【課題】センター層シロップのガム生地層への水分移動を抑制するとともに、高温多湿な極限地域でガムを長期間保存してもガム生地層の物性変化がなくてセンター層シロップのリークがない信頼性の高いセンターフィリングチューイングガム組成物を提供する。
【解決手段】本発明はシロップのリークがないセンターフィリングチューイングガム組成物に関するもので、センター層のシロップの水分が経時的にガム生地層に移動することを抑制することで、所望の食感及び味を変化させることなくガムのスパウト性をそのまま維持することによって消費者の嗜好に合い、長期保存性も優れたセンターフィリングチューイングガム組成物に関するものである。
前記ガムベースは、粘度が1,000,000〜5,000,000cpであることを特徴とする、請求項1に記載のシロップのリークがないセンターフィリングチューイングガム組成物。
前記ガム生地層は、保湿剤と、乳化剤と、香料と、酸味料と、からなる添加剤の群の中から選択された1種以上の前記添加剤をさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載のシロップのリークがないセンターフィリングチューイングガム組成物。
【背景技術】
【0002】
センターフィリングチューイングガムは、ガム生地層とガム生地層で被覆されたセンター層とからなったガムを意味する。一般に、センター層にシロップ、粉末、顆粒、フォンダンなどが注入されたガムが知られている。
【0003】
そのうち、シロップが充填されたセンターフィリングチューイングガムの問題点は次の通りである。
【0004】
第一に、ガム生地層に入っているシロップが一定時間の経過によって外気温度、湿度などの外部条件の変化によってガム生地層の外にリーク(leak)して商品性が落ちる問題が生じる。
【0005】
第二に、センター層のシロップがガム生地に移行しながらシロップの水分減少を引き起こすため、噛んだとき食感が変化して所望の食感が得られない問題がある。また、シロップ部分の香味成分や呈味成分などが水分と一緒にガム生地に移行し、結局香味と味が変化して所望の味の製品を得ることができない。
【0006】
このような問題点を解決する方法として、シロップの組成を改善する方法が提案されている(米国特許第3,894,154号、同第4、156、740号)。これらはシロップ粘度の増加を遅延させる方法である。
【0007】
一方、大韓民国特許第10−1494930号、同第10−084818号は、シロップに高含量グリセリンを用いる方法を提案している。しかし、このような方法によってはこれらの問題点を根本的に解決することができないと考えられる。
【0008】
したがって、高温多湿な極限地域でもセンター層のシロップのリークがなくて信頼性が高く、時間が経っても食感及び香味が変化することなく所望の食感、つまり口内で爽快にシロップが噴出する感覚(スパウト性)をそのまま提供することができるセンターフィリングチューイングガム又はシロップインチューイングガムを提供する必要がある。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明を一実施例に基づいて詳細に説明する。
本発明は、ガム生地層とガム生地層で被覆されたセンター層とからなったセンターフィリングチューイングガム組成物である。前記ガム生地層は、高温多湿な極限地域でガムを長期間保存してもガム生地層の物性変化がなくてセンター層シロップのリーク発生を抑制する役目をする。
【0017】
具体的に、このようなガム生地層は、ガムベース20〜40重量%、水飴5〜20重量%、及び砂糖40〜60重量%を含む。また前記センター層は、砂糖5〜10重量%、水飴10〜30重量%、果糖又は転化糖又はこれらの混合物55〜65重量%、及び残量の精製水を含む。
【0018】
前記ガム生地層のガムベースは、天然ガム5〜15重量%、ポリイソブチレン(polyisobutylene)5〜20重量%、ポリビニルアセテート(polyvinylacetate)30〜50重量%、及びエステルガム3〜10重量%を主成分として含み、マイクロクリスタリンワックス5〜15重量%、可塑剤5〜15重量%、及び増量剤10〜20重量%を含む。
【0019】
まず、ガム生地層の組成物として、ガムベース内の天然ガムは口腔温度で適当な組織感を維持する役目をするもので、チクル、ジェルトン、ソルビンハからなる群から選択された1種以上を含むものを使うことができ、より好ましくはチクル、ジェルトンを使うことが良い。
