【解決手段】流体圧発生方法は、ピストンが移動端に到達したことを検知した際に、ピストンの進行方向を切り替えるステップ(S10)と、ピストンの進行方向を切り替えた後に、作動媒体ポンプの負荷が限界負荷に到達するまでの間、若しくは、前記負荷が前記限界負荷を超過するまでの間、作動媒体ポンプが、作動媒体を最大流量で吐き出すステップ(S11)と、被加圧流体の圧力を検知し、被加圧流体の圧力をフィードバックして、被加圧流体の圧力と、被加圧流体の目標圧力との偏差を0にするように制御する被加圧流体圧力フィードバック制御ステップ(S8)と、を備えている。
作動媒体ポンプが発生した作動媒体の圧力によってプランジャを有する複動型のピストンを駆動し、前記プランジャによって被加圧流体を加圧する流体圧発生方法であって、
前記ピストンが移動端に到達したことを検知した際に、前記ピストンの進行方向を切り替えるステップと、
前記作動媒体ポンプの負荷を検知し、前記負荷が限界負荷に到達したか否か、若しくは、前記負荷が前記限界負荷を超過したか否か、を判別するステップと、
前記ピストンの進行方向を切り替えた後に、前記負荷が前記限界負荷に到達するまでの間、若しくは、前記負荷が前記限界負荷を超過するまでの間、前記作動媒体ポンプが、前記作動媒体を最大流量で吐き出すステップと、
前記被加圧流体の圧力を検知し、前記被加圧流体の圧力をフィードバックして、前記被加圧流体の圧力と、前記被加圧流体の目標圧力との偏差を0にするように制御する被加圧流体圧力フィードバック制御ステップと、
を備える、流体圧発生方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の発明は、サーボモータとボールねじ機構とを用いて、プランジャの直接駆動を制御する液体加圧装置である。この装置では、プランジャの位置および速度は、サーボモータの回転角度に基づいて直接に導かれる。したがって、複動型のピストンに作動媒体の圧力を加えることによりプランジャを駆動して被加圧流体を加圧する流体圧発生装置には、特許文献1に記載の発明を適用することはできない。
【0006】
本発明は、複動型のピストンに作動媒体の圧力を加えることによりプランジャを駆動して被加圧流体を加圧する場合の被加圧流体の圧力変動を抑制することができる流体圧発生方法および流体圧発生装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題に鑑みて、本発明の流体圧発生方法は、作動媒体ポンプが発生した作動媒体の圧力によってプランジャを有する複動型のピストンを駆動し、前記プランジャによって被加圧流体を加圧する流体圧発生方法であって、前記ピストンが移動端に到達したことを検知した際に、前記ピストンの進行方向を切り替えるステップと、前記作動媒体ポンプの負荷を検知し、前記負荷が限界負荷に到達したか否か、若しくは、前記負荷が前記限界負荷を超過したか否か、を判別するステップと、前記ピストンの進行方向を切り替えた後に、前記負荷が前記限界負荷に到達するまでの間、若しくは、前記負荷が前記限界負荷を超過するまでの間、前記作動媒体ポンプが、前記作動媒体を最大流量で吐き出すステップと、前記被加圧流体の圧力を検知し、前記被加圧流体の圧力をフィードバックして、前記被加圧流体の圧力と、前記被加圧流体の目標圧力との偏差を0にするように制御する被加圧流体圧力フィードバック制御ステップと、を備えている。
【0008】
ここで、ピストンの進行方向が切り替わる際に、ピストンが受圧した作動媒体の圧力を増圧してプランジャで被加圧流体を加圧する増圧器からの被加圧流体の吐き出しが停止する。その間も、被加圧流体を貯留するアキュームレータを設けて、被加圧流体が連続吐出する場合には、アキュームレータ内に貯留された被加圧流体が吐き出される。被加圧流体の吐き出しに伴い、アキュームレータ内に貯留された被加圧流体の圧力は、低下する。再び、ピストンが反転方向に進行すると、アキュームレータ内に被加圧流体が供給され、圧力が上昇する。
【0009】
本発明の上記構成によれば、ピストンの進行方向が切り替わった後に、作動媒体ポンプの負荷が限界負荷に到達するまでは、作動媒体ポンプが最大流量で作動媒体を吐き出すため、ピストンの進行方向の切替え後、増圧器からの被加圧流体の吐出し再開までの時間が短縮される。ピストンの進行方向が切り替わった後に、ピストンが進行を始めると、被加圧流体の圧縮に伴い、作動媒体の圧力が上昇する。作動媒体の圧力上昇は、作動媒体ポンプの負荷の上昇をもたらす。作動媒体ポンプの負荷が限界負荷に到達するまでの期間、作動媒体ポンプが最大流量で作動媒体を吐き出すため、最大流量の吐き出し時間は、許容される最長の時間となる。そのため、被加圧流体の圧力は、最大の速度で上昇する。
【0010】
そして、被加圧流体の圧力をフィードバックして、被加圧流体の圧力と、被加圧流体の目標圧力との偏差を0にするように作動媒体ポンプの回転を制御する。このため、作動媒体ポンプを保護しつつ、被加圧流体の吐出し圧力を目標圧力に近づけられる。
これらの相互作用により、増圧器からの吐き出し圧力の圧力変動が低減される。
すなわち、本発明によれば、複動型のピストンに作動媒体の圧力を加えることによりプランジャを駆動して被加圧流体を加圧する場合の被加圧流体の圧力変動を抑制することができる流体圧発生方法を提供できる。
【0011】
本発明の流体圧発生方法は、好ましくは、下記の構成をとる。前記負荷が前記限界負荷に到達した後、又は前記負荷が前記限界負荷を超過した後に、前記被加圧流体圧力フィードバック制御ステップを実行する。そして、前記被加圧流体圧力フィードバック制御ステップにおいて、前記負荷が、前記作動媒体ポンプの定格負荷を超えないように制御される。
【0012】
被加圧流体圧力フィードバック制御ステップでは、作動媒体ポンプの定格負荷を超えない限度において実行されるため、作動媒体ポンプが過負荷により破損することを防止できる。そして、作動媒体ポンプの負荷が限界負荷に達した後又は、これを超過した後に、負荷が許容範囲内に制限されながら、被加圧流体の圧力が目標値に近づくように、作動媒体ポンプの運転がフィードバック制御される。このため、作動媒体ポンプの保護を図りつつ、ピストンの進行方向の切替え後における速やかな被加圧流体の圧力の上昇と、該圧力の目標値への一致とを両立できる。
【0013】
本発明の流体圧発生方法は、好ましくは、前記負荷が前記限界負荷に到達した後、又は前記負荷が前記限界負荷を超過した後に、前記作動媒体ポンプが前記作動媒体を定格流量で吐き出すステップと、検知された前記被加圧流体の圧力が、前記被加圧流体の目標圧力よりも低い判別圧力に到達したか否かを判別するステップと、を更に備え、前記被加圧流体の前記圧力が、前記判別圧力に到達した後に、前記被加圧流体圧力フィードバック制御ステップを実行する。
【0014】
