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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-64303(P2017-64303A)
(43)【公開日】2017年4月6日
(54)【発明の名称】遊技場用システム及び遊技用装置
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20170317BHJP
【FI】
   A63F7/02 328
   A63F7/02 354
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2015-196758(P2015-196758)
(22)【出願日】2015年10月2日
(71)【出願人】
【識別番号】000108937
【氏名又は名称】ダイコク電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000567
【氏名又は名称】特許業務法人 サトー国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】岩崎 安隆
【テーマコード(参考)】
2C088
【Fターム(参考)】
2C088BC80
2C088CA35
(57)【要約】
【課題】遊技用装置が出力する情報量を低減することができるようにする。
【解決手段】貸出装置2は、自種別の持玉数を示す電文を出力する場合は、自種別の持玉数のみを示し自種別がいずれの種別かを示す情報を出力しない。これにより、貸出装置2から送信される情報量の低減を図ることができる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の遊技機にそれぞれ対応して設けられ、遊技に使用する遊技価値を遊技者が所持している数である遊技価値数を記憶する複数の遊技用装置と、前記遊技価値数を管理する管理装置とを備え、遊技価値を複数種類設けた遊技場に対応した遊技場用システムにおいて、
前記遊技用装置は、
自装置が対応する遊技機にて使用する遊技価値の種類である自種別を特定可能な情報と、遊技者が所持する前記自種別の遊技価値数とを記憶する自種別記憶手段と、
遊技の進行に伴い減少した分、前記自種別記憶手段が記憶する前記自種別の遊技価値数を減算する減算更新手段と、
他の遊技用装置が対応する遊技機にて使用する遊技価値の種類である他種別を特定可能な情報と、遊技者が所持している前記他種別の遊技価値数とを記憶する他種別記憶手段と、
遊技者による発行操作が行われた場合に、遊技者が所持する各種別の遊技価値数を対応付けた記録媒体を発行する記録媒体発行手段と、
予め定められた出力条件が成立した場合に、前記他種別の遊技価値については当該他種別がいずれの種類か特定可能な情報と、当該他種別の遊技価値数の情報とを他種別遊技価値情報として外部出力する一方、前記自種別の遊技価値については当該自種別がいずれの種類であるのかの情報を含まない様に、前記自種別の遊技価値数の情報を自種別遊技価値情報として外部出力する情報出力手段と、を備え、
前記管理装置は、
前記情報出力手段が出力した前記他種別遊技価値情報及び前記自種別遊技価値情報を入力する入力手段と、
前記入力手段が前記自種別遊技価値情報を入力した場合に、複数の遊技用装置のうちいずれの遊技用装置の情報出力手段が出力した前記自種別遊技価値情報であるかを特定する遊技用装置特定手段と、
前記遊技用装置が対応する遊技価値の種別を特定可能な種別特定情報を記憶する対応種別記憶手段と、
前記遊技用装置特定手段がいずれの遊技用装置の情報出力手段が出力した前記自種別遊技価値情報であるかを特定した場合に、前記種別特定情報に基づいて当該自種別遊技価値情報がいずれの種類であるかを特定する種別特定手段と、
を備えたことを特徴とする遊技場用システム。
【請求項2】
遊技者が所持する遊技価値の種類が複数設けられた遊技場に設置された遊技用装置において、
自装置が対応する遊技機にて使用する遊技価値の種類である自種別を特定可能な情報と、遊技者が所持する前記自種別の遊技価値数とを記憶する自種別記憶手段と、
遊技の進行に伴い減少した分、前記自種別記憶手段が記憶する前記自種別の遊技価値数を減算する減算更新手段と、
他の遊技用装置が対応する遊技機にて使用する遊技価値の種類である他種別を特定可能な情報と、遊技者が所持している前記他種別の遊技価値数とを記憶する他種別記憶手段と、
