【実施例】
【0063】
次に本発明の実施例を比較例とともに詳しく説明する。
【0064】
〔5種類の第1の形態のATO粒子の製造〕
アンチモン酸水溶液と、四塩化錫とを混合し、この混合水溶液とアンモニア水溶液を、水に同時に滴下し、pHを調整して反応させる。生成した沈殿をイオン交換水によって繰り返し傾斜洗浄を行った。上澄み液の電気伝導度が20μS/cm以下になったところで、沈殿物(P/Sn共沈水酸化物)を濾別し、共沈アンチモン錫水酸化物を得た。固液分離したアンチモン錫水酸化物を、上述した第1〜第3の方法により、表面改質処理し、表1に示すように、5種類(No.1〜No.5)の第1の形態のATO粒子を得た。
【0065】
例えば、No.1のATO粒子は次の方法で製造した。先ず原料の塩化アンチモン(SbCl
3)水溶液(Sb1.9g含有)5.9gと、原料の四塩化錫(SnCl
4)40gとを混合し、この混合水溶液と水酸化ナトリウム(NaOH)水溶液を、水660mlに同時に滴下し、pH6に調整し、45℃の液温で30分間反応させた。次いで生成した沈殿をイオン交換水によって繰り返し傾斜洗浄を行った。上澄み液の電気伝導度が50μS/cm以下になったところで、沈殿物(Sb/Sn共沈水酸化物)を濾別し、共沈アンチモン錫水酸化物を得た。固液分離したアンチモン錫水酸化物を110℃で一晩乾燥した後、窒素中780℃で3時間焼成し、凝集体を粉砕してほぐし、ATO粒子約25gを得た。
【0066】
このNo.1のATO粒子の製造方法に準じて、原料と、反応時のpHと、反応時の温度と、焼成条件である温度を変更してNo.2〜No.5のATO粒子を得た。得られたNo.1〜No.5の5種類のATO粒子について、BET法による比表面積とL値を測定した。
【0067】
No.1〜No.5の5種類の第1の形態のATO粒子のBET法による比表面積は柴田科学社の装置(SA-1100)を用いて測定し、L値はスガ試験機社のカラーコンピュータ(SM-T)を用いて測定した。これらの測定結果も表1に示す。
【0068】
〔9種類の第1の形態のATO分散液の調製〕
表2に示すように、3種類の有機溶媒に上記No.1〜No.5の5種類の第1の形態のATO粒子のいずれかと、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステルからなる分散剤を加えて、湿式ビーズミルにより分散して、A〜Iの9種類のATO分散液を調製した。なお、表2において、MMBは3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノールを意味する。
【0069】
〔8種類の第1の形態の樹脂溶液の調製〕
表3に示すように、3種類の有機溶媒を用意し、バインダ樹脂としてのエチルセルロースとテルペンフェノール樹脂を、それぞれ、上記有機溶媒に入れて混合し、これを60℃の温度で加熱することによりバインダ樹脂を溶解して8種類の第1の形態の樹脂溶液を調製した。テルペンフェノール樹脂は前述したヤスハラケミカル社製の品番のものを使用した。なお、表3において、MMBは3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノールを、BCAはブチルカルビトールアセテートを、α−Tはα−テルピネオールをそれぞれ意味する。
【0070】
〔実施例1〜8と比較例1〜5の第1の形態のATO導電膜形成用組成物の調製〕