上記構成によれば、次の作用効果が生ずる。作動媒体ポンプの負荷が限界負荷に到達した後、又はそれを超過した後に、作動媒体ポンプが作動媒体を定格流量で吐き出す。すなわち、ピストン速度が上昇し、限界負荷に到達し、超過した後に、作動媒体ポンプが定格流量での作動媒体の吐き出しを行う。そして、被加圧流体の圧力が目標圧力より若干低い圧力に到達してからフィードバック制御を行う。通常、フィードバック制御では応答遅れが生ずるところ、被加圧流体の圧力が目標圧力より若干低い圧力となるまで作動媒体ポンプが定格流量で作動媒体を吐き出すため、フィードバック制御による応答遅れを解消できる。また、目標圧力付近まで被加圧流体の圧力が上昇した後にフィードバック制御を開始するため、フィードバック制御によるオーバーシュートを防止し、速やかに被加圧流体の圧力が目標圧力に到達する。
【0015】
本発明の流体圧発生方法において、好ましくは、前記負荷は、前記作動媒体ポンプの入力軸の回転トルクである。
【0016】
作動媒体ポンプの入力軸の回転トルクは計測が容易であるため、上記構成によれば簡便に本発明を実現できる。
【0017】
ここで、複動型のピストンに作動媒体の圧力を加えることによりプランジャを駆動して被加圧流体を加圧することによって超高圧を発生する流体圧発生装置は、プランジャを収容するシリンダ内部からの被加圧流体の吐出しを吐出し弁の開閉により行う。被加圧流体の噴射を停止し増圧器からの被加圧流体の吐き出しを停止したときには、吐出し弁が閉弁され、増圧器から吐き出された超高圧の被加圧流体は、配管又はアキュームレータ内に閉じ込められる。このとき、被加圧流体は、その圧力が上昇する。本発明者らは、作動媒体回路の圧力損失の分だけ、作動媒体の停止により、作動媒体の圧力上昇が起きると考えている。
【0018】
被加圧流体の圧力は、被加圧流体の連続噴射時においては、フィードバック制御により、目標圧力と一致している。噴射停止時に被加圧流体の圧力が上昇し、圧力上昇した被加圧流体は閉じこめられる。すると、噴射停止時の被加圧流体は、目標圧力よりも高い圧力に維持される。
【0019】
このとき、被加圧流体の圧力が目標圧力よりも高いため、被加圧流体の圧力をフィードバックして目標圧力に近づけるように作動媒体ポンプを制御すると、作動媒体ポンプはその吐出し圧力を低くしようとするため、作動媒体の圧力は次第に低下する。作動媒体の圧力が低下した後に、被加圧流体の噴射を再開すると、被加圧流体の噴射に伴い、被加圧流体の圧力と、作動媒体の圧力に増圧比を乗じた値と、がバランスするまで被加圧流体の圧力が低下する。その後、増圧器の運転により被加圧流体の圧力が次第に上昇する。すなわち、作動媒体の圧力の変化により、噴射再開時の被加圧流体の圧力波形が乱れる。それに伴い、噴流が乱れる。
【0020】
被加圧流体の噴射を停止したときに作動媒体の圧力を保つことで、被加圧流体の噴射を再開したときに、被加圧流体の圧力変動を抑制することを本発明の更なる課題とする。
【0021】
上述の更なる課題に鑑みて、本発明の流体圧発生方法は、好ましくは、以下の構成を備える。前記被加圧流体の噴射を停止したときに、前記作動媒体の圧力を検知し、前記作動媒体の圧力をフィードバックして、前記作動媒体の圧力と、前記作動媒体の目標圧力との偏差を0にするように制御する作動媒体圧力フィードバック制御ステップを、更に備えている。
【0022】
上記構成によれば、被加圧流体の噴射を停止したときに、作動媒体の圧力を、作動媒体の目標圧力に近づけるように、作動媒体ポンプをフィードバック制御することで、作動媒体の圧力を、噴射停止中の目標圧力に保つことができる。作動媒体の圧力がその目標圧力に保持されるため、噴射再開時の圧力変動を抑制できる。
【0023】
ここで、作動媒体の目標圧力は、被加圧流体の目標圧力を増圧比で割った値とすることができる。
【0024】
本発明の流体圧発生方法は、好ましくは、前記作動媒体の目標圧力は、前記被加圧流体の目標圧力を前記ピストンにおける受圧面積と前記プランジャにおける受圧面積との比である増圧比で割った値である論理圧力よりも低い値である。
【0025】
上述したように、被加圧流体の噴射を停止したときには、被加圧流体の圧力が若干上昇する。作動媒体の目標圧力を、被加圧流体の目標圧力を増圧比で割った値である論理圧力よりも低い値とすることによって、被加圧流体の噴射を停止した際の圧力上昇が抑制される。作動媒体の目標圧力を低くすることにより、圧力維持に係る作動媒体ポンプの消費電力量が低下する。また、超高圧領域においては、プランジャを収容するシリンダ、および吐出し弁、吐出し配管に大きな内部応力が発生する。噴射停止時の圧力上昇が抑制されることにより、流体圧発生装置の構成部品の耐久寿命が向上する。
【0026】
本発明の流体圧発生方法は、好ましくは、前記作動媒体ポンプが可変容量型の容積ポンプであり、前記被加圧流体の噴射を開始したときに、前記作動媒体ポンプの押しのけ容積を最大にするステップと、前記被加圧流体の噴射を停止したときに、前記作動媒体ポンプの押しのけ容積を最小にするステップと、を更に備えている。
【0027】
被加圧流体の噴射を停止したときは、ピストンは移動しない。従って、作動媒体ポンプは作動媒体を、複動型のピストンを収容すると共に増圧器を駆動するシリンダに供給する必要はない。上記構成によれば、被加圧流体の噴射時には作動媒体ポンプの押しのけ容積を最大にし、被加圧流体の噴射停止時には作動媒体ポンプの押しのけ容積を最小にするため、作動媒体ポンプの吐出し特性が適切に変化する。そのため、作動媒体ポンプの運転に対する作動媒体の圧力および流量の応答性が高くなり、被加圧流体の圧力波形が安定化する。また、消費電力量も低下する。
【0028】
本発明は、上述の流体圧発生方法を実現するための、下記の構成を持つ流体圧発生装置を提供する。
【0029】
本発明の流体圧発生装置は、回転速度制御されるモータにより駆動され、作動媒体を加圧する作動媒体ポンプと、加圧された前記作動媒体によって第1のシリンダ内を往復動するピストンと、前記ピストンに連設され、第2のシリンダ内を往復動し、被加圧流体を加圧するプランジャと、前記ピストンが移動端に達したことを検知する端検知器と、前記被加圧流体の圧力を検知する被加圧流体圧力検知器と、制御装置と、を備えている。そして、前記制御装置は、前記端検知器の検知状況によって、前記ピストンの進行方向を定める進行方向制御手段と、前記作動媒体ポンプの負荷が限界負荷に到達したか否か、若しくは、前記負荷が前記限界負荷を超過したか否か、を判別する負荷判別手段と、前記進行方向制御手段によって前記ピストンの進行方向が切り替えられた後、前記負荷判別手段によって、前記負荷が前記限界負荷に到達する、又は前記負荷が前記限界負荷を超過すると判別されるまでの期間に、前記作動媒体ポンプが前記作動媒体を最大流量で吐き出すように運転させる最大運転手段と、前記被加圧流体検知器によって検知された前記被加圧流体の圧力をフィードバックして、前記被加圧流体の圧力と、前記被加圧流体の目標圧力との偏差を0にするように制御する被加圧流体圧力フィードバック制御手段と、を有している。
【0030】
