【解決手段】グリッパー装置10は、移動可能に設けられる搬送装置12と、支持部14を介して搬送装置12に取り付けられる複数のグリッパーペア16と、複数のグリッパーペア16の各々を構成する一方のグリッパー16aと他方のグリッパー16bの間隔を調整する間隔調整機構20とを備える。複数のグリッパーペア16の各々を構成する一方のグリッパー16aと他方のグリッパー16bとは、同一の支持部14を介して搬送装置12に取り付けられる。間隔調整機構20は、複数のグリッパーペア16の各々を構成する一方のグリッパー16a及び他方のグリッパー16bのうちの少なくともいずれか一方を、同一の支持部14を基点にして揺動させて、一方のグリッパー16aと他方のグリッパー16bの間隔を調整する。
前記複数のグリッパーペアは、第1グリッパー及び第2グリッパーを有する第1のグリッパーペアと、第3グリッパー及び第4グリッパーを有する第2のグリッパーペアとを含み、
前記間隔調整機構は、前記第1グリッパーに力を加えることができる力作用機構と、前記第1のグリッパーペアと前記第2のグリッパーペアとの間で力を伝達する力伝達機構と、を有し、
前記力作用機構は、前記第1グリッパーを揺動させて、前記第1グリッパーと前記第2グリッパーの間隔を調整し、
前記力伝達機構は、前記力作用機構から前記第1グリッパーに加えられる力を前記第4グリッパーに伝達して当該第4グリッパーを揺動させて、前記第3グリッパーと前記第4グリッパーの間隔を調整する請求項1に記載のグリッパー装置。
前記第1連結機構は、前記第1グリッパー及び前記第4グリッパーのうちの一方に設けられる連結軸と、前記第1グリッパー及び前記第4グリッパーのうちの他方に設けられ前記連結軸が嵌合する嵌合穴であって前記連結軸を移動可能に保持する嵌合穴と、を有する請求項3又は4に記載のグリッパー装置。
前記第2グリッパー及び前記第3グリッパーは、前記支持部の軸方向に関し、前記第1グリッパー及び前記第4グリッパーとは異なる位置で前記支持部に取り付けられる請求項2〜7のいずれか一項に記載のグリッパー装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述のW型製袋包装機のように2つの袋(容器)に対して同時に作業を行うケースでは、左右に並んだ状態で配置される2つの袋の各々を一対の左右グリッパーによって挟持し、一対の左右グリッパー間の間隔を調整することで各袋の開閉がコントロールされる。
【0006】
例えば特許文献1の回転式包装機において2袋単位で処理を行う場合、相互に隣接する第1挟持腕(グリッパー)のペアと第2挟持腕のペアとによって処理対象の2つの袋が挟持される。また特許文献2のW型製袋包装機では、隣接する2組のグリッパーペアによって2つの袋が把持され、間欠移動する2つの袋に対して同時に処理が行われる。
【0007】
このようなグリッパー装置におけるグリッパーの開閉動作(間隔調整動作)は、グリッパーの回転支点を中心に行われるが、このような回転支点はグリッパー毎に設けられている。例えば特許文献1の回転式包装機において、各袋を挟持するための左右の挟持腕は、それぞれ左右に並んで設けられる挟持軸(回転支点)を基準にして回転する。また特許文献2のW型製袋包装機においても、特許文献1の回転式包装機と同様に、グリッパー毎に設けられる回転支点を中心にして各グリッパーは回転する。
【0008】
このようにグリッパー毎に回転支点を設ける場合、例えば2つの袋を同時に把持するための2組のグリッパーペアを左右に並べて設置すると、4つのグリッパーが連続的に設けられるため、従来の装置では4つの回転支点を並べて配置するためのスペースを確保する必要がある。特に上述のW型製袋包装機のように、並んで配置される2組のグリッパーペアが同時に開閉動作を行う場合、グリッパーペア間で開閉動作の干渉が生じないように回転支点間の間隔を十分に広くする必要がある。
【0009】
このようにグリッパー毎に回転支点を設ける場合には、比較的広範囲に及ぶ回転支点の設置スペースを確保する必要がある。特に多数のグリッパーペアが搬送テーブルの外周部に連続的に設置されるロータリー型の装置では、各グリッパーに割り当てられる回転支点を設置するためのスペースを確保するために、搬送テーブルの径を大きくして搬送テーブルの外周部を広範にする必要がある。このように搬送テーブルの径が大きくなると、装置全体が大型化し、また搬送テーブルの回転時に各袋に作用する遠心力や各袋の回転方向への移動速度が大きくなって、各袋に充填された液体等の中身が各袋から飛び出してしまう懸念もある。
【0010】
本発明は上述の事情に鑑みてなされたものであり、複数のグリッパーペアをコンパクトに設置可能なグリッパー装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の一態様は、移動可能に設けられる搬送装置と、支持部を介して搬送装置に取り付けられる複数のグリッパーペアと、複数のグリッパーペアの各々を構成する一方のグリッパーと他方のグリッパーの間隔を調整する間隔調整機構と、を備え、複数のグリッパーペアの各々を構成する一方のグリッパーと他方のグリッパーとは、同一の支持部を介して搬送装置に取り付けられ、間隔調整機構は、複数のグリッパーペアの各々を構成する一方のグリッパー及び他方のグリッパーのうちの少なくともいずれか一方を、同一の支持部を基点にして揺動させて、一方のグリッパーと他方のグリッパーの間隔を調整するグリッパー装置に関する。
