(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-60163(P2017-60163A)
(43)【公開日】2017年3月23日
(54)【発明の名称】アクセス方式に非従属的な統合ネットワークシステムおよびその方法
(51)【国際特許分類】
H04W 16/00 20090101AFI20170303BHJP
H04L 12/717 20130101ALI20170303BHJP
H04L 12/903 20130101ALI20170303BHJP
【FI】
H04W16/00
H04L12/717
H04L12/903
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2016-180392(P2016-180392)
(22)【出願日】2016年9月15日
(31)【優先権主張番号】10-2015-0132450
(32)【優先日】2015年9月18日
(33)【優先権主張国】KR
(31)【優先権主張番号】10-2016-0110303
(32)【優先日】2016年8月29日
(33)【優先権主張国】KR
(71)【出願人】
【識別番号】596180076
【氏名又は名称】韓國電子通信研究院
【氏名又は名称原語表記】Electronics and Telecommunications Research Institute
(74)【代理人】
【識別番号】100091982
【弁理士】
【氏名又は名称】永井 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100082991
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 泰和
(74)【代理人】
【識別番号】100105153
【弁理士】
【氏名又は名称】朝倉 悟
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 毅
(74)【代理人】
【識別番号】100108785
【弁理士】
【氏名又は名称】箱崎 幸雄
(72)【発明者】
【氏名】パク、ノ、イク
(72)【発明者】
【氏名】コ、ナム、ソク
(72)【発明者】
【氏名】キム、ジェ、ホ
(72)【発明者】
【氏名】キム、チャン、ギ
【テーマコード(参考)】
5K030
5K067
【Fターム(参考)】
5K030GA11
5K030HC01
5K030HD03
5K030JA11
5K030KA05
5K030LB02
5K030LB07
5K030LC01
5K030LC09
5K030MB04
5K030MC08
5K030MD07
5K067AA21
5K067BB04
5K067EE02
5K067EE04
5K067EE10
5K067EE16
(57)【要約】 (修正有)
【課題】5G、WiFi、有線をAll−IP基盤融合制御技術で収容し、共通信号体系および移動性制御体系を導入した、統合ネットワークシステムを提供する。
【解決手段】統合有線IPネットワーク上に配置される1つ以上の統合ゲートウェイを管理および制御する。統合ゲートウェイが加入者毎またはサービス毎のトラフィックを分離して管理および制御し、統合ゲートウェイがバックホールで連結された同種または2種類以上の異種アクセスノードとIPパケット基盤で通信するように、統合ゲートウェイに送受信IPフローの経路を提供する統合制御エンティティとを含む。統合制御エンティティは、ユーザ認証制御、接続制御、端末移動性制御、およびIPフローに対するサービス呼制御、移動性制御およびQoS制御を含む制御機能のうちの少なくとも1つを、1つ以上の統合ゲートウェイを介して行う。
【選択図】
図3A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
多重アクセス網の統合的収容のための統合ネットワークシステムにおいて、
トラフィックの伝送のための統合有線IPネットワーク上に配置される1つ以上の統合ゲートウェイと、
前記1つ以上の統合ゲートウェイを管理および制御するが、前記統合ゲートウェイが加入者毎またはサービス毎のトラフィックを分離して管理および制御し、前記統合ゲートウェイがバックホールで連結された同種アクセスノードまたは2種類以上の異種アクセスノードとIPパケット基盤で通信するように、前記統合ゲートウェイに送受信IPフローの経路を提供する統合制御エンティティとを含み、
前記統合制御エンティティは、ユーザ認証制御、接続制御、端末移動性制御、およびIPフローに対するサービス呼制御、移動性制御およびQoS(Quality of Service)制御を含む制御機能のうちの少なくとも1つを、前記1つ以上の統合ゲートウェイを介して行うことを特徴とする統合ネットワークシステム。
【請求項2】
前記統合有線IPネットワークのエッジに配置された前記統合ゲートウェイを介して、前記同種アクセスノードまたは前記異種アクセスノードが統合的に収容されるものであって、同種アクセスの有無や有無線に関係ない、互いに異なるアクセスを含む2種類以上の異種アクセスを統合的に収容可能で、新しい類型のサービスおよび装置を収容可能にするためのものであることを特徴とする請求項1に記載の統合ネットワークシステム。
【請求項3】
2種類以上の異種アクセスを統合的に制御し収容可能な前記統合ネットワークシステムの構造において、前記統合ゲートウェイと前記統合制御エンティティは、異種資源状態をモニタリングして資源の管理と割当に用いることを特徴とする請求項1に記載の統合ネットワークシステム。
【請求項4】
前記統合ゲートウェイは、前記異種資源状態のモニタリングに基づいて資源余裕のある異種の網でトラフィックステアリングを行うことを特徴とする請求項3に記載の統合ネットワークシステム。
【請求項5】
前記統合ゲートウェイは、前記異種資源状態のモニタリングに基づいて資源余裕のある多重アクセス網に同時に接続されたユーザ端末に、それぞれのアクセス網でデータを分散して伝送することを特徴とする請求項3に記載の統合ネットワークシステム。
【請求項6】
ユーザ端末と互いに異なるアクセス方式で通信するアクセスノードと前記統合制御エンティティとの間のインタフェーシング信号体系は、アクセス方式に非従属的な同一の構造を有することを特徴とする請求項1に記載の統合ネットワークシステム。
【請求項7】
アクセス方式に関係なく、サービス提供サーバが加入者装置側に前進配置されるように、前記統合有線IPネットワーク上のエッジに配置された前記統合ゲートウェイに前記サービス提供サーバを連結することを特徴とする請求項1に記載の統合ネットワークシステム。
【請求項8】
前記統合制御エンティティは、IDとロケータとの分離されたIPアドレス体系に基づいて端末を管理しながら、第1統合ゲートウェイを介して前記統合有線IPネットワークに接続する端末の移動に対して、アンカーフリーに前記ネットワークに接続するように、第2統合ゲートウェイでハンドオーバのための前記端末の移動性およびIPフローの移動性を制御することを特徴とする請求項1に記載の統合ネットワークシステム。