本発明の流体圧発生装置は、好ましくは、前記制御装置は、前記作動媒体ポンプが前記作動媒体を定格流量で吐き出すように制御する定格運転手段と、検知された前記被加圧流体の圧力が、前記被加圧流体の目標圧力よりも低い判別圧力に到達したか否かを判断する圧力判別手段と、を更に有し、前記負荷が前記限界負荷に到達した後、又は前記負荷が前記限界負荷を超過した後に、前記作動媒体ポンプが前記作動媒体を定格流量で吐き出し、前記被加圧流体の圧力が前記判別圧力に到達した後に、前記被加圧流体圧力フィードバック制御手段が、前記被加圧流体の圧力をフィードバックして、前記被加圧流体の圧力と、前記被加圧流体の目標圧力との偏差を0にするように制御する。
【0031】
本発明の流体圧発生装置は、好ましくは、前記作動媒体の圧力を検知する作動媒体圧力検知器と、前記被加圧流体の噴射を開始し、停止する噴射弁と、を更に備え、前記制御装置は、前記噴射弁を閉弁したときに、前記作動媒体圧力検知器によって検知された前記作動媒体の圧力をフィードバックして、前記作動媒体の圧力と、前記作動媒体の目標圧力との偏差を0にするように制御する作動媒体圧力フィードバック制御手段を、更に有している。
【発明の効果】
【0032】
本発明によれば、複動型のピストンに作動媒体の圧力を加えることによりプランジャを駆動して被加圧流体を加圧する場合の被加圧流体の圧力変動を抑制することができる。
【発明を実施するための形態】
【0034】
(第1実施形態)
図1を参照して、本発明の第1実施形態の流体圧発生装置10について説明する。流体圧発生装置10の作動媒体F1は作動油であり、被加圧流体F2は水である。流体圧発生装置10は、増圧器20と、閉回路用の作動媒体ポンプ11と、を備えている。流体圧発生装置10は、作動媒体ポンプ11が発生した作動媒体F1の圧力によってプランジャ261、262を有する複動型のピストン23を駆動し、プランジャ261、262によって被加圧流体F2を加圧する。流体圧発生装置10は、連続的に超高圧水を吐出する、ウォータージェット切断に好適である。
【0035】
作動媒体ポンプ11は、2つの吸入吐出口111、112を備えている。作動媒体ポンプ11は、押しのけ容積を変更できる、可変容量型ポンプである。作動媒体ポンプ11は、サーボモータであるモータ12によって駆動される。作動媒体ポンプ11は、内部リークを生じる。リーク回路113は、内部リークを排出する。このような作動媒体ポンプ11としては、斜板式可変容量型ポンプ、斜軸式可変容量型ポンプが好適である。
【0036】
なお、作動媒体ポンプ11は、可変容量型ポンプに替えて、斜板式固定容量型ポンプ、斜軸式固定容量型ポンプ、ギアポンプ、ベーンポンプなどの固定容量型ポンプ、その他の容積式ポンプを利用できる。サーボモータは、永久磁石型同期モータおよびロータリーエンコーダと、磁気式回転センサなどの回転センサとの組合せを用いても良い。
【0037】
増圧器20は、複動型のピストン23と、プランジャ261、262とを備えている。増圧器20は、ピストン23における作動媒体F1の受圧面積と、プランジャ261、262における被加圧流体F2の受圧面積の比率(以下、「増圧比R」という。)に応じて、複動型のピストン23が受圧した作動媒体F1の圧力を、増圧して被加圧流体F2を加圧する。ピストン23は、駆動シリンダ(第1のシリンダ)24内を往復動する。ピストン23は、駆動シリンダ24内を、第1室21と第2室22に区画する。ピストン23には、超高圧シリンダ(第2のシリンダ)251、252内を往復動するプランジャ261、262が連設されている。
【0038】
増圧器20は、端検知器291、292を備えている。端検知器291、292は、ピストン23が駆動シリンダ24内の端(移動端)にあることを検知し、端検知信号を出力する。端検知器291、292は、リミットスイッチ、近接スイッチその他の電気接点を有するスイッチが利用できる。端検知器291、292は、A接点スイッチのみならず、B接点スイッチをも利用できる。
【0039】
第1流路13は、第1室21と吸入吐出口111とを連通する。第2流路14は、第2室22と吸入吐出口112とを連通する。増圧器20のピストン23およびプランジャ261、262が
図1において右行(以下、単に「増圧器20が右行」ともいう)するときは、作動媒体ポンプ11は、第2流路14を介して第2室22から作動媒体F1を吸込み、第1流路13を介して第1室21へ吐き出す。増圧器20のピストン23およびプランジャ261、262が
図1において左行(以下、単に「増圧器20が左行」ともいう)するときは、逆に、作動媒体ポンプ11は、第1室21から作動媒体F1を吸込み、第2流路14を介して第2室22へ吐き出す。
【0040】
選択回路15は、第1流路13と、第2流路14とを一組のチェック弁151、152を介して連通する。選択回路15は、圧力検知器156を備えている。圧力検知器156は、第1流路13の圧力と第2流路14の圧力のうちの高い方の圧力P1を、検知する。
【0041】
選択回路15は、第1流路13と第2流路14のうちの圧力が高い方を、回収回路18と連通する。回収回路18は、リリーフ弁154、絞り153を備えている。回収回路18は、選択回路15から、余剰な作動媒体F1をタンク17に回収する。
【0042】
供給回路16は、一組のチェック弁161、162を介して、第1流路13又は第2流路14と、タンク17とを連通する。供給回路16は、第1流路13と第2流路14のうちの圧力が低い方に作動媒体F1を供給する。
【0043】
被加圧流体F2の供給源30は、吸入弁28を介して、超高圧シリンダ251、252内と連通している。また、超高圧シリンダ251、252内は、吐出し弁27を介してアキュームレータ31と連通している。配管32は、アキュームレータ31と、噴口を備えるノズル35とを、噴射弁34を介して連通する。配管32は、圧力検知器33を備えている。圧力検知器33は、被加圧流体F2の圧力を検知し、出力する。
【0044】
増圧器20が左行するときは、プランジャ261が被加圧流体F2を押し出し、加圧する。すると吐出し弁27を開弁し、被加圧流体F2が吐き出される。プランジャ262は、超高圧シリンダ252内を引き込み移動し、吸入弁28を開弁し、被加圧流体F2を吸い込む。増圧器20が右行すると、この逆の動作をする。
【0045】
図2を参照して、制御装置40の構成および機能を説明する。制御装置40は、メモリー41と、演算装置42と、入力ポート43と、出力ポート44とを備え、これらがバス(不図示)で接続されている。
【0046】
メモリー41は、以下に示す演算装置42の機能を具体化したプログラムと、演算装置42の機能を利用するための各種データを収納する。タッチパネル、ポインティングデバイス、キーボードその他の入力装置(不図示)から、入力ポート43を介してプログラム及び各種データがメモリー41に入力される。
【0047】
