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特開2017-66977ディーゼルエンジン排ガス処理用電気集塵装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-66977(P2017-66977A)
(43)【公開日】2017年4月6日
(54)【発明の名称】ディーゼルエンジン排ガス処理用電気集塵装置
(51)【国際特許分類】
   F01N 3/01 20060101AFI20170317BHJP
   B01D 50/00 20060101ALI20170317BHJP
   B03C 3/40 20060101ALI20170317BHJP
   B03C 3/15 20060101ALI20170317BHJP
   B03C 3/019 20060101ALI20170317BHJP
   B03C 3/41 20060101ALI20170317BHJP
   B03C 3/49 20060101ALI20170317BHJP
【FI】
   F01N3/01ZAB
   B01D50/00 501J
   B01D50/00 501Q
   B03C3/40 A
   B03C3/15
   B03C3/019
   B03C3/41 A
   B03C3/41 C
   B03C3/41 J
   B03C3/49
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2015-193313(P2015-193313)
(22)【出願日】2015年9月30日
(71)【出願人】
【識別番号】000120249
【氏名又は名称】臼井国際産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100123869
【弁理士】
【氏名又は名称】押田 良隆
(72)【発明者】
【氏名】古堅 宗勝
(72)【発明者】
【氏名】牧野 義
(72)【発明者】
【氏名】渡邊 利一
【テーマコード(参考)】
3G190
4D054
【Fターム(参考)】
3G190AA05
3G190AA06
3G190AA07
3G190AA12
3G190BA01
3G190BA41
3G190BA43
3G190CA21
3G190CA23
3G190CB03
4D054AA03
4D054BA01
4D054BA06
4D054BB03
4D054BB06
4D054BB26
4D054BC06
4D054BC31
4D054EA25
(57)【要約】
【課題】多段型電気集塵装置における管状捕集部の捕集管の外径及び軸方向長さの大型化に十分に対応できるディーゼルエンジン排ガス処理用電気集塵装置の提供。
【解決手段】重油を使用するディーゼルエンジンの排ガス中に含まれる粒状物質に帯電させる放電電極、及び、帯電された前記粒状物質を捕集する集塵電極を構成する所定長さの主捕集管よりなる管状捕集部を有し、管状捕集部の主捕集管内に、外表面に短尺の放電電極針あるいは低高さ鋸刃状放電電極板からなる放電電極を有する多段型同心円筒状放電電極支持筒と、該放電電極支持筒に相重なるように対をなして配置された多段型同心円筒状捕集管とから構成された多段型管状捕集モジュールが、管軸方向に所望の間隔を隔てて複数段間隔配置された構成となしたことを特徴とする。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
重油を使用するディーゼルエンジンの排ガス中に含まれる粒状物質に帯電させる放電電極、及び、帯電された前記粒状物質を捕集する集塵電極を構成する所定長さの主捕集管よりなる管状捕集部を有し、かつ前記放電電極は管状捕集部内に管軸方向に配設された主電極と該主電極に配設された放射状に突出する電極とによって構成された電気集塵手段と、前記管状捕集部から剥離した粒状物質を分別して捕集する集塵手段を備え、さらに前記管状捕集部の下流側の軸心付近に粒状物質の低濃度排ガス導出管を、同管状捕集部の下流側の内周面付近に高濃度排ガス導出管をそれぞれ設け、粒状物質の高濃度排ガス導出部に前記粒状物質を捕集する集塵手段を連設した重油を使用するディーゼルエンジン排ガス処理用電気集塵装置であって