表4に示すように、8種類の第1の形態の樹脂溶液をそれぞれ希釈溶液で希釈し、25質量%の樹脂溶液にした後で、その中から所定の樹脂溶液を選定し、9種類のATO分散液の中から所定のATO分散液を選定し、選定した樹脂溶液と選定したATO分散液にフェノール系酸化防止剤、ヒンダードアミン系光安定剤、加水分解基を持つ有機ケイ素化合物、水からなる添加剤を混合し、自転公転ミキサーで攪拌分散することにより、実施例1〜8と比較例1〜5の第1の形態のATO導電膜形成用組成物を調製した。表4に示す「BCA」はブチルカルビトールアセテートで、「EtOH」はエタノールである。また表4では、加水分解基を持つ有機ケイ素化合物を含むATO導電膜形成用組成物の例として、実施例7、8をそれぞれ示している。表4に示す「モル比」は有機ケイ素化合物に含まれる加水分解基のモル数に対する水のモル数の割合をモル比で表したものである。
【0071】
〔実施例、比較例の組成分中の第1の形態の固形分の割合、ATO粒子及びATO粒子以外の割合〕
表4から実施例1〜8と比較例1〜5の組成分中の第1の形態の固形分の割合、ATO粒子及びATO粒子以外の割合をまとめた。これらの割合を表5に示す。
【0072】
〔実施例、比較例の組成分中のATO粒子及びATO粒子以外の割合、ATO粒子の物性、バインダ樹脂、分散剤の割合〕
表4から実施例1〜8と比較例1〜5の組成分中のATO粒子及びATO粒子以外の割合、ATO粒子の物性、バインダ樹脂、分散剤の割合をまとめた。これらの割合を表6に示す。
【0073】
〔第1の形態のATO導電膜の形成と印刷性の評価〕
実施例1〜8と比較例1〜5で得られた13種類の第1の形態のATO導電膜形成用組成物から組成物毎に第1の形態のATO導電膜を基材上に形成した。具体的にはこれらの組成物を、スクリーン印刷機(ミタニマイクロニクス社製、型番MEC-2400)を用いて、ポリエチレンテレフタレート(PET)のフィルム基材上と厚さ1mmのガラス上に40mm×40mmのサイズにそれぞれ印刷した。印刷後、大気雰囲気下、130℃で5分間乾燥することにより、13種類のATO導電膜を得た。このときの印刷性を評価した。印刷性の評価は、上記スクリーン印刷機により、印刷したときに印刷後の滲みの程度及びスクリーンの目詰まりの程度を目視により判定した。印刷後の滲み及びスクリーンの目詰まりを生じないものを「良好」とし、印刷後の滲みを生じるものを「やや不良」とし、スクリーンの目詰まりを生じるものを「不良」とした。この結果を表7に示す。
【0074】
〔第1の形態のATO導電膜の評価〕
上記方法で形成された13種類の第1の形態のATO導電膜について、次の項目の評価試験を行った。
【0075】
(1) 基材への密着性
フィルム基材上のATO導電膜に対して、碁盤目法(JISK5600-5-6に準拠)によって基材への密着性を調べた。なお、密着性試験においては、100個の碁盤目のうち、試験後に剥がれずに残存したマス目の数を分子に示し、その密着性の評価とした。具体的には100個のマス目がすべて残存した場合、100/100で表し、20マス目が剥がれて80マス目が残存した場合、80/100で表す。これらの結果を表7に示す。
【0076】
(2) 透明性
ガラス基材に成膜した膜を、ヘーズメータ(スガ試験機製、型番HZ-2)を用いて全光線透過率とヘーズを求め、ATO導電膜の透明性を測定した。なお、表に記載の全光線透過率は、基材込みの数値であり、基材のみの全光線透過率は、89%、同ヘーズは、0.03%であった。これらの結果を表7に示す。
【0077】
(3) 導電性と高温高湿下における表面抵抗率の変化
三菱化学アナリテック製ハイレスタ(型番:MCP−HT450)を用いて、ガラス基材に作製した直後のATO導電膜の表面抵抗率(初期の抵抗率)を測定し、導電性を評価した。その後、耐熱試験としては85℃に調整された室内に24時間保管した後、初期抵抗率を測定した箇所と同一箇所の表面抵抗率の変化率を下記の式に基づいて求めた。
変化率(%)= [(加熱後表面抵抗率−初期表面抵抗率)/ 初期表面抵抗率]×100
