【課題】本発明の目的は、複数の圧力検出を行うダイヤフラムを使用した圧力スイッチモジュールにおいて、配線あるいは検出ICを簡素化できる圧力スイッチモジュールを提供することである。
【解決手段】圧力スイッチモジュール200は、作動媒体の圧力に応じて反転動作するダイヤフラム111、及び、ダイヤフラム111の反転動作に応じて所定のパラメータを出力する1対の電極121、122をそれぞれ有する複数の圧力スイッチ100を備える。複数の圧力スイッチ100のそれぞれから出力される複数の1対の電極121、122の全てが1対の導線225に集約されて静電容量検出IC124に接続される。静電容量検出IC124は、複数の圧力スイッチ100のあらゆる組み合わせで異なる値になるように設定された所定のパラメータの変化量に基づき、複数の圧力スイッチ100の全てのON/OFFを検出するように構成される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
また、自動変速機に設けられている摩擦要素を作動させる作動油圧を制御する油圧制御装置も知られている。油圧制御装置は、作動油圧に応じてオンまたはオフする油圧スイッチから出力された信号に基づいて作動油圧を制御する。引用文献1には、複数の作動油圧を検出するために、複数の接点式の油圧スイッチ、ハウジング、接続回路、及び、板部材などを備える油圧スイッチモジュールが開示されている。
【0005】
引用文献1に示すような、複数の圧力検出を行うダイヤフラムを使用した圧力スイッチモジュールでは、複数の検出箇所に配置したそれぞれのダイヤフラムの圧力状態を把握する必要がある。その場合、各検出箇所を個別に測定し、また、個別に出力する必要があり、配線が複雑化するという問題がある。
【0006】
従って、本発明の目的は、複数の圧力検出を行うダイヤフラムを使用した圧力スイッチモジュールにおいて、配線を簡素化できる圧力スイッチモジュールを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の圧力スイッチモジュールは、作動媒体の圧力に応じて反転動作するダイヤフラム、及び、上記ダイヤフラムの反転動作に応じて所定のパラメータを出力する1対の電極をそれぞれ有する複数の圧力スイッチと、上記所定のパラメータに基づき上記複数の圧力スイッチの全てのON/OFFを検出する少なくとも1つの検出ICとを備え、上記複数の圧力スイッチの上記ダイヤフラムの反転動作の前後の上記所定のパラメータの変化量が、上記複数の圧力スイッチのあらゆる組み合わせで異なる値になるように設定され、上記複数の圧力スイッチのそれぞれから出力される複数の上記1対の電極の全てが1対の導線に集約されて上記少なくとも1つの検出ICに接続され、上記少なくとも1つの検出ICは、上記複数の圧力スイッチのあらゆる組み合わせで異なる値になるように設定された上記所定のパラメータの変化量に基づき、上記複数の圧力スイッチの全てのON/OFFを検出するように構成されることを特徴とする。
【0008】
また、上記複数の圧力スイッチの上記ダイヤフラムの反転動作の前後の上記所定のパラメータの変化量が、a=zx
0、b=zx
1、c=zx
2、d=zx
3、e=zx
4、f=zx
5、…(x>1、z>0、a,b,c,d,e,f,…は、上記複数の圧力スイッチの上記ダイヤフラムの反転前後の上記所定のパラメータの変化量)であるものとしてもよい。
【0009】
また、上記ダイヤフラムは金属製のダイヤフラムであって、上記所定のパラメータの変化量は、上記金属製のダイヤフラムと、上記金属製のダイヤフラムの大気圧側に絶縁被膜を介して設けられた固定電極との間の静電容量の変化量であるものとしてもよい。
【0010】
上記課題を解決するために、本発明の圧力スイッチモジュールは、作動媒体の圧力に応じて反転動作するダイヤフラムをそれぞれ有し、上記ダイヤフラムの反転動作に応じて所定のパラメータをそれぞれ出力するように構成された複数の圧力スイッチを備え、上記複数の圧力スイッチの上記ダイヤフラムの反転動作の前後の上記所定のパラメータの出力値が、上記複数の圧力スイッチのそれぞれのON/OFF状態に基づいてあらゆる組み合わせで異なる値になるように設定され、上記複数の圧力スイッチの上記所定のパラメータの出力値に基づき、上記複数の圧力スイッチの全てのON/OFF状態を検出するように構成されることを特徴とする。