【請求項9】
前記移動性制御は、無線アクセス−無線アクセス間の移動性制御を含む同種アクセス内の移動性制御を含むことを特徴とする請求項1に記載の統合ネットワークシステム。
【請求項10】
前記移動性制御は、無線アクセス−有線アクセス間の移動性制御、またはIMT−2020アクセス−WiFiアクセス間の移動性制御を含む異種アクセス間の移動性制御を含むことを特徴とする請求項1に記載の統合ネットワークシステム。
【請求項11】
前記統合制御エンティティは、多重アクセス網に同時に接続された端末に対して、前記統合ゲートウェイが異種アクセス網の統合資源管理を基盤として可用資源状態を判断し、複数のIPフローをIPフロー単位でトラフィックを区分してIPフローの移動性を支援するように制御することを特徴とする請求項1に記載の統合ネットワークシステム。
【請求項12】
前記統合ゲートウェイが所定の帯域幅以上のデータを含むIPフローに対して、前記多重アクセス網を介して分散して前記端末に伝送するように、前記統合制御エンティティは、前記統合ゲートウェイを制御することを特徴とする請求項11に記載の統合ネットワークシステム。
【請求項13】
前記統合有線IPネットワーク上のエッジに分散配置され、前記制御機能のうちの少なくとも1つの制御機能を論理的に行う分散制御エンティティをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の統合ネットワークシステム。
【請求項14】
多重アクセス網の統合的収容のための統合ネットワークシステムの運営方法において、
トラフィックの伝送のための統合有線IPネットワーク上に配置される1つ以上の統合ゲートウェイを管理および制御する統合制御エンティティにおいて、前記統合ゲートウェイが加入者毎またはサービス毎のトラフィックを分離して管理および制御し、前記統合ゲートウェイがバックホールで連結された同種アクセスノードまたは2種類以上の異種アクセスノードとIPパケット基盤で通信するように、前記統合ゲートウェイに送受信IPフローの経路を提供する段階と、
前記統合制御エンティティにおいて、ユーザ認証制御、接続制御、端末移動性制御、およびIPフローに対するサービス呼制御、移動性制御およびQoS(Quality of Service)制御を含む制御機能のうちの少なくとも1つを、前記1つ以上の統合ゲートウェイを介して行う段階とを含むことを特徴とする統合ネットワークシステムの運営方法。
【請求項15】
前記統合有線IPネットワークのエッジに配置された前記統合ゲートウェイを介して、前記同種アクセスノードまたは前記異種アクセスノードが統合的に収容されるものであって、同種アクセスの有無や有無線に関係ない、互いに異なるアクセスを含む2種類以上の異種アクセスを統合的に収容可能で、新しい類型のサービスおよび装置を収容可能にするためのものであることを特徴とする請求項14に記載の統合ネットワークシステムの運営方法。
【請求項16】
2種類以上の異種アクセスを統合的に制御し収容可能な前記統合ネットワークシステムの構造において、前記統合ゲートウェイと前記統合制御エンティティは、異種資源状態をモニタリングして資源の管理と割当に用いることを特徴とする請求項14に記載の統合ネットワークシステムの運営方法。
【請求項17】
前記統合ゲートウェイは、前記異種資源状態のモニタリングに基づいて資源余裕のある異種の網でトラフィックステアリングを行うことを特徴とする請求項16に記載の統合ネットワークシステムの運営方法。
【請求項18】
前記統合ゲートウェイは、前記異種資源状態のモニタリングに基づいて資源余裕のある多重アクセス網に同時に接続されたユーザ端末に、それぞれのアクセス網でデータを分散して伝送することを特徴とする請求項16に記載の統合ネットワークシステムの運営方法。
【請求項19】
ユーザ端末と互いに異なるアクセス方式で通信するアクセスノードと前記統合制御エンティティとの間のインタフェーシング信号体系は、アクセス方式に非従属的な同一の構造を有することを特徴とする請求項14に記載の統合ネットワークシステムの運営方法。
【請求項20】
前記統合有線IPネットワーク上のエッジに分散配置される分散制御エンティティにおいて、前記制御機能のうちの少なくとも1つの制御機能を論理的に行う段階をさらに含むことを特徴とする請求項14に記載の統合ネットワークシステムの運営方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネットワークシステムおよびその方法に関し、特に、多様な有線アクセス網と無線アクセス網(例、IMT−2020無線技術(5G)、WiFiなど)をIP(Internet Protocol)基盤で統合収容できる、有無線アクセス方式に非従属的な統合ネットワークシステムおよびその方法に関する。
【背景技術】
【0002】
3GPP規格基盤の4G移動通信ネットワークであるEPS(Evolved Packet System)は、無線領域のLTE(Long Term Evolution)と、基地局以降のネットワークであるEPC(Evolved Packet Core)とから構成されている。3GPPでは、2G GSM(登録商標)ネットワークでデータ通信を提供するためにGPRS(General Packet Radio Service)を導入したが、このGPRSの機能的特性とネットワーク構造的特性を、以降、3G、4Gで継承した。EPCのSGW(Serving Gateway)、PGW(PDN(Packet Data Network)Gateway)の階層的トラフィック収容構造とGTP(GPRS Tunneling Protocol)トンネリング方式がそれである。
【0003】
このような従来のネットワーク構造的特性は、今後到来する5G時代のサービス展開において、次のような多様な問題点を露出している。
【0004】
まず、従来のネットワークにおいて、4Gモバイルコアは、端末から発生する全てのトラフィックが必須として経由しなければならないノード(PGW)が存在することによって、網内トラフィック集中度が深刻化する。これは、パケット網上で回線網と類似のサービス提供のためのGTPトンネリング技術に起因する。
【0005】
また、従来のネットワークにおいて、GTPトンネル構造によって、データセンタ、コンテンツサーバなどを加入者インタフェースに前進配置できない構造であるので、データ流通構造の限界が存在する。
【0006】
さらに、従来のネットワークにおいて、ユーザ帯域幅の拡大のために利用可能な全ての無線資源(5G+WiFiなど)を同時に利用できる環境が必要であるが、異種無線アクセス技術ごとに別途の網を構築運用している現在の網構造では、異種アクセス資源の効率的利用が不可能な状態である。
【0007】
また、従来のネットワークにおいて、移動性提供のためにPGWのような移動性アンカーポイント(Mobility Anchor Point)が必要であり、これによって、ハンドオーバ後、トラフィックに対する三角ルーティング経路が発生して、トラフィック伝達経路の非効率性および単一故障点(Single Point of Failure)の危険性が存在する。