また耐湿試験としては相対湿度90%で温度60℃に調整された室内に24時間保管した後、初期抵抗率を測定した箇所と同一箇所の表面抵抗率を測定し、その変化率を下記の式に基づいて求めた。
変化率(%)= [(加湿後表面抵抗率−初期表面抵抗率)/ 初期表面抵抗率]×100
これらの結果を表8に示す。
【0078】
(4) ATO導電膜の組成分析
ATO導電膜の組成を分析は、ATOを除いた成分の塗料を作製し、塗料をガラスに成膜し、堀場製作所製のFT−IRにて測定した。まず、実施例1の組成から、ATOを除いた溶液を作製し、この溶液のFT−IRを測定した。次に、この溶液をスクリーン印刷でガラスに成膜し、溶媒を除去した膜のFT−IRを測定した。溶液と膜のエチルセルロースとテルペンフェノール樹脂のピーク比が同一であることを確認し、仕込みの組成と膜の組成が同一であることを確認できた。
【0079】
【表1】
【0080】
【表2】
【0081】
【表3】
【0082】
【表4】
【0083】
【表5】
【0084】
【表6】
【0085】
【表7】
【0086】
【表8】
【0087】
表7及び表8から明らかなように、比較例1では、テルペンフェノール樹脂を含有しないため、ATO導電膜の基材への密着性が非常に悪かった。ATO分散液が2質量%と低濃度であるため、組成物のスクリーン印刷性に劣った。またATO分散液中のATO粒子が40質量%とATOの比率が低いため、ATO導電膜の初期の表面抵抗率が非常に大きく導電性に劣っていた。
【0088】
比較例2では、また固形分濃度が25%であるが、固形分中のATO濃度が50%とATOの比率が低いため、初期の表面抵抗率が非常に大きく導電性に劣っていた。また、エチルセルロースが含有していないため、スクリーン印刷性において劣っていた。
【0089】
比較例3では、テルペンフェノール樹脂の軟化点が110℃低いため、耐熱試験後の表面抵抗率変化が他のものに比べて悪い結果となっていた。また、分散剤量がATO粒子に対して多いため、表面抵抗率も悪かった。
【0090】
比較例4及び5では、ATO粒子の比表面積が37m
2/gと低いため、ATO導電膜のヘーズがやや大きく透明性に劣っていた。
【0091】
これに対して、実施例1〜8の組成物は、粘度を高くすることが可能であるエチルセルロースと、ブチルカルビトールアセテート又はα−テルピネオールの高沸点溶媒を含む組成物であることから、スクリーン性に優れる。更に、ペースト組成物100質量%中、ATO粒子を3〜45質量%含み、前記組成物の固形分100質量部に対して前記ATO粒子以外の成分を10〜52質量部含み、前記ATO粒子が40〜90m
2/gのBET法による比表面積と40〜60のL値を有し、前記バインダ樹脂が130〜160℃の軟化点を有するテルペンフェノール樹脂を含み、前記エチルセルロースと前記テルペンフェノール樹脂の質量比がエチルセルロース:テルペンフェノール樹脂=10〜80:90〜20であり、分散剤を前記ATO粒子100質量部に対して3〜20質量部を満たしていることから、ATO導電膜の基材への密着性、透明性、導電性、耐熱耐湿性に優れていていた。特に、実施例6の組成物は、フェノール系酸化防止剤を含有することで、耐熱性の向上を図ることができた。また、実施例7〜8の組成物は、加水分解基を含有する有機ケイ素化合物と水を含むことで、耐湿性並びに密着性の更なる向上を図ることができた。
【0092】
〔6種類の第2の形態のATO粒子の製造〕
6種類の有機ケイ素の加水分解物を被覆したATO粒子(以下、被覆ATO粒子という。)をすべて上述した(a−2)の方法により作製した(No.6〜No.11)。
【0093】
No.6の被覆ATO粒子:テトラエトキシシラン1.7g(SiO
