特開2017-66573(P2017-66573A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特開2017066573-襟付き肌着 図000003
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-66573(P2017-66573A)
(43)【公開日】2017年4月6日
(54)【発明の名称】襟付き肌着
(51)【国際特許分類】
   A41B 9/06 20060101AFI20170317BHJP
【FI】
   A41B9/06 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
【全頁数】5
(21)【出願番号】特願2015-196886(P2015-196886)
(22)【出願日】2015年10月2日
(71)【出願人】
【識別番号】596156886
【氏名又は名称】セイコー機器株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100062225
【弁理士】
【氏名又は名称】秋元 輝雄
(74)【代理人】
【識別番号】100186060
【弁理士】
【氏名又は名称】吉澤 大輔
(72)【発明者】
【氏名】盛高 淳一
【テーマコード(参考)】
3B128
【Fターム(参考)】
3B128FB02
3B128FB08
3B128FC04
3B128FC06
3B128SA00
3B128SA01
(57)【要約】
【課題】肌着の首回りを上衣の形態のごとくにし、肌着が上衣として着用したときにも遜色がないようにする。
【解決手段】薄手のニット生地からなる肌着本体2の首回り部3に襟4を設けた。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
薄手のニット生地からなる肌着本体の首回り部に襟が設けられていることを特徴とする襟付き肌着。
【請求項2】
上記襟は織物生地からなるものである請求項1に記載の襟付き肌着。
【請求項3】
上記襟はそれぞれニット生地からなる表地と裏地を重ね合わせて縫製されていて、この襟の表地と裏地のニット生地の編み目の連続方向が互いに異なり、かつ前記表地と裏地のニット生地の編み目の連続方向それぞれが、肌着本体のニット生地の編み目の連続方向と交差する方向とされている請求項1に記載の肌着。
【請求項4】
上記襟の肌着本体の首回り部に対応する位置が首回り部伸長防止手段とされ、肌着本体の首回り部に首回り部伸長防止手段を逢着して、前記襟が肌着本体の首回り部の伸長を抑止する構成を有する請求項1から3の何れか一項に記載の襟付き肌着。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は首回り部に襟を有する肌着に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から綿糸などを用いた編物(ニット)からなる肌着においては、首回り部の形状を丸くした丸首と称される形状のものがあるとともに、首回り部の胸元側をU型に開いているU首と称されるものやV型に開いているV首と称されるものがあり、また前身頃を左右に分けてボタン掛けにより着用する肌着であって首回り部が左身頃と右身頃とに分かれているものもある(例えば特許文献1、2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】意匠登録第1509952号公報(シャツ)
【特許文献2】意匠登録第1111568号公報(アンダーシャツ)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで肌着は下衣として着用されることが前提となっており、肌着の首回り部の形態は着易さが優先され、また上衣で隠れる部分であるため、この首回り部はデザイン性に劣るのが現状である。一方、夏場での外気温が高い屋外においては上半身に肌着のみを着ることが暑さ対策の一つとなる場合があるが、肌着のみの装いが上衣として認められ難く、ドレスコードのような服装マナーが求められるようなところでは肌着のみでの入室、入場が困難になるという問題がある。
【0005】
そこで本発明は肌着の首回りを上衣の形態のごとく見えるようにすることを課題とし、肌着が上衣として着用したときにも遜色がないようにすることを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(請求項1の発明)
本発明は上記課題を考慮してなされたもので、薄手のニット生地からなる肌着本体の首回り部に襟が設けられていることを特徴とする襟付き肌着を提供して、上記課題を解決するものである。
【0007】
(請求項2の発明)
そして、本発明は、上記襟は織物生地からなるものであることが良好である。
【0008】
(請求項3の発明)
また、本発明は、上記襟はそれぞれニット生地からなる表地と裏地を重ね合わせて縫製されていて、この襟の表地と裏地のニット生地の編み目の連続方向が互いに異なり、かつ前記表地と裏地のニット生地の編み目の連続方向それぞれが、肌着本体のニット生地の編み目の連続方向と交差する方向とされていることが良好である。
