特開2017-6063(P2017-6063A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特開2017006063-食物繊維含有の麺及びその製造方法 図000003
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-6063(P2017-6063A)
(43)【公開日】2017年1月12日
(54)【発明の名称】食物繊維含有の麺及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   A23L 7/109 20160101AFI20161216BHJP
【FI】
   A23L1/16 A
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2015-125885(P2015-125885)
(22)【出願日】2015年6月23日
(11)【特許番号】特許第5970112号(P5970112)
(45)【特許公報発行日】2016年8月17日
(71)【出願人】
【識別番号】515172119
【氏名又は名称】平野 讓
(74)【代理人】
【識別番号】100084375
【弁理士】
【氏名又は名称】板谷 康夫
(74)【代理人】
【識別番号】100121692
【弁理士】
【氏名又は名称】田口 勝美
(74)【代理人】
【識別番号】100125221
【弁理士】
【氏名又は名称】水田 愼一
(74)【代理人】
【識別番号】100142077
【弁理士】
【氏名又は名称】板谷 真之
(72)【発明者】
【氏名】平野 讓
【テーマコード(参考)】
4B046
【Fターム(参考)】
4B046LA02
4B046LA05
4B046LB01
4B046LB04
4B046LC07
4B046LG01
4B046LG15
4B046LG51
4B046LG53
4B046LP03
4B046LP12
4B046LP15
(57)【要約】      (修正有)
【課題】食物繊維含有の麺において、血糖値上昇抑制、整腸作用、脂質代謝の改善などの生理効果を得ることができ、また、美味しく、色目・食感・風味のよい麺の提供。
【解決手段】小麦粉と、食物繊維としての難消化性デキストリンと、フルボ酸ミネラル調味液とを含有し、難消化性デキストリンは、水溶性で低粘性の食物繊維であり、血糖値上昇抑制、整腸作用、脂質代謝の改善などの生理効果が得られ、フルボ酸ミネラル調味液は、食酢、フルボ酸、カルシウム、ミネラル塩、トレハロースを成分とし、フルボ酸ミネラル調味液を含有することにより、難消化性デキストリンと増粘多糖類とを融合した加工澱粉を使用しなくても、難消化性デキストリンの溶解が抑えられ、しかも、難消化性デキストリンと増粘多糖類とを融合した加工澱粉を使用しなくて済むので、美味しさ、色目・食感・風味などの品質が保たれる食物繊維含有の麺。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
小麦粉と、食物繊維としての難消化性デキストリンと、フルボ酸ミネラル調味液と、を含有したことを特徴とする食物繊維含有の麺。
【請求項2】
小麦粉100に対して、難消化性デキストリンを小麦粉の1〜10重量%、フルボ酸ミネラル調味液を小麦粉の0.3〜1重量%、添加し、前記フルボ酸ミネラル調味液は、少なくとも、食酢、フルボ酸、ミネラル塩を含むことを特徴とする請求項1に記載の食物繊維含有の麺。
【請求項3】
小麦粉と、食物繊維としての難消化性デキストリンと、フルボ酸ミネラル調味液と、をミキシングして麺生地を生成するミキシングステップと、
前記ミキシングステップで生成した麺生地を複合し帯状の麺帯にして熟成する複合ステップと、
前記複合ステップで熟成した麺帯を圧延して薄く延ばす圧延ステップと、
前記圧延ステップで薄く延ばした麺帯を切り出して細長い麺を生成する切り出しステップと、