【0008】
そして、従来のネットワークにおいて、移動通信コア網がアクセスの技術方式に従属的であるので、WiFi(Wireless Fidelity)および2G/3G/4Gなどのアクセス方式が新たに出現するたびに新しいコア網が必要な高費用構造であり、これによるサービス連動の限界がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】韓国公開特許第10−2002−0019330号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
したがって、本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、今後到来する多様な未来サービス提供の最適化を期する一方、インフラ投資/運用の効率性を提供するために、IMT−2020無線技術(5G)、WiFi、有線などの多様なネットワーク接続技術をAll−IP基盤融合制御技術で収容し、共通信号体系および移動性制御体系を導入して、有無線アクセス技術に非従属的な統合ネットワークシステムおよびその方法を提供することである。
【0011】
本発明の技術的課題は、以上に言及した技術的課題に制限されず、言及されていない他の技術的課題は、以下の記載から当業者に明確に理解されるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0012】
まず、本発明の特徴をまとめると、上記の目的を達成するための、本発明の一態様に係る多重アクセス網の統合的収容のための統合ネットワークシステムは、トラフィックの伝送のための統合有線IPネットワーク上に配置される1つ以上の統合ゲートウェイと、前記1つ以上の統合ゲートウェイを管理および制御するが、前記統合ゲートウェイが加入者毎またはサービス毎のトラフィックを分離して管理および制御し、前記統合ゲートウェイがバックホールで連結された同種アクセスノードまたは2種類以上の異種アクセスノードとIPパケット基盤で通信するように、前記統合ゲートウェイに送受信IPフローの経路を提供する統合制御エンティティとを含み、前記統合制御エンティティは、ユーザ認証制御、接続制御、端末移動性制御、およびIPフローに対するサービス呼制御、移動性制御およびQoS(Quality of Service)制御を含む制御機能のうちの少なくとも1つを、前記1つ以上の統合ゲートウェイを介して行うことを特徴とする。
【0013】
前記統合ネットワークシステムは、前記統合有線IPネットワークのエッジに配置された前記統合ゲートウェイを介して、前記同種アクセスノードまたは前記異種アクセスノードが統合的に収容されるものであって、同種アクセスの有無や有無線に関係ない、互いに異なるアクセスを含む2種類以上の異種アクセスを統合的に収容可能で、新しい類型のサービスおよび装置を収容可能にするためのものであることを特徴とする。
【0014】
2種類以上の異種アクセスを統合的に制御し収容可能な前記統合ネットワークシステムの構造において、前記統合ゲートウェイと前記統合制御エンティティは、異種資源状態をモニタリングして資源の管理と割当に用いることを特徴とする。
【0015】
前記統合ゲートウェイは、前記異種資源状態のモニタリングに基づいて資源余裕のある異種の網でトラフィックステアリングを行うことができる。
【0016】
前記統合ゲートウェイは、前記異種資源状態のモニタリングに基づいて資源余裕のある多重アクセス網に同時に接続されたユーザ端末に、それぞれのアクセス網でデータを分散して伝送することができる。
【0017】
ユーザ端末と互いに異なるアクセス方式で通信するアクセスノードと前記統合制御エンティティとの間のインタフェーシング信号体系は、アクセス方式に非従属的な同一の構造を有することを特徴とする。
【0018】
アクセス方式に関係なく、サービス提供サーバが加入者装置側に前進配置されるように、前記統合有線IPネットワーク上のエッジに配置された前記統合ゲートウェイに前記サービス提供サーバを連結することを特徴とする。
【0019】
前記統合制御エンティティは、IDとロケータとの分離されたIPアドレス体系に基づいて端末を管理しながら、第1統合ゲートウェイを介して前記統合有線IPネットワークに接続する端末の移動に対して、アンカーフリーに前記ネットワークに接続するように、第2統合ゲートウェイでハンドオーバのための前記端末の移動性およびIPフローの移動性を制御することができる。
【0020】
前記移動性制御は、無線アクセス−無線アクセス間の移動性制御を含む同種アクセス内の移動性制御を含むことができる。
【0021】
また、前記移動性制御は、無線アクセス−有線アクセス間の移動性制御、またはIMT−2020アクセス−WiFiアクセス間の移動性制御を含む異種アクセス間の移動性制御を含むことができる。
【0022】
前記統合制御エンティティは、多重アクセス網に同時に接続された端末に対して、前記統合ゲートウェイが異種アクセス網の統合資源管理を基盤として可用資源状態を判断し、複数のIPフローをIPフロー単位でトラフィックを区分してIPフローの移動性を支援するように制御することができる。
【0023】
前記統合ゲートウェイが所定の帯域幅以上のデータを含むIPフローに対して、前記多重アクセス網を介して分散して前記端末に伝送するように、前記統合制御エンティティは、前記統合ゲートウェイを制御することができる。
【0024】
前記統合ネットワークシステムは、前記統合有線IPネットワーク上のエッジに分散配置され、前記制御機能のうちの少なくとも1つの制御機能を論理的に行う分散制御エンティティをさらに含むことができる。
【0025】
そして、本発明の他の態様に係る多重アクセス網の統合的収容のための統合ネットワークシステムの運営方法は、トラフィックの伝送のための統合有線IPネットワーク上に配置される1つ以上の統合ゲートウェイを管理および制御する統合制御エンティティにおいて、前記統合ゲートウェイが加入者毎またはサービス毎のトラフィックを分離して管理および制御し、前記統合ゲートウェイがバックホールで連結された同種アクセスノードまたは2種類以上の異種アクセスノードとIPパケット基盤で通信するように、前記統合ゲートウェイに送受信IPフローの経路を提供する段階と、前記統合制御エンティティにおいて、ユーザ認証制御、接続制御、端末移動性制御、およびIPフローに対するサービス呼制御、移動性制御およびQoS(Quality of Service)制御を含む制御機能のうちの少なくとも1つを、前記1つ以上の統合ゲートウェイを介して行う段階とを含む。
【0026】
前記統合ネットワークシステムの運営方法は、前記統合有線IPネットワークのエッジに配置された前記統合ゲートウェイを介して、前記同種アクセスノードまたは前記異種アクセスノードが統合的に収容されるものであって、同種アクセスの有無や有無線に関係ない、互いに異なるアクセスを含む2種類以上の異種アクセスを統合的に収容可能で、新しい類型のサービスおよび装置を収容可能にするためのものであることを特徴とする。