遊技者による発行操作が行われた場合に、遊技者が所持する各種別の遊技価値数を対応付けた記録媒体を発行する記録媒体発行手段と、
予め定められた出力条件が成立した場合に、前記他種別の遊技価値については当該他種別がいずれの種類か特定可能な情報と、当該他種別の遊技価値数の情報とを他種別遊技価値情報として外部出力する一方、前記自種別の遊技価値については当該自種別がいずれの種類であるのかの情報を含まない様に、前記自種別の遊技価値数の情報を自種別遊技価値情報として外部出力する情報出力手段と、を備えたことを特徴とする遊技用装置
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は遊技場用システム及び遊技用装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、遊技場では、遊技者が獲得した玉やメダルの数をICカード(記憶媒体)に対応付けて管理している。例えば、特許文献1には、会員カードを貸出装置(遊技用装置)が発行する際に、管理装置に対して遊技者が所持している持玉の情報を出力することが記載されている。また、特許文献1には、1玉の貸出レートが異なるパチンココーナーを設けることが記載されている。貸出レートを異ならせることで、レートの高いコーナーで遊技を行いたい遊技者や、レートの低いコーナーで遊技を行いたい遊技者が同じ遊技場内で遊技を行うことが可能となる。この様に、単価が異なる玉を設ける遊技場が増加しつつある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014−104183号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、玉やメダル等、遊技に使用する遊技価値を複数種類設けていると、持玉数の情報を貸出装置が管理装置に出力する際に、当該持玉数の情報に種類の情報を対応付けて出力する必要があり、貸出装置が管理装置に対して出力する通信情報の量が増加してしまう。
【0005】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的は、遊技用装置が出力する情報量を低減することができる遊技場用システム及び遊技用装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によれば、遊技用装置は、自種別の遊技価値を示す情報を出力する場合は、自種別の遊技価値のみを示し自種別がいずれの種別かを示す情報を出力しないので、遊技用装置が出力する情報量を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】一実施形態における遊技場用システムを示す概略図
図2】共通情報を示す図
図3】顧客情報を示す図
図4】中継装置追加情報を示す図
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、遊技場用システムの全体構成を示す概略図である。遊技場内には多数の遊技機1が設置されており、各遊技機1に対応して貸出装置2(複数の遊技機にそれぞれ対応して設けられ、遊技に使用する遊技価値を遊技者が所持している数である遊技価値数を記憶する複数の遊技用装置)及び情報表示装置3が設置されている。これら遊技機1、貸出装置2及び情報表示装置3は、中継装置4(遊技価値数を管理する管理装置)と接続されている。中継装置4は、LAN5を介してホールコンピュータ6(遊技価値数を管理する管理装置)と接続されている。
【0009】
遊技場にはPOS7や残高精算機(図示せず)も設置されている。POS7及び残高精算機も、LAN5を介してホールコンピュータ6と接続されている。POS7は、遊技場内の景品交換カウンタに設けられており、遊技場の係員により操作される。POS7は、カードリーダ(図示せず)を付属しており、一般カード8(ICカード、記録媒体)を当該カードリーダにより受け付けると、その受け付けた一般カード8に対応付けられている持玉に基づいて景品交換が可能であるか否かの判定や、景品交換に関わる情報の記憶等の景品交換処理を行う。この場合、POS7は、一般カード8に記録されている持玉数(獲得価値の大きさ)を取扱うときは、ホールコンピュータ6が一般カード8に対応して予め記憶している持玉数と照合した上で持玉の取扱いを有効とし、その有効とした持玉の範囲内での景品交換を許容する。また、図示しない残高精算機は、一般カード8を受け付けると、その受け付けた一般カード8に記録されている残高の返却処理を行う。
