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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-58566(P2017-58566A)
(43)【公開日】2017年3月23日
(54)【発明の名称】反射ミラーおよびミラー保持機構
(51)【国際特許分類】
   G02B 5/08 20060101AFI20170303BHJP
   G02B 5/10 20060101ALI20170303BHJP
   G03B 21/00 20060101ALI20170303BHJP
   G03B 21/14 20060101ALI20170303BHJP
   G03B 21/28 20060101ALI20170303BHJP
   G02B 7/198 20060101ALN20170303BHJP
   G02B 7/182 20060101ALN20170303BHJP
   G02B 7/00 20060101ALN20170303BHJP
【FI】
   G02B5/08 A
   G02B5/10 A
   G03B21/00 D
   G03B21/14 D
   G03B21/28
   G02B7/198
   G02B7/182
   G02B7/00 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2015-184632(P2015-184632)
(22)【出願日】2015年9月18日
(71)【出願人】
【識別番号】000227364
【氏名又は名称】日東光学株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100125690
【弁理士】
【氏名又は名称】小平 晋
(72)【発明者】
【氏名】山口 貴
【テーマコード(参考)】
2H042
2H043
2K203
【Fターム(参考)】
2H042DA19
2H042DA20
2H042DD05
2H042DE00
2H043AD03
2H043AD13
2H043AD15
2H043AD21
2H043BC06
2H043CA08
2H043CD03
2H043CE00
2K203GA05
2K203GA20
2K203HA04
2K203HB01
2K203MA35
2K203MA40
(57)【要約】
【課題】反射ミラーが搭載される投射光学系において鏡筒と反射ミラーとの相対位置を適切に調整することが可能であっても、反射ミラーの製造コストを低減することが可能な反射ミラーを提供する。
【解決手段】凹曲面状の反射面を有する反射ミラー2において、反射面が形成される側の面をおもて面とし、おもて面の反対側の面を裏面2hとし、反射ミラー2の光軸L1に平行な方向をZ方向とし、Z方向のうちのおもて面から裏面2hへ向かう方向をZ2方向とすると、反射ミラー2の裏面2hには、Z方向に直交する平面2jと、平面2jの周囲の少なくとも一部からZ2方向に向かって立ち上がる壁面2kとが形成されている。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
凹曲面状の反射面を有する反射ミラーにおいて、
前記反射面が形成される側の面をおもて面とし、前記おもて面の反対側の面を裏面とし、前記反射ミラーの光軸に平行な方向を第1方向とし、前記第1方向のうちの前記おもて面から前記裏面へ向かう方向を第2方向とすると、
前記裏面には、前記第1方向に直交する平面と、前記平面の周囲の少なくとも一部から前記第2方向に向かって立ち上がる壁面とが形成されていることを特徴とする反射ミラー。
【請求項2】
前記壁面は、前記平面の全周を囲むように前記平面の全周から前記第2方向に向かって立ち上がっていることを特徴とする請求項1記載の反射ミラー。
【請求項3】
前記平面は、前記反射ミラーの光軸上に形成されていることを特徴とする請求項2記載の反射ミラー。
【請求項4】
前記平面には、前記第2方向に向かって突出する3個以上の突起部が形成されていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の反射ミラー。
【請求項5】
前記第1方向から見たときに、3個以上の前記突起部は、前記平面の中心を取り囲むように配置されていることを特徴とする請求項4記載の反射ミラー。
【請求項6】
前記第1方向から見たときに、3個の前記突起部が前記平面の中心に対して等角度ピッチで配置されていることを特徴とする請求項5記載の反射ミラー。
【請求項7】
