【解決手段】チャック装置10Aは、第1把持部18aが設けられた第1回動軸14aと、第2把持部18bが設けられた第2回動軸14bと、ピストン部32の往復運動を第1回動軸14a及び第2回動軸14bの回動運動に変換する動力伝達機構16とを備える。第1回動軸14a及び第2回動軸14bは、ピストン部32の変位方向に沿って並設されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した特許文献1のような従来技術では、ボディに対してピストン部の変位方向にワークを配置する必要があるため、工場等のレイアウトによっては、チャック装置を配置することができないおそれがある。
【0005】
本発明は、このような課題を考慮してなされたものであり、ボディに対してピストン部の変位方向と直交する方向に位置するワークの把持及び解放を行うことができるチャック装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するために、本発明に係るチャック装置は、シリンダ孔が形成されたボディと、前記シリンダ孔に配設されて作動流体の作用下に往復運動するピストン部と、ワークを把持する把持部が設けられて前記ボディに回動可能に支持された第1回動軸及び第2回動軸と、前記ピストン部の往復運動を前記第1回動軸及び前記第2回動軸の回動運動に変換する動力伝達機構と、を備え、前記第1回動軸及び前記第2回動軸は、前記ピストン部の変位方向に沿って並設されていることを特徴とする。
【0007】
このような構成によれば、ワークを把持する把持部が設けられる第1回動軸及び第2回動軸をピストン部の変位方向に沿って並設しているので、ボディに対してピストン部の変位方向と直交する方向に位置するワークの把持及び解放を行うことができる。
【0008】
上記のチャック装置において、前記動力伝達機構は、前記ピストン部に設けられたラックと、前記第1回動軸に設けられて前記ラックに噛合する第1ピニオンと、前記第2回動軸に設けられて前記ラックに噛合しない状態で前記第1ピニオンに噛合する第2ピニオンと、を有していてもよい。
【0009】
このような構成によれば、チャック装置をコンパクトに構成することができると共に第1回動軸及び第2回動軸を確実に回動させることができる。
【0010】
上記のチャック装置において、前記第1ピニオンは、前記第2ピニオンよりも長く形成されていてもよい。
【0011】
このような構成によれば、簡易な構成で第2ピニオンがラックに噛合しないようにすることができる。
【0012】
上記のチャック装置において、前記ピストン部は、前記第1回動軸の軸線方向に沿って一対設けられ、前記動力伝達機構は、一方の前記ピストン部に設けられた第1ラックと、他方の前記ピストン部に設けられた第2ラックと、前記第1回動軸に設けられて前記第1ラックに噛合する第1ピニオンと、前記第2回動軸に設けられて前記第2ラックに噛合する第2ピニオンと、を有していてもよい。
【0013】
このような構成によれば、ピストン部の変位方向と第1回動軸の軸線方向とに直交する方向(ボディ及びワークの並び方向)におけるボディの寸法をコンパクトにしたままワークの把持力を増大させることができる。
【0014】
上記のチャック装置において、前記第1ピニオン及び前記第2ピニオンは、互いに噛合していてもよい。
【0015】
このような構成によれば、簡易な構成で第1回動軸の回動動作と第2回動軸の回動動作とを同期させることができる。
【0016】
上記のチャック装置において、前記第1ピニオン及び前記第2ピニオンは互いに噛合していなくてもよい。
【0017】
このような構成によれば、簡易な構成で第1回動軸に設けられた把持部と第2回動軸に設けられた把持部とを個別に回動させることができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、ワークを把持する把持部が設けられる第1回動軸及び第2回動軸をピストン部の変位方向に沿って並設しているので、ボディに対してピストン部の変位方向と直交する方向に位置するワークの把持及び解放を行うことができる。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明に係るチャック装置について好適な実施形態を挙げ、添付の図面を参照しながら説明する。
【0021】
(第1実施形態)
本実施形態に係るチャック装置10Aは、流体圧シリンダの作用下に一組の把持部(第1把持部18a及び第2把持部18b)を回動させてワークWの把持及び解放を行う装置である。
【0022】
