特開2017-64850(P2017-64850A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-64850(P2017-64850A)
(43)【公開日】2017年4月6日
(54)【発明の名称】細穴放電加工機
(51)【国際特許分類】
   B23H 7/26 20060101AFI20170317BHJP
   B23H 1/04 20060101ALI20170317BHJP
   B23H 1/10 20060101ALI20170317BHJP
   B23H 9/14 20060101ALI20170317BHJP
【FI】
   B23H7/26 Z
   B23H1/04 Z
   B23H1/10 Z
   B23H9/14
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2015-193176(P2015-193176)
(22)【出願日】2015年9月30日
(11)【特許番号】特許第6073434号(P6073434)
(45)【特許公報発行日】2017年2月1日
(71)【出願人】
【識別番号】000154990
【氏名又は名称】株式会社牧野フライス製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100102819
【弁理士】
【氏名又は名称】島田 哲郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100153084
【弁理士】
【氏名又は名称】大橋 康史
(74)【代理人】
【識別番号】100147555
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 公一
(74)【代理人】
【識別番号】100171251
【弁理士】
【氏名又は名称】篠田 拓也
(72)【発明者】
【氏名】藤田 邦雄
【テーマコード(参考)】
3C059
【Fターム(参考)】
3C059AA01
3C059AB01
3C059DA03
3C059DA07
3C059DD01
3C059DD10
3C059HA13
3C059HA14
(57)【要約】
【課題】小径のパイプ電極を損傷することなく、容易にシール部材に挿通して電極ホルダに取り付け可能な細穴放電加工機を提供すること。
【解決手段】パイプ電極中に加工液を流通させながら、該パイプ電極とワークとの間で放電させ、ワークに細穴を加工する細穴放電加工機が、送り軸で全体パイプ電極をワークに対して相対移動させる電極ホルダ10と、パイプ電極30を通す貫通穴26と、電極ホルダ30と係合するテーパ部24とを有し、該テーパ部24にスリット24aを形成したシール部材20と、パイプ電極30を把持するコレット16とともにシール部材20を押圧するナット18とを具備する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
主軸先端に装着されたパイプ電極中に加工液を流通させながら、該パイプ電極とワークとの間で放電させ、ワークに細穴を加工する細穴放電加工機において、
前記主軸先端に設けられ、前記パイプ電極を把持する電極ホルダと、
前記パイプ電極を通す貫通穴と、前記電極ホルダと係合するテーパ部とを有し、該テーパ部にスリットを形成したシール部材と、
前記電極ホルダとねじ結合し、前記パイプ電極を把持するコレットとともに前記シール部材を主軸後方へ向けて押圧するナットと、
を具備することを特徴とした細穴放電加工機。
【請求項2】
前記シール部材は、前記貫通穴に平行に延びるストレート部を有し、前記テーパ部は、該ストレート部の一端に設けられており、前記スリットは、前記テーパ部の領域にのみ形成されている請求項1に記載の細穴放電加工機。
【請求項3】
前記スリットは、前記貫通穴を中心として放射状に複数本設けられている請求項2に記載の細穴放電加工機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、小径のパイプ電極を容易に電極ホルダに着脱可能にした細穴放電加工機に関する。
【背景技術】
【0002】
