【解決手段】真贋判定システム1は、対象物70に付される情報に基づいて、対象物70の真贋判定を可能にするシステムである。真贋判定システム1においては、サーバ30、暈し装置40、超解像装置50、及び超解像装置60が、ネットワーク2を介して互いに接続されている。暈し装置40のCPU401は、対象物70に付される情報に対応する第一画像80のデータである第一画像データを、第一画像80が暈された暈し画像85のデータである暈し画像データに変換する。複数の装置であるサーバ30、暈し装置40、超解像装置50、及び超解像装置60相互間の通信において、CPU401によって変換された暈し画像データがネットワーク2を介して送受信され、対象物70の真贋判定が行われる。
前記作成手段は、前記暈し画像データに対して前記超解像処理を複数回行い、前記第二画像データを作成することを特徴とする請求項3又は4に記載の真贋判定システム。
第一装置、サーバ、及び第二装置がネットワークを介して接続され、対象物に付される情報に基づいて、前記対象物の真贋判定を可能にする真贋判定システムに含まれる前記サーバであって、
前記第一装置において、前記情報に対応する第一画像のデータである第一画像データが、前記第一画像が暈された暈し画像のデータである暈し画像データに変換され、前記サーバに送信される前記暈し画像データを、前記サーバにおいて記憶部に記憶する記憶制御手段と、
前記暈し画像データを用いて前記対象物の真贋判定を可能にする真贋判定処理を行う第二装置に、前記記憶制御手段によって前記記憶部に記憶された前記暈し画像データを送信する送信手段と
を備えたことを特徴とするサーバ。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明を具現化した真贋判定システムについて、図面を参照して説明する。まず、
図1を参照し、真贋判定システム1の概要について説明する。真贋判定システム1は、対象物70に付される情報に基づいて、対象物70の真贋判定を可能にするシステムである。本実施形態では、一例として、対象物70は鞄であるとするが、他の製品でもよい。真贋判定システム1は、ネットワーク2、データセンター3、第一拠点4、第二拠点5、及び第三拠点6を含む。データセンター3には、サーバ30が設けられている。第一拠点4には、暈し装置40、専用ライタ41、及び作業用PC42が設けられている。暈し装置40、専用ライタ41、及び作業用PC42は、互いに電気的に接続されている。第二拠点5には、超解像装置50、専用リーダ51、及び作業用PC52が設けられている。超解像装置50、専用リーダ51、及び作業用PC52は,互いに電気的に接続されている。第三拠点6には、超解像装置60、専用リーダ61、及び作業用PC62が設けられている。超解像装置60、専用リーダ61、及び作業用PC62は、互いに電気的に接続されている。
【0018】
暈し装置40、超解像装置50、及び超解像装置60は、夫々、ネットワーク2を介してサーバ30と通信可能である。真贋判定システム1においては、後述する暈し画像85(
図1及び
図6参照)の暈し画像データが互いに送受信されて、対象物70の真贋判定が実施される。
【0019】
第一拠点4は、例えば、対象物70の製造業者の拠点である。対象物70には、RFID(Radio Frequency Identifier)タグ71が埋め込まれている。対象物70は製造業者によって製造され、第一拠点4から出荷される(矢印711参照)。第二拠点5は流通管理者の拠点であり、例えば、倉庫、輸出港、輸入港、空港などである。第二拠点5を通過する際に、RFIDタグ71に記憶された情報に基づいて、対象物70の真贋判定が実施される。第二拠点において真正品であると判定された対象物70は、第三拠点6に納入される(矢印712参照)。第三拠点6は、販売業者の拠点であり、例えば、店舗である。第三拠点6においては、RFIDタグ71に記憶された情報に基づいて、対象物70の真贋判定が実施される。真贋判定によって真正品と判定された対象物70は、販売業者の顧客に販売される。
【0020】
サーバ30の電気的構成について説明する。サーバ30には、CPU301、ハードディスクドライブ(以下、HDD)302、及びRAM303が設けられている。CPU301は、サーバ30の制御を行う。RAM303は、各種データを一時的に記憶する。HDD302には、後述するサーバ処理(