から成ることを特徴とする食物繊維含有の麺の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、血糖値上昇抑制、整腸作用、脂質代謝の改善などの生理効果を得ることができる機能性食品としての食物繊維含有の麺及びその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、麺類において、血糖値上昇抑制、整腸作用、脂質代謝の改善などの生理効果を付与するために、水溶性の食物繊維である難消化性デキストリンを小麦粉に添加した食物繊維機能性食品としての麺類が知られている(例えば特許文献1参照)。食物繊維は、不溶性と水溶性があるが、ゆで麺に添加するには水溶性が適し、中でも低粘性物の難消化性デキストリンが適していると確認されている。難消化性デキストリンは、小麦粉に添加し練りこむ場合は、小麦粉の澱粉と融合され溶解度が低くなり、含有量の放出はほぼ0に近く維持できる。ただし、練りこんだ麺の生地を湯せん温度97℃(茹で時間 9〜15分)で茹でると、難消化性デキストリンは溶解し、難消化性デキストリンの含有量が50%位まで低下する。その為、従来では、先ず、難消化性デキストリンと増粘多糖類とを一定の比率で含有する水溶液を乾燥させて、難消化性デキストリンと増粘多糖類とを融合した加工澱粉の粉末にし、そして、この加工澱粉を小麦粉に添加し練り込むことで、麺の生地を茹でたときの難消化性デキストリンの溶解を防いでいる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−254901号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した従来の麺においては、麺を茹でた後の難消化性デキストリンの含有量を目標含有量に維持するために、難消化性デキストリンと増粘多糖類とを融合した加工澱粉を多く入れることになり、その結果、麺が柔らかくなり、品質が落ちる。また、美味しさ、色目・食感・風味などの品質も落ちる。一方、品質を得るために、難消化性デキストリンと増粘多糖類とを融合した加工澱粉の量を少なくすると、難消化性デキストリンの量も少なくなり、その結果、血糖値上昇抑制、整腸作用、脂質代謝の改善などの生理効果を十分に得ることができず、食物繊維機能性食品としての特長が生かされない。
【0005】
本発明は、上記課題を解決するものであり、血糖値上昇抑制、整腸作用、脂質代謝の改善などの生理効果を得ることができ、また、美味しく、色目・食感・風味のよい機能性食品としての食物繊維含有の麺及びその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために本発明の食物繊維含有の麺は、小麦粉と、食物繊維としての難消化性デキストリンと、フルボ酸ミネラル調味液と、を含有したものである。
【0007】
本発明の食物繊維含有の麺において、小麦粉100に対して、難消化性デキストリンを小麦粉の1〜10重量%、フルボ酸ミネラル調味液を小麦粉の0.3〜1重量%、添加し、フルボ酸ミネラル調味液は、少なくとも、食酢、フルボ酸、ミネラル塩を含むことが好ましい。
【0008】
また、本発明の食物繊維含有の麺の製造方法は、小麦粉と、食物繊維としての難消化性デキストリンと、フルボ酸ミネラル調味液と、をミキシングして麺生地を生成するミキシングステップと、ミキシングステップで生成した麺生地を複合し帯状の麺帯にして熟成する複合ステップと、複合ステップで熟成した麺帯を圧延して薄く延ばす圧延ステップと、圧延ステップで薄く延ばした麺帯を切り出して細長い麺を生成する切り出しステップと、から成るものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、フルボ酸ミネラル調味液を含有していることにより、難消化性デキストリンの溶解度が低くなり、難消化性デキストリンの溶解が抑えられる。これにより、難消化性デキストリンと増粘多糖類とを融合した加工澱粉を使用せずに、難消化性デキストリンを直接に小麦粉に添加するだけで、麺を茹でた後の難消化性デキストリンの含有量を、血糖値上昇抑制、整腸作用、脂質代謝の改善などの生理効果を十分に得るための目標含有量に維持することができる。しかも、難消化性デキストリンと増粘多糖類とを融合した加工澱粉を使用しなくて済むので、美味しさ、色目・食感・風味などの品質を得ることができる。従って、美味しさ、色目・食感・風味などの品質を保ちつつ、血糖値上昇抑制、整腸作用、脂質代謝の改善などの生理効果を十分に得ることができる。また、難消化性デキストリンと増粘多糖類とを融合した加工澱粉を使用せずに、難消化性デキストリンを直接に小麦粉に添加するだけでよいため、作業効率が良く、コストを抑えることができる。また、グルテン形成が良くなり、コシの強い、艶のある麺ができる。また、熱伝導率が良くなり、茹で上がりが早くなる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の一実施形態に係る食物繊維含有の麺の製造方法を示すフローチャート。