細穴放電加工の典型例として、タービンブレードの表面を冷却する冷却空気を流すための冷却孔をタービンブレードの表面に形成する場合がある。こうした、細穴放電加工では、中空状のパイプ電極を用いて、その先端から高圧の加工液を噴出させつつ、パイプ電極とワークとの間で放電させながら加工が行われる。その際、高圧の加工液の漏洩を防止するために、電極挿通穴を形成したシール部材を介してパイプ電極を放電加工機の主軸先端に設けられた電極ホルダに把持している。シール効果を高めるため、電極挿通穴の内径は、パイプ電極の外径毎に用意し、各パイプ電極の外径よりほんの少し大きいだけである。パイプ電極の外径が1mm以上の場合には、パイプ電極の剛性が高いため、パイプ電極を比較的容易にシール部材の電極挿通穴に通すことができる。一方、パイプ電極の外径が1mmよりも小さくなると、パイプ電極の剛性が著しく小さくなるため、シール部材の電極挿通穴への挿通時にパイプ電極が損傷してしまうことがある。
【0003】
特許文献1には、シール部材に大きめの電極挿通穴を形成し、加工液の高圧を利用して電極挿通穴を縮径して、シール部材のシール性能を保ちながら、電極挿通穴にパイプ電極を通し易くした細穴放電加工機が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平03−060930号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の発明では、加工液の圧力でシール部材を変形させているため、電極挿通穴を縮径できる範囲は小さくなる。そのため、パイプ電極の外径に適合する電極挿通穴を形成した多くのシール部材を予め準備しなければならない。また、加工液の圧力による縮径作用では、電極パイプ電極と電極挿通穴との間の隙間を完全に除去することは難しく、シール性能が低下する問題がある。
【0006】
本発明は、こうした従来技術の問題を解決することを技術課題としており、小径のパイプ電極を損傷することなく、容易にシール部材に挿通して電極ホルダに取り付け可能な細穴放電加工機を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述の目的を達成するために、本発明によれば、主軸先端に装着されたパイプ電極中に加工液を流通させながら、該パイプ電極とワークとの間で放電させ、ワークに細穴を加工する細穴放電加工機において、前記主軸先端に設けられ、前記パイプ電極を把持する電極ホルダと、前記パイプ電極を通す貫通穴と、前記電極ホルダと係合するテーパ部とを有し、該テーパ部にスリットを形成したシール部材と、前記電極ホルダとねじ係合し、前記パイプ電極を把持するコレットとともに前記シール部材を主軸後方へ向けて押圧するナットとを具備する細穴放電加工機が提供される。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、ナットを締付け、パイプ電極を把持するコレットとともにシール部材を機械的に押圧することによって、シール部材のシール性能を高めるとともに、シール部材にスリットを設けたことによって、シール部材が容易に変形し、貫通穴が縮径してパイプ電極の外面が貫通穴の内面に密着し、パイプ電極と貫通穴との間のシール性を高めることが可能となる。これにより、大きめの電極挿通穴を持った一種類のシール部材で様々な外径のパイプ電極に対応可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の好ましい実施形態による放電加工機の要部構成を概略的に示す正面図である。
図2】本発明の好ましい実施形態による電極ホルダの略示断面図である。
図3】電極ガイドに組み付けた電極ホルダの斜視図である。
図4】電極ガイドから分離した電極ホルダの斜視図である。
図5】シール部材の平面図である。
図6】シール部材の側面図である。
図7図5の矢視線VII-VIIに沿うシール部材の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図1図7を参照して、本発明の実施形態を説明する。
図1は、本発明を適用する放電加工機100の要部構成を概略的に示す正面図である。なお、以下では、便宜上、図示のように直交3軸方向(X軸方向,Y軸方向,Z軸方向)を、それぞれ左右方向、前後方向、上下方向と定義し、この定義に従い各部の構成を説明する。
【0011】