【0011】
また、上記複数の圧力スイッチに接続された抵抗の抵抗値が、a=zx
0、b=zx
1、c=zx
2、d=zx
3、e=zx
4、f=zx
5、…(x>1、z>0、a,b,c,d,e,f,…は、上記複数の圧力スイッチに接続された抵抗の抵抗値)であるものとしてもよい。
【0012】
また、上記ダイヤフラムは金属製のダイヤフラムであって、上記所定のパラメータの出力値は、上記金属製のダイヤフラムと、上記金属製のダイヤフラムの反転動作に応じて接触する接触電極とに接続された抵抗を流れる電流の変化量であるものとしてもよい。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、複数の圧力検出を行うダイヤフラムを使用した圧力スイッチモジュールにおいて、配線を簡素化でき、あるいは、検出ICを使用する場合には、検出ICの構成を簡素化できる。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明に実施形態を、図面を参照して説明する。
【0016】
まず、本発明の第1の実施形態について説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る圧力スイッチモジュール200を構成する圧力スイッチ100の構成を示す図である。
【0017】
図1において、圧力スイッチ100は、冷暖房、空調、自動車、及び、産業装置用の作動媒体の圧力を供給する管路11と、作動媒体の圧力を封止するOリング12を有する作動媒体供給アセンブリ10に取り付けられて使用される。
【0018】
圧力スイッチ100は、ダイヤフラムアセンブリ110と、静電容量検出部120と、ダイヤフラムアセンブリ110及び静電容量検出部120を保持し、作動媒体供給アセンブリ10に固定する固定部130とを備える。
【0019】
ダイヤフラムアセンブリ110は、管路11から供給された作動媒体の圧力の変化に従い変位するダイヤフラム111と、ダイヤフラム111の管路11側に配置され作動媒体を封止するOリング112と、Oリング112と密着し作動媒体を封止する隔膜113とを備える。
【0020】
ダイヤフラム111は、第1の実施形態の圧力スイッチモジュール200の圧力スイッチ100では、ダイヤフラム111と後述する固定電極122との間の静電容量を測定し、静電容量の変動からダイヤフラム111の変位を検出し、ダイヤフラム111の変位により管路11から供給された作動媒体の圧力を検出するため、金属製のものを使用する。また、本発明の圧力スイッチモジュール200では、後述するように、複数の圧力スイッチ100a乃至100fのそれぞれから出力される複数の1対の電極の全てが1対の導線に集約されて1つの静電容量検出IC124に接続され、1つの静電容量検出IC124で複数の圧力スイッチ100a乃至100fの全てのON/OFFを検出するため、ダイヤフラム111に、反転動作、すなわち、スナップアクションするばね性を有するものを使用することが必須である。スナップアクションするダイヤフラム111を使用した場合には、管路11からの作動媒体の圧力が設定値未満である場合には、下側に膨らんだ形状をなし、管路11からの作動媒体の圧力が設定値以上になると、この作動媒体の圧力により下側に膨らんだ形状から上側に膨らんだ形状に可逆的に反転する。
【0021】
Oリング112は、後述する支持部材131の開口部131aの周辺に設けられた凹部131dに配置され、後述する隔膜113と共に、支持部材131とダイヤフラム111との間の作動媒体を封止する。
【0022】
隔膜113は、ダイヤフラム111の管路11側に貼り付けられ、ダイヤフラム111と共に変位し、Oリング112と密着し作動媒体側の気密を保持する。
【0023】
静電容量検出部120は、ダイヤフラム111の一部に電気的に接続される可動電極121と、ダイヤフラム111の大気圧側に設けられる固定電極122と、固定電極122のダイヤフラム111側に取り付けられた絶縁被膜123と、可動電極121及び固定電極122とリード線125を介して電気的に接続され、ダイヤフラム111と固定電極122との間の静電容量を検出する静電容量検出IC124とを備える。可動電極121と固定電極122は、1対の電極を構成する。
【0024】