【0012】
本態様によれば、各グリッパーペアを構成する複数のグリッパー(一方のグリッパー及び他方のグリッパー)が同一の支持部を介して搬送装置に取り付けられるため、複数のグリッパーペアをコンパクトに設置することが可能である。
【0013】
複数のグリッパーペアは、第1グリッパー及び第2グリッパーを有する第1のグリッパーペアと、第3グリッパー及び第4グリッパーを有する第2のグリッパーペアとを含み、間隔調整機構は、第1グリッパーに力を加えることができる力作用機構と、第1のグリッパーペアと第2のグリッパーペアとの間で力を伝達する力伝達機構と、を有し、力作用機構は、第1グリッパーを揺動させて、第1グリッパーと第2グリッパーの間隔を調整し、力伝達機構は、力作用機構から第1グリッパーに加えられる力を第4グリッパーに伝達して当該第4グリッパーを揺動させて、第3グリッパーと第4グリッパーの間隔を調整してもよい。
【0014】
本態様によれば、第1のグリッパーペア及び第2のグリッパーペアの開閉を適切にコントロールできる。なお第2グリッパー及び第3グリッパーは、第1グリッパー及び第4グリッパーとともに揺動されてもよいし揺動されなくてもよいが、グリッパーペアに把持される袋(容器)の開閉を適切に行う観点からは、第2グリッパー及び第3グリッパーも揺動されることが好ましい。
【0015】
力伝達機構は、第1グリッパーと第4グリッパーとを連結する第1連結機構を有し、力作用機構が第1グリッパーを第2グリッパーから離れる方向に移動させると、第4グリッパーは第3グリッパーから離れる方向に移動してもよい。
【0016】
本態様によれば、第1グリッパーとともに第4グリッパーを揺動させることができる。
【0017】
間隔調整機構は、第1グリッパーと第4グリッパーとを連結する第1弾性部材を有し、力作用機構が第1グリッパーに加える力を増大させると、第1グリッパー及び第4グリッパーは、第1グリッパー及び第4グリッパーに加えられる第1弾性部材の弾性力に抗して移動し、力作用機構が第1グリッパーに加える力を減少させると、第1グリッパー及び第4グリッパーは、第1弾性部材の弾性力によって移動してもよい。
【0018】
本態様によれば、簡素な仕組みで、第1のグリッパーペア及び第2のグリッパーペアの開閉動作を適切に行うことができる。
【0019】
第1連結機構は、第1グリッパー及び第4グリッパーのうちの一方に設けられる連結軸と、第1グリッパー及び第4グリッパーのうちの他方に設けられ連結軸が嵌合する嵌合穴であって連結軸を移動可能に保持する嵌合穴と、を有してもよい。
【0020】
本態様によれば、第1グリッパーから第4グリッパーに力を適切に伝達することができる。
【0021】
力伝達機構は、第1グリッパーと第3グリッパーとを連結する連結ロッドを有し、第3グリッパーは、第1グリッパーと連動して揺動してもよい。
【0022】
本態様によれば、第1グリッパーから第3グリッパーに力を適切に伝達することができる。
【0023】
間隔調整機構は、第2グリッパーと第3グリッパーとを連結する第2弾性部材を有し、力伝達機構は、第2グリッパー及び第3グリッパーを連結する第2連結機構を有し、第3グリッパーが第4グリッパーに近づく方向に移動すると第2グリッパーは第1グリッパーに近づく方向に移動し、第3グリッパーが第4グリッパーから遠ざかる方向に移動すると第2グリッパーは第1グリッパーから遠ざかる方向に移動してもよい。
【0024】
本態様によれば、第2グリッパー及び第3グリッパーの開閉動作を適切に行うことができる。
【0025】
第2グリッパー及び第3グリッパーは、支持部の軸方向に関し、第1グリッパー及び第4グリッパーとは異なる位置で支持部に取り付けられてもよい。
【0026】
本態様によれば、空間効率を高めつつ、グリッパー間の干渉を効果的に回避することができる。
【0027】
搬送装置は、回転軸と、当該回転軸に取り付けられ当該回転軸とともに回転する回転テーブルとを有し、複数のグリッパーペアは、支持部を介して回転テーブルに取り付けられ、力作用機構は、カム面を有する円筒カムと、回転テーブルに取り付けられるカムレバー部であって、カム面上を移動するカムフォロアと第1グリッパーに当接可能な押圧ローラーとを具備するカムレバー部と、を有し、カム面は、回転軸の軸方向に関する位置が、回転テーブルの回転方向に関して変動し、カムフォロアは、カム面のうち回転テーブルの回転に応じた位置に当接し、カムレバー部は、カムフォロアが当接しているカム面の位置に応じた姿勢をとり、当該姿勢に応じて押圧ローラーを介して第1グリッパーに加える力が変動してもよい。
【0028】
本態様によれば、第1グリッパーに加えられる力を回転テーブルの回転に応じて変えることができる。
【発明の効果】
【0029】