図1において、基台となるベッド102の後部にはコラム104が立設されている。コラム104の上面には、Xスライダ106がX軸方向(左右方向)に移動可能に支持されている。Xスライダ106の上面には、ラム108がY軸方向(前後方向、紙面に垂直な方向)に移動可能に支持されている。ラム108の前面には、主軸頭110がZ軸方向(上下方向)に移動可能に支持されている。主軸頭110には、回転主軸112が軸線CL0を中心として回転可能に支持される。主軸頭110の底面から突出する回転主軸112の先端部に電極ホルダ10が装着される。
【0012】
ラム108の側面にはW軸ガイド組立体140が取り付けられている。W軸ガイド組立体140は、ラム108の右側面に設けられたブラケット136に上下方向に移動可能に支持されたガイドアーム142を有している。このガイドアーム142の上下移動軸をW軸と定義する。W軸はZ軸と平行である。ガイドアーム142の下端部分142aは、W軸またはZ軸に対して斜め内側に傾斜しており、該下端部分142aの先端部にW軸チャック144が設けられている。W軸チャック144は電極ガイド40を保持する。より詳細には、電極ガイド40は、その上端の中心が軸線CL0に一致するように、W軸チャック144によってガイドアーム142の先端に保持される。
【0013】
電極ホルダ10と電極ガイド40との間には、パイプ電極30が軸線CL0に沿って延在し、その上端部が電極ホルダ10に保持されている。回転主軸112が、軸線CL0を中心として回転することによって、パイプ電極30は、電極ホルダ10と共に軸線CL0を中心として回転する。
【0014】
また、主軸112内に設けられた加工液供給管路(図示せず)および電極ホルダ10の加工液供給通路としての貫通穴12a(図2)を介して、例えば水などの加工液がパイプ電極30の内部に供給され、パイプ電極30の先端部(下端部)から加工液が噴射される。なお、加工液として油を用いてもよい。
【0015】
ベッド102の上面には、コラム104よりも前方にテーブル118が配置されている。テーブル118の上面には、傾斜回転テーブル装置120が搭載されている。傾斜回転テーブル装置120は、テーブル118の上面から上方に突設された前後一対の支持部材122と、前後の支持部材122の間に、Y軸方向に延在する旋回軸CLbを中心としてB軸方向に旋回可能に支持された傾斜部材124と、傾斜部材124の左端面に、旋回軸CLbに垂直な回転軸CLaを中心としてA軸方向に回転可能に支持された回転テーブル126とを有する。回転テーブル126にはチャック128が設けられ、チャック128にワーク130が取り付けられる。ワーク130は、例えばガスタービンに用いられるタービンブレードやベーンであり、該タービンブレードの表面には、タービンブレードの表面を冷却する冷却空気を流す冷却孔が加工される。
【0016】
テーブル118の周囲には、テーブル118および傾斜回転テーブル装置120の全体を囲うように昇降可能に加工槽132が設けられている。なお、図1の1点鎖線は、加工槽132が上昇した加工状態であり、段取り作業時等の非加工状態には、加工槽132が実線に示すように下降する。
【0017】
図示は省略するが、図1の放電加工機100は、Xスライダ106を左右方向に移動させるX軸駆動部と、ラム108を前後方向に移動させるY軸駆動部と、主軸頭110を上下方向に移動させるZ軸駆動部と、軸線CL0を中心に回転主軸112を回転させる主軸駆動部と、ガイドアーム142を上下方向に移動させるW軸駆動部と、旋回軸CLbを介して傾斜部材124を傾斜させるB軸駆動部と、回転軸CLaを介して回転テーブル126を回転させるA軸駆動部とをそれぞれ有する。X軸駆動部、Y軸駆動部、Z軸駆動部およびW軸駆動部は、例えばボールねじとボールねじを回転駆動するサーボモータにより構成され、主軸駆動部は、例えばスピンドルモータにより構成され、B軸駆動部およびA軸駆動部は、例えばDD(ダイレクトドライブ)サーボモータにより構成されている。これらX軸駆動部、Y軸駆動部、Z軸駆動部、W軸駆動部、主軸駆動部、B軸駆動部およびA軸駆動部は、放電加工機100のNC装置(図示せず)により制御される。
【0018】
