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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-60217(P2017-60217A)
(43)【公開日】2017年3月23日
(54)【発明の名称】アクチュエータ
(51)【国際特許分類】
   H02K 33/16 20060101AFI20170303BHJP
   H01F 7/122 20060101ALI20170303BHJP
【FI】
   H02K33/16 A
   H01F7/08 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2015-180723(P2015-180723)
(22)【出願日】2015年9月14日
(71)【出願人】
【識別番号】000220505
【氏名又は名称】日本電産トーソク株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001634
【氏名又は名称】特許業務法人 志賀国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】真貝 一美
(72)【発明者】
【氏名】金城 秀一
【テーマコード(参考)】
5E048
5H633
【Fターム(参考)】
5E048AB10
5E048AC05
5E048AC06
5E048AD07
5H633BB08
5H633BB20
5H633GG04
5H633GG09
5H633GG16
5H633HH03
5H633HH05
5H633HH09
5H633HH13
(57)【要約】      (修正有)
【課題】エネルギー消費を低減しつつ、かつ、応答性を向上できる構造を有するアクチュエータを提供する。
【解決手段】軸方向に延びる中心軸に沿って配置される第1コア33および第1コイル35を有する第1ソレノイド31と、第1ソレノイドと軸方向に離れて配置され、第2コア34および第2コイル36を有する第2ソレノイド32と、第1ソレノイドと第2ソレノイドとの間に軸方向に移動可能に配置され、マグネット41,42を有する可動部40と、可動部に取り付けられ、ハウジング20の外部に突出する第1出力部50と、を備える。第1ソレノイドは、第1コアの可動部側の端部に配置され径方向に拡がる磁性体製の第1コアプレート37を有する。第2ソレノイドは、第2コアの可動部側の端部に配置され径方向に拡がる磁性体製の第2コアプレート38を有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸方向に延びる中心軸に沿って配置される第1コアおよび前記第1コアに巻き回される第1コイルを有する第1ソレノイドと、
前記第1ソレノイドと軸方向に離れて配置され、軸方向に延びる第2コアおよび前記第2コアに巻き回される第2コイルを有する第2ソレノイドと、
前記第1ソレノイドと前記第2ソレノイドとの間に軸方向に移動可能に配置され、マグネットを有する可動部と、
前記第1ソレノイド、前記第2ソレノイド、および前記可動部を収容するハウジングと、
前記可動部に取り付けられ、前記ハウジングの外部に突出する第1出力部と、
を備え、
前記第1ソレノイドは、前記第1コアの前記可動部側の端部に配置され径方向に拡がる磁性体製の第1コアプレートを有し、
前記第2ソレノイドは、前記第2コアの前記可動部側の端部に配置され径方向に拡がる磁性体製の第2コアプレートを有する、アクチュエータ。
【請求項2】
前記ハウジングは、軸方向に延びる筒状で、かつ、磁性体製であり、
前記マグネットは、第1マグネットと、前記第1マグネットと軸方向に離れて配置される第2マグネットと、を有し、
前記可動部は、前記第1マグネットと前記第2マグネットとの軸方向の間に配置され径方向に拡がる磁性体製の中央プレートをさらに有する、請求項1に記載のアクチュエータ。
【請求項3】
前記中央プレートの径方向外側の端部は、前記第1マグネットおよび前記第2マグネットよりも径方向外側に配置される、請求項2に記載のアクチュエータ。
【請求項4】
前記可動部は、前記第1マグネットの前記第1ソレノイド側に配置され径方向に拡がる磁性体製の第1対向プレートと、前記第2マグネットの前記第2ソレノイド側に配置され径方向に拡がる磁性体製の第2対向プレートと、を有し、
前記第1対向プレートは、前記第1コアプレートと軸方向に対向し、
前記第2対向プレートは、前記第2コアプレートと軸方向に対向する、請求項2または3に記載のアクチュエータ。
【請求項5】
前記第1対向プレートの径方向外側の端部は、前記第1マグネットの径方向外側の端部と径方向において同じ位置、または前記第1マグネットの径方向外側の端部よりも径方向内側に配置され、
前記第2対向プレートの径方向外側の端部は、前記第2マグネットの径方向外側の端部と径方向において同じ位置、または前記第2マグネットの径方向外側の端部よりも径方向内側に配置される、請求項4に記載のアクチュエータ。
【請求項6】
前記可動部は、軸方向に延びる柱状部を有し、
前記中央プレート、前記第1対向プレートおよび前記第2対向プレートは、前記柱状部によって互いに固定され、
前記第1マグネットおよび前記第2マグネットは、環状であり、かつ、前記柱状部に固定される、請求項4または5に記載のアクチュエータ。
【請求項7】
前記第1コイルと前記第2コイルとは、電気的に接続され、
前記第1コイルの巻線方向と前記第2コイルの巻線方向とは、互いに異なる、請求項1から6のいずれか一項に記載のアクチュエータ。
