(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-55833(P2017-55833A)
(43)【公開日】2017年3月23日
(54)【発明の名称】掃除機用付属品取付具
(51)【国際特許分類】
A47L 9/00 20060101AFI20170303BHJP
【FI】
A47L9/00 105Z
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2015-180976(P2015-180976)
(22)【出願日】2015年9月14日
(71)【出願人】
【識別番号】503369288
【氏名又は名称】有限会社Y’sBOX
(71)【出願人】
【識別番号】000132633
【氏名又は名称】株式会社センテクリエイションズ
(74)【代理人】
【識別番号】110000800
【氏名又は名称】特許業務法人創成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】西澤 史貴
【テーマコード(参考)】
3B006
【Fターム(参考)】
3B006MA00
(57)【要約】
【課題】 掃除機用付属品の種類ないし数が多くなっても、それに対応して掃除機本体と共に保管可能な付属品の数を増やすことができる掃除機用付属品取付具を提供する。
【解決手段】 掃除機用付属品取付具1は、掃除機本体11に着脱可能な付属品が各々着脱可能に取り付けられる複数の付属品取付部2a〜2cと、掃除機本体11の付属品取付部又は別の付属品取付具16に着脱可能に取り付けられる取付部2dと、上記取付部2a〜2dをそれぞれ互いに離間した位置に保持する支持部3とを備える。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
掃除機本体に着脱可能な付属品が各々着脱可能に取り付けられる複数の付属品取付部と、前記掃除機本体の付属品取付部又は別の付属品取付具に着脱可能に取り付けられる取付部と、前記取付部及び前記複数の付属品取付部をそれぞれ互いに離間した位置に保持する支持部とを備えることを特徴とする掃除機用付属品取付具。
【請求項2】
請求項1に記載の掃除機用付属品取付具において、
前記支持部は、前記複数の付属品取付部を各々所定の方向に回転可能に保持すると共に該回転方向の任意の位置に係止可能に構成されていることを特徴とする取付具。
【請求項3】
請求項2に記載の掃除機用付属品取付具において、
前記支持部は、前記付属品取付部を回転可能に支持する支持部材と、該支持部材を中心として回転する前記付属品取付部の回転面に形成された凹凸部とかみ合う凹凸面を有するラチェット板と、該ラチェット板の凹凸面を前記付属品取付部の前記凹凸部に係合させるスプリングと、前記付属品取付部の回転に対して前記ラチェット板の回転を阻止する回転阻止部とを備えて構成されていることを特徴とする取付具。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載の掃除機用付属品取付具において、
前記掃除機本体の付属品取付部は、前記掃除機本体の吸込口であり、
前記別の付属品取付具は、前記掃除機本体を着脱自在に取り付けて所定の場所に保持する保持部材からなることを特徴とする取付具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、掃除機本体に着脱可能な付属品を本体と共に保管する際に用いられる掃除機用付属品取付具に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、家庭等で使用される電気製品には、電気掃除機のように使用目的あるいは使用環境に応じて本体に付属品を取り付けて使用するものがある。電気掃除機の場合、掃除機本体の吸引口にクリーナーヘッドを長尺の管を介して或いは直接取り付けて床面等の掃除を行うが、床面の他に家具間の隙間や机上等、掃除の対象によっては、クリーナーヘッドに代えて、先端にブラシを備えた吸込ヘッドや、先端に吸込口を備えた細長い管状の吸込ヘッド等の付属品を、本体に取り付けて使用することが一般的である。
【0003】