図1〜
図3に示すように、チャック装置10Aは、シリンダ部12と、シリンダ部12に設けられた第1回動軸14a及び第2回動軸14bと、シリンダ部12の駆動力を第1回動軸14a及び第2回動軸14bに伝達する動力伝達機構16と、第1回動軸14aに設けられた第1把持部18aと、第2回動軸14bに設けられた第2把持部18bとを備えている。
【0023】
シリンダ部12は、シリンダ孔20が貫通形成された直方体形状のボディ22と、シリンダ孔20の両側の開口を閉塞する一対のキャップ24、26と、これらキャップ24、26がシリンダ孔20から抜け出ることを阻止する一対の止め輪28、30と、シリンダ孔20に往復運動可能に配設されたピストン部32とを有している。
【0024】
ボディ22は、任意の材料で構成することができるが、例えば、アルミニウム合金や鉄合金等の金属材料により構成されている。ボディ22には、ピストン部32と一方のキャップ24との間に形成された第1シリンダ室34に連通する第1ポート36と、ピストン部32と他方のキャップ26との間に形成された第2シリンダ室38に連通する第2ポート40とが形成されている。第1ポート36及び第2ポート40のそれぞれには、ピストン部32を駆動させるための作動流体(圧縮流体)を供給又は排気するための図示しない配管(エアチューブ)が接続される。
【0025】
ボディ22には、シリンダ孔20に連通して動力伝達機構16、第1回動軸14a、及び第2回動軸14bが配設される収容孔42が形成されている。収容孔42は、ボディ22の長手方向中央に開口しており、その開口部を閉塞するようにカバー部44が複数の固定ねじ46によってボディ22に対して締結されている。
【0026】
シリンダ孔20は、ボディ22の両端部の位置で拡径しており、その拡径した部分にキャップ24、26及び止め輪28、30が配置されている。各キャップ24、26の外周面には、環状のシール部材48が装着可能な環状溝が形成されている。止め輪28、30は、C字状に形成されており、シリンダ孔20を構成する内周面に形成された環状溝に装着されている。
【0027】
ピストン部32は、シリンダ孔20に沿って延在した円柱状のロッド50と、ロッド50の両端面に設けられた一対のピストン52、54とを有している。各ピストン52、54は、連結ボルト56によってロッド50に対して連結されている。各連結ボルト56の頭部は、各キャップ24、26の内面に形成された凹部58の底面に対向している。これにより、連結ボルト56がキャップ24、26に接触することを好適に防止することができる。なお、各ピストン52、54及びロッド50は、一体的に形成されていてもよい。
【0028】
各ピストン52、54の外周面には、環状のウェアリング62が装着される環状溝と、環状のパッキン64が装着される環状溝とが形成されている。各ピストン52、54のうちロッド50とは反対側の端面には、衝撃吸収用のダンパが設けられていてもよい。このダンパは、例えば、ゴム等の弾性部材で構成することができる。なお、このようなダンパは、各キャップ24、26の内面に設けられていてもよい。
【0029】
第1回動軸14a及び第2回動軸14bは、ボディ22の収容孔42に位置した状態でピストン部32の変位方向(ボディ22の長手方向)に並設されている。第1回動軸14aのうちカバー部44の挿通孔65aを介してボディ22の外側に露出する端部には、第1把持部18aが装着される。第2回動軸14bのうちカバー部44の挿通孔65bを介してボディ22の外側に露出する端部には、第2把持部18bが装着される。
【0030】
第1回動軸14a及び第2回動軸14bのそれぞれは、ボディ22に固着されたベアリング66と、カバー部44の各挿通孔65a、65bに配設された2つのベアリング68、70とに軸支されている。なお、ベアリング66は、ウェーブワッシャ72によって予圧されている。これにより、第1回動軸14a及び第2回動軸14bは、ボディ22に対して回動可能に支持される。
【0031】
動力伝達機構16は、ピストン部32の往復運動を第1回動軸14a及び第2回動軸14bの回動運動に変換する。動力伝達機構16は、ロッド50の外周面に形成されたラック74と、第1回動軸14aに固着されてラック74に噛合する第1ピニオン76aと、第2回動軸14bに固着されてラック74に噛合しない状態で第1ピニオン76aに噛合する第2ピニオン76bとを有している。
【0032】