図2】本発明の実施例1のうどん(ゆで)の製造方法を示すフローチャート。
図3】本発明の実施例2の中華そば(ゆで)の製造方法を示すフローチャート。
図4】本発明の実施例3のうどん(なま)の製造方法を示すフローチャート。
図5】本発明の実施例4の中華そば(なま)の製造方法を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明を具体化した実施形態による食物繊維含有の麺及びその製造方法について図面を参照して説明する。本発明の食物繊維含有の麺は、小麦粉と、食物繊維としての難消化性デキストリンと、フルボ酸ミネラル調味液とを含有する。難消化性デキストリンは、水溶性で低粘性の食物繊維であり、血糖値上昇抑制、整腸作用、脂質代謝の改善などの生理効果が得られるものである。フルボ酸ミネラル調味液は、食酢、フルボ酸、カルシウム、ミネラル塩、トレハロースを成分とするものであり、少なくとも、食酢、フルボ酸、ミネラル塩を含むものとすればよい。また、本発明の食物繊維含有の麺は、小麦粉100に対して、難消化性デキストリンを小麦粉の1〜10重量%、フルボ酸ミネラル調味液を小麦粉の0.3〜1重量%、添加したものであることが好ましい。また、小麦粉は、準強力粉(たんぱく質の割合が、強力粉より少なく、10〜12%のもの)が好ましい。また、小麦グルテン、食塩、酸味料、カルシウム、酒精もしくはアルコール、かんすい等をさらに添加したものであってもよい。本発明の食物繊維含有の麺は、例えば、うどん(ゆで)、中華そば(ゆで)、うどん(なま)、中華そば(なな)、素麺、冷や麦、日本そば、パスタ等である。
【0012】
図1は、本発明の食物繊維含有の麺の製造方法のフローチャートを示す。本発明の食物繊維含有の麺は、以下のようにして製造する。まず、小麦粉と、食物繊維としての難消化性デキストリンと、フルボ酸ミネラル調味液と、をミキシング(混練)して麺生地を生成するミキシングステップを行う(#1)。このとき、小麦粉100に対して、難消化性デキストリンを小麦粉の1〜10重量%、フルボ酸ミネラル調味液を小麦粉の0.3〜1重量%とするのが好ましい。また、小麦粉は、準強力粉が好ましい。また、小麦グルテン、食塩、酸味料をさらに添加してもよい。また、麺の種類に応じて、カルシウム、酒精もしくはアルコール、かんすい等をさらに添加してもよい。ミキシングは、これらの原材料に水を加えて行われる。ミキシングに加える水の量は、小麦粉100に対して、小麦粉の30〜50重量%が好ましい。
【0013】
続いて、ミキシングステップで生成した麺生地を複合し帯状の麺帯にして熟成する複合ステップを行う(#2)。続いて、複合ステップで熟成した麺帯を圧延して薄く延ばす圧延ステップを行い(#3)、圧延ステップで薄く延ばした麺帯を切り出して細長い麺を生成する切り出しステップを行う(#4)。なお、圧延ステップと切り出しステップの間に、麺帯を熟成するステップがあってもよい。また、切り出しステップの後に、麺を茹でるステップや、茹でた麺を冷却するステップがあってもよい。
【0014】
本発明の食物繊維含有の麺について、難消化性デキストリンの溶出率、色目、食感、風味、美味しさなどの品質を調べた。その結果を表1に示す。表1において、「本発明」の欄は、本発明の麺についてのものであり、「比較例」の欄は、本発明の麺と比較するために作製した比較例の麺についてのものである。
【0015】
【表1】
【0016】
比較例の麺は、原材料を小麦粉(準強力粉)、加工澱粉(A)、加工澱粉(B)(難消化性デキストリンと増粘多糖類とを融合した加工澱粉)、難消化性デキストリン、小麦グルテン、食塩、酸味料とした。小麦粉、加工澱粉(A)、加工澱粉(B)の配合比率は、小麦粉87%、加工澱粉(A)3%、加工澱粉(B)10%とした。難消化性デキストリン、小麦グルテン、食塩、酸味料は、各々、小麦粉と加工澱粉(A)と加工澱粉(B)の総量100に対して、これらの1重量%、1重量%、2重量%、0.15重量%とした。比較例の麺には、フルボ酸ミネラル調味液は添加していない。比較例の麺は、これらの原材料に加水して、上記#1〜#4と同様の工程によって作製した。加水は、小麦粉と加工澱粉(A)と加工澱粉(B)の総量100に対して、これらの38重量%とした。