【0027】
2種類以上の異種アクセスを統合的に制御し収容可能な前記統合ネットワークシステムの構造において、前記統合ゲートウェイと前記統合制御エンティティは、異種資源状態をモニタリングして資源の管理と割当に用いることを特徴とする。
【0028】
前記統合ゲートウェイは、前記異種資源状態のモニタリングに基づいて資源余裕のある異種の網でトラフィックステアリングを行うことができる。
【0029】
前記統合ゲートウェイは、前記異種資源状態のモニタリングに基づいて資源余裕のある多重アクセス網に同時に接続されたユーザ端末に、それぞれのアクセス網でデータを分散して伝送することができる。
【0030】
ユーザ端末と互いに異なるアクセス方式で通信するアクセスノードと前記統合制御エンティティとの間のインタフェーシング信号体系は、アクセス方式に非従属的な同一の構造を有することを特徴とする。
【0031】
アクセス方式に関係なく、サービス提供サーバが加入者装置側に前進配置されるように、前記統合有線IPネットワーク上のエッジに配置された前記統合ゲートウェイに前記サービス提供サーバを連結することを特徴とする。
【0032】
前記統合制御エンティティにおいて、IDとロケータとの分離されたIPアドレス体系に基づいて端末を管理しながら、第1統合ゲートウェイを介して前記統合有線IPネットワークに接続する端末の移動に対して、アンカーフリーに前記ネットワークに接続するように、第2統合ゲートウェイでハンドオーバのための前記端末の移動性およびIPフローの移動性を制御することができる。
【0033】
前記移動性制御は、無線アクセス−無線アクセス間の移動性制御を含む同種アクセス内の移動性制御、または無線アクセス−有線アクセス間の移動性制御やIMT−2020アクセス−WiFiアクセス間の移動性制御を含む異種アクセス間の移動性制御を含むことができる。
【0034】
前記統合制御エンティティにおいて、多重アクセス網に同時に接続された端末に対して、前記統合ゲートウェイが異種アクセス網の統合資源管理を基盤として可用資源状態を判断し、複数のIPフローをIPフロー単位でトラフィックを区分してIPフローの移動性を支援するように制御することができる。
【0035】
前記統合ゲートウェイが所定の帯域幅以上のデータを含むIPフローに対して、前記多重アクセス網を介して分散して前記端末に伝送するように、前記統合制御エンティティは、前記統合ゲートウェイを制御することができる。
【0036】
前記統合ネットワークシステムの運営方法は、前記統合有線IPネットワーク上のエッジに分散配置される分散制御エンティティにおいて、前記制御機能のうちの少なくとも1つの制御機能を論理的に行う段階をさらに含むことができる。
【発明の効果】
【0037】
本発明の有無線アクセス技術に非従属的な統合ネットワークシステムおよびその方法によれば、事業者がゲートウェイを分散配置することによって、同種アクセスノードまたは有無線に関係なく、互いに異なるアクセスを含む2種類以上の異種アクセスを統合的に収容し、これによって新しい類型のサービスおよび端末を柔軟に収容することができ、拡張が容易な網運営が可能である。
【0038】
また、本発明によれば、サービス提供者は、エッジネットワークに別途の装置なしにIP基盤のサービス提供サーバを配置することができて、低遅延高容量データサービスを提供することができる。
【0039】
さらに、本発明によれば、事業者は、多様な有無線アクセス網を統合管理および制御することが可能である。
【0040】
また、本発明によれば、アクセス網間の統合無線資源管理を通してネットワーク資源を効率的に活用することができて、運営費を節減することができる。
【0041】
さらに、本発明によれば、多様な有無線アクセス網間の移動性提供を通してユーザに途切れのないサービスを提供することができる。
【0042】
そして、本発明によれば、単一アクセス網ではサービスが不可能な大容量サービスに対しても、アクセス網の統合を通して大容量サービスを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【
図1】一般的な3G網、4G網、WiFi網、有線網を含む多重網構造に対する概略的な概念図である。
【
図2】一般的な4GネットワークにおけるGTP(GPRS Tunneling Protocol)適用構造を示す。
【
図3A】本発明の有無線アクセス技術に非従属的な統合ネットワークシステムの概念図の一例である。
【
図3B】本発明の有無線アクセス技術に非従属的な統合ネットワークシステムの概念図の他の例である。
【
図3C】本発明の統合ネットワークシステムの動作概念を説明するためのフローチャートである。
【
図4A】既存のEPCにおける端末−MME間のインタフェース信号体系を説明するための図である。
【
図4B】本発明の一実施形態に係る統合ネットワークシステムにおいて、IMT−2020(5G)接続方式でユーザ端末(UE)から基地局(5GBS)を介した統合制御エンティティ(UCE)間のインタフェース信号体系を説明するための図である。
【
図4C】本発明の一実施形態に係る統合ネットワークシステムにおいて、WiFi接続方式でユーザ端末(UE)からWiFiアクセスポイントを介した統合制御エンティティ(UCE)間のインタフェース信号体系を説明するための図である。
【
図5A】既存の移動通信システムにおける移動性支援を説明するための図である。
【
図5B】本発明の一実施形態に係る統合ネットワークシステムにおける統合制御エンティティ(UCE)を介したAnchor−free移動性制御を説明するための図である。
【
図5C】本発明の一実施形態に係る統合ネットワークシステムにおける有無線Intra−GW移動性制御を説明するための図である。
【
図5D】本発明の一実施形態に係る統合ネットワークシステムにおける無線Intra−GW移動性制御の具体的な実施形態を説明するための図である。
【
図5E】本発明の一実施形態に係る統合ネットワークシステムにおける高い帯域幅が要求されたIPフローの分散伝送を説明するための図である。
【
図6】本発明の一実施形態に係る統合ネットワークシステムの実現方法の一例を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0044】
以下、本発明の一部の実施形態を例示的な図面により詳細に説明する。各図面の構成要素に参照符号を付加するにあたり、同一の構成要素については、たとえ他の図面上に表示されても、できるだけ同一の符号を持たせることに留意しなければならない。また、本発明の実施形態を説明するにあたり、かかる公知の構成または機能に関する具体的な説明が本発明の実施形態に対する理解を妨げると判断された場合には、その詳細な説明は省略する。
【0045】