2換算量でATO粒子に対して0.5質量部)、エタノール130gを25℃で撹拌混合し、硝酸0.1g、水3.4gを25℃で撹拌混合した液を添加し、60℃の温度で1時間加熱撹拌した。室温まで冷却した上記液に、ATO粒子100gを添加し、1時間、撹拌混合した後、スラリー中の液体分を加熱し蒸発させた。これによりNo.6の被覆ATO粒子を得た。
【0094】
No.7の被覆ATO粒子:テトラメトキシシラン7.6g(SiO
2換算量でATO粒子に対して3.0質量部)、エタノール50gを25℃で撹拌混合し、硝酸0.1g、水7.6gを25℃で撹拌混合した液を添加し、60℃の温度で1時間加熱撹拌した。ATO粒子100gを撹拌機で撹拌しながら、上記液を少量ずつ滴下しながら、全量添加した。回収後、液体分を加熱し蒸発させた。これによりNo.7の被覆ATO粒子を得た。
【0095】
No.8の被覆ATO粒子:テトラブトキシシランを37.4g(SiO
2換算量でATO粒子に対して7.0質量部)、エタノール120g、硝酸3.0g、水15.0にて、No.17の被覆ATO粒子の作製方法と同様にして、No.8の被覆ATO粒子を得た。
【0096】
No.9の被覆ATO粒子:テトラエトキシシランを34.7g(SiO
2換算量でATO粒子に対して10.0質量部)、エタノール150g、硝酸3.0g、水18.0にて、No.17の被覆ATO粒子の作製方法と同様にして、No.9の被覆ATO粒子を得た。
【0097】
No.10の被覆ATO粒子:テトラエトキシシランの3〜5量体を29.4g(SiO
2換算量でATO粒子に対して15.0質量部)、エタノール150g、硝酸3.0g、水18.0にて、No.17の被覆ATO粒子の作製方法と同様にして、No.10の被覆ATO粒子を得た。
【0098】
No.11の被覆ATO粒子:テトラエトキシシランの3〜5量体を39.2g(SiO
2換算量でATO粒子に対して20.0質量部)、エタノール150g、硝酸3.0g、水18.0にて、No.17の被覆ATO粒子の作製方法と同様にして、No.11の被覆ATO粒子を得た。
【0099】
上記方法で得られたNo.6〜No.11の被覆ATO粒子を表9に示す雰囲気下及び温度で、それぞれ4時間乾燥した。得られた被覆ATO粒子のBET法による比表面積を柴田科学社の装置(SA-1100)を用いて測定した。この測定結果を表9に示す。また、得られた被覆ATO粒子中のSi量をICPで測定し、仕込み値と同じであることを確認した。
【0100】
〔6種類の第2の形態のATO分散液の調製〕
表10に示すように、有機溶媒の3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール(MMB)に上記No.6〜No.11の6種類の第2の形態の被覆ATO粒子のいずれかと、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステルからなる分散剤を加えて、湿式ビーズミルにより分散して、J〜Oの6種類のATO分散液を調製した。
【0101】
〔実施例9〜14と比較例6の第2の形態のATO導電膜形成用組成物の調製〕
第1の形態の樹脂溶液dと、上記6種類の第2の形態の分散液と、希釈媒体としてのブチルカルビトールアセテート(BCA)とを表11に示す割合で混合し、自転公転ミキサーで攪拌分散することにより、実施例9〜14と比較例6の第2の形態のATO導電膜形成用組成物を調製した。実施例14では、添加剤としてフェノール系酸化防止剤のADEKA社製の製品名AO−20を表11に示す割合で添加した。
【0102】
〔実施例、比較例の組成分中の第2の形態の固形分の割合、ATO粒子及びATO粒子以外の割合〕
実施例9〜14と比較例6の組成分中の第2の形態の固形分の割合、ATO粒子及びATO粒子以外の割合をまとめた。これらの割合を表12に示す。