、前記管状捕集部の主捕集管内には、当該管状捕集部の上流部側を小径となし下流側に向かって漸次大径となすと共に外表面に周方向及び管軸方向に所望の間隔を隔てて放射状に配置された短尺の放電電極針あるいは低高さ鋸刃状放電電極板からなる放電電極を備え、前記主電極の外周にステーを介して取着された階段状段部を有する多段型同心円筒状放電電極支持筒と、前記多段型同心円筒状放電電極支持筒の外周に当該電極支持筒に相重なるように対をなして配置されると共にステーを介して主捕集管に取着された階段状段部を有する多段型同心円筒状捕集管とから構成された多段型管状捕集モジュールが、管軸方向に所望の間隔を隔てて複数段間隔配置された構成となしたことを特徴とするディーゼルエンジン排ガス処理用電気集塵装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、船舶用、発電用、一般産業用エンジン等のディーゼルエンジンにおけるコロナ放電を利用した排気ガスの電気式処理技術に係り、特に重油より低質の燃料を使用する高い温度の排気ガスを排出するディーゼルエンジンの排ガス処理用電気集塵装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
各種船舶や発電機並びに大型建機、さらには各種自動車等の動力源としてディーゼルエンジンが広範囲に採用されているが、このディーゼルエンジンから排出される排気ガスに含まれるPM(粒状物質)は、周知の通り大気汚染をきたすのみならず、人体に極めて有害な物質であるため、その排気ガスの浄化は極めて重要である。このため、ディーゼルエンジンの燃焼方式の改善や各種排気ガスフィルタの採用、コロナ放電を利用して電気的に処理する方法等、既に数多くの提案がなされ、その一部は実用に供されている。
【0003】
その中で、コロナ放電を利用して電気的に処理する技術としては、例えば特許文献1に記載された装置が提案されている。
特許文献1に記載されている、重油以下の低質燃料を使用するディーゼルエンジン排ガス処理装置は、図4にその構成例を示すように、放電電極及び集塵電極よりなる管状捕集部91に、軸方向に短寸で径の異なる管状捕集モジュールを複数組合わせて構成した多段方式を例示したもので、具体的には、管状捕集モジュールを管状捕集部の上流部側より小径捕集部91−1A、中径捕集部91−1B、大径捕集部91−1Cの3段式となしたものである。
即ち、この管状捕集部が多段方式となしたディーゼルエンジン排ガス処理装置は、最上流側の第1段目の小径の管状捕集モジュールとして、主捕集管91−1に固定された小径捕集管91−1A−1の内部に保持した放射状の第1段放電電極91−1A−2を共通の主電極91−2aに固定して内蔵した小径捕集部91−1Aと、第2段目の中径の管状捕集モジュールとして、中径捕集管91−1B−1の内部に保持した放射状の第2段放電電極91−1B−2を共通の主電極91−2aに固定して内蔵した中径捕集部91−1Bと、最下流側の第3段目の最大径の管状捕集モジュールとして、捕集管91−1と共通の大径捕集管91−1C−1の内部に保持した放射状の第3段放電電極91−1C−2を共通の主電極91−2aに固定して内蔵した大径捕集部91−1Cとしたものである。この3段式の管状捕集モジュールを有するディーゼルエンジン排ガス処理装置における小径捕集部91−1A、中径捕集部91−1B、大径捕集部91−1Cの各放電電極91−1A−2、91−1B−2、91−1C−2は、図5A図5Bに拡大して示すように、集塵電極を構成する主捕集管91−1の軸心付近をほぼ全長にわたって延びる主電極(電極棒)91−2aと、該主電極91−2aの長手方向に所望の間隔S´で配設された放射状に突出する電極針91−2bの群とによって構成されている。この放電電極91−2は、具体的には図6に示すように、例えば鋸刃状の放電板部(山部)91−2eが主電極91−2aの軸方向に延びる基板部91−2fを介して主電極91−2aと一体に設けられた鋸刃状放電電極板91−2dを、前記基板部91−2fを介して主電極91−2aに突設して構成されたものが採用されている。このように構成された放電電極91−2は、捕集管91−1の排ガス導入口91−1a側に設けたシールエアー導入管部91−1cと、低濃度排ガス導出管92の入口部位に設けたシールエアー導入管部91−1cに垂設した支持体93を介して主電極91−2aの両端部が支持されている。