本発明の実施形態の構成要素を説明するにあたり、第1、第2、A、B、(a)、(b)などの用語を使用することができる。これらの用語は、その構成要素を他の構成要素と区別するためのものに過ぎず、その用語によって当該構成要素の本質や手順または順序などが限定されない。また、異なって定義されない限り、技術的または科学的な用語を含む、ここで使用される全ての用語は、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者によって一般に理解されるのと同じ意味を有する。一般に使用される辞書に定義されているような用語は、関連技術の文脈上有する意味と一致する意味を有すると解釈されなければならず、本出願において、明らかに定義しない限り、理想的または過度に形式的な意味で解釈されない。
【0046】
図1は、一般的な3G網、4G網、WiFi網、有線網を含む多重網構造に対する概略的な概念図である。
【0047】
一般的なインターネットのための有線IPネットワーク1は、有線加入者2とWiFi3通信を収容する。4Gネットワークと呼ばれるEPSは、LTE無線インタフェース(Radio Interface)が適用される基地局(eNodeB、eNB)4が4Gコア網(CN)であるEPC8に接続され、EPC8は、移動性管理エンティティ(Mobility Management Entity、MME)7と、サービングゲートウェイ(Serving Gateway、SGW)5と、PDNゲートウェイ(PGW)6とから構成される。3Gネットワークは、無線インタフェース(Radio Interface)が適用される基地局(NodeB、NB)9がモバイルパケットコア(mobile packet core)13にRNC(Radio Network Controller)10を介して接続され、モバイルパケットコア(mobile packet core)13は、Serving GPRS Support Node(SGSN)11と、Gateway GPRS Support Node(GGSN)12とから構成される。WiFiと3Gコアネットワークとは、Packet Data Gateway(PDG)15を介して連動され、WiFiと4Gコアネットワークとは、enhanced PDG(ePDG)14を介して連動される。一方、有線IPネットワーク1および3G/4G移動通信ネットワーク4、9は、Internet Exchange Point(IX)16を介して連動される。
【0048】
図2は、一般的な4GネットワークにおけるGTP(GPRS Tunneling Protocol)適用構造を示す。
【0049】
4Gパケット網上で加入者毎/サービス毎のトラフィックの分離とこれによる課金などのために、伝統的な回線サービスと類似のトンネリング手法を、基地局(eNB)とサービングゲートウェイ(SGW)との間およびサービングゲートウェイ(SGW)とPDNゲートウェイ(PGW)との間に適用したもので、トラフィック制御の複雑度が高いだけでなく、All−IP基盤融合ネットワークへの進化にネックとして作用している。
【0050】
図3Aは、本発明の有無線アクセス技術に非従属的な統合ネットワークシステム100の概念図の一例である。
図3Bは、本発明の有無線アクセス技術に非従属的な統合ネットワークシステム100の概念図の他の例である。
図3Cは、本発明の統合ネットワークシステム100の動作概念を説明するためのフローチャートである。
【0051】
図3Aを参照すれば、本発明の一実施形態により、統合ネットワークシステム100は、トラフィック伝送のルーティングのためのルータを含む統合有線IPネットワーク27上のエッジ(Edge)28に分散配置される複数の統合ゲートウェイ(Converged Gateway、CGW)25と、統合信号処理を通してこれらを管理する統合制御エンティティ(Unified Control Entity、UCE)26とを含む。また、統合ネットワークシステム100は、ネットワーク上で加入者インタフェースに前進配置可能なマイクロデータセンタ(Micro Data Center)29をさらに含んでもよい。マイクロデータセンタ29は、サービス運営に必要な所定のデータを保存管理することができる。
【0052】
これは、5G時代の急増するトラフィックを分散収容してネットワークの柔軟性を確保するためであり、統合ゲートウェイ(CGW)25は、バックホール(Backhaul)24を介して、IMT(International Mobile Telecommunication)−2020(5G)基地局(5GBS)20、WiFi通信のためのアクセスポイント21、有線加入者と通信のための有線ノード23などの同種アクセスノードおよび2種類以上の異種アクセスノード(有無線の有無に関係ない)と通信できるようにこれらを収容する(S110)。また、統合ゲートウェイ(CGW)25は、3G/4G移動通信ネットワーク30と通信できるように収容してもよい。
【0053】
IMT−2020基地局(5GBS)20−統合ゲートウェイ(CGW)25の間には、WiFiアクセスポイント(AP)(またはアクセスコントローラAC)21−統合ゲートウェイ(CGW)25、有線ノード23−統合ゲートウェイ(CGW)25の間と同様に、GTP基盤でない、基本的なIPパケット基盤の通信制御が行われる。IPパケット基盤とは、アクセスの種類に関係なく、個別IP階層のセッションを定義するIPフローを直接制御することを意味する。
【0054】
統合ゲートウェイ(CGW)25は、マイクロフロー(Micro−Flow)トラフィック制御機能を通してデータ経路を提供する統合制御エンティティ(Unified Control Entity、UCE)26から、ネットワーク上で送受信されるIPフロー(データ)の経路が提供される(S120)。
【0055】
統合制御エンティティ(UCE)26は、統合ゲートウェイ(CGW)25を管理するが、ユーザ認証制御、接続制御、端末移動性制御および統合ゲートウェイ(CGW)25を介したIPフローに対して、サービス呼制御(例、連結/設定など)、同種アクセス内のIP移動性(例、無線アクセス−無線アクセス)および異種アクセス間のIP移動性(例、有線アクセス−無線アクセス、IMT−2020アクセス−WiFiアクセスなど)制御、QoS(Quality of Service)制御などを担当する(S130)。
【0056】
一方、
図3Bを参照すれば、本発明の一実施形態により、前記統合ネットワークシステム100は、複数の統合ゲートウェイ(Converged Gateway、CGW)25と、統合信号処理を通してこれらを管理する統合制御エンティティ(Unified Control Entity、UCE)26は、エッジに分散して1つ以上の統合ゲートウェイ25を制御する分散制御エンティティ(edge Unified Control Entity)45を含む。統合制御エンティティ26のユーザ認証制御、接続制御、端末移動性制御、IPフローに対するサービス呼制御、移動性制御、またはQoS(Quality of Service)制御機能のうちの少なくとも1つの制御機能を論理的に行うようにするために、論理的に配分された分散制御エンティティ(eUCE)45をネットワークエッジに1つ以上分散配置することができる。また、分散制御エンティティ(eUCE)45は、1つ以上の統合ゲートウェイ25を制御し、統合制御エンティティ(UCE)26と通信を介して必要な信号をやり取りすることによって、統合制御エンティティ(UCE)26を制御してもよい。
