(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-52923(P2017-52923A)
(43)【公開日】2017年3月16日
(54)【発明の名称】肝油の製造方法
(51)【国際特許分類】
C11B 3/10 20060101AFI20170224BHJP
A23D 9/02 20060101ALI20170224BHJP
C11B 1/02 20060101ALI20170224BHJP
C11B 3/16 20060101ALI20170224BHJP
C11B 7/00 20060101ALI20170224BHJP
【FI】
C11B3/10
A23D9/02
C11B1/02
C11B3/16
C11B7/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】書面
【全頁数】4
(21)【出願番号】特願2015-195007(P2015-195007)
(22)【出願日】2015年9月8日
(71)【出願人】
【識別番号】515273184
【氏名又は名称】株式会社スクワラン本舗
(72)【発明者】
【氏名】宮城 光秀
【テーマコード(参考)】
4B026
4H059
【Fターム(参考)】
4B026DC01
4B026DG14
4B026DP10
4B026DX01
4H059AA06
4H059BC42
4H059CA02
4H059CA05
4H059CA06
4H059CA21
4H059CA72
4H059CA94
4H059CA97
4H059DA09
(57)【要約】 (修正有)
【課題】生臭味のない高単位のビタミンを含有し、且つ重金属及びヒ素が除去された、高純度で安全性の高い精製肝油の製造方法の提供。
【解決手段】海産動物の内蔵から取出した肝臓(不図示)を第1槽1の微粒子粉砕機によりを微粒子液にし、この微粒子液を第2槽2に溜め、この第2槽において微粒子液を短時間放置し、微粒子液を油状物と残物とに分離させ、更に第3槽3で冷凍の状態で溜め、純粋な油状物のみを抽出し、第4槽4へ移し、この油状物を濾過機で繰返し濾過し、更に第5槽5の攪拌機にて粒子の細かい活性炭と一緒に撹拌処理することにより精製肝油を製造する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
簡素な工程により、安心で安全な高純度に精製した生臭味のない高単位のビタミンを含有する肝油の製造方法において、海産動物の内蔵から取出した肝臓を第1槽に入れた後、微粒子粉砕機により肝臓を微粒子液にし、この第1槽内の微粒子液を第2槽に溜め、この第2槽において微粒子液を短時間放置し、微粒子液を油状物と残物とに分離させ、更に第3槽で冷凍の状態で溜め、純粋な油状物のみを濾過槽へ移し、繰返し濾過し、撹拌機に粒子の細かい活性炭と撹拌することを特徴とする肝油の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は海産動物の肝臓を生臭味のない高単位のビタミンを含有する安心・安全な肝油の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、肝油の製造方法においては、昔ながらの製造方法によると、サメ、タラ等の肝臓を50から60度、あるいはそれ以上の温度により加熱処理して、肝油を採取したり、あるいは真空蒸留と分別蒸留を組み合わせたり、または化学的にアルカリ消化法がある。このような肝油採取方法では肝油の品質に大きな問題があった。つまり、サメ、タラ等の肝臓には高単位ビタミンA・Eを多く含有しているが前者においては加熱によりビタミンが破壊され、高単位のビタミンA・Eを得られないという欠点がある。また化学処理においても純度において低下させるものであり、品質面と安全性にも大きな問題を含んでいる。
【0003】
斯かる問題においては、既に熱処理をしないで肝油を製造するという方法がある。この方法は熱処理とは全く逆の技術思想に基づくものである。つまり、肝油の採取において冷凍処理を行うという方法がある。この発明は昭和59年に完成しているので具体的に説明する。これによると、深海ザメの肝臓を粉砕機で粉砕した懸濁液となし、−25℃から−50℃の雰囲気で懸濁液を冷凍し、10日間静置後、自然解凍させる。常温下で生成した液状物の表面における粘性の固形物などを除去し、底部層に分かれた水分や不純物を分離し、得られた油状物に芒硝を加え、真空ろ過して透明な精製肝油が得られるというものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】 特開平09−087655号 公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前記するような冷凍処理方法においては、肝臓の混濁液を一度凍らせた後、これを再び解凍するものである。このような工程では、ある程度の液状物の表面における粘性の固形物などを除去し、底部層に分かれた水分や不純物しか取れない。
【0006】
本発明は、高純度に精製した生臭味のない高単位のビタミンを含有する肝油の製造方法に撹拌機に粒子の細かい活性炭と撹拌することを組み合わせることで、重金属、ヒ素まで除去することができ、高純度で安全性の高い精製肝油ができる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は斯かる目的を達成するために、この工程により、高純度に精製した生臭味のない高単位のビタミンを含有する肝油の製造方法に撹拌機に粒子の細かい活性炭と撹拌することを組み合わせる肝油の製造方法において、海産動物の内蔵から取出した肝臓を第1槽の微粒子粉砕機によりを微粒子液にし、この微粒子液を第2槽に溜め、この第2槽において微粒子液を短時間放置し、微粒子液を油状物と残物とに分離させ、更に第3槽で冷凍の状態で溜め、純粋な油状物のみを抽出し、濾過槽4へ移し、この油状物を濾過槽4で繰返し濾過し、5層で撹拌機に粒子の細かい活性炭と撹拌することにある。
【発明の効果】
【0008】
以上の如く本発明における肝油の製造方法は、簡素な工程により、高純度に精製した生臭味のない高単位のビタミンを含有できる肝油の製造方法において、海産動物の内臓から取出した肝臓を第1糟に入れた後、微粒子粉砕機により肝臓を超微粒子液にし、この第1槽内の超微粒子液を第2槽に溜め、この第2槽において超微粒子液を短時間放置し、油状物と残物とを分離させ、油状物のみを濾過槽へ移し、油状物を繰返し濾過することにより、肝油の品質と歩留りを向上させ、大量かつ迅速に処理できるため、製品コストを安価にできるので有用性に優れた効果を奏するものである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明における肝油の製造方法の一実施例である各図を説明すると、
図1は本発明における肝油の製造方法の製造工程を示す概念図である。
図2は本発明おける肝油の前後のヒ素の所要値を示す分析結果表である。
【0011】
さらに詳しく本発明における肝油の製造方法において、その周辺技術を説明する。前記海産動物は例えばサメの中にはアイザメ、ユメザメ、ヘラツノザメ、ハシキザメ、ヨシキリザメ、シュモクザメなど、ねり製品の材科や皮、肝油に使われるがこれらサメの中でも、アイザメやユメザメ、ヘラツノザメは大きな肝臓を持ち、肝臓の含油量は実に60%を占め、豊富なビタミンA、E等を含有している。またサメ以外にもタラや鯨の肝臓にも豊富なビタミンAを含有している。この種の肝臓(不図示)を取り出し、この肝臓に多量に含まれる脂肪から肝油を製造する。すべての肝臓に対応でき無駄なく肝油を抽出し、重金属、ヒ素まで除去することができる製造方法である。
【0012】
また
図2に示す通り、分析結果表からも明らかに、肝油のヒ素の前後の所要値を示す成分の分析結果表が示している。
【符号の説明】
【0013】
1−第1槽
2−第2槽
3−第3槽
4−第4槽
5−第5槽