特開2017-58900(P2017-58900A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特開2017058900-見守りシステム 図000003
  • 特開2017058900-見守りシステム 図000004
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-58900(P2017-58900A)
(43)【公開日】2017年3月23日
(54)【発明の名称】見守りシステム
(51)【国際特許分類】
   G08B 25/04 20060101AFI20170303BHJP
   G08B 23/00 20060101ALI20170303BHJP
   H04M 3/00 20060101ALI20170303BHJP
   H04M 11/00 20060101ALI20170303BHJP
【FI】
   G08B25/04 K
   G08B23/00 510D
   H04M3/00 B
   H04M11/00 301
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2015-182535(P2015-182535)
(22)【出願日】2015年9月16日
(71)【出願人】
【識別番号】504115116
【氏名又は名称】株式会社 コアシステムズ
(74)【代理人】
【識別番号】100091719
【弁理士】
【氏名又は名称】忰熊 嗣久
(72)【発明者】
【氏名】都築 邦昭
【テーマコード(参考)】
5C087
5K201
【Fターム(参考)】
5C087AA04
5C087AA09
5C087AA25
5C087BB14
5C087BB74
5C087DD03
5C087DD24
5C087EE05
5C087EE16
5C087FF01
5C087FF02
5C087FF19
5C087FF20
5C087FF22
5C087GG02
5C087GG22
5K201BA02
5K201BA03
5K201BA19
5K201CA06
5K201CB13
5K201CB16
5K201CD09
5K201EA05
5K201EC06
5K201EF03
5K201EF04
5K201EF07
5K201EF09
(57)【要約】      (修正有)
【課題】過去の状態、活動から継続して現在の在宅高齢者の状態を見守ることを可能とした見守りシステムを提供すること。
【解決手段】見守りシステムは、顧客宅Pに設置されたローカル端末機器20との間でIP網2を介して直接通信を行う。見守りシステムが、有床診療所Cの表示装置9にリスト画面を表示しているとき、一人の顧客が選択されると、指定された顧客宅のローカル端末機器20とIP網2を介して映像と音声を直接通信するセッションを確立させる。表示装置9には、その顧客について前回日付と、前回コメントとローカル端末機器20からの画像とコメント記入欄を含む見守り画面が表示される。見守りシステムに、入力されたコメントは、コメント欄に記入され、かつコメント履歴ファイル7に記録される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
顧客宅に設置されたローカルカメラ、ローカルマイク及びIP網との通信機能を備えたローカル端末機器との間で当該IP網を介してSIPによる直接通信を行う見守りシステムにおいて、
操作者によりコメントが入力可能なキーボードと、
ホスト側マイクと、
ホスト側スピーカーと、
個々の顧客対応に個人情報、見守り頻度を保持する顧客マスタファイルとローカル端末機器とのセッションが行われた日付とその際にキーボード入力されたコメントを保持するコメント履歴ファイルが格納されたファイル装置と、
一人の顧客について前回セッションが行われた日付の欄と、前回セッション時に記入された前回コメントの欄と動画の表示欄とコメント記入欄を含む見守り画面と、当日の見守り対象となる顧客の氏名欄をリスト形式で表示するリスト画面とが表示される2次元表示可能な表示装置と、
前記見守り頻度に基づき本日にセッションを行う顧客を前記ファイル装置から抽出して、前記リスト画面を作成して前記表示装置に表示し、前記表示装置に表示したリスト画面の中から1人の顧客が指定されたときに、前記コメント履歴ファイルから前回セッション時の日付とコメントを読み出して前記日付の欄と前回コメントの欄に記入し、かつ、指定された顧客宅のローカル端末機器とIP網を介して映像と音声を直接通信するセッションを確立させて、前記ローカルカメラから得られた映像を前記動画の表示欄に表示し、さらに、前記キーボード入力されたコメントを前記コメント欄に記入して、前記コメント履歴ファイルに本日の日付と関連つけて記録する演算処理装置とを有することを特徴とする見守りシステム。
【請求項2】
請求項1の見守りシステムにおいて、前記演算処理装置は、前記見守り画面のコメント欄に対して記入がされた場合に、前記リスト画面を再度表示する際には、当該見守り画面の顧客については選択済みの表示を行い、コメント欄に対して未記入の際には再度選択可能にしておくことを特徴とする見守りシステム。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、在宅高齢者の見守りシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