【0017】
これに対し、本発明の麺は、原材料を小麦粉(準強力粉)、難消化性デキストリン、小麦グルテン、フルボ酸ミネラル調味液、食塩、酸味料とした。難消化性デキストリン、小麦グルテン、フルボ酸ミネラル調味液、食塩、酸味料は、各々、小麦粉100に対して、小麦粉の3重量%、1重量%、0.38重量%、2重量%、0.15重量%とした。本発明の麺には、加工澱粉(A)及び加工澱粉(B)を添加していない。本発明の麺は、これらの原材料に加水して、上記#1〜#4と同様の工程によって作製した。加水は、小麦粉100に対して、小麦粉の38重量%とした。
【0018】
このように作製した比較例の麺と本発明の麺を茹でた結果、比較例の麺では、難消化性デキストリンの溶出率(水溶性の食物繊維の溶出率)が30%であったのに対し、本発明の麺では、難消化性デキストリンの溶出率が1%であった。このように、本発明の麺では、難消化性デキストリンの溶出率が著しく低くなっており、難消化性デキストリンの溶解が著しく抑えられている。これは、比較例の麺は、フルボ酸ミネラル調味液を添加していないのに対し、本発明の麺は、フルボ酸ミネラル調味液を添加しているためであると考えられる。
【0019】
また、比較例の麺では、麺の色目が白くうすい色(色目が良くない)であったのに対し、本発明の麺では、麺の色目が小麦特有の濃い色(色目が良い)であった。また、比較例の麺では、のどごしが普通であったのに対し、本発明の麺では、のどごしが良い(食感が良い)ものであった。また、比較例の麺では、硬さが柔らかい(食感が良くない)ものであったのに対し、本発明の麺では、硬さがしっかりしている(食感が良い)ものであった。また、比較例の麺では、小麦の甘みがない(美味しさ、風味が良くない)ものであったのに対し、本発明の麺では、小麦の甘みがある(美味しさ、風味が良い)ものであった。このように、本発明の麺では、色目、食感、風味、美味しさなどの優れた品質が得られている。これは、比較例の麺は、加工澱粉(B)を添加しているのに対し、本発明の麺は、加工澱粉(B)を添加していないためであると考えられる。
【0020】
また、本発明の麺において、難消化性デキストリンを小麦粉の1〜10重量%、小麦グルテンを小麦粉の1〜3重量%、フルボ酸ミネラル調味液を小麦粉の0.3〜1重量%、食塩を小麦粉の0.5〜3重量%、加水を小麦粉の30〜50%とし、茹で時間を4〜15分とした場合にも、同様の結果が得られた。
【実施例1】
【0021】
本発明の食物繊維含有の麺として、うどん(ゆで)を製造した。
原材料は、
小麦粉(準強力粉)75kg、
難消化性デキストリン750g(小麦粉の1重量%)、
フルボ酸ミネラル調味液285g(小麦粉の0.38重量%)、
小麦グルテン1.5kg(小麦粉の2重量%)、
食塩1.8kg(小麦粉の2.4重量%)、
酸味料110g(小麦粉の0.15重量%)、
とした。
【0022】
図2は、上記うどん(ゆで)の製造方法のフローチャートを示す。上記うどん(ゆで)は、以下のようにして製造する。まず、上記原材料を計量し(#11)、これらの原材料を水28.5kg(小麦粉の38重量%)を加水してミキシング(混練)して、麺生地を生成する(#12、ミキシングステップ)。原材料のミキシングは、高速4分、低速6分とする。続いて、生成した麺生地を複合し帯状の麺帯にして熟成する(#13、複合ステップ)。麺帯の熟成時間は、120分、熟成温度は、常温の25℃〜30℃とする。続いて、熟成した麺帯を圧延して薄く延ばす(#14、圧延ステップ)。麺帯の圧延は、最終麺圧を2.5mmとする。続いて、薄く延ばした麺帯を切り出して細長い麺を生成する(#15、切り出しステップ)。続いて、切り出した麺を茹で釜によって茹で(#16)、茹で終わった麺を冷却して(#17)、水切りする(#18)。麺の茹では、98℃以上で13分とし、麺の冷却は、10℃以下で1分30秒とする。続いて、水切りした麺を包装し(#19)、金属探知器で異物混入検査をし(#20)、計量し(#21)、冷蔵保存する(#22)。