本発明によれば、各グリッパーペアを構成する複数のグリッパーが同一の支持部を介して搬送装置に取り付けられるため、複数のグリッパーペアをコンパクトに設置することができる。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、図面を参照して本発明の一実施形態について説明する。
【0032】
図1は、本発明の一実施形態に係るグリッパー装置10の平面図であり、上方からグリッパー装置10を見た状態を示す。
図2は、本発明の一実施形態に係るグリッパー装置10の平面図であり、下方からグリッパー装置10を見た状態を示す。
図3は、本発明の一実施形態に係るグリッパー装置10の断面図であり、グリッパー装置10を側方から見た状態を示す。
図4は、カムレバー部61の一例を示す図であり、(a)はカムレバー部61(押圧ローラー63)が第1グリッパー31(グリッパーレバー部17)に接触している状態を示し、(b)はカムレバー部61(押圧ローラー63)が第1グリッパー31(グリッパーレバー部17)に接触していない状態を示す。
【0033】
なお
図1〜4では、理解を容易にするため、各要素が実際とは異なるサイズで描かれており、また一部の要素(各要素の一部分を含む)の図示が省略されているが、当業者であれば、当然に、
図1〜4において示されているグリッパー装置10に含まれる各要素の構成及び作用を適切に理解可能である。例えば
図1は、主として搬送装置12、力作用機構24、力伝達機構26及び各グリッパーペア16(特に第1グリッパー31及び第4グリッパー34の連結態様及び第1グリッパー31及び第3グリッパー33の連結態様)に関する具体的な構成を例示する。また
図2は、主として、回転テーブル55、力伝達機構26及び各グリッパーペア16(特に第2グリッパー32及び第3グリッパー33の連結態様)に関する具体的な構成を例示する。また
図3は、主として、回転軸54、星型カム65、回転テーブル55及び各グリッパーペア16の具体的な構成を例示する。また
図4は、主として回転テーブル55、カムレバー部61(力作用機構24)及びグリッパー(特に第1グリッパー31)の具体的な構成を例示する。
【0034】
本実施形態のグリッパー装置10は、移動可能に設けられるロータリー型の搬送装置12と、支持部14を介して搬送装置12に取り付けられる複数のグリッパーペア16(少なくとも2組のグリッパーペア16;例えば16組のグリッパーペア16)と、複数のグリッパーペア16の各々を構成する一方のグリッパー16aと他方のグリッパー16bの間隔を調整する間隔調整機構20とを備える。
【0035】
本例の搬送装置12は、回転軸54と、当該回転軸54に取り付けられ当該回転軸54とともに回転する回転テーブル55とを有する。回転軸54は、コントローラ(図示省略)の制御下で回転軸線Axを中心に回転し、回転テーブル55は、回転軸54により駆動されて回転軸54と一体的に回転する。本例の回転軸54及び回転テーブル55は、間欠的に所定の角度単位で回転し、回転オン及び回転オフ(停止)を繰り返し行う。特にグリッパーペア16に把持された袋Bに対して複数の処理を連続的に行う場合、各処理が行われている間は回転軸54及び回転テーブル55の回転は停止する一方で、次の処理を行うための位置(処理位置(ステーションとも呼ばれる))に袋Bを移動させるために回転軸54及び回転テーブル55が回転する。このような回転軸54及び回転テーブル55の回転オン及び回転オフは、図示しないコントローラによって適宜制御される。
【0036】
複数のグリッパーペア16は、回転テーブル55に固定される支持部14を介し、回転テーブル55の外周部に対して等間隔(等角度間隔)に取り付けられており、回転テーブル55と一体的に回転する。特に本例のグリッパーペア16は、それぞれ回転テーブル55よりも下方に配置され(
図3参照)、円状の移動経路に沿って間欠的に移動する。複数のグリッパーペア16の各々は2つのグリッパー(左右グリッパー)16a、16bを有しており、袋(容器)Bを把持する左右グリッパー16a、16bが開閉することで、袋Bの充填用の導入口部が開いたり閉じたりする。
【0037】
本例の回転テーブル55の外周部は、
図1及び
図2に示すように、等間隔(等角度間隔)に設けられる複数のテーブル突起部55a(例えば8つのテーブル突起部55a)を有し、テーブル突起部55a間にはテーブル切欠部55bが形成される。各テーブル突起部55aには2つの支持部14が設けられ、当該2つの支持部14を介して2組のグリッパーペア16が各テーブル突起部55a(回転テーブル55)に取り付けられる。各テーブル突起部55aに取り付けられる2組のグリッパーペア16のうち、一方は後述の第1のグリッパーペア21(第1グリッパー31及び第2グリッパー32)を構成し、他方は後述の第2のグリッパーペア22(第3グリッパー33及び第4グリッパー34)を構成し、これらの第1のグリッパーペア21及び第2のグリッパーペア22は異なる処理位置(
図1に示す例では「処理位置P1」及び「処理位置P2」)に配置される。
【0038】
左右グリッパー16a、16bの各々は、支持部14に対して揺動可能(回転自在)に取り付けられるグリッパーレバー部17と、グリッパーレバー部17の一方の端部に固定されグリッパーレバー部17と一体的に揺動するグリッパー先端部18とを有する。グリッパーレバー部17は屈曲形状を有し(