アンプ121は、モータ12と結線し、モータ12への出力を行う。モータ12は、作動媒体ポンプ11を回転し、作動媒体F1の圧力P1によって、増圧器20が上述のように稼働する。流体圧発生装置10の運転状況は、入力ポート43を介して制御装置40に入力される。演算装置42によって、作動媒体ポンプ11の回転速度、押しのけ容積が決定される。演算装置42の演算結果は、出力ポート44を介して、アンプ121、噴射弁34、作動媒体ポンプ11へ出力される。
【0048】
演算装置42は、進行方向制御手段42aと、第1の圧力判別手段42bと、噴射開始制御手段42cと、負荷判別手段42eと、第2の圧力判別手段(圧力判別手段)42fと、押しのけ容積制御手段42dと、を備えている。
【0049】
端検知器291、292の端検知信号は、進行方向制御手段42aに入力される。
進行方向制御手段42aは、端検知信号を受けると、増圧器20のピストン23およびプランジャ261、262の進行方向(以下、単に「増圧器20の進行方向」ともいう)、すなわち、作動媒体ポンプ11の吐出し方向を切り替える。ここで、作動媒体ポンプ11が、両回転型ポンプであれば、その吐出し方向は、モータ12の回転方向として決定される。進行方向制御手段42aは、増圧器20の進行方向を示す進行方向信号を出力する。例えば、進行方向制御手段42aは、増圧器20が右行のときに1を、左行のときに0を出力する。
【0050】
なお、作動媒体ポンプ11が傾転角逆転可能な斜板式可変容量ポンプであれば、吐出し方向は、傾転角の正逆によって定められる。そして、作動媒体ポンプ11の回転方向は一方向となる。このとき、進行方向制御手段42aは、押しのけ容積制御手段42dへ進行方向信号を出力する。そして、進行方向制御手段42aは、第1のフィードバック制御手段42h、最大運転手段42k、定格運転手段42m、第2のフィードバック制御手段42pへ、進行方向信号を発信しない。
【0051】
進行方向制御手段42aは、被加圧流体F2の噴射停止後においても、その進行方向信号を保持する。進行方向制御手段42aは、被加圧流体F2の噴射停止後に再度噴射を開始したときには、保持されている進行方向信号を出力する。
【0052】
噴射開始制御手段42cは、噴射弁34を制御する。噴射開始制御手段42cは、噴射を開始する際に、出力ポート44を介して噴射弁34の開弁命令を噴射弁34に出力する。また、入力ポート43を介して、噴射弁34が開弁しているときに出す開弁信号を噴射弁34から受領する。噴射開始制御手段42cは、噴射弁34から開弁信号を受領しているときに、噴射信号を、第1の圧力判別手段42b、負荷判別手段42e、押しのけ容積制御手段42dへ出力する。例えば、噴射信号は、被加圧流体F2の噴射のときに1、噴射停止のときに0とされる。
【0053】
第1の圧力判別手段42bは、噴射停止時、すなわち、開弁信号を受領しないときに機能する。第1の圧力判別手段42bは、圧力検知器156から作動媒体F1の圧力P1を受け取る。第1の圧力判別手段42bは、作動媒体F1の圧力が、目標圧力P1comよりも若干低い第1の判別圧力P1Tに達したかどうかを判別する。例えば、第1の圧力判別手段42bは、第1の圧力判別信号として、第1の判別圧力P1Tに到達したときに1を、到達しないときに0を、第1のフィードバック制御手段(作動媒体圧力フィードバック制御手段)42h、定格運転手段42mに発信する。
【0054】
負荷判別手段42eは、噴射時に、すなわち、噴射信号(=1)を受領したときに働く。負荷判別手段42eは、作動媒体ポンプ11に作用する負荷を、入力ポート43を介して、アンプ121から受け取る。本実施形態では、上記負荷は、モータ12の回転トルクTrである。負荷判別手段42eは、回転トルクTrが限界トルクTrLに到達したか、又は、回転トルクTrが限界トルクTrLを超過したかを判別する。負荷判別手段42eは、負荷判別情報を、第2の圧力判別手段42f、最大運転手段42kに出力する。負荷判別手段42eは、限界負荷到達時に1を、限界負荷未満のときに0を、負荷判別情報として出力する。
【0055】
なお、モータ12の出力軸と作動媒体ポンプ11の入力軸との間に減速手段が設けられていなければ、モータ12の回転トルクTrと、作動媒体ポンプ11の入力軸の回転トルクとは同一である。勿論、モータ12の出力軸と作動媒体ポンプ11の入力軸との間に減速手段が設けられていれば、限界負荷について減速手段の減速率を考慮する。すなわち、モータ12の回転トルクTrに減速率を乗じて作動媒体ポンプ11の入力トルクが得られる。
【0056】
第2の圧力判別手段42fは、被加圧流体F2の圧力P2を、圧力検知器33から受け取る。第2の圧力判別手段42fは、圧力P2が、第2の判別圧力P2Tに到達したか否か、又は圧力P2が第2の判別圧力P2Tを超過したか否かを判別する。第2の判別圧力P2Tは、被加圧流体F2の目標圧力P2comである設定圧力P0よりも若干低く定められる。ここで、第2の判別圧力P2Tは、設定圧力P0から閾値T2を差し引いた値で与えられる。閾値T2は、フィードバック制御を開始するか否かに関連して定められる。閾値T2は、フィードバック制御を開始したときに、速やかに目標値である設定圧力P0に接近し、圧力P2がオーバーシュートしない圧力となるように、定められる。閾値T2は、例えば、フィードバック制御を比例制御により行ったときにおける、定常偏差の値を参考に定められても良い。第2の圧力判別手段42fは、第2の圧力判別信号を、定格運転手段42m、第2のフィードバック制御手段(被加圧流体圧力フィードバック制御手段)42pに発信する。例えば、第2の圧力判別信号は、被加圧流体F2の圧力P2の第2の判別圧力P2Tへの到達時に1、未到達時に0とされる。
【0057】
なお、第2の判別圧力P2Tは、例えば設定圧力P0の80%ないし97%、好ましくは85%ないし95%として定めても良い。
また、第2の圧力判別手段42fは省いても良い。この場合には、次の構成をとる。負荷判別手段42eが、作動媒体ポンプ11の負荷が限界負荷に到達するか、負荷が限界負荷を超過するときに、第2のフィードバック制御手段42pへ、フィードバック制御開始指令を発する。
【0058】
第2の圧力判別手段42fを省く場合には、後記する定格フィルタ42qを設けることが望ましい。
【0059】
押しのけ容積制御手段42dは、作動媒体ポンプ11が可変容量型ポンプの場合に設けられる。押しのけ容積制御手段42dは、作動媒体ポンプ11の押しのけ容積を決定し、制御する。押しのけ容積制御手段42dは、噴射開始制御手段42cからの噴射信号、および、第1の圧力判別手段42bからの第1の圧力判別信号を受け取る。噴射信号(=1)を受け取ったときは、押しのけ容積制御手段42dは、押しのけ容積を最大とする。噴射信号を受け取らない(噴射信号=0)ときは、押しのけ容積制御手段42dは、押しのけ容積を最小とする。具体的には、作動媒体ポンプ11が斜板式可変容量型ポンプであれば、その傾転角を出力する。
【0060】
