【実施例1】
【0009】
まず、本発明の概要を
図1に基づいて説明する。
本発明では、2つの準備活動を行う。
1つ目は、社会貢献情報の作成である。
障害者は、バリアフリー商品やバリアフリー施設の増加を望んでいる。また、障害者は、日頃様々な場所や場面で不便を感じており、「ここをこうすればもっと便利になる」などのバリアフリーに関するアイデアを沢山考えている。
そこで、障害者施設等でバリアフリーアイデアを編集した社会貢献情報(バリアフリー情報)を作成する。なお、社会貢献情報は冊子として印刷してもよいし、電子出版物(電子データ)にしてもよい。
2つ目は、社会貢献活動の参加者の募集である。
社会貢献活動を行いたい(バリアフリー社会の実現に尽力したい)と望む人々は多数いるので、そのような人達を募集し会員として登録してもらう。なお、会員(参加者)は、例えば「バリアフリー推進委員」等の名称を名乗ることができるものとする。
準備は以上である。
【0010】
障害者施設で作成された社会貢献情報は、冊子の場合は郵送で、電子出版物の場合は電子メールなどの手段を利用してバリアフリー推進委員に届けられる。
バリアフリー推進委員は、受け取った社会貢献情報を知人(知人Aや知人B)に知らせる。小冊子の場合は手渡しで、電子出版物の場合は電子メールの転送などの機能を使って知らせる。すなわち、バリアフリー推進委員は社会貢献情報を頒布する頒布者となることにより、社会貢献活動を行うのである。
社会貢献活動を知らされた知人は、普段気にかけていなかったバリアフリーについて知識を得ることができる。
このようなことを繰り返すことにより、次第に多くの人がバリアフリーに関心を持つようになり、最終的には誰もが暮らしやすいバリアフリー社会が実現する。
【0011】
また、バリアフリー推進委員からは社会貢献活動への参加料(体験料)を徴収し、参加料の一部または全部は、社会貢献情報の提供に携わった障害者施設の情報提供料となる。これにより障害者施設の仕事が増える。
更に、自らが考えたバリアフリーアイデアを製品化したいと思う障害者もおり、参加料の一部は、製品化資金として役立てられる。これにより、障害者は経済的自立のチャンスを得ることができる。
【0012】
本発明の実施例を図に基づいて説明する。
図2は、本実施例で利用されるハードウェアの概略図である。
管理装置1は、コンピュータであり、本実施例において中心的な役割を果たすものである。
情報提供処理装置2は、バリアフリー普及に役立つアイデア等を編集して社会貢献情報(バリアフリー情報)を生成して記憶装置に記憶したり、それを記憶装置から取得して参加者に提供するための処理を行うコンピュータである。なお、情報提供処理装置2は、社会からの支援が必要な被支援者(障害者施設等)が管理するコンピュータであることが望ましい。
参加者端末3は、社会貢献活動に参加した者(頒布者であるバリアフリー推進委員)が使用しているコンピュータ端末である。
端末4および端末5は、バリアフリー推進委員の知人が使用しているコンピュータ端末である。
上記コンピュータ同士は、インターネット等の通信手段により、データ送受信が可能となるよう各々接続されている。
【0013】
次に、本実施例の処理フローを
図3に基づいて説明する。
本実施例は、バリアフリーアイデアの徴収(STEP1)→社会貢献情報提供処理(STEP2)→社会貢献情報頒布処理(STEP3)→送金処理(STEP4)にという流れで行われる。
【0014】
バリアフリーアイデアの徴収(STEP1)について説明する。
管理装置1は、被支援者(障害者等)から様々なバリアフリー普及に役立つアイデアやその他の社会貢献情報を受信し、それを管理装置1に接続された記憶装置に記憶する。社会貢献情報の受信は、ホームページや電子メールなどで受け付けても良いし、聞き取り調査したアイデアをキーボードなどの入力装置から入力しても良い。
【0015】
社会貢献情報の情報提供処理(STEP2)について説明する。
情報提供処理装置2は、管理装置1から前述のバリアフリーアイデアやその他の社会貢献に関連する情報を受信し、それに基づき
図4のような社会貢献情報(社会的問題を提起または解決する情報)を作成し、記憶装置に記憶する(社会貢献情報記憶手段)。
【0016】
なお、社会貢献情報には、バリアフリーアイデアの他、メッセージ欄や参加者の肩書き(資格)が含まれる。また、社会貢献情報には被支援者(例えばバリアフリー情報であれば障害者や高齢者)の意見が含まれる。バリアフリーの分野においては、障害者や高齢者は当事者であり、当事者の意見が最も役に立つので、社会貢献情報の内容がより充実するからである。
【0017】
次に、情報提供処理装置2は、社会貢献情報を記憶装置から取得してバリアフリー推進委員に提供するための処理を行う(社会貢献情報取得手段)。
情報提供のための処理は主に2種類ある。
1つ目は、電子メールでの送信である。情報提供処理装置2には記憶装置が接続されており、記憶装置には
図5のようなバリアフリー推進委員ファイル(頒布者の住所や、メールアドレス等の連絡先が含まれる情報)が記憶されている(頒布者情報記憶手段)。情報提供処理装置2は、このファイルのメールアドレス欄(頒布者の連絡先)を取得し、バリアフリー推進委員に電子メールで社会貢献情報を送信(転送)する(社会貢献情報を送信するための処理)。
【0018】
2つ目は、情報提供処理装置2が社会貢献情報を印刷し、さらに頒布者の住所(