図1及び
図2参照)、グリッパーレバー部17の両端部間の中間部分に該当する屈曲部位に支持部14が取り付けられる。グリッパー先端部18の末端には、処理対象の袋Bの側端部を把持するためのクランプ部19が設けられており、袋Bの両側端部が左右グリッパー16a、16bによってそれぞれ把持される。
【0039】
各グリッパーペア16の開閉動作は、回転テーブル55の回転に連動して行われ、各グリッパーペア16の回転方向位置に応じて、左右グリッパー16a、16b間の間隔が変動して袋Bの導入口部の開き具合が決められる。回転テーブル55を360°回転させる過程で各グリッパーペア16が配置される複数の位置(例えば8つの位置(
図1の処理位置「P1」及び「P2」参照))において各種の処理が行われ、各処理位置において、袋Bの導入口部の開き具合が対応の処理に必要とされる開度となるようにコントロールされる。各処理位置で行われる具体的な処理は特に限定されず、例えば処理対象の袋Bがグリッパーペア16に供給される給袋工程、袋Bに対する印刷処理が行われる印刷工程、袋Bの導入口部が開口される開口工程、導入口部を介して袋B内部に対象物(内容物)が充填される充填工程、袋Bの導入口部が閉口される閉口工程、袋Bの導入口部がシールされるシール工程、袋B(とりわけ導入口部)が冷却される冷却工程、或いは袋Bがグリッパーペア16から取り外されて排出される排出工程等を、各処理位置で行うことができる。また、その他の処理を行う工程(例えば、印刷不良の有無を検査する工程、袋Bの状態を検知する工程、不良な袋Bを排除する工程、或いは袋Bに所望の折り目を付与する工程)が任意の処理位置において行われてもよい。
【0040】
また特に本実施形態では、各グリッパーペア16を構成する左右グリッパー16a、16bが、同一の支持部14を介して回転テーブル55(搬送装置12)に取り付けられる。各グリッパーペア16を構成する複数のグリッパー(左右グリッパー)16a、16bを同一の支持部14を介して回転テーブル55に固定することで、省スペース化を図ることができ、複数のグリッパーペア16をコンパクトに設置できる。また本実施形態では、隣り合って設置される2組のグリッパーペア16のグリッパー16a、16b間の開閉動作が、相互に連動して行われる。すなわち2組のグリッパーペア16のうち、一方のグリッパーペア16の左右グリッパー16a、16bが開くと他方のグリッパーペア16の左右グリッパー16a、16bも開き、一方のグリッパーペア16の左右グリッパー16a、16bが閉じると他方のグリッパーペア16の左右グリッパー16a、16bも閉じる。なお、グリッパーペア16の詳細な構成については、後述する。
【0041】
間隔調整機構20は、複数のグリッパーペア16の各々を構成する左右グリッパー16a、16bのうちの少なくともいずれか一方を、これらの左右グリッパー16a、16bを支持する同一の支持部14を基点にして揺動させることで、これらの左右グリッパー16a、16b間の間隔を調整する。間隔調整機構20の具体的な構成は特に限定されないが、本例の間隔調整機構20は円筒カム57及びカムレバー部61を含み、円筒カム57とカムレバー部61とが協働して各グリッパーペア16の左右グリッパー16a、16b間の間隔がコントロールされる。
【0042】
本例の円筒カム57は、回転テーブル55の下方において回転軸54に取り付けられ、回転軸54の軸方向へ回転軸54に沿って移動可能に設けられるが、回転軸54の回転方向へは基本的には回転せず、回転軸54が回転しても円筒カム57は回転しない。円筒カム57は、回転軸54の周囲において回転軸54を360°取り囲むようにして設けられるカム面58を有し、当該カム面58は回転軸54の軸方向に関する位置(軸方向位置)が変動する。すなわちカム面58は、後述のカムフォロア62の移動経路に沿って設けられ、軸方向位置が、回転テーブル55の回転方向に関して起伏している。後述のように、カムフォロア62が接触するカム面58の軸方向位置に応じて各グリッパーペア16の左右グリッパー16a、16b間の間隔が変動するため、処理位置毎に対応のカム面58の軸方向位置が定められる。これにより、処理位置の各々において対応の処理を適切に行うことができるように、各グリッパーペア16の左右グリッパー16a、16b間の間隔が調整されて袋Bの導入口部の開閉がコントロールされる。
【0043】
なお、円筒カム57全体の軸方向位置は固定されていてもよいし、可変であってもよい。回転テーブル55に対するカム面58の相対的な軸方向距離に応じて各グリッパーペア16の開閉の大きさが変わるため、各グリッパーペア16の左右グリッパー16a、16b間の最大間隔を調整する必要がある場合には、円筒カム57全体の軸方向位置を変えるための軸方向位置調整機構を設置することが好ましい。この軸方向位置調整機構の具体的な構成は特に限定されず、例えば実開昭63−131905号公報に開示される機構(すなわちハンドル、ネジ軸及びレバーを含む機構)等、公知の部材を組み合わせた機構によって、円筒カム57全体の軸方向位置を変えるための機構は適宜実現可能である。
