、またはPDE5阻害剤などの性機能不全処置薬と一緒に投与される。
【0333】
[000241]一つの態様において、化合物は、心臓血管系処置薬との組合せで投与される。一つの態様において、心臓血管系処置薬は、うっ血性心不全を処置する。一つの態様において、うっ血性心不全処置薬は、ベナゼプリル(benazepril)、カプトプリル、シラザプリル(cilazapril)、エナラプリル、ホシノプリル、リシノプリル、メキシプリル、ペリンドプリル(perindopril)、キナプリル、ラミプリル、トランドラプリル(trandolapril)またはエナラプリラト(enalaprilat)などのアンギオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤である。一つの態様において、うっ血性心不全処置薬は、アセブトロール、アテノロール、ベタキソロール塩酸塩、ビソプロロール(bisoprolol)フマル酸塩、カルテオロール塩酸塩、カルベジロール(carvedilol)、セリプロロール塩酸塩、エスモロール(esmolol)塩酸塩、ラベタロール塩酸塩、レボブノロール(levobunolol)、メトプロロール酒石酸塩、メチプラノロール(metipranolol)、ナドロール、ネビボロール(nebivolol
)、オクスプレノロール塩酸塩、ピンドロール、プロプラノロール塩酸塩、ソタロール(sotalol)塩酸塩またはチモロールマレイン酸塩などのβ遮断薬である。一つの態様にお
いて、うっ血性心不全処置薬は、ジゴキシンである。一つの態様において、うっ血性心不全処置薬は、チアジド利尿薬、ループ利尿薬、カリウム保持性利尿薬またはそれらの組合せなどの利尿薬である。若干の態様において、チアジド利尿薬には、ベンドロフルアジド(bendrofluazide)、ベンドロフルメチアジド、ベンズチアジド、クロロチアジド、クロルタリドン、シクロペンチアジド、Diucardin(登録商標)、Diuril(登録商標)、Enduron(登録商標)、Esidrix(登録商標)、Exna(登録商標)、HCTZ、ヒドロクロロチ
アジド、HydroDIURIL(登録商標)、HYDROFLUMETHIAZIDE、Hydromox(登録商標)、Hygroton(登録商標)、インダパミド、Lozol(登録商標)、メチクロチアジド、メトラゾン、Mykrox(登録商標)、Naqua(登録商標)、Naturetin(登録商標)、Oretic(登録商標)、ポリチアジド、キネタゾン、Renese(登録商標)、トリクロルメチアジド、ジパミド(xipamide)またはZaroxolyn(登録商標)が含まれるが、これに制限されるわけではない。若干の態様において、ループ利尿薬には、フロセミド/フルセミド、ブメタニドまたはトラセミド(torasemide)が含まれるが、これに制限されるわけではない。若干の態様において、カリウム保持性利尿薬には、アミロリド(amiloride
)、トリアムテレン、アルドステロンアンタゴニストまたはスピロノラクトンが含まれるが、これに制限されるわけではない。
【0334】
[000242]一つの態様において、心臓血管系処置薬は、抗不整脈薬である。一つの態様において、抗不整脈薬は、ナトリウムチャンネル遮断薬、β−アドレナリン作用性遮断薬、カルシウムチャンネル遮断薬、または再分極を延長する物質である。一つの態様において、ナトリウムチャンネル遮断薬には、キニジン、プロカインアミド、ジソピラミド、リドカイン、トカイニド、メキシレチン、エンカイニド(encainide)またはフレカイニド
が含まれるが、これに制限されるわけではない。一つの態様において、β−アドレナリン作用性遮断薬には、プロプラノロール、アセブトロール、エスモロールまたはソタロールが含まれるが、これに制限されるわけではない。一つの態様において、再分極を延長する物質には、ソタロールまたはアミオダロン(amiodarone)が含まれるが、これに制限されるわけではない。一つの態様において、カルシウムチャンネル遮断薬には、ベラパミル、ジルチアゼム、ニフェジピンまたはメベフラジル(mebefradil)が含まれるが、これに制限されるわけではない。一つの態様において、抗不整脈薬は、アデノシンまたはジゴキシンである。
【0335】
[000243]一つの態様において、心臓血管系処置薬は、抗アンギナ薬である。一つの態様において、抗アンギナ薬は、抗血小板薬、アドレナリン受容体アンタゴニスト、カルシウムチャンネル遮断薬または血管拡張薬である。若干の態様において、アドレナリン受容体アンタゴニストおよびカルシウムチャンネル遮断薬は、本明細書中の上に記載の物質を含む。一つの態様において、抗血小板薬は、シクロオキシゲナーゼ阻害剤、ADP阻害剤、ホスホジエステラーゼ(I)阻害剤、糖タンパク質IIb/IIIa阻害剤、またはアデノ
シン再吸収阻害剤である。一つの態様において、シクロオキシゲナーゼ阻害剤には、アセチルサリチル酸、またはジピリジモール(dipyridimole)との組合せでのアセチルサリチル酸が含まれるが、これに制限されるわけではない。一つの態様において、ADP阻害剤には、クロピドグレル、CS−747またはチクロピジン(ticlopdipine)が含まれるが、これに制限されるわけではない。一つの態様において、ホスホジエステラーゼIII阻害
剤には、シロスタゾール(cilostazol)が含まれるが、これに制限されるわけではない。一つの態様において、糖タンパク質IIb/IIIa阻害剤には、アブシキシマブ(abciximab)、レオプロ(rheopro)、エプチフィバチド(eptifibatide)、インテグリリン(integrilin)、チロフィバン(tirofiban)またはアグラスタト(aggrastat)が含まれるが、
これに制限されるわけではない。一つの態様において、アデノシン再吸収阻害剤には、ジピリジモールが含まれるが、これに制限されるわけではない。一つの態様において、血管拡張薬には、ミノキシジル(minoxidil)、イソソルビド二硝酸エステル、イソソルビド
一硝酸エステルまたはニトログリセリドが含まれるが、これに制限されるわけではない。一つの態様において、ジギタリスまたはウアバインなどの強心配糖体は、SARM化合物との組合せで用いることができる。
【0336】
[000244]一つの態様において、心臓血管系処置薬は、血管作用薬または変力物質である。一つの態様において、血管作用薬または変力物質には、ジゴキシン、ドーパミン、ドブタミン、ヒドララジン、プラゾシン、カルベジロール、ニトロプルシド、ニトログリセリン、カプトプリル、リシノプリル、ニフェジピン、アムロジピン、ジルチアゼム、ヒドロクロロチアジド、フルセミド、スピロノラクトン、AT−1受容体アンタゴニスト(例えば、ロサルタン、イルベサルタン(irbesartan)、バルサルタン(valsartan))、E
T受容体アンタゴニスト(例えば、シタクスセンタン(sitaxsentan)、アトルセンタン
(atrsentan)、および米国特許第5,612,359号および第6,043,265号
に開示された化合物)、Dual ET/AIIアンタゴニスト(例えば、WO00/0138
9号に開示された化合物)、中性エンドペプチダーゼ(NEP)阻害剤、バソペプチダーゼ阻害剤(二重NEP−ACE阻害剤)(例えば、オマパトリラト(omapatrilat)およ
びジェモパトリラト(gemopatrilat))またはニトレートが含まれるが、これに制限されるわけではない。
【0337】
[000245]一つの態様において、心臓血管系処置薬は、抗凝固薬である。一つの態様において、抗凝固薬は、クマリン誘導体または未分別ヘパリンまたは低分子量ヘパリンである。一つの態様において、クマリン誘導体には、ワルファリンが含まれるが、これに制限されるわけではない。
【0338】
[000246]一つの態様において、心臓血管系処置薬は、ストレプトキナーゼ、ウロキナーゼ、アルテプラーゼ、アニストレプラーゼ(anistreplase)、プロウロキナーゼ、レテプラーゼ、テネクテプラーゼ(tenecteplase)、ラノテプラーゼ(lanoteplase)、スタ
フィロキナーゼ、チスイコウモリ唾液またはアルフィメプラーゼ(alfimeprase)などの
フィブリン溶解薬である。
【0339】
[000247]一つの態様において、心臓血管系処置薬は、ナイアシン−ロバスタチン、コレスチポールHCl、フルバスタチンナトリウム、アトルバスタチンカルシウム、シンバスタチン、ジェムフィブロジル、ロバスタチン、プラバスタチンナトリウム、コレスチラミン、コレスチラミン・ライト、フェノフィブラート、コレセベラム(colesevelam)H
Clまたはエゼチミベ(ezetimibe)などの高コレステロール血症薬である。
【0340】
[000248]一つの態様において、SARM化合物は、胃腸系処置薬との組合せで投与される。一つの態様において、胃腸(GI)系処置薬は、GI運動を増強する。一つの態様において、GI運動増強薬は、メトクロプラミド、シサプリド、テガセロド(tegaserod
)またはエリスロマイシンなどの前運動性薬である。一つの態様において、GI系処置薬は、GI運動を低下させる。一つの態様において、GI運動低下薬は、モルフィン、ジフェノキシレート、ロペラミド塩酸塩またはアヘンなどのオピオイドである。
【0341】
[000249]一つの態様において、GI系処置薬は、吸着剤または増量剤である。一つの態様において、吸着剤は、カオリンまたは他の水和ケイ酸アルミニウムクレーである。一つの態様において、水和ケイ酸アルミニウムクレーを、ペクチンと更に組み合わせる。一つの態様において、吸着剤または増量剤は、次サリチル酸ビスマス、メチルセルロース、車前子(psyllium)誘導体またはカルシウムポリカーボフィルを含む。
【0342】
[000250]一つの態様において、GI系処置薬は、糞便軟化薬である。一つの態様において、糞便軟化薬には、鉱油、ドキュセート(docusate)スルホコハク酸ジオクチルナトリウム、スルホコハク酸ジオクチルカルシウムまたはスルホコハク酸ジオクチルカリウムが含まれるが、これに制限されるわけではない。
【0343】
[000251]一つの態様において、GI系処置薬は、緩下薬である。一つの態様において、GI系処置薬は、本明細書中の上に記載の嵩形成性緩下薬である。一つの態様において、緩下薬は、ラクツロース、ソルビトールまたはポリエチレングリコールなどの浸透圧緩下薬である。一つの態様において、緩下薬は、マグネシア乳、クエン酸マグネシウム、リン酸ナトリウム、ドキュセートカリウム、ソルビトール、リン酸−リン酸水素ナトリウムまたはビシコル(visicol)などの塩類緩下薬である。
【0344】
[000252]一つの態様において、GI系処置薬は、瀉下刺激薬である。一つの態様において、瀉下刺激薬は、カスカラ、アロエ、センナまたはダイオウなどのアントラキノン誘導体である。一つの態様において、瀉下刺激薬は、フェノールフタレイン、ヒマシ油またはビサコジル(bisacodyl)である。
【0345】
[000253]一つの態様において、GI系処置薬は、催吐薬である。一つの態様において、催吐薬は、トコンまたはアポモルフィンである。一つの態様において、GI系処置薬は、抗嘔吐薬であって、抗ヒスタミン、抗コリン作用薬、ベンゾジアゼピン、カンナビノイド、ドーパミンアンタゴニスト、フェノチアジン誘導体、またはオンダンセトロンまたはグラニセトロンなどの5−HT3アンタゴニストなどのものである。
【0346】
[000254]一つの態様において、GI系処置薬は、制酸薬である。一つの態様において、制酸医薬製剤は、重炭酸ナトリウム、炭酸カルシウム、水酸化マグネシウムまたは水酸化アルミニウムなどの緩衝化剤を含む。
【0347】
[000255]一つの態様において、GI系処置薬は、H2受容体アンタゴニストである。若干の態様において、H2受容体アンタゴニストは、シメチジン、ラニチジン、ファモチジンまたはニザチジン(nizatidine)である。
【0348】
[000256]一つの態様において、GI系処置薬は、プロトンポンプ阻害剤である。若干の態様において、プロトンポンプ阻害剤は、オメプラゾール(omeprazole)、ランソプラゾール(lansoprazole)、パントプラゾール(pantoprazole)、レベプラゾール(rebeprazole)またはエソメプラゾール(esomeprazole)である。
【0349】
[000257]一つの態様において、GI系処置薬は、炎症処置薬である。一つの態様において、炎症処置薬は、5−アミノサリチレート、コルチコステロイド、メトロニダゾール、シプロフロキサシン(ciprofloxacin)、インフィキシマブ(infiximab)、ブデソニドまたは抗TNFα抗体である。
【0350】
[000258]一つの態様において、化合物は、若干の態様において、代謝性症候群を意味する代謝性疾患、障害または状態の処置薬との組合せで投与される。若干の態様において、このような物質は、特に、膵リパーゼ阻害剤、例えば、オルリスタト(orlistat)、セチリスタト(cetilistat)、セロトニン、およびシブトラミンなどのノルエピネフリン再吸収阻害剤、ビグアニド(メトホルミン)またはPPARアゴニストなどのインスリン増感薬、二重作用性PPARアゴニスト(ムラグリタザル(muraglitazar)、テサグリタザル、ナベグリタザル)、PPAR−δアゴニスト(GW−501516)、DPP−IV阻害剤(ビルダグリプチン(vildagliptin)、シタグリプチン(sitagliptin))、αグル
コシダーゼ阻害剤(アカルボース)、抗糖尿病薬組合せ(ActoPlusMet、AvandaMet、メトホルミン/ピオグリタゾン、メトホルミン/ロシグリタゾン、Glucovance等)、グルカ
ゴン様ペプチド−1類似体(エクセナチド(exenatide)、リラグルチド(liraglutide))、アミリン類似体(プラムリンチド(pramlintide))、スタチン(アトルバスタチン
、シンバスタチン、ロスバスタチン、プラバスタチン、フルバスタチン、ロバスタチン、ピタバスタチン(pitavastatin))、コレステロール吸収阻害剤(エゼチミベ)、ニコチン酸誘導体(即時放出および制御放出ナイアシン、ニアスロ(niaslo)等)、抗異常脂肪血症薬固定組合せ(シンバスタチン/エゼチミベ、ロバスタチン/ニコチン酸、アトルバスタチン/アムロジピン、アトルバスタチン/トルセトラピブ、シンバスタチン/ニコチン酸(ER))、ACE阻害剤(ラミプリル、カプトプリル、リシノプリル)、AT−II受容体アンタゴニスト(バルサルタン、テルミサルタン)、カンナビノイド受容体アンタゴニスト(リモナバント(rimonabant))、コレステロールエステル輸送タンパク質、CETP阻害剤(JTT−705、CETi−1)、β3アドレナリン作用性アゴニスト、PPARαリガンドまたはそれらの組合せを含む。
【0351】
[000259]一つの態様において、化合物は、皮膚科障害処置薬との組合せで投与される。一つの態様において、皮膚科障害処置薬は、ベタメタゾン、ジプロピオネート、クロベタゾール、ジフロラゾン、アムシノニド(amcinonide)、デソキシメタゾン、フルオシノニド、アクロメタゾン、デソニド、トリアムシノロン、フルチカゾン、ハロベタゾール、モメタゾンまたはヒドロコルチゾンなどのコルチコステロイドまたはグルココルチコステロイドである。一つの態様において、皮膚科障害処置薬は、イソトレチノイン(isotretinoin)、アシトレチン(acitretin)、トレチノイン(tretinoin)、アダパレン(adapalene)、タザロテン(tazarotene)、ベキサロテン(bexarotene)、アリトレチノイン(alitretinoin)またはβカロテンなどのレチノイドである。
【0352】
[000260]一つの態様において、皮膚科障害処置薬は、光化学療法薬である。一つの態様において、光化学療法薬は、PUVAまたはオクスソラレン(oxsoralen)などのプソ
ラレンである。一つの態様において、皮膚科障害処置薬は、ポルフィリンなどの光力学的物質である。
【0353】
[000261]一つの態様において、皮膚科障害処置薬は、ダスポン(daspone)、サリド
マイド、抗マラリア薬、抗微生物薬または抗真菌薬である。一つの態様において、抗マラリア薬は、クロロキンまたはヒドロキシクロロキンである。
【0354】
[000262]一つの態様において、皮膚科障害処置薬は、抗生物質である。一つの態様において、抗生物質は、グリセオフルビン、ケトコナゾール、フルコナゾール、イトラコナゾール、テルビナフィン(terbinafine)またはヨウ化カリウムなどの全身性抗生物質で
ある。一つの態様において、抗生物質は、局所抗真菌薬である。若干の態様において、局所抗真菌薬には、シクロピロクス、クロトリマゾール、エコナゾール、ケトコナゾール、ミコナゾール、ナフチフィン(naftifine)、オキシコナゾール、テルビナフィンまたは
トルナフテートが含まれるが、これに制限されるわけではない。
【0355】
[000263]一つの態様において、皮膚科障害処置薬は、インターフェロンαなどの抗ウイルス薬である。一つの態様において、皮膚科障害処置薬は、ピレトリンまたはピレスロイドなどの抗疥癬薬である。一つの態様において、皮膚科障害処置薬は、ミコフェノレート・モテフィル(mycophenolatemotefil)または6−チオグアニンなどの免疫抑制薬で
ある。一つの態様において、皮膚科障害処置薬は、タクロリムス、ピメクロリムス(pimecrolimus)、イミキモド(imiquimod)、5−フルオロウラシルまたはメクロレタミンな
どの免疫抑制薬である。一つの態様において、皮膚科障害処置薬は、ドキセピンなどの抗ヒスタミンである。一つの態様において、皮膚科障害処置薬は、色素沈着を処置するヒドロキノンまたはモノベンゾン(monobenzone)などである。一つの態様において、皮膚科
障害処置薬は、ベカプレルミン(becaplermin)、エタネルセプト(etanercept)、デニ
ロイキン・ディフティトクス(denileukin diftitox)またはボツリヌス毒素などのタン
パク質またはリコンビナントタンパク質である。一つの態様において、皮膚科障害処置薬は、カプサイシン、アントラリン(anthralin)、過酸化ベンゾイルまたはカルシポトリ
エン(calcipotriene)である。
【0356】
[000264]一つの態様において、皮膚科障害処置薬は、角質溶解薬である。一つの態様において、皮膚科障害処置薬は、硫化セレンである。一つの態様において、皮膚科障害処置薬は、サンスクリーンである。一つの態様において、サンスクリーンは、UVB、UVAまたはそれらの組合せを吸収する。
【0357】
[000265]一つの態様において、皮膚科障害処置薬は、上皮増殖因子(EGF)、トランスフォーミング増殖因子−α(TGF−α)、血小板由来増殖因子(PDGF)、酸性線維芽細胞増殖因子(α−FGF)および塩基性線維芽細胞増殖因子(β−FGF)を含めた線維芽細胞増殖因子(FGF)、トランスフォーミング増殖因子−β(TGF−β)およびインスリン様増殖因子(IGF−1およびIGF−2)またはいずれかそれらの組合せなどの増殖因子であってよい。
【0358】
[000266]一つの態様において、化合物は、抗感染薬との組合せで投与される。一つの態様において、抗感染薬は、抗生物質薬である。一つの態様において、抗生物質は、β−ラクタム抗生物質である。一つの態様において、β−ラクタム抗生物質には、ペニシリン、ベンザチンペニシリン、ベンジルペニシリン、アモキシシリン、プロカインペニシリン、ジクロキサシリン、アモキシシリン、フルクロキサシリン、アンピシリン、メチシリン、アズロシリン(azlocillin)、カルベニシリン、チカルシリン、メズロシリン、ピペラシリン、フェノキシメチルペニシリン、コアモキシクラブ(co-amoxiclav)、セファロスポリン、セファレキシン、セファロチン、セファゾリン、セファクロル、セフロキシム、セファマンドール、セフォテタン(cefotetan)、セフォキシチン、セフトリアクソン、
セフォタキシム、セフタジジム、セフエピメ(cefepime)、セフピロメ(cefpirome)、
イミペネム(imipenem)、メロペネム(meropenem)、エルタペネム(ertapenem)、ファロペネム(faropenem)、モノバクタム(monobactam)、アズトレオナムまたはカルバペ
ネムが含まれるが、これに制限されるわけではない。
【0359】
[000267]一つの態様において、抗生物質は、テトラサイクリン抗生物質である。一つの態様において、テトラサイクリン抗生物質には、テトラサイクリン、クロルテトラサイクリン、デメクロサイクリン、ドキシサイクリン、リメサイクリン、ミノサイクリンまたはオキシテトラサイクリンが含まれるが、これに制限されるわけではない。
【0360】
[000268]一つの態様において、抗生物質は、マクロライド抗生物質である。一つの態様において、マクロライド抗生物質には、エリスロマイシン、アジスロマイシン、オキシスロマイシン(oxithromycin)、ジリスロマイシン(dirithromycin)、クラリスロマイ
シン(clarithromycin)、ジョサマイシン、オレアンドマイシン、キタサマイシン、スピラマイシン、チロシン(tylosin/tylocine)、トロレアンドマイシン(troleandomycin)、カルボマイシン、セスロマイシン(cethromycin)またはテリスロマイシン(telithromycin)が含まれるが、これに制限されるわけではない。
【0361】
[000269]一つの態様において、抗生物質は、アミノグリコシド抗生物質である。一つの態様において、アミノグリコシド抗生物質には、ゲンタマイシン、トブラマイシン、ファロペネム、イミペネム、カナマイシン、ネオマイシン、エルタペネム、アプラマイシン、パロモマイシン硫酸塩、ストレプトマイシンまたはアミカシンが含まれるが、これに制限されるわけではない。
【0362】
[000270]一つの態様において、抗生物質は、キノロン抗生物質である。一つの態様において、キノロン抗生物質には、シプロフロキサシン、ノルフロキサシン(norfloxacin
)、ロメフロキサシン(lomefloxacin)、エノキサシン(enoxacin)、オフロキサシン(ofloxacin)、シプロフロキサシン、レボフロキサシン(levofloxacin)、スパルフロキ
サシン(sparfloxacin)、ガチフロキサシン(gatifloxacin)、モキシフロキサシン(moxifloxacin)、トロバフロキサシン(trovafloxacin)またはアラトロフロキサシン(alatrofloxacin)が含まれるが、これに制限されるわけではない。
【0363】
[000271]一つの態様において、抗生物質は、環状ペプチド抗生物質である。一つの態様において、環状ペプチド抗生物質には、バンコマイシン、ストレプトグラミン(streptogramins)、MicrocinJ25、BacteriocinAS−48、RTD−1またはポリミキシ
ンが含まれるが、これに制限されるわけではない。
【0364】
[000272]一つの態様において、抗生物質は、リンコサミド抗生物質である。一つの態様において、リンコサミド抗生物質には、クリンダマイシンが含まれるが、これに制限されるわけではない。
【0365】
[000273]一つの態様において、抗生物質は、オキサゾリジノン抗生物質である。一つの態様において、オキサゾリジノン抗生物質には、リネゾリド(linezolid)、U−100592、DA−7867、AZD2563またはU−10076が含まれるが、これに制限されるわけではない。
【0366】
[000274]一つの態様において、抗生物質は、サルファ抗生物質である。一つの態様において、サルファ抗生物質には、スルフィソキサゾールが含まれるが、これに制限されるわけではない。
【0367】
[000275]一つの態様において、抗生物質は、防腐薬である。一つの態様において、防腐薬には、アルコール類、クロルヘキシジン、塩素、ヘキサクロロフェン、ヨードフォア、クロロキシレノール(PCMX)、第四級アンモニウム化合物またはトリクロサンが含まれるが、これに制限されるわけではない。
【0368】
[000276]一つの態様において、抗生物質は、抗結核薬である。一つの態様において、抗結核薬には、エタンブトール、リファブチン(rifabutin)、イソニアジド、リファン
ピシン、ピラジナミドまたはリファンピン(rifampin)が含まれるが、これに制限されるわけではない。
【0369】
[000277]一つの態様において、抗生物質は、抗真菌薬である。一つの態様において、抗真菌薬には、テルビナフィン、フルシトシン、フルコナゾール、イトラコナゾール、ケトコナゾール、ラブコナゾール(ravuconazole)、ポサコナゾール(posaconazole)、ボリコナゾール(voriconazole)、カスポファンギン、ミカファンギン、v−エチノカンジン(v-echinocandin)、アンホテリシンB、アンホテリシンB脂質複合体(ABLC)、アンホテリシンBコロイド分散(ABCD)、リポソームアンホテリシンb(l−Amb)、リポソームナイスタチンまたはグリセオフルビンが含まれるが、これに制限されるわけではない。
【0370】
[000278]一つの態様において、抗生物質は、抗原虫薬である。一つの態様において、抗原虫薬は、抗マラリア薬である。一つの態様において、抗マラリア薬には、クロロキン、メフロキン(mefloquine)、プログアニル(proguanil)、ダプソン含有ピリメタミン
、スルファドキシン含有ピリメタミン、キニーネまたはプリマキンが含まれるが、これに制限されるわけではない。一つの態様において、抗原虫薬は、殺アメーバ薬である。一つの態様において、殺アメーバ薬には、メトロニダゾール、チニダゾールまたはジロキサニドフロエート(diloxanidefuroate)が含まれるが、これに制限されるわけではない。一
つの態様において、抗原虫薬は、抗ジアルジア薬である。一つの態様において、抗ジアルジア薬には、メトロニダゾール、チニダゾールまたはメパクリン(mepacrine)が含まれ
るが、これに制限されるわけではない。一つの態様において、抗原虫薬は、殺リーシュマニア薬である。一つの態様において、殺リーシュマニア薬には、スチボグルコン酸ナトリウムが含まれるが、これに制限されるわけではない。一つの態様において、抗生物質は、駆虫薬である。
【0371】
[000279]一つの態様において、抗生物質は、抗ウイルス薬である。一つの態様において、抗ウイルス薬には、アバカビル(abacavir)、アシクロビル(acyclovir)、アマン
タジン、ジダノシン(didanosine)、エムトリシタビン(emtricitabine)、エンフビル
チド(enfuvirtide)、エンテカビル(entecavir)、ラミブジン(lamivudine)、ネビラピン(nevirapine)、オセルタミビル(oseltamivir)、リバビリン(rivavirin)、リマンタジン(rimantadine)、スタブジン(stavudine)、バラシクロビル(valaciclovir)、ビダラビン(vidarabine)、ザルシタビン(zalcitabine)またはジドブジン(zidovudine)が含まれるが、これに制限されるわけではない。一つの態様において、抗ウイルス
薬は、ヌクレオチド類似体逆転写酵素阻害剤である。一つの態様において、ヌクレオチド類似体逆転写酵素阻害剤には、トテノホビル(totenofovir)またはアデホビル(adefovir)が含まれるが、これに制限されるわけではない。一つの態様において、抗ウイルス薬
は、プロテアーゼ阻害剤である。一つの態様において、プロテアーゼ阻害剤には、サキナビル(saquinavir)、リトナビル(ritonavir)、インジナビル(indinavir)、ネルフィナビル(nelfinavir)、アンプレナビル(amprenavir)、ロピナビル(lopinavir)、ホ
サンプレナビル(fosamprenavir)またはチプラナビル(tipranavir)が含まれるが、こ
れに制限されるわけではない。一つの態様において、抗ウイルス薬は、エンフビルチドなどの融合阻害剤である。一つの態様において、抗ウイルス薬または抗レトロウイルス薬の組合せが望まれる。一つの態様において、抗ウイルス薬または抗レトロウイルス薬またはそれらの組合せは、更に、ヒドロキシ尿素、レスベラトロール(resveratrol)、グレー
プフルーツ、リトナビル、レフルノミド(leflunomide)またはそれらの組合せを含む。
【0372】
[000280]一つの態様において、化合物は、肝臓処置薬との組合せで投与される。一つの態様において、化合物は、スタチンとの組合せで投与される。若干の態様において、スタチンには、アトルバスタチン、フルバスタチン、ロバスタチン、プラバスタチン、シンバスタチンまたはロスバスタチンが含まれるが、これに制限されるわけではない。
【0373】
[000281]一つの態様において、化合物は、胆汁酸隔離剤(sequestrant)との組合せ
で投与される。若干の態様において、胆汁酸隔離剤には、コレスチラミン、コレスチポールまたはコレセベラムが含まれるが、これに制限されるわけではない。
【0374】
[000282]一つの態様において、化合物は、コレステロール吸収阻害剤との組合せで投与される。若干の態様において、コレステロール吸収阻害剤には、エゼチミベが含まれるが、これに制限されるわけではない。
【0375】
[000283]一つの態様において、化合物は、ニコチン酸薬との組合せで投与される。若干の態様において、ニコチン酸薬には、ナイアシン、ニアコル(niacor)またはスロナイアシン(slo-niacin)が含まれるが、これに制限されるわけではない。
【0376】
[000284]一つの態様において、化合物は、フィブラートとの組合せで投与される。若干の態様において、フィブラートには、ジェムフィブロジルまたはフェノフィブラートが含まれるが、これに制限されるわけではない。
【0377】
[000285]一つの態様において、肝臓処置薬は、コルチゾン、コルチゾールまたはコルチコステロンである。若干の態様において、肝臓処置薬は、コルヒチン、メトトレキサート、ウルソデオキシコール酸またはペニシラミンである。
【0378】
[000286]一つの態様において、化合物は、腎臓処置薬との組合せで投与される。一つの態様において、腎臓処置薬は、利尿薬である。若干の態様において、利尿薬には、有機水銀化合物、エタクリン酸、フルセミド、フメタニド(humetanide)、ピレタニド、ムゾリミン、クロロチアジドおよびチアジド、フタルイミジン、クロルタリドン、クロレキソロン、キナゾリノン、キネタゾン、メトラゾン、イレンゼンスルホンアミド(ilenzenesulphonamide)、メフルシド、クロロベンズアミド、クロパミドサリチルアミド、ジパミド、キサンチン、アミノフィリン、カルボニックアンヒドラーゼ阻害剤、アセタゾラミドマンニトール、カリウム保持性化合物、アルドステロンアンタゴニスト、スピロノラクトンおよびカンレノエート(canrenoate)、プテリジン、ピラジン、カルボキサミド−トリアムテレンまたはアミロリドが含まれるが、これに制限されるわけではない。一つの態様において、腎臓処置薬は、ステロイドである。
【0379】
[000287]一つの態様において、腎臓処置薬は、エリスロポエチンである。一つの態様において、エリスロポエチンは、天然源によって得られ(例えば、尿エリスロポエチン;米国特許第3,865,801号を参照されたい)、または例えば、米国特許第5,441,868号、第5,547,933号、第5,618,698号および第5,621,080号に記載のような組換え生産されたタンパク質およびその類似体、更には、欧州特許公開EP668351号に記載されたもののような、増加したグリコシル化および/またはアミノ酸配列変化を含むヒトエリスロポエチン類似体、およびPCT公開WO91/05867号に記載の1〜14個のシアル酸基およびアミノ酸配列変化を有する高グリコシル化類似体である。一つの態様において、エリスロポエチン様ポリペプチドは、本発明の化合物との組合せで投与される。若干の態様において、エリスロポエチン様ポリペプチドは、ダルベポエチン(darbepoietin)(Amgen製;Aranesp としても知られる且つ新規な赤血球生成刺激性タンパク質(NESP))を含む。
【0380】
[000288]一つの態様において、SARM化合物は、代謝性疾患処置薬との組合せで投与される。若干の態様において、代謝性疾患処置薬には、ビタミン、CoenzymeQ10、
グルコシダーゼα、重炭酸ナトリウム、ビスホスホネート、ビオチン、アロプリノール、レボドパ、ジアゼパム、フェノバルビタール、ハロペリドール、葉酸、抗酸化剤、カチオンチャンネルハプトグロビンのアクチベーターまたはカルニチンが含まれるが、これに制限されるわけではない。
【0381】
[000289]一つの態様において、代謝性疾患処置薬は、オルリスタトまたはセチリスタトなどの膵リパーゼ阻害剤;セロトニン、またはシブトラミンなどのノルエピネフリン再吸収阻害剤;ビグアニドなどのインスリン増感薬;PPARアゴニスト;ムラグリタザル、テサグリタザルまたはナベグリタザルなどの二重作用性PPARアゴニスト;GW−501516などのPPAR−δアゴニスト;ビルダグリプチンまたはシタグリプチンなどのDPP−IV阻害剤;アカルボースなどのαグルコシダーゼ阻害剤;ActoPlusMet、AvandaMet、メトホルミン/ピオグリタゾン、メトホルミン/ロシグリタゾンまたはGlucovanc
e などの抗糖尿病薬組合せ;エクセナチドまたはリラグルチドなどのグルカゴン様ペプチド−1類似体;プラムリンチドなどのアミリン類似体;アトルバスタチン、シンバスタチン、ロスバスタチン、プラバスタチン、フルバスタチン、ロバスタチンまたはピタバスタチンなどのスタチン;エゼチミベなどのコレステロール吸収阻害剤;ナイアシンまたはニアスロなどのニコチン酸誘導体;シンバスタチン/エゼチミベ、ロバスタチン/ニコチン酸、アトルバスタチン/アムロジピンまたはアトルバスタチン/トルセトラピブ、シンバスタチン/ニコチン酸などの抗異常脂肪血症薬固定組合せ;ラミプリル、カプトプリルまたはリシノプリルなどのACE阻害剤;バルサルタンまたはテルミサルタンなどのAT−II受容体アンタゴニスト;リモナバントなどのカンナビノイド受容体アンタゴニスト;コレステロールエステル輸送タンパク質、またはJTT−705、CETi−1などのCETP阻害剤;またはβ3アドレナリン作用性アゴニストである。
【0382】
[000290]一つの態様において、化合物は、消耗疾患処置薬との組合せで投与される。若干の態様において、消耗疾患処置薬には、コルチコステロイド、アナボリックステロイド、カンナビノイド、メトクロプラミド、シサプリド、メドロキシプロゲステロンアセテート、メゲストロールアセテート、シプロヘプタジン、硫酸ヒドラジン、ペントキシフィリン、サリドマイド、抗サイトカイン抗体、サイトカイン阻害剤、エイコサペンタエン酸、インドメタシン、イブプロフェン、メラトニン、インスリン、成長ホルモン、クレンブテロール、ブタ膵臓抽出物、IGF−1、IGF−1類似体および分泌促進剤、ミオスタチン類似体、プロテアソーム阻害剤、テストステロン、オキサンドロロン、エンブレル(enbrel)、メラノコルチン4受容体アゴニスト、またはそれらの組合せが含まれるが、これに制限されるわけではない。
【0383】
[000291]一つの態様において、消耗疾患処置薬は、グレリン受容体リガンド、成長ホルモン類似体または分泌促進剤である。若干の態様において、グレリン受容体リガンド、成長ホルモン類似体または分泌促進剤には、プラルモレリン、エクサモレリン、タビモレリン、カピモレリン、カプロモレリン、イパモレリン、EP−01572、EP−1572またはJMV−1843が含まれるが、これに制限されるわけではない。
【0384】
[000292]一つの態様において、TRH、ジエチルスチルベステロール、テオフィリン、エンケファリン、E系列プロスタグランジン、米国特許第3,239,345号に開示された化合物、例えば、ゼラノール(zeranol)、および米国特許第4,036,979
号に開示された化合物、例えば、スルベノクス(sulbenox)、または米国特許第4,411,890号に開示されたペプチドなどがあるがこれに制限されるわけではない成長促進剤は、消耗疾患処置薬として利用される。
【0385】
[000293]他の態様において、消耗疾患処置薬は、GHRP−6、GHRP−1(米国特許第4,411,890号および公開WO89/07110号およびWO89/07111号に記載)、GHRP−2(WO93/04081号に記載)、NN703(NovoNordisk)、LY444711(Lilly)、MK−677(Merck)、CP424391(Pfizer)およびB−HT920などの成長ホルモン分泌促進剤を、または他の態様において、成長ホルモン放出因子およびその類似体または成長ホルモンおよびその類似体と一緒に、またはクロニジンなどのα−アドレナリン受容体アゴニストまたはスマトリプタン(sumatriptan)などのセロトニン5−HTDアゴニスト、またはフィゾスチグミンおよびピ
リドスチグミン(pyridostigmine)などの、ソマトスタチンまたはその放出を阻害する物質と一緒に含んでよい。若干の態様において、消耗疾患処置薬は、副甲状腺ホルモン、PTH(1−34)、またはMK−217(アレンドロネート)などのビスホスホネートを含んでよい。他の態様において、消耗疾患処置薬は、更に、エストロゲン、タモキシフェンまたはラロキシフェンなどの選択的エストロゲン受容体モジュレーター、またはEdwards, J. P. etal., Bio. Med. Chem. Let., 9, 1003-1008(1999) および Hamann, L.G.