【0010】
ホールコンピュータ6は、遊技場内の例えば事務室等に設置されており、遊技場の管理者が操作するキーボード9、モニタ10、プリンタ(図示せず)等が接続されている。尚、図1では図示を省略したが、実際には例えば数百台の遊技機1がホールコンピュータ6の管理対象となっている。
【0011】
ホールコンピュータ6は、記憶しているコンピュータプログラムにしたがって作動し、遊技機側(遊技機1、貸出装置2等)から送信される遊技信号を受信することにより、遊技機1、貸出装置2等の稼動状況を管理することで、遊技機1の稼動状況を示す遊技データを表示する遊技情報表示サービスを実行したり、遊技者毎の持玉(会員の場合には貯玉も)を記憶管理することで、遊技者が遊技により獲得した遊技媒体を一旦貯蓄し、当日或いは後日遊技に再利用できるようにする貯玉サービスを実行したりする。
【0012】
遊技機1は、CRパチンコ機であり、盤面11に玉を発射する発射装置を構成する操作ハンドル12、上部受皿13、下部受皿14を有すると共に、盤面11に、液晶表示部15、普図入賞口16、第1始動口17、第2始動口18、大入賞口19等を有する。
【0013】
遊技機1は、以下に示すように動作する。
(1)第1始動口17は入賞率が変動しない入賞口(所謂ヘソ入賞口)であり、第2始動口18は入賞率が変動する入賞口(所謂電チュー)である。各始動口17,18への入賞(始動入賞)に応じて大当り抽選を行い、抽選結果を液晶表示部15にて行う図柄変動にて報知し、その変動結果に応じて大当りとなる。
【0014】
(2)図柄変動中に始動入賞した場合には所定の保留上限値(例えば各4つ)まで図柄変動を累積的に保留し、図柄変動終了後に保留している図柄変動を開始する。尚、保留している図柄変動数(保留数)が上限値である状態で始動入賞した場合、図柄変動は保留されない。
【0015】
(3)大当り抽選の当選確率(大当り確率)は1/360であり、大当りがその後確変状態(確変、甘中)となる大当り(確変大当り)となる割合である確変率は(通常状態、確変状態共に)66.6%である。大当りが発生すると15ラウンド(R)分だけ大入賞口19を開放する。1Rの上限入賞数は10玉、上限開放時間は30秒であり、上限入賞数または上限開放時間の何れかが満たされた場合に1Rを終了する。
【0016】
(4)確変中は大当り確率が1/36に向上すると共に、第2始動口18への入賞率が高くなる時短状態(時短)になる。尚、確変は次回大当りまで継続するので、大当り後に大当りでも確変でもない状態である通常遊技状態(通常状態)となる大当り(通常大当り)が発生するまで継続し、その後は所定数(例えば100回)の図柄変動を行うまで時短状態となり、その後に通常状態となる。
【0017】
(5)第2始動口18は普図入賞口16への入賞に応じて変動する普通図柄(普図)が当りとなった場合に入賞率の高い開放状態となる。この場合、普図1回の変動時間は通常状態では30秒であり時短状態では3秒となる。また、開放時間は通常状態では0.3秒であり時短状態では5秒となる。即ち、時短状態では通常状態と比較して普図変動時間が短くなる一方、開放時間は長くなることで第2始動口18の入賞率が高くなる。
【0018】
遊技機1及び当該遊技機1に付設された周辺機器は、遊技者による玉の打込みや各始動口17、18への始動入賞等の遊技の進行に伴って、以下に示す遊技信号を送信する。
アウト信号=消費玉を回収するアウトBOXから送信される消費価値(アウト)を特定可能な信号(稼動信号)である。消費(使用、打込、回収)玉10玉に対して1パルスが送信されるので、「アウト信号数×10」をアウトとして特定する。尚、遊技機1から送信される信号でも良い。
【0019】
セーフ信号=遊技機1から出力される入賞付与価値(セーフ)を特定可能な信号である。払出(付与)玉10玉に対して1パルスが送信されるので、「セーフ信号数×10」をセーフとして特定する。尚、補給装置から送信される補給信号をセーフ信号としても良い。
【0020】
・始動信号=遊技機1から出力される始動入賞により変動(作動)する液晶表示部(役物)15におけるスタート処理(図柄変動、役物作動、単位遊技)を特定可能な信号。図柄変動確定時に出力されるので信号入力に応じて図柄変動を特定するので、「始動信号数×1」をスタート回数として特定する。尚、始動口に入賞したことを示す信号としても良い。
【0021】
・大当り信号=遊技機1から出力される大当り期間を特定可能な信号。大当り中にレベル出力される状態信号なので大当り信号入力中を大当り中として特定する。