【0044】
一方、カムレバー部61は、カム面58上を転がりながら移動するカムフォロア62と、グリッパー(特に第1グリッパー31)に当接可能な押圧ローラー63とを具備し、全体としてL字状の形状を有する(
図4(a)及び(b)参照)。すなわちカムレバー部61のL字状本体部の一方の端部にはカムフォロア62が設けられ、他方の端部には押圧ローラー63が設けられており、L字状本体部の両端部間の角部(屈曲部)にはレバー揺動軸部64が設けられる。レバー揺動軸部64はブラケット60を介して回転テーブル55に取り付けられており、カムレバー部61は、レバー揺動軸部64及びブラケット60を介して回転テーブル55に支持され、レバー揺動軸部64を中心に揺動可能に設けられている。
【0045】
カムフォロア62は、回転テーブル55とともに回転軸54を中心に回転し、回転テーブル55の回転に応じたカム面58上の位置に当接する。カムレバー部61は、カムフォロア62が当接しているカム面58の軸方向位置に応じた姿勢をとり、押圧ローラー63を介してカムレバー部61からグリッパー(特に後述の第1グリッパー31)に加えられる力はカムレバー部61の姿勢に応じて変動する。すなわち、回転テーブル55とともにカムレバー部61が回転すると、カムフォロア62はカム面58上を移動しながら軸方向位置を変え、カムレバー部61はカムフォロア62の軸方向位置に応じて姿勢が変わり、押圧ローラー63の位置(特に軸方向と垂直を成す方向(水平方向)の位置)も変わる。この押圧ローラー63の位置に応じて、グリッパー(特に後述の第1グリッパー31)が押圧ローラー63(カムレバー部61)から受ける力が変動し、各グリッパーペア16のグリッパー間隔が変わる。
【0046】
本例の押圧ローラー63は、第1グリッパー31のグリッパーレバー部17の尾部側面に当接可能に設けられ、第1グリッパー31(及び後述の第2グリッパー32〜第4グリッパー34)の開閉位置を決める役割を果たす。すなわちカムフォロア62の軸方向位置に応じて押圧ローラー63の配置位置が定まり、当該押圧ローラー63の配置位置によって第1グリッパー31(及び後述の第2グリッパー32〜第4グリッパー34)の開閉位置が決まる。なお本例では、押圧ローラー63が第1グリッパー31と当接せずに第1グリッパー31から離間した位置に配置される状態もある(
図4(b)参照)。この状態の場合、第1グリッパー31は押圧ローラー63から力を受けず、グリッパーペア16は左右グリッパー16a、16b間の間隔が狭まった状態になる。
【0047】
このように本実施形態の円筒カム57(カム面58)及びカムレバー部61(カムフォロア62及び押圧ローラー63)は、グリッパー(特に後述の第1グリッパー31)に力を加えることができる力作用機構24の少なくとも一部を構成する。
【0048】
なお、本実施形態では各グリッパーペア16のグリッパー16a、16b間の間隔が星型カム65によって制限され、各グリッパーペア16のグリッパー16a、16b間の最小間隔が星型カム65によって決められる。
【0049】
星型カム65は、
図3に示すように、回転テーブル55の上方において回転テーブル55と平行に延在し、回転軸54の先端部に取り付けられ、回転軸54及び回転テーブル55と一体的に回転する。星型カム65の外周部は、
図1に示すように等間隔(等角度間隔)に設けられる複数のカム突起部65a(例えば8つのカム突起部65a)を有し、カム突起部65a間にはカム切欠部65bが形成され、各カム突起部65aはカム傾斜辺65cを有する。星型カム65は、カム傾斜辺65cが連結軸40の頂部に設けられるコロ部67(
図1参照)と接触可能であるように配置される。各コロ部67は、各グリッパーペア16の閉動作を制限するための係止ピンとして機能し、カム傾斜辺65cがコロ部67と接触することで各グリッパーペア16の閉動作が規制される。例えば、各グリッパーペア16の左右グリッパー16a、16b間の間隔が比較的大きい場合、コロ部67はカム傾斜辺65cから離間した位置に配置され、当該グリッパー16a、16b間の間隔はコロ部67による規制を受けない(
図1の「処理位置P1」参照)。一方、各グリッパーペア16のグリッパー16a、16b間の間隔が比較的小さい場合、コロ部67はカム傾斜辺65cに接触して移動が規制され、当該グリッパー16a、16b間の間隔が更に狭くはならない(
図1の「処理位置P2」参照)。
【0050】
このように、各グリッパーペア16の左右グリッパー16a、16b間の最小間隔は星型カム65の配置によって決められる。図示の例では星型カム65は回転軸54に固定されているが、星型カム65の位置(特に回転軸54の回転方向(水平方向)に関する位置)は可変であってもよい。星型カム65の位置を可変とすることで、各グリッパーペア16のグリッパー16a、16b間の最小間隔を変えられ、様々なサイズの袋B(容器)に対して柔軟に対応することが可能となる。
【0051】