【0057】
<データ階層>
本発明により新たに定義される統合ゲートウェイ(CGW)25とIMT−2020基地局(5GBS)20との間のデータトラフィック制御において、本発明では、GTP基盤の制御でない、基本的なIPパケット基盤の制御を提供する。このために、本発明は、IMT−2020基地局(5GBS)20および統合ゲートウェイ(CGW)25で加入者毎/サービス毎のトラフィックを分離して管理/制御できるように、統合制御エンティティ(Unified Control Entity、UCE)26は、Micro−Flowトラフィック制御機能を通して送受信IPフローのデータ経路を提供する。
【0058】
つまり、本発明は、前記Micro−Flowトラフィック制御機能を通してIMT−2020の下位階層から上がってくる信号(データ)に対して、IP階層で加入者毎/サービス毎のトラフィックを分離し管理できるようにしてデータ経路を提供する。本発明では、既存の4Gの基地局(eNB)4で無線ベアラ(Radio Bearer)ID(identifier)(RBID)とeNB−SGW間のGTP Tunnel Endpoint ID(TEID)をマッピングしてデータ経路を確保する方式を使用しない。このような既存の方式の代わりに、本発明では、IMT−2020で定義されるRBIDまたは無線チャネル(Radio Channel)IDと、IPパケットのフロー情報(5−tuple情報)およびパケットフロー(IP−Flow)を定義できる情報をマッピングしてデータ経路を提供する。
【0059】
本発明により、統合ゲートウェイ(CGW)25では、IMT−2020基地局(5GBS)20、WiFiアクセスポイント21、有線ノード23などの接続に関係なく、全てのユーザ端末(UE、User Equipment)とのトラフィックを同一の方式で制御/管理することができる。また、統合ゲートウェイ(CGW)25では、アクセス技術に関係なく、同一の方式でユーザトラフィックに対するQoS制御を行い、IP移動性提供のための追加の機能を行う。一方、統合ゲートウェイ(CGW)25では、パケットフロー(IP−Flow)を基盤としてユーザトラフィックの課金情報、測定情報などを抽出する。
【0060】
本発明において、ユーザ端末(UE)は、IMT−2020基地局20またはWiFiアクセスポイント21を介して統合ゲートウェイ(CGW)25に接続可能なスマートフォン、音声/映像電話通話可能なウェアラブルデバイス、タブレットPC、ノートパソコンPCなどの無線端末を含むことができ、モデムなどの有線ノード23を介して統合ゲートウェイ(CGW)25に接続可能なデスクトップPCその他通信専用端末などの有線端末を含む。
【0061】
<信号階層>
既存のEPC8の信号階層は、端末−eNB間、MME−端末間、MME−eNB間、MME−SGW間のそれぞれの信号体系が存在する(例、標準3GPP TS24.301、TS39.413、TS29.272、TS23.401参照)。このような信号体系は、既存の有線ネットワークにおける制御方式と大きく異なっていて、アクセス技術による別途の網を構築しなければならない弊害をもたらす。特に、既存のEPC8における端末−MME間の信号は、端末−eNB、eNB−MME上に定義されたインタフェースを介して行われるようになっており(
図4A参照)、これは、アクセス技術および固有ネットワーク技術に従属性を持つようになって、アクセス技術と非従属的な単一網を構築できなくなる。したがって、本発明では、端末−UCE(4Gでの端末−MMEに対応)間の信号体系は、同一の信号体系を用いて、同種アクセスの有無、有無線アクセスの有無などのアクセス方式に関係なく、特定のアクセス技術および網技術に非従属的に処理できる構造を有する。
【0062】
例えば、本発明では、
図4Bおよび
図4Cのように、ユーザ端末(UE)が基地局(5GBS)またはWiFiアクセスポイント21などの互いに異なるアクセス方式を支援する中間ノード(アクセスノード)とインタフェーシングのための互いに異なる信号体系を用いて通信しても、中間ノードと統合制御エンティティ(UCE)26との間に同一の信号体系を用いて、アクセス方式に関係なく(アクセス方式に非従属的に)、インタフェーシングが可能である。
【0063】
図4Bの例において、IMT−2020(5G)接続の場合、ユーザ端末(UE)の信号処理階層は、制御応用(control application)−IP−PDCP(Packet Data Convergence Protocol)−RLC(Radio Link Control)−5G MAC(Media Access Control)−5G PHY(Physical)を含み、このような階層構造で基地局(5GBS)とインタフェーシング可能である。基地局(5GBS)と統合制御エンティティ(UCE)26は、同一の信号体系(IP−L2−L1)を用いてインタフェーシングし、統合制御エンティティ(UCE)26は、上位に制御応用(control application)階層を有する。
【0064】
図4Cの例において、WiFi接続の場合、ユーザ端末(UE)の信号処理階層は、制御応用(control application)−IP−WiFi L2−WiFi L1を含み、このような階層構造でWiFiアクセスポイント21とインタフェーシング可能である。WiFiアクセスポイント21と統合制御エンティティ(UCE)26とは、同一の信号体系(IP−L2−L1)を用いてインタフェーシングし、統合制御エンティティ(UCE)26は、上位に制御応用(control application)階層を有する。
【0065】
一方、既存の4G信号体系は、Connection−less(パケット非連結型)サービスのためのIPネットワーク上で回線サービスと類似のGTPトンネリングのためにGTP−C(Control)信号を処理し、信号体系自体が複雑である。LTEで音声通話もVoLTE(Voice over LTE)サービスが普遍化しているなど、全てのサービスがパケット基盤のconnection−lessサービスとして提供されており、特に、今後普遍化するIoT(Internet of Things)サービスは、小規模データを間欠的に伝送する特性を有するが、この時、回線基盤のサービス提供のための複雑なシグナリング体系の適用が容易でなくなる。したがって、本発明では、connection−lessサービス提供のための軽量化(light−weight)した信号体系を提供することができる。
【0066】
<統合資源管理>