請求項1から6のいずれかに記載の反射ミラーと、前記反射ミラーを保持するミラー保持部材とを備えることを特徴とするミラー保持機構。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、凹曲面状の反射面を有する反射ミラーに関する。また、本発明は、かかる反射ミラーを備えるミラー保持機構に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、鏡筒と、鏡筒内のレンズを透過した画像光を反射する反射面が形成された反射ミラーとを備える投射光学系が知られている(たとえば、特許文献1参照)。特許文献1に記載の投射光学系は、反射ミラーを保持するミラー保持部材と、ミラー保持部材を保持するとともに鏡筒に固定される固定部材とを備えている。反射ミラーの反射面の裏側面には、鏡筒と反射ミラーとの相対位置を調整するための平面が形成されている。特許文献1に記載の投射光学系では、鏡筒と反射ミラーとの相対位置を調整するときにコリメータが使用される。コリメータは、ステージと、ステージの上方に配置される光源部と、ステージと光源部との位置および角度を調整するための調整部とを備えている。
【0003】
特許文献1に記載の投射光学系において、鏡筒と反射ミラーとの相対位置を調整するときには、たとえば、まず、鏡筒の基準面とステージの上面とが実質的に平行になるように鏡筒をステージに設置する。その後、固定部材を鏡筒に取り付け、反射ミラーを保持した状態のミラー保持部材を固定部材に取り付ける。その後、反射ミラーの裏側面に形成される平面に光源部から射出される光を当て、平面で反射された光を確認しながら、鏡筒の基準面と平面とが実質的に平行になるまで、ミラー保持部材に対する反射ミラーの角度を調整する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2014−145894号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の投射光学系では、反射ミラーの裏側面に形成される平面の面精度(平面度)が低いと、平面で反射された光を確認しながら鏡筒と反射ミラーとの相対位置を適切に調整することが困難になる。また、この投射光学系では、反射ミラーの裏側面に形成される平面の反射率が低いと、平面で反射された光を確認しながら鏡筒と反射ミラーとの相対位置を適切に調整することが困難になる。そのため、特許文献1に記載の投射光学系では、反射ミラーの裏側面に形成される平面の面精度が高くなるように、かつ、平面の反射率が高くなるように反射ミラーを製造しなければならず、反射ミラーの製造コストが高くなる。
【0006】
そこで、本発明の課題は、反射ミラーが搭載される投射光学系において鏡筒と反射ミラーとの相対位置を適切に調整することが可能であっても、反射ミラーの製造コストを低減することが可能な反射ミラーを提供することにある。また、本発明の課題は、かかる反射ミラーを備えるミラー保持機構を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するため、本発明の反射ミラーは、凹曲面状の反射面を有する反射ミラーにおいて、反射面が形成される側の面をおもて面とし、おもて面の反対側の面を裏面とし、反射ミラーの光軸に平行な方向を第1方向とし、第1方向のうちのおもて面から裏面へ向かう方向を第2方向とすると、裏面には、第1方向に直交する平面と、平面の周囲の少なくとも一部から第2方向に向かって立ち上がる壁面とが形成されていることを特徴とする。
【0008】
本発明の反射ミラーでは、反射面が形成されるおもて面の反対側の面である裏面に、第1方向に直交する平面と、平面の周囲の少なくとも一部から第2方向に向かって立ち上がる壁面とが形成されている。そのため、本発明の反射ミラーが搭載される投射光学系において鏡筒と反射ミラーとの相対位置を調整するときに、平板状に形成される調整用ミラーを反射ミラーの平面上に配置しても、平面上に配置された調整用ミラーのずれを壁面によって防止して一定の位置に調整用ミラーを配置することが可能になる。したがって、この投射光学系では、調整用ミラーで反射された光を確認しながら、鏡筒と反射ミラーとの相対位置を適切に調整することが可能になる。すなわち、この投射光学系では、反射ミラーの平面で反射される光を利用しなくても、鏡筒と反射ミラーとの相対位置を適切に調整することが可能になる。したがって、本発明では、反射ミラーの平面の面精度が高くなるように、かつ、平面の反射率が高くなるように反射ミラーを製造しなくても、鏡筒と反射ミラーとの相対位置を適切に調整することが可能になる。その結果、本発明では、鏡筒と反射ミラーとの相対位置を適切に調整することが可能であっても、反射ミラーの製造コストを低減することが可能になる。
【0009】
本発明において、壁面は、平面の全周を囲むように平面の全周から第2方向に向かって立ち上がっていることが好ましい。このように構成すると、平面上に配置される調整用ミラーのずれを確実に防止することが可能になる。また、このように構成すると、反射ミラーの裏面に、おもて面に向かって窪む凹部を形成することで、反射ミラーの裏面に平面および壁面を形成することが可能になるため、平面および壁面を容易に形成することが可能になる。また、この場合には、平面は、反射ミラーの光軸上に形成されていることが好ましい。このように構成すると、反射ミラーの光軸からずれた位置に平面が形成されている場合と比較して、反射ミラーの裏面に凹部を形成しやすくなる。
【0010】
