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  • 特開2017070265-防草シート 図000003
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-70265(P2017-70265A)
(43)【公開日】2017年4月13日
(54)【発明の名称】防草シート
(51)【国際特許分類】
   A01M 21/00 20060101AFI20170324BHJP
   A01G 13/00 20060101ALI20170324BHJP
   D04B 1/00 20060101ALI20170324BHJP
【FI】
   A01M21/00 A
   A01G13/00 302Z
   D04B1/00 B
【審査請求】有
【請求項の数】2
【出願形態】OL
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2015-201051(P2015-201051)
(22)【出願日】2015年10月9日
(11)【特許番号】特許第6065961号(P6065961)
(45)【特許公報発行日】2017年1月25日
(71)【出願人】
【識別番号】515282876
【氏名又は名称】丸宮商工株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088133
【弁理士】
【氏名又は名称】宮田 正道
(72)【発明者】
【氏名】宮本 栄司
【テーマコード(参考)】
2B024
2B121
4L002
【Fターム(参考)】
2B024DA02
2B024DB04
2B024DB07
2B024DC03
2B121AA19
2B121BB28
2B121EA21
2B121FA07
2B121FA12
4L002AA06
4L002AA07
4L002AC05
4L002AC06
4L002BA00
4L002BA01
4L002BA02
4L002BA03
4L002DA01
4L002EA00
4L002EA02
4L002EA05
4L002EA06
4L002FA00
(57)【要約】
【課題】十分な伸縮性と耐久性を有する防草シートを提供すること。
【解決手段】防草シート1は、編地2,3とそれらの編地の間の接結部4とを有する防草シートである。防草シート1の表面となる編地2は、遮光可能な色の原液着色糸からなり、遮光性を有する。防草シート1の裏面となる編地3は、熱融着糸からなり、熱硬化している。また防草シート1の裏面となる編地3は、平均孔径3mm未満の孔5が形成されている。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の編地とそれらの編地の間の接結部とを有する防草シートであって、
この防草シートの表面となる編地は、遮光性を有しており、
前記防草シートの裏面となる編地は、熱硬化していることを特徴とする防草シート。
【請求項2】
前記防草シートの表面となる編地は、遮光可能な色の原液着色糸からなることを特徴とする請求項1に記載の防草シート。
【請求項3】
前記防草シートの裏面となる編地は、熱融着糸からなることを特徴とする請求項1又は2に記載の防草シート。
【請求項4】
前記防草シートの裏面となる編地は、平均孔径3mm未満の孔が形成されていることを特徴とする請求項3に記載の防草シート。
【請求項5】
前記接結部は、対向する前記編地の間を行き交う接結糸からなり、前記孔付近の接結糸に比べて、前記孔付近以外の接結糸が太くなっていることを特徴とする請求項4に記載の防草シート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、敷設することによって雑草等の成長を抑制することが可能な防草シートに関する。
【背景技術】
【0002】
雑草等が生えることが望ましくない地面に敷設して、雑草等の成長を抑制する防草シートがある。
【0003】