図5)を記憶装置から取得して封筒や宛先用のラベルシールにバリアフリー推進委員(頒布者)の住所を印刷する(印刷物を送付するための処理)。これにより社会貢献情報の冊子(印刷物)が、バリアフリー推進委員に郵送で届けられる。
なお、この情報提供処理は社会から支援が必要な被支援者(例えば、障害者施設)が管理・使用するコンピュータで処理することが好ましい。これにより被支援者の仕事が増え、収入も増えるからである。
また、社会貢献情報は被支援者を支援するための情報であることが好ましい。例えば、頒布する社会貢献情報が障害者を支援するバリアフリー情報であり、且つ、情報提供者も障害者でありその障害者の収入が増加するのであれば、障害者支援というテーマで統一され、社会から理解が得られやすいからである。
【0019】
社会貢献情報頒布処理(STEP3)について説明する。
社会貢献情報が電子出版物の場合、参加者端末3には電子メールで社会貢献情報が届く。これにより
図6のような情報が参加者端末3の表示モニタに表示される。これによりバリアフリー推進委員は、バリアフリー実現に役立つアイデア等を知ることができる。また、バリアフリー推進委員が製造業を営んでいる場合、自社でそのアイデアを製品化することもできる。
【0020】
社会貢献情報には、バリアフリー推進委員が、知人に対するメッセージ(社会貢献情報に関するコメント)を書き込むためのメッセージ欄が設けられている。バリアフリー推進委員はキーボード等から所定のメッセージを入力し、メッセージが付加・追記された社会貢献情報(
図7)を、知人Aのメールアドレス、および知人Bのメールアドレスに送信(転送)する。
社会貢献情報が冊子の場合、参加者は冊子に印刷されたメッセージ欄にメッセージを記載し、冊子を知人Aや知人Bに手渡しする。
これにより知人Aおよび知人Bは、バリアフリーに関心を持つようになり、これを繰り返すことにより多くの人がバリアフリーに関心を持ち、結果としてバリアフリー社会が実現される。さらに、参加者(バリアフリー推進委員)の仕事は、この社会貢献情報頒布処理だけなので、参加者は手軽に継続的に社会貢献活動を行うことができる。また更に、前述のメッセージやコメントの追記があれば、知人はより強くバリアフリーに関心を持つようになる。
【0021】
送金処理(STEP4)について説明する。
管理装置1は、バリアフリー推進委員(頒布者)から参加料を徴収し(参加料の振り込みを受け)、これにより
図8(a)のような入金情報を作成する。
管理装置1に接続された記憶装置には、
図8(b)のような口座情報が記憶されており、管理装置1はこの口座情報を取得する(被支援者の金銭受取先情報取得手段)。
図8(b)の「情報提供者口座」とは社会貢献情報を作成し提供した障害者施設の口座情報(第1の被支援者の金銭受取先情報)であり、「アイデア考案者口座」とはバリアフリーアイデアを考案した障害者の口座情報(第2の被支援者の金銭受取先情報)であり、「製品化協力者口座」とはバリアフリーアイデアを製品化したり、製造・販売に協力する企業の口座情報である。
【0022】
管理装置1は
図8(b)の全ての口座へ資金を送金するための送金データ(振込データ)を作成し、これを金融機関のサーバーに送信する(これが「送金するための処理」である)。なお、前述の入金情報(参加料)の一部または全部がこの送金を行うための資金として使われる。また、送金データの作成処理は周知の処理であるので、ここでは説明を省略する。
このようにすることにより、社会貢献情報を作成・提供した障害者施設は情報提供の報酬を受け取ることができる(すなわち障害者の仕事が増える)。なお、社会貢献情報の作成を担当する施設と、発行(電子出版物の送信処理、或いは冊子送付のための宛名印刷処理等)を担当する施設とは、同じで施設でもよいが、別の施設にすれば、より多くの障害者が報酬を得ることができる。
また、アイデアを考案した障害者の収入も増え、その障害者がバリアフリーアイデアを製品化する資金となり、障害者が経済的自立チャンスを得ることができる。さらに、バリアフリーアイデアを製造・販売する企業に報酬を払うことにより、製品化されたバリアフリー商品が広く社会に流通し、誰もが暮らしやすい社会が実現する。
【0023】
なお、管理装置1は、
図5のバリアフリー推進委員の「氏名(名称)」と、さらに記憶装置に記憶されているこの社会貢献活動の名称(例えば「バリアフリー推進活動」)と、頒布者の肩書き(バリアフリー推進委員)とを関連づけた第1身分証明情報または第2身分証明情報を生成する。そして、この第1または第2身分証明情報の一部または全部を社会貢献情報に含め(
図6、
図7)、さらには
図9のようにホームページに掲載し、更には所定の用紙に印刷して身分証明書を発行する。これにより頒布者は、社会貢献情報においても、ホームページ上でも、身分証明書においても、自らの身分を証明できるので、堂々と誇りを持って社会貢献活動が行える。
【0024】
上記実施例では、特定の例に基づいて本発明の内容を説明したが、本発明はこれに限るものではない。すなわち、本発明の趣旨に沿うものであれば、上記実施例と異なる情報や処理フローであってもよい。
なお、社会的問題とは、例えば、バリアフリー整備の問題、健康増進に関する問題、災害または防災に関する問題、美容に関する問題、教育問題、食糧問題、地域紛争の問題、教育問題などである。また、社会貢献情報とはこれらの社会的問題を提起し或いは解決する情報である。さらに、被支援者とは、この社会的問題があるために不利な立場に立たされている人達であり、障害者、高齢者・病人・被災者・難民・飢餓で苦しむ人・不登校者など、社会から支援が必要な人すべてを含む場合がある。