特開2017-66713(P2017-66713A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-66713(P2017-66713A)
(43)【公開日】2017年4月6日
(54)【発明の名称】温調マット装置
(51)【国際特許分類】
   E04F 15/18 20060101AFI20170317BHJP
【FI】
   E04F15/18 X
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2015-193135(P2015-193135)
(22)【出願日】2015年9月30日
(71)【出願人】
【識別番号】000002440
【氏名又は名称】積水化成品工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106909
【弁理士】
【氏名又は名称】棚井 澄雄
(74)【代理人】
【識別番号】100064908
【弁理士】
【氏名又は名称】志賀 正武
(74)【代理人】
【識別番号】100094400
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 三義
(74)【代理人】
【識別番号】100106057
【弁理士】
【氏名又は名称】柳井 則子
(72)【発明者】
【氏名】山口 雅人
【テーマコード(参考)】
2E220
【Fターム(参考)】
2E220AA03
2E220AA04
2E220AA09
2E220AA37
2E220AA51
2E220AB09
2E220BA03
2E220CA05
2E220CA44
2E220CA45
2E220DA19
2E220DB06
2E220FA19
2E220GA02X
2E220GA22X
2E220GA24X
2E220GA25X
2E220GA32Y
2E220GB05X
2E220GB32X
2E220GB33X
2E220GB43X
2E220GB45X
2E220GB47X
(57)【要約】
【課題】均熱材に対してインク表示を行わずに、均熱材の表面から小根太の位置を確実に見分けることができ、床板を小根太に対して確実に釘打ちすることができる。
【解決手段】発熱源11を内部に配設した平板状の温調マット10と、温調マット10の厚さと略同等の厚さを有する長尺の小根太20と、を温調マット10の板面方向に隣接させて配置されて構成され、温調マット10及び小根太20の上面を覆う均熱材30が張設され、小根太20の上面には、小根太20の長手方向X2に沿って一対の凸条21,21が形成された構成の温調マット装置を提供する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
発熱源を内部に配設した平板状の温調マットと、該温調マットの厚さと略同等の厚さを有する長尺の小根太と、を前記温調マットの板面方向に隣接させて配置される温調マット装置であって、
前記温調マット及び前記小根太の上面を覆う均熱材が張設され、
前記小根太の上面には、凸部及び凹部の少なくとも一方が形成されていることを特徴とする温調マット装置。
【請求項2】
前記凸部は凸条であり、前記凹部は凹条であることを特徴とする請求項1に記載の温調マット装置。
【請求項3】
前記凸条及び前記凹条の少なくとも一方が2以上形成され、前記凸条及び前記凹条は前記小根太の幅方向に互いに離間していることを特徴とする請求項2に記載の温調マット装置。
【請求項4】
前記凸部及び前記凹部の少なくとも一方は、2以上形成され、かつ前記小根太の長手方向に沿って間隔をあけて並んでいることを特徴とする請求項1に記載の温調マット装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、暖房設備に設けられる温調マット装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の温調マット装置として、例えば特許文献1に示されるように、温水パイプやヒータ線等の発熱源を内部に配設した温調マットと、その温調マットの厚さと略同等の厚さを有する小根太とを板面方向に隣接させて床下地板上に配置し、それら温調マット及び小根太の上に床板を敷きつめて構成されたものが知られている。
【0003】
また、従来の温調マット装置は、温調マットから発せられる熱を均一に床板に拡散させるために、温調マット及び小根太と床板との間にアルミシート等からなる均熱材が介在されるようになってきている(例えば、特許文献2参照)。
【0004】