et al., J. Med.Chem., 42,210-212(1999) に開示されたものなどの他のアンドロゲン受
容体モジュレーターを含んでよい。若干の態様において、消耗疾患処置薬は、更に、レボノルゲストレル(levonorgestrel)、メドロキシプロゲステロンアセテート(MPA)などのプロゲステロン受容体アゴニスト(「PRA」)を含んでよい。若干の態様において、消耗疾患処置薬には、米国特許第5,179,080号に記載のものなどの栄養サプリメントが含まれてよく、それは、他の態様において、乳清タンパク質またはカゼイン、アミノ酸(ロイシン、分岐状アミノ酸およびヒドロキシメチルブチレートなど)、トリグリセリド、ビタミン(例えば、A、B6、B12、フォレート、C、DおよびE)、鉱物(例えば、セレン、マグネシウム、亜鉛、クロム、カルシウムおよびカリウム)、カルニチン、リポ酸、クレアチン、β−ヒドロキシ−β−メチルブチレート(Juven)および補酵
素Qとの組合せである。一つの態様において、消耗疾患処置薬は、更に、抗吸収薬、ビタミンD類似体、元素カルシウムおよびカルシウムサプリメント、カテプシンK阻害剤、MMP阻害剤、ビトロネクチン受容体アンタゴニスト、Src SH2アンタゴニスト、液胞型−H
+−ATPアーゼ阻害剤、イプリフラボン、フッ化物、チボロン、プロスタノイド、17−βヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ阻害剤およびSrcキナーゼ阻害剤を含んでよい。
【0386】
[000294]一つの態様において、化合物は、内分泌系処置薬と一緒に投与される。若干の態様において、内分泌系処置薬には、放射性ヨウ素、抗甲状腺薬、甲状腺ホルモンサプリメント、成長ホルモン、カベルゴリン、ブロモクリプチン、チロキシン、ゴナドトロピン、グルココルチコイド、グルココルチコイド類似体、コルチコトロフィン、メチラポン、アミノグルテチミド、マイトタン、ケトコナゾール、ミフェプリストン、デキサメタゾン、ソマトスタチン類似体、ゴナドトロピン放出ホルモン類似体、ロイプロリド、ゴセレリン、抗利尿ホルモン、抗利尿ホルモン類似体、オキシトシン、カルシウムサプリメント、ビタミンDまたはそれらの組合せが含まれるが、これに制限されるわけではない。
【0387】
[000295]一つの態様において、内分泌系処置薬は、5−α−レダクターゼ阻害剤である。若干の態様において、5−α−レダクターゼ阻害剤には、フィナステリド、デュタステリドまたはイゾンステリドが含まれるが、これに制限されるわけではない。
【0388】
[000296]一つの態様において、内分泌系処置薬は、SARM化合物である。若干の態様において、SARMには、RU−58642、RU−56279、WS9761AおよびB、RU−59063、RU−58841、ベクスロステリド、LG−2293、L−245976、LG−121071、LG−121091、LG−121104、LGD−2226、LGD−2941、YM−92088、YM−175735、LGD−1331、BMS−357597、BMS−391197、S−40503、BMS−482404、EM−4283、EM−4977、BMS−564929、BMS−391197、BMS−434588、BMS−487745、BMS−501949、SA−766、YM−92088、YM−580、LG−123303、LG−123129、PMCol、YM−175735、BMS−591305、BMS−591309、BMS−665139、BMS−665539、CE−590、116BG33、154BG31、アルカリンまたはACP−105が含まれるが、これに制限されるわけではない。
【0389】
[000297]一つの態様において、追加の内分泌系処置薬は、SERM化合物である。若干の態様において、SERMには、タモキシフェン、4−ヒドロキシタモキシフェン、イドキシフェン、トレミフェン、オスペミフェン、ドロロキシフェン、ラロキシフェン、アルゾキシフェン、バゼドキシフェン、PPT(1,3,5−トリス(4−ヒドロキシフェニル)−4−プロピル−1H−ピラゾール)、DPN、ラソフォキシフェン、ピペンドキシフェン、EM−800、EM−652、ナフォキシジン、ジンドキシフェン、テスミリフェン、ミプロキシフェンホスフェート、RU58,688、EM139、ICI164,384、ICI182,780、クロミフェン、MER−25、ジエチルスチベストロル、クメストロル、ゲニステイン、GW5638、LY353581、ズクロミフェン、エンクロミフェン、デルマジノンアセテート、DPPE、(N,N−ジエチル−2−{4−(フェニルメチル)−フェノキシ}エタンアミン)、TSE−424、WAY−070、WAY−292、WAY−818、シクロコムノル、プリナベレル、ERB−041、WAY−397、WAY−244、ERB−196、WAY−169122、MF−101、ERb−002、ERB−037、ERB−017、BE−1060、BE−380、BE−381、WAY−358、[18F]FEDNP、LSN−500307、AA−102、Banzhilian、CT−101、CT−102またはVG−101が含まれるが
、これに制限されるわけではない。
【0390】
[000298]一つの態様において、内分泌系処置薬は、ゴナドトロピン放出ホルモンアゴニストまたはアンタゴニストである。若干の態様において、ゴナドトロピン放出ホルモンアゴニストまたはアンタゴニストには、ロイプロリド、ゴセレリン、トリプトレリン、アルファプロストル、ヒストレリン、デチレリクス、ガニレリクス、アンチドイツレリクス、セトロレリクス、ラモレリクス、ガニレリクス、アンタレリクス、テベレリクス、アバレリクス、オザレリクス、スフゴリクス、プラザレリクス、デガレリクス、NBI−56418、TAK−810またはアシリンが含まれるが、これに制限されるわけではない。
【0391】
[000299]一つの態様において、内分泌系処置薬は、黄体形成ホルモンアゴニストまたはアンタゴニストである。若干の態様において、黄体形成ホルモンアゴニストまたはアンタゴニストには、レトロゾール、アナストラゾール、アタメスタン、ファドロゾール、ミナメスタン、エクセメスタン、プロメスタン、リアロゾール、NKS−01、ボロゾール、YM−511、フィンロゾール、4−ヒドロキシアンドロステンジオン、アミノグルエチミドまたはログレチミドが含まれるが、これに制限されるわけではない。一つの態様において、内分泌系処置薬は、卵胞刺激ホルモンアゴニストまたはアンタゴニストである。一つの態様において、内分泌系処置薬は、黄体形成ホルモン放出ホルモン(LHRH)またはLHRH類似体である。
【0392】
[000300]一つの態様において、内分泌系処置薬は、ステロイド性または非ステロイド性グルココルチコイド受容体リガンドである。若干の態様において、非ステロイド性グルココルチコイド受容体リガンドには、ZK−216348、ZK−243149、ZK−243185、LGD−5552、ミフェプリストン、RPR−106541、ORG−34517、GW−215864X、Sesquicillin、CP−472555、CP−394531、A−222977、AL−438、A−216054、A−276575、CP−394531、CP−409069またはUGR−07が含まれるが、これに制限されるわけではない。
【0393】
[000301]一つの態様において、内分泌系処置薬は、ステロイド性または非ステロイド性プロゲステロン受容体リガンドである。一つの態様において、内分泌系処置薬は、ステロイド性または非ステロイド性アンドロゲン受容体アンタゴニストである。若干の態様において、ステロイド性または非ステロイド性アンドロゲン受容体アンタゴニストには、フルタミド、ヒドロキシフルタミド、ビカルタミド、ニルタミドまたはヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ阻害剤が含まれるが、これに制限されるわけではない。
【0394】
[000302]一つの態様において、内分泌系処置薬は、ペルオキシソーム増殖剤活性受容体リガンドである。若干の態様において、ペルオキシソーム増殖剤活性受容体リガンドには、ベザフィブラート、フェノフィブラート、ジェムフィブロジル、ダルグリタゾン、ピオグリタゾン、ロシグリタゾン、イサグリタゾン、リボグリタゾン、ネトグリタゾン、ナベグリタザル、ファルグリタザル、テサグリタザル、ラガグリタザル、オキセグリタザルまたはPN−2034が含まれるが、これに制限されるわけではない。
【0395】
[000303]一つの態様において、内分泌系処置薬は、ヒト成長ホルモンである。若干の態様において、ヒト成長ホルモンには、ソマトトロピンまたは類似体が含まれるが、これに制限されるわけではない。
【0396】
[000304]一つの態様において、内分泌系処置薬は、グレリンである。若干の態様において、グレリンには、ヒトグレリン、CYT−009−GhrQb、L−692429、GHRP−6、SK&F−110679またはU−75799Eが含まれるが、これに制限されるわけではない。
【0397】
[000305]一つの態様において、内分泌系処置薬は、レプチンである。若干の態様において、レプチンには、メトレレプチンまたはペグ化レプチンが含まれるが、これに制限されるわけではない。一つの態様において、内分泌系処置薬は、レプチン受容体アゴニストである。若干の態様において、レプチン受容体アゴニストには、LEP(116−130)、OB3、[Δ−Leu4]−OB3、rAAV−レプチン、AAV−hOBまたはrAAVhOBが含まれるが、これに制限されるわけではない。
【0398】
[000306]一つの態様において、SARM化合物は、アンドロゲン生合成経路に関与する酵素の阻害剤である。若干の態様において、アンドロゲン生合成経路に関与する酵素の阻害剤には、17−ケトレダクターゼ阻害剤、3−ΔH4,6−イソメラーゼ阻害剤、3−ΔH4,5−イソメラーゼ阻害剤、17,20デスモラーゼ阻害剤、p450c17阻害剤、p450ssc阻害剤または17,20−リアーゼ阻害剤が含まれるが、これに制限されるわけではない。
【0399】
[000307]一つの態様において、SARM化合物は、骨粗鬆症処置薬と一緒に投与される。若干の態様において、骨粗鬆症は、アルコールおよび/または喫煙によって誘発される。若干の態様において、骨粗鬆症処置薬には、SERM、カルシトニン、ビタミンD、ビタミンD誘導体、ビタミンD受容体リガンド、ビタミンD受容体リガンド類似体、エストロゲン、エストロゲン誘導体、複合エストロゲン、抗エストロゲン、プロゲスチン、合成エストロゲン、合成プロゲスチン、RANKリガンド単クローン性抗体、インテグリン受容体アンタゴニスト、破骨細胞液胞型ATPアーゼ阻害剤、破骨細胞受容体へのVEGF結合のアンタゴニスト、カルシウム受容体アンタゴニスト、副甲状腺ホルモン、副甲状腺ホルモン類似体、副甲状腺ホルモン関連ペプチド、カテプシンK阻害剤、ストロンチウムラネレート、チボロン、HCT−1026、PSK3471、ガリウムマルトレート、ニュートロピン(nutropin)AQ、プロスタグランジン、p38プロテインキナーゼ阻害剤、骨形成タンパク質(BMP)、BMP拮抗作用阻害剤、HMG−CoAレダクターゼ阻害剤、ビタミンK、ビタミンK誘導体、イプリフラボン、フッ化物塩、食用カルシウムサプリメントまたはオステオプロテゲリンが含まれるが、これに制限されるわけではない。
【0400】
[000308]一つの態様において、骨粗鬆症処置薬は、カルシトニンである。若干の態様において、カルシトニンには、サケ、エルカトニン、SUN−8577またはTJN−135が含まれるが、これに制限されるわけではない。
【0401】
[000309]一つの態様において、骨粗鬆症処置薬は、ビタミンD受容体リガンドまたは類似体である。若干の態様において、ビタミンD受容体リガンドまたは類似体には、カルシトリオール、トピトリオール、ZK−150123、TEI−9647、BXL−628、Ro−26−9228、BAL−2299、Ro−65−2299またはDP−035が含まれるが、これに制限されるわけではない。
【0402】
[000310]一つの態様において、SARM化合物は、薬物療法で誘発される性腺機能低下および/またはオステオペニアおよび/または骨量減少状態の処置薬と一緒に投与される。若干の態様において、薬物療法で誘発される性腺機能低下および/またはオステオペニアおよび/または骨量減少状態の処置薬には、オピオイド、麻薬、アヘン剤、オピオイド、メタドン(methadone)、Kadian、D2ドーパミン受容体アンタゴニスト、ゾテピネ
(zotepine)、ハロペリドール、アミスルプリド、リスペリドン、抗てんかん薬、バルプロ酸、カルバマゼピン、オクスカルバマゼピン、化学療法薬、メトトレキサート、シクロホスファミド、イホスファミド、アドリアマイシン、ドキソルビシン、グルココルチコイド、シクロスポリン、L−チロキシン、SERM、AI、フルベストラント、ゴナドトロピン放出ホルモン薬、アンドロゲン剥奪薬、プロラクチン血症誘発性剤、セロトニン様抗うつ薬、選択的セロトニン吸収阻害剤、モノアミンオキシダーゼ阻害剤、三環系抗うつ薬、抗高血圧薬、メチルドパ、レセルピン、クロニジン、ベラパミル、抗ドーパミン作用薬、抗嘔吐薬、メトクロプラミド、H2受容体アンタゴニスト、シメチジン、ラニチジン、エストロゲンまたはアンフェタミンが含まれるが、これに制限されるわけではない。
【0403】
[000311]一つの態様において、本発明の化合物は、ビタミンと一緒に投与される。若干の態様において、ビタミンには、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンK、ビタミンB、ビタミンCまたはそれらの組合せが含まれるが、これに制限されるわけではない。
【0404】
[000312]一つの態様において、本発明の化合物は、行動調節薬と一緒に投与される。若干の態様において、行動調節薬には、抗不安薬、抗精神病薬、抗うつ薬、β−遮断薬、β−2アゴニスト、抗コリン作用性気管支拡張薬、テオフィリン、アミノフィリン、ネドクロミルナトリウム、クロモグリク酸ナトリウム、ロイコトリエン受容体アンタゴニスト、コルチコステロイド、去痰薬、粘液溶解薬、抗ヒスタミン、プソイドエフェドリン、メチルフェニデート、アンフェタミン、ブスピロン、ベンゾジアゼピン、デキストロアンフェタミン、三環系抗うつ薬、選択的セロトニン吸収阻害剤、フェノチアジン、ベンズトロピン、ブプロピオン(bupropion)、プロプラノロール、リチウム、ベンラファキシン(venlafaxine)、ハロペリドール、ブスピロンまたはノイラミニダーゼ阻害剤が含まれるが、これに制限されるわけではない。
【0405】
[000313]一つの態様において、行動調節薬は、ベンゾジアゼピンである。一つの態様において、ベンゾジアゼピンは、アルプラゾラム、クロルジアゼポキシド、ジアゼパム、フルラゼパム(flurazepam)、ロラゼパム、オキサゼパム(oxazepam)、テマゼパムまたはトリアゾラム(triazolam)を含む。
【0406】
[000314]一つの態様において、行動調節薬は、フェノチアジンである。一つの態様において、フェノチアジンは、フルフェナジン、ペルフェナジン、チオリダジンまたはトリフロペラジンを含む。
【0407】
[000315]一つの態様において、行動調節薬は、三環系抗うつ薬またはセロトニン吸収阻害剤である。一つの態様において、三環系抗うつ薬またはセロトニン吸収阻害剤は、フェノチアジン、プロトリプチリン、フルオキセチン(fluoxetine)、パロキセチンまたはセルトラリンを含む。
【0408】
[000316]一つの態様において、本発明の化合物は、結合組織処置薬と一緒に投与される。若干の態様において、結合組織処置薬には、抗マラリア薬、細胞傷害性薬、ステロイド、コルチコステロイド、ループス薬、イムラン(imuran)、シトキサン、抗リウマチ薬、コルチコステロイド、ニフェジピン、アスピリン、コルヒチン、カプトプリル、ペニシラミン、アザチオプリン、メトトレキサート、シクロホスファミド、プレドニゾン、ニカルジピンまたは非ステロイド性抗炎症薬が含まれるが、これに制限されるわけではない。
【0409】
[000317]一つの態様において、本発明の化合物は、眼疾患処置薬と一緒に投与される。若干の態様において、眼疾患処置薬には、ベタガン(betagan)、ベチモル、チモプテ
ィク、ベトプティク、ベトプティク、オクプレス、オプティプラノロール、キサラタン、アルファガン、アゾプト、トルソプト、コソプト、ピロカル、ピラガン、プロピン、オプティクロム、アクラル、リボスチン、アロミド、エマジン、パタノル、アルレクス、ポリプレド(poly-pred)、プレド−g、デキサシジン、エリスロマイシン、マキシトロル、
トブラデクス、ブレファミド、FML、オクフェン、ボルタレン、プロフェナル、プレド・フォルテ、エコンプレド・プラス、エフロン、フラレクス、インフラマーゼ・フォルテ、ベタジン(betadine)、グラミシジン、プレドニゾロン、ベタキソロール、フモルソル(humorsol)、プロパラカイン、ベトプティク(betoptic)、ヒラルチン(hylartin)、インフラマーゼ・マイルド、ロテマクス、フルルビプロフェン、クロラムフェニコール、メタゾラミド、チモロール、シロキサン、テラマイシン(terramycin)、シプロフロキサシン、ミオスタト(miostat)、トリアムシノロン、ミコナゾール、トブラマイシン、フ
ィソスチミン(physostimine)、ゲンタマイシン、ピロカルピン、バシトラシン、ゴニオソル(goniosol)、ポリミキシン、オキシテトラサイクリン、ビロプティク(viroptic)、ベクソル、スプロフェン、セルビスク(celluvisc)、ポリトリム、イロチシン、シロ
キサン、オクフロクス、プリンゾラミド(brinzolamide)、セファゾリン、トブレクス、ラタノプロスト(latanoprost)、インドシアニド、トリフルリジン(trifluridine)、
フェニリフリン、デメカリウム(demecarium)、ネオマイシン、トロピカミド、デキサメタゾン、ネプタザン(neptazane)、ジピベフリン(dipivefrin)、オクフロクス、ビダ
ラビン(vidarabine)、ドルゾラミド(dorzolamide)、オフロキサシン、エピネフリン
、アシクロビル、カルボニックアンヒドラーゼ阻害剤、抗ヒスタミン、ビタミンA、ビタミンC、ビタミンE、亜鉛、銅、アトロピンまたはガラマイシンが含まれるが、これに制限されるわけではない。
【0410】
[000318]一つの態様において、本発明の化合物は、遺伝子治療薬と一緒に投与される。若干の態様において、遺伝子治療薬には、アンチセンス薬または置換遺伝子が含まれるが、これに制限されるわけではない。
【0411】
[000319]若干の態様において、本発明の組成物はいずれも、本明細書中に記載のいずれかの形または態様の式Iの化合物を含むであろう。若干の態様において、本発明の組成物はいずれも、本明細書中に記載のいずれかの形または態様の式Iの化合物から成るであろう。若干の態様において、本発明の組成物は、本明細書中に記載のいずれかの形または態様の式Iの化合物から本質的に成るであろう。若干の態様において、「含む」という用語は、式Iの化合物などの指定された活性剤の包含、更には、他の活性剤、および医薬品産業において知られているような薬学的に許容しうる担体、賦形剤、皮膚軟化薬、安定剤等の包含を意味する。若干の態様において、「から本質的に成る」という用語は、唯一の活性成分が指定された活性成分である組成物を意味するが、しかしながら、製剤を安定化する、保存する等のためであるが、指定された活性成分の治療的作用に直接的に関与しない他の化合物が包含されてよい。若干の態様において、「から本質的に成る」という用語は、活性成分の放出を容易にする成分に言及していることがありうる。若干の態様において、「成る」という用語は、活性成分および薬学的に許容しうる担体または賦形剤を含有する組成物に言及している。
【0412】
[000320]一つの態様において、本発明は、組合せ製剤を提供する。一つの態様において、「組合せ製剤」という用語は、特に、上に定義の組合せパートナーを、独立して、または顕著な量の組合せパートナーとのいろいろな固定組合せの使用によって、すなわち、同時に、同時発生的に(concurrently)、別々にまたは逐次的に投与することができるという意味での「部材キット」を定義する。若干の態様において、次に、部材キットの部材は、例えば、同時に、または時間差をつけて、すなわち、部材キットのいずれかの部材について異なった時点に且つ等しいまたは異なった時間間隔で投与することができる。組合せパートナーの全量比は、若干の態様において、組合せ製剤中で投与することができる。一つの態様において、組合せ製剤は、例えば、当業者が容易に行うことができるように、処置される患者部分集団の要求、または具体的な疾患、疾患の重症度、年齢、性別または体重に依って異なった要求がありうる一人の患者の要求に対処するために、異なることがありうる。
【0413】
[000321]本発明が、当業者に理解されるであろうように、適宜、いずれかの疾患、障害または状態のための本明細書中に記載の組成物および組合せ療法に関するということは理解されるはずである。このような組成物および組合せ療法のある種の用途を、具体的な疾患、障害または状態について、本明細書中の上に記載してきたが、本発明の態様と、対象のこのような疾患、障害または状態を、本明細書中に記載の化合物を単独でまたは組合せ療法の一部分として投与することによって処置する方法または本発明の組成物を用いる方法を示すことは、本発明の追加の態様である。
【0414】
選択的アンドロゲンモジュレーター化合物の生物学的活性
[000363]本発明の化合物は、若干の態様において、経口テストステロン補充療法に有用でありうる。他の態様において、適当に置換された化合物は、(a)男性用避妊;(b)いろいろなホルモン関連状態、例えば、疲労、うつ病、リビドー低下、性機能不全、勃起障害、性腺機能低下、骨粗鬆症、毛髪減少、肥満、骨量減少、オステオペニア、良性前立腺増殖症、および気分および認知の変調などのADAMに関連した状態の処置;(c)性機能不全、性欲低下、性腺機能低下、骨量減少、オステオペニア、骨粗鬆症、認知および気分の変調、うつ病、貧血、毛髪減少、肥満、子宮内膜症、乳癌、子宮癌および卵巣癌などのADIFに関連した状態の処置;(d)慢性筋消耗の処置および/または予防;(e)前立腺癌の処置、前立腺癌の画像化、前立腺癌の発生率を減少させること、前立腺癌を停止させるまたは退行させること;(f)I型糖尿病の処置;(g)II型糖尿病の処置;(h)糖尿病を抑制すること、阻止することまたはその発生率を減少させること;(i)グルコース不耐症の処置;(j)高インスリン血症の処置;(k)インスリン抵抗性の処置;(l)糖尿病性腎症の処置;(m)糖尿病性ニューロパシーの処置;(n)糖尿病性網膜症の処置;(o)脂肪肝状態の処置;(p)悪液質の処置;(q)経口アンドロゲン補充および/または、本明細書中の「処置すること」という用語によって包含されるいずれかの態様を含めた他の臨床治療的および/または診断的分野に有用である。
【0415】
[000364]若干の態様において、本発明の化合物は、invivo 組織選択的なアンドロゲ
ン活性およびアナボリック活性を有するので、それらは、当業者に理解されるであろうように、特定の用途に利用される。
【0416】
[000365]一つの態様において、本発明は、(a)筋消耗障害を有する対象を処置する方法;(b)栄養失調を患う対象を処置する方法;(c)対象の骨関連障害を処置する方法;(d)対象の骨質量を増加させる方法;(e)対象の脂質プロフィールを改善する方法;(f)アテローム性動脈硬化症およびその関連疾患を処置する方法;(g)対象の技能および運動を改善する方法;(h)小人症を有する対象を処置する方法;(i)月経困難症を有する対象を処置する方法;(j)性交疼痛症(dysparunia)を有する対象を処置する方法;(k)精子形成障害性不妊症を有する対象を処置する方法であって、この対象に、式Iの化合物および/またはこの化合物の類似体、誘導体、異性体、代謝産物、薬学的に許容しうる塩、医薬製品、水和物、N−オキシド、プロドラッグ、多形、不純物または結晶、またはいずれかそれらの組合せを投与する工程を含む方法を提供する。
【0417】
[000366]若干の態様において、本明細書中に記載の化合物および/またはそれを含む組成物は、認知の改善、うつ病の軽減または処置、または他のニューロン保護作用が望まれる用途におよび疾患を処置するのに用いることができる。
【0418】
[000367]一つの態様において、「認知」は、知る過程、具体的には、気が付く、知る、考える、学習するおよび判断する過程を意味する。認知は、心理学、言語学、コンピューター科学、神経科学、数学、動物行動学および哲学の分野に関連している。一つの態様において、「気分」は、気質または心の状態を意味する。本明細書中で考えられる変調は、正または負のいずれかへの認知および/または気分の変化を意味する。
【0419】
[000368]一つの態様において、「うつ病」は、ヒトが食事する、睡眠する方法およびヒトが自覚するおよび物事を考える方法に影響する、身体、気分および思考に関わる病気を意味する。うつ病の徴候および症状には、活動への関心の喪失、食欲の喪失または過食、感情表現の喪失、空虚気分、絶望感、悲観、罪悪感または絶望、社会的引きこもり、疲労、睡眠障害、集中、記憶または決断の障害、不穏状態、過敏性、頭痛、消化障害または慢性痛が含まれる。
【0420】
[000369]一つの態様において、本発明の方法は、ヒトである対象に有用である。別の態様において、その対象は、哺乳動物である。別の態様において、対象は、動物である。別の態様において、対象は、無脊椎動物である。別の態様において、対象は、脊椎動物である。
【0421】
[000370]一つの態様において、対象は、男性である。別の態様において、対象は、女性である。若干の態様において、本明細書中に記載の方法は、男性かまたは女性を処置するのに有用でありうるが、女性は、本明細書中に記載され且つ例示されるように、ある種の方法について、ある種の化合物の投与に一層好都合に応答することがありうる。
【0422】
[000371]若干の態様において、本明細書中に記載の方法は、男性かまたは女性を処置するのに有用でありうるが、男性は、本明細書中に記載のように、ある種の方法について、ある種の化合物の投与に一層好都合に応答することがありうる。
【0423】
[000372]若干の態様において、本明細書中に記載の化合物および/またはそれを含む組成物は、毛髪減少、脱毛症、アンドロゲン性脱毛症、円形脱毛症、化学療法の続発性脱毛症、放射線療法の続発性脱毛症、瘢痕形成で誘発される脱毛症またはストレスで誘発される脱毛症の用途にまたはそれを処置するのに用いることができる。一つの態様において、「毛髪減少」または「脱毛症」は、男性型禿頭症の極めて一般的なタイプの場合のような禿頭症を意味する。禿頭症は、典型的に、頭皮上の一部毛髪減少で始まり、そして時々、完全な禿頭症へ、そして体毛減少へも進行する。毛髪減少は、男性にも女性にも影響する。
【0424】
[000373]若干の態様において、本明細書中に記載の化合物および/またはそれを含む組成物は、貧血を有する対象に関連した疾患または状態の用途にまたはそれを処置するのに用いることができる。一つの態様において、「貧血」は、血液中に正常数未満の赤血球または正常量未満のヘモグロビンを有する状態、ヘマトクリット減少または平均赤血球容積減少または血球サイズ減少を意味する。血液の酸素運搬容量は、貧血の場合に減少する。若干の態様において、貧血を処置することは、本明細書中において、貧血を引き起こす基礎因子、例えば、(a)出血(hemorrhage/bleeding);(b)溶血(赤血球の過剰破壊);(c)赤血球の生産不足;および(d)不十分な正常ヘモグロビンなどを処置することを意味することもありうる。若干の態様において、本発明において貧血を処置することは、再生不良性貧血、ベンゼン中毒、Fanconi貧血、新生児溶血性疾患、遺伝性球状赤血球症、鉄欠乏性貧血、骨粗鬆症、悪性貧血、再生不良性貧血、溶血性貧血、鎌状赤血球貧血、腎性貧血、サラセミア、骨髄異形成症候群およびいろいろな骨髄疾患を含めた、そのいずれかの形を処置することを意味する。
【0425】
[000374]若干の態様において、本明細書中に記載の化合物および/またはそれを含む組成物は、対象のリビドーでの問題に関連した疾患および/または状態または対象の勃起障害の用途におよび/またはそれを処置するのに用いることができる。一つの態様において、「リビドー」は、性的欲求を意味することがありうる。
【0426】
[000375]一つの態様において、「勃起」という用語は、勃起させるまたは直立させる能力を意味する。勃起組織は、それが含有する多数の血管の膨張によって大きく膨張させ且つ硬直させることができる組織である。
【0427】
[000376]本発明の別の態様において、患者(すなわち、アンドロゲン依存状態を患う患者)のホルモン療法のための方法であって、患者のアンドロゲン受容体と、本発明の化合物および/または非ステロイド性アゴニストおよび/またはその類似体、誘導体、異性体、代謝産物、薬学的に許容しうる塩、医薬製品、多形、結晶、不純物、水和物、N−オキシドまたはいずれかそれらの組合せとを、アンドロゲン受容体に化合物を結合し且つアンドロゲン依存状態を変化させる有効量で接触させることを含む方法を提供する。
【0428】
[000377]本発明の一つの態様において、患者(すなわち、アンドロゲン依存状態を患う患者)のホルモン補充療法のための方法であって、対象に、本明細書中に記載の化合物および/またはその類似体、誘導体、異性体、代謝産物、薬学的に許容しうる塩、医薬製品、多形、結晶、不純物、水和物、N−オキシドまたはいずれかそれらの組合せを、対象のアンドロゲン依存状態を変化させる有効量で投与することを含む方法を提供する。