図4参照)等、CPU301に各種の処理を実行させるためのプログラムが記憶されている。また、HDD302には、後述する対応データテーブル95(
図2参照)が記憶されている。
【0021】
暈し装置40の電気的構成について説明する。暈し装置40には、CPU401、HDD402、及びRAM403が設けられている。CPU401は、暈し装置40の制御を行う。RAM403は、各種データを一時的に記憶する。HDD402には、後述する暈し装置処理(
図3参照)等、CPU401に各種の処理を実行させるためのプログラムが記憶されている。
【0022】
超解像装置50の電気的構成について説明する。超解像装置50には、CPU501、HDD502、及びRAM503が設けられている。CPU501は、超解像装置50の制御を行う。RAM503は、各種データを一時的に記憶する。HDD502には、後述する超解像装置処理(
図6参照)等、CPU501に各種の処理を実行させるためのプログラムが記憶されている。
【0023】
超解像装置60の電気的構成について説明する。超解像装置60には、CPU601、HDD602、及びRAM603が設けられている。CPU601は、超解像装置60の制御を行う。RAM603は、各種データを一時的に記憶する。HDD602には、後述する超解像処理(
図6参照)等、CPU601に各種の処理を実行させるためのプログラムが記憶されている。
【0024】
図2を参照し、対応データテーブル95について説明する。対応データテーブル95は、サーバ30のHDD302に記憶されている。対応データテーブル95には、リンクデータと、暈し画像81〜84の暈し画像データとが対応付けられている。暈し画像81〜84は、暈し装置40によるS12(
図3参照、後述)の処理によって、第一画像データが暈されて生成される。本実施形態では、一例として、第一画像データには、対象物のロットナンバーの数字が含まれるとする。
図2に示す暈し画像81〜84は、夫々、ロットナンバー「55−35」、「23−82」、「15−96」、及び「91−75」が含まれた第一画像が暈された画像である。リンクデータは、暈し画像データに対応付けられる情報である。本実施形態では一例として、リンクデータは、文字列であるとする。詳細は後述するが、生成された暈し画像データとリンクデータとは、暈し装置40によってサーバ30に送信され(
図3のS13参照)、サーバ30によってHDD302に記憶される(
図4のS23参照)。
【0025】
真贋判定システム1における処理について説明する。以下の説明においては、対象物70(
図1)の真贋判定を行う場合を例示しながら説明する。前述したように、対象物70は、製造業者の拠点である第一拠点4において製造され、流通管理者の拠点である第二拠点5において真贋判定される。さらに、対象物70は、販売業者の拠点である第三拠点6において真贋判定される。
【0026】
まず、真贋判定の概要について説明する。
図1に示すように、第一拠点4において対象物70が製造され、RFIDタグ71が付される。第一拠点4の作業者は作業用PC42を介して、専用ライタ41と暈し装置40とを操作する。作業用PC42のCPU(図示せず)は、第一画像80のデータである第一画像データと、リンクデータ「fblk」を生成する。第一画像80には、ロットナンバー「58−21」が含まれている。
【0027】
作業用PC42のCPUは、専用ライタ41を制御し、無線通信によって、第一画像80の第一画像データと、リンクデータ「fblk」とをRFIDタグ71に記憶させる(矢印701)。また、作業用PC42のCPUは、第一画像80の第一画像データと、リンクデータ「fblk」とを暈し装置40に送信する。暈し装置40は、後述する暈し装置処理(
図3参照)を実行し、第一画像データに基づいて暈し画像データを作成し(
図3のS12参照)、サーバ30に送信する(矢印702、及び
図3のS13参照)。サーバ30に送信された第一画像データとリンクデータとは、サーバ30のCPU301によって対応データテーブル95に記憶される(
図4のS23、及び
図5参照)。
【0028】