噴射停止時において、可変容量型ポンプの押しのけ容積を最小とすると、噴射停止時の被加圧流体F2の圧力P2が、噴射時圧力よりも若干低下する効果が生ずる。これは、押しのけ容積変更の応答は、増圧器20の停止の応答よりも速いためと考えられる。この場合であっても、噴射再開時には、増圧器20の運転により速やかに圧力が回復する。そして、流体圧発生装置10で発生する被加圧流体F2の圧力P2が500MPaを超過すると、圧力P2があまりにも高いため、この圧力P2によって装置内部に発生する内部応力が非常に大きい。このような内部応力を少しでも抑えることは、流体圧発生装置10の耐久性を大幅に改善する。したがって、上記構成によれば、流体圧発生装置10のメンテナンス周期を大幅に延長できる。
【0061】
回転制御手段42gは、第1のフィードバック制御手段42hと、最大運転手段42kと、定格運転手段42mと、第2のフィードバック制御手段42pと、を備えている。
【0062】
第1のフィードバック制御手段42hは、噴射停止時に機能する。第1のフィードバック制御手段42hは、進行方向制御手段42aから受け取った進行方向信号と、第1の圧力判別手段42bから受け取った第1の圧力判別信号と、圧力検知器156から受け取った作動媒体F1の圧力P1とに基づいて、モータ12の回転速度を制御する。第1のフィードバック制御手段42hは、モータ12の回転速度nをアンプ121に出力する。
【0063】
第1のフィードバック制御手段42hは、作動媒体F1の圧力P1をフィードバックして、作動媒体F1の目標圧力P1comと、作動媒体F1の圧力P1との差分が0になるように、作動媒体ポンプ11を制御する。フィードバック制御は、PID制御の他、単純適応制御、ロバスト制御、最適制御その他の現代制御を利用できる。フィードバック制御は、既知であるため、その詳細な説明は省略する。
【0064】
作動媒体F1の目標圧力P1comは、噴射時における被加圧流体F2の目標圧力P2comである設定圧力P0を、増圧比Rで割った値である論理圧力PLとできる。
【0065】
より望ましくは、作動媒体F1の目標圧力P1comは、論理圧力PLから、被加圧流体F2の噴射を停止したときの被加圧流体F2の圧力上昇に関する閾値T1を差し引いた値として与えられる。特に、作動媒体ポンプ11が可変容量型ポンプであり、制御装置40が押しのけ容積制御手段42dを備えるときには、論理圧力PLよりも若干低い圧力である、作動媒体F1の目標圧力P1comを使用することで、作動媒体F1の圧力P1が良好に制御され、消費電力が減少する。
【0066】
なお、作動媒体F1の目標圧力P1comの上述の算出方法に替えて、この作動媒体F1の目標圧力P1comは、論理圧力PLの70%ないし95%としてもよい。作動媒体F1の目標圧力P1comに増圧比Rを乗じた値は、増圧器20の進行方向の切替え時に低下する被加圧流体F2の圧力と同等か、それ以上となるように調整されることが望ましい。
【0067】
噴射停止時においては、被加圧流体F2は、増圧器20と噴射弁34との間に閉じ込められる。そのため、被加圧流体F2の圧力P2は、ピストン23の位置が動かない限り、変化しない。他方、作動媒体F1は、閉回路中を作動媒体ポンプ11の内部リーク、閉回路からのタンク17への回収、作動媒体ポンプ11からの吐き出しによる補充により、循環している。この場合、作動媒体F1の圧力P1の変動と、被加圧流体F2の圧力P2の変動は、リンクしない。
【0068】
本実施形態の流体圧発生装置10によれば、被加圧流体F2の噴射停止時において、作動媒体F1の圧力P1をフィードバックして、圧力P1を、圧力P1の目標値である目標圧力P1comに保つよう制御することで、直接作動媒体F1の圧力P1を一定に保持できる。被加圧流体F2の噴射を再開するときに、作動媒体F1の圧力P1が仮に理想値から乖離していた場合、噴射再開時に、作動媒体F1の圧力P1の変化に伴って、被加圧流体F2の圧力P2が大きく変動する。しかし、本実施形態の流体圧発生装置10によれば、被加圧流体F2の噴射停止時に、作動媒体F1の圧力P1が目標圧力P1comに保持されるため、噴射再開時において、被加圧流体F2の圧力P2が乱れない。従って、被加圧流体F2の噴射再開時においても、噴射開始後、速やかに乱れの少ない理想的な噴流が得られる。
【0069】
最大運転手段42kは、被加圧流体F2の噴射時であり、増圧器20の進行方向が切り替わった後、負荷判別手段42eから負荷判別情報=1を受け取るまでの期間、機能する。言い換えると、負荷判別情報=0を受け取っている期間機能する。最大運転手段42kは、進行方向制御手段42aから受け取った進行方向信号と、負荷判別情報とに基づいて、作動媒体ポンプ11をその最大流量を吐き出すように制御する。具体的には、最大運転手段42kは、作動媒体ポンプ11の最大回転速度nmaxをアンプ121に出力する。ここで、最大回転速度nmaxは、後記する定格回転速度nrよりも大きいことは勿論である。
【0070】
作動媒体ポンプ11が可変容量ポンプであれば、押しのけ容積制御手段42dが作動媒体ポンプ11の押しのけ容積を最大に制御したときにおいて、最大運転手段42kが最大回転速度nmaxを指令したときに、作動媒体ポンプ11は、作動媒体を最大流量で吐き出す。作動媒体ポンプ11が固定容量ポンプであれば、その回転速度が最大回転速度nmaxのときに、作動媒体ポンプ11は、作動媒体を最大流量で吐き出す。
【0071】
定格運転手段42mは、被加圧流体F2の噴射停止時においては、進行方向制御手段42aから受け取った進行方向信号と、第1の圧力判別信号とに基づいて、その定格流量を吐き出すように作動媒体ポンプ11を制御する。定格運転手段42mは、被加圧流体F2の噴射時においては、進行方向制御手段42aから受け取った進行方向信号と、第2の圧力判別信号とに基づいて、作動媒体ポンプ11をその定格流量を吐き出すように制御する。具体的には、定格運転手段42mは、作動媒体ポンプ11の定格回転速度nrをアンプ121に出力する。
【0072】
なお、作動媒体ポンプ11が可変容量ポンプであれば、定格運転手段42mは、押しのけ容積制御手段42dと協調して、作動媒体ポンプ11の押しのけ容積に対応する回転速度をアンプ11に指令できる。また、後述するように、被加圧流体F2の噴射時における定格運転手段42mの使用を取り止めても良い。
【0073】
第2のフィードバック制御手段42pは、被加圧流体F2の噴射時に機能する。第2のフィードバック制御手段42pは、進行方向制御手段42aから受け取った進行方向と、第2の圧力判別手段42fから受け取った第2の圧力判別信号と、圧力検知器33から受け取った被加圧流体F2の圧力P2とに基づいて、モータ12の回転速度nを制御する。第2のフィードバック制御手段42pは、モータ12の回転速度nをアンプ121に出力する。
【0074】