【請求項8】
前記可動部は、前記第1ソレノイドおよび前記第2ソレノイドの一方から磁力による吸引力を受け、かつ、前記第1ソレノイドおよび前記第2ソレノイドの他方から磁力による反発力を受けることで、軸方向に移動する、請求項1から7のいずれか一項に記載のアクチュエータ。
【請求項9】
前記第1コアは、軸方向両端に開口する筒状であり、
前記第1出力部は、前記可動部から軸方向に延び、かつ、前記第1コアの内部を介して前記ハウジングの外部に突出する、請求項1から8のいずれか一項に記載のアクチュエータ。
【請求項10】
前記可動部に取り付けられる第2出力部をさらに備え、
前記第2コアは、軸方向両端に開口する筒状であり、
前記第2出力部は、前記可動部から軸方向に延び、かつ、前記第2コアの内部を介して前記ハウジングの外部に突出する、請求項9に記載のアクチュエータ。
【請求項11】
前記第1出力部は、前記可動部から径方向に延びる、請求項1から8のいずれか一項に記載のアクチュエータ。
【請求項12】
前記可動部は、軸方向に延びる支持部を有し、
前記第1コアと前記第2コアとのうちの少なくとも一方は、軸方向の可動部側に開口する凹部を有し、
前記支持部は、前記第1コアと前記第2コアとのうちの少なくとも一方の凹部内に挿入される、請求項11に記載のアクチュエータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アクチュエータに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、油圧を用いたアクチュエータが知られている。しかし、油圧を用いたアクチュエータでは、オイル圧を常時かけ続ける必要があり、油圧ポンプを常時稼働させる必要がある。そのため、エネルギー消費が大きい問題があった。これに対して、モータを用いたアクチュエータが提案されている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013−247798号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、モータを用いたアクチュエータでは、ロータのイナーシャによって、起動時に出力の遅れが発生し、応答性が低下する問題があった。
【0005】
本発明の一つの態様は、上記問題点に鑑みて、エネルギー消費を低減しつつ、かつ、応答性を向上できる構造を有するアクチュエータを提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一つの態様のアクチュエータは、軸方向に延びる中心軸に沿って配置される第1コアおよび前記第1コアに巻き回される第1コイルを有する第1ソレノイドと、前記第1ソレノイドと軸方向に離れて配置され、軸方向に延びる第2コアおよび前記第2コアに巻き回される第2コイルを有する第2ソレノイドと、前記第1ソレノイドと前記第2ソレノイドとの間に軸方向に移動可能に配置され、マグネットを有する可動部と、前記第1ソレノイド、前記第2ソレノイド、および前記可動部を収容するハウジングと、前記可動部に取り付けられ、前記ハウジングの外部に突出する第1出力部と、を備え、前記第1ソレノイドは、前記第1コアの前記可動部側の端部に配置され径方向に拡がる磁性体製の第1コアプレートを有し、前記第2ソレノイドは、前記第2コアの前記可動部側の端部に配置され径方向に拡がる磁性体製の第2コアプレートを有する。
【発明の効果】
【0007】
本発明の一つの態様によれば、エネルギー消費を低減しつつ、かつ、応答性を向上できる構造を有するアクチュエータが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、第1実施形態のアクチュエータを示す断面図である。
図2図2は、第1実施形態のアクチュエータを示す断面図である。
図3図3は、第1実施形態のアクチュエータを示す断面図である。
図4図4は、第1実施形態の他の一例であるアクチュエータを示す断面図である。
図5図5は、第2実施形態のアクチュエータを示す断面図である。
図6図6は、第3実施形態のアクチュエータを示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態に係るアクチュエータについて説明する。以下の説明においては、図1に示す中心軸Jの延びる方向と平行な方向(図1では、例えば左右方向)を単に「軸方向」と呼び、中心軸Jを中心とする径方向を単に「径方向」と呼び、中心軸Jを中心とする周方向を単に「周方向」と呼ぶ。
【0010】
また、ある対象に対して、図1における軸方向の右側を単に「右側」と呼び、図1における軸方向の左側を単に「左側」と呼ぶ。なお、右側および左側は、単に説明のために用いられる名称であって、実際の位置関係や方向を限定しない。
【0011】
<第1実施形態>
図1に示す本実施形態のアクチュエータ10は、例えば、車両の自動変速機に用いられるアクチュエータである。アクチュエータ10は、例えば、自動変速機のハイギアとローギアとを切り換える。
【0012】
アクチュエータ10は、ハウジング20と、第1ソレノイド31と、第2ソレノイド32と、可動部40と、第1出力部50と、を備える。ハウジング20は、軸方向に延びる筒状である。ハウジング20は、第1ソレノイド31、第2ソレノイド32、および可動部40を収容する。ハウジング20は、磁性体製である。ハウジング20は、筒部21と、右側蓋部22と、左側蓋部23と、右側補助プレート24と、左側補助プレート25と、を有する。
【0013】