【実施例2】
【0023】
本発明の食物繊維含有の麺として、中華そば(ゆで)を製造した。
原材料は、
小麦粉(準強力粉)75kg、
難消化性デキストリン750g(小麦粉の1重量%)、
小麦グルテン1.5kg(小麦粉の2重量%)、
フルボ酸ミネラル調味液285g(小麦粉の0.38重量%)、
食塩600g(小麦粉の0.8重量%)、
かんすい120g(小麦粉の0.16重量%)、
くちなし色素12g(小麦粉の0.02重量%)、
とした。
【0024】
図3は、上記中華そば(ゆで)の製造方法のフローチャートを示す。上記中華そば(ゆで)は、以下のようにして製造する。まず、上記原材料を計量し(#31)、上記実施例1のうどん(ゆで)の場合と同様に、これらの原材料をミキシングして麺生地を生成し(#32、ミキシングステップ)、麺生地を複合し帯状の麺帯にして熟成し(#33、複合ステップ)、麺帯を圧延して薄く延ばす(#34、圧延ステップ)。但し、麺帯の熟成時間は、60分とし、麺帯の圧延は、最終麺圧を1.2mmとする。続いて、上記実施例1のうどん(ゆで)の場合と同様に、麺帯を切り出して細長い麺を生成し(#35、切り出しステップ)、麺を茹で釜によって茹で(#36)、茹で終わった麺を冷却して(#37)、水切りする(#38)。但し、麺の茹で時間は、4分30秒とする。続いて、上記実施例1のうどん(ゆで)の場合と同様に、水切りした麺を包装し(#39)、金属探知器で異物混入検査をし(#40)、計量し(#41)、冷蔵保存する(#42)。
【実施例3】
【0025】
本発明の食物繊維含有の麺として、うどん(なま)を製造した。
原材料は、
小麦粉(準強力粉)75kg、
難消化性デキストリン750g(小麦粉の1重量%)、
フルボ酸ミネラル調味液285g(小麦粉の0.38重量%)、
小麦グルテン1.5kg(小麦粉の2重量%)、
食塩1.8kg(小麦粉の2.4重量%)、
酸味料110g(小麦粉の0.15重量%)、
酒精500g(小麦粉の0.67重量%)、
とした。
【0026】
図4は、上記うどん(なま)の製造方法のフローチャートを示す。上記うどん(なま)は、以下のようにして製造する。まず、上記原材料を計量し(#51)、上記実施例1のうどん(ゆで)の場合と同様に、これらの原材料をミキシングして麺生地を生成し(#52、ミキシングステップ)、麺生地を複合し帯状の麺帯にして熟成し(#53、複合ステップ)、麺帯を圧延して薄く延ばす(#54、圧延ステップ)。但し、麺帯の熟成時間は、60分とする。続いて、薄く延ばした麺帯を熟成庫で熟成する(#55)。麺帯の熟成時間は、60分、熟成温度は、20℃とする。続いて、熟成した麺帯を切り出して細長い麺を生成する(#56、切り出しステップ)。続いて、上記実施例1のうどん(ゆで)の場合と同様に、麺を包装し(#57)、金属探知器で異物混入検査をし(#58)、計量し(#59)、冷蔵保存する(#60)。
【実施例4】
【0027】
本発明の食物繊維含有の麺として、中華そば(なま)を製造した。
原材料は、
小麦粉(準強力粉)75kg、
難消化性デキストリン750g(小麦粉の1重量%)、
小麦グルテン1.5kg(小麦粉の2重量%)、
フルボ酸ミネラル調味液285g(小麦粉の0.38重量%)、
食塩600g(小麦粉の0.8重量%)、
カルシウム500g(小麦粉の0.67重量%)、
酒精500g(小麦粉の0.67重量%)、
かんすい120g(小麦粉の0.16重量%)、
くちなし色素12g(小麦粉の0.02重量%)、
とした。
【0028】
図5は、上記中華そば(なま)の製造方法のフローチャートを示す。上記中華そば(なま)は、以下のようにして製造する。まず、上記原材料を計量し(#71)、上記実施例1のうどん(ゆで)の場合と同様に、これらの原材料をミキシングして麺生地を生成し(#72、ミキシングステップ)、麺生地を複合し帯状の麺帯にして熟成し(#73、複合ステップ)、麺帯を圧延して薄く延ばす(#74、圧延ステップ)。但し、麺帯の熟成時間は、60分とする。続いて、薄く延ばした麺帯を熟成庫で熟成する(#75)。麺帯の熟成時間は、60分、熟成温度は、20℃とする。続いて、熟成した麺帯を切り出して細長い麺を生成する(#76、切り出しステップ)。続いて、上記実施例1のうどん(ゆで)の場合と同様に、麺を包装し(#77)、金属探知器で異物混入検査をし(#78)、計量し(#79)、冷蔵保存する(#80)。