このような電気掃除機を使用しないときには、一般に掃除機本体を所定の場所に収納或いは保管するが、吸込ヘッド等の付属品は本体と同じところに保管されるとは限らない。それら付属品が本体とは別に保管されていると、掃除機を使用する際に必要な付属品が直ちに用意できないことになる。そこで、例えば特許文献1に開示された形態の電気掃除機では、その掃除機本体を壁面に沿って保管するための取付部材に付属品を取付可能に構成することで、掃除機本体と付属品を一緒に保管可能とすることが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2015−343号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記のような取付部材では、掃除機本体を取り付けるためにスペースが大きく取られる分、取り付け可能な付属品の数が(例えば、2以下に)限られている。そのため、付属品が多い場合には、全ての付属品を取り付けることができず、多様な付属品を備える掃除機には適合するものとなっていない。
【0006】
本発明は、以上に鑑み、掃除機用付属品の種類ないし数が多くなっても、それに対応して多数の付属品を掃除機本体と共に保管可能にする掃除機用付属品取付具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の掃除機用付属品取付具は、掃除機本体に着脱可能な付属品が各々着脱可能に取り付けられる複数の付属品取付部と、前記掃除機本体の付属品取付部又は別の付属品取付具に着脱可能に取り付けられる取付部と、前記取付部及び前記複数の付属品取付部をそれぞれ互いに離間した位置に保持する支持部とを備えることを特徴とする。
【0008】
本発明の掃除機用付属品取付具は、付属品の数に応じて複数の付属品取付部を備えることにより、その付属品取付部に付属品を取り付けると共に、取付部を掃除機本体の付属品取付部に取り付けることで、当該掃除機の付属品を掃除機本体と一体に保管することができる。或いは、前記取付部を掃除機本体に取り付け可能な別の付属品取付具に取り付けることで、当該掃除機の付属品を掃除機本体と一緒に保管することができる。
【0009】
また、本発明の取付具を2つ以上用意して、一の取付具の付属品取付部の1つに他の取付具の取付部を取り付けることにより、2以上の取付具が連結されて、全体として付属品取付部の数が増えた取付具を構成することができる。
【0010】
本発明の掃除機用付属品取付具において、前記支持部は、複数の付属品取付部を各々所定の方向に回転可能に保持すると共に該回転方向の任意の位置に係止可能に構成されることが好ましい。
【0011】
これによれば、付属品取付部を回転させて任意の位置に設定することができるので、付属品の形状や大きさに応じて、隣接する取付部間の間隔を調整することができる。
【0012】
この場合、前記支持部は、付属品取付部を回転可能に支持する支持部材と、該支持部材を中心として回転する前記付属品取付部の回転面に形成された凹凸部とかみ合う凹凸面を有するラチェット板と、該ラチェット板の凹凸面を前記付属品取付部の前記凹凸部に係合させるスプリングと、前記付属品取付部の回転に対して前記ラチェット板の回転を阻止する回転阻止部とを備えて構成することができる。
【0013】
この構成によれば、各付属品取付部を所定の角度範囲内で回転させる限り、各付属品取付部の凹凸部がラチェット板の凹凸部に対して、凹凸の噛み合い位置の間隔ずつ回転するので、その噛み合い位置で各付属品取付部を係止することができる。
【0014】
また、一般に、電気掃除機においてクリーナーヘッドやブラシを備えた吸込ヘッド等の付属品は、掃除機本体の吸込口に取り付けて使用される、すなわち、掃除機本体の吸込口が付属品取付部となっているので、その吸込口に本発明の取付具を取り付け可能に構成することが好ましい。
【0015】
更に、別の付属品取付具は、前記掃除機本体を着脱自在に取り付けて所定の場所に保持する取付部材とすることができる。この場合、別の付属品取付具として、前述のように掃除機本体を壁面に沿って保管するための取付部材を利用し、この取付部材に本発明の取付具を取り付けることで、掃除機本体と付属品を一緒に保管することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】実施形態の取付具(アダプタ)の外観を示す斜視図。
【
図2】同取付具の各取付部の位置を変えた状態を示す斜視図。
【
図4】
図4Aは一の付属品取付部に付属品を取り付けた状態を示す断面図、
図4Bは同付属品取付部から付属品を取り外す状態の断面図。
【
図5】掃除機とその付属品を取り付ける取付具の状態を示す図。
【
図6】掃除機本体と付属品を取り付けた取付具の取り付け状態示す図。
【
図7】掃除機とその付属品を壁面に沿って取り付け支持する取付部材の例を示す図。
【
図8】
図7に示した取付部材に実施形態の取付具を介して付属品を取り付けた状態を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態の掃除機用付属品取付具(以下、単にアダプタという)について説明する。
