【実施例】
【0027】
図1乃至
図3に示すように、本発明のガロンボトル充填機では、枠体1aとパネル(図示せず)によって略中空直方体状に形成されるとともに下面に複数のアジャスタ2が取り付けられた筺体1の外部にボトル供給ユニット3が設置されており、反転ユニット4、洗浄ユニット5、ベルトコンベア6、首支持搬送ユニット7、及び充填・密栓ユニット8が筐体1の内部に設置されている。なお、ボトル供給ユニット3、反転ユニット4、洗浄ユニット5、ベルトコンベア6、首支持搬送ユニット7及び充填・密栓ユニット8は制御手段(図示せず)によって、その動作を制御されている。
【0028】
ボトル供給ユニット3は、給水口が下に向いた状態のボトルBを保持したまま、洗浄手段5の上方で反転ユニット4に供給する位置まで略水平方向へ移動可能に設置されるボトル保持具3aと、略水平に設置されて、ボトルBを給水口が下に向いた状態でボトル保持具3aまで搬送するガイドローラ3b,3bと、ボトル保持具3aが先端に連結されたピストン(図示せず)を進退移動させるシリンダ3cと、を備えている。また、ボトル保持具3aには、平面視して、反転ユニット4に近い側の端面から中央部にかけて、
図4を用いて後述するアーム11と首保持具12を上下方向へ通過可能な大きさの切欠き(図示せず)が形成されている。
このような構造により、ボトル供給ユニット3においては、ピストンを前進させることでボトルBがボトル保持具3aに設置された状態のまま、筐体1の内部へ搬送され、洗浄手段5の上方において反転ユニット4に供給されるという機能が発揮される。このように、本発明のガロンボトル充填機では、洗浄ユニット5の上方の空間が、ボトル供給ユニット3から反転ユニット4にボトルBを供給する場所として有効に利用されるため、装置の小型化が可能となっている。
なお、シリンダ3cは電動シリンダであるが、これに限定されるものではなく、例えば、油圧シリンダやエアシリンダであっても構わない。
【0029】
図4(a)及び
図4(b)はそれぞれ反転手段4の正面図及び平面図である。なお、
図4(a)において、破線で示したボトルは反転手段によって反転させられる様子を表している。
図4(a)及び
図4(b)に示すように、反転ユニット4は、支柱9と反転用モータ10とアーム11と首保持具12と昇降機構13によって構成されている。
支柱9は、長手方向と平行に形成されたガイド溝9aが鉛直方向と平行をなすように設置され、反転用モータ10は、ガイド溝9aに沿って上下方向へ移動する昇降機構13を介して支柱9に取り付けられている。また、アーム11は、基端11aが反転用モータ10に連結されるとともに、ボトルBの首部を保持可能に形成される首保持具12が先端11bに取り付けられている。
【0030】
図5(a)乃至
図5(c)はそれぞれ洗浄ユニットの正面図、側面図及び平面図である。なお、これらの図では、カバーの外部と内部に配置されたボトルの状態を破線で示すとともに、ボトルを保持する首保持具とアームも同様に破線で示している。
図5(a)乃至
図5(c)に示すように、洗浄ユニット5は、下方に向けられた給水口からボトルBの内部へ先端14aを挿入可能に設置される洗浄ノズル14と、先端14aを囲むように設けられるカバー15と、を備えている。ただし、カバー15は、上面側が開口した箱型であって、上部から内部へ供給されたボトルBを収容可能な大きさに形成されている。そして、前面15aには、開口部に透明板が嵌めこまれるようにして窓部16が設けられ、底面15bには洗浄ノズル14の挿通孔(図示せず)が設けられている。また、反転ユニット4に近い方の側面15cには、上端から下方へ向かって所定の長さの切欠き17(
図5(b),(c)を参照)がアーム11よりも広い幅で形成され、側面15d及び背面15eには、前面15aと同様に透明板が嵌めこまれた窓部(図示せず)がそれぞれ設けられている。
なお、カバー15は洗浄水の飛散を防ぐだけでなく、洗浄ノズル14から注入された洗浄水を貯留するという機能も有している。そのため、カバー15の底面15bには、貯留した水を外部へ排出するための排水ロート(図示せず)が設けられている。
【0031】
図6(a)及び
図6(b)はベルトコンベアの正面図と側面図であり、それぞれ
図1及び
図3においてベルトコンベアが設置された箇所を部分的に拡大して示した図に相当する。なお、反転ユニット4については
図6(a)のみに示し、
図6(b)ではその図示を省略している。
図6(a)及び