このような温調マット装置では、小根太をビスによって床下地板に固定し、さらに小根太の上に床板を固定する際に床板の側面から小根太に向けて斜め方向に釘を打ち込むことが行われている。ところが、従来の温調マット装置において、温調マット及び小根太の上面を覆う均熱材が設けられる場合には、均熱材により小根太を目視することができないうえ、小根太に設けられるビスの位置も確認できない現状があった。そのため、床板を小根太に釘打ちする際に、釘がビスに当たるおそれがあり、慎重、かつ細心の注意を払いながら作業が行われていた。
そこで、このような課題を解決するために、温調マット及び小根太の上面を覆う均熱材を張設した後、その均熱材の表面に小根太の位置および小根太と床下地板を固定するビスの位置を示す印や、小根太における釘打ち可能領域をインクで表示することが行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−134037号公報
【特許文献2】特開2001−73540号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来の温調マット装置において、均熱材の表面にインクを表示する場合には、床板を均熱材とともに釘で打ち抜いて小根太に打ち付ける際に、インクが周囲に飛散するという欠点があり、周囲や作業員が飛散したインクによって汚れるおそれがあり、その点で改善の余地があった。
【0007】
本発明は、上述する問題点に鑑みてなされたもので、均熱材に対してインク表示を行うことなく、均熱材の表面から小根太の位置を見分けることができ、床板を小根太に対して確実に釘打ちすることができる温調マット装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明に係る温調マット装置は、発熱源を内部に配設した平板状の温調マットと、該温調マットの厚さと略同等の厚さを有する長尺の小根太と、を前記温調マットの板面方向に隣接させて配置される温調マット装置であって、前記温調マット及び前記小根太の上面を覆う均熱材が張設され、前記小根太の上面には、凸部及び凹部の少なくとも一方が形成されていることを特徴としている。
【0009】
本発明に係る温調マット装置では、小根太の上面に凸部及び凹部のうち少なくとも一方が設けられているので、凸部及び凹部に位置する均熱材の表面にその凸部及び凹部に対応した凹凸が現れることになる。そのため、温調マット装置上に敷設される床板を釘によって小根太に固定する際に、均熱材に現れた凹凸を目印にすることで、均熱材の上から小根太の所定の位置に対して確実に釘打ちすることができる。
このように、本発明では、従来のように釘打ちの際に、インクで表示する必要が無いため、インクが周囲に飛散するといった不具合を無くすことができる。
【0010】
また、本発明に係る温調マット装置は、前記凸部は凸条であり、前記凹部は凹条であってもよい。
【0011】
本発明に係る温調マット装置では、小根太の上面に凸条及び凹条の少なくとも一方が設けられているので、凸条及び凹条に位置する均熱材の表面にその凸条及び凹条に対応した線条が現れることになる。そのため、温調マット装置上に敷設される床板を釘によって小根太に固定する際に、均熱材に現れた線条を目印にすることで、均熱材の上から小根太の所定の位置に対して確実に釘打ちすることができる。
【0012】
また、本発明に係る温調マット装置は、前記凸条及び前記凹条の少なくとも一方が2以上形成され、前記凸条及び前記凹条は前記小根太の幅方向に互いに離間していることが好ましい。
【0013】
本発明に係る温調マット装置では、均熱材の表面に2以上の線条が現れるから、それらの線条を目印に床板を小根太に対して確実に釘打ちすることができる。
【0014】
また、本発明に係る温調マット装置は、前記凸部及び前記凹部の少なくとも一方は、2以上形成され、かつ前記小根太の長手方向に沿って間隔をあけて並んでいてもよい。
【0015】
本発明に係る温調マット装置では、小根太の上面に凸部及び凹部の少なくとも一方が2以上形成されているので、凸部及び凹部に位置する均熱材の表面にその凸部及び凹部に対応した複数の凹凸が現れることになる。そのため、温調マット装置上に敷設される床板を釘によって小根太に固定する際に、均熱材に現れた凹凸を目印にすることで、均熱材の上から小根太の所定の位置に対して確実に釘打ちすることができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明の温調マット装置によれば、均熱材に対してインク表示を行うことなく、均熱材の表面から小根太の位置を見分けることができ、床板を小根太に対して確実に釘打ちすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の第1の実施の形態による温調マット装置の一部分の構成を示す一部破断した斜視図である。