以上の構成により、電極ホルダ10と電極ガイド40がワーク130に対してX軸方向、Y軸方向およびZ軸方向に相対移動可能となり、かつB軸方向およびA軸方向に相対移動可能となる。また、W軸駆動部によるガイドアーム142の昇降により、電極ホルダ10と電極ガイド40との間隔が調整可能となり、パイプ電極30の消耗によるパイプ電極30の長さ変化に拘わらず、加工中、常に電極ホルダ10と電極ガイド40とでパイプ電極30の上下端部を支持することができる。
【0019】
ラム108の前面には、主軸頭110の上下方向のZ軸位置を検出するリニアスケールなどの位置検出器134が設けられている。位置検出器134からの信号により、電極ホルダ10の位置、すなわちパイプ電極30の上端部の位置を検出することができる。ガイドアーム142のブラケット136には、ラム108に対するガイドアーム142の上下方向のW軸位置を検出するリニアスケールのような位置検出器138が設けられている。ガイドアーム142の形状は予め既知であるので、W軸チャック144の位置は、X軸およびY軸の夫々の位置検出器およびW軸の位置検出器138の値から測定することができる。
【0020】
なお、図示は省略するが、W軸ガイド組立体140の側方には電極マガジンが設けられている。電極マガジンには、所定の初期長さを有する交換用の複数のパイプ電極30が電極ホルダ10に装着された状態で保持され、回転主軸112と工具マガジンとの間で、不図示の交換手段により電極ホルダ10とともにパイプ電極30を交換可能となっている。工具マガジンに種々の外径のパイプ電極30を準備するようにしてもよい。更に、放電加工機100は、複数の電極ガイド40を格納するためのガイドマガジン(図示せず)を備えることができる。
【0021】
図2、3を参照すると、電極ホルダ10は、軸方向に延びる加工液通路としての貫通穴12aを有した中空部材より成る本体12を有している。貫通穴12aの上端部分の内周面にはOリング(図示せず)を装着する周溝12bが形成されている。本体12の下端部には、下方に開口した受容凹部12cが形成されている。受容凹部12cの上端は貫通穴12aの下端に接続されており、受容凹部12cと貫通穴12aは互いに連通している。受容凹部12cの上端には、また下方に拡開する円錐状のテーパ面より成るシート部12dが形成されている。
【0022】
受容凹部12c内には、弾性部材特にゴム製のシール部材20、ブッシュ14、パイプ電極30を本体12に固定するコレット16が配置され、ナット18によって固定される。ナット18は、本体12の下端部の外周面に形成された外ねじに螺合する。ナット18を本体12に対して締付けることによって、コレット16が受容凹部12b内に押入される。これによって、パイプ電極30がコレット16に緊締される。
【0023】
図5図7を参照すると、シール部材20は、円筒部22と該円筒部の一端(上端)に設けられたテーパ部24とを有しており、中心軸線に沿ってテーパ部24の先端(上端)面から円筒部22の下端面へ延びる電極受容穴としての貫通穴26が形成されている。貫通穴26にはパイプ電極30が挿通される。また、円筒部22は、その外周面22aが貫通穴26に対して平行に延びるストレート部を形成している。
【0024】
テーパ部24は、受容凹部12cのシート部12dのテーパ面に密着可能なテーパ面を有した円錐台状に形成されている。シール部材20は、テーパ部24に形成されたスリット28を有している。本実施形態では、4つのスリット28が、貫通穴26を中心とする放射状に等角度間隔で配置されている。スリット28は、半径方向にテーパ面から貫通穴26まで延設されており、内側の端部は貫通穴26の内周面に開口している。
【0025】
また、スリット28はテーパ部24のテーパ面から軸方向に所定の深さで切り込まれているが、その深さはテーパ部24の軸方向の長さ(高さ)よりも短くなっており、軸方向に円筒部22までは伸びていない。これによって、テーパ部24には周方向に帯状に延びる無傷のテーパ面より成るシール面24aが形成される。
【0026】
ナット18を本体12に螺合し締め付けることによって、シール部材20は、主軸112の後方へ向けて、本体12の受容凹部12c内に押圧、押入される。これによって、テーパ部24が本体12のシート部12dのテーパ面に密着し、本体12とシール部材20との間がシールされる。上述のように、シール部材20のテーパ部24には、周方向に帯状に延びるシール面24aが形成されているので、スリット28を形成してもシール性が確保されるようになっている。