図6(b)に示すように、ベルトコンベア6は、上面に載置されたボトルBを略水平方向へ搬送可能に設置される無端ベルト18と、この無端ベルト18が巻回される一対の軸部材19a,19bと、この一対の軸部材19a,19bを回転可能に保持するコンベア用架台20と、このコンベア用架台20を昇降可能に支持する4つのパンタグラフジャッキ21と、軸部材19aを回転駆動するコンベア用モータ22によって構成されている。
なお、本実施例では、コンベア用架台20の高さ調節にパンタグラフジャッキ21を用いているが、これ以外のジャッキを用いても良い。
【0032】
図7(a)及び
図7(b)は首支持搬送ユニットの正面図と側面図であり、それぞれ
図1及び
図3において首支持搬送ユニットが設置された箇所を部分的に拡大して示した図に相当する。また、
図7(c)は首支持搬送ユニット単体を拡大して示した平面図である。
図7(a)乃至
図7(c)に示すように、首支持搬送ユニット7は、首部にネックリング(図示せず)が設けられたボトルBに対し、首部が内側に配置された状態でネックリングに係止するように先端が鉤型に形成された係止具23と、この係止具23が先端に連結された3本のピストン24a(
図7(c)を参照)を進退移動させるシリンダ24bと、連結具24cを介してシリンダ24bが先端に連結された3本のピストン25aを進退移動させるシリンダ25bと、を備えている。ただし、ピストン24a,25aが水平方向へ前進又は後退するように、シリンダ25bは架台27にアングル材26を介して水平に設置されている。したがって、係止具23も水平方向に移動する。
なお、シリンダ24b,25bは電動シリンダであるが、これに限定されるものではなく、例えば、油圧シリンダやエアシリンダであっても構わない。また、ピストン24a,25aの本数は本実施例に示したものに限らず、適宜変更可能である。
【0033】
次に、充填・密栓ユニット8の構造について、
図1乃至
図3を適宜参照しながら
図8及び
図9を用いて説明する。
図8(a)及び
図8(b)はそれぞれ充填・密栓ユニット8の正面図と側面図であり、
図9(a)は首支持搬送ユニット7及び充填・密栓ユニット8の側面図であり、
図9(b)はその正面図である。なお、
図8(a)及び
図9(b)と
図8(b)及び
図9(a)はそれぞれ
図1及び
図3において充填・密栓ユニット8が設置された箇所を部分的に拡大して示した図に相当する。また、
図8(a)及び
図9(b)では、取付板38の一部を断面表示とし、
図8(b)及び
図9(a)では、連結具39の図示を省略している。さらに、キャップ供給手段29については
図8(b)及び
図9(a)のみに示し、
図8(a)及び
図9(b)ではその図示を省略している。
【0034】
図8及び
図9に示すように、充填・密栓ユニット8は、貯留タンク(図示せず)から給水ライン(図示せず)を介して供給される飲料水をボトルBに注入するための給水ノズル28と、この給水ノズル28に併設されるキャップ装着手段29と、キャップ装着手段29にキャップを供給するキャップ供給手段30(
図8(b),
図9(a)を参照)と、ボトルBの首部を保持するボトル保持手段31によって構成されている。
【0035】
キャップ装着手段29は、複数の爪によってキャップの側面を保持可能に構成されるチャック部29aと、チャック部29aを鉛直方向へ上下動させる昇降機構29bを備えている。一方、キャップ供給手段30は、キャップ受け部32aが先端に連結されたピストン32bを進退移動させるシリンダ32cと、ピストン32bが最も後退した状態でキャップ受け部32aの上面に近接するように下端33b(
図2又は
図3参照)が配置されるスライダ33(
図1乃至
図3参照)と、を備えている。なお、ピストン32bが最も前進した場合、キャップ受け部32aはチャック部29aの真下に配置される。
【0036】
スライダ33は、その内部をキャップが滑動可能に中空形状をなしており、上端33a(
図1乃至
図3参照)は筐体1の前面上部に開口し、下端33bはキャップ受け部32aに向かって開口している。
したがって、上端33aから投入されたキャップは、自重によってスライダ33の内部を下方へ向かって滑動した後、キャップ受け部32aに供給される。そして、ピストン32bが前進してキャップ受け部32aがチャック部29aの真下に配置されることにより、キャップがチャック部29aに装填される。
【0037】
チャック部29aの爪は下方に向かってわずかに拡開するように取り付けられるとともに、バネ(図示せず)によって閉じる方向へ付勢されている。そのため、下方にキャップが配置されている状態でチャック部29aが上方から下降すると、バネの弾性力に抗して複数の爪がキャップによって押し広げられ、最終的にはキャップが複数の爪の間に押し込まれた状態となる。このとき、バネの弾性力がキャップの保持力として作用するため、キャップはチャック部29aによって確実に保持される。