筒部21は、例えば、中心軸Jを中心とする円筒状である。右側蓋部22は、筒部21の右側の端部に接続される。右側蓋部22は、右側蓋部22を軸方向に貫通する出力軸孔22aを有する。左側蓋部23は、筒部21の左側の端部に接続される。右側蓋部22および左側蓋部23は、例えば、径方向に拡がる円板状である。左側蓋部23は、筒部21の左端を閉塞する。
【0014】
右側補助プレート24は、右側蓋部22の左面に固定される円環板状の部材である。右側補助プレート24の内側は、出力軸孔22aと繋がる。左側補助プレート25は、左側蓋部23の右面に固定される円環板状の部材である。
【0015】
第1ソレノイド31は、ハウジング20の内部における右方に配置される。第1ソレノイド31は、第1コア33と、第1コイル35と、第1コアプレート37と、を有する。
【0016】
第1コア33は、軸方向に延びる中心軸Jに沿って配置される。第1コア33は、例えば、軸方向両端に開口する円筒状である。第1コア33の右側の端部は、例えば、右側補助プレート24の内側に嵌め合わされる。第1コア33の右側の開口は、出力軸孔22aと繋がる。第1コア33は、磁性体製である。図示は省略するが、第1コア33の外周面には、ボビン状のインシュレータが装着される。第1コイル35は、ボビン状のインシュレータを介して第1コア33に巻き回される。
【0017】
第1コアプレート37は、第1コア33の可動部40側の端部、すなわち左端に配置される。第1コアプレート37は、径方向に拡がる板状である。第1コアプレート37は、例えば、中央に第1コアプレート37を貫通する孔を有する円板状であり、その中心を中心軸Jが通る。第1コアプレート37の孔は、第1コア33の内側と繋がる。第1コアプレート37は、磁性体製である。第1コアプレート37の径方向外側の端部は、筒部21の内側面から径方向内側に離れた位置に配置される。
【0018】
第2ソレノイド32は、ハウジング20の内部における左方に配置される。第2ソレノイド32は、第1ソレノイド31と軸方向に離れて配置される。第2ソレノイド32は、第2コア34と、第2コイル36と、第2コアプレート38と、を有する。
【0019】
第2コア34は、軸方向に延びる。第2コア34は、例えば、第1コア33と同心の円柱状である。第2コア34の左側の端部は、例えば、左側補助プレート25の内側に嵌め合わされる。第2コア34は、磁性体製である。図示は省略するが、第2コア34の外周面には、ボビン状のインシュレータが装着される。
【0020】
第2コイル36は、ボビン状のインシュレータを介して第2コア34に巻き回される。図示は省略するが、第1コイル35と第2コイル36とは、電気的に接続される。例えば、第1コイル35を構成する導電線と第2コイル36を構成する導電線とは、連続する1本の導電線である。そのため、第1コイル35と第2コイル36とのいずれか一方のコイルに電流を流すことによって、第1コイル35と第2コイル36との両方に電流を流すことができる。
【0021】
第1コイル35の巻線方向と第2コイル36の巻線方向とは、互いに異なる。そのため、第1コイル35と第2コイル36とが電気的に接続される場合に、第1コイル35に電流が流されることによって生じる磁界の向きと、第2コイル36に電流が流されることによって生じる磁界の向きと、を互いに逆にすることができる。具体的には、例えば、第1コイル35による磁界の向きが、第1コイル35の内側を磁束が右側から左側に流れる向きである場合、第2コイル36による磁界の向きは、第2コイル36の内側を磁束が左側から右側に流れる向きである。
【0022】
なお、本明細書において、巻線方向とは、軸方向の一方側から他方側に向かってコイルを構成する導電線を辿る際に、導電線の周方向位置の変化する方向である。すなわち、巻線方向が互いに異なるとは、例えば、右側から左側に向かって導電線を辿る際に、第1コイル35の導電線の周方向位置が時計回りに変化する場合、第2コイル36の導電線の周方向位置が反時計回りに変化することを含む。
【0023】
第2コアプレート38は、第2コア34の可動部40側の端部、すなわち右端に配置される。第2コアプレート38は、径方向に拡がる板状である。第2コアプレート38は、例えば、円板状であり、その中心を中心軸Jが通る。第2コアプレート38は、磁性体製である。第2コアプレート38の径方向外側の端部は、筒部21の内側面から径方向内側に離れた位置に配置される。
【0024】
可動部40は、第1ソレノイド31と第2ソレノイド32との間に軸方向に移動可能に配置される。可動部40は、例えば、ハウジング20の内部における軸方向のほぼ中央に配置される。可動部40は、マグネットと、第1対向プレート43と、第2対向プレート44と、中央プレート45と、柱状部51と、を有する。
【0025】
マグネットは、第1マグネット41と、第1マグネット41と軸方向に離れて配置される第2マグネット42と、を有する。図1では、第2マグネット42は、第1マグネット41の左側に配置される。
【0026】
第1マグネット41および第2マグネット42は、環状である。より詳細には、第1マグネット41および第2マグネット42は、円環状であり、その中心を中心軸Jが通る。第1マグネット41の外径と第2マグネット42の外径とは、例えば、同じである。第1マグネット41および第2マグネット42は、軸方向に延びる柱状部51に固定される。より詳細には、第1マグネット41および第2マグネット42は、例えば、柱状部51に嵌め合わされて固定される。
【0027】