端末同士で直接通信するSIP(Session Initiation Protocol、セッション イニシエーション プロトコル)により、相手の顔を見ながら会話ができるTV電話やTV会議が利用できるようになった。このようなSIPを利用して、遠隔地から映像を見て、在宅高齢者の安否を確認する見守りを行うサービスが提案されている。例えば、特許文献1においては、TV電話機を寺社と信者宅に配置し、神社の朝のお勤めをTV電話により信者宅に同報し、寺社において信者の活動状況をチェックする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実登第3153831号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の見守りシステムは、現状の状態を確認できるに過ぎず、過去から調子が良くなってきているのか、悪くなってきているのか、或いはつじつまの合わない話しをするようになっているのか、経過を確認することができなかった。
【0005】
本発明は、これらの課題を解決して、過去の状態、活動から継続して現在の在宅高齢者の状態を見守ることを可能とした見守りシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、本発明の介護システムでは、顧客宅に設置されたローカルカメラ、ローカルマイク及びIP網との通信機能を備えたローカル端末機器との間で当該IP網を介してSIPによる直接通信を行う見守りシステムにおいて、
操作者によりコメントが入力可能なキーボードと、
ホスト側マイクと、
ホスト側スピーカーと、
個々の顧客対応に個人情報、見守り頻度を保持する顧客マスタファイルとローカル端末機器とのセッションが行われた日付とその際にキーボード入力されたコメントを保持するコメント履歴ファイルが格納されたファイル装置と、
一人の顧客について前回セッションが行われた日付の欄と、前回セッション時に記入された前回コメントの欄と動画の表示欄とコメント記入欄を含む見守り画面と、当日の見守り対象となる顧客の氏名欄をリスト形式で表示するリスト画面とが表示される2次元表示可能な表示装置と、
前記見守り頻度に基づき本日にセッションを行う顧客を前記ファイル装置から抽出して、前記リスト画面を作成して前記表示装置に表示し、前記表示装置に表示したリスト画面の中から1人の顧客が指定されたときに、前記コメント履歴ファイルから前回セッション時の日付とコメントを読み出して前記日付の欄と前回コメントの欄に記入し、かつ、指定された顧客宅のローカル端末機器とIP網を介して映像と音声を直接通信するセッションを確立させて、前記ローカルカメラから得られた映像を前記動画の表示欄に表示し、さらに、前記キーボード入力されたコメントを前記コメント欄に記入して、前記コメント履歴ファイルに本日の日付と関連つけて記録する演算処理装置とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、顧客と会話しながら、前回のセッション時のコメントを参照することができるため、異変に気付き易くなる。例えば、同じ話が繰り返される、前回話していたことが今回はないことになっている等、つじつまの合わない話しがされたかどうか等、前回のコメントとの比較ができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】見守りシステム1の構成を示す図である。
図2】プログラム15aの処理手順と処理画面を示す図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
図1は、見守りシステム1の構成を示す図である。見守りシステム1は、有床診療所(ベッド数が19以下)Cが、その地域の在宅高齢者を見守る。見守りシステム1は、有床診療所Cに設置され、高齢者宅Pに設置されたローカル端末機器20とIP網2を利用した相互通信を行なう。見守りシステム1は、地域に密着した顔見知りの医師や看護師が操作者として操作する。見守りシステム1は、液晶などの2次元表示が可能な表示装置9、ハードディスク等のファイル装置5、演算処理装置4,入出力制御装置10、操作者が入力可能なキーボード11、メモリ15,ホスト側マイク13、ホスト側スピーカー(ヘッドフォン)14を備えたIP網2に接続可能な計算機である。高齢者宅Pに設置されたローカル端末機器20は、ローカルカメラ20a、ローカルマイク20b、ローカルスピーカー20cを具備し、IP網2に接続可能な機器である。キーボード11としては、機械式、タッチパネル式なものを問わない。
【0010】
メモリ15には、プログラム15aが格納されており、プログラム15aの処理手順に基づき見守りが行われる。ファイル装置5は、顧客マスタファイル6と、顧客ごとに用意されているコメント履歴ファイル7と、見回り予定を示すスケジュールファイル8とを格納している。顧客マスタファイル6は、顧客の氏名6a、個人情報(住所、電話番号、生年月日、IPアドレス等)6b、家族情報(氏名、住所、電話番号等)6c、見守り頻度6dの情報を、顧客ごとに保持する。見守り頻度6dは、在宅高齢者への見守りを、1日1回行うか、2日に1回行うか、或いは曜日指定して行うかなどの見守りの頻度を表す情報である。これらの情報は、顧客と見守り契約を行う時点で入力される。コメント履歴ファイル7は、顧客の見守りを行う過程でコメントが蓄積されるファイルである。有床診療所の医師や看護師が、高齢者の顔を見ながら会話したときに、コメント欄9k(図2)に残されたコメントが、見守りをした日付と関連付けられて記憶される。スケジュールファイル8は、所定の期間(例えば1ヶ月)のスケジュールを示すものであり、いつどの顧客がコール対象であるかを、顧客マスタファイル6の見守り頻度6dに基づき作成する。