【0429】
[000378]本発明の方法を含んで、本明細書中に記載の化合物および/または組成物で処置することができるアンドロゲン依存状態には、加齢、性腺機能低下、骨量減少、赤血球生成減少、骨粗鬆症に関連した状態、および低アンドロゲン(例えば、テストステロン)またはエストロゲンレベルに依存したいずれか他の状態が含まれる。
【0430】
[000379]本明細書中に記載の化合物および/または組成物で且つ本発明の方法を含んで処置することができるアンドロゲン依存状態は、当業者に知られているであろうように、多毛症、不妊症、多嚢胞性卵巣症候群、子宮内膜癌、乳癌、男性型禿頭症、前立腺癌、精巣癌およびその他を含めた、高アンドロゲンまたはエストロゲンレベルを特徴とする状態を含んでよい。このような状態について、対象には、当業者に理解されるであろうように、本明細書中に記載の化合物を単独でまたは別の治療薬との組合せで投与することができる。
【0431】
[000380]一つの態様において、本発明は、対象の癌の処置方法、対象の癌の発生率または重症度または病原の減少方法、対象の癌の進行を遅延させる、寛解を延長するまたは開始を遅延させる方法であって、対象に、本明細書中に記載の化合物および/またはその類似体、誘導体、異性体、代謝産物、薬学的に許容しうる塩、医薬製品、多形、結晶、不純物、水和物、N−オキシドまたはいずれかそれらの組合せを投与する工程を含む方法を提供する。若干の態様において、このような癌は、前立腺、卵巣、乳房、子宮、精巣またはその他の癌などの男性または女性の生殖組織に関連したホルモン依存性またはアンドロゲン受容体依存性の腫瘍(悪性または良性)である。
【0432】
[000381]若干の態様において、本発明は、対象の前癌性前駆細胞または病変の処置方法、対象の前癌性前駆細胞または病変の発生率の減少方法であって、対象に、本明細書中に記載の化合物および/またはその類似体、誘導体、異性体、代謝産物、薬学的に許容しうる塩、医薬製品、多形、結晶、不純物、水和物、N−オキシドまたはいずれかそれらの組合せを投与する工程を含む方法を提供する。若干の態様において、このような前癌性前駆細胞は、ホルモン応答性組織中で見出されるアンドロゲン受容体依存性腫瘍であり、または前立腺、卵巣、乳房、子宮、精巣またはその他の場合などの男性または女性の生殖組織に関連している。若干の態様において、このような前癌性前駆細胞は、例えば、前立腺、子宮頸部等のいずれか局所上皮内新形成を含む。若干の態様において、このような方法は、男性または女性の生殖組織の場合などの組織の新形成または前新形成、異形成または過形成を処置するのに有用である。
【0433】
[000382]一つの態様において、本発明は、良性前立腺増殖症(BPH)を処置する場合の化合物、組成物および/またはそれらの使用方法を提供する。「BPH(良性前立腺増殖症)」は、前立腺の非悪性腫脹であり、そしていずれの内部臓器にも見出される最も一般的な非悪性増殖性異常および成人男性の罹病率の主因である。BPHは、75%を超える50歳を超えた男性に認められ、90代(theninth decade)には88%の有病率に達する。BPHは、しばしば、前立腺を横切る尿道部分(尿道前立腺部)の漸進的圧迫を引き起こす。これは、不完全な膀胱排出ゆえの頻繁な尿意および排尿切迫を患者に経験させる。尿流の閉塞も、所望時の排尿開始困難、更には、尿路閉塞および排尿不全をもたらすことがありうる過度尿失禁として知られる状態である、膀胱からの排尿不能ゆえの尿流防止困難を含めた、排尿への一般的な制御欠如をもたらすことがありうる。
【0434】
[000383]本発明の別の態様において、対象の良性前立腺増殖症(BPH)を処置する方法は、その対象に、本明細書中に記載の化合物および/またはその類似体、誘導体、異性体、代謝産物、薬学的に許容しうる塩、医薬製品、多形、結晶、不純物、水和物、N−オキシドまたはいずれかそれらの組合せを、対象のBPHを処置する有効量で投与する工程を含む。
【0435】
[000384]若干の態様において、本発明は、対象の悪液質および/または癌に関連した悪液質を処置するための、その重症度を減少させるための、その発生率を減少させるための、またはその病原を減少させるための、本明細書中に記載の化合物またはそのプロドラッグ、類似体、異性体、代謝産物、誘導体、薬学的に許容しうる塩、医薬製品、多形、結晶、不純物、N−オキシド、水和物またはいずれかそれらの組合せの使用を提供する。別の態様において、その癌は、副腎皮質癌、肛門癌、膀胱癌、脳腫瘍、脳幹グリオーマ、脳腫瘍、小脳星状細胞腫、大脳星状細胞腫、脳質上衣腫、骨芽細胞腫、テント上未分化神経外胚葉性、松果体部腫瘍、視床下部グリオーマ、乳癌、カルチノイド腫瘍、癌腫、子宮頸癌、結腸癌、子宮内膜癌、食道癌、肝外胆管癌、ユーイングファミリー腫瘍(Pnet)、頭蓋外胚細胞腫瘍、眼癌、眼内黒色腫、胆嚢癌、胃癌、胚細胞腫瘍、性腺外、妊娠性絨毛腫瘍、頭頸部癌、下咽頭癌、島細胞癌、咽頭癌、白血病、急性リンパ芽球性白血病、口腔癌、肝癌、肺癌、非小細胞性肺癌、小細胞、リンパ腫、AIDS関連リンパ腫、中枢神経系(原発性)リンパ腫、皮膚T細胞リンパ腫、ホジキン病、非ホジキン病、悪性中皮腫、黒色腫、メルケル細胞癌、転移性(metasatic)扁平上皮癌、多発性骨髄腫、形質細胞
新生物、菌状息肉腫、骨髄異形成症候群、骨髄増殖性障害、鼻咽喉癌、神経芽細胞腫、口咽頭癌、骨肉腫、卵巣上皮癌、卵巣胚細胞腫瘍、卵巣低悪性可能性腫瘍、膵臓癌、外分泌、膵臓癌、島細胞癌、副鼻腔および鼻腔癌、副甲状腺癌、陰茎癌、クロム親和性細胞腫癌、下垂体癌、形質細胞新生物、前立腺癌、黄紋筋肉腫、直腸癌、腎細胞癌、唾液腺癌、Sezary症候群、皮膚癌、皮膚T細胞リンパ腫、皮膚癌、カポジ肉腫、皮膚癌、黒色腫、小
腸癌、軟組織肉腫、軟組織肉腫、精巣癌、胸腺腫、悪性甲状腺癌、尿道癌、子宮癌、肉腫、小児期の特異癌、膣癌、外陰癌、ウィルムス腫瘍またはいずれかそれらの組合せを含む。
【0436】
[000385]別の態様において、本発明は、肺癌を処置するための、その重症度を減少させるための、その発生率を減少させるための、その開始を遅延させるための、本明細書中に記載の化合物またはそのプロドラッグ、類似体、異性体、代謝産物、誘導体、薬学的に許容しうる塩、医薬製品、多形、結晶、不純物、N−オキシド、水和物またはいずれかそれらの組合せの使用を提供する。
【0437】
[000386]別の態様において、本発明は、非小細胞性肺癌を処置するための、その重症度を減少させるための、その発生率を減少させるための、その開始を遅延させるための、本明細書中に記載の化合物またはそのプロドラッグ、類似体、異性体、代謝産物、誘導体、薬学的に許容しうる塩、医薬製品、多形、結晶、不純物、N−オキシド、水和物またはいずれかそれらの組合せの使用を提供する。
【0438】
[000387]若干の態様において、本発明は、癌を処置するための、その重症度を減少させるための、その発生率を減少させるための、またはその病原を減少させるための、本明細書中に記載の化合物またはそのプロドラッグ、類似体、異性体、代謝産物、誘導体、薬学的に許容しうる塩、医薬製品、多形、結晶、不純物、N−オキシド、水和物またはいずれかそれらの組合せの使用を提供する。別の態様において、その癌は、前立腺癌、乳癌(男性または女性の、手術可能なまたは手術不能な)などのアンドロゲンAR依存性腫瘍(悪性または良性)を含む。別の態様において、前立腺癌;膀胱癌;脳癌;骨腫瘍、結腸癌、子宮内膜癌、肝癌、肺癌、リンパ系癌、腎臓癌、骨肉腫癌、卵巣癌、膵臓癌、陰茎癌、皮膚癌、甲状腺癌および/またはホルモン依存性癌を処置するための、ADTに伴うSARM化合物。
【0439】
[000388]一つの態様において、本発明は、(a)骨関連障害を処置する;(b)骨関連障害を予防する;(c)骨関連障害を抑制する;(d)骨関連障害を阻害する;(e)対象の骨強度を増加させる;(f)対象の骨質量を増加させる;(g)破骨細胞生成阻害に用いるための、本明細書中に記載の化合物またはそのプロドラッグ、類似体、異性体、代謝産物、誘導体、薬学的に許容しうる塩、医薬製品、多形、結晶、不純物、N−オキシド、水和物またはいずれかそれらの組合せの使用を提供する。
【0440】
[000389]一つの態様において、本発明は、(a)骨修復を促進する;(b)骨障害を処置する;(c)骨密度減少を処置する;(d)低骨密度(BMD)を処置する;(e)骨質量減少を処置する;(f)代謝性骨疾患を処置する;(g)骨成長または再成長を促進する;(h)骨回復を促進する;(i)骨折修復を促進する;(j)骨再造形を促進する;(k)顔、股関節部または関節を含めた再建手術後の骨損傷を処置する;(l)骨強度および機能を増強する;(m)皮質骨質量を増加させる;(n)小柱連結度を増加させるための、本明細書中に記載の化合物またはそのプロドラッグ、類似体、異性体、代謝産物、誘導体、薬学的に許容しうる塩、医薬製品、多形、結晶、不純物、N−オキシド、水和物またはいずれかそれらの組合せの使用を提供する。
【0441】
[000390]一つの態様において、骨関連障害は、遺伝的障害であり、または別の態様において、ある一定の疾患の処置計画の結果として誘発される。例えば、そして一つの態様において、本明細書中に記載の化合物は、骨への癌転移の結果として、または別の態様において、例えば、対象の前立腺癌発生に応答して与えられるアンドロゲン剥奪療法の結果として生じる骨関連障害を処置する場合に有用である。
【0442】
[000391]一つの態様において、骨関連障害は、骨粗鬆症である。別の態様において、骨関連障害は、オステオペニアである。別の態様において、骨関連障害は、骨吸収増加である。別の態様において、骨関連障害は、骨折である。別の態様において、骨関連障害は、骨虚弱である。
【0443】
[000392]別の態様において、骨関連障害は、骨密度(BMD)減少である。別の態様において、骨関連障害は、骨粗鬆症、オステオペニア、骨吸収増加、骨折、骨虚弱およびBMD減少のいずれかの組合せである。障害は各々、本発明の別々の態様である。
【0444】
[000393]「骨粗鬆症」は、一つの態様において、カルシウムおよび骨タンパク質の低下による骨質量減少での骨の菲薄化を意味する。別の態様において、骨粗鬆症は、低骨質量および骨組織の劣化を特徴とする全身性骨格疾患であり、結果としての骨脆弱性および骨折感受性の増加を伴う。骨粗鬆症患者の場合、骨強度は異常であり、一つの態様において、結果としての骨折リスクの増加を伴う。別の態様において、骨粗鬆症は、骨中に通常見出されるカルシウムおよびタンパク質コラーゲン双方を低下させて、一つの態様において、異常な骨量かまたは骨密度低下を引き起こす。別の態様において、骨粗鬆症によって影響される骨は、骨折を引き起こすとは通常考えられない軽度の転倒または傷害だけで折れることがありうる。骨折は、一つの態様において、亀裂(股関節骨折の場合のような)かまたは虚脱(脊椎圧迫骨折の場合のような)の形でありうる。脊椎、股関節および手根は、骨粗鬆症で誘発される骨折の一般的な部位であるが、骨折は、他の骨格部位でも起こることがありうる。未検査骨粗鬆症は、別の態様において、姿勢の変化、身体的異常および可動性減少をもたらすことがありうる。
【0445】
[000394]一つの態様において、骨粗鬆症は、アンドロゲン剥奪によって生じる。別の態様において、骨粗鬆症は、アンドロゲン剥奪に伴う。別の態様において、骨粗鬆症は、原発性骨粗鬆症である。別の態様において、骨粗鬆症は、続発性骨粗鬆症である。別の態様において、骨粗鬆症は、閉経後骨粗鬆症である。別の態様において、骨粗鬆症は、若年性骨粗鬆症である。別の態様において、骨粗鬆症は、特発性骨粗鬆症である。別の態様において、骨粗鬆症は、老人性骨粗鬆症である。
【0446】
[000395]別の態様において、原発性骨粗鬆症は、I型原発性骨粗鬆症である。別の態様において、原発性骨粗鬆症は、II型原発性骨粗鬆症である。各々のタイプの骨粗鬆症は、本発明の別々の態様である。
【0447】
[000396]本発明のこの側面により、そして一つの態様において、骨関連障害は、本明細書中に記載の化合物またはその組合せで処置される。別の態様において、他の骨刺激性化合物を、対象に、本明細書中に記載の一つまたは複数の化合物の投与の前に、と同時に、または後に与えることができる。一つの態様において、このような骨刺激性化合物は、天然または合成の物質を含んでよい。
【0448】
[000397]一つの態様において、骨刺激性化合物は、当業者に理解されるであろうように、骨形成タンパク質(BMP);上皮増殖因子(EGF)、線維芽細胞増殖因子(FGF)、トランスフォーミング増殖因子(TGF)、インスリン様増殖因子(IGF)、血小板由来増殖因子(PDGF)などの増殖因子;ソニック(sonic)、インディアン(indian)およびデザート(desert)ヘッジホグなどのヘッジホグタンパク質;卵胞刺激ホル
モン、副甲状腺ホルモン、副甲状腺ホルモン関連ペプチド、アクチビン、インヒビン、フォリスタチン、フリズルド(frizzled)、フルズブ(frzb)またはフラズルド(frazzled)タンパク質などのホルモン;コーディン(chordin)およびフェチュインなどのBMP
結合タンパク質;IL−3、IL−7、GM−CSFなどのサイトカイン;エオタキシンなどのケモカイン;コラーゲン、オステオカルシン、オステオネクチンおよびその他を含んでよい。
【0449】
[000398]別の態様において、本発明の骨障害を処置する場合に用いるための組成物は、本明細書中に記載の一つまたは複数の化合物、一つまたは複数の追加の骨刺激性化合物、および骨形成性細胞を含んでよい。一つの態様において、骨形成性細胞は、幹細胞または前駆細胞であってよく、それは、骨芽細胞へと分化させることができる。別の態様において、細胞は、骨芽細胞であってよい。別の態様において、骨刺激性化合物をコードしている核酸を、対象に投与することができ、それは、本発明の一部分と考えるべきである。
【0450】
[000399]一つの態様において、本発明の方法は、骨粗鬆症を処置するために化合物を投与することを含む。別の態様において、本発明の方法は、骨粗鬆症を処置するために、SERMとの組合せで化合物を投与することを含む。別の態様において、SERMは、タモキシフェン、4−ヒドロキシタモキシフェン、イドキシフェン、トレミフェン、オスペミフェン、ドロロキシフェン、ラロキシフェン、アルゾキシフェン、バゼドキシフェン、PPT(1,3,5−トリス(4−ヒドロキシフェニル)−4−プロピル−1H−ピラゾール)、DPN、ラソフォキシフェン、ピペンドキシフェン、EM−800、EM−652、ナフォキシジン、ジンドキシフェン、テスミリフェン、ミプロキシフェンホスフェート、RU58,688、EM139、ICI164,384、ICI182,780、クロミフェン、MER−25、ジエチルスチベストロル、クメストロル、ゲニステイン、GW5638、LY353581、ズクロミフェン、エンクロミフェン、デルマジノンアセテート、DPPE、(N,N−ジエチル−2−{4−(フェニルメチル)−フェノキシ}エタンアミン)、TSE−424、WAY−070、WAY−292、WAY−818、シクロコムノル、プリナベレル、ERB−041、WAY−397、WAY−244、ERB−196、WAY−169122、MF−101、ERb−002、ERB−037、ERB−017、BE−1060、BE−380、BE−381、WAY−358、[18F]FEDNP、LSN−500307、AA−102、Banzhi lian、CT−101、CT−102またはVG−101である。
【0451】
[000400]別の態様において、本発明の方法は、骨粗鬆症を処置するために、SARM化合物を、アレンドロネート、チルドロエート、クロドロニエート、パミドロネート、エチドロネート、アレンドロネート、ゾレンドロネート、シマドロネート、ネリドロネート、ミノドロン酸、イバンドロネート、リセドロネートまたはホモレシドロネートなどのビスホスホネートとの組合せで投与することを含む。
【0452】
[000401]別の態様において、本発明の方法は、骨粗鬆症を処置するために、化合物を、サケ、Elcatonin、SUN−8577またはTJN−135などのカルシトニンとの組
合せで投与することを含む。
【0453】
[000402]別の態様において、本発明の骨粗鬆症を処置する方法は、SARM化合物を、(a)ZK−156979などのビタミンDまたは誘導体;(b)カルシトリオール、トピトリオール、ZK−150123、TEI−9647、BXL−628、Ro−26−9228、BAL−2299、Ro−65−2299またはDP−035などのビタミンD受容体リガンドおよび類似体;(c)エストロゲン、エストロゲン誘導体または複合エストロゲン;(d)抗エストロゲン、プロゲスチンまたは合成エストロゲン/プロゲスチン;(e)デノスマブ・ホルメルリ(denosumabformerly)AMG162(Amgen)な
どのRANKリガンドmAb;(f)αvβ3インテグリン受容体アンタゴニスト;(g)破骨細胞液胞型ATPアーゼ阻害剤;(h)破骨細胞受容体へのVEGF結合のアンタゴニスト;(i)カルシウム受容体アンタゴニスト;(j)PTh(副甲状腺ホルモン)および類似体、PTHrP類似体(副甲状腺ホルモン関連ペプチド);(k)カテプシンK阻害剤(AAE581等);(l)ストロンチウムラネレート;(m)チボロン;(n)HCT−1026、PSK3471;(o)ガリウムマルトレート;(p)Nutropin
AQ;(q)プロスタグランジン(骨の);(r)p38プロテインキナーゼ阻害剤;(s)骨形成タンパク質;(t)BMP拮抗作用阻害剤;(u)HMG−CoAレダクターゼ阻害剤;(v)ビタミンKまたは誘導体;(w)イプリフラボン;(x)フッ化物塩;(y)食用カルシウムサプリメント;および(z)オステオプロテゲリンとの組合せで投与することを含む。
【0454】
[000403]一つの態様において、本発明の方法は、ホルモンの障害、破壊または不均衡によって引き起こされる、またはそれに関連した疾患または障害を処置する場合に有用である。一つの態様において、ホルモンの障害、破壊または不均衡は、過剰のホルモンを含む。別の態様において、ホルモンの障害、破壊または不均衡は、ホルモン欠損症を含む。一つの態様において、ホルモンは、ステロイドホルモンである。別の態様において、ホルモンは、エストロゲンである。別の態様において、ホルモンは、アンドロゲンである。別の態様において、ホルモンは、グルココルチコイドである。別の態様において、ホルモンは、コルチコステロイドである。別の態様において、ホルモンは、黄体形成ホルモン(LH)である。別の態様において、ホルモンは、卵胞刺激ホルモン(FSH)である。別の態様において、ホルモンは、当該技術分野において知られているいずれか他のホルモンである。別の態様において、ホルモンの障害、破壊または不均衡は、閉経に関連している。別の態様において、ホルモンの障害、破壊または不均衡は、男性更年期、男性更年期血管運動症状、男性更年期女性化乳房、筋強度および/または機能減少、骨強度および/または機能減少および怒りに関連している。別の態様において、ホルモン欠損症は、対象の疾患または障害を処置する副産物としての特定の操作の結果である。例えば、ホルモン欠損症は、対象の前立腺癌の療法としての対象のアンドロゲン減少の結果であってよい。各々の可能性は、本発明の別々の態様である。
【0455】
[000404]別の態様において、本発明は、骨量減少または悪液質、およびそれに関係した関連状態、例えば、骨の疾患または障害に関する。
[000405]一つの態様において、本発明は、(1)筋消耗障害を処置する;(2)筋消耗障害を予防する;(3)筋消耗障害による筋減少を処置する、予防する、抑制する、阻害するまたは減少させる;(4)筋消耗障害による筋消耗を処置する、予防する、阻害する、減少させるまたは抑制する;および/または(5)筋消耗障害による筋タンパク質異化作用を処置する、予防する、阻害する、減少させるまたは抑制する;および/または末期腎疾患またはCKDによる筋消耗を処置する、予防する、阻害する、減少させるまたは抑制する;および/または(6)虚弱を処置する、予防する、阻害する、減少させるまたは抑制するための、本明細書中に記載の化合物またはそのプロドラッグ、類似体、異性体、代謝産物、誘導体、薬学的に許容しうる塩、医薬製品、多形、結晶、不純物、N−オキシド、水和物またはいずれかそれらの組合せの使用を提供する。
【0456】
[000406]別の態様において、筋消耗障害または本明細書中に記載のいずれかの障害を有する対象を処置するための化合物の使用には、本明細書中に記載の化合物を包含する医薬組成物を投与することが含まれる。別の態様において、投与工程には、その医薬組成物を液体で、その対象に静脈内、動脈内または筋肉内注射すること;その医薬組成物を含有するペレットを、その対象の皮下に植込むこと;その医薬組成物を液体または固体で、その対象に経口投与すること;またはその医薬組成物を、その対象の皮膚表面に局所適用することが含まれる。
【0457】
[000407]筋肉は、主に動力源として機能する体組織である。身体には、3タイプの筋肉、すなわち、(a)骨格筋−四肢および体外部位を動かすことに関与する筋肉;(b)心筋−心臓筋肉;および(c)平滑筋−動脈および腸の壁中である筋肉がある。
【0458】
[000408]消耗状態または障害は、本明細書中において、少なくとも一部分は、身体、器官または組織の質量の異常な進行性減少を特徴とする状態または障害として定義される。消耗状態は、例えば、癌などの病理または感染の結果として起こることがありうるし、またはそれは、例えば、長期床上安静に依って、またはギプス包帯内の場合のような肢固定時に起こりうる廃用性脱条件付けなどの生理学的または代謝的状態に依ることがありうる。消耗状態は、更に、年齢に関連していることがありうる。消耗状態中に起こる体重減少は、全体重減少、または組織タンパク質の減少による骨または筋質量の減少などの器官重量減少を特徴とすることがありうる。
【0459】
[000409]一つの態様において、本明細書中で用いられる「筋消耗(musclewasting/m
uscular wasting)」は、筋質量の進行性減少および/または、運動を制御する骨格筋ま
たは随意筋、心臓を制御する心筋、および平滑筋を含めた筋の進行性衰弱および変性を意味する。一つの態様において、筋消耗状態または障害は、慢性筋消耗状態または障害である。「慢性筋消耗」は、本明細書中において、慢性(すなわち、長期間にわたる持続)進行性の筋質量減少としておよび/または慢性進行性の筋の衰弱および変性と定義される。
【0460】
[000410]筋消耗中に起こる筋質量の減少は、筋タンパク質異化作用による筋タンパク質分解または変性を特徴とすることがありうる。タンパク質異化作用は、異常に高いタンパク質変性速度、異常に低いタンパク質合成速度、または双方の組合せゆえに生じる。タンパク質異化作用または減少は、高いタンパク質変性度によるのであれ、低いタンパク質合成度によるのであれ、筋質量の減少および筋消耗をもたらす。「異化作用」という用語は、当該技術分野、具体的には、エネルギー燃焼形の代謝におけるその一般的に知られている意味を有する。
【0461】
[000411]筋消耗は、病理、疾患、状態または障害の結果として起こりうる。一つの態様において、病理、病気、疾患または状態は、慢性的である。別の態様において、病理、病気、疾患または状態は、遺伝的である。別の態様において、病理、病気、疾患または状態は、神経学的である。別の態様において、病理、病気、疾患または状態は、感染性である。本明細書中に記載の、本発明の化合物および組成物が投与される病理、疾患、状態または障害は、筋質量の消耗(すなわち、減少)、すなわち、筋消耗障害を直接的にまたは間接的に生じるものである。
【0462】
[000412]一つの態様において、対象の筋消耗は、筋ジストロフィー;筋萎縮;X連鎖脊髄・延髄筋萎縮(SBMA)を有する対象の結果である。
[000413]筋ジストロフィーは、運動を制御する骨格筋または随意筋の進行性衰弱および変性を特徴とする遺伝的疾患である。心筋および若干の他の不随意筋も、若干の形の筋ジストロフィーにおいて影響される。筋ジストロフィー(MD)の主な形は、デュシェーヌ筋ジストロフィー、筋緊張性ジストロフィー、デュシェーヌ筋ジストロフィー、ベッカー筋ジストロフィー、肢帯筋ジストロフィー、顔面肩甲上腕筋ジストロフィー、先天性筋ジストロフィー、眼咽頭筋ジストロフィー、遠位筋ジストロフィーおよびエメリー・ドライフス筋ジストロフィーである。
【0463】
[000414]筋ジストロフィーは、全ての年齢のヒトに影響することがありうる。若干の形は、最初、新生児期または小児期に明らかになるが、他は、中年またはそれより後まで現れないことがありうる。デュシェーヌMDは、典型的に、小児に影響する最も一般的な形である。筋緊張性ジストロフィーは、成人におけるこれら疾患の最も一般的なものである。
【0464】
[000415]筋萎縮(MA)は、筋の消耗衰退または減少および筋質量の減少を特徴とする。例えば、ポリオ後MAは、ポリオ後症候群(PPS)の一部分として起こる筋消耗である。萎縮には、衰弱、筋疲労および痛みが含まれる。
【0465】
[000416]別のタイプのMAは、X連鎖脊髄・延髄筋萎縮(SBMA−ケネディ病としても知られる)である。この疾患は、X染色体上のアンドロゲン受容体遺伝子の欠陥によって生じ、男性にのみ影響を与え、そしてその開始は、成人期である。主な疾患原因は、アンドロゲン受容体突然変異であるので、アンドロゲン補充は、最新の治療戦略ではない。若干の調査研究では、アンドロゲン不感性を克服することを期待してアンドロゲンレベルを上げるように、そしておそらくは、アナボリック作用を与えるように、外因性テストステロンプロピオネートが与えられている。それでもなお、補充用の超生理学的レベルのテストステロンの使用は、限界および他の潜在的に深刻な問題を有するであろう。
【0466】
[000417]骨量減少は、初老で且つ慢性的に不健康な患者を苦しめる消耗性疾患であり、筋の質量および機能の減少を特徴とする。更に、除脂肪体重増加は、ある種の筋消耗障害の罹病率および死亡率に関連している。更に、他の状況および状態は、筋消耗障害に関連しているし且つそれを引き起こすことがありうる。例えば、研究では、慢性腰痛の重症例の場合、傍脊椎筋消耗があるということが示された。
【0467】
[000418]筋消耗および他の組織消耗も、高齢に関連している。老齢での全身衰弱は、筋消耗に依ると考えられる。身体が老化すると、骨格筋の増加率は、線維組織で置き換えられる。その結果が、筋肉の力、性能および持久力の有意の減少である。
【0468】
[000419]病気または傷害による長期入院、または例えば、肢固定持に起こる廃用性脱条件付けも、筋消耗または他の組織の消耗をもたらすことがありうる。研究では、長期間入院している、傷害、慢性病、熱傷、外傷または癌に苦しむ患者の場合、長期持続性片側筋消耗および体重減少があるということが示された。
【0469】
[000420]中枢神経系(CNS)への傷害または損傷も、筋消耗および他の消耗傷害に関連している。CNSへの傷害または損傷は、例えば、疾患、外傷または化学薬品によって引き起こされることがありうる。例は、中枢神経傷害または損傷、末梢神経傷害または損傷および脊髄傷害または損傷である。一つの態様において、CNS損傷または傷害は、アルツハイマー病(AD);怒り(気分);食欲不振、神経性食欲不振、加齢に関連した食欲不振および/またはアサーティブネス(気分)を含む。
【0470】
[000421]別の態様において、筋消耗または他の組織消耗は、アルコール症の結果でありうるし、本発明の態様である化合物および組成物で処置することができる。
[000422]一つの態様において、本発明は、対象の消耗疾患、障害または状態の処置のための、本明細書中に記載のSARM化合物またはそのプロドラッグ、類似体、異性体、代謝産物、誘導体、薬学的に許容しうる塩、医薬製品、多形、結晶、不純物、N−オキシド、水和物またはいずれかそれらの組合せの使用を提供する。
【0471】
[000423]一つの態様において、処置されている消耗疾患、障害または状態は、慢性病に関連している。
[000424]本発明は、若干の態様において、筋消耗、体重減少、栄養失調、飢餓、またはいずれかの消耗または組織質量減少による機能性減少に反映されることがありうるいずれかの消耗障害を処置することに関する。
【0472】
[000425]若干の態様において、悪液質;栄養失調、結核、らい、糖尿病、腎疾患、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、癌、末期腎不全、骨量減少、気腫、骨軟化症または心筋症などの消耗疾患または障害は、本発明の方法により、処置されている状態に治療的作用を与える追加の薬物、化合物または物質を含んでまたは含むことなく、本明細書中に記載のSARM化合物、それを含む組成物の投与によって処置することができる。
【0473】
[000426]若干の態様において、消耗は、エンテロウイルス、エプスタイン・バーウイルス、帯状疱疹、HIV、トリパノソーマ類、インフルエンザ、コクサッキー、リケッチア、旋毛虫、住血吸中またはミコバクテリアでの感染により、そして本発明は、若干の態様において、それらの処置方法を提供する。
【0474】
[000427]悪液質は、疾患によってまたは病気の副作用として引き起こされる衰弱および体重減少である。心臓性悪液質、すなわち、心筋および骨格筋双方の筋タンパク質消耗は、うっ血性心不全の特徴である。癌性悪液質は、充実性腫瘍および血液悪性疾患を有する患者に起こる症候群であり、脂肪組織および除脂肪筋質量双方の大量減少での体重減少によって現れる。
【0475】