対象物70は、第一拠点4から出荷され、流通管理者の拠点である第二拠点5に搬送される(矢印711)。第二拠点5の作業者は、作業用PC52を介して、専用リーダ51と超解像装置50とを操作する。作業用PC52のCPU(図示せず)は、専用リーダ51を制御し、無線通信によって、RFIDタグ71から、第一画像80の第一画像データとリンクデータ「fblk」とを読み取る(矢印703参照)。作業用PC52のCPUは、読み取った第一画像80とリンクデータ「fblk」とを超解像装置50に送信する。超解像装置50のCPU501は、作業用PC52から送信されたリンクデータ「fblk」をサーバ30に送信する(矢印704、
図6のS32参照)。
【0029】
サーバ30のCPU301は、対応データテーブル95(
図5参照)を参照し、超解像装置50から送信されたリンクデータ「fblk」と同じリンクデータ「fblk」に対応付けられた暈し画像データを特定する(
図4のS24参照)。すなわち、暈し画像85の暈し画像データが特定される。サーバ30のCPU301は、特定した暈し画像85の暈し画像データを超解像装置50に送信する(矢印705、
図4のS25参照)。
【0030】
超解像装置50のCPU501は、サーバ30から送信された暈し画像データに対して超解像処理を行い、第二画像データを作成する(
図6のS34参照)。超解像処理とは、フーリエ変換を含み、暈し画像85を鮮明にする処理である。これによって、暈し画像85が鮮明にされた第二画像851の第二画像データが得られる。言い換えると、暈し画像85から、第一画像80が復元された第二画像851が得られる。CPU501は、専用リーダ51によって読み取られた第一画像80の第一画像データと、作成した第二画像851の第二画像データとを用いて、真贋判定可能にする。真贋判定を可能にする方法の一例については、後述する。
【0031】
真贋判定の結果、真正品であると判定された対象物70は、販売業者の拠点である第三拠点6に納入される(矢印712参照)。第三拠点6においては、第二拠点5の場合と同様に真贋判定が行われる。すなわち、第三拠点6の作業者は、作業用PC62を介して、専用リーダ61と超解像装置60とを操作する。作業用PC52のCPU(図示せず)は、専用リーダ61を制御し、無線通信によって、RFIDタグ71から、第一画像80の第一画像データとリンクデータ「fblk」とを読み取る(矢印706参照)。作業用PC62のCPUは、読み取った第一画像80とリンクデータ「fblk」とを超解像装置60に送信する。超解像装置60のCPU601は、作業用PC62から送信されたリンクデータ「fblk」をサーバ30に送信する(矢印707、及び
図6のS32参照)。
【0032】
サーバ30のCPU301は、対応データテーブル95(
図5参照)を参照し、超解像装置60から送信されたリンクデータ「fblk」と同じリンクデータ「fblk」に対応付けられた暈し画像データを特定する(
図4のS24参照)。すなわち、暈し画像85の暈し画像データが特定される。サーバ30のCPU301は、特定した暈し画像85の暈し画像データを超解像装置60に送信する(矢印708、
図4のS25参照)。
【0033】
超解像装置60のCPU601は、サーバ30から送信された暈し画像データに対して超解像処理を行い、第二画像データを作成する(
図6のS34参照)。これによって、暈し画像85が鮮明にされた第二画像851の第二画像データが得られる。CPU601は、専用リーダ61によって読み取られた第一画像80の第一画像データと、作成した第二画像851の第二画像データとを用いて、真贋判定可能にする。
【0034】
図3〜
図6を参照し、真贋判定システム1において実行される処理をより詳細に説明する。まず、
図3を参照し、暈し装置40のCPU401によって実行される暈し装置処理について説明する。作業者によって作業用PC42が操作され、暈し装置処理を開始する指示が入力されると、CPU401は、HDD402から暈し装置処理のプログラムを読み出す。CPU401は、読み出したプログラムをRAM403に展開し、暈し装置処理を実行する。
【0035】