・特別状態信号=遊技機1から出力される特別状態(甘中)を特定可能な信号。第2始動口18の入賞率が向上する特別状態中(時短中)にレベル出力される状態信号なので、特別状態信号入力中を特別状態中として特定する。勿論、確変中に出力される信号であっても良い。また、大当り信号と特別状態信号のいずれも入力していない期間を通常状態として特定する。
【0022】
図1では遊技機1としてパチンコ玉を遊技媒体とするパチンコ機を図示したが、遊技場にはパチンコ機が設置されたパチンココーナーと、メダルを遊技媒体とするスロットマシンが設置されたスロットコーナーとが設けられている。パチンココーナーには、1玉4円レートのパチンコ機が設置された4円玉コーナーと、1玉1円レートのパチンコ機が設置された1円玉コーナーとが設けられている。スロットコーナーには、1枚20円レートのスロットマシンが設置された20円メダルコーナーと、1枚5円レートのスロットマシンが設置された5円メダルコーナーとが設けられている。つまり、遊技場(遊技価値を複数種類設けた遊技場)には、遊技機1にて使用する遊技価値の種類及びレートが異なるコーナーが複数設けられている。尚、レートとしては貸出レートと交換レートとを同一レートとしているが異なるレートを採用しても良い。また、スロットマシンの詳細な説明は省略する。
【0023】
貸出装置2は、図示しない制御装置(自種別記憶手段、減算更新手段、他種別記憶手段、記録媒体発行手段、情報出力手段)を備えて構成されており、所謂各台計数機能付の貸出機であり、貸出装置2の遊技状態を示す状態表示部20、貨幣(遊技者所有の貨幣価値)が投入される貨幣投入口21、遊技者からの操作入力を受け付けると共に持玉数や貯玉数等の再プレイに関わる情報、或いは遊技の進行に伴って図柄変動回数(スタート回数)や大当り確率等の遊技データを表示するタッチパネル式の液晶表示部22、持玉または貯玉を払い出すための払出釦23、払い出された玉が通過する払出ノズル24、カードが挿入されるカード挿入口25、遊技機1の下部受皿14の下方に位置する着脱可能な計数受皿26等を有する。
【0024】
貸出装置2は、以下に示す機能を備えている。
(1)貨幣が貨幣投入口21に投入されたことで、貨幣を受け付け(貨幣受付処理)すると、遊技機1と貸出装置2との双方において入金額を残高に加算して表示する。残高がある状態で遊技機1の貸出釦(図示せず)が押下げされると、貸出1単位(例えば500円)分の貸出玉(対価付与価値)の数を、内部記憶している自種別のレート(自装置が対応する遊技機にて使用する遊技価値の種類である自種別を特定可能な情報)に基づいて演算して遊技機1内部の払出機構から払い出し(貨幣価値と引換に、遊技に使用可能な遊技価値を付与する貸出処理を行い)、その対価分を残高から減算する。尚、貨幣は複数回分の対価付与処理の対応分を受付可能である(例えば1万円まで)。
【0025】
(2)遊技機1の下部受皿14が操作された(開放された)ことで、下部受皿14から落下した玉を計数受皿26で受けると、その受けた玉を持玉(計数玉)として計数して持玉数(遊技者が所持する自種別の遊技価値数)として記憶すると共に液晶表示部22に表示する。持玉がある状態で貸出装置2の払出釦23が押下げされると、持玉の一部を遊技機1内部の払出機構から払い出し、その払出分を持玉数から減算(遊技の進行に伴い減少した分、自種別記憶手段が記憶する自種別の遊技価値数を減算)する。尚、この場合も、玉の払い出しを貸出装置2により行っても良い。
【0026】
(3)残高または持玉がある状態で遊技機1の返却釦(図示せず)が押下げされると(遊技者による発行操作が行われた場合に)、残玉及び合計持玉(引換分を除いた残有価価値)を特定可能な一般カード8を発行する(遊技者が所持する各種別の遊技価値数を対応付けた記録媒体を発行する)。一般カード8がカード挿入口25に挿入されている状態で返却釦が操作されたときには、そのカード挿入口25に挿入されている一般カード8に残高及び合計持玉の情報を対応付けて(記録して)発行し、一般カード8がカード挿入口25に挿入されていない状態で返却釦が操作されたときには、カードストック部(図示せず)にストックしている一般カード8をカード挿入口25に繰出して残高及び合計持玉を記録する(対応付ける)ことで一般カード8として発行する。
【0027】