[000428]悪液質は、後天性免疫不全症候群(AIDS)においても認められ、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)関連筋障害および/または筋衰弱/消耗は、AIDSの比較的共通した臨床症状発現である。HIV関連筋障害または筋衰弱または消耗を有する個体は、典型的に、有意の体重減少、全身性または近位筋衰弱、脆弱および筋萎縮を経験する。
【0476】
[000429]若干の態様において、本発明は、対象の感染を処置する、その発生率を減少させる、その開始または進行を遅延させる、またはそれに関連した症状を減少させるおよび/または無くする方法を提供する。一つの態様において、その方法は、対象に、化合物と、免疫調節薬、抗感染薬、遺伝子治療薬またはそれらの組合せを含む組成物を投与することを含む。一つの態様において、抗感染薬は、抗真菌薬、抗細菌薬、抗ウイルス薬または抗寄生生物薬またはそれらの組合せでありうる。若干の態様において、感染は、アクチノミセス症、アナプラズマ感染、炭疽、アスペルギルス症、菌血症、細菌性真菌症、バルトネラ感染、ボツリヌス中毒、ブルセラ症、バークホルデリア感染、カンピロバクター感染、カンジダ症、ネコひっかき病、クラミジア感染、コレラ、クロストリジウム感染、コクシジオイデス真菌症、交差感染、クリプトコックス症、皮膚真菌症、ジフテリア、エールリヒア症、大腸菌(Escherichiacoli)感染、筋膜炎、壊死性、フソバクテリウム属(Fusobacterium)感染、ガス壊疽、グラム陰性細菌感染、グラム陽性細菌感染、ヒストプ
ラスマ症、インペチゴ、クレブシエラ属(Klebsiella)感染、レジオネラ症、らい、レプトスピラ症、リステリア属(Listeria)感染、ライム病、マズラ菌症、類鼻疽、ミコバクテリウム感染、マイコプラズマ感染、真菌症、ノカルジア感染、爪真菌症、ペスト、肺炎球菌感染、シュードモナス感染、オウム病、q熱、鼠咬熱、回帰熱、リウマチ熱、リケッチア属(Rickettsia)感染、ロッキー山紅斑熱、サルモネラ感染、猩紅熱、草原熱、敗血症、性感染症、ブドウ球菌感染、連鎖球菌感染、破傷風、ダニ媒介疾患、結核、ツラレミア、腸チフス、チフス、シラミ媒介性、ビブリオ感染、フランベジア、エルシニア感染、ゾーノーシス、接合菌症、後天性免疫不全症候群、アデノウイルス科感染、アルファウイルス感染、アルボウイルス感染、ボルナ病、ブンヤウイルス科感染、カリシウイルス科感染、水痘、コロナウイルス科感染、コクサッキーウイルス感染、サイトメガロウイルス感染、デング熱、DNAウイルス感染、膿瘡、接触感染性、脳炎、アルボウイルス、エプスタイン・バーウイルス感染、伝染性紅斑、ハンタウイルス感染、出血熱、ウイルス性肝炎、ウイルス性ヒト単純疱疹、帯状疱疹、耳帯状疱疹、ヘルペスウイルス科感染、伝染性単核球症、ヒトラッサ熱、麻疹、軟属腫、感染病原体(contagiosum)、耳下腺炎、パラミ
クソウイルス科感染、サシチョウバエ熱、ポリオーマウイルス感染、狂犬病、RSウイルス感染、リフトバレー熱、RNAウイルス感染、風疹、スローウイルス疾患、痘瘡、亜急性硬化性汎脳炎、腫瘍ウイルス感染、いぼ、西ナイル熱、ウイルス疾患、黄熱、アメーバ症、アニサキス症、回虫症、バベシア症、ブラストシスチス・ホミニス感染、半翅虫咬、条虫感染、シャーガス病、クリプトスポリジウム症、シクロスポラ症、嚢虫症、二核アメーバ症、裂頭条虫症、メジナ虫症、エキノコックス症、外寄生生物侵入、フィラリア症、ジアルジア症、蠕虫症、鉤虫感染、幼虫移行症、リーシュマニア症、シラミ侵入、ロア糸状虫症、マラリア、ダニ侵入、ハエウジ症、オンコセルカ症、原虫感染、疥癬、住血吸虫症、皮膚病、寄生虫性、糞線虫症、テニア症、トキソカラ症、トキソプラズマ症、旋毛虫症、トリコモナス感染、トリパノソーマ症、トリパノソーマ症、アフリカまたは鞭虫寸腺を含む。
【0477】
[000430]若干の態様において、本発明は、対象の筋骨格系疾患を処置する、その発生率を減少させる、その開始または進行を遅延させる、またはそれに関連した症状を減少させるおよび/または無くする方法を提供する。一つの態様において、その方法は、対象に、化合物と、抗癌薬、免疫調節薬、抗糖尿病薬、中枢神経系処置薬、代謝性疾患処置薬、消耗疾患処置薬、遺伝子治療薬、内分泌系処置薬、ビタミンまたはそれらの組合せを含む組成物を投与することを含む。若干の態様において、筋骨格系疾患は、軟骨無形成症、後天性骨増殖症候群、尖頭合指症、関節炎、関節拘縮症、関節症、神経性滑液包炎、軟骨疾患、鎖骨頭蓋骨形成不全、内反足、仕切症候群、頭蓋顔面骨形成不全、頭蓋骨癒合症、皮膚筋炎、デュピュイトラン拘縮、小人症、エリス・ファン・クレフェルト症候群、内軟骨腫症、好酸球増多・筋痛症候群、骨化過剰症、筋膜炎、疲労症候群、線維維筋痛、線維性骨形成異常症、線維性異形成、多骨性、扁平足、足変形、フライベルグ病、漏斗胸、ゴルドナール症候群、痛風、外反母趾、股関節脱臼、骨増殖症、椎間板移動、歌舞伎化粧症候群、クリペル・フェーユ症候群、Langer-Giedion症候群、Legg-Perthes 症候群、脊柱前弯、下顎顔面骨形成不全、メロレオストーシス、ミトコンドリアミオパシー、筋痙攣、筋痙縮、筋ジストロフィー、筋骨格異常、筋骨格系疾患、筋炎、化骨性筋炎、筋細管ミオパシー、変形性骨炎、変形性関節症、骨軟骨炎、骨形成不全、骨髄炎、骨壊死、骨化石症、骨粗鬆症、ポーランド症候群、多発性軟骨炎、再発性、リウマチ性多発筋痛、多発性筋炎、黄紋筋融解、リウマチ性疾患、ラッセル・シルバー症候群、ショイエルマン病、側弯症、シーバー病/踵骨骨端炎(calcenealapophysitis)、脊髄疾患、脊椎骨増殖症、脊柱
管狭窄、脊椎炎、強直性、脊椎すべり症、スプレンゲル奇形、滑膜炎、テンディノパシー(tendinopathy)、テニス肘、腱鞘炎、致死性骨異形成症またはティーツェ症候群を含む。
【0478】
[000431]若干の態様において、本発明は、対象の消化器系疾患を処置する、その発生率を減少させる、その開始または進行を遅延させる、またはそれに関連した症状を減少させるおよび/または無くする方法を提供する。一つの態様において、その方法は、対象に、化合物と、抗癌薬、免疫調節薬、抗糖尿病薬、中枢神経系処置薬、胃腸系処置薬、抗感染薬、代謝性疾患処置薬、遺伝子治療薬、内分泌系処置薬、ビタミンまたはそれらの組合せを含む組成物を投与することを含む。若干の態様において、胃腸疾患は、大腸腺腫性ポリポーシス、アラジル症候群、肛門疾患、虫垂炎、バレット食道、胆道閉鎖、胆道疾患、カロリー病、セリアック病、胆管炎、胆嚢炎、胆石症、大腸炎、潰瘍性、クローン病、嚥下障害、十二指腸潰瘍、赤痢、小腸結腸炎、偽膜性、食道アカラシア、食道閉鎖、食道炎、膵外分泌機能不全、脂肪肝、大便失禁、胃炎、胃炎、肥大性、胃腸炎、胃食道逆流、胃不全麻痺、痔核、肝静脈血栓症、肝炎、肝炎、慢性、ヘルニア、横隔膜性、ヘルニア、裂孔性、ヒルシュスプルング病、高血圧症(HTN)、門脈性、炎症性腸疾患、腸疾患、腸新生物、小腸性神経性形成異常症、腸閉塞、過敏性腸管症候群、乳糖不耐症、肝硬変、肝疾患、メッケル憩室、膵臓疾患、膵臓新生物、膵炎、消化性潰瘍、ポイツ・ジェガーズ症候群、直腸炎、直腸疾患、直腸脱、短腸症候群、気管食道瘻、ホイップル病またはゾリンジャー・エリソン症候群を含む。
【0479】
[000432]若干の態様において、本発明は、対象の顎口腔系疾患を処置する、その発生率を減少させる、その開始または進行を遅延させる、またはそれに関連した症状を減少させるおよび/または無くする方法を提供する。一つの態様において、その方法は、対象に、化合物と、抗癌薬、免疫調節薬、抗感染薬、消耗疾患処置薬、遺伝子治療薬、内分泌系処置薬、ビタミンまたはそれらの組合せを含む組成物を投与することを含む。若干の態様において、顎口腔系疾患は、舌小帯短縮症、歯ぎしり、口内焼灼感症候群、口唇炎、ケルビム症、口唇裂、含歯性嚢胞、歯肉炎、舌炎、良性移動性、口唇ヘルペス、ルートヴィヒアンギナ、巨大舌、メルカーソン・ローゼンタール症候群、歯周病、ピエール・ロバン症候群、上顎突出、唾液腺疾患、流ぜん症、口内炎、アフタ性、側頭下顎関節障害、側頭下顎関節機能不全症候群または口内乾燥を含む。
【0480】
[000433]若干の態様において、本発明は、対象の気道疾患を処置する、その発生率を減少させる、その開始または進行を遅延させる、またはそれに関連した症状を減少させるおよび/または無くする方法を提供する。一つの態様において、その方法は、対象に、化合物と、抗癌薬、免疫調節薬、中枢神経系処置薬、心臓血管系処置薬、抗感染薬、消耗疾患処置薬、遺伝子治療薬、内分泌系処置薬、ビタミンまたはそれらの組合せを含む組成物を投与することを含む。若干の態様において、気道疾患は、気道閉塞、無呼吸、アスベスト肺、喘息、喘息で誘発される筋衰弱または骨衰弱、無気肺、ベリリウム中毒、気管支疾患、気管支拡張症、細気管支炎、器質性肺炎を伴う閉塞性細気管支炎、気管支炎、気管支肺異形成症、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、感冒、咳、蓄膿、胸膜性、喉頭蓋炎、グルココルチコイドで誘発されるミオパシーまたはオステオペニア喀血、高血圧症、肺性、過換気、カルタゲナー症候群、肺膿瘍、肺疾患、羊水吸収症候群、胸膜浸出液、胸膜炎、肺炎、気胸、肺胞タンパク症、肺疾患、慢性閉塞性、肺水腫、肺塞栓症、肺気腫、肺線維症、呼吸困難症候群、新生児呼吸器系過敏症、気道感染、鼻硬化症、シミター症候群、重症急性呼吸器症候群、珪肺症、睡眠時無呼吸、中枢性ぜん鳴、気管狭窄、喘息による筋質量または骨質量減少、慢性閉塞性肺疾患(COPD)での消耗、ウェゲナー肉芽腫症または百日咳を含む。
【0481】
[000434]若干の態様において、本発明は、対象の耳鼻咽喉疾患を処置する、その発生率を減少させる、その開始または進行を遅延させる、またはそれに関連した症状を減少させるおよび/または無くする方法を提供する。一つの態様において、その方法は、対象に、化合物と、抗癌薬、免疫調節薬、抗感染薬、消耗疾患処置薬、遺伝子治療薬、内分泌系処置薬、ビタミンまたはそれらの組合せを含む組成物を投与することを含む。若干の態様において、耳鼻咽喉疾患は、コレステリン腫、中耳、クループ、聴覚消失、鼻出血、難聴、聴覚過敏、迷路炎、喉頭炎、喉頭軟化症、喉頭狭窄、乳突炎、メニエール病、鼻閉塞、鼻ポリープ、耳炎、耳鼻咽喉疾患、耳硬化症、咽頭炎、老人性難聴、咽頭後膿瘍、鼻炎、静脈洞炎、耳鳴、扁桃炎、鼓膜穿孔、前庭神経炎、声帯麻痺または発声障害を含む。
【0482】
[000435]若干の態様において、本発明は、対象の神経系疾患を処置する、その発生率を減少させる、その開始または進行を遅延させる、またはそれに関連した症状を減少させるおよび/または無くする方法を提供する。一つの態様において、その方法は、対象に、化合物と、抗癌薬、免疫調節薬、中枢神経系処置薬、抗感染薬、代謝性疾患処置薬、消耗疾患処置薬、遺伝子治療薬、内分泌系処置薬、ビタミンまたはそれらの組合せを含む組成物を投与することを含む。若干の態様において、神経系疾患は、自律神経系疾患、中枢神経系疾患、脳神経疾患、脱髄疾患、神経系奇形、神経症状または神経筋疾患を含む。
【0483】
[000436]若干の態様において、自律神経系疾患は、カウザルギー、または反射性交感神経性ジストロフィーを含む。
[000437]若干の態様において、中枢神経系疾患は、アルツハイマー病、クモ膜炎、脳膿瘍、脳虚血、中枢神経系感染、脳性麻痺、脳血管障害、大脳皮質基底核神経節変性(CBGD)、Creutzfeldt-Jakob症候群、ダンディー・ウォーカー症候群、痴呆、脳炎、脳
脊髄炎、癲癇、癲癇で誘発される性腺機能低下および/または代謝亢進状態、本態性振戦、フリードライヒ運動失調、ゲルストマン・シュトロイスラー・シャインカー病、ハレルフォルデン・シュパッツ症候群、ハンチントン病、脳水腫、低酸素症、不眠症、虚血性発作、クールー、ランドー・クレッフナー症候群、レヴィ小体病、マシャド・ジョセフ病、メージ症候群、髄膜炎、細菌性髄膜炎、ウイルス性、片頭痛障害、運動障害、多系統萎縮、脊髄炎、オリーブ橋小脳萎縮、パーキンソン病、パーキンソン障害、ポリオ、ポリオ後症候群、プリオン病、偽脳腫瘍、シャイ・ドレーガー症候群、攣縮、乳児性、脊髄疾患、核上麻痺、脊髄空洞症、視床疾患、チック障害、トゥーレット症候群またはブドウ膜・髄膜・脳炎症候群を含む。若干の態様において、中枢神経系疾患は、嚢胞性線維症で誘発される性腺機能低下状態である。
【0484】
[000438]若干の態様において、脳神経疾患は、ベル麻痺、脳神経疾患、顔面片側萎縮、顔面神経痛、舌咽神経疾患、メービウス症候群または三叉神経痛を含む。
[000439]若干の態様において、中枢神経系疾患は、中枢神経系(CNS)への傷害または損傷を含む。若干の態様において、CNSへの傷害または損傷は、筋消耗障害に関連していてよい。CNSへの傷害または損傷は、例えば、疾患、外傷または化学薬品によって引き起こされることがありうる。例は、中枢神経傷害または損傷、末梢神経傷害または損傷および脊髄傷害または損傷である。
【0485】
[000440]脊髄傷害(SCI)を有する患者を包含した研究では、中枢神経伝達物質が、SCI後に変化して、視床下部−下垂体−副腎軸機能不全を引き起こすことがあり、その破壊は、テストステロンおよび他のホルモンの有意のレベル減少をもたらすということが示された。SCIまたは他の急性の病気または外傷は、特徴的に、増大した異化作用を、低下したアナボリック活性と一緒に包含して、除脂肪体組織減少の傾向がある状態を引き起こし、それは、しばしば、栄養素利用妨害を伴う。除脂肪体重減少の作用には、創傷発生および治癒機構障害が含まれて、問題を更に複雑にする。不動と組み合わされた不十分な栄養およびタンパク質異化作用ゆえに、脊髄傷害を有する患者は、褥瘡リスクが高い。
【0486】
[000441]一つの態様において、いろいろなCNS傷害は、本発明の方法によって処置することができる。CNS傷害は、一つの態様において、神経細胞の膜の破損を意味してよいし、または別の態様において、神経インパルスを生じ且つ伝達させる神経の無能力を意味してよいし、または別の態様において、細胞死を意味してよい。傷害には、CNSの正常機能性に直接的にまたは間接的に影響する損傷が含まれる。その傷害は、構造的、物理的または機械的障害でありうるし、そして神経線維の破砕、圧迫または伸張の場合のように、物理的衝撃によって引き起こされることがありうる。或いは、細胞膜は、病気、化学的不均衡、または無酸素症(例えば、卒中)、動脈瘤または再灌流などの生理学的機能不全によって破壊されるまたは分解されることがありうる。CNS傷害には、例えば、制限されることなく、網膜神経節細胞への損傷、外傷性脳傷害、卒中関連傷害、脳動脈瘤関連傷害、単麻痺、両麻痺、対麻痺、片麻痺および四肢麻痺を含めた脊髄傷害、神経増殖性障害または神経障害性疼痛症候群が含まれる。
【0487】
[000442]哺乳動物の脊髄への傷害で、脊髄の神経間の連結が破壊される。このような傷害は、傷害に影響される神経路への神経インパルスの流れをブロックして、結果としての感覚および運動双方の機能障害を伴う。脊髄への傷害は、脊髄の圧迫または他の挫傷、または脊髄の破砕または切断によって生じることがありうる。脊髄の切断は、本明細書中において「横断」とも称されるが、脊髄の完全な切断であってよいし、または不完全な切断であってよい。
【0488】
[000443]若干の態様において、CNS傷害、他の態様において、脊髄傷害を患う対象を処置する方法は、例えば、米国特許出願公開第20040214790A1号に記載のように、傷害部位への電気刺激およびプリンヌクレオシドまたはその類似体の投与での対象の処置によって行うことができる。
【0489】
[000444]若干の態様において、脱髄疾患は、アドレノロイコジストロフィー、アレキサンダー病、カナヴァン病、脱髄疾患、シルダーの散在性脳硬化症、ロイコジストロフィー・球様細胞、ロイコジストロフィー・異染性、多発性硬化症または視神経脊髄炎を含む。
【0490】
[000445]若干の態様において、神経系奇形は、アルノルト・キアーリ奇形、シャルコー・マリー・トゥース病、脳瘤、遺伝性運動・感覚ニューロパシー、中隔眼形成不全、潜在性二分脊椎または脊椎癒合不全を含む。
【0491】
[000446]若干の態様において、神経症状は、失認、健忘症、失名詞、失語症、失行症、背痛、ブラウン・セカール症候群、小脳性運動失調、舞踏病、コミュニケーション障害、錯乱、めまい感、失読症、異所症、顔面麻痺、線維束性攣縮、歩行障害、神経性頭痛、片麻痺、記憶障害、精神発達障害、無言症、ミオクロヌス、頸痛、非言語的学習障害、嗅覚障害、疼痛、麻痺、幻覚肢、相貌失認、四肢麻痺、癲癇発作、攣縮、言語障害、共感覚遅発性ジスキネジア、味覚障害、斜頸、振戦、開口障害、無意識またはめまいを含む。
【0492】
[000447]若干の態様において、神経筋疾患は、筋萎縮性側索硬化症、腕神経叢炎、腕神経叢ニューロパシー、球麻痺、手根管症候群、肘部管症候群、糖尿病性ニューロパシー、自律神経障害、ギラン・バレー症候群、遺伝性感覚・自律神経障害、ミラー・フィッシャー(millerfisher)症候群、運動ニューロン疾患、筋萎縮、脊髄性、重症筋無力症、
ミオパシー、構造性、先天性、神経圧迫症候群、神経痛、神経筋疾患、麻痺、家族性周期性、末梢神経系疾患、poems症候群、多発ニューロパシー、多発神経根障害、レフサム病、坐骨神経痛、幼児期脊髄性筋萎縮、全身硬直症候群、胸郭出口症候群または尺骨神経圧迫症候群を含む。
【0493】
[000448]一つの態様において、神経系疾患を有する対象を処置する方法は、若干のものが本明細書中に記載されている神経系疾患を有する対象によって生じる対象のいずれか続発性状態を処置することを包含する。
【0494】
[000449]若干の態様において、本発明は、対象の眼科疾患を処置する、その発生率を減少させる、その開始または進行を遅延させる、またはそれに関連した症状を減少させるおよび/または無くする方法を提供する。一つの態様において、その方法は、対象に、化合物と、抗癌薬、免疫調節薬、心臓血管系処置薬、抗感染薬、消耗疾患処置薬、遺伝子治療薬、内分泌系処置薬、ビタミンまたはそれらの組合せを含む組成物を投与することを含む。若干の態様において、眼科疾患は、急性帯状潜在性網膜外層症、アーディー症候群、白色症、眼黒内障、一過性、弱視、無虹彩、瞳孔不同、無眼球症、無水晶体、乱視、眼瞼炎、眼瞼下垂、眼瞼痙攣、視覚消失、白内障、霰粒腫、脈絡網膜炎、脈絡膜欠如、欠損症、色覚欠損、結膜炎、角膜疾患、角膜異栄養症、角膜浮腫、角膜潰瘍、糖尿病性網膜症、複視、二重まつげ、眼球乾燥症候群、デュエーン退縮症候群、外反症、眼瞼内反、内斜視、剥脱症候群、外斜視、眼出血、眼新生物、眼瞼疾患、浮遊物、全身線維症症候群、緑内障、脳回転状萎縮、片側視野欠損、ヘルマンスキー・パドラック症候群、ものもらい、ホルナー症候群、遠視、前房出血、虹彩炎、キーンズ・セイアー症候群、角膜炎、円錐角膜、涙器疾患、涙道閉塞症、水晶体疾患、黄斑変性、小眼球体、近視、眼振、病的、眼球運動障害、動眼神経疾患、眼筋麻痺、視神経萎縮、視神経疾患、視神経炎、視神経症、眼窩蜂巣炎、うっ血乳頭、ピータース奇形、老視、翼状片、瞳孔障害、屈折異常、網膜剥離、網膜疾患、網膜静脈閉塞、網膜色素変性症、未熟児網膜症、網膜分離、強膜炎、暗点、斜視、サイジェソン表在点状角膜炎、トラコーマ、ブドウ膜炎、白色ドット症候群、視覚障害または硝子体障害を含む。
【0495】
[000450]若干の態様において、本発明は、対象の泌尿器および/または男性生殖器疾患を処置する、その発生率を減少させる、その開始または進行を遅延させる、またはそれに関連した症状を減少させるおよび/または無くする方法を提供する。一つの態様において、その方法は、対象に、化合物と、抗癌薬、免疫調節薬、抗糖尿病薬、胃腸系処置薬、抗感染薬、腎臓処置薬、代謝性疾患処置薬、消耗疾患処置薬、遺伝子治療薬、内分泌系処置薬、ビタミンまたはそれらの組合せを含む組成物を投与することを含む。若干の態様において、泌尿器および/または男性生殖器疾患は、抗糸球体基底膜疾患、亀頭炎、膀胱外反症、膀胱新生物、潜伏精巣、膀胱炎、間質性、尿崩症、腎原発性、精巣上体炎、フルニエー壊疽、糸球体腎炎、グッドパスチャー症候群、血精液症、血尿、溶血性尿毒症症候群、水腎症、尿道下裂、インポテンス、不妊症、腎結石、腎不全、急性腎不全、慢性、尿細管壊死、急性、海綿腎、多嚢胞性異形成腎、腎炎、遺伝性、腎症、ネフローゼ症候群、夜間頻尿、乏尿、陰茎疾患、陰茎形成性硬結、陰茎新生物、包茎、持続勃起、前立腺疾患、良性前立腺増殖症、前立腺新生物、タンパク尿、腎盂腎炎、ライター病、腎動脈閉塞症、精索捻転症、精巣疾患、尿道狭窄、尿道炎、尿閉、尿路感染症、排尿障害、泌尿器および男性生殖器疾患、泌尿器疾患、精索静脈瘤、膀胱の、または尿道逆流を含む。
【0496】
[000451]若干の態様において、本発明は、対象の皮膚科障害を処置する、その発生率を減少させる、その開始または進行を遅延させる、またはそれに関連した症状を減少させるおよび/または無くする方法を提供する。一つの態様において、その方法は、対象に、化合物と、抗癌薬、免疫調節薬、皮膚科障害処置薬、抗感染薬、遺伝子治療薬、内分泌系処置薬、ビタミンまたはそれらの組合せを含む組成物を投与することを含む。若干の態様において、皮膚科障害は、ざ瘡、光線性角化症、脱毛症、アンドロゲン性脱毛症、円形脱毛症、化学療法の続発性脱毛症、放射線療法の続発性脱毛症、瘢痕形成で誘発される脱毛症、ストレスで誘発される脱毛症、血管腫、運動家足、水性そう痒、アトピー性皮膚炎、禿頭症、早期禿頭症、男性型禿頭症、アンドロゲン性禿頭症、基底細胞癌、熱傷、褥瘡、ベーチェット病、眼瞼炎、せつ、ボーエン病、水疱性類天疱瘡、カンカー潰瘍(cankersore)、カルブンケル、蜂巣炎、塩素ざ瘡、手足の慢性皮膚炎、異汗症、単純ヘルペス、
接触皮膚炎、皮膚匐行疹、頭部ふけ、皮膚炎、疱疹性皮膚炎、皮膚線維腫、おむつかぶれ、湿疹、表皮水疱症、丹毒、紅皮症、摩擦水疱、尖形コンジローマ、汗腺炎、化膿性(suppurativa)、じんま疹、多汗症、魚りんせん、膿痂疹、ジョッキーかゆみ症(jockitch
)、カポジ肉腫、ケロイド、ケラトアカントーマ、毛孔角化症、シラミ侵入、扁平苔癬、慢性単純性苔癬、脂肪腫、リンパ節炎、悪性黒色腫、肝斑、汗疹、伝染性軟属腫、貨幣状皮膚炎、パジェット乳癌、シラミ症、天疱瘡、口囲皮膚炎、光線アレルギー、光線過敏、バラ色ひこう疹、毛孔性紅色ひこう疹、乾癬、レイノー病、輪癬、酒さ、疥癬、強皮症、脂腺嚢胞、脂漏性角化症、脂漏性皮膚炎、帯状疱疹、皮膚癌、皮膚小突起、クモ状静脈(spiderveins)、扁平上皮癌、うっ血性皮膚炎、ダニ刺咬、白癬性毛瘡、頭部白癬、体部白癬、股部白癬、足白癬、爪白癬、でん風、白癬、スナノミ症、白斑またはいぼを含む。
【0497】
[000452]一つの態様において、皮膚科障害は、創傷または熱傷である。若干の態様において、創傷および/または潰瘍は、皮膚からまたは粘膜表面上に突出して、または器官の梗塞の結果として見出される。創傷は、軟組織欠損または病変、または基礎状態の結果でありうる。一つの態様において、「創傷」という用語は、組織構造の正常な保全性の破壊での体傷害を示す。その用語は、更に、「褥瘡」、「病変」、「壊死」および「潰瘍」という用語を包含するものである。一つの態様において、「褥瘡」という用語は、皮膚または粘膜のいずれかの病変を意味し、そして「潰瘍」という用語は、器官または組織の表面の限局欠損または陥凹を意味し、それは、壊死組織の脱落によって生じる。病変は、概して、いずれかの組織欠損を意味する。壊死は、感染、傷害、炎症または梗塞によって生じる死滅組織に関する。これらは全て、「創傷」という用語によって包含され、それは、治癒過程において、いずれかの治癒が開始している前の段階も、外科的切開のような特定の創傷が作られる(予防的処置)前をも含めた、いずれか特定の段階でのいずれかの創傷を示す。
【0498】
[000453]本発明によって予防するおよび/または処置することができる創傷の例は、例えば、無菌創、挫傷創、切創、断裂創、非穿通創(すなわち、皮膚の破裂はないが、基礎構造に傷害がある創傷)、開放創、穿通創、穿孔創、刺創、感染創、皮下創等である。褥瘡の例は、床ずれ、カンカー潰瘍、クロム潰瘍、単純ヘルペス、圧迫性壊死等である。潰瘍の例は、例えば、消化性潰瘍、十二指腸潰瘍、胃潰瘍、痛風潰瘍、糖尿病性潰瘍、高血圧性虚血潰瘍、うっ血性潰瘍、下肢無痛潰瘍(静脈性潰瘍)、舌下潰瘍、粘膜下潰瘍、症候性潰瘍、栄養障害性潰瘍、熱帯潰瘍、性病性潰瘍、例えば、(尿道炎、子宮頸内膜炎および直腸炎を含めた)淋病によるものである。本発明によって上首尾に処置することができる創傷または褥瘡に関連した状態は、熱傷、炭疽、破傷風、ガス壊疽、スカラティナ(scalatina)、丹毒、ひげ毛瘡、毛包炎、伝染性膿痂疹または水疱性膿痂疹等である。
「創傷」と「潰瘍」、および「創傷」と「褥瘡」という用語の使用には、しばしば、ある種の重複があり、そして更に、それら用語は、しばしば、無作為に用いられる。したがって、上述のように、本文脈中において、「創傷」という用語は、「潰瘍」、「病変」、「褥瘡」および「梗塞」という用語を包含し、そしてそれら用語は、特に断らない限り、無差別に用いられる。
【0499】
[000454]本発明によって処置される創傷の種類には、更に、(i)全身性創傷、例えば、外科的、外傷性、感染性、虚血性、熱性、化学性および水疱性の創傷など;(ii)口腔に特異的な創傷、例えば、抜歯後創傷、嚢胞および膿瘍の処置に特に関連した歯内創傷、細菌、ウイルスまたは自己免疫由来の潰瘍および病変、機械性、化学性、熱性、感染性よび苔癬様の創傷;ヘルペス潰瘍、口内炎、アフタ症、急性壊死性潰瘍性歯肉炎および口内焼灼感症候群は、具体的な例である;および(iii)皮膚上の創傷、例えば、新生物、
熱傷(例えば、化学性、熱性)、病変(細菌性、ウイルス性、自己免疫性)、咬傷および外科的病変が含まれる。創傷を分類する別の方法は、(i)外科的切開、微小掻爬および微小咬傷による小組織減少として、または(ii)有意の組織減少としてである。後者の群には、虚血性潰瘍、圧迫性壊死、瘻孔、裂傷、重症咬傷、熱傷およびドナー部位創傷(軟および硬組織)および梗塞が含まれる。
【0500】
[000455]本発明の他の側面において、予防されるおよび/または処置される創傷は、無菌創、梗塞、挫傷創、切創、断裂創、非穿通創、開放創、穿通創、穿孔創、刺創、感染創および皮下創から成る群より選択される。
【0501】
[000456]本発明に関連して重要である他の創傷は、虚血性潰瘍、圧迫性壊死、瘻孔、重症咬傷、熱傷およびドナー部位創傷のような創傷である。
[000457]一つの態様において、本明細書中に記載の化合物は、創傷治癒の場合に、理学療法/リハビリテーションへの補助として、またはアナボリック薬として有用である。別の態様において、本明細書中に記載の化合物は、前十字靱帯(ACL)または内側十字靱帯(MCL)傷害の治癒を促進する場合に、またはACLまたはMCL手術後の回復を加速する場合に有用である。別の態様において、本明細書中に記載の化合物は、運動選手能力を増強する場合に有用である。別の態様において、本明細書中に記載の化合物は、熱傷を処置する場合に有用である。別の態様において、本明細書中に記載の化合物は、軟骨再成長を刺激する場合に有用である。別の態様において、本明細書中に記載の化合物は、長期重病、肺機能不全、人工呼吸器依存、加齢、AIDS、外傷、外科手術、うっ血性心不全、心筋障害、熱傷、癌、COPDを予防する、処置するまたは逆転させる場合に有用である。別の態様において、本明細書中に記載の化合物は、外傷によるタンパク質異化作用を予防するまたは逆転させる場合に有用である。別の態様において、本明細書中に記載の化合物は、(a)外科手術の場合に創傷治癒を促進するために用いられるような焼灼療法(レーザーまたは放射線)への補助;(b)創傷治癒を促進するための細胞療法への補助;(c)脱毛症、性腺機能低下、筋消耗、オステオペニア、骨粗鬆症、骨量減少、増加したLDL、トリグリセリド(TG)または総コレステロール、HDL低下などの副作用を妨げるための化学療法への補助として有用である。別の態様において、本明細書中に記載の化合物は、慢性異化状態(昏睡、消耗状態、飢餓、摂食障害);随伴性骨折および筋損傷;筋または骨消耗が認められる重病;および/または結合組織疾患および障害において有用である。
【0502】
[000458]虚血性潰瘍および圧迫性壊死は、通常は、極めて徐々にしか治癒しない創傷であり、特に、このような場合、改善され且つ一層速い治癒は、当然ながら、患者にとって大いに重要である。更に、このような創傷を患う患者の処置に関与する費用は、治癒が改善され且つ一層速く生じる場合に顕著に減少する。
【0503】
[000459]ドナー部位創傷は、例えば、身体の一部分から別の身体部分への硬組織の取り出しに関連して、例えば、移植に関連して生じる創傷である。このような手術によって生じる創傷は、極めて有痛性であるので、改善された治癒は、最も有効である。
【0504】
[000460]「皮膚」という用語は、皮膚の表皮層と、皮膚表面が多かれ少なかれ傷害されている場合、皮膚の真皮層も包含する極めて広い意味で用いらる。角質層は別として、皮膚の表皮層は、外側(上皮)層であり、そして皮膚のより深い結合組織層を、真皮と称する。
【0505】
[000461]若干の態様において、熱傷は、減少したテストステロンレベルに関連し、そして性腺機能低下は、遅延した創傷治癒に関連している。一つの態様において、本発明の方法は、創傷または熱傷を患う対象を処置するために提供する。
【0506】
[000462]若干の態様において、本発明は、前十字靱帯(ACL)または内側十字靱帯(MCL)傷害の治癒を促進する、またはACLまたはMCL手術後の回復を加速する方法を提供する。
【0507】