本発明において、平面には、第2方向に向かって突出する3個以上の突起部が形成されていることが好ましい。このように構成すると、調整用ミラーが3個以上の突起部に載置されるため、調整用ミラーの反射面が第1方向に対して直交するように、反射ミラーの平面上に調整用ミラーを配置することが可能になる。すなわち、反射ミラーの平面上に調整用ミラーを精度良く配置することが可能になる。
【0011】
本発明において、第1方向から見たときに、3個以上の突起部は、平面の中心を取り囲むように配置されていることが好ましい。また、この場合には、第1方向から見たときに、3個の突起部が平面の中心に対して等角度ピッチで配置されていることが好ましい。このように構成すると、調整用ミラーを3点でバランス良く支持することが可能になるため、反射ミラーの平面上に調整用ミラーをより精度良く配置することが可能になる。
【0012】
本発明の反射ミラーは、この反射ミラーを保持するミラー保持部材を備えるミラー保持機構に用いることができる。このミラー保持機構が搭載される投射光学系では、鏡筒と反射ミラーとの相対位置を適切に調整することが可能であっても、反射ミラーの製造コストを低減することが可能になる。
【発明の効果】
【0013】
以上のように、本発明では、反射ミラーが搭載される投射光学系において鏡筒と反射ミラーとの相対位置を適切に調整することが可能であっても、反射ミラーの製造コストを低減することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の実施の形態にかかる反射ミラーが搭載される投射光学系の斜視図である。
図2図1に示す投射光学系を異なる角度から示す斜視図である。
図3図1に示すミラー保持機構の分解斜視図である。
図4図1に示すミラー保持機構を図3と異なる角度から示す分解斜視図である。
図5図1に示すミラー保持機構の縦断面図である。
図6図1に示すミラー保持機構の横断面図である。
図7図5のE−E方向から反射ミラーの平面およびその周辺部分を示す拡大図である。
図8図5のF部の拡大図である。
図9図1に示す投射光学系において鏡筒と反射ミラーとの相対位置を調整するときに使用されるコリメータの模式図である。
図10図1に示す投射光学系において反射ミラーの調整が行われるときの状態を説明するための斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態を説明する。
【0016】
(投射光学系の概略構成)
図1は、本発明の実施の形態にかかる反射ミラー2が搭載される投射光学系4の斜視図である。図2は、図1に示す投射光学系4を異なる角度から示す斜視図である。
【0017】
本形態の反射ミラー2は、曲面状の反射面2aを備えている。この反射ミラー2は、反射ミラー2を保持するミラー保持部材としてのミラー保持枠3を備えるミラー保持機構1の一部分を構成している。ミラー保持機構1は、投射光学系4の一部分を構成している。投射光学系4は、画像調整素子(図示省略)からの画像光を拡大してスクリーン等の投射面に投射するものである。この投射光学系4は、結像光学系を備えており、結像光学系は、複数のレンズによって構成されている。投射光学系4では、画像調整素子から射出され結像光学系を透過した画像光が反射面2aで反射されて、投射面に拡大投射される。この投射光学系4では、反射面2aを用いることで投射画角を広角化することが可能となっており、短い投射距離でも大きなサイズの投射画像を投射面へ投射することが可能となっている。
【0018】
以下の説明では、反射ミラー2の光軸L1に平行な方向(図1等のZ方向)を「前後方向」とし、前後方向に直交する図1等のX方向を「左右方向」とし、前後方向と左右方向とに直交する図1等のY方向を「上下方向」とする。また、Z方向の一方であるZ1方向を「前方向」とし、Z方向の他方であるZ2方向を「後(後ろ)方向」とし、X方向の一方であるX1方向を「右方向」とし、X方向の他方であるX2方向を「左方向」とし、Y方向の一方であるY1方向を「上方向」とし、Y方向の他方であるY2方向を「下方向」とする。本形態の前後方向(Z方向)は第1方向である。
【0019】
投射光学系4は、結像光学系を構成する複数のレンズが内周側に配置される鏡筒5と、ミラー保持枠3が固定されているとともに鏡筒5に固定される固定枠6とを備えている。複数のレンズのそれぞれは、レンズ枠に保持されており、レンズ枠は、前後方向への移動が可能となるように鏡筒5の内周側に配置されている。なお、図1図2では、鏡筒5の後端側の一部分のみが図示されている。
【0020】
鏡筒5は、結像光学系の光軸L2が前後方向と平行になるように配置されている。また、鏡筒5は、結像光学系の光軸L2と反射ミラー2の光軸L1とがほぼ一致するように配置されている。画像調整素子は、鏡筒5よりも前側に配置されており、画像調整素子から射出された画像光は、後ろ側に向かって結像光学系を透過する。固定枠6は、ミラー保持枠3を保持する枠形状の部材であり、鏡筒5に固定される被固定部6aと、ミラー保持枠3が固定される固定部6bとを備えている。被固定部6aは、固定枠6の前側部分を構成し、固定部6bは、固定枠6の後ろ側分を構成している。被固定部6aは、ボルト7によって鏡筒5の後端側に固定されている。
【0021】