このような防草シートとして、特許文献1に示す不織布がある。特許文献1に示す不織布は、遮光性を有する黒色系ウェブと、該黒色系ウェブの上面に積層され、光反射性を有する白色系ウェブとによって構成され、ニードルパンチ加工処理及び熱加工処理を、積層した状態の黒色系ウェブ及び白色系ウェブに適用することにより、繊維同士が絡み合った複数の交絡部が形成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−312790号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、不織布は伸縮性に限界がある。そのため、凹凸のある地面に特許文献1に示す不織布を敷設した場合、地面と不織布との間に隙間が生じる場合がある。この隙間に風が吹き込むと、不織布が舞い上がる可能性がある。道路近くに不織布を敷設した場合、路面に不織布が落下すると事故につながるおそれがある。
【0006】
また、不織布では、複数のウェブを積層して、ニードルパンチ加工処理又は熱処理をして交絡部で接着しても、ニードルパンチ加工処理又は熱処理のムラが生じ得る。そのため、交絡部において接着が弱い部分が発生する。この交絡部の接着の弱い部分から積層されているウェブが剥離し、その接着の弱い部分の周囲の交絡部に剥離が進展する可能性がある。この剥離の進展によって、不織布の耐久性は大幅に低下するおそれがある。
【0007】
そこで、上記点より本発明は、十分な伸縮性と耐久性を有する防草シートを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、請求項1の防草シートは、複数の編地とそれらの編地の間の接結部とを有する防草シートであって、この防草シートの表面となる編地は、遮光性を有しており、前記防草シートの裏面となる編地は、熱硬化している。
【0009】
請求項1の防草シートによれば、複数の編地からなるので十分な伸縮性を確保することができる。さらに、請求項1の防草シートは、複数の編地とそれらの編地の間の接結部とを有する構成となっている。このような構成によって、接着によらず、複数の編地が接結されていることとなる。したがって、接着の弱い部分が発生する可能性が極めて小さく、除草シートの耐久性を向上させることができる。
【0010】
この防草シートの表面となる編地は遮光性を有しているので、除草シートを敷設した地面において、雑草の光合成を妨げることができる。また、防草シートの裏面となる編地は、熱硬化していることによって、先端が尖った雑草が防草シートを貫通することを防止できる。
【0011】
請求項2の防草シートは、請求項1の防草シートにおいて、前記防草シートの表面となる編地は、遮光可能な色の原液着色糸からなる。
【0012】
請求項2の防草シートによれば、請求項1の防草シートと同様に作用する上に、防草シートの表面となる編地の色落ち及び色褪せを防止することができる。
【0013】
請求項3の防草シートは、請求項2の防草シートにおいて、前記防草シートの裏面となる編地は、熱融着糸からなる。
【0014】
請求項3の防草シートによれば、請求項2の防草シートと同様に作用する上に、防草シートの裏面となる編地に熱処理を行うことで、熱融着糸が一旦溶けて硬化することになる。熱融着糸が一旦溶けて硬化した編地は、先端が尖った雑草がより貫通しにくくなる。また、熱融着糸が一旦溶けて硬化することで、編目のほつれの発生を防止することができる。
【0015】
請求項4の防草シートは、請求項3の防草シートにおいて、前記防草シートの裏面となる編地は、平均孔径3mm未満の孔が形成されている。
【0016】
請求項4の防草シートは、請求項3の防草シートにおいて、前記防草シートの裏面となる編地は、孔が形成されていることで、防草シートの透水性を確保することができる。また、その孔が平均孔径3mm未満の孔であることによって、透水性の確保と雑草の貫通防止を両立することができる。さらに防草シートの裏面となる編地は、熱融着糸が一旦溶けて硬化しているので、硬化後は孔径が一定となり、先端が尖った雑草の侵入によって、孔が押し広げられることを防止できる。加えて、孔の平均孔径及び単位面積当たりの個数を調節することで、除草シートを敷設した地面が乾燥しすぎないように透水性をコントロールすることができる。
【0017】
請求項5の防草シートは、請求項4の防草シートにおいて、前記接結部は、対向する前記編地の間を行き交う接結糸からなり、前記孔付近以外の接結糸に比べて、前記孔付近の接結糸が細くなっている。
【0018】
請求項5の防草シートによれば、請求項4の防草シートと同様に作用する上に、孔付近以外の接結糸に比べて、孔付近の接結糸が細くなっていることで、孔付近では、この細い接結糸が透水の妨げとなりにくい。したがって、効率良く透水させることができる。
