(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-58735(P2017-58735A)
(43)【公開日】2017年3月23日
(54)【発明の名称】作図方法
(51)【国際特許分類】
G06T 11/20 20060101AFI20170303BHJP
【FI】
G06T11/20
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【全頁数】4
(21)【出願番号】特願2015-180578(P2015-180578)
(22)【出願日】2015年9月14日
(71)【出願人】
【識別番号】515256718
【氏名又は名称】力田 賢次
(74)【代理人】
【識別番号】100114661
【弁理士】
【氏名又は名称】内野 美洋
(72)【発明者】
【氏名】力田 賢次
【テーマコード(参考)】
5B080
【Fターム(参考)】
5B080AA03
5B080DA07
(57)【要約】
【課題】最初に与えられた長方形と面積の等しい正方形を容易に作図する方法を提供すること。
【解決手段】本発明では、長方形ABCDを描き、点Dを中心として半径CDの円弧と辺ADの延長線との交点を点Eとし、直線AEの中点を点Fとし、点Fを中心として半径AFの円弧と辺CDの延長線との交点を点Gとし、直線DGを一辺とする正方形DGHIを作図することで、長方形ABCDと面積の等しい正方形DGHIを作図することができる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
長方形ABCDを描き、
点Dを中心として半径CDの円弧と辺ADの延長線との交点を点Eとし、
直線AEの中点を点Fとし、
点Fを中心として半径AFの円弧と辺CDの延長線との交点を点Gとし、
直線DGを一辺とする正方形DGHIを作図することで、
長方形ABCDと面積の等しい正方形DGHIを作図することができることを特徴とする作図方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、長方形と面積の等しい正方形を作図することができる作図方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、様々な作図方法が考えられている(たとえば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11−134512号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明者は、長方形が与えられたときに、その長方形と面積の等しい正方形を容易に作図することができる作図方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明では、長方形ABCDを描き、点Dを中心として半径CDの円弧と辺ADの延長線との交点を点Eとし、直線AEの中点を点Fとし、点Fを中心として半径AFの円弧と辺CDの延長線との交点を点Gとし、直線DGを一辺とする正方形DGHIを作図することで、長方形ABCDと面積の等しい正方形DGHIを作図することができる。
【発明の効果】
【0006】
本発明では、長方形が与えられたときに、その長方形と面積の等しい正方形を容易に作図することができる。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下に、本発明に係る作図方法の具体的な内容について図面を参照しながら説明する。
図1に示すように、まず、与えられた長方形(ここでは、長方形ABCDとする。)を描く。ここで、長方形ABCDの短辺(辺AB、辺CD)の長さをaとし、長方形ABCDの長辺(辺AD、辺BC)の長さをbとする。
次に、長方形ABCDの右上の点Dを中心として、長方形ABCDの短辺(辺CD)の長さaを半径とする円弧を点Dの右下側に描き、長方形ABCDの上側の長辺(辺AD)を右側にさらに延長した延長線を描き、これら円弧と延長線との交点をEとする。なお、点A、点D、点Eは同一直線上となる。
次に、直線AEの中点を点Fとし、点Fを中心として、直線AF(直線EF)を半径とする円弧を直線AEの上側に描き、長方形ABCDの右側の短辺(辺CD)を上側にさらに延長した延長線を描き、これら円弧と延長線との交点をGとする。なお、点C、点D、点Gは同一直線上となる。また、直線AGの長さをdとし、直線EGの長さをeとする。三角形AEGは、直線AEを直径とする円弧に内接する三角形であるために、角AGEを直角とする直角三角形となる。また、三角形ADGは、角ADGを直角とする直角三角形となり、三角形EDGは、角EDGを直角とする直角三角形となる。
次に、直線DGを一辺とする正方形を描く。その際には、直線DGの長さをcとし、点Gの右側に距離cだけ離れた点をHとし、点Dの右側に距離cだけ離れた点をIとし、正方形DGHIを描く。
このようにして描かれた正方形DGHIは、最初に与えられた長方形ABCDと同一の面積となる。
すなわち、直角三角形AEGについてピタゴラスの定理を適用すると、
(辺AEの長さ)
2=(辺AGの長さ)
2+(辺EGの長さ)
2 ・・・(式1)
となる。
ここで、辺AEの長さ=辺ADの長さ+辺DEの長さ
=辺ADの長さ+辺CDの長さ
=a+b
辺AGの長さ=d
辺EGの長さ=e
であるから、これらを式1に代入すると、
(a+b)
2=d
2+e
2
となり、これを展開すると、
a
2+b
2+2ab=d
2+e
2 ・・・(式2)
となる。
ここで、直角三角形ADGについてピタゴラスの定理を適用すると、
(辺AGの長さ)
2=(辺ADの長さ)
2+(辺DGの長さ)
2
となり、これに、辺AGの長さ=d、辺ADの長さ=b、辺DGの長さ=cを代入すると、
d
2=b
2+c
2 ・・・(式3)
となる。
同様に、直角三角形EDGについてピタゴラスの定理を適用すると、
(辺EGの長さ)
2=(辺DGの長さ)
2+(辺DEの長さ)
2
となり、これに、辺EGの長さ=e、辺DGの長さ=c、辺DEの長さ=aを代入すると、
e
2=c
2+a
2 ・・・(式4)
となる。
式2に式3と式4を代入すると、
a
2+b
2+2ab=b
2+c
2+c
2+a
2
となり、
2ab=2c
2
となり、
よって、ab=c
2となる。
ここで、左辺のabは、長方形ABCDの面積であり、右辺のc
2は正方形DGHIの面積である。
したがって、上記した作図方法によって描かれた正方形DGHIの面積は、最初に与えられた長方形ABCDの面積と等しいことが証明される。
なお、上記作図方法と逆の手順を行うことによって、正方形DGHIと長方形の一辺(辺CD)とが与えられた場合に、正方形DGHIと面積の等しい長方形ABCDを作図することもできる。