第2のフィードバック制御手段42pは、被加圧流体F2の圧力P2をフィードバックして、被加圧流体F2の目標圧力P2comと、被加圧流体F2の圧力P2との差分が0になるように、作動媒体ポンプ11を制御する。フィードバック制御は、PID制御の他、単純適応制御、ロバスト制御、最適制御その他の現代制御を利用できる。フィードバック制御は、既知であるため、その詳細な説明は省略する。ここで、目標圧力P2comは、被加圧流体F2の設定圧力P0である。
【0075】
第2のフィードバック制御手段42pは、定格フィルタ42qを備えることができる。定格フィルタ42qは、第2のフィードバック制御手段42pが出力するモータ12の運転条件が、作動媒体ポンプ11の定格出力範囲を超過しないように、監視し、その回転速度を調整する。より具体的には、次の構成を取り得る。モータ12の出力トルクは常時変動する。定格フィルタ42qは、作動媒体ポンプ11の回転トルクTrの一定時間の二乗平均を実効トルクとして演算する。定格フィルタ42qは、実効トルクが定格トルクを超過しないように、回転速度nを制御する。
【0076】
なお、定格フィルタ42qは、アンプ121が備えても良い。
【0077】
図3に従って、流体圧発生装置10の制御方法を説明する。流体圧発生装置10は、被加圧流体F2の噴射停止の状態で起動する(S1〜S5)。被加圧流体F2の噴射開始の信号を受け、噴射弁34を開弁すると同時に、噴射中の制御を行う(S6〜S15)。被加圧流体F2の噴射中にポンプ停止指令を受ける(S16のYES)と、流体圧発生装置10は運転を停止する。噴射信号(=1)が入る(S17のYES)と、噴射運転を続行する(S7へジャンプ)。噴射信号(=1)が切れる、又は噴射停止信号(=0)が入る(S17のNO)と、再度噴射停止状態で待機する(S4へジャンプ)。
【0078】
流体圧発生装置10の起動直後に、押しのけ容積制御手段42dは、作動媒体ポンプ11の押しのけ容積を最大にする(S1)。
【0079】
作動媒体ポンプ11は、定格流量で作動媒体F1を吸入吐出口111の方向へ吐き出す(S2)。定格運転手段42mは、アンプ121に定格回転速度nrを出力する。流体圧発生装置10の起動直後は、緩やかにモータ12の回転速度を上昇させることが望ましい。
【0080】
作動媒体ポンプ11が動き出すと、増圧器20のピストン23が作動媒体F1の圧力P1を受けて右方向へ進行する。超高圧シリンダ252内にある被加圧流体F2は、プランジャ262により圧縮され、被加圧流体F2の圧力P2が上昇を始める。
【0081】
なお、起動直後の増圧器20の進行方向は、右方向に替えて、左方向を選択できる。また、最終運転時の運転停止時の進行方向を記憶しておき、記憶しておいた進行方向、又はその逆方向から運転を開始できる。運転開始時の進行方向は、運転停止方法との関係において、選択しえる。例えば、進行方向切替え時からの運転時間を記憶しておき、切り替え時から運転停止までの運転時間と、増圧器20の進行方向切替えの間隔とを比較し、ピストン23の位置に応じて、進行方向制御手段42aが起動直後の進行方向を決定できる。
【0082】
第1の圧力判別手段42bは、作動媒体F1の圧力P1を監視している(S3)。圧力P1が、第1の判別圧力P1Tに到達するまで(S3のNO)は、作動媒体ポンプ11は、定格運転(定格回転速度)を継続する。
【0083】
なお、圧力P1が第1の判別圧力P1Tに到達する条件に替えて、圧力P1が第1の判別圧力P1Tを超過する条件を利用できる。
【0084】
作動媒体F1の圧力P1が第1の判別圧力P1Tに到達する(S3のYES)と、押しのけ容積制御手段42dは、作動媒体ポンプ11の押しのけ容積を最小化する(S4)。さらに、第1のフィードバック制御手段42hは、作動媒体F1の圧力P1をフィードバックして、作動媒体F1の圧力P1と、作動媒体F1の目標圧力P1comとの偏差を0にするように、作動媒体ポンプ11の回転速度を制御する(S5:作動媒体圧力フィードバック制御ステップ)。
【0085】
このとき、増圧器20は、被加圧流体F2をほとんど吐き出さない。そして、作動媒体ポンプ11は、その内部リークの流量と、回収回路18の流量との和と殆ど同量の作動媒体F1を吐出する。一旦増圧器20から吐き出された被加圧流体F2は、配管32から排出されないため、圧力P2が低下することはない。
【0086】
なお、作動媒体ポンプ11が固定容量型ポンプであれば、勿論ステップS1、ステップS4は省かれる。
【0087】
噴射開始制御手段42cは、被加圧流体F2の噴射開始を待機する(S6)。噴射開始指令が、操作盤(不図示)から、制御装置40に入力されると、噴射開始制御手段42cは、噴射弁34に開弁命令を出力して噴射弁34を開弁する。噴射弁34は、開弁すると、開弁信号を噴射開始制御手段42cに発し、噴射開始制御手段42cは噴射信号(=1)を出力する(S6のYES)。
【0088】
噴射弁34が開弁すると(S6のYES)、ノズル35から被加圧流体F2が噴出する。押しのけ容積制御手段42dは、作動媒体ポンプ11の押しのけ容積を最大にする(S7)。
【0089】
なお、作動媒体ポンプ11が固定容量型ポンプであれば、勿論ステップS7は省かれる。
【0090】
その後、第2のフィードバック制御手段42pは、被加圧流体F2の圧力P2をフィードバックして、被加圧流体F2の圧力P2と、被加圧流体F2の目標圧力P2comとの偏差を0にするように、作動媒体ポンプ11の回転速度を制御する(S8:被加圧流体圧力フィードバック制御ステップ)。
【0091】
ピストン23が、駆動シリンダ24内の端(移動端)に到達すると、端検知器291又は端検知器292は、ピストン23を検知し、端検知信号を発する(S9)。このとき、進行方向制御手段42aは、増圧器20の進行方向を反転する(S10)。具体的には、端検知器291が端検知信号を発したとき、進行方向制御手段42aは、作動媒体ポンプ11が作動媒体F1を第2室22から吸込み、第1室21へ吐き出すように、その回転方向を決定する。端検知器292が端検知信号を発したときは、この逆である。
【0092】
増圧器20の進行方向の指令が反転すると、最大運転手段42kは、作動媒体ポンプ11が作動媒体F1を最大流量で吐き出すように、最大回転速度を指令する(S11)。
【0093】
作動媒体ポンプ11の回転方向の反転により、増圧器20の進行方向反転前の加圧側の媒体室(例えば端検知器292が検知しているときの第2室22)の圧力が急速に低下する。また、ピストン23は、加圧した被加圧流体F2の圧力P2を受ける。そのため、端検知に伴ってプランジャ進行が速やかに停止し、ピストン23が反転する方向の力を圧力P2により受ける。増圧器20は、慣性が非常に大きいため、一般的には方向切替え時の応答が悪いところ、本実施形態によれば、上記作用により、方向切替えの応答遅れが改善する効果が生ずる。応答遅れが改善するため、被加圧流体F2の圧力P2のオーバーシュートが改善される。
【0094】
また、被加圧流体F2の圧力P2による、ピストン23の反転方向への力により、増圧器20の進行方向反転後の吸込み側の媒体室(例えば端検知器292が検知しているときの第1室21)からの、作動媒体ポンプ11による作動媒体F1の吸込み特性が改善する。
