(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-61327(P2017-61327A)
(43)【公開日】2017年3月30日
(54)【発明の名称】衛生手袋パッケージ
(51)【国際特許分類】
B65D 83/08 20060101AFI20170310BHJP
【FI】
B65D83/08 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2015-187244(P2015-187244)
(22)【出願日】2015年9月24日
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り ・平成27年6月24日 http://www.hyakuyoko.com/shop/shopdetail.html?brandcode=000000010348&search=%A5%B5%A5%AF%A5%E9%A5%E1%A5%F3&sort= ・平成27年6月24日 http://www.hokurikumeihin.com/hayashi_syoukai/index.html
(71)【出願人】
【識別番号】308000218
【氏名又は名称】株式会社サクラメン
(74)【代理人】
【識別番号】100089462
【弁理士】
【氏名又は名称】溝上 哲也
(74)【代理人】
【識別番号】100129827
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 進
(72)【発明者】
【氏名】薦田 裕子
(57)【要約】 (修正有)
【課題】従来の衛生手袋用の収納箱において手袋の取出口が一つしかなく選択肢がなかったため、手袋の使用の用途において取り出し口の使い分けができない点を解消する。
【解決手段】複数枚の手袋10を収納する本発明の衛生手袋パッケージ1は、収納箱本体2と、この収納箱本体2の一面の一方端部と他方端部に広開口部2Aと狭開口部2Bとを形成し、一方、複数枚の手袋10を同一方向で積層したうえで指先部を手を挿入する挿入部10bへと折り返して、該折り返し部位の谷部にセパレータを挿入し、指先部が広開口部2Aと狭開口部2Bを形成した一面と対向する面側に位置させると共に、挿入部10bが狭開口部2Bに、折り返し部位の山部が広開口部2Aに各々位置させて収納箱本体2に挿入している。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数枚の手袋を収納する衛生手袋パッケージであって、収納箱本体と、この収納箱本体の一面の一方端部と他方端部に広開口部と狭開口部とを形成し、一方、複数枚の手袋を同一方向で積層したうえで指先部を手を挿入する挿入部へと折り返して、該折り返し部位の谷部にセパレータを挿入し、指先部が広開口部と狭開口部を形成した一面と対向する面側に位置させると共に、挿入部が狭開口部に、前記折り返し部位の山部が広開口部に各々位置させて前記収納箱本体に挿入したことを特徴とする衛生手袋パッケージ。
【請求項2】
広開口部の幅は手袋の親指から小指まで幅寸法と同一とされ、かつ狭開口部の幅は挿入部を閉塞した状態の幅寸法と同一とされていることを特徴とする請求項1記載の衛生手袋パッケージ。
【請求項3】
広開口部と狭開口部の一方又は両方において、開口を形成する四辺のうち三辺はミシン目が形成されて収納箱本体と切離可能に接続され、残りの一辺は収納箱本体に折曲可能に接続されていることを特徴とする請求項1又は2記載の衛生手袋パッケージ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、手袋の取り出し口を用途に応じて使い分けができ、取り出し易く、使い勝手が向上する衛生手袋パッケージに関する。
【背景技術】
【0002】
業務用の主に使い捨てられる樹脂又はゴム製の手袋は、複数枚が積層されてパッケージされているが、これら手袋の用途、すなわち食品、医療、薬品などといった分野で用いられることが多いため、製造からパッケージされるまで、また、収納箱から手袋を取り出して使用するまで、手袋が外部と接触する点で細心の注意が払われる。
【0003】
手袋の製造から収納箱に収納されるまでにおいては、厳密に衛生や塵埃が管理されたいわゆるクリーンルームにて行われるから、この段階での外部接触の問題は生じにくいが、使用者に渡った収納箱を開封して使用が開始された後では、衛生管理する手立てがない。
【0004】
そこで、従来、使う手袋だけを1枚ずつ取り出し、また、取り出しやすく、かつ出来るだけ使用前の手袋が外部と接触することがないように工夫した収納箱が提案されている。例えば、特許文献1には、取り出しを用意とするために、同一の箱に左右同数だけ手袋を収納し、側面に2つの取出口を設けて左右別々に手袋を取り出す構成が示されている。