【0038】
給水ノズル28とキャップ装着手段29は、架台34に取り付けられたガイドレール(図示せず)によって水平方向へスライド自在に支持される保持プレート35によって一体として保持されている。また、保持プレート35は、シリンダ36aによって進退移動されるピストン36bの先端に連結されており、
図8(a)に矢印Xで示すように水平方向へ移動可能となっている。
なお、キャップ装着手段29は、ボトルBの給水口の真上に給水ノズル28が配置されている場合、チャック部29aがキャップ受け部32aの真上に配置される構造となっている。また、保持プレート35が水平移動した場合、チャック部29aがボトルBの給水口の真上にチャック部29aが配置されるまで、キャップ装着手段29は給水ノズル28と一体となって水平方向へ移動可能となっている。
【0039】
ボトル保持手段31は、ネックホルダ37aが先端に取り付けられたピストン37b,37b(
図11参照)を進退移動させる一対のシリンダ37c,37cがボトルBの首部を挟んで対称に配置された構成となっている。なお、ネックホルダ37aはボトルBの首部を内側へ配置可能な半円形の凹部を有している。また、一対のシリンダ37c,37cは、ピストン37b,37bが水平方向へ移動可能となるように、かつ、ピストンが前進した場合に互いのネックホルダ37aによってボトルBの首部を挟持可能に取付板38の下面に取り付けられている。なお、取付板38は、連結具39,39を介して両端が架台34に固定されるとともに、ボトルBの給水口の真上に当たる箇所に、チャック部29aを挿通可能に開口部が設けられている。
【0040】
このように、本発明のガロンボトル充填機では、ボトルBが反転ユニット4の首保持具12によって首部を保持された状態で洗浄ユニット5によって洗浄されるとともに、ボトル保持手段31のネックホルダ37aによって首部を保持された状態で充填・密栓ユニット8によって飲料水が充填された後、キャップが装着される。そのため、それらの処理が行われる間、ボトルBは胴部の剛性が低い場合でも、その影響を受けることなく、確実に保持される。したがって、本発明のガロンボトル充填機によれば、胴部の剛性が異なる複数種類のボトルを1台で処理することができる。
【0041】
次に、ガロンボトル充填機の運転手順について
図10乃至
図12を用いて説明する。
図10はガロンボトル充填機の運転手順を示すフローチャートであり、
図11(a)及び
図11(b)は充填・密栓ユニット8の正面図である。また、
図12(a)は首支持搬送ユニット7及び充填・密栓ユニット8の正面図であり、
図12(b)は
図12(a)にベルトコンベア6を加えた図である。
図13は充填・密栓ユニット8及びベルトコンベア6の正面図である。
なお、図を見易くするために、説明上図示の必要のない構成要素については省略している。また、
図11及び
図12はステップS6、ステップS7及びステップS9に対応し、
図13はステップS11に対応する。
【0042】
図10に示すように、まず、ステップS1において、装置の電源を投入すると、制御手段の指令に従ってボトル供給ユニット3のガイドローラ3bが作動し、ボトルBがボトル保持具3aまで搬送される(
図1参照)。ステップS2では、制御手段の指令に従ってボトル供給ユニット3のピストンが作動し、ボトル保持具3aを押動する。これにより、ボトルBが反転ユニット4に供給可能となる位置まで搬送される。その後、予め反転ユニット4の下方に待機していたアーム11が制御手段の指令に従って昇降機構13とともに、ボトルBの首部が首保持具12に挿入される高さまで上昇する(
図4(a)参照)。その結果、ボトルBはボトル供給ユニット3から反転ユニット4に供給される。
【0043】
ステップS3では、昇降機構13とともにアーム11が制御手段の指令に従って首保持具12にボトルBを保持したまま、給水口からボトルBの内部に洗浄ノズル14の先端14aが挿入される高さまで下降する(
図5参照)。これにより、洗浄ユニット5のカバー15の内部にボトルBが設置され、洗浄ノズル14によるボトルBの洗浄が可能となる。
【0044】
制御手段の指令に従って洗浄ノズル14は先端14aからボトルBの内部に洗浄水を注入する。このとき、アーム11は制御手段の指令に従って昇降機構13とともに所定の範囲で上下動する。これにより、ボトルBの内部に洗浄水が万遍なく行き渡り、洗浄効果が高まる。なお、ボトルBの内部に注入された洗浄水は再び給水口を通ってボトルBの外部へ排出され、カバー15の底面15bに設けられた排水ロート(図示せず)から筐体1の外部へ排出される。