暈し装置処理においては、まず、第一画像データ及びリンクデータが取得されたか否かが判断される(S11)。前述したように、第一画像データとリンクデータとは、作業用PC42によって暈し装置40に送信される。暈し装置40に送信される第一画像データとリンクデータとは、専用ライタ41によってRFIDタグ71に記憶された情報(
図1の矢印701参照)と同じである。
【0036】
第一画像データとリンクデータとが取得されていない場合(S11:NO)、CPU401は処理をS11に戻す。第一画像データとリンクデータとが取得された場合(S11:YES)、取得された第一画像データが、暈し画像データに変換される(S12)。これによって、第一画像80(
図1参照)が暈された暈し画像85(
図1参照)の暈し画像データが作成される。次いで、S12において作成された暈し画像データと、S11において取得されたリンクデータ「fblk」とが、サーバ30に送信される(S13、及び
図1の矢印702参照)。次いで、CPU401は、処理をS11に戻す。
【0037】
図4を参照し、サーバ30によるサーバ処理について説明する。サーバ処理を実行する指示がサーバ30に入力されると、CPU301は、HDD302からサーバ処理のプログラムを読み出す。CPU301は、読み出したプログラムをRAM303に展開し、サーバ処理を実行する。
【0038】
サーバ処理では、まず、S13(
図3参照)において送信された暈し画像データとリンクデータ(
図1の矢印702参照)とが取得されたか否かが判断される(S21)。暈し画像データとリンクデータとが取得されていない場合(S21:NO)、超解像装置50又は超解像装置60のS32(
図6参照、後述)によって送信されるリンクデータ(
図1の矢印704,707参照)が受信されたか否かが判断される(S22)。リンクデータが受信されていない場合(S22:NO)、CPU301は処理をS21に戻す。
【0039】
S13(
図3参照)において送信された暈し画像データとリンクデータとが取得された場合(S21:YES)、取得された暈し画像データとリンクデータとが対応付けられ、HDD302に記憶される(S23)。これによって、
図3に示す対応データテーブル95が、
図5に示す対応データテーブル95のように更新される。すなわち、リンクデータ「fblk」と、暈し画像85の暈し画像データとが、対応データテーブル95に記憶される。CPU301は処理をS21に戻す。
【0040】
超解像装置50又は超解像装置60から送信されるリンクデータ(
図1の矢印704,707参照)が受信された場合(S22:YES)、HDD302に記憶された暈し画像データのうち、超解像装置50又は超解像装置60から送信されたリンクデータと同じリンクデータに対応付けられた暈し画像データが特定される(S24)。リンクデータ「fblk」が超解像装置50又は超解像装置60から送信された場合(
図1の矢印704,707参照)、対応データテーブル95(
図5参照)においてリンクデータ「fblk」に対応付けられた暈し画像85の暈し画像データが特定される。
【0041】
次いで、S24において特定された暈し画像データが超解像装置50又は超解像装置60に送信される(S25)。なお、S22において取得されたリンクデータが、超解像装置50から送信されたデータである場合(
図1の矢印704参照)、暈し画像データは超解像装置50に送信される(
図1の矢印705参照)。S22において取得されたリンクデータが、超解像装置60から送信されたデータである場合(
図1の矢印707参照)、暈し画像データは超解像装置60に送信される(
図1の矢印708参照)。次いで、CPU301は処理をS21に戻す。
【0042】
図6を参照し、超解像装置50,60による超解像装置処理について説明する。以下の説明においては、超解像装置50のCPU501によって実行される場合を説明するが、超解像装置60のCPU601によって実行される場合も同様である。作業者によって作業用PC52が操作され、超解像装置処理を開始する指示が入力されると、CPU501は、HDD502から超解像装置処理のプログラムを読み出す。CPU501は、読み出したプログラムをRAM503に展開し、超解像装置処理を実行する。
【0043】
図6に示すように、超解像装置処理においては、専用リーダ51によってRFIDタグ71から読み取られた第一画像データとリンクデータ(