【0020】
前記天然ガムは、ガムベースの総重量に対して5〜15重量%を使うことが好ましく、より好ましくは5〜10重量%である。天然ガムが5重量%未満の場合、柔らかい組織感を与えるのに限界があり、15重量%を超える場合、ガムが歯牙に付着するため、前記範囲内で使用する。
【0021】
前記ポリイソブチレン(polyisobutylene、PIB)はガム組織の粘性と弾力性を与える役目をするもので、ガムベースの総重量に対して5〜20重量%を含むことが好ましく、より好ましくは5〜12重量%である。ポリイソブチレンが5重量%未満の場合、粘性の組織感を与えるのに限界があり、20重量%を超える場合、粘性がとても強くて弾力が強いから噛むのに適当ではない、という問題があるため、前記範囲内で使用することが良い。
【0022】
前記ポリビニルアセテート(polyvinylacetate)はガムに弾力性と硬さを与える役目をするもので、ガムベースの総重量に対して30〜50重量%を含むことが好ましく、より好ましくは30〜40重量%である。ポリビニルアセテートが30重量%未満の場合、ガム組織が柔らかくなり、熱と湿気などの外部環境に弱くなり、センターシロップのリークが発生する虞がある、という問題があり、50重量%を超える場合、ガムの感触が柔らかくない、という問題があるため、前記範囲内で使うことが良い。
【0023】
また、前記エステルガムはガム組織の柔軟性を提供し、バブルガムの被膜形成の役目をするもので、ガムベースの総重量に対して3〜10重量%を使うことが好ましく、より好ましくは3〜5重量%である。エステルガムが3重量%未満の場合、ガムの感触が柔軟ではない、という問題があり、10重量%を超える場合、ガム組織が柔らかくなる問題があるため、前記範囲内で使うことが良い。
【0024】
マイクロクリスタリンワックスは天然樹脂の物性を変化させ、混合性を向上させる役目をし、ガムベースの総重量に対して5〜15重量%を使うことが好ましい。マイクロクリスタリンワックスが5重量%未満の場合、柔軟な感触を維持するのに限界があり、15重量%を超える場合、弾性重合体及び樹脂との混合性を向上させるのに限界があるため、前記範囲内で使用する。
【0025】
また、前記可塑剤はガムベースの柔軟性を与える軟化剤の役目をするもので、ガムベースの総重量に対して5〜15重量%を含むことが好ましい。可塑剤が5重量%未満の場合、ガム生地の組織感が硬くなるかガム生地のスタンピングの際に継ぎ目が弱くなってシロップのリークが発生する虞があり、15重量%を超える場合、ガム生地の外被部分が外気温度、湿度によって弱くなってシロップのリークが発生する虞があり、前記範囲内で使うことが良い。
【0026】
また、前記増量剤はガム全体のボリューム感を向上させる役目をするもので、タルク及び炭酸カルシウムからなる群から選択された1種以上を使うことができ、ガムベースの総重量に対して10〜20重量%を使うことが好ましい。増量剤が10重量%未満の場合、ガムのボリューム感を向上させるのに問題があり、20重量%を超える場合、ガムの弾力性が低下する問題があるため、前記範囲内で使うことが良い。
【0027】
より好ましく、本発明に係わるガムベースは弾性重合体(a)と樹脂(b)に分けられることができ、前記弾性重合体(a)には天然ガム及びポリイソブチレンが含まれ、前記樹脂(b)にはポリビニルアセテート(polyvinylacetate)及びエステルガムが含まれる。
【0028】
このような弾性重合体と樹脂は1:2〜1:4の重量割合で混合して使うことが好ましく、より好ましくは1:3の重量割合である。混合の重量割合が1:2未満の場合、ガム組織が弱くなる問題があり、1:4を超える場合は、ガムがとても硬くて柔軟性に欠け、センターシロップがリークする虞がある、という問題点があるため、前記範囲内で混合することが好ましい。
【0029】
また、前記範囲内で混合されたガムベースは、常温(25℃)で1,000,000〜5,000,000cp(Brookfield Viscometer、110℃、0.5RPM)の粘度を有することを特徴とする。粘度が5,000,000cpを超える場合、ガムの組織感が固くなる問題があり、1,000,000cp未満の場合、ガムの組織が弱くなる問題があるため、前記範囲内の粘度を有するものを使うことが良い。
【0030】