可動電極121は、金属製のダイヤフラム111の例えば可動の少ない外周部に電気的に接続される金属部品である。可動電極121は、リード線125を介して静電容量検出IC124と接続され、これによりダイヤフラム111は静電容量検出におけるコンデンサの1対の電極の一方を形成する。なお、可動電極121の形状は、ここでは、金属製のダイヤフラム111の外周部の全周を覆うように形成されるが、この形状には限定されず、ダイヤフラム111の外周部の大部分を樹脂製のストッパーで覆い、その一部に可動電極を配置して、金属製のダイヤフラム111に接続するようにしてもよい。
【0025】
固定電極122は、ダイヤフラム111に接触することなく、ダイヤフラム111の大気圧側を覆うような平板形状を有する金属部品である。固定電極122は、リード線125を介して静電容量検出IC124と接続され、これにより固定電極122は静電容量検出におけるコンデンサの1対の電極の他方を形成する。なお、固定電極122の形状は、第1の実施形態の形状に限定されず、平板形状、凹形状等、静電容量検出IC124と電気的に接続され、コンデンサの1対の電極の他方を形成できる形状であればよい。
【0026】
絶縁被膜123は、ダイヤフラム111と固定電極122の間に配置され、静電容量検出におけるコンデンサの誘電体の役割を果たす。このため、絶縁被膜123は、材質及び厚さに応じて静電容量が変化するため、後述する静電容量検出回路400の回路構成に合わせて、材質及び厚さが選択される。なお、固定電極122とダイヤフラム111が接触するのを防止するため、ラバー、ポリイミドフィルム等の衝撃吸収素材を使用してもよい。また、絶縁被膜123は、スパッタリング・CVD・PVDなどにより絶縁コーティングして形成するものとしてもよい。また、ここでは絶縁被膜123は固定電極122の表面に貼り付けるものとしたが、これには限定されず、ダイヤフラム111の大気圧側に貼り付けるものとしてもよい。
【0027】
静電容量検出IC124は、本発明の圧力スイッチモジュール200では、後述するように、複数の圧力スイッチ100a乃至100fに対して、少なくとも1つ設けられるため、外部に配置されるものとする。また、静電容量検出IC124に組み込まれる回路構成である静電容量検出回路400については、
図4を使用して後述する。
【0028】
固定部130は、ダイヤフラム111と作動媒体供給アセンブリ10との間の絶縁を確保し、圧力スイッチ100を作動媒体供給アセンブリ10に固定する支持部材131と、支持部材131の大気圧側に設けられた収容部131bを封止するカバー132と、支持部材131と作動媒体供給アセンブリ10とを固定する複数の固定ネジ133と、複数の固定ネジ133のそれぞれの緩みを防止する複数のワッシャー134とを備える。
【0029】
支持部材131は、ダイヤフラム111と作動媒体供給アセンブリ10との間の絶縁を確保するため、例えば樹脂材料で成形される。支持部材131には、管路11に対応する直径を有する開口部131aと、開口部131aの周囲の大気圧側に設けられ、ダイヤフラムアセンブリ110、可動電極121、及び、固定電極122を収容する円筒形状の凹部である収容部131bと、収容部131bから周囲に広がり、固定ネジ133が挿入されるネジ穴131eを有し作動媒体供給アセンブリ10に接触する外周部131cと、収容部131bの内部であって開口部131aの周囲に設けられOリング112を配置する凹部131dとが形成される。なお、支持部材131は、第1の実施形態の形状に限定されず、作動媒体供給アセンブリ10の形状や、ダイヤフラム111の形状により様々な形状が適用できる。
【0030】
カバー132は、支持部材131の収容部131bに収容されたダイヤフラムアセンブリ110、可動電極121、及び、固定電極122の大気圧側に配置され、収容部131bを封止する。カバー132は、例えば樹脂材料で成形され、可動電極121、固定電極122を固定し、ダイヤフラム111に対して位置決めを行う。カバー132は、圧入、かしめ加工、あるいは、接着剤により収容部131bに固定する構成としてもよい。
【0031】