【発明の効果】
【0019】
請求項1乃至5のいずれかの防草シートは、十分な伸縮性を有する。そのため、凹凸のある地面に敷設しても、地面と防草シートとの間に隙間が生じることを抑制できる。また、請求項1乃至5のいずれかの防草シートは、十分な耐久性を有する。そのため、除草シートを敷設後、長期間に渡って防草効果を持続することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の第一実施形態の防草シートの断面概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明の一実施形態の防草シート1ついて、図1に基づいて説明する。
【0022】
防草シート1は、編地2,3とそれらの編地2,3の間の接結部4とを有する。編地2,3は、例えば、ポリエステルやナイロン等の化学繊維糸からなる。編地2,3の編み組織は、平編み、ゴム編み若しくはパール編み、又はこれらの編み方の組み合わせである。特に、編地2,3の編み組織が平編みである場合は、編地2,3は薄くて軽い編地となる。
【0023】
防草シート1の表面となる編地2は、遮光性を有している。防草シート1の表面となる編地2は、遮光可能な色の原液着色糸からなる。遮光可能な色は、例えば、黒色、濃茶色又は濃緑色等である。
【0024】
防草シートの表面となる編地2は、透水性を有する。これにより、防草シート1の表面となる編地2上に水等が停留することを防止できる。
【0025】
防草シート1の裏面となる編地3は、熱硬化している。防草シート1の裏面となる編地3は、熱融着糸からなる。防草シート1の製造方法は、防草シート1を編む工程の後に、防草シート1の裏面となる編地3を熱処理する工程を有する。この熱処理工程によって防草シート1の裏面となる編地3は、熱硬化することとなる。
【0026】
防草シート1を編む工程では、既存の編機を使用して熱融着糸を編むことができるようになっている。また、編地3を熱処理する工程では、加熱温度を調節することによって、熱硬化後の編地3の硬度を調節できるようになっている。
【0027】
防草シート1の裏面となる編地3は、平均孔径3mm未満の孔5が形成されている。孔5は、防草シート1の裏面となる編地3を編む工程で形成される。また、熱処理する工程で、この編地3の熱融着糸が一旦溶けて硬化しても、孔5が閉塞しないようになっている。
【0028】
接結部4は、対向する編地2と編地3との間を行き交う接結糸からなる。防草シート1を編む工程において、編地2及び編地3を編むと同時に、接結糸が編地2と編地3を接結するように編むこととなる。
【0029】
接結部4は、孔5付近の接結糸に比べて、孔5付近以外の接結糸が太くなっている。
【0030】
上記実施形態では、防草シート1は、編地2,3とそれらの編地2,3の間の接結部4とを有する3層の構造の場合について説明したが、これに限定されることなく、防草シートは、複数の編地及び接結部の積層による4層以上の構造であってもよい。
【0031】
上記実施形態では、接結部4は、孔5付近の接結糸に比べて、孔5付近以外の接結糸が太くなっている場合について説明したが、これに限定されることなく、孔付近の接結糸と孔付近以外の接結糸とが同じ太さで、その編地と編地との間を行き交う接結糸の単位面積あたりの密度が、孔付近に比べて孔付近以外が大きくなっていてもよい。
【0032】
接結部の接結糸は、熱融着糸からなっていてもよい。防草シートの裏面となる編地を熱処理する工程において、接結部の接結糸にも熱が伝わり、編地とともに接結糸が硬化する。これにより、接結部の接結糸の編目のほつれの発生を抑制することができる。
【符号の説明】
【0033】
1 防草シート
2 編地
3 編地
4 接結部
5 孔
図1
【手続補正書】
【提出日】2016年6月24日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の編地とそれらの編地の間の接結部とを有する防草シートであって、
この防草シートの表面となる編地は、遮光性を有しており、
前記防草シートの裏面となる編地は、熱硬化しており
前記防草シートの裏面となる編地は、熱融着糸からなり、
前記防草シートの裏面となる編地は、平均孔径3mm未満の孔が形成されており、