第1マグネット41および第2マグネット42は、永久磁石である。第1マグネット41および第2マグネット42は、軸方向に沿ってN極とS極とを有する。第1マグネット41と第2マグネット42とにおいて、互いに向かい合う側の磁極は、異なる。すなわち、第1マグネット41の第2マグネット42側(左側)の磁極がN極の場合、第2マグネット42の第1マグネット41側(右側)の磁極は、S極である。第1マグネット41によって生じる磁界の向きと第2マグネット42によって生じる磁界の向きとは、同じである。
【0028】
なお、本明細書において、磁界の向きとは、アクチュエータの各部品の内部を通る磁束の向きを含む。
【0029】
第1対向プレート43は、第1マグネット41の第1ソレノイド31側(右側)に配置される。第1対向プレート43は、径方向に拡がる板状である。第1対向プレート43は、例えば、中央に第1対向プレート43を軸方向に貫通する孔を有する円板状であり、その中心を中心軸Jが通る。
【0030】
第1対向プレート43の径方向外側の端部は、例えば、第1マグネット41の径方向外側の端部と径方向において同じ位置に配置される。すなわち、第1対向プレート43の外径は、第1マグネット41の外径と同じである。第1対向プレート43は、第1コアプレート37と軸方向に対向する。第1対向プレート43の左面は、第1マグネット41の右面と接触する。第1対向プレート43は、磁性体製である。
【0031】
第2対向プレート44は、第2マグネット42の第2ソレノイド32側(左側)に配置される。第2対向プレート44は、径方向に拡がる板状である。第2対向プレート44は、例えば、円板状であり、その中心を中心軸Jが通る。
【0032】
第2対向プレート44の径方向外側の端部は、例えば、第2マグネット42の径方向外側の端部と径方向において同じ位置に配置される。すなわち、第2対向プレート44の外径は、第2マグネット42の外径と同じである。
【0033】
第1対向プレート43の径方向外側の端部と、第2対向プレート44の径方向外側の端部とは、例えば、径方向において同じ位置に配置される。すなわち、第1対向プレート43の外径と第2対向プレート44の外径とは、同じである。
【0034】
第2対向プレート44は、第2コアプレート38と軸方向に対向する。第2対向プレート44の右面は、第2マグネット42の左面と接触する。第2対向プレート44は、磁性体製である。
【0035】
中央プレート45は、第1マグネット41と第2マグネット42との軸方向の間に配置される。中央プレート45は、径方向に拡がる板状である。中央プレート45は、例えば、中央に中央プレート45を軸方向に貫通する孔を有する円板状であり、その中心を中心軸Jが通る。
【0036】
中央プレート45の径方向外側の端部は、第1マグネット41および第2マグネット42よりも径方向外側に配置される。中央プレート45の径方向外側の端部は、第1対向プレート43および第2対向プレート44よりも径方向外側に配置される。すなわち、中央プレート45の外径は、第1マグネット41の外径、第2マグネット42の外径、第1対向プレート43の外径、および第2対向プレート44の外径よりも大きい。
【0037】
中央プレート45の右面は、第1マグネット41と接触する。中央プレート45の左面は、第2マグネット42と接触する。中央プレート45は、磁性体製である。
【0038】
柱状部51は、例えば、中心軸Jを中心とする円柱状である。柱状部51は、非磁性体製である。柱状部51は、第1対向プレート43の内側および中央プレート45の内側に通される。柱状部51の外周面には、第1対向プレート43の内側面および中央プレート45の内側面が固定される。柱状部51の左端には、第2対向プレート44が固定される。
【0039】
これにより、中央プレート45、第1対向プレート43、および第2対向プレート44は、柱状部51によって互いに固定される。このように、柱状部51に中央プレート45、各対向プレートおよび各マグネットをそれぞれ固定することによって、各部品を互いに強固に固定することができる。
【0040】
第1出力部50は、可動部40に取り付けられる。図1では、第1出力部50は、可動部40から軸方向(図1では軸方向右側)に延びるシャフトである。第1出力部50は、非磁性体製である。第1出力部50は、第1コアプレート37の内側、第1コア33の内部33aおよび出力軸孔22aを介して、ハウジング20の外部に突出する。
【0041】
図1では、第1出力部50と柱状部51とは、単一の部材である。第1出力部50は、柱状部51の右端に接続される。第1出力部50は、第1コア33によって軸方向に移動可能に支持される。すなわち、第1コア33は、第1出力部50を支持するブッシュとして機能する。これにより、可動部40は、第1出力部50を介して、第1コア33によって、軸方向に移動可能に支持される。
【0042】
第1出力部50の右端は、例えば、自動変速機におけるハイギアとローギアとの切り換えシャフトに接続される。なお、第1出力部50が、自動変速機におけるハイギアとローギアとの切り換えシャフト自体であってもよい。これにより、第1出力部50が軸方向に移動することによって、自動変速機のハイギアとローギアとの切り換えを行うことができる。
【0043】
アクチュエータ10においては、第1ソレノイド31および第2ソレノイド32に電流が供給されることによって、可動部40および第1出力部50が軸方向に移動する。以下、詳細に説明する。
【0044】