(ミラー保持機構の構成)
図3は、図1に示すミラー保持機構1の分解斜視図である。図4は、図1に示すミラー保持機構1を図3と異なる角度から示す分解斜視図である。図5は、図1に示すミラー保持機構1の縦断面図である。図6は、図1に示すミラー保持機構1の横断面図である。図7は、図5のE−E方向から平面2jおよびその周辺部分を示す拡大図である。図8は、図5のF部の拡大図である。
【0022】
ミラー保持機構1は、上述の反射ミラー2およびミラー保持枠3に加え、ミラー保持枠3に回動可能に保持される2個のカム部材9と、一端側が反射ミラー2に係合するとともに他端側がミラー保持枠3およびカム部材9に係合する2個の軸部材10とを備えている。また、ミラー保持機構1は、反射ミラー2の上側部分を前側へ付勢する板バネ11と、反射ミラー2の下側部分を後ろ側へ付勢する圧縮コイルバネ12と、反射ミラー2の下側部分とミラー保持枠3の下側部分とを繋ぐボルト13とを備えている。
【0023】
軸部材10は、鍔付きの円柱状に形成されており、軸部材10の一端側部分を構成する円柱状の軸部10aと、軸部材10の他端側部分を構成する円柱状の軸部10bと、軸部10aと軸部10bとの間に配置される円板状の鍔部10cとから構成されている。軸部10aの長さは軸部10bの長さよりも短くなっている。ボルト13は、たとえば、六角孔付ボルトであり、軸部13aと頭部13bとから構成されている。軸部13aの先端側には、オネジが形成されている。
【0024】
反射ミラー2は、反射面2aが形成される側の面であるおもて面が凹曲面状となり、おもて面の反対側の面である裏面2hが凸曲面状となる略曲板状に形成されている。すなわち、反射ミラー2には、凹曲面状の反射面2aが形成されている。本形態では、おもて面が反射ミラー2の前面となり、裏面2hが反射ミラー2の後面となるように、反射ミラー2が配置されている。本形態の後ろ方向(Z2方向)は、第1方向である前後方向のうちの反射面2aが形成されるおもて面から裏面2hへ向かう方向である第2方向となっている。
【0025】
反射ミラー2の上端の中心には、板バネ11が当接するバネ当接部2bが上側に向かって突出するように形成されている。反射ミラー2の下端の中心には、ボルト13が係合するボルト係合部2cが下側に向かって突出するように形成されている。ボルト係合部2cには、前後方向に貫通する貫通孔2dが形成されている。貫通孔2dは、丸孔状に形成されている。貫通孔2dの内径は、ボルト13の軸部13aの外径よりも大きくなっている。また、図5に示すように、ボルト係合部2cの前面には、圧縮コイルバネ12の一部が配置される凹部2eが形成されている。凹部2eは、ボルト係合部2cの前面から後ろ側に向かって窪むように形成されている。また、凹部2eは、前後方向から見たときの内周面の形状が円形状となるように形成されている。この凹部2eは、貫通孔2dと同軸上に配置されている。
【0026】
左右方向における反射ミラー2の両端面のそれぞれには、軸部材10の軸部10aが係合する係合溝2fが形成されている。係合溝2fは、係合溝2fの長手方向と前後方向とが一致するように形成されるとともに、左右方向の内側に向かって窪むように形成されている。また、係合溝2fの前端側は、開口しており、左右方向から見たときの係合溝2fの形状は、略U形状となっている。係合溝2fの上下方向の幅は、軸部10aの外径とほぼ等しくなっている。反射ミラー2の裏面2hの左右方向の両端側のそれぞれには、前後方向に直交する平面2gが形成されている。本形態では、係合溝2fの後ろ側に平面2gが形成されており、係合溝2fと平面2gとは前後方向で重なるように形成されている。
【0027】
また、反射ミラー2の裏面2hには、前後方向に直交する平面2jが形成されている。平面2jは、前後方向から見たときの形状が円形状となるように形成されている。また、平面2jは、反射ミラー2の光軸L1上に形成されている。具体的には、平面2jの中心を光軸L1が通過するように平面2jが形成されている。また、裏面2hには、平面2jの全周を囲むように平面2jの全周から後ろ側に向かって立ち上がる壁面2kが形成されている。すなわち、裏面2hには、平面2jの全周から後ろ側に向かって立ち上がる円筒面状の壁面2kが形成されている。本形態では、前後方向から見たときの形状が円形状となる凹部を、前側に向かって窪むようにかつ光軸L1がこの凹部の中心を通過するように裏面2hに形成することで、平面2jおよび壁面2kが形成されている。なお、平面2jは、光を反射する反射面となっている。
【0028】
図7図8に示すように、平面2jには、後ろ側に向かって突出する3個以上の突起部2mが形成されている。本形態では、3個の突起部2mが形成されている。3個の突起部2mは同形状に形成されている。また、3個の突起部2mは、前後方向から見たときに平面2jの中心を取り囲むように配置されている。すなわち、3個の突起部2mは、前後方向から見たときに光軸L1を取り囲むように配置されている。また、3個の突起部2mは、前後方向から見たときに平面2jの中心に対して等角度ピッチで配置されている。すなわち、平面2jには、前後方向から見たときに平面2jの中心に対して120ピッチで配置される3個の突起部2mが形成されている。また、3個の突起部2mは、前後方向から見たときに平面2jの中心に対して同心状に配置されている。また、突起部2mの表面は球面状に形成されている。