【0045】
このように、本発明のガロンボトル充填機では、洗浄ユニット5のカバー15の上方の空間でボトルBがボトル供給ユニット3のボトル保持具3aから反転ユニット4のアーム11へ供給された後、アーム11の下降に伴ってカバー15の内部にボトルBが設置される。すなわち、筐体1の内部空間を有効に利用することで、装置の小型化が可能な構造となっている。そして、このような構造により、本発明のガロンボトル充填機では運搬や設置の作業が容易であり、また、広い設置スペースを必要としないため、設置場所に対する制約が少ない。
【0046】
さらに、ボトルBが反転ユニット4のアーム11によって保持された状態で洗浄されることから、ボトルBを洗浄する際に反転ユニット4の機能を利用して、洗浄ノズル14を上下動させる場合と同じ効果を得ることができる。すなわち、本発明のガロンボトル充填機においては、洗浄ノズル14を昇降させる機構を別個に設けなくともボトルBの内部に洗浄水を万遍なく行き渡らせて洗浄効果を高めることができる。これにより、製造コストが削減される。
【0047】
ステップS4では、制御手段の指令に従って反転用モータ10が作動し、昇降機構13とともに支柱9の上端付近まで上昇したアーム11を180度反転させる(
図4(a)参照)。その後、制御手段の指令に従って昇降機構13とともにアーム11が下降する。これにより、ボトルBは給水口を上に向けた状態でベルトコンベア6の無端ベルト18の上面に載置される(
図6(a)参照)。
ステップS5では、制御手段の指令に従ってコンベア用モータ22が軸部材19aを回転駆動する。これにより、無端ベルト18の上面に載置されたボルトBは、給水口が給水ノズル28の真下となる位置まで搬送される(
図6(b)参照)。
【0048】
なお、ボトルBがクラッシャブルボトルである場合、胴部の剛性が低いため、無端ベルト18の上面に載置された際に姿勢が安定せず、ボトルBを給水口が給水ノズル28の真下となる位置まで正確に搬送できないおそれがある。
このような場合には、ベルトコンベア6ではなく、首支持搬送ユニット7を使用する。すなわち、反転ユニット4によって反転されたボトルBはベルトコンベア6の無端ベルト18の上面に載置される代わりに、係止具23にネックリングを係止させるようにして首支持搬送ユニット7によって保持される(
図7(a)又は
図7(b)参照)。なお、係止具23の位置は、制御手段の指令に従って進退するピストン24a,25a(
図7(c)参照)によって調節され、反転ユニット4からボトルBを受け取る際のピストン24a,25a(
図7(c)参照)は前進した状態となっている。したがって、ピストン24a,25a(
図7(c)参照)を後退させることで、ボトルBは給水ノズル28の真下まで搬送される(
図9(a)又は
図9(b)参照)。
【0049】
クラッシャブルボトルは胴部の剛性は低いが、首部の剛性は高いため、首支持搬送ユニット7を備えた本発明のガロンボトル充填機においては、ボトルBがクラッシャブルボトルであっても確実に保持された状態で搬送されるという作用を有する。また、ボトルBの首部を支持する方法であれば、胴部の剛性が低い場合でも搬送中の姿勢が安定する。したがって、本発明のガロンボトル充填機によれば、胴部の剛性に関わりなく、ボトルBを所定の位置まで正確に搬送することができる。
【0050】
図8(a)又は
図9(b)に示すように、ボトルBがベルトコンベア6や首支持搬送ユニット7によって充填・密栓ユニット8に供給されるまで、ボトル保持手段31のピストン37b,37bはいずれも後退しており、ネックホルダ37a,37aは開いた状態となっている。しかし、ボトルBが給水ノズル28の真下に配置されると、ステップS6において、ピストン37b,37bが制御手段の指令に従って前進する。その結果、ボトルBはネックホルダ37a,37aによって首部を両側から挟持されるようにして固定される(
図11(a)又は
図12(a)及び
図12(b)参照)。
【0051】
ステップS7では、給水ノズル28が制御手段の指令に従って飲料水をボトルBの内部へ注入する。このとき、胴部の剛性が低いと、
図12(a)に示すように、充填された飲料水の重みで胴部が下方へ膨張し、これに伴って余分な空気が給水口から流入してボトルBの上部に溜まってしまう。このように、ボトルBの上部に余分な空気が溜まってしまうと、それを見た人が、あたかも飲料水の充填が不十分であるかのような印象を受けるため、好ましくない。