[000463]若干の態様において、本発明は、対象の内分泌障害を処置する、その発生率を減少させる、その開始または進行を遅延させる、またはそれに関連した症状を減少させるおよび/または無くする方法を提供する。一つの態様において、その方法は、対象に、化合物と、抗癌薬、免疫調節薬、抗糖尿病薬、心臓血管系処置薬、胃腸系処置薬、皮膚科障害処置薬、中枢神経系処置薬、抗感染薬、肝臓処置薬、腎臓処置薬、代謝性疾患処置薬、消耗疾患処置薬、遺伝子治療薬、内分泌系処置薬、ビタミンまたはそれらの組合せを含む組成物を投与することを含む。若干の態様において、内分泌障害は、先端巨大症、アジソン病、副腎疾患、副腎過形成、先天性、アンドロゲン不感性症候群、先天性甲状腺機能低下症、クッシング症候群、尿崩症、真性糖尿病、1型糖尿病、2型糖尿病、糖尿病性、ケトアシドーシス、エムプティーセラ症候群、内分泌腺新生物、内分泌系疾患、巨大症、性腺障害、グレーヴス病、半陰陽、高アルドステロン症、高血糖高浸透圧性非ケトン性昏睡、下垂体機能亢進、高プロラクチン血症、甲状腺機能亢進、性腺機能低下、下垂体機能低下症、甲状腺機能低下症、カルマン症候群、ネルソン症候群、副甲状腺疾患、下垂体疾患、多発性内分泌腺症、自己免疫、思春期、遅延性、思春期、早発性、腎性骨異栄養症、甲状腺疾患、甲状腺ホルモン抵抗性症候群、甲状腺新生物、甲状腺結節、甲状腺炎、自己免疫、甲状腺炎、亜急性またはウォルフラム症候群を含む。
【0508】
[000464]一つの態様において、「性腺機能低下」は、成長および性的発達の遅延を伴う、性腺の異常に減少した機能活性によって生じるまたはそれを特徴とする状態である。
[000465]若干の態様において、本発明は、対象の泌尿生殖器疾患および/または受胎能を処置する、その発生率を減少させる、その開始または進行を遅延させる、またはそれに関連した症状を減少させるおよび/または無くする方法を提供する。一つの態様において、その方法は、対象に、本発明の化合物と、抗癌薬、免疫調節薬、抗感染薬、腎臓処置薬、遺伝子治療薬、内分泌系処置薬、ビタミンまたはそれらの組合せを含む組成物を投与することを含む。若干の態様において、泌尿生殖器疾患および/または受胎能疾患は、流産、自発性骨盤癒着、カンジダ症、外陰部膣、分娩後うつ病、糖尿病、妊娠性、性交疼痛症、難産、子癇、子宮内膜症、胎児死亡、胎児成長遅滞、胎児被膜、前期破水、生殖器疾患、女性、生殖器新生物、女性、胞状奇胎、妊娠悪阻、不妊症、卵巣嚢胞、卵巣捻転、骨盤内炎症性疾患、胎盤疾患、胎盤不全、多嚢胞性卵巣症候群、羊水過多、分娩後出血、妊娠合併症、妊娠、異所性、外陰そう痒症、産褥障害、産褥感染、卵管炎、栄養膜新生物、子宮頸部不全、子宮内反、子宮脱、膣疾患、外陰部疾患、外陰苔癬硬化症を含む。
【0509】
[000466]若干の態様において、本発明は、対象の血液および/またはリンパ系疾患を処置する、その発生率を減少させる、その開始または進行を遅延させる、またはそれに関連した症状を減少させるおよび/または無くする方法を提供する。一つの態様において、その方法は、対象に、本発明の化合物と、抗癌薬、免疫調節薬、抗糖尿病薬、心臓血管系処置薬、抗感染薬、肝臓処置薬、腎臓処置薬、代謝性疾患処置薬、遺伝子治療薬、内分泌系処置薬、ビタミンまたはそれらの組合せを含む組成物を投与することを含む。若干の態様において、血液および/またはリンパ系疾患は、無フィブリノーゲン血症、貧血、再生不良性貧血、溶血性貧血、先天性非球状赤血球性貧血、巨赤芽球性貧血、悪性貧血、鎌状赤血球貧血、腎性貧血、好酸球増加随伴性血管類リンパ組織増殖症、抗トロンビンIII欠
乏症、ベルナール・スーリエ症候群、血液凝固異常、血小板異常、青色ゴム様血液瘤性母斑症候群、チュディアック・東症候群、寒冷グロブリン血症、播種性血管内凝固、好酸球増加症、エールトハイム・チェスター病、赤芽球症、胎児性、エバンス症候群、第V因子欠乏症、第VII因子欠乏症、第X因子欠乏症、第XI因子欠乏症、第XII因子欠乏症、ファンコニー貧血、巨大リンパ節腫大、血液疾患、異常ヘモグロビン症、ヘモグロビン尿、発作性、血友病a、血友病b、新生児出血性疾患、組織球増加症、組織球増加症、ランゲルハンス細胞、組織球増加症、非ランゲルハンス細胞、ヨブ症候群、白血球減少症、リンパ節炎、リンパ管平滑筋腫症、リンパ水腫、メトヘモグロビン血症、骨髄異形成症候群、骨髄線維症、骨髄様異形成、骨髄増殖性障害、好中球減少症、パラプロテイン血症、血小板貯蔵プール欠損症、真性赤血球増加症、プロテインc欠乏症、プロテインs欠乏症、紫斑病、血小板減少性、紫斑病、血栓性血小板減少性、RH−同種免疫、サルコイドーシス、サルコイドーシス、球状赤血球症、脾破裂、サラセミア、血小板無力症、血小板減少症、ワルデンシュトレームマクログロブリン血症またはフォンウィルブランド病を含む。
【0510】
[000467]若干の態様において、本発明は、対象の先天性、遺伝性または新生児疾患を処置する、その発生率を減少させる、その開始または進行を遅延させる、またはそれに関連した症状を減少させるおよび/または無くする方法を提供する。一つの態様において、その方法は、対象に、本発明の化合物と、抗癌薬、免疫調節薬、抗糖尿病薬、心臓血管系処置薬、胃腸系処置薬、皮膚科障害処置薬、中枢神経系処置薬、抗感染薬、肝臓処置薬、腎臓処置薬、代謝性疾患処置薬、消耗疾患処置薬、遺伝子治療薬、内分泌系処置薬、ビタミンまたはそれらの組合せを含む組成物を投与することを含む。若干の態様において、先天性、遺伝性または新生児疾患は、エカルディ症候群、羊膜帯症候群、無脳症、エンジェルマン症候群、毛細管拡張性失調症、Bannayan-Zonana症候群、バース症候群、基底細胞母斑症候群、ベックウィズ・ヴィーデマン症候群、ブルーム症候群、鰓耳腎症候群、ネコ眼症候群、脳性巨人症チャージ症候群、染色体16異常、染色体18異常、染色体20異常、染色体22異常、Costello症候群、ネコ鳴き症候群、Currarino 症候群、嚢胞性線
維症、ド・ランゲ症候群、遠位トリソミー10q、ダウン症候群、外胚葉異形成、胎児アルコール症候群、胎児性疾患、胎児間輸血、脆弱x症候群、フリーマン・シェルドン症候群、胃壁破裂、遺伝病、先天性、ヘルニア、臍、全前脳胞症、色素失調症、イヴェマルク症候群、Jacobsen症候群、黄疸、クラインフエルター症候群、ラーセン症候群、ローレ
ンス・ムーン症候群、脳回欠損、小頭症、モノソミー9p、爪・膝蓋骨症候群、神経線維腫症、神経セロイドリポフスチノーシス、ヌーナン症候群、オチョア症候群(尿路・顔症候群、独特の顔ぼうを伴う水腎症)、眼脳腎症候群、Pallister-Killian症候群、プラーダ・ヴィリ症候群、プロテウス症候群、プルーンベリー症候群、レット症候群、ロビノー症候群、ルービンスタイン・テービ症候群、裂溝脳、内臓逆位、スミス・レムリ・オピッツ症候群、Smith-Magenis症候群、スタージ・ウェーバー症候群、梅毒、先天性、裂毛症
、超女性、トリソミー13(パトー症候群)、トリソミー9、ターナー症候群、双胎児、接着、アッシャー症候群、ワールデンブルヒ症候群、ウェルマー症候群またはWolf-Hirschhorn 症候群を含む。
【0511】
[000468]若干の態様において、本発明は、対象の結合組織疾患を処置する、その発生率を減少させる、その開始または進行を遅延させる、またはそれに関連した症状を減少させるおよび/または無くする方法を提供する。一つの態様において、その方法は、対象に、本発明の化合物と、抗癌薬、免疫調節薬、皮膚科障害処置薬、抗感染薬、代謝性疾患処置薬、消耗疾患処置薬、遺伝子治療薬、内分泌系処置薬、ビタミンまたはそれらの組合せを含む組成物を投与することを含む。若干の態様において、結合組織疾患は、強直性脊椎炎、エールレス・ダンロー症候群、ヘーノホ・シェーンライン紫斑病、川崎病、マルファン症候群、結節性多発動脈炎、多発性筋炎、乾癬性関節炎、反応性関節炎、関節リウマチ、強皮症、シェーグレン症候群、眼球乾燥症、スチル病、全身性エリテマトーデス、高安病またはウェグナー肉芽腫症を含む。
【0512】
[000469]若干の態様において、本発明は、対象の代謝性疾患を処置する、その発生率を減少させる、その開始または進行を遅延させる、またはそれに関連した症状を減少させるおよび/または無くする方法を提供する。一つの態様において、その方法は、対象に、本発明の化合物と、抗糖尿病薬、胃腸系処置薬、皮膚科障害処置薬、中枢神経系処置薬、抗感染薬、肝臓処置薬、腎臓処置薬、代謝性疾患処置薬、消耗疾患処置薬、遺伝子治療薬、内分泌系処置薬、ビタミンまたはそれらの組合せを含む組成物を投与することを含む。若干の態様において、代謝性疾患は、酸塩基平衡異常、アシドーシス、アルカローシス、アルカプトン尿、α−マンノシドーシス、先天性アミノ酸代謝異常、アミロイドーシス、鉄欠乏性貧血、アスコルビン酸欠乏症、ビタミン欠乏症、脚気、ビオチニダーゼ欠乏症、炭水化物欠乏性糖タンパク質症候群、カルニチン障害、シスチノーシス、シスチン尿、脱水性、ファブリー病、脂肪酸酸化障害、フコース蓄積症、ガラクトース血症、ゴーシェ病、ジルベール病、グルコースリン酸脱水素酵素欠損症、グルタル酸血症、グリコーゲン貯蔵症、ハートナップ病、ヘモクロマトーシス、ヘモジデリン沈着症、肝レンズ核変性、ヒスチジン血症、ホモシスチン尿症、高ビリルビン血症、高カルシウム血症、高インスリン血症、高カリウム血症、高脂質血症、高シュウ酸尿症、ビタミンA過剰症、低カルシウム血症、低血糖症、低カリウム血症、低ナトリウム血症、低ホスファターゼ症、インスリン抵抗性、ヨウ素欠乏症、鉄過剰、黄疸、慢性特発性、リー病、レッシュ・ナイハン症候群、ロイシン代謝障害、リソソーム蓄積症、マグネシウム欠乏症、メープルシロップ尿症、Melas症候群、メンケス症候群、メンケスちぢれ毛症候群、代謝性疾患、x代謝性症候群、代謝、先天性異常、ミトコンドリア病、ムコリピド症、ムコ多糖沈着症、ニーマン・ピック病、肥満症、オルニチンカルバモイルトランスフェラーゼ欠損症、骨軟化症、ペラグラ、ペルオキシソーム障害、フェニルケトン尿症、ポルフィリン症、赤血球生産性、ポルフィリン症、早老症、偽性、ゴーシェ病、レフサム病、ライ症候群、くる病、サンドホフ病、飢餓、タンジール病、テイ・サックス病、テトラヒドロビオプテリン欠乏症、トリメチルアミン尿症、チロシン血症、尿サイクル障害、水・電解質平衡異常、ウェルニッケ脳症、ビタミンA欠乏症、ビタミンB12欠乏症、ビタミンB欠乏症、ウォルマン病またはツェルヴェーガー症候群を含む。
【0513】
[000470]若干の態様において、本発明は、対象の環境由来障害を処置する、その発生率を減少させる、その開始または進行を遅延させる、またはそれに関連した症状を減少させるおよび/または無くする方法を提供する。一つの態様において、その方法は、対象に、本発明の化合物と、抗癌薬、免疫調節薬、抗糖尿病薬、心臓血管系処置薬、胃腸系処置薬、皮膚科障害処置薬、中枢神経系処置薬、抗感染薬、肝臓処置薬、腎臓処置薬、代謝性疾患処置薬、消耗疾患処置薬、遺伝子治療薬、内分泌系処置薬、ビタミンまたはそれらの組合せを含む組成物を投与することを含む。若干の態様において、環境由来障害は、圧外傷、咬傷および刺傷、脳振とう、熱傷、脊髄中心症候群、頭蓋大脳外傷、電気傷、骨折、骨、凍傷、熱性ストレス障害、乗物酔い、職業病、中毒、揺さぶられっ子症候群、肩傷害、宇宙乗物酔い、脊髄傷害、ダニ麻痺症または創傷(穿通および非穿通)を含む。
【0514】
[000471]若干の態様において、本発明は、対象の行動機構を処置する、その発生率を減少させる、その開始または進行を遅延させる、またはそれに関連した症状を減少させるおよび/または無くする方法を提供する。一つの態様において、その方法は、対象に、本発明の化合物と、心臓血管系処置薬、中枢神経系処置薬、遺伝子治療薬、内分泌系処置薬、ビタミンまたはそれらの組合せを含む組成物を投与することを含む。若干の態様において、行動機構は、攻撃、死への態度、共依存、自己傷害行動、性行動または社会的行動を含む。
【0515】
[000472]若干の態様において、本発明は、対象の精神障害を処置する、その発生率を減少させる、その開始または進行を遅延させる、またはそれに関連した症状を減少させるおよび/または無くする方法を提供する。一つの態様において、その方法は、対象に、本発明の化合物と、中枢神経系処置薬、遺伝子治療薬、内分泌系処置薬、ビタミンまたはそれらの組合せを含む組成物を投与することを含む。若干の態様において、精神障害は、アスペルガー症候群、多動を伴う注意欠陥障害、自閉性障害、双極性障害、境界型人格障害、カプグラー症候群、小児行動障害、戦争障害、気分循環障害、依存性人格障害、抑うつ性障害、解離性障害、気分変調性障害、摂食障害、放火行動、心気症、衝動調節障害、クライン・レヴィン症候群、精神障害、小児期に診断される精神障害、多重人格障害、ミュンヒハウゼン症候群、ミュンヒハウゼン症候群、自己愛性人格障害、ナルコレプシー、強迫性人格障害、性欲倒錯、恐怖障害、精神病性障害、不穏下肢障害、統合失調症、季節性感情障害、性およびジェンダー障害、性機能不全、心理的、睡眠障害、身体表現障害、ストレス障害、外傷後、物質関連障害、自殺行為または抜毛症を含む。
【0516】
[000473]一つの態様において、「うつ病」は、ヒトが食事する、睡眠する方法およびヒトが自覚するおよび物事を考える方法に影響する、身体、気分および思考に関わる病気を意味する。うつ病の徴候および症状には、活動への関心の喪失、食欲の喪失または過食、感情表現の喪失、空虚気分、絶望感、悲観、罪悪感または絶望、社会的引きこもり、疲労、睡眠障害、集中、記憶または決断の障害、不穏状態、過敏性、頭痛、消化障害または慢性痛が含まれる。
【0517】
[000474]一つの態様において、「認知」は、知る過程、具体的には、気が付く、知る、考える、学習するおよび判断する過程を意味する。認知は、心理学、言語学、コンピューター科学、神経科学、数学、動物行動学および哲学の分野に関連している。一つの態様において、「気分」は、気質または心の状態を意味する。本明細書中で考えられる変調は、正または負のいずれかへの認知および/または気分の変化を意味する。
【0518】
[000475]若干の態様において、本発明は、対象の肝疾患を処置する、その発生率を減少させる、その開始または進行を遅延させる、またはそれに関連した症状を減少させるおよび/または無くする方法を提供する。一つの態様において、その方法は、対象に、本発明の化合物と、抗癌薬、免疫調節薬、胃腸系処置薬、抗感染薬、肝臓処置薬、代謝性疾患処置薬、消耗疾患処置薬、遺伝子治療薬、内分泌系処置薬、ビタミンまたはそれらの組合せを含む組成物を投与することを含む。若干の態様において、肝疾患は、肝癌、原発性胆汁性肝硬変、自己免疫性肝炎、慢性肝疾患、肝硬変、肝炎、ウイルス性肝炎(a型肝炎、b型肝炎、慢性b型肝炎、c型肝炎、慢性c型肝炎、d型肝炎、e型肝炎、x型肝炎)、肝不全、黄疸、新生児黄疸、ヘパトーム、肝癌、肝膿瘍、アルコール性肝疾患、ヘモクロマトーシス、ウィルソン病、門脈高血圧、原発性硬化性胆管炎、サルコイドーシス、条虫、多包虫症、肝蛭症、住血吸虫症、ゴーシェ病、ツェルヴェーガー症候群、アルコール症、食中毒、肺炎球菌性肺炎またはビブリオ・バルニフィカス(vibriovulnificus)を含
む。
【0519】
[000476]若干の態様において、本発明は、対象の腎疾患を処置する、その発生率を減少させる、その開始または進行を遅延させる、またはそれに関連した症状を減少させるおよび/または無くする方法を提供する。一つの態様において、その方法は、対象に、本発明の化合物と、抗癌薬、免疫調節薬、抗糖尿病薬、胃腸系処置薬、抗感染薬、腎臓処置薬、代謝性疾患処置薬、遺伝子治療薬、内分泌系処置薬、ビタミンまたはそれらの組合せを含む組成物を投与することを含む。若干の態様において、腎疾患は、先端巨大症、急性腎不全(ARF)アミロイドーシス、常染色体優性遺伝型嚢胞腎症、腎石、腎嚢胞、常染色体劣性遺伝型嚢胞腎症、慢性腎不全(CRF)、慢性腎疾患、コフィン・ローリー症候群、肺性心、寒冷グロブリン血症、糖尿病性腎症、異常脂血症、ゴーシェ病、糸球体腎炎、グッドパスチャー症候群、溶血性尿毒症症候群、肝炎、腎臓癌、腎石、白血病、リポタンパク質血症、狼瘡、多発性骨髄腫、腎炎、多発性動脈腎嚢胞(polyartekidneycysts)、連鎖球菌感染後糸球体腎炎、糸球体腎炎、腎痛、子癇前症、腎結核、腎盂腎炎、尿細管性アシドーシス腎疾患、連鎖球菌毒素性ショック症候群、血栓塞栓症、トキソプラズマ症、尿路感染症、膀胱尿管逆流またはウィリアムス症候群を含む。
【0520】
[000477]一つの態様において、腎疾患または障害は、急性であり、または別の態様において、慢性である。一つの態様において、処置方法が有用でありうる腎疾患または障害の臨床的指標には、尿円柱、測定されたGFRまたは他の腎機能マーカーが含まれる。
【0521】
[000478]一つの態様において、本発明の方法は、腎疾患または障害の素質がある対象において有用である。一つの態様において、対象に関して「腎疾患または障害の素質がある」という句は、「リスクがある対象」という句と同じ意味であり、そして急性または慢性腎不全のリスクがある対象、またはその対象が、機能性ネフロン単位の進行性喪失に関連した進行性腎機能喪失に苦しむと妥当に考えられる場合、腎置換療法の要求のリスクがある対象を包含する。特定の対象にリスクがあるか否かは、関係のある医学または獣医学業者が常套的に行うことができる決定である。
【0522】
[000479]一つの態様において、腎疾患を有する対象、具体的には、末期腎疾患(ESRD)を有する男性対象は、性腺機能低下に苦しみ、若干のものは、随伴性の中程度〜重症タンパク質・エネルギー栄養失調(PEM)を有し、それは、より高いエリスロポエチン(EPO)必要用量、より低いクオリティオブライフ(QOL)スコア、およびより高い死亡率をもたらす。多くは、疲労、食欲欠如、筋衰弱等を含めた、性腺機能低下に関連した他の症状を有する。若干の態様において、本発明の処置方法は、女性のアンドロゲン欠損(ADIF);疲労、うつ病、リビドー減少、勃起障害、認知低下、気分低下を含めた熟年男性のアンドロゲン欠損(ADAM);アンドロゲン不全(男性または女性)、アンドロゲン欠損(男性または女性)によって対象にもたらされる、性腺機能低下に関連した症状を処置する場合に有用である。
【0523】
[000480]一つの態様において、糖尿病性腎症は、早期に、典型的には、糖尿病の臨床診断が行われる前に現れる糖尿病合併症である。腎症の最も早期の臨床徴候は、低いが異常なレベル(>30mg/日または20μg/分)の尿中アルブミンの出現(微量アルブミン尿)であり、次に、10〜15年間にわたって生じるアルブミン尿(>300mg/24時間または200μg/分)が現れる。1型糖尿病の患者の場合、糖尿病性高血圧症は、典型的に、早期に、患者が微量アルブミン尿を発症する時には明白になる。明白な腎症がいったん生じると、糸球体濾過量(GFR)は、数年間でありうる時間経過で降下して、糖尿病個体に末期腎疾患(EndStage Renal Disease)(ESRD)をもたらす。
【0524】
[000481]高血圧症は、腎疾患の別の共存因子である。若干の態様において、本発明による腎疾患の処置は、本発明の化合物と、高血圧症を処置する物質との共同処置を含んでよい。
【0525】
[000482]若干の態様において、本発明は、対象の消耗疾患を処置する、その発生率を減少させる、その開始または進行を遅延させる、またはそれに関連した症状を減少させるおよび/または無くする方法を提供する。一つの態様において、その方法は、対象に、本発明の化合物と、抗癌薬、免疫調節薬、抗糖尿病薬、心臓血管系処置薬、胃腸系処置薬、中枢神経系処置薬、代謝性疾患処置薬、消耗疾患処置薬、遺伝子治療薬、内分泌系処置薬、ビタミンまたはそれらの組合せを含む組成物を投与することを含む。若干の態様において、消耗疾患は、筋傷害、床上安静、非移動性、神経傷害、ニューロパシー、糖尿病性ニューロパシー、アルコール性ニューロパシー、亜急性連合性脊髄変性症、糖尿病、関節リウマチ、運動ニューロン疾患、デュシェーヌ筋ジストロフィー、手根管症候群、慢性感染症、結核、アジソン病、アダルト・スマ(adultsma)、肢筋萎縮、アルコール性ニュー
ロパシー、食欲不振、神経性食欲不振、悪液質に関連した食欲不振、加齢に関連した食欲不振、背部腫瘍、皮膚筋炎、腰部腫瘍、封入体筋炎、色素失調、肋間神経痛、若年性関節リウマチ、レッグ・カルヴェ・ペルテス病、筋萎縮、多病巣性運動ニューロパシー、ネフローゼ症候群、骨形成不全、ポリオ後症候群、肋骨腫瘍、脊髄性筋萎縮、反射性交感神経性ジストロフィー症候群またはテイ・サックスを含む。
【0526】
[000483]消耗状態または障害は、本明細書中において、少なくとも一部分は、身体、器官または組織の質量の異常な進行性減少を特徴とする状態または障害として定義される。消耗状態は、例えば、癌などの病理の結果として起こることがありうるし、またはそれは、例えば、長期床上安静に依って、またはギプス包帯内の場合のような肢固定時に、または例えば、糖尿病の場合にあるような切断を含めた多発創傷の発生および当業者に理解されるであろうような他の状態で起こりうる廃用性脱条件付けなどの生理学的または代謝的状態に依ることがありうる。消耗状態は、更に、年齢に関連していることがありうる。消耗状態中に起こる体重減少は、全体重減少、または組織タンパク質の減少による骨または筋質量の減少などの器官重量減少を特徴とすることがありうる。
【0527】
[000484]一つの態様において、「筋消耗(musclewasting/muscular wasting)」は
、筋質量の進行性減少および/または、運動を制御する骨格筋または随意筋、心臓を制御する心筋、および平滑筋を含めた筋の進行性衰弱および変性を意味する。一つの態様において、筋消耗状態または障害は、慢性筋消耗状態または障害である。「慢性筋消耗」は、本明細書中において、慢性(すなわち、長期間にわたる持続)進行性の筋質量減少としておよび/または慢性進行性の筋の衰弱および変性と定義される。
【0528】
[000485]筋消耗中に起こる筋質量の減少は、筋タンパク質異化作用による筋タンパク質分解または変性を特徴とすることがありうる。タンパク質異化作用は、異常に高いタンパク質変性速度、異常に低いタンパク質合成速度、または双方の組合せゆえに生じる。タンパク質異化作用または減少は、高いタンパク質変性度によるのであれ、低いタンパク質合成度によるのであれ、筋質量の減少および筋消耗をもたらす。「異化作用」という用語は、当該技術分野、具体的には、エネルギー燃焼形の代謝におけるその一般的に知られている意味を有する。
【0529】
[000486]筋消耗は、例えば、末期腎不全などの、本発明の方法による処置についての障害を含めた、病理、疾患、状態または障害の結果として起こりうる。
[000487]若干の態様において、本発明は、スタチンで誘発される黄紋筋融解の予防方法を提供する。若干の態様において、本発明は、スタチンで誘発される黄紋筋融解、臓器不全または機能不全の予防方法を提供する。若干の態様において、本発明は、スタチンで誘発される腎または肝の不全または機能不全の予防方法を提供する。一つの態様において、その方法は、対象に、本発明の化合物およびスタチンを含む組成物を投与することを含む。
【0530】
[000488]一つの態様において、消耗疾患は、対象の悪液質または不随意体重減少である。別の態様において、本発明は、腎疾患を患う対象の筋消耗を処置する、予防する、阻害する、減少させるまたは抑制する方法を提供する。一つの態様において、本発明は、腎疾患または障害を患う対象のタンパク質異化作用を処置する、予防する、阻害する、減少させるまたは抑制する方法を提供する。
【0531】
[000489]悪液質は、疾患によってまたは病気の副作用として引き起こされる衰弱および体重減少である。病気または傷害による長期入院、または例えば、肢固定持に起こる廃用性脱条件付けも、筋消耗をもたらすことがありうる。研究では、長期間入院している、傷害、慢性病、熱傷、外傷または癌に苦しむ患者の場合、長期持続性片側筋消耗があり、結果として体重減少を伴うということが示された。神経系傷害、例えば、本明細書中に更に記載のような脊髄傷害も、誘因でありうる。
【0532】
[000490]若干の態様において、本発明は、対象の消耗疾患または障害を処置する、その発生率を減少させる、その開始または進行を遅延させる、またはそれに関連した症状を減少させるおよび/または無くする方法を提供する。別の態様において、消耗疾患および障害には、特に、(a)後天性免疫不全症候群(AIDS)消耗;(b)床上安静に関連した消耗;(c)過食症および/または過食症に関連した消耗;(c)悪液質;(d)癌悪液質;(e)HIV消耗;(f)長期の重病、肺機能不全、人工呼吸器依存、加齢、AIDS、外傷、外科手術、うっ血性心不全、心筋障害、熱傷、癌、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、過食症などの摂食障害、神経性食欲不振、食欲喪失、飢餓および/またはうつ病による(reduce)悪液質およびタンパク質減少が含まれる。
【0533】
[000491]若干の態様において、本発明は、対象の病弱状態を処置する、その発生率を減少させる、その開始または進行を遅延させる、またはそれに関連した症状を減少させるおよび/または無くする方法を提供する。一つの態様において、病弱状態は、ポリオ後症候群である。一つの態様において、その方法は、対象に、本発明の化合物と、免疫調節薬、抗糖尿病薬、心臓血管系処置薬、胃腸系処置薬、中枢神経系処置薬、代謝性疾患処置薬、消耗疾患処置薬、遺伝子治療薬、内分泌系処置薬、ビタミンまたはそれらの組合せを含む組成物を投与することを含む。
【0534】
[000492]若干の態様において、本発明は、対象の性腺機能低下状態を処置する、その発生率を減少させる、その開始または進行を遅延させる、またはそれに関連した症状を減少させるおよび/または無くする方法を提供する。一つの態様において、本発明は、対象の薬物療法で誘発される性腺機能低下状態を処置する、その発生率を減少させる、その開始または進行を遅延させる、またはそれに関連した症状を減少させるおよび/または無くする方法を提供する。若干の態様において、性腺機能低下は、女性および男性双方の生殖腺からのホルモン分泌を変化させる処置によって引き起こされる。若干の態様において、性腺機能低下は、「原発性」または「中枢性」であってよい。原発性性腺機能低下の場合、卵巣または精巣自体は、適切に機能しない。若干の態様において、性腺機能低下は、外科手術、放射線、遺伝的および発達障害、肝および腎疾患、感染、またはある種の自己免疫障害で誘発されてよい。若干の態様において、閉経は、性腺機能低下の形である。閉経は、若干の態様において、女性のエストロゲンレベル降下に依って、無月経、ホットフラッシュ、膣乾燥または過敏性を引き起こすことがありうる。一つの態様において、その方法は、対象に、本発明の化合物と、抗癌薬、免疫調節薬、抗糖尿病薬、心臓血管系処置薬、胃腸系処置薬、中枢神経系処置薬、代謝性疾患処置薬、消耗疾患処置薬、遺伝子治療薬、内分泌系処置薬、皮膚科障害処置薬、抗感染薬、肝臓処置薬、腎臓処置薬、ビタミンまたはそれらの組合せを含む組成物を投与することを含む。
【0535】
[000493]若干の態様において、本発明は、対象のオステオペニア状態を処置する、その発生率を減少させる、その開始または進行を遅延させる、またはそれに関連した症状を減少させるおよび/または無くする方法を提供する。一つの態様において、本発明は、対象の薬物療法で誘発されるオステオペニア状態を処置する、その発生率を減少させる、その開始または進行を遅延させる、またはそれに関連した症状を減少させるおよび/または無くする方法を提供する。若干の態様において、オステオペニアは、骨質量の緩和な菲薄化である。若干の態様において、オステオペニアは、骨粗鬆症の前兆である。若干の態様において、オステオペニアは、普通の若年成人の骨密度より低い1標準偏差(SD)〜2.5SD骨密度として定義される。一つの態様において、その方法は、対象に、本発明の化合物と、抗癌薬、免疫調節薬、抗糖尿病薬、心臓血管系処置薬、胃腸系処置薬、中枢神経系処置薬、代謝性疾患処置薬、消耗疾患処置薬、遺伝子治療薬、内分泌系処置薬、皮膚科障害処置薬、抗感染薬、肝臓処置薬、腎臓処置薬、ビタミンまたはそれらの組合せを含む組成物を投与することを含む。
【0536】
[000494]若干の態様において、本発明は、対象の骨量減少状態を処置する、その発生率を減少させる、その開始または進行を遅延させる、またはそれに関連した症状を減少させるおよび/または無くする方法を提供する。一つの態様において、本発明は、対象の薬物療法で誘発される骨量減少状態を処置する、その発生率を減少させる、その開始または進行を遅延させる、またはそれに関連した症状を減少させるおよび/または無くする方法を提供する。若干の態様において、骨量減少は、筋質量の有意の減少である。一つの態様において、骨量減少定義は、普通の若年成人の平均より低い2標準偏差未満の除脂肪体重を有している。若干の態様において、骨量減少は、遺伝的因子、循環の変調、毛細管:筋線維比率の低下、運動ニューロンの変調、脱神経、運動終板の劣化、I型線維の選択的神経再支配、筋損傷を引き起こす炎症性反応、運動の減少、栄養失調、低い食事性タンパク質摂取量、ビタミンD欠乏、加齢性ビタミンD減少、酸化的ストレス、筋ミトコンドリア突然変異、特定の筋線維タイプの変化、筋タンパク質の減少、障害性疾患、卒中、アルツハイマー病、パーキンソン病、骨粗鬆症、アテローム性動脈硬化症、真性糖尿病、高インスリン血症、腎不全または性腺機能低下によって引き起こされる。一つの態様において、その方法は、対象に、SARM化合物と、抗癌薬、免疫調節薬、抗糖尿病薬、心臓血管系処置薬、胃腸系処置薬、中枢神経系処置薬、代謝性疾患処置薬、消耗疾患処置薬、遺伝子治療薬、内分泌系処置薬、皮膚科障害処置薬、抗感染薬、肝臓処置薬、腎臓処置薬、ビタミンまたはそれらの組合せを含む組成物を投与することを含む。
【0537】