【0004】
なお、前記管状捕集部91の下流側と上流側間に設けられたサイクロン方式の分別捕集手段94は、サイクロン捕集部94−1と、サイクロン捕集部94−1からの還流配管94−2とで構成されている。このサイクロン捕集部94−1は、管状捕集部91の捕集管91−1の下流側の内周面付近に設けた高濃度排ガス導出部91−1bに設けた高濃度排ガス配管95に還流配管94−2を介して接続された接線式サイクロン94−3で構成され、さらに接線式サイクロン94−3と排ガス導入管91−1aとの間に、接線式サイクロン94−3通過後の浄化ガスを排ガス導入管91−1a内を流れる排ガスに合流させるための還流配管94−2を配設している。96はブロアー、97は流量制御ダンパーである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2014−238086号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、コロナ放電等を利用して電気的に排気ガス中のPMを処理する上記した従来のディーゼルエンジン排ガス浄化装置(多段式)には、以下に記載する課題がある。
即ち、ディーゼルエンジン排ガス浄化装置における前記電気集塵手段では、ディーゼルエンジンが大型となり処理する排気ガス量が増大すると、必然的に円筒状の管状捕集部は管径及び管軸方向長さ共に大型のものが必要となってくる。しかしながら、大径の管状捕集部には前記図4にその構成例を示すように、放電電極及び集塵電極よりなる管状捕集部91に、軸方向に短寸で径の異なる管状捕集モジュールを複数組合わせて構成した多段方式の捕集管が捕集効率を高めるのには有効であるが、管状捕集部の大径化に伴い管軸方向に長大な長さが必要となり、前記したような構成の放電電極、多段の捕集管等の構造に強度的な問題が生じる可能性があり、その対応に困難性を伴う。
【0007】
本発明は、上記した従来技術の課題を克服するためになされたもので、多段型電気集塵装置において管状捕集部の捕集管の外径及び軸方向長さの大型化にも十分に対応できるディーゼルエンジン排ガス処理用電気集塵装置を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係るディーゼルエンジン排ガス処理用電気集塵装置は、重油を使用するディーゼルエンジンの排ガス中に含まれる粒状物質に帯電させる放電電極、及び、帯電された前記粒状物質を捕集する集塵電極を構成する所定長さの主捕集管よりなる管状捕集部を有し、かつ前記放電電極は管状捕集部内に管軸方向に配設された主電極と該主電極に配設された放射状に突出する電極とによって構成された電気集塵手段と、前記管状捕集部から剥離した粒状物質を分別して捕集する集塵手段を備え、さらに前記管状捕集部の下流側の軸心付近に粒状物質の低濃度排ガス導出管を、同管状捕集部の下流側の内周面付近に高濃度排ガス導出管をそれぞれ設け、粒状物質の高濃度排ガス導出部に前記粒状物質を捕集する集塵手段を連設した重油を使用するディーゼルエンジン排ガス処理用電気集塵装置であって、
前記管状捕集部の主捕集管内には、当該管状捕集部の上流部側を小径となし下流側に向かって漸次大径となすと共に外表面に周方向及び管軸方向に所望の間隔を隔てて放射状に配置された短尺の放電電極針あるいは低高さ鋸刃状放電電極板からなる放電電極を備え、前記主電極の外周にステーを介して取着された階段状段部を有する多段型同心円筒状放電電極支持筒と、前記多段型同心円筒状放電電極支持筒の外周に当該電極支持筒に相重なるように対をなして配置されると共にステーを介して主捕集管に取着された階段状段部を有する多段型同心円筒状捕集管とから構成された多段型管状捕集モジュールが、管軸方向に所望の間隔を隔てて複数段間隔配置された構成となしたことを特徴とするものである。
【0009】