回転軸54に対する星型カム65の配置を調整するための機構は特に限定されず、任意の機構が採用されうる。例えば、回転軸54の軸方向と平行な方向に延在する軸部を有する摘まみ部を設けてもよい。この摘まみ部の軸部は、回転テーブル55に設けられたベアリング部の雌ねじ部と螺合する雄螺子部を有し、摘まみ部は、回転させられると、雌ねじ部及び雄螺子部により導かれて軸方向へ移動する。摘まみ部の軸部の端部にはL状レバーの一方の端部が連結されており、L状レバーは、摘まみ部の軸部の端部が軸方向に移動することで、ピンを支点に揺動する。L状レバーの他方の端部にはコロが取り付けられており、このコロは、星型カム65に形成された長孔形状の嵌合スリットに嵌合する。これ構成において、摘まみ部を回転させて軸方向に変位させてL状レバーの姿勢を変えることにより、軸方向と垂直な方向(すなわち回転軸54に対する星型カム65の回転方向)に関するコロの位置を変えて星型カム65の配置を調整できる。なお、実開昭63−131905号公報に開示される機構(すなわち横杆、スライド用溝、L状レバー、ピン、軸承函(ベアリング函)、コロ及びスリットを含む機構)等、公知の部材を組み合わせた機構によって、回転軸54に対する星型カム65の配置を調整するための機構は適宜実現可能である。
【0052】
次に、本実施形態に係るグリッパーペア16の開閉機構に関する詳細な構成について説明する。
【0053】
本実施形態では、隣り合って設置される2組のグリッパーペア16(第1のグリッパーペア21及び第2のグリッパーペア22)の左右グリッパー16a、16b間の開閉動作が相互に連動して行われる。すなわち第1のグリッパーペア21を構成する第1グリッパー31及び第2グリッパー32の開閉動作は、第2のグリッパーペア22を構成する第3グリッパー33及び第4グリッパー34の開閉動作と同期して行われる。
【0054】
図示の例では、2組のグリッパーペア16を構成する4つのグリッパーの一方側から他方側に向かって第1グリッパー31〜第4グリッパー34が順次配置されている(
図1及び
図2参照)。
【0055】
なお回転テーブル55に取り付けられる複数のグリッパーペア16は、相互に連動する「第1のグリッパーペア21及び第2のグリッパーペア22の組み合わせ」を1つのみ含んでいてもよいし、複数含んでいてもよい。特にロータリー型のグリッパー装置10において複数の処理位置(
図1の「処理位置P1」及び「処理位置P2」参照)が設けられる場合、処理位置の数と同数の「第1のグリッパーペア21及び第2のグリッパーペア22の組み合わせ」が回転テーブル55に取り付けられることによって、回転テーブル55の間欠回転とともに複数の処理位置における処理を連続的に行うことができる一方で、グリッパー装置10全体をコンパクトに構成できる。したがって、例えば8箇所の処理位置が設けられる場合、「第1のグリッパーペア21及び第2のグリッパーペア22の組み合わせ」を8つ設けて、トータルで16個のグリッパーペア16を回転テーブル55に取り付けることが好ましい。この場合、左右に並んだ状態で第1のグリッパーペア21及び第2のグリッパーペア22によって支持される2つの袋Bに対する処理を、各処理位置において一度に行うことができる。
【0056】
図1に示すように、第1グリッパー31のグリッパーレバー部17には、上述の支持部14の他に、連結軸40が設けられている。本例では第1グリッパー31のグリッパーレバー部17のうち、グリッパーレバー部17の屈曲部位(中央部分)を基準に定められる一方の端部側には連結軸40が設けられ、他方の端部側には、第1弾性部材44の一端部を固定するための第1弾性部材支持部44aが取り付けられるとともに連結ロッド46の一端部が揺動可能に取り付けられている。また第4グリッパー34のグリッパーレバー部17には、上述の支持部14の他に、嵌合穴41が設けられている。第4グリッパー34のグリッパーレバー部17のうち、グリッパーレバー部17の屈曲部位を基準に定められる一方の端部側には第1弾性部材44の他端部を固定するための第1弾性部材支持部44aが取り付けられ、他方の端部側には嵌合穴41が設けられる。
【0057】
また
図2に示すように、第2グリッパー32のグリッパーレバー部17のうち、グリッパーレバー部17の屈曲部位を基準に定められる一方の端部側には第2連結機構52のリンク部材の一端部が揺動可能に取り付けられ、他方の端部側には第2弾性部材50の一端部が揺動可能に取り付けられている。また第3グリッパー33のグリッパーレバー部17のうち、グリッパーレバー部17の屈曲部位を基準に定められる一方の端部側には連結ロッド46の他端部(
図1参照)及び第2弾性部材50の他端部(
図2参照)が揺動可能に取り付けられ、他方の端部側には第2連結機構52のリンク部材の他端部が揺動可能に取り付けられている(
図2参照)。
【0058】
そして
図3に示すように、第2グリッパー32及び第3グリッパー33は、支持部14の軸方向に関し、第1グリッパー31及び第4グリッパー34とは異なる位置で支持部14に取り付けられている。例えば第1グリッパー31及び第2グリッパー32は、同一の支持部14に取り付けられるが、同一の支持部14のうち軸方向に関して互いに異なる箇所にそれぞれ取り付けられる(