図2図1に示す温調マット装置の一部分の断面図である。
図3図2に示すA−A線矢視図であって、一部破断した平面図である。
図4】本発明の第2の実施の形態による温調マット装置の一部分の断面図である。
図5】本発明の第3の実施の形態による温調マット装置の一部破断した平面図であって、図3に対応する図である。
図6】第3の実施の形態の変形例による温調マット装置の一部破断した平面図であって、図5に対応する図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態による温調マット装置について、図面を用いて説明する。
【0019】
(第1の実施の形態)
図1乃至図3に示すように、第1の実施の形態による温調マット装置A1は、平面視で矩形をなす平板状に形成され、建物の床部などで床下地板1と床板40との間に敷設される床暖房装置である。
温調マット装置A1は、発熱源11を内部に配設した平板状の温調マット10と、温調マット10の厚さと略同等の厚さを有する長尺の小根太20と、を温調マット10の板面方向に隣接させて配置され、温調マット10及び小根太20の上面を覆う均熱材30が張設された構成となっている。
【0020】
床下地板1は、温調マット装置A1が既設の住宅に設置される場合には、既存の床板とされる。また、床下地板1は、木製とされ、断熱性に欠ける場合は、床下地板1の上面に周知の断熱材が張設されていてもよい。
【0021】
温調マット10は、合成樹脂発泡体製の断熱性に優れた材質からなり、例えば、ポリスチレン系樹脂やポリオレフィン系樹脂等の発泡粒子を材料として成形され、例えば、ビーズ法発泡ポリスチレン(EPS)等を用いることができる。
温調マット10は、板面が矩形状となる所定の厚さの平板状に形成され、上面側において互いに所定の間隔を保ち、かつ平行して設けられている複数の溝部12,12…が形成されている。温調マット10の複数の溝部12,12…には、それぞれ温水パイプや熱線ヒータ−などの発熱源11,11…が挿入されている。図示の例では、温水パイプとして示されている。温調マット10としては、例えば5〜12mm程度の厚さ寸法とされる。また、温水パイプとしては、例えばポリエチレン系樹脂の材料で、外径5〜10mm程度のものが使用される。
【0022】
複数の溝部12,12…は、それぞれ温調マット10の板面の一辺方向(図3で上下方向、以下、長さ方向X2とする)の全体にわたって延在し、長手方向X2に直交する方向(図1及び図2で左右方向、以下、幅方向X1とする)に間隔をあけて配列されている。そして、温調マット10は、板面の長手方向X2、すなわち溝部12の延在方向を小根太20の長手方向に向けて配置されている。
なお、本実施の形態の温調マット装置において、温調マット10における長手方向X2および幅方向X1は、それぞれ小根太20の長手方向、幅方向に一致していることから、以下共通して用いる。
【0023】
本実施の形態では、溝部12,12…は、温調マット10を厚さ方向に貫通しておらず、温調マット10のうちの溝部12,12…が配置されている部分が薄肉に形成されている。溝部12の幅寸法は、上述した温水パイプ等の発熱源11の外径寸法に対応した寸法に設定される。なお、溝部12,12…は、温調マット10を貫通するように形成されていてもよい。
【0024】
温水パイプを挿入する溝部12の幅寸法は、溝部12が温調マット10の貫通の有無に関係なく、前記温水パイプの外径と同等、あるいは僅かに大きな幅寸法で形成される。
また、温調マット10の厚さ寸法は、発熱源11の外径や温調マット10に求められる強度等を勘案して適宜決定される。
【0025】
小根太20は、合成樹脂発泡体、合成樹脂非発泡体等の合成樹脂成形体、あるいは合板、木質板、木質繊維板(MDFなど)、木削片板、単板積層板などの木質系材料が用いられ、中でも合成樹脂成形体が好ましく、合成樹脂発泡体がより好ましい。合成樹脂発泡体であれば、温調マット装置A1のさらなる軽量化が図れる。
小根太20に合成樹脂発泡体を用いる場合、小根太20の密度は温調マット10の密度より高いことが好ましい。合成樹脂発泡体の密度は、求められる物性によって適宜設定され、公知の方法により調整できる。
そして、床下地板1上に配置される温調マット10及び小根太20は、幅方向X1に沿って隣接して配置され、その配置数は、例えば暖房の対象とされる部屋の大きさ等によって決められる。小根太20は、床下地板1に対して上方からビス2Aによって固定されている。
【0026】