図1の矢印703参照)とが取得されたか否かが判断される(S31)。第一画像データとリンクデータとが取得されていない場合(S31:NO)、CPU501はS31の処理を繰り返す。第一画像データとリンクデータとが取得された場合(S31:YES)、取得されたリンクデータ「fblk」が、サーバ30に送信される(S32、
図1の矢印704参照)。送信されたリンクデータは、サーバ30のCPU301によって受信される(
図4のS22:YES)。
【0044】
次いで、S32によってサーバ30に送信されたリンクデータに応じてS25(
図4参照)において送信された暈し画像データ(
図1の矢印705参照)が取得されたか否かが判断される(S33)。暈し画像データが取得されていない場合(S33:NO)、CPU501はS33の処理を繰り返す。
【0045】
暈し画像データが取得された場合(S33:YES)、取得された暈し画像データに対して、超解像処理が実行され、超解像処理後の第二画像851(
図1参照)の第二画像データが作成される(S34)。
【0046】
次いで、専用リーダ51によってRFIDタグ71から読み取られた情報に対応する第一画像80と、S34において作成された第二画像データに基づく第二画像851とが用いられ、真贋判定処理が実行される(S35)。真贋判定処理は、対象物70の真贋判定を可能にする処理である。
【0047】
真贋判定処理は、作業者が対象物70の真贋判定できる処理であればよく、その態様は限定されない。例えば、真贋判定処理は、第一画像80と第二画像851とをディスプレイ(図示せず)に表示する処理であってもよい。この場合、作業者は、ディスプレイに表示された第一画像80と第二画像851とを比較し、一致する場合は真正品であると判断し、一致しない場合は偽造品であると判断できる。また、真贋判定処理は、CPU501が第一画像80と第二画像851とを比較し、一致する場合は一致することを作業者に通知し、一致しない場合は一致しないことを作業者に通知する処理であってもよい。通知の方法は限定されず、例えば、ディスプレイに表示されてもよいし、LED(Light Emitting Diode)の点灯パターンによって通知されてもよい。本実施形態においては、第一画像80に含まれる情報であるロットナンバー「58−21」と、第二画像851に含まれる情報である「58−21」とが同じであるため、真正品である。CPU501は、S35の処理を実行後、処理をS31に戻す。
【0048】
以上のように、第二拠点5において、真贋判定処理が実行される。第二拠点5における真贋判定の結果、真正品と判定された対象物70は、第三拠点6に納入される(
図1の矢印712参照)。前述したように、第三拠点6においては、超解像装置60のCPU601によって超解像装置処理(
図6参照)が実行される。すなわち、専用リーダ61によってRFIDタグ71から読み取られた第一画像データとリンクデータ(
図1の矢印706参照)とが取得され(S31:YES)、リンクデータがサーバ30に送信される(S32、
図1の矢印707参照)。サーバ30から送信される暈し画像データ(
図1の矢印708参照)が取得され(S33:YES)、超解像処理が実行される(S34)。さらに、真贋判定処理が実行される(S35)。第三拠点6における真贋判定の結果、真正品と判定された対象物70は、顧客に販売される。
【0049】
以上のように、本実施形態の真贋判定システム1における処理が実行される。本実施形態においては、複数の装置(本実施形態においては、サーバ30、暈し装置40、及び超解像装置50,60)相互間の通信において、S12(
図3参照)で変換された暈し画像データがネットワーク2を介して送受信される(
図1の矢印702,705,708参照)。そして、暈し画像データが真贋判定処理に用いられる(
図6のS34及びS35参照)。ネットワーク2を介して送受信されるのは、第一画像80が暈された暈し画像85の暈し画像データである。よって、仮にネットワーク2上を送受信される暈し画像85の暈し画像データが他者によって読み取られた場合でも、他者は第一画像80を確認することができない。よって、第一画像80に含まれる情報(本実施形態ではロットナンバー「58−21」)が流出する可能性を低減できる。