【0027】
テーパ部24にスリット28を形成することによって、テーパ部24が半径方向内側に変形し易くなり、ナット18を本体12に螺合して締め付けたときに、貫通穴26がテーパ部24の領域で縮径して、貫通穴26の内周面がパイプ電極30の外周面に密着する。これによって、パイプ電極30とシール部材20との間がシールされる。貫通穴26は、特に、その先端部分で非常に大きく収縮することができるので、貫通穴26に対して非常に細いパイプ電極30を用いることが可能となり、例えば、従来パイプ電極30の外径が0.5mm用、0.5〜1.0mm用、1.0〜2.0mm用および2.0mm以上用と4種類のシール部材を準備しなければならなかったのが、2.0mm以上用の貫通穴を有した一種類で済むようになった。貫通穴26の内径が2.5mmのシール部材20に外径が0.5mmのパイプ電極30を挿通しても、確実にシールすることができた。
【符号の説明】
【0028】
10 電極ホルダ
12 本体
12a 貫通穴
14 ブッシュ
16 コレット
18 ナット
20 シール部材
22 円筒部
24 テーパ部
26 貫通穴
28 スリット
30 パイプ電極
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【手続補正書】
【提出日】2016年10月11日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0005
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0005】
特許文献1の発明では、加工液の圧力でシール部材を変形させているため、電極挿通穴を縮径できる範囲は小さくなる。そのため、パイプ電極の外径に適合する電極挿通穴を形成した多くのシール部材を予め準備しなければならない。また、加工液の圧力による縮径作用では、パイプ電極と電極挿通穴との間の隙間を完全に除去することは難しく、シール性能が低下する問題がある。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0007】
上述の目的を達成するために、本発明によれば、主軸先端に装着されたパイプ電極中に加工液を流通させながら、該パイプ電極とワークとの間で放電させ、ワークに細穴を加工する細穴放電加工機において、前記主軸先端に設けられ、前記パイプ電極を把持する電極ホルダと、前記パイプ電極を通す貫通穴と、前記電極ホルダと係合するテーパ部とを有し、該テーパ部にスリットを形成したシール部材と、前記電極ホルダとねじ係合し、前記パイプ電極を把持するコレットとともに前記シール部材を主軸後方へ向けて押圧するナットとを具備し、前記パイプ電極の外径よりも前記貫通穴の内径が大きく形成され、前記ナットを螺合して締め付けたときに前記貫通穴が前記テーパ部の領域で縮径して、前記貫通穴の内周面が前記パイプ電極の外周面に密着する細穴放電加工機が提供される。
【手続補正3】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
主軸先端に装着されたパイプ電極中に加工液を流通させながら、該パイプ電極とワークとの間で放電させ、ワークに細穴を加工する細穴放電加工機において、
前記主軸先端に設けられ、前記パイプ電極を把持する電極ホルダと、
前記パイプ電極を通す貫通穴と、前記電極ホルダと係合するテーパ部とを有し、該テーパ部にスリットを形成したシール部材と、
前記電極ホルダとねじ結合し、前記パイプ電極を把持するコレットとともに前記シール部材を主軸後方へ向けて押圧するナットと、
を具備し、
前記パイプ電極の外径よりも前記貫通穴の内径が大きく形成され、前記ナットを螺合して締め付けたときに前記貫通穴が前記テーパ部の領域で縮径して、前記貫通穴の内周面が前記パイプ電極の外周面に密着することを特徴とした細穴放電加工機。
【請求項2】
前記シール部材は、前記貫通穴に平行に延びるストレート部を有し、前記テーパ部は、該ストレート部の一端に設けられており、前記スリットは、前記テーパ部の領域にのみ形成されている請求項1に記載の細穴放電加工機。
【請求項3】
前記スリットは、前記貫通穴を中心として放射状に複数本設けられている請求項2に記載の細穴放電加工機。