図3に示す例では、第1グリッパー31が上側に設けられ、第2グリッパー32が下側に設けられる)。同様に、第3グリッパー33及び第4グリッパー34も、同一の支持部14に取り付けられるが、同一の支持部14のうち軸方向に関して互いに異なる箇所にそれぞれ取り付けられる(
図3に示す例では、第4グリッパー34が上側に設けられ、第3グリッパー33が下側に設けられる)。このように支持部14に対する各グリッパーの取り付け位置を変えることで、省スペース化を図りつつグリッパー間の干渉を効果的に回避できる。なお本例では、異なる支持部14に取り付けられる第1グリッパー31と第4グリッパー34とは、軸方向に関して同一の位置(高さ)に配置される。同様に、異なる支持部14に取り付けられる第2グリッパー32と第3グリッパー33とは、軸方向に関して同一の位置に配置される。これにより、空間効率を更に向上させられる。
【0059】
なお第1グリッパー31及び第4グリッパー34では、グリッパーレバー部17が、軸方向と垂直な水平方向に延在する水平部分と、当該水平部分の先端から軸方向下向きに延在する下向き部分とを有し、当該下向き部分からグリッパー先端部18が水平方向に延在する。一方、第2グリッパー32及び第3グリッパー33では、グリッパーレバー部17が、軸方向と垂直な水平方向に延在する水平部分と、当該水平部分の先端から軸方向上向きに延在する上向き部分とを有し、当該上向き部分からグリッパー先端部18が水平方向に延在する。これにより、第1グリッパー31のグリッパー先端部18及びクランプ部19の軸方向位置を第2グリッパー32のグリッパー先端部18及びクランプ部19の軸方向位置と同じにすることができ、また第3グリッパー33のグリッパー先端部18及びクランプ部19の軸方向位置を第4グリッパー34のグリッパー先端部18及びクランプ部19の軸方向位置と同じにすることができる。
【0060】
一方、間隔調整機構20は、第1グリッパー31に力を加えることができる力作用機構24と、第1グリッパー31と第2グリッパー32との間で力を伝達する力伝達機構26と、を有する。また間隔調整機構20は、第1グリッパー31と第4グリッパー34とを連結する第1弾性部材44を更に有する。
図1に示す本例の第1弾性部材44は引っ張りバネ部であり、第1グリッパー31及び第4グリッパー34には、相互に近づく方向の弾性力が第1弾性部材44によって加えられる。また間隔調整機構20は、第2グリッパー32と第3グリッパー33とを連結する第2弾性部材50を更に有する。
図2に示す本例の第2弾性部材50は圧縮バネ部であり、第2グリッパー32及び第3グリッパー33には、相互に遠ざかる方向の弾性力が第2弾性部材50によって加えられている。なお第1弾性部材44及び第2弾性部材50の具体的な構成は特に限定されず、第1弾性部材44及び第2弾性部材50はそれぞれ単一部材によって構成されてもよいし、複数の部材が組み合わされて構成されてもよい。図示の例では、第1弾性部材44は単一部材(コイルスプリング)によって構成され、第2弾性部材50は複数の部材(圧縮バネ及び当該圧縮バネの両端を保持する一対のブラケット)が組み合わされて構成されており、第2弾性部材50が有する2つのブラケットが第2グリッパー32及び第3グリッパー33に対してそれぞれ揺動可能に取り付けられている。
【0061】
本例の力作用機構24は、上述のように円筒カム57(カム面58)及びカムレバー部61(カムフォロア62及び押圧ローラー63)を含む。カムフォロア62が当接するカム面58の軸方向位置に応じて、第1グリッパー31に対する押圧ローラー63の相対位置が変わり、押圧ローラー63から第1グリッパー31に加えられる力が変動する。例えば、第1グリッパー31と接触する位置に押圧ローラー63が配置される場合(
図1の「処理位置P1」及び
図4(a)参照)、押圧ローラー63の位置に応じて第1グリッパー31の開閉姿勢が定まる。一方、第1グリッパー31と接触しない位置に押圧ローラー63が配置される場合(
図1の「処理位置P2」及び
図4(b)参照)、星型カム65のカム傾斜辺65cと連結軸40に設けられるコロ部67とが接触して第1グリッパー31の開閉姿勢が定まり、第1グリッパー31は押圧ローラー63の位置とは無関係な開閉姿勢をとる。なおカム傾斜辺65cとコロ部67とが接触する場合、第1グリッパー31(及び第2グリッパー32、第3グリッパー33及び第4グリッパー34)は最も閉じた状態となる。
【0062】
このように力作用機構24は、第1グリッパー31に加える力を調整して当該第1グリッパー31を揺動させて、第1グリッパー31と第2グリッパー32の間隔を調整する。
【0063】
一方、力伝達機構26は、力作用機構24から第1グリッパー31に加えられる力を第4グリッパー34に伝達して当該第4グリッパー34を揺動させて、当該第4グリッパー34と第3グリッパー33の間隔を調整する。本実施形態の力伝達機構26は、第1グリッパー31と第4グリッパー34とを連結する第1連結機構39を有する。