【0050】
また、本実施形態においては、対象物70に付される記憶媒体であるRFIDタグ71に、第一画像データ等の情報が記憶される。真贋判定システム1は、RFIDタグ71に記憶された情報に基づいて真贋判定を可能にすることができる。
【0051】
また、RFIDタグ71には、第一画像データに加え、リンクデータが記憶される(
図1の矢印701参照)。CPU401によって、第一画像データに基づく暈し画像データとリンクデータとがサーバ30に送信される(
図3のS13、
図1の矢印702)。送信された暈し画像データとリンクデータとは、CPU301によって対応付けられ、HDD302に記憶される(
図4のS23)。専用リーダ51,61によってRFIDタグ71から読み取られたリンクデータ(
図1の矢印703,706参照)が、CPU501,601によってサーバ30に送信される(
図6のS32、
図1の矢印704,707参照)。CPU301によって、HDD302に記憶された暈し画像データ(
図5参照)のうち、超解像装置50,60から送信されるリンクデータ(
図1の矢印704,707参照)と同じリンクデータに対応付けられた暈し画像データが、超解像装置50,60に送信される(
図4のS25、
図1の矢印705,708参照)。CPU501,601によって、S32(
図6)の処理においてサーバ30に送信されたリンクデータに応じて送信された暈し画像データに対して超解像処理が行われ、第二画像データが作成される(
図6のS34参照)。そして、CPU501,601によって真贋判定処理が実行される(S35)。
なお、
【0052】
このように、本実施形態においては、リンクデータが用いられて、処理が行われる。このため、RFIDタグ71に記憶されていない任意のデータがCPU501,601によって作成され、リンクデータの代わりに用いられる場合に比べて、HDD302に記憶されているデータとCPU501,601によってサーバ30に送信されるデータとが一致しやすい。よって、リンクデータが用いられない場合に比べて、より確実に、第一画像80に対応する暈し画像データをサーバ30から超解像装置50,60に送信することができる。よって、真贋判定の精度が向上する。
【0053】
上記実施形態において、暈し装置40は本発明の「第一装置」の一例である。RFIDタグ71は本発明の「記憶媒体」の一例である。超解像装置50及び超解像装置60は本発明の「第二装置」の一例である。S12(
図3参照)の処理を行うCPU401は本発明の「第一変換手段」の一例である。S13(
図3参照)の処理を行うCPU401は本発明の「第一送信手段」の一例である。S23(
図4参照)の処理を行うCPU301は本発明の「記憶制御手段」の一例である。S25(
図4参照)の処理を行うCPU301は本発明の「第二送信手段」の一例である。S34(
図6参照)の処理を行うCPU501,601は本発明の「作成手段」の一例である。S35(
図6参照)の処理を行うCPU501,601は本発明の「真贋判定手段」の一例である。
【0054】
なお、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、種々の変更が可能である。例えば、超解像処理(
図6のS34参照)は1回行われ、第二画像データが作成されていたが、これに限定されない。例えば、S34において、暈し画像データに対して超解像処理が複数回行われ、第二画像データが作成されてもよい。この場合、超解像処理が複数回行われるので、1回だけ行われる場合に比べて、第二画像851がより鮮明になる。よって、真贋判定の精度が向上する。
【0055】
また、サーバ30、暈し装置40、及び超解像装置50,60の相互間で、暈し画像データが送受信されればよく、リンクデータが送受信されなくてもよい。例えば、RFIDタグ71には、リンクデータが記憶されず、第一画像データのみが記憶されてもよい(
図1の矢印701)。この場合、例えば、暈し装置40のCPU401によって、第一画像データに基づいて暈し画像データが作成され(
図3のS12)、サーバ30に送信される(
図3のS13)。サーバ30のCPU301は、暈し画像データをHDD302に記憶する(