【0029】
ミラー保持枠3は、反射ミラー2を保持する枠形状の部材であり、左右方向において反射ミラー2を挟むように反射ミラー2の左右の両側のそれぞれに配置される2個の側面部3aと、固定枠6の固定部6bに載置されて固定される2個の被固定部3bと、2個の側面部3aを連結する連結部3c、連結部3dとを備えている。側面部3aは、略平板状に形成されており、側面部3aの厚さ方向と左右方向とが一致するように配置されている。2個の被固定部3bのそれぞれは、2個の側面部3aのそれぞれから左右方向の外側へ広がるように、2個の側面部3aのそれぞれの下端側に繋がっている。連結部3cは、略平板状に形成されており、連結部3cの厚さ方向と上下方向とが一致するように配置されている。この連結部3cは、2個の側面部3aの上端側かつ後端側を繋いでいる。連結部3dは、前後方向から見たときの形状が下側へ膨らむ略円弧状となるように形成されており、2個の側面部3aの下端側かつ前端側を繋いでいる。また、連結部3dは、側面部3aよりも下側へ突出している。
【0030】
2個の側面部3aは、反射ミラー2の上側部分を左右方向で挟んでいる。側面部3aには、カム部材9を回動可能に支持する円柱状の支持軸3eと、カム部材9を固定するための円柱状の突起部3fと、軸部材10の軸部10bが挿通されるガイド孔3gと、後述の調整用治具30を支持する円筒状の軸支持部3hとが形成されている。支持軸3e、突起部3fおよび軸支持部3hは、2個の側面部3aのそれぞれの左右方向の外側の面から左右方向の外側へ突出するように形成されている。支持軸3eの先端側および突起部3fの先端側には、ネジ孔が形成されている。突起部3fは、支持軸3eの真上に配置されている。ガイド孔3gは、側面部3aを貫通するように形成されている。また、ガイド孔3gは、上下方向を長手方向とする長孔状に形成されている。ガイド孔3gの前後方向の幅は、軸部10bの外径とほぼ等しくなっている。このガイド孔3gは、支持軸3eの真下に配置されている。すなわち、突起部3fと支持軸3eとガイド孔3gは、上下方向において上側からこの順番で並ぶように形成されている。軸支持部3hは、ガイド孔3gよりも後ろ側に配置されている。
【0031】
被固定部3bには、上下方向に貫通する貫通孔3iが形成されている。被固定部3bは、固定枠6の固定部6bに載置された状態で貫通孔3iに挿通されるボルト15によって固定部6bに固定されている。また、被固定部3bには、固定枠6に対してミラー保持枠3の左右方向の位置を調整するためのネジ孔3jが形成されている。具体的には、2個の被固定部3bのそれぞれの左右方向の外側面から左右方向の内側に向かってネジ孔3jが形成されている。
【0032】
連結部3cの上面の中心には、板バネ11が固定されるバネ固定部3kが上側に向かって突出するように形成されている。バネ固定部3kには、反射ミラー2のバネ当接部2bが後ろ側から当接する当接部3mが形成されている(図5参照)。また、バネ固定部3kの後面側には、板バネ11が固定される平面状のバネ固定面3nが形成されている。バネ固定面3nは、当接部3mよりも後ろ側に配置されている。左右方向における連結部3cの両端側には、後述の調整用治具31を位置決めして固定するための円柱状の突起部3sが上側に向かって突出するように形成されている。突起部3sの先端側には、ネジ孔が形成されている。
【0033】
連結部3dの下端側には、ボルト13のオネジが係合するネジ孔3pと、圧縮コイルバネ12の一部が配置される凹部3rとが形成されている。凹部3rは、連結部3dの後面から前側に向かって窪むように形成されている。また、凹部3rは、前後方向から見たときの内周面の形状が円形状となるように形成されている。ネジ孔3pは、凹部3rの前側に形成されている。このネジ孔3pは、凹部3rと同軸上に配置されている。
【0034】
カム部材9は、略円板状に形成されている。カム部材9の中心には、ミラー保持枠3の支持軸3eが挿入される挿入孔9aが形成されている。挿入孔9aは、カム部材9を貫通するように形成されている。カム部材9の外周面には、歯車9bが形成されている。歯車9bは、カム部材9の外周面の全周に亘って形成されている。カム部材9の一方の面には、軸部材10の軸部10bの先端側部分が係合するカム溝9cと、回動するカム部材9とミラー保持枠3の突起部3fとの干渉を防止するための逃げ溝9dとが形成されている。カム溝9cおよび逃げ溝9dは、カム部材9の一方の面から他方の面に向かって窪むように配置されている。
【0035】
カム溝9cは、略半円弧状に形成されている。カム部材9の径方向におけるカム溝9cの外側面は、軸部10bの先端側部分が接触するカム面9eとなっている。カム面9eは、カム部材9の中心とカム面9eとの距離がカム部材9の周方向において連続的に変化する曲面状に形成されている。逃げ溝9dは、略半円弧状に形成されている。また、逃げ溝9dは、カム溝9cが形成されていない部分に形成されている。逃げ溝9dが形成された範囲には、カム部材9を貫通する円弧状の貫通孔9fが形成されている。