[000495]若干の態様において、本発明は、本明細書中の上に記載のような、対象の疾患および/または障害の組合せを処置する、その発生率を減少させる、その開始または進行を遅延させる、またはそれに関連した症状を減少させるおよび/または無くする方法を提供する。一つの態様において、その方法は、対象に、本発明の化合物と、抗癌薬、免疫調節薬、抗糖尿病薬、心臓血管系処置薬、胃腸系処置薬、中枢神経系処置薬、代謝性疾患処置薬、消耗疾患処置薬、遺伝子治療薬、内分泌系処置薬、皮膚科障害処置薬、抗感染薬、肝臓処置薬、腎臓処置薬、ビタミンまたはそれらの組合せを含む組成物を投与することを含む。
【0538】
[000496]本明細書中に記載のいずれの本発明の方法も、指定の疾患、障害または状態を処置するために、本明細書中に記載の化合物またはそれを含む組成物の対象への投与を包含するということは理解されるはずである。本明細書中に記載の方法は、各々および/または全て、本明細書中に記載の且つ当業者に理解されるであろう追加の治療薬の投与を更に含むことができる。
【0539】
[000497]若干の態様において、本発明は、乳汁、精子または卵などの増大生産の方法を提供する。若干の態様において、本発明は、赤身肉または卵の増大生産の方法を提供する。若干の態様において、本発明は、食用または繁殖用の家畜、例えば、増加した精子計数、改善された精子形態等の増加生産の方法を提供する。若干の態様において、本発明は、生産動物、例えば、産卵用雌鶏、乳生産用雌牛等の生産寿命、および/または増強された群健康、例えば、改善された免疫クリアランス、より強い動物を発展させる方法を提供する。
【0540】
[000498]一つの態様において、その方法は、対象に、本発明の化合物と、抗癌薬、免疫調節薬、抗糖尿病薬、心臓血管系処置薬、胃腸系処置薬、中枢神経系処置薬、代謝性疾患処置薬、消耗疾患処置薬、遺伝子治療薬、内分泌系処置薬、皮膚科障害処置薬、抗感染薬、肝臓処置薬、腎臓処置薬、ビタミン、栄養添加物、本明細書中に各々および/または全て記載されのホルモン、または本明細書中に記載のいずれか他の治療薬、またはそれらの組合せを含む組成物を投与することを含む。
【0541】
[000499]別の態様において、本発明は、対象の嚢胞性線維症およびその結果として誘発された性腺機能低下状態、癲癇およびその結果として誘発された性腺機能低下および/または代謝亢進状態、遺伝性血管性水腫、エリテマトーデスおよびその結果として減少したBMD、アルコールおよび喫煙で誘発される骨粗鬆症の処置方法であって、本明細書中に記載のSARMをその対象に投与することを含む方法を提供する。
【0542】
[000500]別の態様において、本発明は、対象のポリオおよびポリオ後症候群および他の病弱状態、スタチンで誘発される黄紋筋融解、スタチンで誘発される筋衰弱、スタチンで誘発される臓器不全または機能不全の処置方法であって、本明細書中に記載の化合物を、場合により、当業者に理解されるであろうように適宜、スタチンと一緒に、および/またはいずれかの治療薬と一緒に投与することを含む方法を提供する。
【0543】
[000501]別の態様において、本発明は、オピオイドで誘発されるアンドロゲン欠乏症(OpioidInduced Androgen Deficiency)(OPIAD)を処置する方法であって、対象
に、本明細書中に記載の化合物と、場合により、アヘン剤、オピオイド、麻薬等、メタドン;Kadian などの長時間作用性アヘン剤/オピオイド;延長放出モルヒネ;FDA承認
の全てのアヘン剤/オピオイド/麻薬;ヘロイン嗜癖の処置に用いられるアヘン剤/オピオイド;悪性疾患の慢性疼痛の処置に用いられるアヘン剤/オピオイド;非悪性慢性疼痛症候群の処置に用いられるアヘン剤/オピオイドを投与することを含む方法を提供する。
【0544】
[000502]別の態様において、本発明は、神経系疾患、障害または状態を処置する方法であって、対象に、本明細書中に記載の化合物と、場合により、抗精神病薬、例えば、ゾテピネ、ハロペリドール、アミスルプリド、リスペリドン、D2ドーパミン受容体アンタゴニストなど;バルプロ酸、カルバマゼピン、オクスカルバマゼピン等などの抗てんかん薬、またはそれらの組合せを投与することを含む方法を提供する。
【0545】
[000503]別の態様において、本発明は、ホルモン依存性疾患、障害または状態を処置する方法であって、対象に、本明細書中に記載の化合物と、場合により、化学療法薬および療法(メトトレキサート、シクロホスファミド、イホスファミド、アドリアマイシン、ドキソルビシン、グルココルチコイド、シクロスポリン、L−チロキシン、SERM、AI、フルベストラント、GnRH薬、ADT、ホルモン補充療法の中止、頭蓋照射、末梢照射等;プロラクチン血症誘発性薬物療法(5HT2受容体を介して作用するセロトニン様抗うつ薬、選択的セロトニン吸収阻害剤、モノアミンオキシダーゼ阻害剤、三環系抗うつ薬、メチルドパ、レセルピン、クロニジンおよびベラパミルなどの抗高血圧薬;メトクロプラミドなどの抗ドーパミン作用性抗嘔吐薬;シメチジンおよびラニチジンなどのH2受容体アンタゴニスト;エストロゲン;アンフェタミン;AR部分アンタゴニスト(ケトコナゾール、スピロノラクトン、エプレレノン(eplerenone))を投与することを含む方法を提供する。
【0546】
[000504]別の態様において、本発明の化合物および本明細書中に記載の組成物は、外科的手順後の回復を促進するまたは加速する場合に有用である。
[000505]一つの態様において、本発明は、対象の脂肪質量を減少させるための、本明細書中に記載の化合物の使用を提供する。別の態様において、本発明は、本明細書中に記載の化合物またはそのプロドラッグ、類似体、異性体、代謝産物、誘導体、薬学的に許容しうる塩、医薬製品、多形、結晶、不純物、N−オキシド、水和物またはいずれかそれらの組合せ、またはそれを含む組成物の使用のためのこのような方法を提供する。
【0547】
[000506]別の態様において、本発明は、対象の腹部脂肪蓄積を処置すること;肥満骨量減少を処置すること;体組成を改善すること;体脂肪含量を低下させること;脂肪質量を低下させること;血中脂質プロフィールを改善すること;筋質量/強度/機能を増加させること;骨質量/BMD/強度/機能を増加させること;体脂肪を低下させること;先天性高インスリン血症;クッシング病(高コルチゾール血症);代謝症候群に関連した肥満症または糖尿病における、本明細書中に記載の化合物またはそのプロドラッグ、類似体、異性体、代謝産物、誘導体、薬学的に許容しうる塩、医薬製品、多形、結晶、不純物、N−オキシド、水和物またはいずれかそれらの組合せ、またはそれを含む組成物の使用を提供する。
【0548】
[000507]別の態様において、その対象は、ホルモンの不均衡、障害または疾患を有する。別の態様において、対象は、閉経している。
[000508]一つの態様において、本発明は、対象の除脂肪質量を増加させるための、本明細書中に記載の化合物の使用を提供する。別の態様において、このような使用は、本明細書中に記載の化合物またはそのプロドラッグ、類似体、異性体、代謝産物、誘導体、薬学的に許容しうる塩、医薬製品、多形、結晶、不純物、N−オキシド、水和物またはいずれかそれらの組合せの投与を含む。
【0549】
[000509]一つの態様において、その対象は、ホルモンの不均衡、障害または疾患を有する。別の態様において、対象は、閉経している。
[000510]実施例5は、式(I)の化合物が、アナボリック性で、なお最小限にアンドロゲン性であるということを示しているので、このような化合物は、過去にアンドロゲンが禁忌であった患者群を処置する場合に有用でありうる。式(I)の化合物は、テストステロンの存在下であれ不存在下であれ、筋成長を刺激し、同時に、前立腺に抗増殖作用を及ぼすことが分かったので、一つの態様において、本発明の方法は、骨量減少または悪液質を有する患者の筋質量減少を回復するために与えられる。
【0550】
[000511]一つの態様において、本明細書中に記載の化合物は、対象のレプチンレベルを変化させる。別の態様において、本明細書中に記載の化合物は、レプチンレベルを減少させる。別の態様において、本明細書中に記載の化合物は、対象のレプチンレベルを増加させる。レプチンは、肥満マウスの体重減少について食欲に作用することが知られているので、肥満症に関連している。
【0551】
[000512]本明細書中に記載の化合物は、一つの態様において、レプチンの循環性レベルに影響し、または別の態様において、組織レベルに影響する。一つの態様において、「レプチンのレベル」という用語は、レプチンの血清レベルを意味する。本明細書中で考えられるように、本発明の化合物は、invitro および in vivo のレプチンに作用する。レプチンレベルは、当業者に知られている方法によって、例えば、商業的に入手可能なELISAキットによって測定することができる。更に、レプチンレベルは、invitro 検定
または invivo 検定において、当業者に知られているいずれかの方法によって決定する
ことができる。
【0552】
[000513]レプチンは、食欲、体重減少、食物摂取量およびエネルギー消費を制御することに関連しているので、レプチンレベルを調節することおよび/または制御することは、肥満症を患う対象の肥満症を処置する、予防する、阻害するまたはその発生率を減少させる場合に有用な治療的アプローチである。レプチンレベルを調節することは、対象に、食欲喪失、食物摂取量の減少、およびエネルギー消費の増加をもたらすことがありうるので、肥満症の制御および処置に寄与することができる。
【0553】
[000514]「肥満症」という用語は、一つの態様において、体内脂肪の過剰蓄積の結果として、骨格よび身体必要量の限界を超えた体重の増加として定義される。
[000515]「肥満関連代謝性障害」という用語は、一つの態様において、肥満症によって生じる、その結果である、それによって悪化する、またはその続発性である障害を意味する。このような障害の非制限例は、変形性関節症、II型糖尿病、血圧の増加、卒中および心臓疾患である。
【0554】
[000516]コレステロール、トリアシルグリセロールおよび他の脂質は、密度によって、例えば、超低密度リポタンパク質(VLDL)、中間密度リポタンパク質(IDL)、低密度リポタンパク質(LDL)および高密度リポタンパク質(HDL)に分類することができるリポタンパク質によって体液中で輸送される。
【0555】
[000517]血液中の高レベルのLDLコレステロールは、動脈、具体的には、冠状動脈の内壁中の脂質の沈降を一部特徴とする進行性疾患であるアテローム性動脈硬化症と相関するということが分かっている。更に、高血中レベルのLDLコレステロールは、冠状動脈性心疾患と相関するということが分かっている。更に、HDLコレステロールの血中レベルと冠状動脈性心疾患との間には、負の相関がある。
【0556】
[000518]血液中の総コレステロールのレベルは、HDLコレステロール、LDLコレステロール、VLDLコレステロールおよびキロミクロンコレステロールの合計であるが、必ずしも、冠状動脈性心疾患およびアテローム性動脈硬化症のリスクを示すものではない。
【0557】
[000519]しかしながら、アテローム性動脈硬化症とLDLコレステロールレベルとの間の相関は、アテローム性動脈硬化症と総血清コレステロールレベルとの間の類似の相関よりはるかに高い。
【0558】
[000520]一つの態様において、本発明は、対象の脂質プロフィールを改善するおよび/または循環性脂質レベルを減少させるための、本明細書中に記載の化合物の使用方法を提供する。若干の態様において、本発明のこの側面により、対象は、アテローム性動脈硬化症およびその関連疾患、早老、アルツハイマー病、卒中、中毒性肝炎、ウイルス性肝炎、末梢血管不全、腎疾患および高血糖症から成る群より選択される一つまたはそれを超える状態に苦しみ、そして本発明は、若干の態様において、対象の脂質プロフィールに正に影響する本明細書中に記載の化合物またはそれを含む組成物の投与ために与えられ、それは、指定の疾患、障害および状態を処置する場合にその方法が有用である一つの手段である。
【0559】
[000521]一つの態様において、本発明は、アテローム性動脈硬化症およびその関連疾患、例えば、心臓血管障害、脳血管障害、末梢血管障害、腸血管障害またはそれらの組合せなどの処置のために与えられる。
【0560】
[000522]一つの態様において、心臓血管障害は、高血圧症(HTN)、冠状動脈疾患(CAD)または心筋灌流を含んで成る。別の態様において、本発明は、大動脈平滑筋細胞増殖を促進するための、本明細書中に記載のSARM化合物の使用方法を提供する。別の態様において、本発明は、アテローム性動脈硬化症を処置するための、本明細書中に記載の化合物の使用方法を提供する。別の態様において、本発明は、血圧を低下させるための、本明細書中に記載の化合物の使用方法を提供する。別の態様において、本発明は、心筋症;心筋梗塞、心臓肥大およびうっ血性心不全(cognitiveheart failure)などの心
機能不全を含む心臓疾患および障害を処置するための、本明細書中に記載の化合物の使用方法を提供する。別の態様において、本発明は、インスリン抵抗性における心臓防御を含む心臓防御;I型およびII型糖尿病、代謝症候群、X症候群および/または高血圧を処置することのための、本明細書中に記載の化合物の使用方法を提供する。
【0561】
[000523]一つの態様において、本発明は、対象の心臓血管および/または脳血管疾患を処置する、予防する、それによる死亡リスクを減少させる方法であって、式(I)の化合物またはそのプロドラッグ、エステル、類似体、異性体、代謝産物、誘導体、薬学的に許容しうる塩、医薬製品、多形、結晶、不純物、N−オキシド、水和物またはいずれかそれらの組合せ、またはそれを含む医薬組成物を投与することを含む方法を提供する。一つの態様において、その化合物は、式(I)の構造を特徴とする。
【0562】
[000524]一つの態様において、式Iの化合物は、LDLおよび総コレステロールのレベルを減少させる。別の態様において、式(I)の化合物は、対象のLDLおよび総コレステロールのレベルを減少させる。
【0563】
[000525]別の態様において、式Iの化合物は、HDL上昇性薬と共投与される。別の態様において、式(I)の化合物は、HDL上昇性薬と共投与される。別の態様において、HDL上昇性薬には、ナイアシンが含まれる。別の態様において、HDL上昇性薬には、ジェムフィブロジル(Lopid)、チオ尿素基剤のジェムフィブロジル類似体およびフェ
ノフィブラート(TriCor)を含めたフィブラートが含まれる。別の態様において、HDL上昇性薬には、スタチンが含まれる。別の態様において、HDL上昇性薬には、1−ヒドロキシアルキル−3−フェニルチオ尿素およびその類似体が含まれる。
【0564】
[000526]一つの態様において、本発明は、対象の循環性脂質レベルを減少させる方法であって、式Iの化合物またはその薬学的に許容しうる塩、水和物、N−オキシドまたはいずれかそれらの組合せ、またはそれを含む組成物を投与することを含む方法を提供する。一つの態様において、その対象は、アテローム性動脈硬化症およびその関連疾患、早老、アルツハイマー病、卒中、中毒性肝炎、ウイルス性肝炎、末梢血管不全、腎疾患、高血糖症またはいずれかそれらの組合せを患う。
【0565】
[000527]一つの態様において、本発明は、対象のアテローム性動脈硬化症およびその関連疾患、例えば、心臓血管障害、脳血管障害、末梢血管障害または腸血管障害を処置する方法であって、対象に、式Iの化合物またはその薬学的に許容しうる塩、水和物、N−オキシドまたはいずれかそれらの組合せ、またはそれを含む組成物を投与する工程を含む方法を提供する。その方法は、更に、心臓血管障害、脳血管障害、末梢血管障害または腸血管障害を処置する場合に有用であることが知られている一つまたは複数の物質との共投与、その後のまたは前の投与を含んでよい。
【0566】
[000528]一つの態様において、本発明は、対象の技能および運動を、例えば、対象の関節炎を処置することによって改善する方法を提供する。
[000529]「関節炎」という用語は、別の態様において、主に高齢者に起こる、関節軟骨の変性、骨および辺縁の肥大、滑膜の変化等を特徴とする非炎症性変性関節疾患を意味する。それは、他の態様において、特に長時間活動後に、疼痛および硬直を伴う。
【0567】
[000530]「糖尿病」という用語は、一つの態様において、未制御の炭水化物代謝をもたらす相対的または絶対的なインスリン欠如を意味する。大部分の患者は、臨床的に、インスリン依存型糖尿病(IDDMまたはI型糖尿病)かまたはインスリン非依存型糖尿病(NIDDMまたはII型糖尿病)を有すると分類することができる。
【0568】
[000531]「血圧増加」または「高血圧症」という用語は、他の態様において、90mmHgで140を超える反復的高血圧を意味する。慢性的に上昇した血圧は、眼背部の血管変化、心筋の肥厚、腎不全および脳損傷を引き起こすことがありうる。
【0569】
[000532]「卒中」という用語は、他の態様において、破裂血管または血餅によってしばしば引き起こされる不十分な血液供給に依る脳の神経細胞への損傷を意味する。「心臓疾患」という用語は、他の態様において、心不全を含めた、心臓正常機能および活動の機能不全を意味する。
【0570】
[000533]更に、アンドロゲンは、最近になって、間葉多能性細胞の筋原系統への方向づけ(commitment)に関与しているし、そして脂肪生成系統への分化をブロックすることが分かった(Singhetal., Endocrinology, 2003, Jul 24)。したがって、それら化合
物は、本明細書中に記載のように、脂肪生成をブロックするおよび/または幹細胞分化を変化させる方法において有用でありうる。
【0571】
[000534]別の態様において、本発明は、対象の体重減少を促進する、増加させるまたは容易にする方法であって、対象に、本明細書中に記載の化合物および/またはその類似体、誘導体、異性体、代謝産物、薬学的に許容しうる塩、医薬製品、水和物、N−オキシド、プロドラッグ、多形、結晶またはいずれかそれらの組合せを、対象の体重減少を促進する、増加させるまたは容易にする有効量で投与する工程を含む方法に関する。
【0572】
[000535]別の態様において、本発明は、対象の食欲を低下させる、抑制する、阻害するまたは減少させる方法であって、対象に、本明細書中に記載の化合物および/またはその類似体、誘導体、異性体、代謝産物、薬学的に許容しうる塩、医薬製品、水和物、N−オキシド、プロドラッグ、多形、結晶またはいずれかそれらの組合せを、対象の食欲を低下させる、抑制する、阻害するまたは減少させる有効量で投与する工程を含む方法に関する。
【0573】
[000536]別の態様において、本発明は、対象の体組成を変化させる方法であって、対象に、本明細書中に記載の化合物および/またはその類似体、誘導体、異性体、代謝産物、薬学的に許容しうる塩、医薬製品、水和物、N−オキシド、プロドラッグ、多形、結晶またはいずれかそれらの組合せを、対象の体組成を変化させる有効量で投与する工程を含む方法に関する。一つの態様において、体組成を変化させることは、対象の除脂肪体重(leanbody mass)、脂肪不含体重(fatfree body mass)またはそれらの組合せを変化さ
せることを含む。
【0574】
[000537]別の態様において、本発明は、対象の除脂肪体重または脂肪不含体重を変化させる方法であって、対象に、本明細書中に記載の化合物および/またはその類似体、誘導体、異性体、代謝産物、薬学的に許容しうる塩、医薬製品、水和物、N−オキシド、プロドラッグ、多形、結晶またはいずれかそれらの組合せを、対象の除脂肪体重または脂肪不含体重を変化させる有効量で投与する工程を含む方法に関する。
【0575】
[000538]別の態様において、本発明は、対象の脂肪質筋を除脂肪筋へと変換する方法であって、対象に、本明細書中に記載の化合物および/またはその類似体、誘導体、異性体、代謝産物、薬学的に許容しうる塩、医薬製品、水和物、N−オキシド、プロドラッグ、多形、結晶またはいずれかそれらの組合せを、対象の脂肪質筋を除脂肪筋へと変換する有効量で投与する工程を含む方法に関する。
【0576】
[000539]別の態様において、本発明は、対象の肥満関連代謝性障害を処置する方法であって、対象に、本明細書中に記載の化合物および/またはその類似体、誘導体、異性体、代謝産物、薬学的に許容しうる塩、医薬製品、水和物、N−オキシド、プロドラッグ、多形、結晶またはいずれかそれらの組合せを、対象の肥満関連代謝性障害を処置する有効量で投与する工程を含む方法に関する。
【0577】
[000540]別の態様において、本発明は、対象の肥満関連代謝性障害を予防する、抑制する、阻害するまたは減少させる方法であって、対象に、本明細書中に記載の化合物および/またはその類似体、誘導体、異性体、代謝産物、薬学的に許容しうる塩、医薬製品、水和物、N−オキシド、プロドラッグ、多形、結晶またはいずれかそれらの組合せを、対象の肥満関連代謝性障害を予防する、抑制する、阻害するまたは減少させる有効量で投与する工程を含む方法に関する。
【0578】
[000541]一つの態様において、肥満関連代謝性障害は、高血圧症である。別の態様において、その障害は、変形性関節症である。別の態様において、その障害は、II型糖尿病である。別の態様において、障害は、血圧増加である。別の態様において、障害は、卒中である。別の態様において、障害は、心不全である。
【0579】
[000542]別の態様において、本発明は、対象の脂肪生成を低下させる、抑制する、阻害するまたは減少させる方法であって、対象に、本明細書中に記載の化合物および/またはその類似体、誘導体、異性体、代謝産物、薬学的に許容しうる塩、医薬製品、水和物、N−オキシド、プロドラッグ、多形、結晶またはいずれかそれらの組合せを投与する工程を含む方法に関する。
【0580】
[000543]別の態様において、本発明は、対象の幹細胞分化を変化させる方法であって、対象に、本明細書中に記載の化合物および/またはその類似体、誘導体、異性体、代謝産物、薬学的に許容しうる塩、医薬製品、水和物、N−オキシド、プロドラッグ、多形、結晶またはいずれかそれらの組合せを、対象の幹細胞分化を変化させる有効量で投与する工程を含む方法に関する。
【0581】
[000544]一つの態様において、本明細書中に記載の化合物は、(a)肥満症を処置する、予防する、抑制する、阻害するまたは減少させる;(b)体重減少を促進する、増加させるまたは容易にする;(c)食欲を低下させる、抑制する、阻害するまたは減少させる;(d)体組成を変化させる;(e)除脂肪体重または脂肪不含体重を変化させる;(f)脂肪質筋を除脂肪筋へと変換する;(g)肥満関連代謝性障害、例えば、高血圧症、変形性関節症、真性糖尿病、若年発症の成人型糖尿病、血圧増加、卒中または心不全を処置する、予防する、抑制する、阻害するまたは減少させる;(h)脂肪生成を低下させる、抑制する、阻害するまたは減少させる;(i)幹細胞分化を変化させる;および/または(j)レプチンレベルを変化させる場合に有用である。
【0582】
[000545]一つの態様において、本明細書中に記載の化合物は、糖尿病を処置するまたはその進行を止める、またはその症状を処置する場合に有用である。別の態様において、本明細書中に記載の化合物は、糖尿病に関連した共存症を処置する場合に有用である。これら状態には、高血圧症(HTN)、脳血管疾患、アテローム性冠状動脈疾患、黄斑変性、糖尿病性網膜症(眼疾患)および視覚消失、白内障--全身性炎症(赤血球沈降速度またはC反応性タンパク質などの炎症マーカーの上昇を特徴とする)、先天性欠損、妊娠関連糖尿病、妊娠時の子癇前症および高血圧症、腎疾患(腎機能不全、腎不全等)、神経疾患(糖尿病性ニューロパシー)、表在性および全身性の真菌感染、うっ血性心不全、痛風/高尿酸血症、肥満症、高グリセリド血症、高コレステロール血症、脂肪肝疾患(非アルコール性脂肪性肝炎またはNASH)、および糖尿病性類脂肪性類壊死(NLD)、糖尿病の水疱(糖尿病性水疱症)、発疹型黄色腫症、指硬化症、播種性環状肉芽腫および黒色表皮腫などの糖尿病関連皮膚病が含まれる。
【0583】
[000546]一つの態様において、本発明は、ヒト対象の(a)I型糖尿病;(b)II型糖尿病;(c)グルコース不耐症;(d)高インスリン血症;(e)インスリン抵抗性;(f)腎症;(g)糖尿病性ニューロパシー;(h)糖尿病性網膜症;(i)脂肪肝状態;(j)MODY;および(k)心臓血管疾患を処置する、抑制する、阻害する、またはその発生率を減少させる方法であって、その対象に、式Iの化合物を投与する工程を含む方法を提供する。
【0584】
[000547]若干の態様において、本明細書中に記載の化合物および/またはそれを含む組成物は、糖尿病を有する対象に関連した疾患または状態の用途に、またはそれを処置するのに用いることができる。一つの態様において、本発明の方法によって処置が求められる対象は、I型糖尿病を有する対象である。I型糖尿病は、膵臓β細胞の自己免疫破壊を特徴とする。β細胞の免疫破壊のマーカーは、90%の個体の診断時に存在し、それには、膵島細胞への抗体(ICA)、グルタミン酸デカルボキシラーゼへの抗体(GAD)、およびインスリンへの抗体(IAA)が含まれる。この形の糖尿病は、通常、小児および青年に発症するが、それは、いずれの年齢でも起こりうる。一層若い個体は、典型的に、急速なβ細胞破壊速度を有し且つケトアシドーシスを示すが、成人は、しばしば、ケトアシドーシスを妨げるのに十分なインスリン分泌を何年間も維持する。結局は、I型糖尿病患者は全て、正常血糖を維持するのにインスリン療法を必要とする。
【0585】
[000548]一つの態様において、本発明は、II型糖尿病を処置する方法を提供する。II型糖尿病は、インスリン抵抗性と、病因の若干の段階での相対的インスリン分泌欠損を特徴とする。確実に、血漿インスリン濃度(空腹時および食事刺激時双方)は、通常は増加するが、インスリン抵抗性の重症度に「相対して」、血漿インスリン濃度は、正常グルコースホメオスタシスを維持するのに十分である。しかしながら、時間とともに、進行性β細胞不全があり、絶対的なインスリン欠乏が起こる。II型糖尿病を有する大部分の個体は、腹内(内臓)肥満、脂肪肝を示し、それは、インスリン抵抗性の存在と密接に関係している。患者の肝臓は、インスリン抵抗性になり、グリコーゲン分解は未制御であり、そしてその結果は、血流への増加した且つ非生理的なグルコース供給である。肝臓で生じるコレステロールおよびVLDL粒子も、未制御である。更に、高血圧症、異常脂血症(高トリグリセリドおよび低HDLコレステロールレベル;食後高脂血症)、およびPAI−1レベル上昇は、しばしば、これら個体に存在する。この異常クラスタリングを、「インスリン抵抗性症候群」または「代謝症候群」または肥満関連障害と称する。これら異常のために、II型糖尿病の患者は、心筋梗塞および卒中などの大血管合併症を発症する増加したリスクがある。
【0586】
[000549]一つの態様において、本発明は、糖尿病性腎症を処置する方法を提供する。糖尿病性腎症は、早期に、典型的には、糖尿病の臨床診断が行われる前に現れる糖尿病合併症である。腎症の最も早期の臨床徴候は、低いが異常なレベル(>30mg/日または20μg/分)の尿中アルブミンの出現(微量アルブミン尿)であり、次に、10〜15年間にわたって生じるアルブミン尿(>300mg/24時間または200μg/分)が現れる。1型糖尿病の患者の場合、糖尿病性高血圧症は、典型的に、早期に、患者が微量アルブミン尿を発症する時には明白になる。明白な腎症がいったん生じると、糸球体濾過量(GFR)は、数年間でありうる時間経過で降下して、糖尿病個体に末期腎疾患(ESRD)をもたらす。
【0587】
[000550]一つの態様において、本発明は、糖尿病性ニューロパシーを処置する方法を提供する。糖尿病性ニューロパシーは、糖尿病によって引き起こされる一群の神経障害である。糖尿病性ニューロパシーは、手、腕、足および下肢に、しびれ、そして時々、痛みおよび脱力を生じる。糖尿病の神経学的問題は、消化管、心臓および生殖器を含めたどの臓器系でも起こりうる。糖尿病性ニューロパシーは、末梢性、自律神経性、近位および巣状として分類される。末梢性ニューロパシーは、足指、足、下肢、手および腕に、痛みまたは感覚喪失を生じる。自律神経性ニューロパシーは、消化作用、腸および膀胱機能、性的反応および発汗の変化を引き起こし、そして更に、心臓を支え且つ血圧を制御する神経に影響することがありうる。近位ニューロパシーは、大腿、股関節部または臀部に痛みを生じ且つ下肢に脱力をもたらす。巣状ニューロパシーは、一つの神経または一群の神経の突然の衰弱を生じて、筋衰弱または痛みを引き起こす。体内のいずれの神経も、影響されることがありうる。
【0588】
[000551]一つの態様において、本発明は、糖尿病性網膜症を処置する方法を提供する。眼への糖尿病の作用を、糖尿病性網膜症と称する。糖尿病患者は、白内障および緑内障などの眼の問題を生じる可能性がある。視覚への糖尿病性網膜症の影響は、病期に依存して広く異なる。糖尿病性網膜症の若干の一般的な症状は、視朦(これは、しばしば、血糖レベルに関連している)、浮遊物および閃光、そして突然の視覚喪失である。
【0589】
[000552]一つの態様において、本発明の方法によって処置が求められる対象は、グルコース不耐症を有する対象である。グルコース不耐症は、血中グルコースが、正常よりは高いが、糖尿病の診断を認めるほど十分に高くはない前糖尿病状態である。
【0590】
[000553]一つの態様において、本発明の方法によって処置が求められる対象は、高インスリン血症を有する対象である。高インスリン血症は、過剰量のインスリンを膵臓に分泌させている基礎的問題の徴候である。高インスリン血症の最も一般的な原因は、身体が、インスリンの作用に抵抗性であり且つ膵臓が、より多くのインスリンを作ることによって代償しようとしている状態であるインスリン抵抗性である。
【0591】