第1ソレノイド31および第2ソレノイド32に電流を供給すると、第1コイル35および第2コイル36に電流が流れ、磁界が生じる。例えば、第1コイル35によって生じる磁界の向きが、第1マグネット41によって生じる磁界と同じ向きの場合、第1コアプレート37と第1マグネット41との間には、磁力による吸引力が生じる。
【0045】
具体的には、例えば、第1マグネット41の右側の磁極がS極の場合、第1マグネット41によって励磁された第1対向プレート43は、第1マグネット41と接触する左面がN極となり、第1コアプレート37と対向する右面がS極となる。そして、上述した第1コイル35による磁界が生じると、第1コアプレート37が励磁されて、第1対向プレート43と対向する第1コアプレート37の左面がN極となる。これにより、S極となった第1対向プレート43の右面と、N極となった第1コアプレート37の左面と、が互いに引き合って、第1コアプレート37と第1対向プレート43(第1マグネット41)との間に磁力による吸引力が生じる。
【0046】
上記に加えて、第2コイル36によって生じる磁界が第1コイル35によって生じる磁界の向きと逆となる場合、第2コアプレート38と第2マグネット42との間に、磁力による反発力が生じる。
【0047】
具体的には、例えば、第2マグネット42によって生じる磁界の向きが第1マグネット41によって生じる磁界の向きと同じ場合、第2マグネット42によって励磁された第2対向プレート44の磁極は、軸方向に沿って第1対向プレート43と同じ順に並ぶ。すなわち、第2対向プレート44は、第2コアプレート38と対向する左面がN極となり、第2マグネット42と接触する右面がS極となる。そして、上述した第2コイル36による磁界が生じると、磁界の向きが第1コイル35によって生じる磁界の向きと逆であるため、第2コアプレート38が励磁されて、第2対向プレート44と対向する第2コアプレート38の右面がN極となる。これにより、N極となった第2対向プレート44の左面と、N極となった第2コアプレート38の右面と、が互いに反発して、第2コアプレート38と第2対向プレート44(第2マグネット42)との間に磁力による反発力が生じる。
【0048】
これにより、図2に示すように、可動部40は、第1ソレノイド31から磁力による吸引力を受け、かつ、第2ソレノイド32から磁力による反発力を受けることで、軸方向右側に移動する。可動部40の移動に伴って、第1出力部50も軸方向右側に移動する。可動部40および第1出力部50は、第1対向プレート43の右面と第1コアプレート37の左面とが接触するまで、軸方向右側に移動する。
【0049】
ここで、本実施形態によれば、第1コイル35と第2コイル36とは、電気的に接続され、かつ、互いに巻線方向が異なる。そのため、上述したように、いずれか一方のソレノイドに電流を供給することのみによって、各コイルに電流を流すことができ、かつ、各コイルによって互いに異なる向きの磁界を生じさせることができる。したがって、いずれか一方のソレノイドに電流を供給することのみによって、上述したように可動部40に磁力による吸引力および反発力を加えることができ、簡便である。
【0050】
第1対向プレート43と第1コアプレート37とが接触した状態においては、第1マグネット41の磁界によって図2に矢印で示すような磁気回路が生じる。図2に示す磁気回路においては、第1マグネット41から軸方向右側に放出された磁束が、第1対向プレート43と、第1コアプレート37と、第1コア33と、右側補助プレート24および右側蓋部22と、筒部21と、中央プレート45と、をこの順で通って、第1マグネット41に戻る。これにより、第1マグネット41によって、第1対向プレート43と第1コアプレート37との間に吸着力が生じる。したがって、第1ソレノイド31および第2ソレノイド32に電流を供給しなくても、可動部40および第1出力部50の軸方向位置を図2に示す状態に保持できる。
【0051】
図2に示す状態から可動部40および第1出力部50を軸方向左側に移動させるためには、可動部40および第1出力部50を軸方向右側に移動させた場合と逆向きに、第1ソレノイド31および第2ソレノイド32に電流を供給する。これにより、第1コイル35によって生じる磁界の向きが、第1マグネット41によって生じる磁界の向きと逆向きになり、かつ、第2コイル36によって生じる磁界の向きが、第2マグネット42によって生じる磁界の向きと同じとなる。したがって、第1コアプレート37と第1対向プレート43(第1マグネット41)との間に磁力による反発力が生じ、第2コアプレート38と第2対向プレート44(第2マグネット42)との間に磁力による吸引力が生じる。
【0052】
その結果、可動部40は、第2ソレノイド32から磁力による吸引力を受け、かつ、第1ソレノイド31から磁力による反発力を受けることで、軸方向左側に移動する。可動部40の移動に伴って、第1出力部50も軸方向左側に移動する。可動部40および第1出力部50は、第2対向プレート44の左面と第2コアプレート38の右面とが接触するまで、軸方向左側に移動する。
【0053】
第2対向プレート44と第2コアプレート38とが接触した状態においては、第2マグネット42の磁界によって図3に矢印で示すような磁気回路が生じる。図3に示す磁気回路においては、第2マグネット42から軸方向右側に放出された磁束が、中央プレート45と、筒部21と、左側補助プレート25および左側蓋部23と、第2コア34と、第2コアプレート38と、第2対向プレート44と、をこの順で通って、第2マグネット42に戻る。これにより、第2マグネット42によって、第2対向プレート44と第2コアプレート38との間に吸着力が生じる。したがって、第1ソレノイド31および第2ソレノイド32に電流を供給しなくても、可動部40および第1出力部50の軸方向位置を図3に示す状態に保持できる。