本発明では、無線資源利用効率の極大化のために、IMT−2020領域とWiFi領域の異種無線資源に対する統合管理をする。中央制御プラットホームの統合制御エンティティ(UCE)26は、統合ゲートウェイ(CGW)25を管理し、これを介して送受信されるIPパケット基盤で、IMT−2020領域とWiFi領域からセルあたりの使用済み帯域幅(Bandwidth)、セルあたりの使用済み無線チャネル数、セルあたりの加入者数、セルあたりの加入者トラフィックセッション数などを集約し、これを統合管理する。このような無線資源の統合管理は、セルの無線資源利用率に応じて加入者を可用無線資源の多いセル(IMT−2020領域とWiFi領域の同種あるいは異種)にハンドオーバさせるためであり、この機能については以後さらに記述する。
【0067】
<UCEでのCGWのフロー制御を通したAnchor−free IP移動性制御>
IP移動性制御のために、本発明では、ユーザ端末(UE)を識別するためのID(Identifier)と、データ伝送のためのロケータ(Locator)とに分離するIPアドレス体系を導入する。IDは、ユーザ端末(UE)の識別と認証のための用途に用いられ、ロケータ(Locator)は、ユーザ端末(UE)の位置情報登録/管理、加入者トラフィック伝送のために用いられる。
【0068】
図5Aは、既存の移動通信システムにおける移動性支援を説明するための図である。
【0069】
既存の移動性制御技術の特徴は、Mobile IP技術のHome Agent(HA)のようにユーザ端末(UE)のトラフィックが常に経由すべきMobility Anchor Pointが存在する。特に、
図5Aに示されるように、3GPP規格では、PDNゲートウェイ(PGW)間のMobility規格が定義されていない状態でユーザ端末(UE)が他のサービングゲートウェイ(SGW)地域に移動をしても、ハンドオーバのために初期に接続されたPDNゲートウェイ(PGW)を常に経由して移動通信ネットワークコア網(CN)に接続しなければならない非効率的な構造を有する。このような移動性提供構造は、トラフィック経路の非最適化による網資源の浪費をもたらすだけでなく、今後導入される低遅延サービスなどの提供にも問題を引き起こすようになる。
【0070】
図5Bは、本発明の一実施形態に係る統合ネットワークシステム100における統合制御エンティティ(UCE)26を介したAnchor−free移動性制御を説明するための図である。
【0071】
本発明は、
図5Bに示されるように、既存の移動性支援からAnchoringポイントを除去し、統合ゲートウェイ(CGW)のEdge−by−Edgeでネットワーク27に接続するように、トラフィックの経路最適化が可能な無アンカー(アンカーフリー)移動性(Anchor−free mobility)を提供する。本発明の統合制御エンティティ(UCE)26は、ID/ロケータ分離IPアドレス体系に基づいてユーザ端末(UE)を管理しながら、有線IPネットワーク27のエッジ(Edge)28に分散配置される統合ゲートウェイ(CGW)25を介してネットワーク27に接続するユーザ端末(UE)がハンドオーバできるように、前記端末の移動性およびIPフローの移動性を管理および制御する。ユーザ端末(UE)がIMT−2020、WiFi、有線などの多様な特性のアクセス網を介して接続しても、統合ゲートウェイ(CGW)25は、ユーザ端末(UE)の移動に対して連動される統合制御エンティティ(UCE)26の制御により移動性を支援して、ユーザ端末(UE)が最も近い統合ゲートウェイを介して途切れのないサービスを受けられるように支援することができる。
【0072】
図5Cは、本発明の一実施形態に係る統合ネットワークシステム100における有無線Intra−GW移動性制御を説明するための図である。
【0073】
図5Cのように、ユーザ端末(UE)の移動を感知した統合制御エンティティ(UCE)26の制御を通して統合ゲートウェイ(CGW)25が無線アクセス網間の移動性(Inter−GW移動性)を支援できるだけでなく、1つの統合ゲートウェイ(CGW)25と接続したユーザ端末(UE)に対して有線アクセス網(有線IP)と無線アクセス網(IMT−2020/WiFi)との間の移動性(Intra−GW移動性)が支援できる。ここで、互いに異なる無線アクセス網(IMT−2020、WiFi)間のIntra−GW移動性支援を含む。前記統合制御エンティティ26の制御を通して移動性を提供する前記統合ゲートウェイ25は、統合制御エンティティ25だけでなく、分散制御エンティティ45と連結して制御を受けてもよい。前記分散制御エンティティ45に連結された場合、Inra−GW移動性の場合には、統合ゲートウェイ25内の移動性であるので、分散制御エンティティ45の制御で十分であるが、Inter−GW移動性の場合には、統合ゲートウェイ25間の移動性を支援するために、前記統合ゲートウェイ25が互いに異なる分散制御エンティティ45に連結された場合であれば、前記分散制御エンティティ45と統合制御エンティティ26とが連動して制御を行うことも必要であり得る。
【0074】
図5Dは、本発明の一実施形態に係る統合ネットワークシステム100における無線Intra−GW移動性制御の具体的な実施形態を説明するための図である。
【0075】
図5Dのように、IMT−2020接続方式の地域に2以上のWiFiアクセスポイント(WiFi1/WiFi2)が設けられた場合、統合ゲートウェイ(CGW)25は、統合制御エンティティ(UCE)26の制御により異種アクセス網の統合資源管理を基盤として可用資源状態を判断し、複数のIPフローをIPフロー単位でトラフィックを区分して管理および制御することができ、このようなIMT−2020またはWiFi1/WiFi2などの多重アクセス網に同時に接続されたユーザ端末(UE)の移動に対してIP Flow移動性を支援することができる。
【0076】
図5Eは、本発明の一実施形態に係る統合ネットワークシステム100における高い帯域幅が要求されたIPフローの分散伝送を説明するための図である。
【0077】
図5Eのように、統合制御エンティティ(UCE)26の制御により、統合ゲートウェイ(CGW)25は、UHD(Ultra High Definition)およびホログラムのように所定の帯域幅以上の高い帯域幅を要求するデータを含むことで、1つのアクセス技術では伝送が難しいIP Flowに対して、IMT−2020またはWiFi1/WiFi2などの多重アクセス網に同時に接続されたユーザ端末(UE)に、それぞれのアクセス網でデータを分散して伝送してもよい。
【0078】
<統合資源管理を活用したユーザ群集度認識およびサービス認識基盤のハンドオーバ>
IMT−2020またはWiFiなどの異種無線接続区間が地理的に重なっている場合、特定の無線接続区間に接続されたユーザが多かったり、ユーザが要求するサービスを収容するための無線資源が不足する場合、ユーザサービスのQoSは影響を受けるようになる。この場合、地理的に重なった隣接の異種セルの遊休資源があるならば(