[000554]一つの態様において、本発明の方法によって処置が求められる対象は、インスリン抵抗性を有する対象である。インスリン抵抗性は、正常量のインスリンが、脂肪、筋および肝の細胞から正常インスリン応答を生じるのに不適当である状態である。脂肪細胞のインスリン抵抗性は、ステロイドトリグリセリドの加水分解を生じ、それが、血漿中の遊離脂肪酸を上昇させる。筋のインスリン抵抗性は、グルコース吸収を減少させるが、肝のインスリン抵抗性は、グルコース貯蔵を減少させ、双方の作用が、血中グルコースを上昇させるのに役立つ。インスリン抵抗性によるインスリンおよびグルコースの高い血漿レベルは、しばしば、代謝症候群およびII型糖尿病をもたらす。
【0592】
[000555]糖尿病および肝臓肥満は、典型的に、脂質蓄積を促進する上昇したレベルの遊離脂肪酸(FFA)と、標的組織におけるインスリン抵抗性、すなわち、主に骨格筋および肝における減少したインスリン作用に関連している。インスリンの顕著な役割は、肝からのグルコース排出を減少させることである。FFAは、肝糖新生を刺激し、それ自体は、「肝自己調節」と称される代償過程である肝糖新生の減少によって平行にされる限りは、肝グルコース排出の増加をもたらすことはない。FFAは、インスリン分泌を刺激し、そしてインスリンは、グリコーゲン分解の誘発因子であるグルカゴンの分泌を阻害することによって、一部分、グリコーゲン分解をブロックする。しかしながら、長期間上昇したFFAレベルは、肝インスリン抵抗性をもたらし、それによって、肝自己調節の中断もたらして、増加したグルコース生産およびII型糖尿病の発症を引き起こす。脂肪肝および肝インスリン抵抗性は、高脂血症およびII型糖尿病の後にある主な推進力である。
【0593】
[000556]一つの態様において、本発明は、脂肪肝を阻害する(改善する)方法であって、肝のインスリン抵抗性を阻害し(改善し)、それによってII型糖尿病の根本的な問題を解決することを行う方法を提供する。
【0594】
[000557]別の態様において、糖尿病は、I型糖尿病である。別の態様において、糖尿病は、II型糖尿病である。
[000558]一つの態様において、本発明は、ヒト対象の糖尿病を処置する、抑制する、阻害する、またはその発生率を減少させる方法であって、その対象に、式Iの化合物またはその異性体、薬学的に許容しうる塩、医薬製品、水和物、N−オキシドまたはいずれかそれらの組合せを投与する工程を含む方法を提供する。
【0595】
[000559]別の態様において、糖尿病は、I型糖尿病である。別の態様において、糖尿病は、II型糖尿病である。
[000560]一つの態様において、本発明は、グルコース不耐症を有するヒト対象を処置する方法であって、その対象に、式Iの化合物またはその異性体、薬学的に許容しうる塩、医薬製品、水和物、N−オキシドまたはいずれかそれらの組合せを投与する工程を含む方法を提供する。
【0596】
[000561]一つの態様において、本発明は、ヒト対象の高インスリン血症を処置する方法であって、その対象に、式Iの化合物またはその異性体、薬学的に許容しうる塩、医薬製品、水和物、N−オキシドまたはいずれかそれらの組合せを投与する工程を含む方法を提供する。
【0597】
[000562]一つの態様において、本発明は、ヒト対象のインスリン抵抗性を処置する方法であって、その対象に、式Iの化合物またはその異性体、薬学的に許容しうる塩、医薬製品、水和物、N−オキシドまたはいずれかそれらの組合せを投与する工程を含む方法を提供する。
【0598】
[000563]一つの態様において、本発明は、ヒト対象の糖尿病性腎症を処置する方法であって、その対象に、式(I)の選択的アンドロゲン受容体モジュレーター化合物またはその異性体、薬学的に許容しうる塩、医薬製品、水和物、N−オキシドまたはいずれかそれらの組合せを投与する工程を含む方法を提供する。
【0599】
[000564]一つの態様において、本発明は、ヒト対象の糖尿病性ニューロパシーを処置する方法であって、その対象に、式(I)の化合物またはその異性体、薬学的に許容しうる塩、医薬製品、水和物、N−オキシドまたはいずれかそれらの組合せを投与する工程を含む方法を提供する。
【0600】
[000565]一つの態様において、本発明は、ヒト対象の糖尿病性網膜症を処置する方法であって、その対象に、式(I)の化合物またはその異性体、薬学的に許容しうる塩、医薬製品、水和物、N−オキシドまたはいずれかそれらの組合せを投与する工程を含む方法を提供する。
【0601】
[000566]一つの態様において、本発明は、ヒト対象の脂肪肝状態を処置する方法であって、その対象に、式(I)の選択的アンドロゲン受容体モジュレーター化合物またはその異性体、薬学的に許容しうる塩、医薬製品、水和物、N−オキシドまたはいずれかそれらの組合せを投与する工程を含む方法を提供する。
【0602】
[000567]一つの態様において、本発明は、ヒト対象の血管疾患を処置する方法であって、その対象に、式(I)の化合物またはその異性体、薬学的に許容しうる塩、医薬製品、水和物、N−オキシドまたはいずれかそれらの組合せを投与する工程を含む方法を提供する。
【0603】
[000568]一つの態様において、本発明は、(a)アテローム性動脈硬化症を処置する、予防する、抑制する、阻害する;(b)脂肪蓄積による肝損傷を処置する、予防する、抑制する、阻害する方法であって、対象に、本明細書中に記載の化合物および/またはその類似体、誘導体、異性体、代謝産物、薬学的に許容しうる塩、医薬製品、水和物、N−オキシド、プロドラッグ、多形、結晶またはいずれかそれらの組合せ、またはそれを含む組成物を、アテローム性動脈硬化症および脂肪蓄積による肝損傷を処置する、予防するまたは阻害する有効量で投与する工程を含む方法を提供する。
【0604】
[000569]一つの態様において、本明細書中に記載の化合物は、(a)アテローム性動脈硬化症を処置する、予防する、抑制する、阻害する;(b)脂肪蓄積による肝損傷を処置する、予防する、抑制する、阻害する場合に有用である。
【0605】
[000570]一つの態様において、アテローム性動脈硬化症は、動脈の最内層への損傷で開始することがありうる緩慢で複雑な疾患を意味する。別の態様において、動脈壁への損傷の原因には、(a)血液中の上昇したコレステロールレベル;(b)高血圧;(c)喫煙;(d)糖尿病が含まれることがありうる。別の態様において、その状態は、喫煙が、アテローム性動脈硬化症を大きく悪化させ且つ冠状動脈、下肢の大動脈および動脈中でその成長を加速することがありうるという事実にもかかわらず、喫煙者に処置可能である。同様に、別の態様において、本発明の方法は、アテローム性動脈硬化症の増加したリスクを有する、早発性心臓血管疾患の家族歴を有する対象を処置する場合に有用でありうる。
【0606】
[000571]一つの態様において、脂肪蓄積による肝損傷は、肝の炎症に関連していることがありうるまたはそれをもたらすことがありうる脂肪肝を形成する肝細胞中の脂肪の蓄積を意味する。これは、肝の瘢痕形成および硬化を引き起こすことがありうる。瘢痕形成が広範囲になった時、それを、硬変と称する。
【0607】
[000572]別の態様において、脂肪は、肥満症として肝中に蓄積する。別の態様において、脂肪肝は、真性糖尿病、高血中トリグリセリド、およびアルコールの大量消費にも関連している。別の態様において、脂肪肝は、結核および栄養失調などのある種の病気、肥満症のための腸管バイパス手術、体内の過剰ビタミンA、またはバルプロ酸(商品名:Depakene/Depakote)およびコルチコステロイド(コルチゾン、プレドニゾン)などのある種の薬物の使用で起こることがありうる。時々、脂肪肝は、妊娠の合併症として起こる。
【0608】
[000573]一つの態様において、腎疾患を有する対象、具体的には、末期腎疾患(ESRD)を有する男性対象は、性腺機能低下に苦しみ、若干のものは、随伴性の中程度〜重症タンパク質・エネルギー栄養失調(PEM)を有し、それは、より高いEPO必要用量、より低いQOLスコア、およびより高い死亡率をもたらす。多くは、疲労、食欲欠如、筋衰弱等を含めた、性腺機能低下に関連した他の症状を有する。若干の態様において、本発明の処置方法は、腎疾患または障害によって対象にもたらされる、性腺機能低下に関連した症状を処置する場合に有用である。
【0609】
[000574]一つの態様において、糖尿病性腎症は、早期に、典型的には、糖尿病の臨床診断が行われる前に現れる糖尿病合併症である。腎症の最も早期の臨床徴候は、低いが異常なレベル(>30mg/日または20μg/分)の尿中アルブミンの出現(微量アルブミン尿)であり、次に、10〜15年間にわたって生じるアルブミン尿(>300mg/24時間または200μg/分)が現れる。1型糖尿病の患者の場合、糖尿病性高血圧症は、典型的に、早期に、患者が微量アルブミン尿を発症する時には明白になる。明白な腎症がいったん生じると、糸球体濾過量(GFR)は、数年間でありうる時間経過で降下して、糖尿病個体に末期腎疾患(ESRD)をもたらす。
【0610】
[000575]高血圧症は、腎疾患の別の共存因子である。若干の態様において、本発明による腎疾患の処置は、本発明の化合物と、高血圧症を処置する物質との共同処置を含んでよい。
【0611】
[000576]本発明の方法を含んで、本明細書中に記載の化合物および/または組成物で処置することができるアンドロゲン依存状態には、加齢に関連した状態が含まれる。一つの態様において、本明細書中に記載の化合物は、(a)加齢性機能低下(ARFD);(b)ARFDの逆転または予防;(c)年配者のARFDの逆転または予防;(d)ARFDで誘発される骨量減少またはオステオペニアの逆転または予防;(e)男性更年期、男性更年期性血管運動症状;(f)男性更年期性女性化乳房、筋強度/機能;(g)骨強度/機能;(h)怒り;(i)無力症;(j)慢性疲労症候群;(k)認知障害;および/または(l)認知機能を改善することに有用である。
【0612】
[000577]一つの態様において、本明細書中に記載の化合物は、(a)関節炎の予防、処置または逆転;(b)ベーチェット病(自己免疫血管炎)、滑液包炎、ピロリン酸カルシウム二水和物結晶(CPPD)、沈着症(偽性痛風)、手根管症候群、結合組織障害、クローン病、エーラース・ダンロス症候群(EDS)、線維筋痛、痛風、感染性関節炎、炎症性腸疾患(IBD)、若年性関節炎、全身性エリテマトーデス(SLE)、ライム病、マルファン症候群、筋炎、変形性関節症、結節性多発動脈炎、リウマチ性多発筋痛症、乾癬、乾癬性関節炎、レイノー現象、反射性交感神経性ジストロフィー症候群、ライター症候群、関節リウマチ、強皮症、シェーグレン症候群、腱炎または潰瘍性大腸炎などの関節炎状態の予防、処置または逆転;(c)自己免疫疾患を予防する、処置するまたは逆転させることなどの、炎症および関連障害を処置する場合に有用である。
【0613】
[000578]一つの態様において、本明細書中に記載の化合物は、筋質量減少、筋強度減少、虚弱、性腺機能低下、骨粗鬆症、オステオペニア、BMD減少および/または骨質量減少などのアンドロゲン剥奪療法(ADT)で誘発される副作用または急性疲労症候群(手術後)を含む医原作用の予防に有用である。
【0614】
[000579]一つの態様において、化合物および/または組成物および/またはそれらの使用方法は、ヒト対象の処置用であり、この場合、一つの態様において、対象は男性であり、または別の態様において、対象は女性である。
【0615】
[000580]一つの態様において、本発明の方法は、本発明の化合物を単独活性成分として投与することを含む。しかしながら、本発明の範囲内に更に包含されるのは、糖尿病および関連障害、ホルモン療法、ドライアイ、肥満症、前立腺癌を処置すること、前立腺癌の進行を遅延させること、および前立腺癌の再発を予防することおよび/または処置すること、男性用避妊;骨粗鬆症の処置、ADIFに関連した状態の処置、および慢性筋消耗の処置および/または予防の方法であって、それら化合物を、一つまたはそれを超える治療薬との組合せで投与することを含む方法である。これら物質には、LHRH類似体、可逆性抗アンドロゲン、抗エストロゲン、抗癌薬、5−αレダクターゼ阻害剤、アロマターゼ阻害剤、プロゲスチン、他の核内ホルモン受容体によって作用する物質、選択的エストロゲン受容体モジュレーター(SERM)、プロゲステロン、エストロゲン、PDE5阻害剤、アポモルフィン、ビスホスホネートおよび一つまたはそれを超える追加のSARMが組まれるが、これに制限されるわけではない。
【0616】
[000581]したがって、一つの態様において、本発明の方法は、本発明の化合物を、トログリタゾン、ロシグリタゾンまたはピオグリタゾンなどの糖尿病薬との組合せで投与することを含む。別の態様において、本発明の方法は、化合物を、LHRH類似体との組合せで投与することを含む。別の態様において、本発明の方法は、化合物を、可逆性抗アンドロゲンとの組合せで投与することを含む。別の態様において、本発明の方法は、化合物を、抗エストロゲンとの組合せで投与することを含む。別の態様において、本発明の方法は、化合物を、抗癌薬との組合せで投与することを含む。別の態様において、本発明の方法は、化合物を、5−αレダクターゼ阻害剤との組合せで投与することを含む。別の態様において、本発明の方法は、化合物を、アロマターゼ阻害剤との組合せで投与することを含む。別の態様において、本発明の方法は、化合物を、プロゲスチンとの組合せで投与することを含む。別の態様において、本発明の方法は、化合物を、他の核内ホルモン受容体によって作用する物質との組合せで投与することを含む。別の態様において、本発明の方法は、化合物を、選択的エストロゲン受容体モジュレーター(SERM)との組合せで投与することを含む。別の態様において、本発明の方法は、化合物を、プロゲステロンとの組合せで投与することを含む。別の態様において、本発明の方法は、化合物を、エストロゲンとの組合せで投与することを含む。別の態様において、本発明の方法は、化合物を、PDE5阻害剤との組合せで投与することを含む。別の態様において、本発明の方法は、化合物を、アポモルフィンとの組合せで投与することを含む。別の態様において、本発明の方法は、化合物を、ビスホスホネートとの組合せで投与することを含む。別の態様において、本発明の方法は、化合物を、一つまたはそれを超える追加のSARMとの組合せで投与することを含む。若干の態様において、本発明の方法は、化合物と、本明細書中の上に記載の物質を含む組合せ製剤を含む。若干の態様において、組合せ製剤は、例えば、当業者が容易に決定することができるように、処置される患者部分集団の要求、または具体的な疾患、疾患の重症度、年齢、性別または体重に依って異なった要求がありうる一人の患者の要求に対処するために、異なることがありうる。若干の態様において、本発明の方法は、一人の患者の要求に対処するテーラーメード医療(personalizedmedicine)方法
を含む。一つの態様において、異なった要求は、具体的な疾患、疾患の重症度、患者の全医学的状態または患者の年齢に依ることがありうる。若干の態様において、テーラーメード医療は、医学的介入の送達をより良く標的とするゲノムデータの適用である。テーラーメード医療の方法は、若干の態様において、本発明の新製品の発見および臨床試験における手段として役立つ。一つの態様において、テーラーメード医療は、具体的な疾患または状態への患者の素質を決定するのに役立ちうる臨床的に有用な診断手段の適用を包含する。若干の態様において、テーラーメード医療は、患者および健康個体双方の分子分析を利用して、製剤および診断薬の発見および開発の全段階を通して決定を導き;そしてこの情報を、改善された予防、診断、処置および監視の方法による正確で且つ上質な健康管理の一層有効な送達のために診療に適用する包括的アプローチである。
【0617】
[000582]式(I)の構造を特徴とする本発明の化合物は、部分プロゲステロン受容体(PR)アゴニスト活性を示した。若干の態様において、本発明は、PRアゴニストの投与によって軽減するまたは改善することができる疾患または状態の処置方法であって、一つの態様において、構造S−(I)で表されるS異性体であり、または別の態様において、構造R−(I)で表されるR異性体である式(I)の化合物の投与による方法を提供する。一つの態様において、式(I)の化合物は、次の適用のための、すなわち、月経を調節する;子宮内膜症、平滑筋腫、卵巣嚢胞、月経前症候群、貧血、月経困難症または骨盤内炎症性疾患などの良性プロゲスチン依存状態を処置するまたは予防する;または乳癌、卵巣癌、前立腺癌、子宮内膜癌、子宮頸癌、平滑筋肉腫または髄膜腫などのプロゲスチン応答性腫瘍を処置する有効量で投与することができる。
【0618】
[000583]若干の態様において、本発明は、プロゲスチン依存性疾患または状態の処置または改善を提供する。若干の態様において、「プロゲスチン依存性疾患」または「プロゲスチン依存状態」という用語は、その存在についてプロゲスチン活性に依存している、またはプロゲスチン活性によってそれが悪化する苦痛、障害または生理学的状態を意味する。
【0619】
[000584]若干の態様において、本発明は、プロゲスチン応答性腫瘍の処置または改善を提供する。若干の態様において、「プロゲスチン応答性腫瘍」という用語は、プロゲステロン受容体を含有する腫瘍であって、しかもその成長および/または転移可能性が、腫瘍内のプロゲステロン受容体へのプロゲスチンの結合によって刺激されるものを意味する。
【0620】
[000585]若干の態様において、式(I)の化合物は、動物またはヒトの雌性生殖周期中の受胎能を調節する、または若干の態様において、ヒト月経周期の不規則性を制御する、または商業用動物(例えば、魚、雌牛、ヒツジ、ブタ、ヤギまたはニワトリ)、実験用動物(例えば、サル、チンパンジー、ラット、マウスまたはモルモット)または家畜(イヌ、ネコ、フェレット、鳥、ウサギまたはウマ)の妊孕期を同期性にするまたは抑制する有効量で投与することができる。若干の態様において、式(I)の化合物は、月経流量を減少させることによって、貧血および月経困難症の処置または予防に有用である有効量で投与することができる。若干の態様において、式(I)の化合物は、月経前症候群、子宮内膜症、平滑筋腫(子宮類線維腫)および/または卵巣嚢胞の予防または処置のための有効量で投与することができる。更に、ファロピウス管の瘢痕形成が生じていることがありうる骨盤内炎症性疾患を有する、または以前に有していた対象の場合、式(I)の化合物を用いて、卵管妊娠が起こるかもしれない可能性を減少させることができる。
【0621】
[000586]若干の態様において、式(I)の化合物は、妊娠を妨げる有効量で投与することができる。このような投与は、若干の態様において、排卵前または性交前、または排卵後または性交後であってよい。若干の態様において、このような投与は、対象の胚着床を阻害する、または若干の態様において、対象の排卵を阻害する。
【0622】
[000587]若干の態様において、式(I)の化合物は、雌性子宮頸部成熟を誘発する有効量で投与することができる。子宮頸部成熟は、子孫を分娩・出産する準備、または頸管拡張子宮内膜掻爬術の準備でありうる。別の態様において、このような投与は、対象からの胚または胎児の娩出を誘発するために行われる。
【0623】
[000588]若干の態様において、式(I)の化合物のPRアゴニスト活性に向けられた適用のためのその投与は、単独であってよいし、または医薬組成物の一部分としてであってよく、その化合物および/またはそれを含む組成物は、本明細書中に記載のいずれかの態様を含むと理解することができる。当業者は、それに関連した状態を処置するのに最も適する投与経路を容易に理解するであろうし、そしてそれ自体、本明細書中の態様である。同様に、プロゲスチン依存性疾患または状態を処置することに関する投薬量決定、投与のタイミング、および処置の他の側面は、本明細書中に記載の「処置」という用語によって包含されるものを含めた、本明細書中に記載の処置のいずれの態様も含むことができる。
【0624】
[000589]本明細書中に記載のいずれかの化合物のいずれの使用も、本明細書中に記載のいずれかの疾患、障害または状態の処置に用いることができるし、しかも本発明の態様であるということは理解されるはずである。
【0625】
[000590]次の実施例を、本発明の好ましい態様を一層十分に詳しく説明するために与える。それらは、しかしながら、決して、本発明の広い範囲を制限すると解釈されるべきではない。
【実施例】
【0626】
実施例1
式(I)の化合物の(S)鏡像異性体の合成(図1A〜1L)
【0627】
【化69】
【0628】
[000591]
(2R)−1−メタクリロイルピロリジン−2−カルボン酸。D−プロリン(14.93g,0.13mol)を、71mLの2N NaOH中に溶解させ、氷浴中で冷却した;得られたアルカリ性溶液を、アセトン(71mL)で希釈した。メタクリロイルクロリド(13.56g,0.13mol)のアセトン溶液(71mL)および2N
NaOH溶液(71mL)を、同時に、氷浴中中のD−プロリン水溶液に40分間にわたって加えた。その混合物のpHを、メタクリロイルクロリドの添加の間中、10〜11℃で保持した。撹拌(3時間、室温)後、混合物を、真空中において35〜45℃で蒸発させて、アセトンを除去した。得られた溶液を、エチルエーテルで洗浄し、そして濃HClでpH2へと酸性にした。その酸性混合物を、NaClで飽和させ、EtOAc(100mLx3)で抽出した。合わせた抽出物を、Na
2SO
4上で乾燥させ、Celiteを介
して濾過し、真空中で蒸発させて、粗生成物を無色油状物として生じた。その油状物のエチルエーテルおよびヘキサンからの再結晶は、16.2(68%)の所望の化合物を無色結晶として与えた。mp102〜103℃(参考文献[214]mp102.5〜103.5℃)。この化合物のNMRスペクトルは、標題化合物の二つの回転異性体の存在を示した。
【0629】
1H NMR(300MHz,DMSO−d
6)δ第一回転異性体について5.28(s)および5.15(s),第二回転異性体について5.15(s)および5.03(s)(双方の回転異性体の合計2H,ビニルCH
2),第一回転異性体について4.48−4.44,第二回転異性体について4.24−4.20(m)(双方の回転異性体の合計1H,キラル中心(canter)にCH),3.57−3.38(m,2H,CH
2),2.27−2.12(1H,CH),1.97−1.72(m,6H,CH
2,CH,Me);
13C NMR(75MHz,DMSO−d
6)δ主要回転異性体について173.3,169.1,140.9,116.4,58.3,48.7,28.9,24.7,19.5:微少回転異性体について174.0,170.0,141.6,115.2,60.3,45.9,31.0,22.3,19.7;
IR(KBr)3437(OH),1737(C=O),1647(CO,COOH),1584,1508,1459,1369,1348,1178cm
−1;
[α]
D26+80.8°(c=1,MeOH);
C
9H
13NO
3の分析理論値:C59.00,H7.15,N7.65。実測値:C59.13,H7.19,N7.61。
【0630】
【化70】
【0631】
[000592]
(3R,8aR)−3−ブロモメチル−3−メチルテトラヒドロ−ピロロ[2,1−c][1,4]オキサジン−1,4−ジオン。100mLのDMF中のNBS(23.5g,0.132mol)の溶液を、窒素下室温の70mLのDMF中の(メチルアクリロイル)−ピロリジン(16.1g,88mmol)の撹拌溶液に滴加し、得られた混合物を3日間撹拌した。溶媒を真空中で除去し、黄色固体が沈殿した。その固体を、水中に懸濁させ、室温で一晩撹拌し、濾過し、乾燥させて、18.6g(81%)(乾燥時は更に少量の約34%)の標題化合物を黄色固体として生じた。mp152〜154℃(参考文献[214]S異性体についてmp107〜109℃)。
【0632】
【化71】
【0633】
[α]
D26+124.5°(c=1.3,クロロホルム);
C
9H
12BrNO
3の分析理論値:C41.24,H4.61,N5.34。実測値:C41.46,H4.64,N5.32。
【0634】
【化72】
【0635】
[000593]
(2R)−3−ブロモ−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン酸。300mLの24%HBr中のブロモラクトン(18.5g,71mmol)の混合物を、還流しながら1時間加熱した。得られた溶液を、ブライン(200mL)で希釈し、酢酸エチル(100mLx4)で抽出した。合わせた抽出物を、飽和NaHCO
3(100mLx4)で洗浄した。その水溶液を、濃HClでpH=1へと酸性にし、それを、順次、酢酸エチル(100mLx4)で抽出した。合わせた有機溶液を、Na
2SO
4上で乾燥させ、Celiteを介して濾過し、真空中で蒸発乾固させた。トルエンからの再結晶は、10.2
g(86%)の所望の化合物を無色結晶として与えた。mp107〜109℃(参考文献[214]S異性体についてmp109〜113℃)。
【0636】
【化73】
【0637】
[α]
D26+10.5°(c=2.6,MeOH);
C
4H
7BrO
3の分析理論値:C26.25,H3.86。実測値:C26.28,H3.75。
【0638】
【化74】
【0639】
[000594]
(2R)−3−ブロモ−N−(3−クロロ−4−シアノフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパンアミドの合成。塩化チオニル(7.8g,65.5mmol)を、アルゴン雰囲気下の50mLのTHF中の(R)−3−ブロモ−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン酸(9.0g,49.2mol)の(4℃未満)冷却溶液に滴加した。得られた混合物を、同条件下で3時間撹拌した。これに、Et
3N(6.6g,65.5mol)を加え、同条件下で20分間撹拌した。20分後、4−アミノ−2−クロロベンゾニトリル(5.0g,32.8mmol)および100mLのTHFを加えた後、混合物を室温で撹拌させた。溶媒を、減圧下で除去して固体を生じ、それを、100mLのH
2Oで処理し、EtOAc(2x150mL)で抽出した。合わせた有機抽出物を、飽和NaHCO
3溶液(2x100mL)およびブライン(300mL)で逐次的に洗浄した。有機層を、MgSO
4上で乾燥させ、減圧下で濃縮して、固体を生じ、それを、カラムクロマトグラフィーから、EtOAc/ヘキサン(50:50)を用いて精製して、7.7g(49.4%)の標題化合物を褐色固体として生じた。
【0640】
[000595]
【0641】
【化75】
【0642】
【化76】
【0643】
[000596]
(S)−N−(3−クロロ−4−シアノフェニル)−3−(4−シアノフェノキシ)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパンアミドの合成。50mLのアセトン中のブロモアミド(2.0g,6.3mmol)、無水K
2CO
3(2.6g,18.9mmol)の混合物を、加熱して2時間還流させた後、減圧下で濃縮して、固体を生じた。得られた固体を、4−シアノフェノール(1.1g,9.5mmol)で処理し、そして50mLの2−プロパノール中の無水K
2CO
3(1.7g,12.6mmol)を加熱して3時間還流させた後、減圧下で濃縮して、固体を生じた。残留物を、100mLのH
2Oで処理後、EtOAc(2x100mL)で抽出した。合わせたEtOAc抽出物を、10%NaOH(4X100mL)およびブラインで逐次的に洗浄した。有機層を、MgSO
4上で乾燥させた後、減圧下で濃縮して、油状物を生じ、それを、カラムクロマトグラフィーにより、EtOAc/ヘキサン(50:50)を用いて精製して固体を生じた。その固体を、CH
2Cl
2/ヘキサンから再結晶させて、1.4g(61.6%)の(S)−N−(3−クロロ−4−シアノフェニル)−3−(4−シアノフェノキシ)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパンアミドを無色固体として生じた。
【0644】
[000597]
【0645】
【化77】
【0646】
理論質量:355.1,[M+Na]
+378.0。
Mp:103〜105℃。
【0647】
実施例2
シトクロムP450酵素の阻害
[000598]CYP酵素は、細胞の滑面小胞体中に局在するヘムタンパク質のスーパーファミリーである。これら酵素は、広い基質特異性を有し、薬物代謝に関与する主要な酵素群である。
【0648】
[000599]CYP阻害スクリーニング検定を、S−(I)、S−(II)およびS−(III)について行った。S−(I)が、CYP活性への何らかの阻害作用を示したかどうか
評価するために、CYPファミリーの5種類の主要酵素を、in vitro で評価した。ヒト
リコンビナントCYP酵素および蛍光基剤基質を用いて、CYP3A4、2D6、2C19、2C9および1A2に対するS−(I)のIC
50値を決定した。
【0649】
材料および方法:
リコンビナント酵素(蛍光基剤)検定
[000600]CYP阻害スクリーニング手順を、本質的には、製造者の取扱い説明書にしたがって行った(Gentest,BD Biosciences,Waltham, MA)。簡単にいうと、CYP酵素
阻害を、ヒトcDNAで発現されたCYP3A4、2D6、2C19、2C9および1A2酵素を用いて測定した。モデル基質クマリンの類似体を、各々のイソ酵素に利用した。7−ベンジルオキシトリフルオロメチルクマリン(BFC)を3A4に;3−[2−(N,N−ジエチル−N−メチルアミノ)エチル]−7−メトキシ−4−メチルクマリン(AMMC)を
2D6に;3−シアノ−7−エトキシクマリン(CEC)を
2C19および1A2に;そして7−メトキシ−4−トリフルオロ−メチルクマリン(MFC)を