本発明の圧力スイッチモジュール200を構成する圧力スイッチ100の取り付け方法の一例として、先ず、ダイヤフラムアセンブリ110を組み立てる。次に、ダイヤフラムアセンブリ110の大気圧側に、可動電極121及び固定電極122を固定したカバー132を、支持部材131の収容部131bに収容し固定する。次に、リード線125を介して、可動電極121及び固定電極122と静電容量検出IC124を接続する。次に、支持部材131を複数の固定ネジ133及び複数のワッシャー134により作動媒体供給アセンブリ10に固定する。なお、この取り付け方法は限定ではなく、作動媒体供給アセンブリ10の形状や、静電容量の検出方法等により様々な方法が適用可能である。
【0032】
図2は、上述の圧力スイッチ100を複数備える本発明の第1の実施形態に係る圧力スイッチモジュール200の構成を示す図であり、
図3は、
図2のIII−IIIに示す断面図である。
【0033】
図2、
図3において、圧力スイッチモジュール200は、
図1に示す圧力スイッチ100を6個(圧力スイッチ100a乃至100f)、作動媒体供給アセンブリ10´上に配置した後、複数の圧力スイッチ100a乃至100fに共通の1つのカバー232を上部に配置して複数の固定ネジ133、及び、複数のワッシャー134により固定して構成される。ここでは、6個の圧力スイッチ100a乃至100fを設けるものとしたが、個数はこれには限定されず、幾つ設けるものとしてもよい。
【0034】
静電容量検出IC124は、圧力スイッチモジュール200全体で1つだけ配置され、
図2、
図3に示すように複数の圧力スイッチ100a乃至100fの可動電極121及び固定電極122を含む1対の電極の全てが並列に1対の導線であるリード線225に集約されて静電容量検出IC124に接続される。
【0035】
複数の圧力スイッチ100a乃至100fのダイヤフラム111の反転動作前後の静電容量の変化量は、複数の圧力スイッチ100a乃至100fのあらゆる組み合わせで異なる値になるように設定される。このため、静電容量検出IC124は、複数の圧力スイッチ100a乃至100fのあらゆる組み合わせで異なる値に設定された静電容量の変化量を合算し、この合算された値に基づき、複数の圧力スイッチ100a乃至100fの全てのON/OFFを検出できるように構成される。
【0036】
つまり、複数の圧力スイッチ100a乃至100fにおいて、それぞれのダイヤフラム111の反転動作の前後の静電容量の変化量は、以下のように全ての組合せにおいて、「≠」となるように設定される。
a≠b≠c≠d≠e≠f…
a≠b+c、≠b+d、≠b+e、≠b+f、≠c+d、≠c+e、≠c+f、≠d+e、≠d+f、≠e+f、≠…
a≠b+c+d、≠b+c+e、≠…
a≠b+c+d+e、≠b+c+d+f、≠…
a≠b+c+d+e+f、b≠a+c+d+e+f、≠…
(a、b、c、d、e、f、…は、複数の圧力スイッチ100a乃至100fのダイヤフラム111の反転前後の静電容量の変化量である。)
【0037】
なお、全ての組み合わせにおいて、「≠」が成立する組み合わせとして以下の例を挙げることができる。
a=zx
0、b=zx
1、c=zx
2、d=zx
3、e=zx
4、f=zx
5、…(x>1、z>0)・・・(1)
【0038】
例えば、上記数式(1)でx=2、z=1とすると、ダイヤフラムの反転前後の静電容量の変化量は、圧力スイッチ100aが1pF、圧力スイッチ100bが2pF、圧力スイッチ100cが4pF、圧力スイッチ100dが8pF、圧力スイッチ100eが16pF、圧力スイッチ100fが32pFとなる。この場合、静電容量検出IC124で検出した静電容量の変化量が、3pFであれば、圧力スイッチ100a、100bがONであることが検出できる。また、静電容量検出IC124で検出した静電容量の変化量が、14pFであれば、圧力スイッチ100b、100c、100dがONであることが検出できる。また、静電容量検出IC124で検出した静電容量の変化量が、49pFであれば、圧力スイッチ100a、100e、100fがONであることが検出できる。
【0039】
なお、各圧力スイッチ100a乃至100fのダイヤフラム111の反転前後の静電容量の変化量は、ダイヤフラム111の径、固定電極122の径、絶縁被膜123の厚さ及び材料を変更することにより、調節できる。
【0040】
次に、静電容量検出IC124に組み込まれる回路構成である静電容量検出回路400について説明する。
【0041】