【0054】
以上のように、可動部40は、第1ソレノイド31および第2ソレノイド32の一方から磁力による吸引力を受け、かつ、第1ソレノイド31および第2ソレノイド32の他方から磁力による反発力を受けることで、軸方向に移動する。
【0055】
本実施形態によれば、第1ソレノイド31と第2ソレノイド32との軸方向の間にマグネットを有する可動部40が配置されるため、上述したように、各ソレノイドによって生じる磁界の向きを逆向きにして可動部40に吸引力と反発力とを加えることが可能である。これにより、可動部40に加えられる駆動力を大きくでき、可動部40の移動速度を大きくすることができる。したがって、可動部40に取り付けられた第1出力部50の移動速度を大きくすることができ、アクチュエータ10の応答性を向上できる。
【0056】
さらに、第1コアプレート37および第2コアプレート38が設けられることで、各コアプレートが励磁された際に、各コアプレートとマグネットとの間を移動する磁束を多くできる。そのため、各コアプレートとマグネットとの間に働く磁力を大きくできる。これにより、可動部40に加えられる駆動力をより大きくすることができ、結果としてアクチュエータ10の応答性をより向上できる。
【0057】
また、上述したように、可動部40がいずれか一方のコアプレートと接触した状態においては、各ソレノイドに電流を供給しなくても、可動部40の軸方向位置を保持できる。そのため、各ソレノイドには、可動部40を移動させる際にのみ、電流を供給すればよい。これにより、アクチュエータ10のエネルギー消費を低減できる。
【0058】
以上により、本実施形態によれば、エネルギー消費を低減しつつ、かつ、応答性を向上できる構造を有するアクチュエータ10が得られる。
【0059】
また、第1マグネット41と第2マグネット42との間に磁性体製の中央プレート45が設けられることで、ハウジング20から可動部40、あるいは可動部40からハウジング20へと移動する磁束が中央プレート45を介して移動しやすい。これにより、第1マグネット41から放出される磁束および第2マグネット42から放出される磁束が、図2および図3に示すような磁気回路を構成しやすい。したがって、可動部40が第1コアプレート37あるいは第2コアプレート38に吸着した際の、可動部40と各コアプレートとの吸着力を大きくすることができる。
【0060】
また、可動部40が移動する際においても、図2および図3に示すような磁気回路が構成されやすく、可動部40に加えられる磁力による吸引力を向上できる。これにより、可動部40の移動速度をより大きくすることができ、アクチュエータ10の応答性をより向上できる。
【0061】
また、中央プレート45の径方向外側の端部が、第1マグネット41および第2マグネット42よりも径方向外側に配置されるため、中央プレート45をよりハウジング20の内側面、すなわち筒部21の内側面に近づけやすい。これにより、ハウジング20と中央プレート45との間を磁束が移動しやすく、図2および図3に示す磁気回路がより構成されやすい。
【0062】
また、第1対向プレート43および第2対向プレート44が設けられることで、第1対向プレート43と第1コアプレート37との間、および第2対向プレート44と第2コアプレート38との間を、多くの磁束が移動することができる。これにより、可動部40と各ソレノイドとの間に働く磁力をより大きくしやすく、アクチュエータ10の応答性をより向上できる。
【0063】
また、第1対向プレート43および第2対向プレート44が設けられることで、図2および図3のように可動部40が各コアプレートに吸着する際であっても、第1マグネット41および第2マグネット42が各コアプレートに直接的に接触することがない。これにより、可動部40が移動して各コアプレートに接触した際の衝撃が第1マグネット41および第2マグネット42に伝わることを低減できる。したがって、第1マグネット41および第2マグネット42が破損することを抑制できる。
【0064】
また、例えば、第1対向プレート43の径方向外側の端部が、第1マグネット41よりも径方向外側に配置されると、第1対向プレート43と筒部21との距離が小さくなる。そのため、第1対向プレート43と筒部21との間を磁束が通りやすくなる。これにより、例えば、図2の場合、第1マグネット41から右側に放出された磁束が、第1対向プレート43から筒部21へと流れ、筒部21から中央プレート45を介して第1マグネット41に戻るような磁気回路が構成されやすくなる。したがって、可動部40と第1コアプレート37と間の吸着力に利用できる第1マグネット41の磁束が低減し、可動部40と第1コアプレート37との間の吸着力が低減する虞がある。
【0065】
これに対して、第1対向プレート43の径方向外側の端部が第1マグネット41の径方向外側の端部と同じ位置に配置されることで、第1対向プレート43を筒部21から離しやすく、第1対向プレート43と筒部21との間に磁束が通ることを抑制できる。これにより、図2に矢印で示す磁気回路に利用できる第1マグネット41の磁束を多くでき、可動部40と第1コアプレート37との間の吸着力が低減することを抑制できる。これは、第2対向プレート44と第2マグネット42との関係においても、同様である。
【0066】