ラック74は、ロッド50の一端部から長手方向中央よりも他端側に若干ずれた位置まで延在している。すなわち、ラック74はロッド50の他端側には形成されていない。本実施形態において、ラック74の長さ及びピストン部32のストロークは、第1回動軸14a(第1把持部18a)の回動角度範囲θa及び第2回動軸14b(第2把持部18b)の回動角度範囲θbが90°となるように設定されている(
図4参照)。ただし、回動角度範囲θa、θbは任意に設定することができる。
【0033】
第1ピニオン76aは、第2ピニオン76bよりも長く形成されている。換言すれば、第2ピニオン76bは、第1ピニオン76aよりも短く形成されると共にラック74に接触しない位置に配置されている。これにより、簡易な構成で第2ピニオン76bをラック74に噛合させないようにすることができる。
【0034】
第1把持部18aは、第1回動軸14aの端部が挿入される挿入孔78が形成された装着部80と、装着部80から第1回動軸14aの軸線と直交する方向に互いに対向するように突出した一対の突出部82と、一対の突出部82の間隔を調整する止めねじ84と、装着部80から直線状に延出した四角柱状のフィンガ部86とを有している。
【0035】
このような第1把持部18aは、第1回動軸14aの端部を挿入孔78に挿入した状態で止めねじ84を締めることにより第1回動軸14aに対して固定され、止めねじ84の締結を緩めることにより第1回動軸14aに対する固定が解除される。すなわち、第1把持部18aは、第1回動軸14aの端部に着脱可能となっている。フィンガ部86のうち装着部80とは反対側の先端部には、ワークWに接触する把持面88が凹状に形成されている。
【0036】
第2把持部18bは、第2回動軸14bの端部に着脱可能であって、第1把持部18aと同様に構成されている。そのため、第2把持部18bの詳細な説明については省略する。
【0037】
本実施形態に係るチャック装置10Aは、基本的には以上のように構成されるものであり、次に、その動作及び作用効果について説明する。なお、以下の説明では、
図4に示す第1把持部18a及び第2把持部18bの状態を初期状態として説明する。この初期状態では、ピストン部32がキャップ26に接触しており、第1把持部18aのフィンガ部86及び第2把持部18bのフィンガ部86がピストン部32の変位方向に沿って延在している。
【0038】
まず、図示しない搬送装置等によって、ボディ22に対してピストン部32の変位方向及び第1回動軸14aの軸線方向と直交する方向の所定位置に円柱状のワークWが供給(搬送)される。所定位置にワークWが搬送されると、第1ポート36を大気開放した状態で第2ポート40に作動流体を供給する。
【0039】
そうすると、第2シリンダ室38に供給された作動流体の作用下にピストン部32がキャップ24側に変位する。このとき、ラック74に噛合している第1ピニオン76aが第1把持部18a側から見て時計回りに回転するため、第1把持部18aが第1回動軸14aの軸線を中心に時計回りに回転する。また、第1ピニオン76aに噛合している第2ピニオン76bが第2把持部18b側から見て反時計回りに回転するため、第2把持部18bが第2回動軸14bの軸線を中心に反時計回りに回転する。
【0040】
そして、第1把持部18aの把持面88及び第2把持部18bの把持面88がワークWに接触してワークWが所定の把持力で把持(保持)され、ピストン部32が停止する。
【0041】
チャック装置10AによるワークWの把持を解除する場合には、第2ポート40を大気開放した状態で第1ポート36に作動流体を供給する。そうすると、第1シリンダ室34に供給された作動流体の作用下にピストン部32がキャップ26側に変位する。
【0042】
このとき、ラック74に噛合している第1ピニオン76a及び第1回動軸14aが第1把持部18a側から見て反時計回りに回転するため、第1把持部18aが第1回動軸14aの軸線を中心に反時計回りに回転する。また、第1ピニオン76aに噛合している第2ピニオン76b及び第2回動軸14bが第2把持部18b側から見て時計回りに回転するため、第2把持部18bが第2回動軸14bの軸線を中心に時計回りに回転する。
【0043】
これにより、第1把持部18aの把持面88及び第2把持部18bの把持面88がワークWから離間するため、チャック装置10AによるワークWの把持が解除されることとなる。そして、ピストン部32がキャップ26に接触することにより、ピストン部32の変位が停止される。
【0044】
本実施形態によれば、第1回動軸14a及び第2回動軸14bをピストン部32の変位方向に沿って並設しているので、ボディ22に対してピストン部32の変位方向と直交する方向に位置するワークWの把持及び解放を行うことができる。