【0018】
図1及び
図2に示すアダプタ1は、後述する例(
図5及び
図6)の掃除機本体11に着脱可能な付属品として、長尺の管12の先端に着脱自在に取り付けられるクリーナーヘッド13、先端に吸込口を備えた細長い管状の吸込ヘッド14、先端にブラシを備えた吸込ヘッド15等の付属品が各々着脱可能に取り付けられる3つの付属品取付部2a〜2cと、掃除機本体11の付属品取付部又は別の付属品取付具に着脱可能に取り付けられる取付部2dと、これら4つの取付部2a〜2dをそれぞれ互いに離間した位置に保持する十字形の支持部3とを備えて構成される。
【0019】
本実施形態のアダプタ1において、1つの取付部2dは、掃除機本体11の付属品取付部である吸込口11a(
図6)に着脱可能に構成されているが、後述のように、掃除機本体11を取り付け可能な別の付属品取付具である取付部材16(
図7及び
図8)にも取り付け可能である。また、アダプタ1を2つ以上用意して、一のアダプタ1の付属品取付部2a〜2cの1つに他のアダプタ1の取付部2dを取り付けることにより、2以上のアダプタ1が連結されて、全体として付属品取付部の数が増えたアダプタを構成することができる。
【0020】
支持部3は、上記4つの取付部2a〜2dを各々後述の円盤部21の中心軸線周りに回転可能に保持すると共に、その回転方向の任意の位置に係止可能に構成される。その構成により、各取付部2a,2b,2c,2dは、後述のように支持部3内で支持された円盤部21を支点として、その軸線周りに所定の角度範囲(例えば60度の範囲)で回転可能であり、
図1は十字形を形成する位置、
図2は各取付部2a,2b,2c,2dが所定の角度範囲の限界位置まで、各々回転した状態を示している。
【0021】
次に
図3に示すように、各取付部2a〜2dは、十字形の支持部3の外端に回転可能に結合された円盤部21と、各円盤部21から外方に延びた円筒部22とからなる。各付属品取付部2a〜2dの円盤部21の上面は、支持部3の上側ケーシング31内に位置する4つの円形ラチェット板33の下面凹凸部が係合する波状の凹凸面として形成され、円盤部21の下面は、支持部3の十字形の下側ケーシング32の4つの円形端部の中心に位置するねじ30を支点として、回転可能に支持されている。すなわち、ねじ30が各取付部2a〜2dを回転可能に支持する支持部材となっている。
【0022】
また、上記3つの付属品取付部2a,2b,2cは、円筒部22の先端(円盤部21と反対側)の開口23に、
図5に示すような付属品13,14,15の基端部(取付部)を挿入して着脱可能に形成される一方、1つの取付部2dは、その円筒部22の先端部を、
図6に示すように掃除機本体11の付属品取付部である吸込口11aに挿入して着脱可能に形成されている。
【0023】
詳細には、3つの付属品取付部2a〜2cでは、横に延びた円筒部22の上面に形成された開口部24の中に略楕円形の押しボタン25が配置されている。
図3に示すように、押しボタン25は、その基端部の下面から下方に突出した突起部25aと、その長手方向両側面から突出した突起25bとを備え、開口部24の周壁に設けた孔24aに挿入された突起25bを支点として上下に回動可能に支持されている。円筒部22の先端側に位置する押しボタン25の先端部は、下方に配置されたコイルスプリング26によって上方に付勢されており、後述のように付属品13、14、15を抜けないように保持するロック機構を構成している。
【0024】
従って、例えば、一の付属品取付部2aに付属品14の基端部を挿入した状態では、
図4Aに示すように、コイルスプリング26の付勢力によって押しボタン25の下方突起部25aが、付属品14の基端部に設けた凹部14aに係合することにより、付属品14を抜けないように保持している。ここで、付属品14を取り外す場合には、
図4Bに示すように、押しボタン25の先端部を押し下げると、突起部25aが上がって付属品14の凹部14aから外れる。この結果、付属品14を矢印方向に取り出すことができる。
【0025】
これに対し、取付部2dは、付属品取付部2a〜2cと同様の形状になっているが、上記のように掃除機本体11の付属品取付部、或いは掃除機本体11に取り付け可能な別の付属品取付具である取付部材16に取り付けられるため、上記押しボタン25によるロック機構は備えていない。
図5〜
図8の例では、掃除機本体11及び取付部材16の各付属品取付部に、押しボタン25によるロック機構が設けられている。
【0026】