小根太20の上面には、長手方向X2に沿う一対の凸条21,21(凸部)が形成されている。これら凸条21,21は、小根太20の幅方向X1に互いに離間している。凸条21は、小根太20を床下地板1に固定する際のビス2Aによる固定位置をなしている。また、一対の凸条21,21同士の間の領域は、均熱材30上に敷設される床板40を小根太20に対して釘41で釘打ちする領域(釘打ち可能領域23)をなしている。なお、図に示す符号Pは、釘41が打たれる位置の一例を示している。
【0027】
凸条21の高さ(後述する凹条22の深さ)は、温調マット10の厚みや小根太20の上面を覆う均熱材30に応じて適宜設定されればよく、例えば、0.1〜2mm程度に設定されている。
【0028】
均熱材30は、アルミシート(アルミニウム箔)等の金属製のシート等で構成されている。なお、この均熱材30は、アルミシート(アルミニウム箔)に限らず、温調マット10から発せられる熱を均一に拡散させる性質を有するとともに、下側に位置する物体の表面に現れている凹凸を極めて容易に上側に反映させることができる軟質性を有していれば採用することができる。
【0029】
床板40は、周知の板材と同様に、表面に化粧材を貼着して構成された長尺状を呈していて、その長手方向の一方の側壁面には長手方向に沿って雄実が形成され、多方の側壁面には長手方向に沿って雌実が形成されている。そして、この床板40は、暖房の対象とされる部屋の大きさに合わせた複数枚が雄雌を合わせて敷きつめられる。複数の床板40は、平面視で床板40の長手方向を小根太20の長手方向X2に直交させて配置されている。
複数の床板40を敷きつめる際に、床板40は、雄実又は雌実の側面に釘41が斜め方向に打たれ、釘41の頭部が床板40の上面に露出しないようにして、小根太20の一対の凸条21、21の間の釘打ち可能領域23に打ち付けられる。
【0030】
次に、上記構成からなる温調マット装置A1を床下地板1上に敷設し、さらにその温調マット装置A1の上に床板40を敷設する施工方法について説明する。
先ず、図1及び図2に示すように、床下地板1の上に、予め発熱源11を内部に配設した温調マット10と小根太20とを板面方向(幅方向X1)に隣接させて配置する。具体的には、先ず床下地板1の所定位置に対して、複数の小根太20をビス2Aによって固定する。このときのビス2Aの位置は、小根太20の2本の凸条21,21の位置となる。小根太20を固定した後、隣り合う小根太20同士の間に温調マット10を嵌合させる。
【0031】
次いで、配置した温調マット10及び小根太20の上面全体を覆うようにして均熱材30を張設する。このとき、張設された均熱材30の表面(上面)には、小根太20に設けられている2本の凸条21,21に対応した位置に2本の線条31,31が現れた状態となっている。
次に、均熱材30の上側に床板40を敷設する。このとき、均熱材30の上面に現れた2本の線条31,31同士の間の釘打ち可能領域23を目印にして、釘41を用いて床板40から小根太20に打ち付けることで、床板40を小根太20に固定する。
【0032】
次に、上述した温調マット装置A1の作用・効果について図面を用いて説明する。
図1及び図2に示すように、上記構成からなる温調マット装置A1は、小根太20の上面に一対の凸条21、21が設けられているので、これら凸条21に位置する均熱材30の表面に凸条21に対応した2本の線条(図2に示す符号31の部分)が現れることになる。そのため、温調マット装置A1上に敷設される床板40を釘41によって小根太20に固定する際に、均熱材30に現れた2本の線条31、31を目印にすることで、均熱材30の上から小根太20の所定の位置(ここでは釘打ち可能領域23)に対して確実に釘打ちすることができる。
このように、本実施の形態では、従来のように釘打ちの際に、インクで表示する必要が無いため、インクが周囲に飛散するといった不具合を無くすことができる。
【0033】
上述のように本実施の形態による温調マット装置では、均熱材に対してインク表示を行うことなく、均熱材30の表面から小根太20の位置を見分けることができ、床板40を小根太20に対して確実に釘打ちすることができる。
【0034】
次に、本発明の温調マット装置による他の実施の形態について、添付図面に基づいて説明するが、上述の第1の実施の形態と同一又は同様な部材、部分には同一の符号を用いて説明を省略し、第1の実施の形態と異なる構成について説明する。
【0035】
(第2の実施の形態)
図4に示す第2の実施の形態による温調マット装置A2は、上述した第1の実施の形態による温調マット装置A1の小根太20に設けられる2本の凸条21,21の代わりに2本の凹条22,22(凹部)を設けた構成となっている。そして、これら2本の凹条22,22同士の間の小根太20の表面領域が釘打ち可能領域23となる。