また、前記ガムベースはガム生地層の総重量に対して20〜40重量%を含むことが好ましく、より好ましくは20〜30重量%である。ガムベースが20重量%未満の場合、ガム生地層の組織の強度が弱くなってセンター層のシロップのリークが発生する虞があり、40重量%を超える場合、感触及び製造工程上の問題が発生し、ガム生地層の継ぎ目が弱くなってシロップのリークが発生する虞があるため、前記範囲内で使うことが良い。
【0031】
また、砂糖は40〜60重量%を含むことが好ましく、より好ましくは45〜55重量%である。砂糖が40重量%未満の場合、代替可能な糖類がなく、60重量%を超える場合、柔軟性を与えることができる水飴の使用に限界があるため、前記範囲内で含むことが好ましい。また、本発明においては、水飴の含量は非常に重要であるが、これは、ガムの成形時、ロープの形成とガム組織全体に適当な緻密感及び柔軟性を与えるからである。
【0032】
具体的に、本発明のガム生地層に使われる水飴は糖度が80〜90brixであるものを使うことが好ましく、より好ましくは88brixである。水飴の糖度が80brix未満の場合、ガムに水分が多くなって組織感が弱くなる問題があり、90brixを超える場合、ガムにしなやかでしっかりした組織感を与えるのに限界があるため、前記範囲内で使うことが良い。
【0033】
また、このような水飴はガム生地層の総重量に対して5〜20重量%を使うことが好ましく、より好ましくは5〜15重量%である。水飴が5重量%未満の場合、ロープの形成が難しくて粘性が弱くなってシロップのリークが発生する虞がある、という問題点があり、20重量%を超える場合、ガム生地のロープが弱くなってシロップの充填が難しく、成形の形態が一定でなくてシロップのリークが発生するか、ガムの規格が一定ではないため、包装時にトラブルが発生して完成品の製造率が落ちるという問題点があるため、前記範囲内で使うことが良い。
【0034】
また、このようなガム生地層は、保湿剤、乳化剤、香料及び酸味料からなる群から選択された1種以上の添加剤を含むことができる。
【0035】
前記保湿剤として、代表的に糖アルコールであるソルビトール液を使うことができる。ソルビトール液はガム生地層の総重量に対して0.3〜1重量%を含むことが好ましい。ソルビトール液が0.3重量%未満の場合、ガムの柔軟性が弱くなる問題があり、1重量%を超える場合、組織感が弱くなる問題があるため、前記範囲内で使うことが良い。
【0036】
次に、本発明のセンター層は、センター層シロップの水分が時間経過につれてガム生地層に移動することを抑制することにより、シロップが持続的に維持され、所望の食感、つまり口内で爽快に噴出する感覚(スパウト性)をそのまま具現することができるようにする。
【0037】
具体的に、前記センター層は、砂糖5〜10重量%、水飴10〜30重量%、果糖又は転化糖又はこれらの混合物55〜65重量%、及び残量の精製水を含む。
【0038】
前記砂糖は5〜10重量%を使うことが好ましい。砂糖が5重量%未満の場合、シロップの口内での甘味とシロップの流動性を向上させるのに限界があり、10重量%を超える場合、流動性があまりにも高くなってシロップのリークを予防することが困難になるため、前記範囲内で使うことが良い。
【0039】
次に、センター層の水飴は80〜90brixの糖度を有するものを使うことが好ましく、より好ましくは82brixである。水飴の糖度が80brix未満の場合、シロップの水分が多くなる問題があり、90brixを超える場合、シロップの爽やかさが弱くなる問題があるため、前記範囲内で使うことが良い。
【0040】
また、このような水飴はセンターシロップの総重量に対して10〜30重量%を使うことが好ましく、より好ましくは18〜28重量%である。水飴が10重量%未満の場合、シロップの保形性の形成に限界があり、30重量%を超える場合、流動性の維持に限界があるため、前記範囲内で使うことが良い。
【0041】
本発明においては、70〜80brixの糖度を有する果糖又は転化糖又はこれらの混合物を使う。これはセンター層のシロップが、ガム生地への移行抑制及び持続的に液状が維持された物性を持たせるのに重要な役目をする。
【0042】
このような糖類として、果糖又は転化糖又はこれらの混合物はセンター層の総重量に対して55〜65重量%を使うことが好ましい。55重量%未満の場合、シロップの水分がガムに移行して長時間液体状態を維持しにくいため、所望の食感を得ることができなく、65重量%を超える場合、シロップの流動性があまりにも高くて、外部条件によっては容易にシロップのリーク(leak)が発生するため、前記範囲内で使用することが良い。