また、図2に示すように、右側補助プレート24が設けられることで、第1コア33と筒部21との間の磁束の経路を右側補助プレート24の分だけ広くできる。すなわち、第1コア33を通る磁束を、右側蓋部22と右側補助プレート24との両方を介して、筒部21へと流すことができる。これにより、第1コア33を通る磁束が、右側蓋部22で飽和して外部に漏れることを抑制できる。したがって、可動部40と第1コアプレート37との吸着に利用できる第1マグネット41の磁束が低減することを抑制でき、可動部40と第1コアプレート37との間の吸着力が低下することを抑制できる。
【0067】
これは、左側補助プレート25についても同様である。左側補助プレート25が設けられることで、第2マグネット42の磁束が左側蓋部23で飽和して外部に漏れることを抑制でき、結果として、図3の状態における可動部40と第2コアプレート38との間の吸着力が低下することを抑制できる。
【0068】
また、例えば、柱状部51および第1出力部50が磁性体製の場合、各マグネットおよび各コイルによって生じる磁束が、第1出力部50を通って、外部へと流れやすい。そのため、図2および図3に示すような磁気回路を構成する磁束が少なくなり、可動部40に加えられる磁力による駆動力および吸着力が低下する。これにより、アクチュエータ10の応答性が低下する虞があった。また、図2および図3の状態における可動部40と各コアプレートとの吸着力が低下する虞があった。
【0069】
これに対して、本実施形態によれば、柱状部51および第1出力部50が非磁性体製であるため、各マグネットおよび各コイルによって生じる磁束が柱状部51および第1出力部50を通って外部に流れることを抑制できる。これにより、図2および図3に示すような磁気回路を構成する磁束が低下することを抑制でき、アクチュエータ10の応答性が低下することを抑制できる。また、図2および図3の状態における可動部40と各コアプレートとの吸着力が低下することを抑制できる。
【0070】
本発明は上述の実施形態に限られず、他の構成を採用することもできる。以下の説明において上記説明と同様の構成については、適宜同一の符号を付す等により説明を省略する場合がある。
【0071】
図4に示すアクチュエータ110のような構成であってもよい。図4に示すように、第1対向プレート143の径方向外側の端部は、第1マグネット41の径方向外側の端部よりも径方向内側に配置される。第2対向プレート144の径方向外側の端部は、第2マグネット42の径方向外側の端部よりも径方向内側に配置される。これにより、第1対向プレート143とハウジング20との間の距離、および第2対向プレート144とハウジング20との間の距離をより大きくできる。したがって、第1対向プレート143とハウジング20との間、および第2対向プレート144とハウジング20との間に磁束が通ることをより抑制できる。その結果、可動部140に加えられる磁力による駆動力および可動部140と各コアプレートとの磁力による吸着力をより大きくできる。
【0072】
また、第1コイル35と第2コイル36とは、電気的に絶縁されていてもよい。この場合、第1ソレノイド31と第2ソレノイド32とにそれぞれ電流を供給して、可動部40および第1出力部50を移動させる。
【0073】
また、この構成においては、第1コイル35によって生じる磁界の向きと、第2コイル36によって生じる磁界の向きと、を同じにすることができる。これにより、可動部40に対して、第1ソレノイド31と第2ソレノイド32との両方から吸引力または反発力を加えることができる。この場合、図1に示すように、可動部40は、第1ソレノイド31と第2ソレノイド32との間の軸方向の中央に、保持される。したがって、この構成によれば、可動部40および第1出力部50の位置を、図1から図3に示す3つの状態に切り換えることができる。これにより、例えば、自動変速機のハイギアとローギアとの切り換えに加えて、ニュートラルな状態を作り出すことができる。
【0074】
また、第1コイル35と第2コイル36とが電気的に絶縁される場合には、第1コイル35の巻線方向と第2コイル36の巻線方向とは、同じであってもよいし、異なってもよい。
【0075】
また、柱状部51と第1出力部50とは、互いに別部材であってもよい。また、柱状部51が設けられなくてもよい。この場合には、中央プレート45、各対向プレート、および各マグネットは、軸方向に隣り合う部材同士が互いに固定される。各部材同士の固定方法は、特に限定されず、例えば、接着剤等を用いて固定できる。また、可動部40は、第1対向プレート43および第2対向プレート44を有していなくてもよい。
【0076】
<第2実施形態>
図5に示すように、本実施形態のアクチュエータ210において、左側蓋部223は、左側蓋部223を軸方向に貫通する出力軸孔223aを有する。第2コア234は、例えば、軸方向両端に開口する円筒状である。第2コア234の左側の開口は、出力軸孔223aと繋がる。
【0077】
第2コアプレート238は、例えば、中央に第2コアプレート238を貫通する孔を有する円板状であり、その中心を中心軸Jが通る。第2対向プレート244は、例えば、中央に第2対向プレート44を軸方向に貫通する孔を有する円板状であり、その中心を中心軸Jが通る。
【0078】
アクチュエータ210は、可動部240に取り付けられる第2出力部252を備える。第2出力部252は、可動部240から軸方向(図5では軸方向左側)に延びるシャフトである。第2出力部252は、非磁性体製である。第2出力部252は、第2コアプレート238の内側、第2コア234の内部234aおよび出力軸孔223aを介して、ハウジング220の外部に突出する。
【0079】