しかし、本発明のガロンボトル充填機では、充填・密栓ユニット8の下方に設置されたベルトコンベア6において、無端ベルト18の上面の高さをパンタグラフジャッキ21によって調節可能となっている。このような構造によれば、パンタグラフジャッキ21を操作して無端ベルト18の上面の高さを調節することで、ボトルBの底面が無端ベルト18の上面によって所望の高さで支持されるという作用を有する。したがって、本発明のガロンボトル充填機によれば、ボトルBの胴部の剛性が低い場合でも、飲料水の充填に伴って発生する胴部の膨張を適正な範囲内に抑え、ボトルBの上部に余分な空気が溜まってしまうという事態を防ぐことができる。
【0052】
ステップS8では、キャップ装着手段29の昇降機構29bが制御手段の指令に従って作動し、チャック部29aが下降する。その結果、キャップ受け部32aにおいて、スライダ33から予め供給されていたキャップがチャック部29aに装填される。その後、制御手段の指令に従って昇降機構29bが作動し、チャック部29aが上昇する。
なお、ステップS8は少なくともステップS9の前に行われていれば良く、ステップS7と同時に、あるいはその前に行われていても良い。
【0053】
ステップS9では、制御手段の指令に従ってピストン36bが前進し、保持プレート35を押動する。これにより、キャップが装填されたキャップ装着手段29が保持プレート35とともに水平移動して、ボトルBの給水口の真上にチャック部29aが配置される(
図11(b)参照)。その後、ステップS10において、制御手段からの指令に従ってキャップ装着手段29の昇降機構29bが作動し、チャック部29がキャップを保持した状態で下降する。これにより、ボトルBの給水口に対し、キャップがチャック部29aによる保持力よりも強い力で嵌め込まれる。したがって、制御手段からの指令に従って昇降機構29bが作動し、チャック部29aが上昇する際、キャップはチャック部29aから解放される。
【0054】
ステップS11では、ピストン37b,37bが制御手段の指令に従って後退する。これにより、ボトルBはネックホルダ37a,37aによって首部が挟持された状態から解放される。その結果、
図13に示すように、キャップCが装着されたボトルBはベルトコンベア6の無端ベルト18の上面に載置される。
ステップS12では、制御手段の指令に従ってピストン36bが後退する。これにより、キャップ装着手段29が保持プレート35とともに水平移動し、ボトルBの給水口の真上に給水ノズル28が配置される。
【0055】
ステップS13では、制御手段の指令に従ってコンベア用モータ22が軸部材19a(
図6(b)参照)を回転駆動する。これにより、無端ベルト18の上面に載置されたボルトBは取出位置まで搬送された後、適宜、取り出される。
そして、ステップS2〜ステップS13の工程を所定の回数繰り返した後、ステップS14において、電源を切断する。
【0056】
このように、本発明のガロンボトル充填機においては、保持プレート35が水平移動することで、給水ノズル28によるボトルBへの飲料水の注入が可能な状態と、キャップ装着手段29によるボトルBへのキャップの装着が可能な状態が切り替わるという作用を有する。これにより、ボトルBに対する飲料水の充填工程とキャップの装着工程が効率良く連続して行われる。
また、給水ノズル28によってボトルBに飲料水が注入されている間に、キャップ装着手段29の昇降機構29bを作動させて、チャック部29aをキャップ受け部32aに到達するように下降させると、キャップ受け部32aに予め供給されているキャップがチャック部29aに装填される。すなわち、本発明のガロンボトル充填機によれば、ボトルBへの飲料水の充填工程の間にキャップ装着手段29のチャック部29aに対するキャップの装填を行うことができるため、作業効率が高い。
【0057】
図14は本発明のガロンボトル充填機の変形例を示した構成図である。
本実施例では、1つの筐体内に洗浄ユニット5とベルトコンベア6と充填・密栓ユニット8が収納されているが、首支持搬送ユニット7を省略できる場合には、例えば、
図14に示すように、1台のベルトコンベア6を囲むように洗浄ユニット5a〜5dを設置するとともに、ベルトコンベア6の取り出し側に充填・密栓ユニット8を設置した構造とすることもできる。なお、洗浄ユニットの数は4台に限らず、適宜変更可能である。
このような構造によれば、飲料水の充填とボトルの密栓に比べてボトルの洗浄に要する時間が長い場合でも、複数のボトルが並行して洗浄されるため、生産能力が大幅に増強される。