【0036】
カム部材9は、側面部3aよりも左右方向の外側に配置されている。すなわち、2個のカム部材9のそれぞれは、左右方向における2個の側面部3aの両外側のそれぞれに配置されている。また、カム部材9は、カム溝9cおよび逃げ溝9dが形成される面が左右方向の内側を向くように配置されている。このカム部材9は、側面部3aに回動可能に保持されている。具体的には、カム部材9は、側面部3aの支持軸3eが挿入孔9aに挿入された状態で、左右方向におけるカム部材9の外側から支持軸3eのネジ孔に係合するボルト17によって側面部3aに取り付けられている。カム部材9は、支持軸3eに回動可能に支持されており、左右方向を回動の軸方向として回動する。カム部材9が側面部3aに保持された状態では、側面部3aの突起部3fが逃げ溝9dの中に配置されている。貫通孔9fには、左右方向におけるカム部材9の外側からボルト18が挿通されている。ボルト18の先端側は、突起部3fのネジ孔に係合している。ボルト18は、カム部材9を側面部3aに固定する機能を果たしている。
【0037】
上述のように、反射ミラー2は、2個の側面部3aの間に配置されている。この状態では、図6に示すように、軸部材10の軸部10aは、反射ミラー2の係合溝2fに係合している。また、軸部10bは、ガイド孔3gに挿通されるとともに、軸部10bの先端側部分は、カム溝9cに係合しており、カム面9eに接触している。そのため、カム部材9が回動すると、ガイド孔3gに沿って、軸部材10が上下方向へ連続的に移動するとともに、反射ミラー2の右端側および/または左端側が軸部材10と一緒に上下方向へ連続的に移動する。また、軸部10bは、ガイド孔3gに挿通されるとともに、軸部10bの先端側部分は、カム溝9cに係合しており、軸部10bは、反射ミラー2から左右方向の外側へ突出している。具体的には、2個の軸部10bのそれぞれが、反射ミラー2から左右方向の両外側へ突出している。右側に配置される軸部材10の鍔部10cと右側に配置される側面部3aとの間には、波座金21が配置されている。波座金21の内周側には、軸部10bが挿通されている。波座金21は、左側に配置される側面部3aに向かって、反射ミラー2および2個の軸部材10を付勢している。
【0038】
また、反射ミラー2が2個の側面部3aの間に配置された状態では、反射ミラー2のバネ当接部2bがミラー保持枠3のバネ固定部3kよりも後ろ側に配置され、反射ミラー2のボルト係合部2cがミラー保持枠3の連結部3dの下端側部分よりも後ろ側に配置されている。板バネ11は、ボルト22によってバネ固定部3kのバネ固定面3nに固定されており、バネ当接部2bが当接部3mに後ろ側から当接するようにバネ当接部2bを付勢している。
【0039】
また、図5に示すように、圧縮コイルバネ12の前端側は、ミラー保持枠3の凹部3rの中に配置され、圧縮コイルバネ12の後端側は、反射ミラー2の凹部2eの中に配置されている。ボルト13の頭部13bは、ボルト係合部2cよりも後ろ側に配置され、軸部13aは、貫通孔2dおよび圧縮コイルバネ12の内周側に挿通されている。また、軸部13aに形成されるオネジは、連結部3dのネジ孔3pに係合している。圧縮コイルバネ12は、ボルト係合部2cと連結部3dの下側部分とが互いに離れるように、かつ、ボルト係合部2cが頭部13bに接触するようにボルト係合部2cを付勢している。そのため、反射ミラー2の下側部分は、ミラー保持枠3の下側部分に対して動かないようにミラー保持枠3の下側部分に保持される。
【0040】
(鏡筒と反射ミラーとの相対位置の調整方法)
図9は、図1に示す投射光学系4において鏡筒5と反射ミラー2との相対位置を調整するときに使用されるコリメータ25の模式図である。図10は、図1に示す投射光学系4において反射ミラー2の調整が行われるときの状態を説明するための斜視図である。
【0041】
投射光学系4では、たとえば、製造工場での投射光学系4の組立時に、コリメータ25を用いて鏡筒5と反射ミラー2との相対位置を調整する。コリメータ25は、図9に示すように、投射光学系4が載置されるステージ26と、ステージ26に向かって調整用の光を射出するとともに反射された光の計測を行うコリメータ部27と、ステージ26とコリメータ部27との位置および角度を調整するための調整部28とを備えている。鏡筒5と反射ミラー2との相対位置を調整するときには、まず、コリメータ部27の光軸L3とステージ26の搭載面26aとが直交するように調整部28によってコリメータ25を調整する。
【0042】
その後、ステージ26の搭載面26aに投射光学系4を設置する。具体的には、鏡筒5の内周側に配置される結像光学系の光軸L2がコリメータ部27の光軸L3と平行になるように搭載面26aに投射光学系4を設置する。また、投射光学系4の後ろ側(Z2方向側)がコリメータ部27側を向き、投射光学系4の前側(Z1方向側)がステージ26側を向くように搭載面26aに投射光学系4を設置する。その後、反射ミラー2の平面2jを光軸L3が通過するように調整部28によってコリメータ25を調整する。