図4のS23)。超解像装置50,60のCPU501,601は、専用リーダ51,61によってRFIDタグ71から読み取られた第一画像データに基づいて暈し画像データを作成する(図示せず)。CPU501,601は、S32(
図6参照)において、リンクデータではなく、暈し画像データをサーバ30に送信する。CPU301は、S24(
図4参照)において、HDD302に記憶された暈し画像データのうち、超解像装置50,60から送信された暈し画像データに一致する暈し画像データを特定する。CPU301は、S25(
図4参照)において、特定した暈し画像データを超解像装置50,60に送信する。CPU501,601は、受信した暈し画像データに対して超解像処理を行い(
図6のS34)、真贋判定処理を実行する(
図6のS35)。さらに、RFIDタグ71に記憶する第一画像80を暈し画像としてもよい。RFIDタグ71に暈し画像が記憶されていれば、RFIDタグ71の暈し画像データが他者によって読み取られた場合でも、他者は、超解像装置がなければ第一画像80を確認することができない。よって、第一画像80が流出することをより確実に防止することができる。
【0056】
この場合においても、暈し画像データが、サーバ30、暈し装置40、及び超解像装置50,60の相互間で送受信される。よって、サーバ30、暈し装置40、及び超解像装置50,60の相互間で送受信される暈し画像データが他者によって読み取られた場合でも、他者は第一画像80を確認することができない。よって、第一画像80に含まれる情報が流出する可能性を低減できる。
【0057】
また、リンクデータ及び第一画像データ等の情報は、RFIDタグ71に記憶されていたが、これに限定されない。例えば、USB(Universal Serial Bus)メモリーなど、RFIDタグ71以外の記憶媒体であってもよい。また、リンクデータ及び第一画像データ等の情報は、対象物70に付されればよく、記憶媒体に記憶されなくてもよい。例えば、バーコード及びQRコード(登録商標)等に情報が含められ、対象物70に付されてもよい。
【0058】
真贋判定システム1は、暈し装置40を含む複数の装置がネットワーク2を介して接続され、対象物70に付される情報に基づいて対象物の真贋判定を可能にするシステムであればよく、サーバ30及び超解像装置50,60の一部が設けられなくてもよい。例えば、サーバ30及び超解像装置50が設けられなくてもよい。この場合、暈し画像データが、暈し装置40から、ネットワーク2を介して超解像装置60に送信され、真贋判定処理に用いられてもよい。
【0059】
また、
図3、
図4、及び
図6のフローチャートに示す処理など、真贋判定システム1において実行される処理の一部が、上記実施形態において処理を実行する装置とは異なる装置によって処理されてもよい。
【0060】
また、CPU501,601によって、対象物70の真贋判定が実行される場合に、1つの対象物70に対して実行されていたが、これに限定されない。例えば、輸送に使用される梱包材に複数の対象物70が梱包されている場合がある。この場合、梱包材内の複数の対象物70の夫々に付されたRFIDタグ71から、一括して第一画像データとリンクデータとが読み取られ(
図1の矢印703)、複数のリンクデータが一括してサーバ30に送信されてもよい(
図6のS32、
図1の矢印704参照)。そして、複数のリンクデータに対応する複数の第二画像データが一括してサーバ30から超解像装置50,60に送信され(
図4のS25、及び
図1の矢印705,708参照)、超解像装置50,60によって取得される(
図6のS33:YES)。そして、複数の第二画像データに対して超解像処理が実行される(
図6のS34及びS35)。また、複数の対象物70が梱包された梱包材に付されたRFIDタグに記憶された情報であって、梱包材に梱包された対象物70についての情報が、補助情報として使用されてもよい。補助情報としては、例えば、製造場所、及び梱包された場所等である。この場合、補助情報が使用されない場合に比べ、より正確に真贋判定が行われる。また、補助情報は、RFIDタグに記憶されなくてもよく、紙等に記載されてもよい。この場合、作業者は、紙等に記載された補助情報を参照して、真贋判定に利用することができる。