【0043】
また、前記果糖又は転化糖又はこれらの混合物は70〜80brixの糖度を有するものを使うことが好ましく、より好ましくは75brixの糖度を有するものを使う。糖度が70brix未満の場合、保形性が弱くなり、シロップのリークが容易に発生する、という欠点があり、80brixを超える場合、持続的な液状維持に限界があるため、前記範囲内で使うことが良い。このようなセンター層の前記組成物以外に残量の精製水を含む。
【0044】
したがって、本発明によるセンターフィリングチューイングガム組成物は、センター層のシロップの水分が時間経過につれてガム生地層に移動することが抑制されるので、所望の食感及び味の変化なしでガムのスパウト性をそのまま維持することができ、高温多湿な極限地域でガムを長期間保存してもガム生地層の物性変化がなくセンター層シロップのリークがないので、究極に信頼性が向上したセンターフィリングチューイングガムを提供することができる。
【0045】
また、本発明によるガム組成物は、原料計量、投入、ミキシング、取出、成形、スタンピング、冷却、熟成、包装の工程によって作られ、当該分野で適用可能な工程は制限されない。
【0046】
以下、本発明を実施例に基づいてより詳細に説明する。しかし、これらの実施例は本発明を例示するためのもので、本発明の範囲がこれらに限定されるものではない。
【0047】
実施例及び比較例:ガムベース含量によるリーク及び移行有無評価のためのセンターフィリングガム組成物
【0048】
下記の表1に示したガムベース組成物を使い、表2のガム生地層成分から成るガム生地層成分と、表3に示したセンター層成分とから成る実施例1及び比較例1〜4のセンターフィリングチューイングガムを製造した。この製造に於いては、センターフィリングチューイングガムは、ガムのミキシング、取出、射出、ロープ形成、シロップ充填、モールディング、冷却、タンブリング、熟成、及び包装の各工程を経て製造される。
【0052】
実験例:センターフィリングチューイングガムの信頼性評価
【0053】
実験例:センター層シロップのリークテスト
【0054】
前記実施例1及び比較例1〜4の組成物から製造されたセンターフィリングチューイングガム1,000個を恒温恒湿器(機械名:ISUZU CAP TPAV−48、製造社:日本ISUZU SEISAKUSHO CO., LTD、輸入国:大韓民国)に入れ、温度40℃、湿度75%の条件に設定し、1ヶ月間保管した後、センター層シロップがリークするか、継ぎ目などの亀裂が発生して商品性が落ちたものを選別し、その個数を算定して下記の表4に示した。
【0055】
実験例:センター層シロップの水分の移行有無
【0056】
前記実施例1及び比較例1〜4の組成物から製造されたセンターフィリングチューイングガムを常温で保管した後、3ヶ月に一度ずつセンター層シロップの糖度を糖度測定機(機械名:MASTER−3T、製造社:日本ATAGOCO., LTD、輸入国:大韓民国)を用いて時間の経過によるセンター層シロップの糖度変化を測定して下記の表4に示した。
【0058】
前記表4の結果を検討すると、本発明によるガムベースを含む実施例1の場合はリークが少ないが、比較例1は重合度が低いポリブテンの影響によってシロップのリークが相対的に多かった。また、比較例2はガム組織の堅さを維持することができるポリビニルアセテートを使わない場合、ガム生地層の組織が弱くなってシロップのリークが多く発生した。比較例3及び4の場合、本発明による重量比で弾性重合体と樹脂を混合しなかったため発生したシロップのリークを確認することができた。
【0060】
実施例1及び比較例1〜4の組成物から製造されたセンターフィリングチューイングガムに対し、20人のパネル要員によって20分間の咀嚼時間を経た後、口腔内清涼感、香味、選好度に対して官能検査を行った。
【0061】
官能検査は、パネルの評価を、非常に良い5、良い4、普通3、悪い2、非常に悪い1に数値化してその平均値を計算した。
【0063】
前記表5の結果を調べると、本発明によるガムベースを含む実施例1はガムの信頼性が高くて口腔内清涼感、香味、選好度の全てに優れたが、比較例はポリイソブチレンとポリビニルアセテートの使用量の不均衡によって経時につれて感触が柔らかくなるか硬くて選好度が低くなる結果を現した。
【0064】
実施例及び比較例:ガム生地層組成物含量によるリーク及び移行有無の評価のためのセンターフィリングガム組成物
【0065】