【0095】
作動媒体ポンプ11が反転して回転を開始すると、ピストン23は、進行方向を切り替え、駆動シリンダ24内の移動端から離れる方向に進行する。すると、端検知器からの端検知信号の出力が止まる。進行方向制御手段42aは端検知信号の出力停止を受け取る(S12)。
【0096】
作動媒体ポンプ11が、作動媒体F1を最大流量で吐き出し続けると、次第にプランジャ261が進行(左行)し、超高圧シリンダ251内の圧力が上昇する。超高圧シリンダ251内の圧力上昇は、作動媒体F1の圧力P1の上昇を伴う。従って、作動媒体ポンプ11の入力軸の回転トルクTrが上昇する。
【0097】
負荷判別手段42eは、作動媒体ポンプ11の入力軸の回転トルクTrを監視している(S13)。回転トルクTrが限界トルクTrLに到達する(S13のYES)と、定格運転手段42mは、作動媒体F1を定格流量で吐き出すように、作動媒体ポンプ11の回転速度を制御する(S14)。回転トルクTrが限界トルクTrLに到達しないとき(S13のNO)、ステップS15を実行する。
【0098】
なお、回転トルクTrが限界トルクTrLに到達する条件に替えて、回転トルクTrが限界トルクTrLを超過する条件を利用できる。
【0099】
第2の圧力判別手段42fは、被加圧流体F2の圧力P2を監視している(S15)。圧力P2が第2の判別圧力P2Tに到達するとき(S15のYES)、ポンプ停止判別ステップ(S16)を実行する。圧力P2が第2の判別圧力P2Tに到達しないとき(S15のNO)、ステップS13を実行する。
【0100】
なお、圧力P2が第2の判別圧力P2Tに到達する条件に替えて、圧力P2が第2の判別圧力P2Tを超過した条件を利用できる。
【0101】
また、ステップS14およびステップS15は省いても良い。この場合には、ステップS13のYESは、ステップS16へ移動し、ステップ13のNOは、再度ステップ13を実行するように循環する。そして、この場合には、第2の圧力判別手段42fは設けることを要しない。
【0102】
ポンプ停止指令が操作盤(不図示)から入力されると、流体圧発生装置10の運転を停止する(S16のYES)。流体圧発生装置10の運転停止時には、作動媒体ポンプ11の回転を停止する。増圧器20、アキュームレータ31内に溜まった被加圧流体F2は、ノズル35から噴出する。それに伴い、被加圧流体F2の圧力P2は徐々に低下する。そして、回路内の作動媒体F1は、絞り153およびリーク回路113を介してタンク17に回収される。作動媒体F1の圧力P1、被加圧流体F2の圧力P2が共に大気圧となったときに、流体圧発生装置10は、安全に停止する。
【0103】
ポンプ停止指令が入力されない(S16のNO)とき、制御装置40は、噴射信号(=1)の出力の有無によって、分岐判断する(S17)。噴射信号(=1)が出力されていれば(S17のYES)、ステップS7へ進む。噴射信号(=1)が出力されないとき(S17のNO)、ステップS4へ進む。
【0104】
本実施形態の流体圧発生装置10は、上記の構成、方法の作用効果により、非常に平滑な被加圧流体F2の圧力波形を得ることができる。また、噴射停止後の噴射再開時にも、被加圧流体F2の圧力波形の乱れが少ない。このため、流体圧発生装置10は、非常に安定したウォータージェットを噴出することができる。そして、作動媒体F1を駆動源として被加圧流体F2を超高圧に加圧するため、大流量の流体圧発生装置10を得ることができる。さらに、噴射停止時の待機電力を大幅に低減できる。
【実施例】
【0105】
上述の実施形態の流体圧発生装置10の一実施例の運転波形を、
図4に従って説明する。但し、本発明の技術的範囲が以下の実施例によって限定されるものではない。
本実施例における流体圧発生装置10は、次の構成を持つ。第2のフィードバック制御手段42pは、定格フィルタ42qを備えている。作動媒体ポンプ11は、両回転型の斜板式可変容量型ポンプを用いている。流体圧発生装置10は、アキュームレータ31を備えている。制御装置40は、押しのけ容積制御手段42dを備えている。制御装置40は、作動媒体ポンプ11の押しのけ容積を制御するステップS1、ステップS4およびステップS7を実行する。しかし、被加圧流体F2の噴射時の定格運転ステップ(S14)、被加圧流体F2の圧力比較ステップ(S15)を実行しない。
【0106】
まず、被加圧流体F2の噴射時の運転波形(挙動)について以下に説明する。設定圧力P0は、600MPaである。
【0107】
図4(a)は、作動媒体ポンプ11の回転速度n[%]対時間t[s]の関係を示す。ここで、定格回転速度を100%とする。破線は、指令回転速度を示す。実線は、実行回転速度を示す。指令回転速度、実行回転速度共に、当初−50%程度で移行している。指令回転速度は、t=0.25sで垂直に130%まで変化する。実行回転速度は、若干遅れて立ち上がり、t=0.3sで指令値に到達する。t=0.25sで回転速度の符号が反転した。これは、反転ステップ(S10)が実行されたことを示している。そして、t=0.3〜0.6sの間、最高回転速度である130%に保持されている。これは、ステップS11の実行を示している。t=0.6sで、回転トルクTrが限界トルクTrLを超過し(S13のYES)、被加圧流体圧力フィードバック制御に移行している(S8)。被加圧流体圧力フィードバック制御に移行した後もしばらくの期間は、第2のフィードバック制御手段42pが、定格回転速度を超える回転速度を演算する。しかし、定格フィルタ42qの作用により、回転速度nが定格回転速度に抑制されている。第2のフィードバック制御手段42pが演算する回転速度noutが、定格回転速度nrを下回ると、徐々に回転速度が低下し、ほぼ一定の回転速度に落ち着く。定格回転速度を下回る時は、t=1.1sである。t=1.3〜2.7sにおいては、回転速度がほぼ一定値を示している。この期間、ピストン23は、一定速度で動作している。t=2.7sで端検知器291又は292がピストン23を検知する。ここで進行方向制御手段42aは、増圧器20の進行方向を反転する(S10)。最大運転手段42kは、逆転方向に最大回転速度である−130%を指令する(S11)。逆転時の波形は、前述と同様に変化する。
【0108】
図4(b)は、被加圧流体F2の圧力P2[MPa]対時間t[s]の関係を示す。増圧器20の進行方向が反転するt=0.25sで圧力P2が一旦低下し、0.7sで再度上昇している。アキュームレータ31に貯蔵されている被加圧流体F2によって、圧力変動が移動平均をとったように推移するため、圧力低下は抑制される。圧力P2は、設定圧力P0の実に95%である570MPaまでしか低下しない。作動媒体ポンプ11の回転速度が定格回転速度から徐々に低下する1.1sでは、圧力P2は、設定圧力P0=600MPaに到達している。逆から見ると、圧力P2が、設定圧力P0に到達したために、ピストン23の移動速度は、被加圧流体F2の噴射流量を超高圧シリンダ251、252の断面積で割った値である速度まで低下している。これが、