【0045】
また、本実施形態では、ロッド50にラック74を形成し、ラック74に噛合する第1ピニオン76aを第1回動軸14aに設けると共にラック74に噛合しない状態で第1ピニオン76aに噛合する第2ピニオン76bを第2回動軸14bに設けている。そのため、チャック装置10Aをコンパクトに構成することができると共に第1回動軸14a及び第2回動軸14bを確実に回動させることができる。
【0046】
本実施形態に係るチャック装置10Aは、上述した構成に限定されない。例えば、ピストン部32を構成するピストン52又はピストン54の外周面に図示しないマグネット(永久磁石)を装着してもよい。この場合、前記マグネットの磁気を検出する図示しない磁気センサがボディ22に設けられる。このような構成によれば、マグネットが発生する磁気を磁気センサによって感知することで、ピストン部32の位置(第1把持部18a及び第2把持部18bの位置)を検出することができる。
【0047】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態に係るチャック装置10Bについて
図5〜
図8を参照しながら説明する。なお、第2実施形態に係るチャック装置10Bにおいて、第1実施形態に係るチャック装置10Aと同一の構成要素には同一の参照符号を付し、詳細な説明を省略する。
【0048】
図5〜
図7に示すように、本実施形態に係るチャック装置10Bは、シリンダ部100及び動力伝達機構102の構成が上述したシリンダ部12及び動力伝達機構16の構成と異なる。シリンダ部100は、第1シリンダ孔104及び第2シリンダ孔106が貫通形成された直方体形状のボディ108を備えている。第1シリンダ孔104及び第2シリンダ孔106は、ボディ108の長手方向に沿って延在すると共に第1回動軸14aの軸線方向に沿って並設されている。
【0049】
また、シリンダ部100は、第1シリンダ孔104の両側の開口を閉塞する一対の第1キャップ110、112と、これら第1キャップ110、112が第1シリンダ孔104から抜け出ることを阻止する一対の第1止め輪114、116と、第1シリンダ孔104に往復運動可能に配設された第1ピストン部118と、第2シリンダ孔106の両側の開口を閉塞する一対の第2キャップ120、122と、これら第2キャップ120、122が第2シリンダ孔106から抜け出ることを阻止する一対の第2止め輪124、126と、第2シリンダ孔106に往復運動可能に配設された第2ピストン部128とを有している。
【0050】
第1キャップ110、112及び第2キャップ120、122は上述したキャップ24と同様に構成され、第1止め輪114、116及び第2止め輪124、126は上述した止め輪28と同様に構成され、第1ピストン部118及び第2ピストン部128は上述したピストン部32と同様に構成されている。そのため、第1キャップ110、112、第2キャップ120、122、第1止め輪114、116、第2止め輪124、126、第1ピストン部118、及び第2ピストン部128の詳細な構成の説明については省略する。
【0051】
図7に示すように、ボディ108には、第1ピストン部118と第1キャップ110との間に形成された第1シリンダ室130に連通する第1ポート132と、第1ピストン部118と第1キャップ112との間に形成された第2シリンダ室134に連通する第2ポート136と、第2ピストン部128と第2キャップ120との間に形成された第3シリンダ室138に連通する第3ポート140と、第2ピストン部128と第2キャップ122との間に形成された第4シリンダ室142に連通する第4ポート144とが形成されている。
【0052】
動力伝達機構102は、第1ピストン部118のロッド50の外周面に形成された第1ラック146aと、第2ピストン部128のロッド50の外周面に形成された第2ラック146bと、第1回動軸14aに固着されて第1ラック146aに噛合する第1ピニオン148aと、第2回動軸14bに固着されて第2ラック146b及び第1ピニオン148aに噛合する第2ピニオン148bとを有している。
【0053】
第1ラック146aは上述したラック74と同様に構成されており、第2ラック146bは、第2ピストン部128のロッド50の長手方向中央よりも一端側に若干ずれた位置から他端部まで延在している。すなわち、第2ラック146bは第2ピストン部128のロッド50の一端側には形成されていない。なお、第1ピニオン148aは第2ラック146bに噛合しておらず、第2ピニオン148bは第1ラック146aに噛合していない。