なお、前記多段型同心円筒状放電電極支持筒の外周に放射状に設ける短尺の放電電極針あるいは低高さ鋸刃状放電電極板は、例えば頂角が20度程度で形状が略二等辺三角形を呈する放電電極針あるいは鋸刃状の放電電極板、又はコーンエッジリング形放電電極板もしくは筒形エッジリングで構成されているもの等を用いることができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係るディーゼルエンジンの排ガス処理用電気集塵装置は、放電電極及び集塵電極よりなる管状捕集部を、階段状段部を有する多段型同心円筒状放電電極支持筒と、前記多段型同心円筒状放電電極支持筒の外周に当該電極支持筒に相重なるように配置した階段状段部を有する多段型同心円筒状捕集管とから構成した多段型管状捕集モジュールを管軸方向に複数組合せて構成することにより、従来の多段方式の捕集管と同等の捕集効率を高められるのみならず、多段型電気集塵装置において管状捕集部の捕集管の外径及び軸方向長さの大型化にも十分に対応できるという効果を奏する。又、この階段状段部を有する多段型同心円筒状放電電極支持筒と階段状段部を有する多段型同心円筒状捕集管とからなる多段型管状捕集部の場合は、短尺の放電電極針あるいは低高さ鋸刃状放電電極板を用いることができるので、電極針の剛性を維持し軽量化がはかられるのみならず、電極針あるいは電極板が高温にさらされても大きな熱変形を生じることがないため形状維持もはかられ、捕集率の向上にも寄与する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明に係るディーゼルエンジン排ガス処理用電気集塵装置の一実施例(多段型集塵部構造)を示す要部概略縦断側面図である。
図2図1に示すディーゼルエンジン排ガス処理用電気集塵装置の放電電極の一部を拡大して示す概略縦断端面図である。
図3図2に示す放電電極の概略縦断側面図である。
図4】従来の多段型集塵壁構造のディーゼルエンジン排ガス処理装置の一例を示す概略縦断面図である。
図5A図4に示すディーゼルエンジン排ガス処理装置の放電電極を拡大して示す概略縦断端面図である。
図5B図4に示すディーゼルエンジン排ガス処理装置の放電電極を拡大して示す概略縦断側面図である。
図6図4に示すディーゼルエンジン排ガス処理装置の放電電極を拡大して示す概略斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1に示す本発明のディーゼルエンジン排ガス処理用電気集塵装置は、主捕集管1内に当該管状捕集部の上流部側より管軸方向に3組の多段型管状捕集モジュール1−1、1−2、1−3を所望の間隔を隔てて配置した構成となしたものである。上記各多段型管状捕集モジュール1−1、1−2、1−3はそれぞれ、当該管状捕集部の上流部側を小径となし下流側に向かって漸次大径となす階段状段部を有する多段型同心円筒状放電電極支持筒1−1A、1−2A、1−3Aと、前記多段型同心円筒状放電電極支持筒と同様に上流部側を小径となし下流側に向かって漸次大径となし前記多段型同心円筒状放電電極支持筒の外周に当該電極支持筒に相重なるように対をなして配置される階段状段部を有する多段型同心円筒状捕集管1−1B、1−2B、1−3Bとから構成されている。
前記多段型同心円筒状放電電極支持筒1−1A、1−2A、1−3Aは、各段の外周に周方向及び管軸方向に所望の間隔を隔てて放射状に配置した短尺の放電電極針1−1A−1、1−2A−1、1−3A−1を有し、それぞれ複数のステー1−1A−1S、1−2A−1S、1−3A−1Sを介して当該主電極2と同心に取着して構成され、前記多段型同心円筒状捕集管1−1B、1−2B、1−3Bは、前記多段型同心円筒状放電電極支持筒1−1A、1−2A、1−3Aの各段の外周に放射状に配置した短尺の放電電極針1−1A−1、1−2A−1、1−3A−1に対応するようにそれぞれ前記多段型同心円筒状放電電極支持筒1−1A、1−2A、1−3Aと対をなすように複数のステー1−1B−1S、1−2B−1S、1−3B−1Sを介して主捕集管1に取着して構成されている。なお、前記多段型同心円筒状放電電極支持筒1−1A、1−2A、1−3Aを主電極2に固定するステー1−1A−1S、1−2A−1S、1−3A−1S、及び、多段型同心円筒状捕集管1−1B、1−2B、1−3Bを主捕集管1に固定するステー1−1B−1S、1−2B−1S、1−3B−1Sとしては、板状のものあるいは棒状のものを用いることができる。又、多段型同心円筒状捕集管1−1B、1−2B、1−3Bはそれぞれ径の異なる筒体を独立して階段状に設けることができる。なお、多段型同心円筒状捕集管1−1B、1−2B、1−3Bが一体型の場合には、各段差の垂直壁の部分に排気ガスの通孔1−1B−1f、1−2B−1f、1−3B−1fを設けることはいうまでもない。