この場合においても、温調マット10及び小根太20の上面を覆うように張設された均熱材30の表面には、小根太20に形成されている2本の凹条22,22に対応した2本の線条(図4の符号32、32)が現れる。このため、均熱材30の上側に設けられる床板40は、2本の線条32,32間を目印にして釘41を用いて小根太20の打ち付け箇所(符号P)に打ち付けることができる。
【0036】
(第3の実施の形態)
図5に示す第3の実施の形態による温調マット装置A3は、第1の実施の形態および第2の実施の形態の温調マット装置A1、A2のように長手方向X2に延びる凸条21や凹条22に代えて、小根太20の上面に小根太20の長手方向X2に沿って間隔をあけて並べた複数の凸部24が形成された構成となっている。これら凸部24は、小根太20の上面から突出しており、その突出部分が平面視で四角形状をなしている。
そして、複数が配列された凸部24,24,…から構成される列群が幅方向X1に間隔をあけて2列形成されている。この2列の列群同士の間の小根太20の表面領域が釘打ち可能領域23となる。
【0037】
この場合にも、小根太20の上面に位置する均熱材30の表面に複数の凸部24,24,…に対応した複数の凸部(図5の符号34、34、…)が現れることになる。そのため、均熱材30に現れた凸部34,34,…を目印にして温調マット装置A3上に敷設される床板40(図1参照)を均熱材30の上から小根太20に対して確実に釘打ちすることができる。
【0038】
なお、本第3の実施の形態では、凸部24としているが、凹部であっても良い。
また、小根太20に形成される凸部24の配置数量、大きさ、平面視形状等の構成は、任意に設定することができる。
例えば、図6に示すように、第3の実施の形態の変形例による温調マット装置A4は、平面視で円形状の複数の凸部25を小根太20に形成したものである。符号35は、均熱材30の表面に現れた円形状の凸部を示している。
このように、凸部又は凹部の平面視形状は、円形状でも良いし、三角形状等、とくに形状に限定されるものではない。
【0039】
以上、本発明による温調マット装置の実施の形態について説明したが、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【0040】
例えば、本第1の実施の形態において、上述の温調マット装置A1では、小根太20の上面に2本の凸条21,21を形成したが、これに限定されず、小根太20の上面の長手方向の中央位置に1本の凸条21を設けるようにしてもよい。なお、上述のように2本の凸条21,21を設けた場合は、2本の凸条21,21に対応した位置に現れる2本の線条31,31間の領域(釘打ち可能領域23)に釘41を打ち込むことができるので、施工性を高めることができる。このような効果は、第2の実施の形態における温調マット装置A2に設けられる2本の凹条22,22でも同様に得ることができる。
また、凸条、凹条の数は、3本以上であってもかまわない。
さらに、第1の実施形態では、2本の凸条が形成され、第2の実施形態では、2本の凹条が形成されているが、本発明はこれに限定されず、凸条と凹条との組み合わせでもよい。
【0041】
また、上記の実施の形態では、温調マット10は板面が矩形状に形成されているが、長方形、正方形、あるいは多角形、切欠き部がある形状などの形状であってもかまわない。
また、上記の実施の形態では、溝部12は温調マット10の長手方向X2に延在しているが、幅方向X1や斜め方向に延在していてもよいし、長手方向X2に延在する溝部12および幅方向X1に延在する溝部の両方が形成されていてもよい。
【0042】
さらに、温調マット10と小根太20とが一体的に接合されてユニット化された構成であってもよい。また、例えば、合成樹脂発泡体の温調マットと、温調マットよりも高い密度の合成樹脂発泡体の小根太とが一体成形されたものでもよい。
【0043】
さらにまた、本実施の形態では、床下地板1が木製としているが、コンクリート製であってもよい。
【0044】
また、温調マット10の溝部12、発熱源11、床板40の数量、形状、大きさ等の構成については、適宜設定することができる。
【0045】
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上記した実施の形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能である。
【符号の説明】
【0046】
A1、A2、A3、A4 温調マット装置
1 床下地板
10 温調マット
11 発熱源
12 溝部
20 小根太
21 凸条(凸部)
22 凹条(凹部)
23 釘打ち可能領域
24、25 凸部
30 均熱材
31、32 線条
34、35 凸部
40 床板
41 釘
図1
図2
図3
図4
図5
図6