図4(a)における作動媒体ポンプ11の回転速度nの挙動に表れている。t=1.1〜2.7sの期間は、ほぼ設定圧力P0=600MPaに保たれている。また、圧力P2のオーバーシュートはほとんど観察されない。本実施例の流体圧発生装置10が発生する圧力P2は、非常に高いレベルで安定した圧力波形を呈する。
【0109】
図4(c)は、作動媒体ポンプ11の入力軸の回転トルクTr[%]対時間t[s]の関係を示す。ここで、定格トルクを100%とする。t=0〜0.25sの区間において、回転トルクTrは、−100%付近で推移している。増圧器20の進行方向が反転するとき(t=0.25s)に、回転トルクTrの絶対値は、急激に低下する。被加圧流体F2の圧力P2が再度上昇を開始するt=0.7sに向けて、回転トルクTrの符号が反転して、回転トルクTrは急激に上昇する。圧力P2が上昇に転じたとき(t=1.4s)、回転トルクTrは、定格フィルタ42qの作用により、ほぼ定格値付近の90%程度に抑制されている。作動媒体ポンプ11の回転速度nが低下を開始したとき(t=1.1s)から、定格トルク100%前後で振動しながら推移する。増圧器20の進行方向が反転(t=2.7s)した後は、上記と同様の変化が繰り返し現れる。
【0110】
図4(d)は、作動媒体F1の圧力P1[MPa]対時間t[s]の関係を示す。作動媒体ポンプ11の回転方向が反転した時(t=0.25s)に、圧力P1が一旦低下している。作動媒体ポンプ11の回転方向が反転した後も、圧力低下が一定時間続いている。圧力P1は、22MPaを中心に推移している。被加圧流体F2の圧力P2が上昇に転ずるt=0.6sの直前のt=0.4s時点で圧力P1が上昇に転ずる。圧力P1は、回転トルクTrが限界トルクTrLに到達するt=0.6sから若干遅れてピークを迎え(t=0.7s)、作動媒体ポンプ11の回転速度nが定常値に到達するt=1.2sに若干遅れて下がり止まる。圧力P1は、t=1.5sから増圧器20の進行方向反転まで定常値の22MPa前後で推移する。この圧力が論理圧力PLを示している。増圧器20の進行方向が反転(t=2.7s)した後は、上記と同様の変化が繰り返し現れる。
【0111】
次に、被加圧流体F2の噴射停止時の運転波形について説明する。
t=4.7sに、噴射停止指令が入力している。このとき、噴射開始制御手段42cは、噴射弁34を閉弁する。そして、押しのけ容積制御手段42dは、作動媒体ポンプ11の押しのけ容積を最小化する。第1のフィードバック制御手段42hは、作動媒体F1の圧力P1をフィードバックして、作動媒体F1の圧力P1と、作動媒体F1の目標圧力P1comとの差分が0になるように、作動媒体ポンプ11の回転速度nを制御する。
【0112】
図4(a)を参照して、作動媒体ポンプ11の回転速度nは、被加圧流体F2の噴射停止後、急速に0に近づく。回転速度nは、作動媒体ポンプ11の内部リーク流量と、回収回路18からの回収流量との和に相当する吐き出し量を確保するために、最低限の回転速度とされる。
【0113】
図4(b)に示すように、被加圧流体F2の圧力P2は、580MPaに維持されている。この圧力は、設定圧力P0(=600MPa)よりも若干低い。ここでの圧力P2は、押しのけ容積制御手段42dによる押しのけ容積低下と、増圧器20の速度低下との応答時間の差によるものと考えられる。
【0114】
図4(c)に示すように、作動媒体ポンプ11の入力軸の回転トルクTrも、作動媒体ポンプ11の回転速度nと共に、急激に低下し、0%に近づく。このため、消費電力は限りなく低下する。被加圧流体F2の噴射停止時の消費電力(不図示)は、噴射時のピーク時(増圧器20の進行方向を反転するとき)の消費電力の約8%に抑えられている。
【0115】
図4(d)に示すように、作動媒体F1の圧力P1は、若干低下するものの、論理圧力PLよりも低い17MPa程度で維持される。ここで、この圧力は、増圧器20の進行方向を切替える際の16MPaを上回っている。圧力P1がフィードバック制御により、高く維持されるため、被加圧流体F2の噴射再開時には、被加圧流体F2の圧力P2は、速やかに上昇する。
【0116】
最後に、被加圧流体F2の噴射再開時の運転波形について説明する。
被加圧流体F2の噴射再開時(t=7.75s)は、噴射停止直前の増圧器20の進行方向を引き継ぐ。そして、回転速度波形(
図4(a))、被加圧流体F2の圧力波形(
図4(b)、回転トルク波形(
図4(c))、作動媒体F1の圧力波形(
図4(d))の全てにおいて、概ね進行方向の反転時と同様の波形を描く。
【0117】
本実施例における、被加圧流体の圧力波形、作動媒体の圧力波形は、共に、非常に変化の少ない波形を示している。そして、噴射停止および噴射再開の前後においてもその波形の乱れは小さい。そのため、本実施例の流体圧発生装置を用いたウォータージェット装置は、噴射中、及び噴射停止後の噴射再開時において非常に乱れの少ないウォータージェットを提供できる。
また、噴射停止時においては、作動媒体ポンプ11の回転速度n、モータ12の回転トルクTrが非常に低い。これは、エネルギー効率が高いことを明確に示している。
【0118】
(第2実施形態)
第1実施形態では、閉回路型の流体圧発生装置10について説明したが、本発明は、開回路型の流体圧発生装置70についても、適用できる。本実施形態では、流体圧発生装置70への適用例について説明する。ここで、第1実施形態と同一の構成、機能、ステップについては、同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0119】
図5は、流体圧発生装置70の回路図を示している。作動媒体ポンプ71は、開回路用のポンプである。作動媒体ポンプ71として、可変容量型ポンプ、固定容量型ポンプその他の容積式ポンプが利用できる。作動媒体ポンプ71は、サーボモータであるモータ12により駆動される。モータ12は、作動媒体ポンプ71の回転方向である一方向にのみ回転する。作動媒体ポンプ71の吐出し口には、リーク弁72が設けられ、急激な圧力上昇があった場合に作動媒体回路を保護する。流路切替弁73は、増圧器20の進行方向を切り替える。圧力検知器156は、作動媒体F1の圧力P1を検知する。制御装置40は、端検知器291、292、圧力検知器156、33からの信号に基づいて、モータ12、流路切替弁73を制御する。その他、開回路型の流体圧発生装置70の構成は既知であるため、その詳細な説明を省略する。
【0120】
図6は、流体圧発生装置70の機能ブロック線図を示す。進行方向制御手段42aは、端検知器291、292の信号に基づいて、流路切替弁73を切り替える。回転制御手段42gは、モータ12を一方向の回転方向にのみ回転するため、進行方向制御手段42aからの信号を受けない。
【0121】
上記構成によれば、開回路型の流体圧発生装置70において、被加圧流体F2の圧力P2を安定的に制御できる。