【0011】
図2は、プログラム15aの処理手順と、プログラム15aを演算処理装置4が実行した際の表示装置9の2次元表示画面を示している。有床診療所Cにおいて、プログラム8aが起動されると、まず見守りシステム1内の時計の本日の日付に基づき「本日「見守りコール」対象者」と題したリスト画面fを表示装置9に表示する(ステップ81)。リスト画面fは、当日の見守り対象となる顧客の情報をリスト形式で表示するものであり、各行は顧客の氏名欄9a、前回セッションが行われた日付けを示す前回日付欄9b、前回セッション時に記入されたコメントを示すコメント欄9c、住所欄9d、呼出回数9e欄を含んでいる。演算処理装置4は、当日の日付に基づきスケジュールファイル8に示された顧客に対して、顧客氏名欄9f、前回日付欄9b、コメント欄9h、住所欄9iに、夫々顧客氏名、前回日付、コメント、住所を顧客マスタファイル6とコメント履歴ファイル7から読み込んでリスト画面fを作成し、表示装置9に表示する。
【0012】
リスト画面f上で、医師又は看護師が一人の顧客を選択すると、「見守りコール」と題した見守り画面sを表示装置9に表示する(ステップS82)。見守り画面sは、演算処理装置4により作成され、表示装置9に表示されるものであり、当該一人の顧客について、顧客氏名欄9f、前回セッション時の日付の欄9g、前回セッション時に記入されたコメントの欄9h、住所欄9i、及び動画の表示欄9j、コメント記入欄9k、終了ボタン9mを含んでいる。演算処理装置4は、顧客氏名欄9f、前回日付の欄9g、コメント欄9h、住所欄9iに、夫々を、夫々顧客氏名、前回日付、コメント、住所を顧客マスタファイル6とコメント履歴ファイル7から読み込んで見守り画面sを作成する。
【0013】
ステップS82において見守りシステム3は、IP網上のSIPサーバ(図示せず)を介して、ローカル端末機器20を直接通信に招待する。ローカル端末機器20は、高齢者による操作無しに自動的にステータスコード200OK「成功」を返して、対するACK応答によりセッションが確立する。セッションが確立するとローカル端末機器20と見守りシステム3との間で、音声と画像の通信ができるようになる。すなわち、ローカル端末機器20からはローカルカメラ20aからは現地の画像、ローカルマイク20bからは音声が取得され、見守りシステム3のホスト側スピーカー14で視聴でき、見守りシステム3からはホスト側マイク13の音声を送り、ローカルスピーカー20cで視聴することができるようになる。演算処理装置4は、ローカルカメラ20aから得られた画像を動画の表示欄9jに表示する。
【0014】
医師又は看護師は、ホスト側マイク13を用いて、「××さん」との呼びかけを行い、ローカルスピーカー20cを介して音声で呼び出す。「××さん」がローカルカメラ20aの撮像範囲に来ることにより、動画の表示欄10jに「××さん」が現れれば、顔を見ながら会話を行う。その際、高齢者の表情や、話し方で判断することはもちろんのこと、前回のセッション時のコメントを参照することができるため、異変に気付き易くなる。例えば、同じ話が繰り返される、前回話していたことが今回はないことになっている等、つじつまの合わない話しがされたかどうか等、前回のコメント欄9hとの比較ができるようになる。会話が終了すれば、終了ボタン10mを押して(ステップ85)、終了する。
【0015】
ステップ83において、医師又は看護師は、キーボード11を用いてコメント欄9kに対して記入を行う。実施例の見守り画面sは、コメント欄9hが前回のものだけであるが、さらにさかのぼって、複数のコメントを表示しても良い。記入されたコメントは、コメント履歴ファイル7に対してセッションが行われた本日の日付と関連付けられてコメント欄7bに記録される。
【0016】
一方、ステップ84において、動画の表示欄9jに「××さん」が現れなければ、コメントを記入すること無く、終了ボタン9mを押す(ステップ85)。見守りシステム3は、終了ボタン9mが押されると、ローカル端末機器20とのセッションを切断する。コメント履歴ファイル7のコメント欄7bへの記録は行われないことになる。
【0017】
ステップ86において、見守りシステム3はリスト画面fの表示に戻るが、その際にリスト画面fの更新が行われる。すなわち、コールして会話の終了した顧客の行については選択済みの表示を行い、会話が出来ず、コメント欄7bにコメントが記入されなかった顧客の行については再度選択可能にしておく。呼出回数9eの欄に会話が出来なかったコールの回数を記入しても良い。
【0018】
上記実施例において、コメント履歴ファイル7は、家族の計算機30からは参照できるようにしても良い。また、高齢者宅Pには、専用呼出ボタン21を設置し、さらに、見守りシステム3に警報器12を設置し、専用呼出ボタン21が押された顧客について、緊急的に見守り画面sを表示装置9に表示出来るようにしても良い。また、高齢者宅Pに、暗視カメラセンサー機器22を設置し、顧客の動きをモニタリングし異常を検知しても良い。異常を検知した顧客について、報器12により医師又は看護師に警報し、緊急的に見守り画面sを表示装置9に表示出来るようにしても良い。
【0019】
見守りシステム1が有床診療所Cにより運用されることで、地域に密着した顔見知りの医師や看護師により常時見守られることで、高齢者及びその家族は、高齢者のちょっとした体調の変化や病気を早期に気付き必要な処置を講じてもらえる安心感がある。
【符号の説明】
【0020】
2 IP網
3 見守りシステム
6 顧客マスタファイル
7 コメント履歴ファイル
20 ローカル端末機器


図1
図2