図5D参照)、統合ゲートウェイ(CGW)25、統合制御エンティティ(UCE)26などの装置を介して、ユーザ端末を隣接セルに接続させて良質のサービス提供が可能になる。このために、本発明は、
図3のような統合ネットワークにおいて、統合制御エンティティ(UCE)26の制御により統合ゲートウェイ(CGW)25が統合資源管理機能を通した可用資源状態を判断し、当該接続区間に接続されたユーザ群集度情報、ユーザ端末のトラフィックに対するサービス特性を認識した情報(伝送変調モード、帯域幅など)を基盤としてユーザ端末を異種セルに再接続させる機能を行うことができる。
【0079】
図6は、本発明の一実施形態に係る統合ネットワークシステム100の実現方法の一例を説明するための図である。本発明の一実施形態に係る統合ネットワークシステム100の統合ゲートウェイ(CGW)25、統合制御エンティティ(UCE)26などは、ハードウェア、ソフトウェア、またはこれらの結合からなる。例えば、統合ゲートウェイ(CGW)25、統合制御エンティティ(UCE)26などは、
図6のようなコンピューティングシステム1000で実現できる。
【0080】
コンピューティングシステム1000は、バス1200を介して連結される少なくとも1つのプロセッサ1100と、メモリ1300と、ユーザインタフェース入力装置1400と、ユーザインタフェース出力装置1500と、ストレージ1600と、ネットワークインタフェース1700とを含むことができる。プロセッサ1100は、中央処理装置(CPU)またはメモリ1300および/またはストレージ1600に保存された命令語に対する処理を実行する半導体装置であるとよい。メモリ1300およびストレージ1600は、多様な種類の揮発性または不揮発性記憶媒体を含むことができる。例えば、メモリ1300は、ROM(Read Only Memory)1310と、RAM(Random Access Memory)1320とを含むことができる。
【0081】
したがって、本明細書に開示された実施形態に関連して説明された方法またはアルゴリズムの段階は、プロセッサ1100によって実行されるハードウェア、ソフトウェアモジュール、またはそれら2つの結合で直接実現できる。ソフトウェアモジュールは、RAMメモリ、フラッシュメモリ、ROMメモリ、EPROMメモリ、EEPROMメモリ、レジスタ、ハードディスク、着脱型ディスク、CD−ROMのような保存媒体(つまり、メモリ1300および/またはストレージ1600)に常駐してもよい。例示的な保存媒体は、プロセッサ1100にカップリングされ、そのプロセッサ1100は、保存媒体から情報を読取可能で、保存媒体に情報を書き込むことができる。他の方法として、保存媒体は、プロセッサ1100と一体型でってもよい。プロセッサおよび保存媒体は、注文型集積回路(ASIC)内に常駐してもよい。ASICは、ユーザ端末内に常駐してもよい。他の方法として、プロセッサおよび保存媒体は、ユーザ端末内に個別コンポーネントとして常駐してもよい。
【0082】
上述のように、本発明に係る有無線アクセス技術に非従属的な統合ネットワークシステム100では、事業者が統合ゲートウェイ(CGW)25を分散配置することによって、同種アクセスノードまたは有無線に関係なく、互いに異なるアクセスを含む2種類以上の異種アクセスを統合的に収容し、これによって新しい類型のサービスおよび端末/サーバその他電子装置を柔軟に収容することができ、拡張が容易な網運営が可能である。また、本発明によれば、サービス提供者は、アクセス方式に関係なく、有線IPネットワーク27のエッジ(Edge)28の統合ゲートウェイ(CGW)25に連結されるサービス提供サーバを配置することができて、加入者(ユーザ端末などの装置)インタフェースに前進配置されるサービス提供サーバを介して低遅延高容量データサービスを提供することができる。
【0083】
さらに、本発明によれば、事業者は、多様な有無線アクセス網を統合管理および制御することが可能であり、アクセス網間の統合無線資源管理を通してネットワーク資源を効率的に活用することができて、運営費を節減することができる。
【0084】
また、本発明によれば、多様な有無線アクセス網間の移動性提供を通してユーザに途切れのないサービスを提供することができる。そして、本発明によれば、単一アクセス網では、サービスが不可能な大容量サービスに対しても、アクセス網の統合を通して大容量サービスを提供することができる。
【0085】
さらに、本発明によれば、移動性制御において、有無線の有無に関係なく、移動性制御が可能になるだけでなく、異種アクセスが統合制御され収容される構造であるので、異種資源状態(例、異種アクセス間利用者群集度など)をモニタリングして資源の管理と割当に用いることによって、資源利用の効率性を高めることができる。既存の網は、単一アクセス技術だけでなされた網であるため、1つの資源だけを管理制御すれば良かったものの、本発明のように異種アクセスを収容する単一網または統合網において、統合制御エンティティ(UCE)26と統合ゲートウェイ(CGW)25は、資源の管理と割当のために多様なアクセスによる異種資源状態をモニタリングする。
【0086】
このような異種資源状態に対する統合管理に基づいて、統合ゲートウェイ(CGW)25は、資源余裕のある異種の網でトラフィックステアリング(steering)をすることが可能である。例えば、ゲートウェイ(CGW)25が応用を認識(例、帯域幅、動画トラフィックなど)して、加入者が連結されている異種の網で統合制御エンティティ(UCE)26などの制御体系と協力してネットワークで自動的に経路を変えることができる。
【0087】
また、本発明において、同種アクセスノードまたは有無線に関係なく、互いに異なるアクセスを含む2種類以上の異種アクセスを統合的に収容することによって、ゲートウェイ(CGW)25は、通信に必要なデータ(例、高い帯域幅を要求するデータなど)を異種アクセスに同時伝送(分散伝送)が可能になる。つまり、異種資源状態のモニタリングに基づいて資源余裕のある多重アクセス網に同時に接続されたユーザ端末(UE)に、それぞれのアクセス網で高い帯域幅のデータを分散して伝送してもよい。
【0088】
以上の説明は、本発明の技術思想を例として説明したに過ぎないものであって、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者であれば、本発明の本質的な特性を逸脱しない範囲で多様な修正および変形が可能である。
【0089】
したがって、本発明に開示された実施形態は、本発明の技術思想を限定するためでなく説明するためのものであり、このような実施形態によって本発明の技術思想の範囲が限定されるものではない。本発明の保護範囲は、以下の請求の範囲によって解釈されなければならず、それと同等範囲内にある全ての技術思想は本発明の権利範囲に含まれると解釈されなければならない。
【符号の説明】
【0090】
20:IMT−2020基地局
21:WiFiアクセスポイント
23:有線ノード
25:統合ゲートウェイ(CGW)
26:統合制御エンティティ(UCE)