下記の表6に示したガム生地層成分と表7のセンター層成分から実施例2及び比較例5〜7のセンターフィリングチューイングガムを製造した。
【0068】
実験例:センター層シロップのリークテスト及びセンター層シロップの水分の移行有無
【0069】
表4の測定と同じ条件で測定した。測定結果を下記の表8に示す。
【0071】
前記表8の結果を検討すると、本発明によるガムベースと水飴を所定量含む実施例2の場合はガム生地の組織感が適切であってシロップのリークを最小にすることができる結果を示したが、比較例5〜7の場合はガムベースと水飴の含量が低いかあまりにも高く、ガムの組織感及び柔軟性が低下してシロップのリークが多く発生する結果をが示されていることを確認することができた。
【0073】
表5の測定と同じ条件で測定した。測定結果を下記の表9に示す。
【0075】
前記表9の結果を検討すると、本発明によるガムベースと水飴を含む実施例2はガムの信頼性が高くて口腔内清涼感、香味、選好度の全てに優れたが、比較例5〜7の場合はガムベース及び水飴の使用量が適切でなくて組織感及び柔軟性の低下によって時間の経過後に一部のガムでリークが発生するかガム生地層があまりにも柔らかかったため、選好度が低い結果を示した。
【0076】
実施例及び比較例:センター層の水飴含量によるリーク及び移行有無評価のためのセンターフィリングチューイングガム組成物
【0077】
下記の表10に示したセンター層成分と表11のガム生地層成分から実施例3〜5及び比較例8〜10のセンターフィリングチューイングガムを製造した。
【0080】
実験例:センター層シロップのリークテスト及びセンター層シロップの水分の移行有無
【0081】
表4の測定と同じ条件で測定した。測定結果を下記の表12に示す。
【0083】
前記表12の結果を検討すると、本発明による水飴を含む実施例3〜5は選好度の高い結果を示したが、比較例8〜10の場合は水飴のとても低いブリックス及びとても高いブリックスによって所望の食感を得ることができない結果を示した。言い換えれば、水飴の糖度はガムの食感に影響を及ぼす主要因子であることが分かった。
【0085】
前記実験例と同様な方法で測定して下記の表13に示した。
【0087】
前記表13の結果を検討すると、本発明による水飴を含む実施例3〜5はガムの信頼性が高くて口腔内清涼感、香味、選好度の全てに優れたが、比較例8〜10は水飴の大変低いブリックス又は高いブリックスの影響によって低い選好度を示した。
【0088】
実施例及び比較例:センター層の果糖又は転化糖の含量によるリーク及び移行有無評価のためのセンターフィリングガム組成物
【0089】
下記の表14に示したセンター層成分と表15のガム生地層成分から実施例6〜8及び比較例11〜14のセンターフィリングチューイングガムを製造した。
【0092】
実験例:センター層シロップのリークテスト及びセンター層シロップの水分の移行有無
【0093】
表4と同じ条件で測定した。測定結果を下記の表16に示す。
【0095】
前記表16の結果を検討すると、本発明による果糖又は転化糖を含む実施例6〜8は果糖及び転化糖の適切な量及びブリックス(Brix)によってシロップのリークが少ないが、比較例11〜14は果糖及び転化糖の使用量やブリックス(Brix)の値の影響を受けてシロップのリークが多く発生する欠点があった。
【0097】
表5と同じ条件で測定した。測定結果を下記の表17に示す。
【0099】
前記表17の結果を検討すると、本発明による果糖又は転化糖を含む実施例6〜8はガムの信頼性が高くて口腔内清涼感、香味、選好度の全てに優れたが、比較例11〜14の場合はガム組織への水分移行が少し発生して感触の選好度が低くなった。
【0100】
したがって、本発明によるセンターフィリングチューイングガム組成物は、ガム生地層に弾性重合体、樹脂、水飴を所定量混合し、センター層に水飴、砂糖、果糖、転化糖などの糖類を所定量混合することにより、センター層シロップのガム生地層への水分移動の抑制はもちろんのこと、高温多湿な極限地域でガムを長期間保存してもガム生地層の物性変化がなくてセンター層シロップのリークがない信頼性が向上したガムを提供することができる。
【0101】
なお、
図1(a)は、本発明の一例のセンターフィリングチューイングガム10の外観が示されており、同図(b)はそのA−A線截断断面図であり、同図(c)はB−B線截断断面図である。このセンターフィリングチューイングガム10のセンター層11はガム生地層12に接触し、ガム生地層12によって被覆されている。