【0005】
また、特許文献2には、積層した複数の手袋を容器に挿入しやすく、かつ1枚ずつ簡単に取りだすことができるよう、手袋の指部と掌部をそれぞれ同方向に揃えて重ね合わせ、掌部の略下面に指部が位置するように芯板を中心として折り畳んで折畳積層体を構成し、取出口を有する容器内に該折畳積層体を収納する構成が示されている。
【0006】
さらに、特許文献3には、手袋取り出し時や取り出し後も含めて外部から埃等の侵入を防止し、取り出し時の手袋の破損を防止するために、積層した手袋を、上板に手袋を引き出すための開口部が設けられた箱と、箱にヒンジ部を介して回動可能に支持され、上板の上に重なった閉姿勢において開口部を覆う板状の蓋体とを備える構成が示されている。
【0007】
しかしながら、特許文献1〜3に示される手袋用の収納箱は、手袋における一部位から取り出すようにしかなっていなかった。すなわち、特許文献1は、左右で2箇所取出口が存在するものの手袋における手の挿入部から取り出す口しか設けられていない。また、特許文献2は、手袋における甲部から取り出す口しか設けられていない。さらに、特許文献3は、手袋における甲面から取り出す口しか設けられていない。
【0008】
したがって、従来の手袋用の収納箱は、手袋における手の挿入部から取り出すとか、手袋における甲部(甲面)から取り出すといった選択肢がなく、手袋の使用の用途において使い分けができなかった。また、従来の手袋用の収納箱は前記のとおり取り出し口のが一つしかなく、選択肢がないため、製造メーカーでは用途に応じた(取り出し口を設けた)収納箱を用意する必要があり、手間であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】実開昭61−77381号公報
【特許文献2】実用新案登録第3098815号公報
【特許文献3】特開2011−162257号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
解決しようとする問題は、従来の手袋用の収納箱では、手袋の取り出し部位に応じた取出口の選択肢がなく、用途において使い分けができないという点である。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記問題を解決するために、本発明は、複数枚の手袋を収納する衛生手袋パッケージであって、収納箱本体と、この収納箱本体の一面の一方端部と他方端部に広開口部と狭開口部とを形成し、一方、複数枚の手袋を同一方向で積層したうえで指先部を手を挿入する挿入部へと折り返して、該折り返し部位の谷部にセパレータを挿入し、指先部が広開口部と狭開口部を形成した一面と対向する面側に位置させると共に、挿入部が狭開口部に、前記折り返し部位の山部が広開口部に各々位置させて前記収納箱本体に挿入したことを主要な特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明の衛生手袋パッケージは、手袋の取り出し部位に応じた広開口部と狭開口部とを設けているので、手袋の使用の用途において使い分けができると共に製造メーカー側における収納箱本体のコストメリットが生じ、さらに、複数を積層した手袋の折り返し部位における谷部にセパレータを挿入しているので、該手袋が収納箱本体内で位置や収納姿が崩れることが防止され、取り出し易いという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の衛生手袋パッケージの外観を示す斜視図である。
【
図2】本発明の衛生手袋パッケージにおける複数の手袋の収納状態を示し、(a)は分解斜視図、(b)は側面図、である。
【
図3】本発明の衛生手袋パッケージにおける広開口部と狭開口部の幅寸法を説明するための図である。
【
図4】本発明の衛生手袋パッケージの使用状況を示し、(a)は広開口部から取り出した状況、(b)は狭開口部から取り出した状況、の斜視図である。
【
図5】本発明の衛生手袋パッケージの他の実施例構成を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明は、手袋の取り出し部位に応じた取出口の選択肢がなく、用途において使い分けができなかった点を、収納箱本体の一面の一方端部と他方端部に広開口部と狭開口部とを形成し、一方、複数枚の手袋を同一方向で積層したうえで指先部を手を挿入する挿入部へと折り返し、該折り返し部位の谷部にセパレータを挿入し、指先部が広開口部と狭開口部を形成した一面と対向する面側に位置させると共に、挿入部が狭開口部に、折り返し部位の山部が広開口部に各々位置させて収納箱本体に挿入することで解決した。
【0015】