【0043】
その後、円板状に形成された調整用ミラー29(図8参照)を反射ミラー2の突起部2mに載置して、コリメータ部27から調整用ミラー29へ調整用の光を射出する。また、調整用ミラー29で反射された光を確認しながら、調整用ミラー29の反射面29aと光軸L3とが直交するように、反射ミラー2の角度を調整する。具体的には、ミラー保持枠3のネジ孔3pに対するボルト13のねじ込み量を調整することで、左右方向を回動の軸方向とする反射ミラー2の角度を調整する。
【0044】
また、反射ミラー2の平面2gを押すことで、上下方向を回動の軸方向とする反射ミラー2の角度を調整する。本形態では、調整用治具31を用いて、上下方向を回動の軸方向とする反射ミラー2の角度を調整する。調整用治具31は、治具本体部32と、治具本体部32をミラー保持枠3に固定するための2本の固定用ボルト33と、反射ミラー2の角度を調整する2本の調整用ボルト34とを備えている。固定用ボルト33は、把持部33aと、把持部33aから突出する軸部(図示省略)とを備えており、軸部にオネジが形成されている。調整用ボルト34は、把持部34aと、把持部34aから突出する軸部34bとを備えており、軸部34bにオネジが形成されている。軸部34bの先端は、平面状となっている(図6参照)。
【0045】
治具本体部32は、ミラー保持枠3の連結部3cに載置されて固定される平板状の被固定部32aと、調整用ボルト34を保持する2個のボルト保持部32bとから構成されている。被固定部32aの左右の両端側には、固定用ボルト33の軸部が挿通される貫通孔(図示省略)が形成されている。ボルト保持部32bは、前後方向に直交する平板状に形成されている。2個のボルト保持部32bのそれぞれは、被固定部32aの左右の両端側のそれぞれに繋がるように、かつ、被固定部32aの左右の両端側のそれぞれから90°に折れ曲がるように形成されている。ボルト保持部32bには、調整用ボルト34の軸部34bのオネジが係合するネジ孔32cが形成されている(図6参照)。
【0046】
調整用治具31は、連結部3cに被固定部32aが載置されるとともに固定用ボルト33のオネジが突起部3sのネジ孔にねじ込まれることで、ミラー保持枠3に取り付けられる。治具本体部32に取り付けられた2本の調整用ボルト34の軸部34bの先端のそれぞれは、反射ミラー2の2個の平面2gのそれぞれに後ろ側から当接可能な位置に配置されている。ネジ孔32cに対する調整用ボルト34のねじ込み量を調整して2個の平面2gの押し量を調整することで、上下方向を回動の軸方向とする反射ミラー2の角度を調整する。上下方向を回動の軸方向とする反射ミラー2の角度の調整が終わると、調整用治具31は、ミラー保持枠3から取り外される。
【0047】
なお、本形態では、ボルト15を緩めた状態で、調整用ボルト(図示省略)の先端が固定枠6に接触するように左右方向の外側からミラー保持枠3のネジ孔3jに調整用ボルトを係合させるとともに、ネジ孔3jに対する調整用ボルトのねじ込み量を調整して固定枠6に対するミラー保持枠3の左右方向の取付位置を調整することで、左右方向における反射ミラー2の位置を調整することが可能になっている。また、ボルト18を緩めた状態で、2個のカム部材9を回動させてミラー保持枠3に対して反射ミラー2の左右の両側を昇降させることで、上下方向における反射ミラー2の位置や前後方向を回動の軸方向とする反射ミラー2の角度を調整することが可能になっている。
【0048】
本形態では、調整用治具30を用いて、上下方向における反射ミラー2の位置や前後方向を回動の軸方向とする反射ミラー2の角度を調整する。調整用治具30は、円柱状に形成される把持部30aと、カム部材9の歯車9bに噛み合う治具側歯車30bが外周面に形成される歯車部30cと、側面部3aの軸支持部3hに回動可能に支持される円柱状の回動中心軸部30dとから構成されている。上下方向における反射ミラー2の位置や前後方向を回動の軸方向とする反射ミラー2の角度を調整するときには、歯車9bと治具側歯車30bとが噛み合うように回動中心軸部30dを軸支持部3hに挿入してから、把持部30aを掴んで調整用治具30を回動させる。調整用治具30が回動すると、カム部材9も一緒に回動して、上下方向における反射ミラー2の位置や前後方向を回動の軸方向とする反射ミラー2の角度が調整される。また、調整が終わると、調整用治具30は取り外される。
【0049】
(本形態の主な効果)
以上説明したように、本形態では、反射ミラー2の裏面2hに、前後方向に直交する平面2jと、平面2jの全周を囲むように平面2jの全周から後ろ側に向かって立ち上がる壁面2kとが形成されている。そのため、本形態では、投射光学系4において鏡筒5と反射ミラー2との相対位置を調整するときに、調整用ミラー29を反射ミラー2の平面2j上に配置しても、平面2j上に配置される調整用ミラー29のずれを壁面2kによって防止して一定の位置に調整用ミラー29を配置することが可能になる。したがって、本形態では、上述のように調整用ミラー29で反射された光を確認しながら、反射ミラー2の角度を適切に調整することが可能になる。すなわち、本形態では、反射ミラー2の平面2jで反射される光を利用しなくても、反射ミラー2の角度を適切に調整することが可能になる。したがって、本形態では、平面2jの面精度が高くなるように、かつ、平面2jの反射率が高くなるように反射ミラー2を製造しなくても、鏡筒5と反射ミラー2との相対位置を適切に調整することが可能になる。その結果、本形態では、鏡筒5と反射ミラー2との相対位置を適切に調整することが可能であっても、反射ミラー2の製造コストを低減することが可能になる。