他種別の情報と、当該他種別の持玉とが記録された一般カード8を読取った場合は、他種別の情報と、当該他種別の持玉とを対応付けて記憶し、一般カード8を発行した際に(予め定められた出力条件が成立した場合に)、他種別の持玉数を記憶している場合は当該他種別の情報(他種別の遊技価値については当該他種別がいずれの種類か特定可能な情報)及び当該持玉数の情報(当該他種別の遊技価値数の情報)、自種別の持玉数が有る場合、自種別については当該持玉数のみの情報(自種別の遊技価値については当該自種別がいずれの種類であるのかの情報を含まない様に、前記自種別の遊技価値数の情報)、発行した一般カード8を特定可能な情報(カードID、記録媒体情報)、一般カード8に記録した残高及び合計持玉の情報等を含む顧客情報(他種別遊技価値情報、自種別遊技価値情報)をホールコンピュータ6に送信する(外部出力する)。尚、後述するように残高や合計持玉の一部を発行対象とする分割発行も可能とする。また、一般カード8を受け付けた場合は、その残高や持玉を引継ぐ。
【0028】
(4)会員カード(ICカード、記録媒体)もカード挿入口25へと挿入することで受付可能で、会員カードに対しても一般カード8同様に持玉や残高を対応付け可能である。但し、残高は一般カード8同様に会員カードに書き込まれるが、持玉は会員カードには書込まれず、ホールコンピュータ6にて会員カードのIDである会員IDに対応付けて管理され、会員IDが対応づけられると貯玉として特定される。即ち、会員IDに対応付けられた持玉が貯玉、一般カード8に対応付けられる等の未対応のものが真の持玉となる。貯玉は営業日当日以外の期間を含む期間にて獲得した遊技価値であるから、翌日以降も払戻処理や景品交換等を可能とするが、持玉は当日限り有効(貯玉の内、当日預入れられた当日貯玉の場合、翌日以降は貯玉扱い)等、異なる有効期限が設けられる等の違いがある。会員カードを発行する場合、一般カード8と同様に、会員カードを発行すると(予め定められた出力条件が成立した場合に)、他種別の持玉数が有る場合は当該他種別の情報(他種別の遊技価値については当該他種別がいずれの種類か特定可能な情報)及び当該持玉数の情報(当該他種別の遊技価値数の情報)、自種別の持玉数が有る場合は、自種別については当該持玉数のみの情報(自種別の遊技価値については当該自種別がいずれの種類であるのかの情報を含まない様に、前記自種別の遊技価値数の情報)、発行した会員カードを特定可能な情報(会員ID、記録媒体情報)、残高及び合計持玉の情報等を含む顧客情報(他種別遊技価値情報、自種別遊技価値情報)をホールコンピュータ6に送信する(外部出力する)。以下、説明の簡単化のために一般カード8について説明し、会員カードについての説明は省略する。
【0029】
(5)中継装置4との間でデータ通信(シリアル通信)を行うことで、ホールコンピュータ6等にて貨幣の受付、玉の計数値、カードの発行やカードの受付等を特定可能とする。これらをパルス信号(例えば入金1000円毎に1パルス、売上100円毎に1パルス等)にて特定可能としても良い。尚、貸出玉や持玉の一部を払い出す際のデータ通信については中継装置4を介さずに遊技機1との間で直接行っても良い。
【0030】
一般カード8には上述した様に各口座に関する顧客情報が記憶可能となっており、自種別(例えば20円メダルコーナーに設置した貸出装置2であれば、20円メダルが自種別)以外に他種別を特定可能な情報(他の遊技用装置が対応する遊技機にて使用する遊技価値の種類である他種別を特定可能な情報)と当該他種別の持玉数(遊技者が所持している他種別の遊技価値数)も対応付けて記憶可能である。
【0031】
貸出装置2は、自種別のみの持玉が記録された一般カード8を発行した場合は、持玉数として自種別の持玉数のみが記録された電文を中継装置4に送信し、他種別のみの持玉が記録された一般カード8を発行した場合は、他口座精算情報のみが記録された電文を送信する。そして、自種別の持玉と他種別の持玉が記録された一般カード8を発行した場合は、自種別の持玉数と他口座精算情報が記録された電文を送信する。他口座情報を送信する場合は、他種別のうち、持玉数が0でない(1以上)のもののみ、種別番号と持玉数とを組にして出力する。
【0032】
電文は、他種別については、持玉数と種別の情報とを組にしている。一方、自種別については、持玉数の情報は含むが自種別を特定可能な情報は含まない。また、これら自種別及び他種別の電文は、一連の電文としてまとめて出力する。
【0033】
電文は、共通情報と顧客情報とから構成されている。
図2は共通情報を示している。共通情報は、カード区分及びカードIDであり、「詳細」はそれらの具体的な値を示している。カード区分は16進数(0x)で「00」が一般カード8を示し、「01」が会員カードを示す。カードIDはカードを識別するための識別番号である。