図4は、静電容量検出回路400のブロック図である。
図4において、静電容量検出回路400は、発振回路410と、発振状態検出回路420と、出力回路430とを備える。可動電極121及び固定電極122は、静電容量検出回路400の発振回路410の一部となるコンデンサとして接続される。発振回路410は、例えばRC回路等で構成され、静電容量の変動により発振周波数が変動する。従って、ダイヤフラム111が変位し、静電容量が変動し、発振回路410の発振周波数が変動することになる。次に、ダイヤフラム111の変位に従い、発振周波数が変動すると、発振の開始あるいは停止が引き起こされる。発振回路410からの出力が発振状態検出回路420に入力され、上述の発振の開始あるいは停止が検出される。検出された検出信号は、出力回路430に入力され、増幅された後、外部に出力される。なお、静電容量検出回路400は、例示であってこの構成には限定されず、ダイヤフラム111の変位を静電容量の変位として検出できればよい。
【0042】
以上のように、第1の実施形態の圧力スイッチモジュールによれば、複数の圧力検出を行うダイヤフラムを使用した圧力スイッチモジュールにおいて、配線を簡素化でき、あるいは、検出ICを使用する場合には、検出ICの構成を簡素化できる。
【0043】
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
【0044】
図5は、本発明の第2の実施形態に係る圧力スイッチモジュールの検出回路500の構成を示す図である。
図5において、第2の実施形態に係る圧力スイッチモジュールは、第1の実施形態の無接点式である静電容量検出式の圧力スイッチモジュール200と異なり、金属製のダイヤフラムと、金属製のダイヤフラムの反転動作に応じて接触する接触電極から構成される接点式の圧力スイッチを複数備える圧力スイッチモジュールである。接点式の圧力スイッチは、金属製のダイヤフラムと接触電極とが接触すると、GNDにアース接続されるため、
図5の検出回路500に示されるスイッチ(SW)に対応する。このため、
図5に示す、第2の実施形態に係る圧力スイッチモジュールの検出回路500は、3個の圧力スイッチに対応するスイッチSW1乃至SW3と、4つの抵抗R1、R2、R3、Rzから構成される。なお、第2の実施形態の圧力スイッチモジュールは、3個の圧力スイッチから構成されるものとしたが、これには限定されず、圧力スイッチは2個でも、4個以上でも構わない。
図5において、抵抗R1乃至R3は、スイッチSW1乃至SW3にそれぞれ並列に接続され、並列に接続された抵抗とスイッチは、直列に接続され、さらに抵抗Rzが直列に接続される。
【0045】
図6は、
図5に示す検出回路500の動作状態の組み合わせ表を示す図である。
【0046】
図6において、組み合わせ表は、抵抗R1の抵抗値をAとし、抵抗R2の抵抗値をBとし、抵抗R3の抵抗値をCとして、第1の実施形態で示した数式(1)を適用した場合の各圧力スイッチがON/OFF動作した場合の動作状態を示している。
図6の左側の欄には、複数の圧力スイッチのON/OFF状態を示し、
図6の中央の欄には、複数の圧力スイッチに関する抵抗値を示し、
図6の右側の欄には、A=1kΩ、B=2kΩ、C=4kΩとした場合の合成抵抗値を示している。
【0047】
図6に示すように、複数の圧力スイッチに並列に接続された抵抗値が、第1の実施形態の静電容量の変化量と同様に、あらゆる組み合わせで異なる値になるように設定され、ダイヤフラムと接触電極との1対の電極の全てが直列に1対の導線に結線され、1つの検出ICで電流値を測定することにより、複数の圧力スイッチの全てのON/OFFの検出を行うことができる。
【0048】
以上のように、第2の実施形態の圧力スイッチモジュールによっても、第1の実施形態の圧力スイッチモジュールと同様の効果を得ることができる。
【0049】
また、無接点式である静電容量検出式の圧力スイッチモジュールだけではなく、接点式の圧力スイッチモジュールにも本発明を適用することができる。
【0050】
以上説明したように、本発明の圧力スイッチモジュールによれば、無接点式である静電容量検出式の圧力スイッチモジュールだけではなく、接点式の圧力スイッチモジュールについても、配線を簡素化でき、あるいは、検出ICを使用する場合には、検出ICの構成を簡素化できる。