また、アダプタ1の取付部2dは、他のアダプタ1の付属品取付部2a〜2cのいずれにも取り付けられるように、付属品取付部2a〜2cの押しボタン25の下方突起部25aが係合する凹部を備えている。
【0027】
一方、支持部3は、
図3及び
図4に示すように、中心部に挿入されるねじ30によって結合される平面視十字形の上下2つのケーシング31,32と、上下ケーシング31,32の間にあって、各取付部2a〜2dの円盤部21の上面凹凸部とかみ合う円形のラチェット板33と、各ラチェット板33の上面に形成された平面視略十字形の柱状部34と、該柱状部34の周りを包囲して上下方向に伸縮可能に配置されたコイルスプリング35と、支持部3の十字形の上側ケーシング31の4つの円形端部の内側で柱状部34に係合してラチェット板33の回転を阻止する回転阻止部36とを備えている。
【0028】
アダプタ1の取付部2a〜2dと支持部3は、上記のように構成されているので、支持部3の上側ケーシング31の4つの円形端部の下方で、コイルスプリング35の押す力により、ラチェット板33の下面凹凸部が各取付部2a〜2dの円盤部21の上面凹凸部に係合し、上下の凹凸部が噛み合った位置で各取付部2a〜2dが保持される。
【0029】
ここで、各取付部2a〜2dが、
図1のように十字形を形成する位置にある場合、各取付部2a〜2dを、その円盤部21の中心を支点として回転させると、その回転方向で円盤部21の上面凹凸部が、スプリング35の力に抗してラチェット板33の下面凹凸部との係合を外して、次の凹凸部が噛み合う位置まで回転して係止される。
【0030】
こうして各取付部2a〜2dを所定の角度範囲内で回転させる限り、円盤部21の上面凹凸部がラチェット板33の下面凹凸部に対して1ピッチ(凹凸の噛み合い位置の間隔)ずつ回転することができる。そして、各取付部2a〜2dは、
図1の位置からいずれの方向に回転しても、各々の円筒部22の円盤部21側に突出した基端部が支持部3の中央部分の外縁に当接した位置で止められる。この2方向の停止位置によって各取付部2a〜2dの回転可能な角度範囲が定められている。
図2は、各取付部2a〜2dの円筒部22の基端部が回転停止位置の一方に接近した状態を示している。
【0031】
以下、実施形態のアダプタの使用方法について説明する。
【0032】
図5に示すように、掃除機本体11に取り付けて使用される付属品が少なくとも3つある場合、3つの取付部2a〜2cにそれぞれ任意の付属品14,15,13の基端部を挿入して固定することにより、アダプタ1に3つの付属品が取り付けられる。このとき、取付部2a〜2dは、各々の円盤部21を中心として所定の角度範囲で回転することができるので、付属品の形状や大きさに応じて、隣接する取付部間の間隔を調整することができる。
【0033】
次に
図6に示すように、アダプタ1の取付部2dの円筒部22を掃除機本体11の付属品取付部である吸込口11aに挿入してそのロック機構で固定することにより、3つの付属品13〜15を掃除機本体11と一体にして保管することができる。
【0034】
また、
図7に示すように、掃除機本体11を、付属品の1つであるクリーナーヘッド13を長尺の管12を介して取り付けた状態で、壁面に沿って保管するための取付部材16が、2本のねじ20で壁面Wに固定されており、この取付部材16には、掃除機本体11を保持する保持部の他に付属品を2つ(例えば、吸込ヘッド14及び15)取付可能な付属品取付部17及び18が設けられている。
【0035】
この場合、
図8に示すように、一の付属品取付部17には一の付属品(例えば、吸込ヘッド)14を取り付け、他の付属品取付部18には、他の2つの付属品13及び15を取り付けたアダプタ1の取付部2dを取り付けることにより、
図7の取付部材16に取り付けられる数より多い数の付属品を、掃除機本体11と共に保管することができる。
【0036】
以上、図示の実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0037】
例えば、付属品取付部は3つに限らず、掃除機本体に付属する付属品の数に応じて複数設ければよい。また、各取付部は、支持部に対して回転可能でなく、固定される構造でもよい。
【符号の説明】
【0038】
1・・・アダプタ、2a,2b,2c,2d・・・取付部、3・・・支持部、4・・・胴部、5・・・胸部、6・・・頭部、7a・・・中空部、7c・・・左脚、7d・・・右脚、8・・・突出部、11・・・掃除機本体、12・・・管、13,14,15・・・付属品、16・・・取付部材、21・・・円盤部、22・・・円筒部、23・・・開口、25・・・押しボタン。