前記接結部は、対向する前記編地の間を行き交う接結糸からなり、前記孔付近の接結糸に比べて、前記孔付近以外の接結糸が太くなっていることを特徴とする防草シート。
【請求項2】
前記防草シートの表面となる編地は、遮光可能な色の原液着色糸からなることを特徴とする請求項1に記載の防草シート。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、敷設することによって雑草等の成長を抑制することが可能な防草シートに関する。
【背景技術】
【0002】
雑草等が生えることが望ましくない地面に敷設して、雑草等の成長を抑制する防草シートがある。
【0003】
このような防草シートとして、特許文献1に示す不織布がある。特許文献1に示す不織布は、遮光性を有する黒色系ウェブと、該黒色系ウェブの上面に積層され、光反射性を有する白色系ウェブとによって構成され、ニードルパンチ加工処理及び熱加工処理を、積層した状態の黒色系ウェブ及び白色系ウェブに適用することにより、繊維同士が絡み合った複数の交絡部が形成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−312790号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、不織布は伸縮性に限界がある。そのため、凹凸のある地面に特許文献1に示す不織布を敷設した場合、地面と不織布との間に隙間が生じる場合がある。この隙間に風が吹き込むと、不織布が舞い上がる可能性がある。道路近くに不織布を敷設した場合、路面に不織布が落下すると事故につながるおそれがある。
【0006】
また、不織布では、複数のウェブを積層して、ニードルパンチ加工処理又は熱処理をして交絡部で接着しても、ニードルパンチ加工処理又は熱処理のムラが生じ得る。そのため、交絡部において接着が弱い部分が発生する。この交絡部の接着の弱い部分から積層されているウェブが剥離し、その接着の弱い部分の周囲の交絡部に剥離が進展する可能性がある。この剥離の進展によって、不織布の耐久性は大幅に低下するおそれがある。
【0007】
そこで、上記点より本発明は、十分な伸縮性と耐久性を有する防草シートを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、請求項1の防草シートは、複数の編地とそれらの編地の間の接結部とを有する防草シートであって、この防草シートの表面となる編地は、遮光性を有しており、前記防草シートの裏面となる編地は、熱硬化しており、前記防草シートの裏面となる編地は、熱融着糸からなり前記防草シートの裏面となる編地は、平均孔径3mm未満の孔が形成されており、前記接結部は、対向する前記編地の間を行き交う接結糸からなり、前記孔付近の接結糸に比べて、前記孔付近以外の接結糸が太くなっている
【0009】
請求項1の防草シートによれば、複数の編地からなるので十分な伸縮性を確保することができる。さらに、請求項1の防草シートは、複数の編地とそれらの編地の間の接結部とを有する構成となっている。このような構成によって、接着によらず、複数の編地が接結されていることとなる。したがって、接着の弱い部分が発生する可能性が極めて小さく、除草シートの耐久性を向上させることができる。
【0010】
この防草シートの表面となる編地は遮光性を有しているので、除草シートを敷設した地面において、雑草の光合成を妨げることができる。また、防草シートの裏面となる編地は、熱硬化していることによって、先端が尖った雑草が防草シートを貫通することを防止できる。
【0011】
請求項1の防草シートによれば、防草シートの裏面となる編地に熱処理を行うことで、熱融着糸が一旦溶けて硬化することになる。熱融着糸が一旦溶けて硬化した編地は、先端が尖った雑草がより貫通しにくくなる。また、熱融着糸が一旦溶けて硬化することで、編目のほつれの発生を防止することができる。
【0012】
請求項1の防草シートによれば、前記防草シートの裏面となる編地は、孔が形成されていることで、防草シートの透水性を確保することができる。また、その孔が平均孔径3mm未満の孔であることによって、透水性の確保と雑草の貫通防止を両立することができる。さらに防草シートの裏面となる編地は、熱融着糸が一旦溶けて硬化しているので、硬化後は孔径が一定となり、先端が尖った雑草の侵入によって、孔が押し広げられることを防止できる。加えて、孔の平均孔径及び単位面積当たりの個数を調節することで、除草シートを敷設した地面が乾燥しすぎないように透水性をコントロールすることができる。