また、本発明は、上記構成において、広開口部の幅は手袋の親指から小指まで幅寸法と同一とされ、かつ狭開口部の幅は挿入部を閉塞した状態の幅寸法と同一とされることで、手袋寸法(大きさ)に応じた、手袋の取り出しに適した広開口部と狭開口部を構成することができ、取り出しがさらに容易となる。
【0016】
さらに、本発明は、上記構成において、広開口部と狭開口部の一方又は両方において、開口を形成する四辺のうち三辺はミシン目が形成されて収納箱本体と切離可能に接続され、残りの一辺は収納箱本体に折曲可能に接続される構成とすることで、広開口部と狭開口部のうち用途上、使用しない側を閉じたままとすることができ、また、両者を開いても使用しない側(使用する側も)手袋の取り出し後に閉じておくことができるので、衛生的である。
【実施例】
【0017】
以下、
図1〜
図5を参照して本発明の衛生手袋パッケージの実施例について説明する。衛生手袋パッケージ1(以下、パッケージ1と記す)は、衛生上、使用後に使い捨てされる用途の複数枚の手袋10を収納箱本体2に収納したものである。なお、図示する手袋10については理解を容易にするためにハッチングを付している。
【0018】
手袋10は、複数枚の手袋を同一方向で積層したうえで指先部10aを手を挿入する挿入部10bへと折り返して、該折り返し部位の谷部に、複数の手袋10の折り曲げと収納箱本体2内における位置決めと折り返し部との分離を容易とするセパレータSを挿入して後述するように収納箱本体2へ挿入される。なお、この状態の手袋10を以下、積層手袋10’とする。
【0019】
収納箱本体2は、例えば本例では直方体状とされ、手袋10が該収納箱本体2から全て取り出された後には、容易に廃棄できるように紙製とされている。また、収納箱本体2は、六面のうちの一面において、一方端部と他方端部に広開口部2Aと狭開口部2Bとが形成されている。なお、収納箱本体2は、立方体状としてもよく、また、直方体状又は立方体状の場合は角を曲面とした形状などでもよく、特に限定しない。
【0020】
広開口部2Aと狭開口部2Bの手袋10を取り出すための開口は、本例の場合、収納箱本体2の面おいて開口を形成する四辺のうち三辺にミシン目Mが形成されてこの三辺については該収納箱本体2と切離可能に接続とされ、残りの一辺は収納箱本体に折曲可能に接続されたそれぞれの蓋部2a,2bを開けることで形成される。
【0021】
この広開口部2Aと狭開口部2Bは、本例の場合、
図3に示すように、広開口部2Aの幅Aは手袋10の親指から小指まで幅Cと同一寸法とされ、かつ狭開口部2Bの幅Bは挿入部10bを閉塞した状態の幅Dと同一寸法とされている。
【0022】
積層手袋10’は、
図2に示すように、指先部10aが広開口部2Aと狭開口部2Bが形成された一面と対向する面側に位置させると共に、挿入部10bが狭開口部2Bに、積層手袋10’の折り返し部位の山部を広開口部2Aに位置させて、収納箱本体2に挿入している。
【0023】
図3に示すように、手袋10が取り出しの際に摘ままれる箇所は、広開口部2Aの場合は手袋10の甲部10c(破線で囲った部分)、狭開口部2Bの場合は手袋10の挿入部10b(破線で囲った部分)、となる。
【0024】
上記構成のパッケージ1は、
図4に示すように、用途に応じて、広開口部2Aと狭開口部2Bとで取り出しを切り替える。例えば衛生面で管理がそれほど厳しくなく手の保護が可能でかつ素早く取り出す目的の場合は、
図4(a)に示すように、引出量が少なく手袋10の甲部10cから取り出す広開口部2Aから取り出せばよい。
【0025】
一方、例えば厳しく衛生管理された用途で使用する目的の場合は、
図4(b)に示すように、引出量が多いが、手袋10の挿入部10bから取り出す狭開口部2Bから取り出せばよい。また、手袋10を取り出さない広開口部2A、狭開口部2Bについては、蓋部2a、蓋部2bを閉めておけばよい。
【0026】
以上のように、本発明のパッケージ1は、用途に応じて手袋10の取り出し口となる広開口部2Aと狭開口部2Bとで使い分けることができるので、使い勝手が向上する。なお、本発明は上記構成に限らず、変形が可能であり、例えば、
図5に示すように、収納箱本体2の広開口部2Aと狭開口部2Bが形成された面の隣接する直交面のうちの1面に、吊下部2Cを設けることで、パッケージ1を壁面に吊り下げて使用することも可能である。
【0027】
また、セパレータSは、複数の手袋10の折り曲げと収納箱本体2内における位置決めと折り返し部との分離を容易とする目的で設けているが、これに加えて、手袋10の検品を行ったとのとの認証や印を記しておくようにしてもよい。
【符号の説明】
【0028】
1 (衛生手袋)パッケージ
2 収納箱本体
2A 広開口部
2B 狭開口部
2C 吊下部
2a 蓋部
2b 蓋部
10 手袋
10’ 積層手袋
10a 指先部
10b 挿入部
10c 甲部
S セパレータ
M ミシン目