【0050】
また、本形態では、壁面2kは、平面2jの全周を囲むように平面2jの全周から後ろ側に向かって立ち上がっているため、平面2j上に配置される調整用ミラー29のずれを確実に防止することが可能になる。また、本形態では、反射ミラー2の裏面2hに、前側に向かって窪む凹部を形成することで、裏面2hに平面2jおよび壁面2kを形成することが可能になるため、平面2jおよび壁面2kを容易に形成することが可能になる。また、本形態では、平面2jが反射ミラー2の光軸L1上に形成されているため、平面2jが光軸L1からずれた位置に形成されている場合と比較して、略曲板状に形成される反射ミラー2の裏面2hに凹部を形成しやすくなる。
【0051】
本形態では、平面2jに、後ろ側に向かって突出する3個の突起部2mが形成されており、鏡筒5と反射ミラー2との相対位置を調整するときに、3個の突起部2mに調整用ミラー29が載置されている。すなわち、本形態では、鏡筒5と反射ミラー2との相対位置を調整するときに、調整用ミラー29が3個の突起部2mによって3点支持されている。そのため、本形態では、調整用ミラー29の反射面29aが前後方向に対して直交するように(すなわち、反射ミラー2の光軸L1に対して直交するように)、平面2j上に調整用ミラー29を配置することが可能になる。すなわち、平面2j上に調整用ミラー29を精度良く配置することが可能になり、その結果、鏡筒5と反射ミラー2との相対位置を精度良く調整することが可能になる。
【0052】
(他の実施の形態)
上述した形態では、平面2jは、平面2jの中心を光軸L1が通過するように形成されているが、平面2jは、平面2jの中心からずれた位置を光軸L1が通過するように形成されても良い。この場合には、平面2jは、光軸L1からずれた位置に形成されても良い。すなわち、光軸L1と交わらない位置に平面2jが形成されても良い。また、上述した形態では、壁面2kは、平面2jの全周を囲むように平面2jの全周から後ろ側に向かって立ち上がるように形成されているが、壁面2kは、平面2jの周囲の一部から後ろ側に向かって立ち上がるように形成されても良い。この場合には、たとえば、裏面2hから後ろ側に向かって立ち上がる壁部の内側面が壁面2kとなり、裏面2hには壁面2kを形成するための凹部は形成されない。
【0053】
上述した形態では、3個の突起部2mは、前後方向から見たときに平面2jの中心に対して等角度ピッチで配置されているが、3個の突起部2mは、平面2jの中心に対して等角度ピッチで配置されていなくても良い。また、上述した形態では、3個の突起部2mは、前後方向から見たときに平面2jの中心に対して同心状に配置されているが、3個の突起部2mは、平面2jの中心に対して同心状に配置されていなくても良い。さらに、上述した形態では、平面2jに3個の突起部2mが形成されているが、平面2jに形成される突起部2mの数は4個以上であっても良い。
【0054】
上述した形態では、突起部2mは、表面の形状が球面状をなす突起であるが、突起部2mは、円錐状、円錐台状、円柱状、多角錐状、多角錐台状あるいは多角柱状等に形成される突起であっても良い。また、突起部2mは、平板状あるいはU形状等をなす曲板状等に形成される突起であっても良い。この場合、突起部2mに載置される調整用ミラー29が安定するのであれば、突起部2mの数は2個または1個であっても良い。また、上述した形態では、平面2jは、前後方向から見たときの形状が円形状となるように形成されているが、平面2jは、前後方向から見たときの形状が楕円形状または多角形状等の他の形状となるように形成されても良い。この場合には、調整用ミラー29は、平面2jの形状に応じて、楕円板状または多角板状等に形成される。
【0055】
なお、上述した形態では、鏡筒5と反射ミラー2との相対位置を調整するときに、平面2j上に調整用ミラー29を配置しているが、平面2jの面精度および平面2jの反射率が確保できているのであれば、鏡筒5と反射ミラー2との相対位置を調整するときに、平面2j上に調整用ミラー29を配置しなくても良い。この場合には、コリメータ部27から平面2jへ調整用の光を射出し、平面2jで反射された光を確認しながら、平面2jと光軸L3とが直交するように反射ミラー2の角度を調整すれば良い。
【符号の説明】
【0056】
1 ミラー保持機構
2 反射ミラー
2a 反射面
2h 裏面
2j 平面
2k 壁面
2m 突起部
3 ミラー保持枠(ミラー保持部材)
L1 反射ミラーの光軸
Z 第1方向
Z2 第2方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10