【0009】
(請求項4の発明)
さらに、本発明は、上記襟の肌着本体の首回り部に対応する位置が首回り部伸長防止手段とされ、肌着本体の首回り部に首回り部伸長防止手段を逢着して、前記襟が肌着本体の首回り部の伸長を抑止する構成を有することが良好である。
【発明の効果】
【0010】
(請求項1の発明の効果)
請求項1の発明によれば、首回り部に襟を備えるため、肌着のデザイン性が向上して上衣の形態に見えるようになるという効果を奏する。
【0011】
(請求項2の発明の効果)
請求項2の発明によれば、襟が型崩れし難くなるという効果を奏する。
【0012】
(請求項3の発明の効果)
請求項3の発明によれば、肌着本体の生地と襟の生地との風合いの連続性を簡単に保つことができるという効果を奏する。
【0013】
(請求項4の発明の効果)
請求項4の発明によれば、襟によって肌着本体の首回り部の伸びが抑えられて、肌着本体の見栄えを維持できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明に係る襟付き肌着の第一の例を示す説明図である。
図2】同じく第二の例を示す説明図である。
図3】第一の例における襟を編物生地からなるものとした変形の例を示す説明図である。
図4】第二の例における襟を編物生地からなるものとした変形の例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
つぎに本発明を図示の実施の例に基づいて説明する。図1は第一の例を示していて、符号1は襟付き肌着であり、該肌着1の肌着本体2は綿糸を用いた編物とした薄手のニット生地からなる半袖の形態とされているものである。
【0016】
上記肌着本体2の首回り部3は図1に示されているように前身頃側を略V字状として、この首回り部3には襟4が取り付けられている。前記襟4は例えば綿糸を用いた織物生地からなるものであり、襟生地を後ろ身頃から前身頃側に亘って折り返しして前身頃の左右に襟羽5が下がる形状に設けられていて、オープンカラー状のスタイルを呈するようにしている。
【0017】
この実施の例での襟4は上述したように織物生地からなるものとして、一層のニット生地(編物生地)からなる上記肌着本体2に比して伸長性が小さくされており、襟の素材自体でこの襟4の肌着本体2の首回り部3に対応する位置を首回り部伸長防止手段6としていて、首回り部2に前記首回り部伸長防止手段6を逢着することによって、前述したように襟4が首回り部3に取り付けられて一体としている。
【0018】
従来の肌着にあっては肌着の脱ぎ着を繰り返えすことで首回り部が伸び易いものであったが、このように首回り部3に首回り部伸長防止手段6を逢着しているので、首回り部3自体が伸び難くなり、この首回り部伸長防止手段6を有する襟4にて首回り部3の伸長を抑止して肌着の型崩れを防止する。
【0019】
また図2は第二の例を示している。この例では、肌着本体2の首回り部3は前身頃側を広目の略U状としていてこの部分に襟4が取り付けられている。そして前記襟4は、首回り部3での後ろ身頃から胸元側に亘って漸次襟生地の高さ寸法を小さくし、前身頃中央部分の位置で重ね合わせられていて、スタンドカラー状のスタイルを呈するようにしたものである。
【0020】
この第二の例においても襟4が織物生地からなるものとされていることから、襟4の肌着本体2の首回り部3に対応する位置を首回り部伸長防止手段6とし、首回り部2に前記首回り部伸長防止手段6を逢着して、この襟4によって首回り部3の伸長を抑止して肌着の型崩れを防止する。
【0021】
上記実施の例における襟4は同じ織物生地である表地4aと裏地4bとを重ねて辺部を縫製したものであり、上記オープンカラーのタイプのものにあっては襟4の台襟となる部分の内側にも表地4aが回り込む形となるようにしている。
【0022】
上記肌着本体2は編物生地は緯編みの平編(天竺)であり、緯編みの編み目の連続方向をXで示している。そして図3図4とは上記実施の例での襟4における表地4aと裏地4bとを共に緯編みの平編とされた編物生地としてなる例を示している。
【0023】
そして、図3図4とに示す例にあっては、襟4の表地4aと裏地4bとがそれぞれの編み目の連続方向Y、Zを同一とせずに交差させて縫製されている。このように編み目の連続方向を交差させて縫製して表地4aと裏地4bとの伸長性を互いに抑止しており、これによって首回り部伸長防止手段6を構成している。さらに表地4aと裏地4bとの編み目の前記連続方向Y、Zそれぞれを、肌着本体2の編み目の連続方向Xに交差させる方向としており、首回り部伸長防止手段6の効果をより高めることができる。
【符号の説明】
【0024】
1…肌着
2…肌着本体
3…首回り部
4…襟
5…襟羽
6…首回り部伸長防止手段
X…肌着本体の緯編みされた織物生地の編み目の連続方向
Y…表地の緯編みされた織物生地の編み目の連続方向
Z…裏地の緯編みされた織物生地の編み目の連続方向
図1
図2
図3
図4