【0034】
図3は顧客情報を示している。顧客情報は、持玉数及び他口座精算情報であり、「詳細」はそれらの具体的な値を示している。持玉数は自種別(自口座)の持玉数を示し、他口座情報は他種別(他口座)の持玉に関する情報である。他口座精算情報は、種別情報、持玉数……であり、「詳細」はそれらの具体的な値を示している。尚、種別番号「1」が20円メダルに対応し、種別番号「2」が5円メダルに対応し、種別番号「3」が4円玉に対応し、種別番号「4」が1円玉に対応する。
【0035】
図3に示す例では、例えば自種別の持玉数として1000玉、20円メダルとして500枚、5円メダルとして800枚を一般カード8に記憶していることを示している。
ホールコンピュータ6には、上述した各コーナーのレートに対応する複数の口座が設定されており、貸出装置2から受信した電文に基づいてカードIDや会員IDと対応付けて口座を管理する。本実施形態では、カードIDや会員IDに対応付けて4円玉口座、1円玉口座、20円メダル口座、5円メダル口座がそれぞれ設定されている。
【0036】
ところで、上述した様に貸出装置2が出力する電文には自種別に関する情報が含まれていないことから、貸出装置2の自種別を特定するための情報を中継装置4が電文に付加してホールコンピュータ6に出力するようになっている。
即ち、中継装置4は、貸出装置2から電文を受信した場合は、その電文を受信した接続端子(情報出力手段が出力した他種別遊技価値情報及び自種別遊技価値情報を入力する入力手段)に基づいて当該接続端子に対応付けられた台番号及び種別情報を特定し、電文に台番号及び種別情報を追加する。
【0037】
具体的には、中継装置4の制御装置(遊技用装置特定手段、対応種別記憶手段、種別特定手段)は、貸出装置2と接続された接続端子に対応付けて台番号及び種別情報を予め記憶しており、貸出装置2から電文を受信した場合に(入力手段が自種別遊技価値情報を入力した場合に)、当該電文を出力した貸出装置2を特定(複数の遊技用装置のうちいずれの遊技用装置の情報出力手段が出力した自種別遊技価値情報であるかを特定)する。そして、予め記憶している貸出装置2とレートの関係を特定するための情報(遊技用装置が対応する遊技価値の種別を特定可能な種別特定情報)に基づいて、電文を出力した貸出装置2に対応するレートを特定(遊技用装置特定手段がいずれの遊技用装置の情報出力手段が出力した自種別遊技価値情報であるかを特定した場合に、種別特定情報に基づいて当該自種別遊技価値情報がいずれの種類であるかを特定)し、当該電文に台番及び種別情報等の追加情報を付加してホールコンピュータ6に出力する。
【0038】
図4は追加情報の一例を示している。追加情報は、自種別の種別と台番号であり、「詳細」はそれらの具体的な値を示している。
図4に示す例は、4円玉に対応した貸出装置2が電文を出力したことから、中継装置4は、電文を受信した接続端子に基づいて4円玉に対応した貸出装置2であることを特定し、例えば自種別が「3」(4円玉)であることを示す情報と、台番号として1番台であることを示す情報を電文に追加している。
【0039】
ホールコンピュータ6は、中継装置4から電文を受信すると、電文が示す自種別の種別と他口座精算情報に基づいて貸出装置2が発行した一般カード8に対応した顧客情報を特定して当該一般カード8と対応付けて記憶する。
【0040】
そして、上述のようにして貸出装置2から発行された一般カード8を遊技者が他の貸出装置2に挿入したり、景品交換のためにPOS7に挿入したり、精算のために精算機に挿入されると、一般カード8に記憶されている顧客情報と、ホールコンピュータ6に記憶されている顧客情報とが照合され、正しく照合され場合は、貸出装置2での遊技媒体の貸出が可能となったり、POS7での景品交換が可能となったり、精算機での精算が可能となる。
【0041】
このような実施形態によれば、次のような効果を奏することができる。
貸出装置2は、自種別の持玉数を示す電文を出力する場合は、自種別の持玉数のみを示し自種別がいずれの種別かを示す情報を出力しないので、貸出装置2から送信される情報量の低減を図ることができ、ノイズの影響を受けにくくする効果や、不正行為の対象となりにくくすることができる。
【0042】
一方、中継装置4は、貸出装置2から受信した電文に自種別がいずれの種別かを示す情報を付加してホールコンピュータ6に送信するので、貸出装置2が自種別を示す情報を省略するにしても、ホールコンピュータ6に貸出装置2がいずれの種別かを示す情報を正しく出力することができる。