【0054】
次に、本実施形態に係るチャック装置10Bの動作及び作用効果について説明する。なお、初期状態では、第1ピストン部118が第1キャップ112に接触すると共に第2ピストン部128が第2キャップ120に接触している。
【0055】
本実施形態では、所定位置にワークWが搬送されると、第1ポート132を大気開放した状態で第2ポート136に作動流体を供給すると共に、第4ポート144を大気開放した状態で第3ポート140に作動流体を供給する。
【0056】
そうすると、第2シリンダ室134に供給された作動流体の作用下に第1ピストン部118が第1キャップ110側に変位すると共に第3シリンダ室138に供給された作動流体の作用下に第2ピストン部128が第2キャップ122側に変位する。このとき、第1ラック146aに噛合している第1ピニオン148a及び第1回動軸14aが第1把持部18a側から見て時計回りに回転すると共に第2ラック146bに噛合している第2ピニオン148b及び第2回動軸14bが第2把持部18bから見て反時計回りに回転する。
【0057】
また、第1ピニオン148a及び第2ピニオン148bが互いに噛合しているため、第1回動軸14aの回転動作と第2回動軸14bの回転動作とが同期する。換言すれば、第1回動軸14a及び第2回動軸14bが同時に同角度だけ互いに逆方向に回転する。そして、第1把持部18aの把持面88及び第2把持部18bの把持面88がワークWに接触してワークWが所定の把持力で把持(保持)されることとなる。
【0058】
本実施形態によれば、第1ピストン部118及び第2ピストン部128を第1回動軸14aの軸線方向に沿って並設し、第1ピストン部118の往復運動によって第1把持部18aを回動させ、第2ピストン部128の往復運動によって第2把持部18bを回動させている。これにより、第1ピストン部118の変位方向と第1回動軸14aの軸線方向とに直交する方向(ボディ108及びワークWの並び方向)におけるボディ108の寸法をコンパクトにしたままワークWの把持力を増大させることができる。
【0059】
本実施形態に係るチャック装置10Bは、上述した構成に限定されない。例えば、第1ピストン部118を構成するピストン52若しくはピストン54又は第2ピストン部128を構成するピストン52若しくはピストン54の外周面に図示しないマグネット(永久磁石)を装着してもよい。この場合、前記マグネットの磁気を検出する図示しない磁気センサがボディ108に設けられる。このような構成によれば、マグネットが発生する磁気を磁気センサによって感知することで、第1ピストン部118又は第2ピストン部128の位置(第1把持部18a及び第2把持部18bの位置)を検出することができる。
【0060】
また、例えば、チャック装置10Bは、動力伝達機構102に代えて
図8に示す変形例に係る動力伝達機構150を備えていてもよい。
図8に示すように、動力伝達機構150は、第1ラック146aに噛合する第1ピニオン152aと、第1ピニオン152aに噛合しない状態で第2ラック146bに噛合する第2ピニオン152bとを有している。すなわち、第1ピニオン152a及び第2ピニオン152bは、互いに噛合していない。この場合、簡易な構成で第1把持部18aと第2把持部18bとを個別に回動させることができる。
【0061】
さらに、チャック装置10Bが上記動力伝達機構150を備える場合、第1ピストン部118を構成するピストン52又はピストン54に図示しない第1マグネットを装着すると共に第2ピストン部128を構成するピストン52又はピストン54に図示しない第2マグネットを装着してもよい。この場合、前記第1マグネットの磁気を検出する図示しない第1磁気センサと前記第2マグネットの磁気を検出する図示しない第2磁気センサとがボディ108に設けられる。このような構成によれば、第1マグネットが発生する磁気を第1磁気センサによって感知することで、第1ピストン部118の位置(第1把持部18aの位置)を検出することができる。また、第2マグネットが発生する磁気を第2磁気センサによって感知することで、第2ピストン部128の位置(第2把持部18bの位置)を検出することができる。
【0062】
本発明に係るチャック装置は、上述の実施形態に限らず、本発明の要旨を逸脱することなく、種々の構成を採り得ることはもちろんである。チャック装置は、第1把持部及び第2把持部を備えていなくてもよい。つまり、チャック装置は、ワークの形状等に対応した第1把持部及び第2把持部を適宜に着脱可能であればよい。