【0029】
上述の各種実施例に示されるような食物繊維含有の麺及びその製造方法によれば、麺がフルボ酸ミネラル調味液を含有していることにより、難消化性デキストリンの溶解度が低くなり、難消化性デキストリンの溶解が抑えられる。これにより、加工澱粉(B)(難消化性デキストリンと増粘多糖類とを融合した加工澱粉)を使用せずに、難消化性デキストリンを直接に小麦粉に添加するだけで、麺を茹でた後の難消化性デキストリンの含有量を、血糖値上昇抑制、整腸作用、脂質代謝の改善などの生理効果を十分に得るための目標含有量に維持することができる。しかも、加工澱粉(B)を使用しなくて済むので、美味しさ、色目・食感・風味などの品質を得ることができる。従って、美味しさ、色目・食感・風味などの品質を保ちつつ、血糖値上昇抑制、整腸作用、脂質代謝の改善などの生理効果を十分に得ることができる。また、加工澱粉(B)を使用せずに、難消化性デキストリンを直接に小麦粉に添加するだけでよいため、作業効率が良く、コストを抑えることができる。また、グルテン形成が良くなり、コシの強い、艶のある麺ができる。また、熱伝導率が良くなり、茹で上がりが早くなる。
【0030】
なお、本発明は、上記実施形態の構成に限られず、種々の変形が可能である。例えば、小麦粉は、準強力粉に限られず、強力粉や中力粉等であってもよい。また、小麦グルテンは、小麦粉100に対して、小麦粉の1重量%未満の含有量、又は小麦粉の10重量%を超える含有量であってもよい。また、品質に影響を与えない範囲で、加工澱粉(A)や加工澱粉(B)が含有されていてもよい。
図1
図2
図3
図4
図5
【手続補正書】
【提出日】2016年4月28日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
小麦粉と、食物繊維としての難消化性デキストリンと、少なくとも、食酢、フルボ酸、ミネラル塩を含むフルボ酸ミネラル調味液と、を含有したことを特徴とする食物繊維含有の麺。
【請求項2】
小麦粉100に対して、難消化性デキストリンを小麦粉の1〜10重量%、前記フルボ酸ミネラル調味液を小麦粉の0.3〜1重量%、添加したことを特徴とする請求項1に記載の食物繊維含有の麺。
【請求項3】
小麦粉と、食物繊維としての難消化性デキストリンと、少なくとも食酢、フルボ酸、ミネラル塩を含むフルボ酸ミネラル調味液と、をミキシングして麺生地を生成するミキシングステップと、
前記ミキシングステップで生成した麺生地を複合し帯状の麺帯にして熟成する複合ステップと、
前記複合ステップで熟成した麺帯を圧延して薄く延ばす圧延ステップと、
前記圧延ステップで薄く延ばした麺帯を切り出して細長い麺を生成する切り出しステップと、
から成ることを特徴とする食物繊維含有の麺の製造方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
上記目的を達成するために本発明の食物繊維含有の麺は、小麦粉と、食物繊維としての難消化性デキストリンと、少なくとも、食酢、フルボ酸、ミネラル塩を含むフルボ酸ミネラル調味液と、を含有したものである。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0007】
本発明の食物繊維含有の麺において、小麦粉100に対して、難消化性デキストリンを小麦粉の1〜10重量%、前記フルボ酸ミネラル調味液を小麦粉の0.3〜1重量%、添加したものであることが好ましい。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0008】
また、本発明の食物繊維含有の麺の製造方法は、小麦粉と、食物繊維としての難消化性デキストリンと、少なくとも食酢、フルボ酸、ミネラル塩を含むフルボ酸ミネラル調味液と、をミキシングして麺生地を生成するミキシングステップと、ミキシングステップで生成した麺生地を複合し帯状の麺帯にして熟成する複合ステップと、複合ステップで熟成した麺帯を圧延して薄く延ばす圧延ステップと、圧延ステップで薄く延ばした麺帯を切り出して細長い麺を生成する切り出しステップと、から成るものである。