【0043】
また、貸出装置2において、他種別については玉が増えることはないが、自種別は計数して玉が増えることがあるため、玉を貸し出して計数値を増やしてから自種別の情報を書換える(例えば1円から4円に書換える)ことで、利益を得る不正行為が行われることが想定できる。これに対して、本実施形態では、自種別がいずれの種別かを示す情報が電文に含まれていないため、自種別の情報を書換える不正が行われることを抑制できる。
【0044】
(その他の実施形態)
本発明は、上記実施形態に限定されることなく、次のように変形または拡張したり、各変形例を上記実施形態と組み合せたり、各変形例を組み合わせたりすることができる。
例示した遊技機以外の遊技機に本願発明を適用しても良く、例えば、玉が封入されており、得点を消費して玉を発射する封入式パチンコ遊技機や、メダルを使用することなく得点を消費する完全クレジットスロットマシンに対応することも可能である。この場合、得点やクレジットを遊技価値として取り扱うことも可能である。
【0045】
記録媒体として、ICカードを使用する構成としたが、ICカードとは異なる記録媒体を使用して良く、例えば、コイン型の記録媒体や、スティック型の記録媒体を使用することも可能である。
種別として、1円玉、4円玉、5円メダル、及び20円メダルを設ける構成としたが、本構成に代えてまたは加えて、10円メダルや2円玉等を設ける構成としても良い。また、例えば、4円玉及び4円メダル等、単価は同じだが遊技媒体が異なるものを別の種別として取り扱っても良い。つまり、種別の内容は任意に変更しても良い。
【0046】
自種別の持玉や他種別の持玉に関する情報を一連の電文として出力する構成としたが、自種別の情報と他種別の情報とを異なる電文で出力するようにしても良い。つまり、複数回にわけて電文を出力することも可能である。
中継装置4が、台番号と種別情報とを追加する構成としたが、中継装置4が台番号のみを追加するようにしても良い。この場合、ホールコンピュータ6が台番号から当該台番号に対応した種別を特定するようすれば良い。
【0047】
中継装置4を設ける構成としたが、中継装置4を設けず貸出装置2が出力した電文をホールコンピュータ6が直接入力する構成としても良い。この場合、ホールコンピュータ6が貸出装置2と種別とを対応付けた種別テーブルを記憶しておき、接続端子から電文を出力した貸出装置2を特定し、種別テーブルと比較することによって種別を特定するようにしても良い。
【0048】
ICカードに、持玉数及び種別の情報を記憶する構成としたが、ICカードに持玉数及び種別の情報を記憶しないようにしても良い。この場合、ICカードのIDからホールコンピュータ6で記憶している持玉数を特定し、その持玉数に基づいて玉やメダルの払い出しを行えば良い。
ICカードの発行操作が行われた場合に、持玉数の情報を出力する構成としたが、出力タイミングを任意に変更しても良く、例えば所定時間が経過する度に出力する構成や、持玉数が変化する度に出力する構成が考えられる。
【0049】
貸出装置2を遊技機とは別体で設ける構成としたが、貸出装置2が遊技機と一体で設けられていても良い。
貸出装置2は、持玉数を内部記憶する構成としたが、持玉数は貸出装置2にて内部記憶する必要はない。例えば、持玉数を内部記憶することなく受け付けている一般カード8に持玉数を書き込み、随時当該持玉数を更新する構成としても良い。この場合でも、一般カード8が自種別記憶手段や他種別記憶手段として機能することになり、遊技用装置が自種別記憶手段や他種別記憶手段を備えているということが可能である。
【0050】
本発明を乗入れが可能な遊技場に適用しても良い。乗入れとは、コーナーで使用可能なメイン口座(コーナーで優先的に使用する持玉のことで、例えば、4円玉コーナーであれば4円玉口座)以外のサブ口座(同じく4円玉コーナーであれば1円玉口座)を使用可能なことであり、例えば、4円玉コーナーにおいて1円玉口座に1000玉の貯玉或いは持玉(当日貯玉)があれば、4円玉250玉として持玉の払い出しに使用できる。
【符号の説明】
【0051】
図面中、1は遊技機、2は貸出装置(遊技用装置、自種別記憶手段、減算更新手段、他種別記憶手段、記録媒体発行手段、情報出力手段)、4は中継装置(管理装置、遊技用装置特定手段、対応種別記憶手段、種別特定手段)、6はホールコンピュータ(管理装置)である。
図1
図2
図3
図4