2C9に。これら基質は、各々の基質の見掛けK
mまたはその付近において単一濃度(50μMかまたは75μM)で利用した。阻害検定に用いられた正対照阻害剤を、表1に示す。
【0650】
[000601]化合物原液(4:1比率のアセトニトリル:DMSOまたは生のアセトニトリル中の10mM)を調製し且つ希釈して、二重反復試験で8点用量反応曲線を与えた(0.15μM〜20.0μMの範囲の最終濃度)。アセトニトリルの濃度は、0.4%で一定に保持し、そして反応は、37℃で30分間行った。IC
50値は、酵素の触媒活性の50%阻害が生じる濃度として計算した。
【0651】
【表1】
【0652】
分析方法
[000602]蛍光強度は、Wallac1420 Victor
3 Multi-label Counter Model(Perk
in-Elmer,Wellesley, MA)を用いて、405nmの励起波長フィルターおよび460n
m(3A4および2C9基質には535nm)の発光フィルターで測定した。Nunc 商標
光学ボトム黒色96ウェルプレート(#265301)を、全ての検定に用い、そして1.0秒/ウェルのトップ読み取りを、全ての試料について行った。
【0653】
データ分析
[000603]二重反復試験平均値(バックグラウンドを差引く)を、Excelで決定し、そ
してIC
50値を、GraphPad Prism, v4.03で計算した。IC
50決定には、Y=Bottom+(Top−Bottom)/(1+10^((LogEC50−X)
*HillSlope))(式中、Xは、指定の化合物の対数濃度であり、Yは、応答である)として定義される非線形回帰方程式「シグモイド用量反応、可変勾配」を用いて、データを当てはめた。
【0654】
結果:
[000604]ケトコナゾール、キニジン、トラニルシプロミン(tranylcypromine)、ス
ルファフェナゾールおよびフラフィリン(furafylline)は、それぞれ、CYP3A4、
CYP2D6、CYP2C19、CYP2C9およびCYP1A2活性を強力に阻害して、有意のCYPに媒介される薬物:薬物相互作用について可能性を有する化合物を識別するためのこのinvitro CYPスクリーニング検定の有用性が示された。研究用置換アシ
ルアニリド化合物で、CYP3A4、CYP2D6またはCYP1A2を有意に阻害したものはなく、これらCYPイソ酵素による薬物:薬物相互作用は起こりそうにないということが示された。研究用置換アシルアニリド化合物の全てが、CYP2C9活性を適度に阻害したが、それら化合物で、スルファフェナゾールに類似した力価を示したものはなかった。意外にも、S−(I)だけが、CYP2C19を阻害できなかった。
【0655】
【表2】
【0656】
結論:
[000605]S−(II)およびS−(III)は、CYP2C9およびCYP2C19の中
程度の阻害を示した。意外にも、S−(I)は、CYP2C19またはCYP2C9をほとんど阻害しなかったので、S−(I)の独特の臨床的且つ治療的利点が示された。
【0657】
実施例3
SARMのアンドロゲン受容体結合親和性
材料および方法:
[000606]SARMのアンドロゲン受容体(AR)結合親和性を、invitro 競合的放
射性リガンド結合検定を用いることによって、高親和性ARリガンドである[17α−メチル−
3H]−Mibolerone([
3H]MIB,PerkinElmer)で決定した。リコンビナン
トアンドロゲン受容体リガンド結合ドメイン(ARLBD)を、緩衝液A(10mM Tris、pH7.4、1.6mM二ナトリウムEDTA、0.26Mスクロース、10mMモ
リブデン酸ナトリウム、1mM PMSF)中で[
3H]MIBと混合して、[
3H]MIBの平衡解離定数(K
d)を決定した。全および非特異的結合を決定するために、タンパク質を、増加濃度の[
3H]MIBと一緒に、高濃度の未標識MIBを含んでまたは含むことなくインキュベートした。次に、非特異的結合を、全結合から差し引いて、特異的結合を決定し、そして一部位飽和でのリガンド結合曲線について、SigmaPlotおよび非線形回帰を用いてグラフで示して、MIBのK
d(1.84nM)を決定した。更に、ARLBDを飽和するのに必要な[
3H]MIBの濃度を、4nMであると決定した。
【0658】
[000607]式(I)の化合物のS異性体(S−(I))を、10
−11〜10
−6Mの濃度範囲内で、上記の条件を用いて調べた。インキュベーション後、プレートを、Unifilter−96Harvester(PerkinElmer)上のGF/Bフィルターで採集し、そして氷冷緩衝
液B(60mMTris、pH7.2)で3回洗浄した。フィルタープレートを、室温で乾
燥後、36μlのMicroscint−Oカクテルを、各々のウェルに加え、TopSeal−Aで密封
した。次に、受容体結合放射性リガンドを、TopCount(登録商標)NXT Microplate ScintillationCounter(PerkinElmer)で決定した。
【0659】
[000608]SARMの各々の濃度での[
3H]MIBの特異的結合は、[
3H]MIBの非特異的結合(10
−6Mの未標識MIBと一緒にインキュベートすることによって決定される)を差し引くことによって決定し、そして各々のSARMの不存在下における特異的結合の百分率として表した。[
3H]MIB結合を60%であるIC
60値まで減少させるのに必要なSARM濃度は、標準曲線4パラメーターロジスティック曲線でのSigmaPlot および非線形回帰を含むデータをコンピューターに当てはめることによって決定
した。次に、各々の化合物の平衡結合定数(K
i)を、次の方程式
K
i=K
dxIC
60/(K
d+L)
(式中、K
dは、[
3H]MIBの平衡解離定数(1.84nM)であり、Lは、[
3H]MIBの濃度(4nM)である)
で決定した。
【0660】
結果:
[000609]式(I)の化合物[S−(I)]への結合親和性は、放射性リガンド結合検定において、ARLBDを受容体として、K
i(nM)=36.9で調べた。
【0661】
実施例4
S−(I)と他の核内ホルモン受容体との交差反応性
[000610]本発明の置換アシルアニリド化合物が、他の核内ホルモン受容体シグナリングに影響したかどうかを確かめるために、ERα−、ERβ−、GR−、PR−またはMRで媒介される転写活性化を刺激する(アゴニスト)または阻害する(アンタゴニスト)その比較能力を、他のアシルアニリドと比較した。
【0662】
材料および方法:
一時的トランスフェクション
[000611]ラットGR、MR、PR、ER−αおよびER−βを、個々に、pCR3.1ベクター主鎖中にクローン化した。配列決定を行って、いずれかの突然変異の不存在を示した。HEK−293細胞を、24ウェルプレートの、5%木炭ストリッピング済みFBSを補足したダルベッコの最少必須培地中に90,000個/ウェルでプレーティングした。それら細胞を、Lipofectamine(Invitrogen,Carlsbad, CA)を用いて、GR、M
RおよびPRには0.25μgのGRE−LUC、そしてER−αおよびER−βにはERE−LUC、各々の受容体には0.5ngのCMV−LUC(レニラルシフェラーゼ)および12.5〜25ngのそれぞれの発現ベクターでトランスフェクションした。細胞を、トランスフェクションから24時間後に、対照としての既知のアゴニスト(ERにエストラジオール;GRにデキサメタゾン;MRにアルドステロン;PRにプロゲステロン)の不存在下(アゴニスト様式)および存在下(アンタゴニスト様式)において、研究用置換アシルアニリドSARM化合物(S−I、S−IIおよびS−III)で処理した。ルシ
フェラーゼ検定は、トランスフェクションから48時間後に行った。転写活性化値は、レニラルシフェラーゼに規格化されたホタルルシフェラーゼとして表す。
【0663】
結果:
S−(III)の結果:
【0664】
【化78】
【0665】
[000612]ER−β、ER−α、GR、PRおよびMRへのS−(III)のアゴニスト
作用を調べ、そして既知のリガンドの活性と比較した。
図2に示されるように、S−(III)は、最高試験濃度(1μM)でも、ER−βまたはER−αを活性化することができ
なかったが、1nMエストラジオールは、ERα−およびERβで媒介されるトランス活性化を、それぞれ、3倍および5倍誘発した。
図2は、更に、S−(III)が、PR−、
GR−またはMRで媒介されるトランス活性化を活性化できないことを示している。S−(III)は、全ての試験濃度において、PR−、GR−またはMRで媒介されるトランス
活性化を誘発しなかったが、既知のリガンド(デキサメタゾン、プロゲステロンおよびアルドステロン)は、1nMの濃度で、GR、PRまたはMRの活性を、それぞれ、70倍、23倍および60倍誘発した。
【0666】
[000613]同様に、上述の受容体各々の既知のアゴニストの作用を阻害するS−(III
)の能力を調べた。
[000614]
図3は、ER−β−、ER−α−、GR−、PR−およびMRで媒介されるトランス活性化へのS−(III)のアンタゴニスト作用を要約する。指定の受容体および
該当する受容体コンストラクトでトランスフェクションされたHEK−293細胞を、滴定量のS−(III)で処理後、ER−βおよびER−αトランス活性化には1nMエスト
ラジオール、MRトランス活性化には1nMアルドステロン、GRトランス活性化には1nMデキサメタゾン、またはPRトランス活性化には1nMプロゲステロンで処理した。エストラジオールは、ER−β−およびER−αで媒介されるトランス活性化を、それぞれ、3倍および5倍増加させた。細胞と滴定量のS−(III)との共インキュベーション
は、エストラジオールで誘発されるER−βまたはER−α活性を変更できなかった。同様に、デキサメタゾンで誘発されるGR媒介トランス活性化およびアルドステロンで誘発されるMR媒介トランス活性化は、いずれの試験濃度でも、S−(III)で阻害されなか
った。
【0667】
[000615]S−(III)は、しかしながら、最高濃度(すなわち、1および10μM)
でPR活性を有意に阻害して、それがPRアンタゴニストとして機能しうるということを示し、更に、RU486(既知のPRアンタゴニスト)は、1nM濃度でPR活性を完全に阻害して、S−(III)について、RU486と比較して約10,000倍弱いアンタ
ゴニスト活性を示した。
【0668】
S−(II)の結果:
【0669】
【化79】
【0670】
[000616]ER−β、ER−α、GR、PRおよびMRへのS−(II)のアゴニスト作用を調べ、そして既知のリガンドの活性と比較した。S−(III)と同様、
図4に示され
るように、S−(II)は、最高試験濃度(1μM)でも、ER−βまたはER−αを活性化することができなかったが、1nMエストラジオールは、ERα−およびERβで媒介されるトランス活性化を、それぞれ、3倍および5倍誘発した。
図4は、更に、S−(II)が、PR−、GR−またはMRで媒介されるトランス活性化を活性化できないことを示している。S−(II)は、全ての試験濃度において、PR−、GR−またはMRで媒介されるトランス活性化を誘発しなかったが、既知のリガンド(デキサメタゾン、プロゲステロンおよびアルドステロン)は、1nMの濃度で、GR、PRまたはMRの活性を、それぞれ、70倍、23倍および60倍誘発した。
【0671】
[000617]上述の受容体各々の既知のアゴニストの作用を阻害するS−(II)の能力を、更に評価した。
[000618]
図5は、ER−β−、ER−α−、GR−、PR−およびMRで媒介されるトランス活性化へのS−(II)のアンタゴニスト作用を要約する。指定の受容体でトランスフェクションされたHEK−293細胞を、指定濃度のS−(II)で処理し、そして上のように、適当な受容体について既知のアゴニストで処理した。エストラジオールは、ER−β−およびER−αで媒介されるトランス活性化を、それぞれ、3倍および5倍増加させた。細胞と滴定量のS−(II)との共インキュベーションは、エストラジオールで誘発されるER−βまたはER−α活性を変更できなかった。同様に、デキサメタゾンで誘発されるGR媒介トランス活性化およびアルドステロンで誘発されるMR媒介トランス活性化は、いずれの試験濃度でも、S−(II)で阻害されなかった。S−(III)での場合
と同様に、S−(II)は、これら条件下において、試験濃度でER、GRまたはMRに拮抗できなかった。
【0672】
[000619]S−(II)は、S−(III)と同様に、試験された最高濃度(すなわち、1
および10μM)でPR活性を有意に阻害したが、しかしながら、それも、RU486と比較した場合、約10,000倍弱いアンタゴニスト活性を示した。RU486と比較されるGTx−830[GTx−832?、すなわち、S−(II)であるはず]。
【0673】
S−(I)の結果:
【0674】
【化80】
【0675】
[000620]ER−β、ER−α、GR、PRおよびMRへのS−(I)のアゴニスト作用を調べ、そして更に、既知のリガンドの活性と比較した(
図6)。S−(I)は、最高試験濃度(1μM)でも、ER−βまたはER−αを活性化することができなかったが、1nMエストラジオールは、ERα−およびERβで媒介されるトランス活性化を、それぞれ、3倍および5倍誘発した。S−(I)は、PR−、GR−またはMRで媒介されるトランス活性化を活性化できなかった。S−(I)は、全ての試験濃度において、GR−またはMRで媒介されるトランス活性化を誘発しなかったが、既知のリガンド(デキサメタゾンおよびアルドステロン)は、1nMの濃度で、GRまたはMRの活性を、それぞれ、70倍および60倍誘発した。しかしながら、S−(I)は、PRのトランス活性化を、1μMおよび10μMで、それぞれ、3倍および8倍増加させた。1nM濃度のプロゲステロンで23倍活性化されたPRは、S−(I)が、PRについて内因性アゴニストよりもはるかに10,000倍弱いということを示している。
【0676】
[000621]上述の受容体各々の既知のアゴニストの作用を阻害するS−(I)の能力を、更に、S−(II)およびS−(III)の場合と同様に調べた。
[000622]HEK−293細胞と、指定濃度のS−(I)との共インキュベーションは、エストラジオールで誘発されるER−βまたはER−α活性、デキサメタゾンで誘発されるGR媒介トランス活性化、またはアルドステロンで誘発されるMR媒介トランス活性化を変更できなかった。
【0677】
[000623]S−(II)およびS−(III)とは異なり、S−(I)は、PR活性を0.
1μMおよび10μM濃度で有意に部分阻害したが、それは、PRで媒介されるトランス活性化を1μMで完全阻害した。RU486と比較した場合、S−(I)は、RU486よりも約1,000倍弱いPRアンタゴニストであった。
【0678】
[000624]S−(II)およびS−(III)は、ARに特異的であり、ERα、ERβ、
GRまたはMRの受容体媒介トランス活性化を刺激することも阻害することもできないし、しかもPRについて極端に弱いアンタゴニストであり、PRで媒介される転写活性化を阻害するのに、RU486よりも約10,000倍高い濃度を必要とすることが判明した。
【0679】
[000625]S−(I)は、同様に、ARに特異的であり、ERα、ERβ、GRまたはMRの受容体媒介トランス活性化を刺激することも阻害することもない。意外にも、S−(I)は、PRについて部分アゴニスト活性を示した。
【0680】
実施例5
無傷および去勢雄ラットにおけるS−(I)の臨床前アナボリックおよびアンドロゲン薬理。
【0681】
[000626]毎日経口強制飼養によって投与された式(I)の化合物のアナボリックおよびアンドロゲン効力を調べた。化合物(I)のS異性体
[S−(I)]を、本明細書中に記載のように合成し且つ調べた。
【0682】
材料および方法:
[000627]約200g体重の雄Sprague-Dawley ラットを、Harlan Bioproducts for S
cience(Indianapolis,IN)より購入した。それら被験動物を、12時間明/暗サイクル
において随意に利用可能な食餌(7012C LM−485 Mouse/Rat Sterilizable Diet, HarlanTeklad, Madison,WI)および水で維持した。動物用プロトコールは、Instit
utional AnimalCare によって概説され且つ承認されており、無傷の動物における式(I
)の化合物のアナボリック活性およびアンドロゲン活性を調べ、更には、急性精巣摘除(ORX)動物における用量反応評価を行った。慢性的(9日間)ORXラットにおける式(I)の化合物の再生作用を、同様に評価した。
【0683】
[000628]この研究用の試験製品を秤量し、そして適当な投薬濃度の調製用のPEG300(AcrosOrganics, NJ)で希釈された10%DMSO(Fisher)中に溶解させた。被
験動物は、2〜3匹/ケージの群で収容した。被験動物は、無作為に、4〜5匹/群から成る7群の内の一つに割り当てた。対照群(無傷およびORX)には、ビヒクルを毎日投与した。式(I)の化合物は、経口強制飼養により、0.01mg/日、0.03mg/日、0.1mg/日、0.3mg/日、0.75mg/日および1mg/日の用量で、無傷およびORX双方の群に投与した。適所で、被験動物を、研究の1日目に去勢した。式(I)の化合物での処置を、ORXから9日後に開始し、そして経口強制飼養によって9日間毎日投与した。
【0684】
[000629]被験動物を、麻酔下(ケタミン/キシラジン(xyalzine)、87:13mg/kg)で屠殺し、体重を記録した。更に、腹側前立腺、精嚢および肛門挙筋を取り出し、個々に秤量し、体重に規格化し、そして無傷対照の百分率として表した。スチューデントT検定を用いて、個々の用量群を無傷対照群と比較した。有意性は、P値<0.05として演繹的に定義した。腹側前立腺および精嚢の重量を、アンドロゲン活性の尺度として評価し、肛門挙筋重量を、アナボリック活性の尺度として評価した。血液を、腹大動脈から採集し、遠心分離し、そして血清を、血清ホルモンレベルの決定前に、−80℃で凍結させた。黄体形成ホルモン(LH)および卵胞刺激ホルモン(FSH)の血清濃度を決定した。
【0685】
結果:
[000630]アンドロゲン組織(前立腺および精嚢)およびアナボリック組織(肛門挙筋)双方における式(I)の化合物の力価および効力を評価するための無傷および去勢ラットでの一連の用量反応研究を行った。無傷動物の場合、式(I)化合物処置は、前立腺および精嚢双方の重量の減少を生じたが、肛門挙筋重量は、有意に増加した。化合物(I)処置後の肛門挙筋重量は、0.01mg/日、0.03mg/日、0.1mg/日、0.3mg/日、0.75mg/日および1mg/日の用量後に、それぞれ、無傷対照の107%±5%、103%±7%、97%±7%、103%±5%、118%±7%および118%±7%であった。前立腺重量は、0.01mg/日、0.03mg/日、0.1mg/日、0.3mg/日、0.75mg/日および1mg/日の用量後に、それぞれ、無傷対照の103%±10%、99%±10%、58%±10%、58%±15%、65%±20%および77%±23%であった。これら結果は、現行アンドロゲン療法が、前立腺および乳房の腫瘍での増殖性アンドロゲン作用のために、若干の患者集団において禁忌であることから、有意である。しかしながら、これら集団中の多くの患者は、筋および骨におけるアンドロゲンのアナボリック作用から利益を得ることがありうると考えられる。式(I)の化合物は、組織選択的アナボリック作用を示したので、過去にアンドロゲンが禁忌であった患者群を処置することは可能でありうる。
【0686】
[000631]去勢されたORX動物の場合、化合物(I)処置後の前立腺重量は、0、0.01mg/日、0.03mg/日、0.1mg/日、0.3mg/日、0.75mg/日および1mg/日の用量後に、それぞれ、無傷対照の12%±2%、17%±6%、31%±3%、43%±15%、54%±17%、58%±10%および73%±12%であった(
図8)。同様に、精嚢重量は、0、0.01mg/日、0.03mg/日、0.1mg/日、0.3mg/日、0.75mg/日および1mg/日の用量後に、それぞれ、無傷対照の10%±2%、10%±3%、13%±4%、21%±6%、43%±8%、51%±9%および69%±14%であった(
図8)。有意の増加は、無傷対照と比較した場合、全ての用量群の肛門挙筋重量で認められた。肛門挙筋重量は、0、0.01mg/日、0.03mg/日、0.1mg/日、0.3mg/日、0.75mg/日および1mg/日の用量群にそれぞれ該当する無傷対照の40%±5%、52%±8%、67%±9%、98%±10%、103%±12%、105%±12%および110%±17%であった(
図8)。
【0687】
[000632]テストステロンプロピオネート(TP)およびS−3−(4−アセチルアミノフェノキシ)−2−ヒドロキシ−2−メチル−N−(4−ニトロ−3−トリフルオロメチルフェニル)プロピオンアミド(S−4)は、それぞれ、肛門挙筋重量を104%および101%へと最大限に刺激した。これらデータは、式(I)の化合物が、TPかまたはS−4よりも有意に大きい効力および力価を示したということを示している。全体として、これらデータは、式(I)の化合物が、テストステロンの存在下または不存在下で筋成長を刺激することができ、前立腺に抗増殖作用を及ぼすということを示している。これらデータは、式(I)の化合物が、骨量減少または悪液質を有する患者の筋質量減少を回復させるということを示している。更に、前立腺への式(I)の化合物の抗増殖作用は、現在アンドロゲンが禁忌である若干の患者にアナボリック薬を利用可能にすることができる。
【0688】
[000633]アナボリック比率は、去勢ラットの筋/前立腺重量を比較して得た。得られた値は、0.01mg/日、0.03mg/日、0.1mg/日、0.3mg/日、0.75mg/日および1mg/日の用量後に、それぞれ、3.02、2.13、2.27、1.90、1.83および1.51であった。
【0689】
[000634]1mg/日の化合物(I)を与えられた被験動物は、それぞれ、無傷対照値の77%±23%の前立腺重量および118%±7%の肛門挙筋重量を示した。式(I)の化合物は、精巣摘除後の前立腺重量を、無傷対照の73%±12%で、および肛門挙筋重量を、無傷対照の110%±17%で維持した。0.1mg/日の得られた用量の化合物(I)は、肛門挙筋重量を100%に回復させると考えられるが、このような用量は、43%±15%の前立腺重量を回復させるだけであると考えられる。
【0690】
実施例6
化合物Iの代謝安定性:
[000635]代謝安定性検定を、ヒト肝ミクロソームと一緒にインキュベートした場合の式(I)の化合物のin vitro 半減期を評価するために行った。固有クリアランス値を外
挿した。ヒト腸管上皮単層(Caco−2細胞)を越える化合物の透過性を、腸管透過性の尺度、更には、流出可能性の指標として評価した。Caco−2細胞は、しばしば、経口バイオアベイラビリティーの初期スクリーニング代用として用いられる。ミクロソーム半減期は、肝固有クリアランスを予測する手段としてのin vitro クリアランス値へと変換することができる。固有クリアランスは、薬物および他の化合物を代謝する肝の機能的能力として定義される。
【0691】
材料および方法:
ヒト肝ミクロソームで測定される代謝安定性:
[000636]本研究の式(I)の化合物を、0.6μMの最終濃度でインキュベートした。ミクロソーム反応は、指定のところで、I期かまたは「I・II期」条件下で行った。化合物原液(10mM ACN)を、最初に、60μM濃度(60%ACN/H
2O中)に希釈して、100X溶液の「使用原液」を生じた。ヒト肝ミクロソームは、0.6mg/mlの最終濃度で利用した。二重反復試験ウェルを、各々の時点(0、6分、10分、30分および60分)に用いた。反応は、振とう水浴中において37℃で行い、溶媒の最終濃度を、0.6%で一定に保持した。各々の反応の最終容量は、368μlの100mM
KPO
4緩衝液(pH7.4);12.6μlのHLM(20mg/ml原液より);6μlの100X「使用原液」薬物化合物、および126μlのNRS「マスターミックス」溶液を含んで成る600μlであった。各々の時点で、100μlの反応を取り出し、そして100μlの氷冷100%ACN(内部標準を加える)が入っている試料ウェルに加えて、反応を止めた。NRS「マスターミックス」は、製造者の取扱説明書(BDBiosciences,Waltham, MA)によって調製されたグルコース6−リン酸デヒドロゲナーゼ、
NADP
+、MgCl
2およびグルコース6−リン酸の溶液である。各6.0mlのNRS「マスターミックス」原溶液は、3.8mlのH
2O、1.0mlの溶液「A」(Cat.#461220)および0.2mlの溶液「B」(Cat.#461200)を含有する。
ヒト肝ミクロソーム(ロット#0610279,Xenotech Corp.)は、60ドナーのプールであった。
【0692】
[000637]試料を、4℃において3,000rpmで10分間遠心分離して、破片および沈殿したタンパク質を除去した。引き続き、約160μlの上澄みを、分析用の新しい試料ブロックへと移した。各々のウェル中に残っている親薬物の濃度(反応開始時の「0」時に対する残留%として表される)を、下に詳述されるLC/MSによって測定した。固有クリアランス速度(CLint)を、ミクロソームタンパク質濃度の関数として、一次崩壊速度論に基づき、0〜60分から計算した。
【0693】
ヒト腸管上皮単層を越える透過性:
[000638]透過性は、分極したCaco−2上皮単層を越える頂端(pH6.6)〜側底
(pH7.4)方向および側底(pH7.4)〜頂端(pH6.6)方向で測定した。化合物原液(10mMアセトニトリル)を、研究において、10μMの最終濃度で調べた。レシーバーウェル中の薬物濃度は、LC/MS/MSによって、標準曲線を用いて測定した。各々の化合物の見掛け透過性(Papp)を計算し、そして値(A〜B)を、不十分(Papp:<1)、低(Papp1〜2)、中程度(Papp2〜10)または高(Papp>10)のように分類した。
【0694】
Papp(x10
−6cm/秒)=輸送量/(面積
*初期濃度
*時間)
Papp(cm/秒)=[V/(A
*Ci)]
*(Cf/T)
V=受容体室の容量(mlまたはcm
3)
A=膜インサートの面積(cm
2)
Ci=薬物の初期濃度(μM)
Cf=薬物の最終濃度(μM)
T=検定時間(秒)
分析方法:
[000639]全ての試料を、MDS/SciexAPI4000Q Trap システムにおいて、
化合物に依存して正または負SIM様式のエレクトロスプレーイオン化(ESI)で分析した。移動相は、0.4mL/分の流速を有する30%A(水中の0.1%ギ酸)および70%B(アセトニトリル中の0.1%ギ酸)で無勾配であった。PhenomenexLuna Phenyl-Hexyl カラム(60x2.0mmID,6μ)を用いた。注入容量は、10μLであ
った。試料毎の総運転時間は、1.6〜3.0分であった。タモキシフェンおよびジクロフェナクを、それぞれ、正および負様式の内部標準として用いた。各々の時点後に残留する親薬物化合物の百分率は、反応開始時(T
0分)の初期測定濃度に相対して決定した。
【0695】
データ分析:
[000640]半減期決定には、GraphPadPrism, v4.03を用いて、Y=スパン
*ex
p(−K
*X)+プラトー(一次速度定数Kでのプラトーへの崩壊)として定義される非線形回帰方程式「一相指数崩壊(one phaseexponential decay)」で、データを当ては
めた。「−K」は、曲線の勾配である。半減期(分)T
1/2=ln0.6/−K、したがって、−0.693/−Kまたは0.693/K、a/k/a−0.693/勾配と定義される。固有クリアランス(μl/分/mgタンパク質)は、CL
int=0.693
*(1/T
1/2)
*(mlインキュベーション/mgタンパク質)
*1000と定義される。この方程式は、(K
*1000)/ミクロソーム濃度として表すこともできる。
【0696】
結果:
【0697】
【表3】
【0698】
[000641]それら結果は、ミクロソーム検定によって決定されるin vitro 半減期が、
I期およびI/II期双方の代謝条件下にあるその式(I)の化合物を示したということを示した。表3に示されるように、その化合物は、10μl/分/mgより大きい固有クリアランス(CL
int)値を示さなかった。概して、10μl/分/mgタンパク質未満のinvitro CL
int値は、試験化合物の好都合な代謝安定性を示しているということ
が認められる。式(I)の化合物は、ヒト肝ミクロソームにおいて低クリアランスを示した。結論として、本明細書中に報告されたデータに基づき、式(I)の化合物は、invivo 研究で好都合な代謝安定性を示した。
【0699】
実施例7
イヌにおける化合物(I)の薬物動態
[000322]式(I)の化合物のS異性体の薬物動態を確かめるために、その化合物を、ビーグル犬に経口投与し、そして循環血漿レベル、終末排出半減期(terminalelimination haf-life)(t
1/2)、全身クリアランス(CL)、終末容量分布(Vz)および
絶対バイオアベイラビリティー(F%)(表4)を決定した。化合物(I)は、速やかに且つ完全に代謝された。
【0700】
【表4】
【0701】
[000642]本発明が、具体的に示され且つ本明細書中の上に記載されたことによって制限されないということは、当業者に理解されるであろう。むしろ、本発明の範囲は、請求の範囲によって定義される。