【0013】
請求項1の防草シートによれば、孔付近以外の接結糸に比べて、孔付近の接結糸が細くなっていることで、孔付近では、この細い接結糸が透水の妨げとなりにくい。したがって、効率良く透水させることができる。
【0014】
請求項2の防草シートは、請求項1の防草シートにおいて、前記防草シートの表面となる編地は、遮光可能な色の原液着色糸からなる。
【0015】
請求項2の防草シートによれば、請求項1の防草シートと同様に作用する上に、防草シートの表面となる編地の色落ち及び色褪せを防止することができる。
【発明の効果】
【0016】
請求項1又は2の防草シートは、十分な伸縮性を有する。そのため、凹凸のある地面に敷設しても、地面と防草シートとの間に隙間が生じることを抑制できる。また、請求項1又は2の防草シートは、十分な耐久性を有する。そのため、除草シートを敷設後、長期間に渡って防草効果を持続することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の第一実施形態の防草シートの断面概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の一実施形態の防草シート1ついて、図1に基づいて説明する。
【0019】
防草シート1は、編地2,3とそれらの編地2,3の間の接結部4とを有する。編地2,3は、例えば、ポリエステルやナイロン等の化学繊維糸からなる。編地2,3の編み組織は、平編み、ゴム編み若しくはパール編み、又はこれらの編み方の組み合わせである。特に、編地2,3の編み組織が平編みである場合は、編地2,3は薄くて軽い編地となる。
【0020】
防草シート1の表面となる編地2は、遮光性を有している。防草シート1の表面となる編地2は、遮光可能な色の原液着色糸からなる。遮光可能な色は、例えば、黒色、濃茶色又は濃緑色等である。
【0021】
防草シートの表面となる編地2は、透水性を有する。これにより、防草シート1の表面となる編地2上に水等が停留することを防止できる。
【0022】
防草シート1の裏面となる編地3は、熱硬化している。防草シート1の裏面となる編地3は、熱融着糸からなる。防草シート1の製造方法は、防草シート1を編む工程の後に、防草シート1の裏面となる編地3を熱処理する工程を有する。この熱処理工程によって防草シート1の裏面となる編地3は、熱硬化することとなる。
【0023】
防草シート1を編む工程では、既存の編機を使用して熱融着糸を編むことができるようになっている。また、編地3を熱処理する工程では、加熱温度を調節することによって、熱硬化後の編地3の硬度を調節できるようになっている。
【0024】
防草シート1の裏面となる編地3は、平均孔径3mm未満の孔5が形成されている。孔5は、防草シート1の裏面となる編地3を編む工程で形成される。また、熱処理する工程で、この編地3の熱融着糸が一旦溶けて硬化しても、孔5が閉塞しないようになっている。
【0025】
接結部4は、対向する編地2と編地3との間を行き交う接結糸からなる。防草シート1を編む工程において、編地2及び編地3を編むと同時に、接結糸が編地2と編地3を接結するように編むこととなる。
【0026】
接結部4は、孔5付近の接結糸に比べて、孔5付近以外の接結糸が太くなっている。
【0027】
上記実施形態では、防草シート1は、編地2,3とそれらの編地2,3の間の接結部4とを有する3層の構造の場合について説明したが、これに限定されることなく、防草シートは、複数の編地及び接結部の積層による4層以上の構造であってもよい。
【0028】
上記実施形態では、接結部4は、孔5付近の接結糸に比べて、孔5付近以外の接結糸が太くなっている場合について説明したが、これに限定されることなく、孔付近の接結糸と孔付近以外の接結糸とが同じ太さで、その編地と編地との間を行き交う接結糸の単位面積あたりの密度が、孔付近に比べて孔付近以外が大きくなっていてもよい。
【0029】
接結部の接結糸は、熱融着糸からなっていてもよい。防草シートの裏面となる編地を熱処理する工程において、接結部の接結糸にも熱が伝わり、編地とともに接結糸が硬化する。これにより、接結部の接結糸の編目のほつれの発生を抑制することができる。
【符号の説明】
【0030】
1 防草シート
2 編地
3 編地
4 接結部
5 孔