【0103】
〔実施例、比較例の組成分中のATO粒子及びATO粒子以外の割合、ATO粒子の物性、バインダ樹脂、分散剤の割合〕
実施例9〜14と比較例6の組成分中のATO粒子及びATO粒子以外の割合、ATO粒子の物性、バインダ樹脂、分散剤の割合をまとめた。これらの割合を表13に示す。
【0104】
〔第2の形態のATO導電膜の形成と組成物の印刷性と第2の形態のATO導電膜の評価〕
実施例9〜14と比較例6で得られた6種類の第2の形態のATO導電膜形成用組成物から組成物毎に第2の形態のATO導電膜を第1の形態と同じ方法で基材上に形成し、第1の形態と同様に組成物の印刷性と、第2の形態のATO導電膜の基材への密着性、透明性、及び導電性と高温高湿下における表面抵抗率の変化の評価を行った。高温下における表面抵抗率の変化率は、85℃に調整された室内に72時間保管した後で、第1の形態と同様に求めた。また高湿下における表面抵抗率の変化率は、相対湿度90%で温度60℃に調整された室内に72時間保管した後で、第1の形態と同様に求めた。それ以外の項目の評価方法は第1の形態の評価方法と同じである。これらの結果を表14及び表15に示す。
【0105】
〔第2の形態のATO導電膜の耐光性の評価〕
上記方法で形成された6種類の第2の形態のATO導電膜の耐光性について評価した。具体的には、基材上に形成されたATO導電膜を相対湿度50%で温度63℃に調整された室内に置き、このATO導電膜に紫外線照射装置(岩崎電気製、アイ スーパーUVテスター SUV-W16)を用いて、照度0.15W/cm
2、積算光量270J/cm
2の紫外線を30分間照射した。照射前の初期の表面抵抗率と照射後の表面抵抗率を測定し、その変化率を下記の式に基づいて求めた。
変化率(%)= [(UV照射後表面抵抗率−初期表面抵抗率)/ 初期表面抵抗率]×100
この結果を表16に示す。
【0106】
【表9】
【0107】
【表10】
【0108】
【表11】
【0109】
【表12】
【0110】
【表13】
【0111】
【表14】
【0112】
【表15】
【0113】
【表16】
【0114】
表9〜表16から明らかなように、比較例6では、有機ケイ素の加水分解物の被覆量を20.0質量部(表9)のNo.11のATO粒子を用いてATO分散液を作製し、かつそのATO粒子の比表面積が42m
2/g(表9)であったため、その分散液で得られたATO導電膜の透明性評価である全光線透過率が84.0%(表14)と低く、またヘーズが3.2%と高かった。また、初期の表面抵抗率は、ハイレスタの測定レンジを超えており(表16)中には「Over」と記載。)導電性を発現できなかった。
【0115】
これに対して、実施例9〜14の組成物は、粘度を高くすることが可能であるエチルセルロースと、ブチルカルビトールアセテート又はα−テルピネオールの高沸点溶媒を含む組成物であることから、スクリーン性に優れていた。更に、ペースト組成物100質量%中、ATO粒子を14.0〜31.5質量%含み、前記組成物の固形分100質量%中、前記ATO粒子以外の成分を10.0〜30質量%含み、前記ATO粒子が45〜95m
2/gのBET法による比表面積を有し、前記バインダ樹脂が160℃の軟化点を有するテルペンフェノール樹脂を含み、前記エチルセルロースと前記テルペンフェノール樹脂の質量比がエチルセルロース:テルペンフェノール樹脂=30:70又は20:80であり、分散剤を前記液ATO粒子100質量部に対して5質量部であることから、実施例35〜40の組成物から作られたATO導電膜の基材への密着性、透明性、導電性、耐熱耐湿性に優れていた。特に、これらの実施例9〜14の組成物から作られたATO導電膜の紫外線照射前後の変化率が−10%以内であり、耐光性に優れていた。