第2出力部252の左端は、例えば、自動変速機におけるハイギアとローギアとの切り換え機構以外の機構に接続される。これにより、第1ソレノイド31および第2ソレノイド232に電流が供給されることで、例えば、第1出力部50によるハイギアとローギアとの切り換えと同時に、第2出力部252によって、他の機構の操作を行うことができる。
【0080】
図5では、第1出力部50と柱状部51と第2出力部252とは、単一の部材である。第2出力部252は、柱状部51の左端に接続される。第2出力部252は、第2コア234によって軸方向に移動可能に支持される。すなわち、第2コア234は、第2出力部252を支持するブッシュとして機能する。これにより、可動部240は、第1出力部50と第2出力部252とを介して、第1コア33と第2コア234とによって、軸方向に移動可能に支持される。なお、第2出力部252は、柱状部51と別部材であってもよい。
【0081】
これにより、可動部240を軸方向両側で支持することができるため、可動部240を安定して支持できる。したがって、可動部240を精度よく軸方向に移動させることができる。また、第1コア33の軸方向の寸法および第2コア234の軸方向の寸法を小さくしても、可動部240を安定して支持できるため、第1コア33および第2コア234を軸方向に小型化しやすい。これにより、アクチュエータ210を軸方向に小型化しやすい。
【0082】
<第3実施形態>
図6に示すように、本実施形態のアクチュエータ310において、筒部321は、筒部321を径方向に貫通する出力軸孔321aを有する。出力軸孔321aは、ハウジング320の内部における第1ソレノイド331と第2ソレノイド332との軸方向の間に開口する。右側蓋部322は、筒部321の右端を閉塞する。
【0083】
第1コア333は、軸方向の可動部340側(図6では左側)に開口する第1凹部333aを有する。第2コア334は、軸方向の可動部340側(図6では右側)に開口する第2凹部334aを有する。第1凹部333aおよび第2凹部334aは、軸方向に延びる。
【0084】
可動部340は、第1支持部352と、第2支持部353と、を有する。第1支持部352および第2支持部353は、軸方向に延びる。第1支持部352および第2支持部353は、例えば、中心軸Jを中心とする円柱状である。第1支持部352の左端は、柱状部51の右端に接続される。第2支持部353の右端は、柱状部51の左端に接続される。図6では、第1支持部352と柱状部51と第2支持部353とは、単一の部材である。
【0085】
第1支持部352は、第1凹部333a内に挿入される。第2支持部353は、第2凹部334a内に挿入される。第1支持部352は、第1凹部333a内を軸方向に移動可能である。第2支持部353は、第2凹部334a内を軸方向に移動可能である。第1支持部352と第2支持部353とを介して、可動部340は、第1コア333と第2コア334とに、軸方向に移動可能に支持される。これにより、可動部340を安定して支持することができる。
【0086】
第1出力部350は、可動部340から径方向に延びるシャフトである。第1出力部350は、中央プレート45に接続される。図6では、第1出力部350と中央プレート45とは、例えば、単一の部材である。第1出力部350は、出力軸孔321aを介して、ハウジング320の外部に突出する。このように、第1出力部350を径方向に突出させることで、アクチュエータ310の軸方向の寸法を小型化することができる。
【0087】
なお、本実施形態においては、第1コア333と第2コア334とのうちの一方のみが、凹部を有してもよい。この場合、可動部340は、第1支持部352と第2支持部353とのうちの一方のみを有する。第1支持部352と第2支持部353とのうちの一方は、第1コア333と第2コア334とのうちの一方の凹部に、挿入される。
【0088】
また、第1支持部352と第2支持部353とは、柱状部51と別部材であってもよい。また、第1出力部350は、中央プレート45と別部材であってもよい。
【0089】
また、本実施形態のアクチュエータ310に、第2実施形態における第1出力部50および第2出力部252を組み合わせて、アクチュエータが3つの出力部を有する構成としてもよい。この場合、アクチュエータによって同時に3つの機構を操作することが可能である。また、本実施形態のアクチュエータ310に、第1実施形態における第1出力部50を組み合わせて、アクチュエータが径方向に突出する出力部と軸方向に突出する出力部との2つの出力部を有する構成としてもよい。
【0090】
上記の各実施形態のアクチュエータが用いられる機器は、特に限定されず、自動変速機以外の機器に用いられてもよい。また、上記の各構成は、相互に矛盾しない範囲内において、適宜組み合わせることができる。
【符号の説明】
【0091】
10,110,210,310…アクチュエータ、20,220,320…ハウジング、31,331…第1ソレノイド、32,232,332…第2ソレノイド、33,333…第1コア、34,234,334…第2コア、35…第1コイル、36…第2コイル、37…第1コアプレート、38,238…第2コアプレート、40,140,240,340…可動部、41…第1マグネット、42…第2マグネット、43,143…第1対向プレート、44,144,244…第2対向プレート、45…中央プレート、50,350…第1出力部、51…柱状部、252…第2出力部、333a…第1凹部(凹部)、334a…第2凹部(凹部)、352…第1支持部(支持部)、353…第2支持部(支持部)、J…中心軸
図1
図2
図3
図4
図5
図6