【0013】
前記多段型同心円筒状放電電極支持筒1−1A、1−2A、1−3Aの各段の外周に放射状に配置する短尺の放電電極針1−1A−1、1−2A−1、1−3A−1としては、例えば図2図3に示す構造のものを採用することができる。ここで、多段型同心円筒状放電電極支持筒1−1A、1−2A、1−3Aの大きさとしては、主電極2の直径、あるいは多段型同心円筒状捕集管1−1B、1−2B、1−3Bの各段の内径に応じて放電電極針の長さや該放電電極針の先端と捕集壁面までの距離Wを考慮して適当なサイズに設定することになる。この短尺の放電電極針1−1A−1、1−2A−1、1−3A−1としては、例えば頂角が20度程度で、形状が略二等辺三角形を呈する板状部材を用いることができる。この放電電極針の長さ(放電電極支持筒1−1A、1−2A、1−3Aの外周面からの突出長さ)Hは、クーロン力を考慮して適宜定める。この短尺の放電電極針は、主電極2の軸心方向に所望の先端間隔Sでかつ周方向に所望の間隔Lで放電電極支持筒1−1A、1−2A、1−3Aの外周に放射状に突設する。又、隣接する放電電極針の先端の軸心方向間隔Sも前記放電電極針の長さHと同様にクーロン力を考慮して適宜定める。さらに、放電電極針の先端と捕集壁面までの距離Wは、放電電極針の先端と捕集壁面との干渉、クーロン力等を考慮して適宜設定する。
なお、各多段型同心円筒状放電電極支持筒1−1A、1−2A、1−3Aの半径R、放電電極針の長さH、放電電極針の周方向間隔L、放電電極針の先端と捕集壁面(内壁面)までの距離Wは、ディーゼルエンジン排ガス処理装置の規模及び多段型管状捕集モジュールの配置位置等に応じて適宜定めることとする。
【0014】
上記図1図3に示す本発明のディーゼルエンジン排ガス処理用電気集塵装置は、主捕集管1内に配置する管状捕集モジュールを当該管状捕集部の上流部側より3組の多段型管状捕集モジュール1−1、1−2、1−3で構成したものである。この3組の多段型管状捕集モジュール1−1、1−2、1−3で構成したディーゼルエンジン排ガス処理用電気集塵装置において、主捕集管1内を流れる排気ガス流は上流部側より順次多段型管状捕集モジュール1−1、1−2、1−3によりPM粒子の帯電・捕集が繰り返されて下流側へ流れる。各多段型管状捕集モジュール1−1、1−2、1−3では、多段型同心円筒状放電電極支持筒1−1A、1−2A、1−3Aのそれぞれの放電電極針1−1A−1、1−2A−1、1−3A−1によりPM粒子が帯電されて当該多段型同心円筒状捕集管1−1B、1−2B、1−3Bに付着し、PMの塊状化・濃縮が促進される。
【0015】
なお、上記した本発明の、多段型管状捕集モジュールが複数組配置されたディーゼルエンジン排ガス処理用電気集塵装置の放電電極、即ち、主電極の外周にステーを介して取着された多段型同心円筒状放電電極支持筒と、各放電電極支持筒の表面に周方向及び管軸方向に所望の間隔を隔てて放射状に配置された短尺の放電電極針あるいは鋸刃状の放電電極板とで構成される放電電極は、当該ディーゼルエンジン排ガス処理用電気集塵装置の規模、あるいは主捕集管の大きさ(管径等)、主電極の直径や断面形状等に応じて、その放電電極支持筒、放電電極針あるいは鋸刃状の放電電極板の断面形状や大きさ等を選択して製作することはいうまでもない。
【符号の説明】
【0016】
1 主捕集管
1−1、1−2、1−3 多段型管状捕集モジュール
1−1A、1−2A、1−3A 多段型同心円筒状放電電極支持筒
1−1B、1−2B、1−3B 多段型同心円筒状捕集管
1−1A−1、1−2A−1、1−3A−1 短尺の放電電極針
1−1A−1S、1−2A−1S、1−3A−1S、1−1B−1S、1−2B−1S、1−3B−1S ステー
1−1B−1f、1−2B−1f、1−3B−1f 排気ガスの通孔
2 主電極
S 放電電極針先端の軸心方向間隔
L 放電電極針先端の周方向間隔
H 放電電極針の長さ
W 放電電極針先端と捕集壁面(内壁面)までの距離
R 放電電極支持筒の半径
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図6