図1に示す本例の第1連結機構39は、第1グリッパー31及び第4グリッパー34のうちの一方(図示の例では第1グリッパー31)に設けられる連結軸40と、第1グリッパー31及び第4グリッパー34のうちの他方(図示の例では第4グリッパー34)に設けられ連結軸40が嵌合する嵌合穴41であって連結軸40を移動可能に保持する嵌合穴41と、を有する。本例の嵌合穴41は長穴形状を有し、連結軸40は、嵌合穴41に嵌合した状態で、嵌合穴41の延在方向へ移動自在(摺動自在)に設けられている。
【0064】
力作用機構24によって定まる第1グリッパー31の開閉姿勢に応じて連結軸40の位置(特に軸方向と垂直な方向(水平方向)に関する位置)が変動し、連結軸40の位置に応じて第4グリッパー34の姿勢が定まる。特に、上述の連結軸40及び嵌合穴41によって構成される本例の第1連結機構39によれば、第4グリッパー34は第1グリッパー31と対称的な(好ましくは線対称の)挙動及び姿勢をとる。例えば、力作用機構24が第1グリッパー31に加える力を増大させると、第1グリッパー31及び第4グリッパー34は、第1グリッパー31及び第4グリッパー34に加えられる第1弾性部材44の弾性力に抗して移動し、第1グリッパー31は第2グリッパー32から離れる方向に移動するとともに、第4グリッパー34は第3グリッパー33から離れる方向に移動する。一方、第1グリッパー31が第2グリッパー32に近づく方向に移動すると、第4グリッパー34は第3グリッパー33に近づく方向に移動する。特に本例では、第1グリッパー31及び第4グリッパー34が第1弾性部材44によって連結されているため、力作用機構24が第1グリッパー31に加える力を減少させると、第1グリッパー31及び第4グリッパー34は第1弾性部材44の弾性力によって相互に近づく方向に移動する。このように、各グリッパーの開閉方向に関して第1グリッパー31の移動する方向と第4グリッパー34の移動する方向とが互いに逆向きとなるように、第1グリッパー31と第4グリッパー34とは第1連結機構39によって連結されている。
【0065】
また力伝達機構26は、第1グリッパー31と第3グリッパー33とを連結する連結ロッド46を更に有する(
図1参照)。第3グリッパー33は、連結ロッド46を介して第1グリッパー31と連動して動き、各グリッパーの開閉方向に関して第1グリッパー31と同じ向きに移動する。例えば第1グリッパー31が第2グリッパー32に近づく方向に移動すると、第3グリッパー33は第4グリッパー34に近づく方向に移動する。
【0066】
また力伝達機構26は、第2グリッパー32及び第3グリッパー33を連結する第2連結機構52を更に有する。
図2に示す本例の第2連結機構52はリンク部材によって構成され、第2グリッパー32及び第3グリッパー33が相互に対称的な(好ましくは線対称の)挙動及び姿勢をとるように、第2グリッパー32及び第3グリッパー33は第2連結機構52によって揺動自在に連結されている。したがって、例えば第3グリッパー33が第4グリッパー34に近づく方向に移動すると第2グリッパー32は第1グリッパー31に近づく方向に動き、第3グリッパー33が第4グリッパー34から遠ざかる方向に移動すると第2グリッパー32は第1グリッパー31から遠ざかる方向に移動する。
【0067】
また
図2に示す本例の第2グリッパー32及び第3グリッパー33は、圧縮バネ型の第2弾性部材50によっても連結されている。そのため、第1グリッパー31から連結ロッド46を介して第3グリッパー33に加えられる力が増大すると、第2グリッパー32及び第3グリッパー33は、第2グリッパー32及び第3グリッパー33に加えられる第2弾性部材50の弾性力に抗して移動し、第3グリッパー33が第4グリッパー34から遠ざかる方向に移動するとともに第2グリッパー32が第1グリッパー31から遠ざかる方向に移動する。一方、第1グリッパー31から連結ロッド46を介して第3グリッパー33に加えられる力が減少すると、第2グリッパー32及び第3グリッパー33は、第2グリッパー32及び第3グリッパー33に加えられる第2弾性部材50の弾性力によって相互に遠ざかる方向に移動する。このように、各グリッパーの開閉方向に関して第2グリッパー32の移動する方向と第3グリッパー33の移動する方向とが互いに逆向きとなるように、第2グリッパー32と第3グリッパー33とは第2連結機構52によって連結されている。
【0068】
上述の構成を有するグリッパーペア16(第1のグリッパーペア21及び第2のグリッパーペア22)によれば、カムレバー部61(力作用機構24)によって第1グリッパー31に加えられる力は、第1連結機構39(連結軸40及び嵌合穴41)を介して第4グリッパー34に伝達されるとともに、連結ロッド46を介して第3グリッパー33に伝達される。また第1グリッパー31に加えられる力は、連結ロッド46、第3グリッパー33及び第2連結機構52を介して第2グリッパー32に伝達される。このように1つのグリッパー(第1グリッパー31)に加えられた力は、力伝達機構26を介して他の3つのグリッパー(第2グリッパー32、第3グリッパー33及び第4グリッパー34)にも伝えられ、各グリッパーペア16(第1のグリッパーペア21及び第2のグリッパーペア22)の開閉を適切に行うことができる。
【0069】
以上説明したように本実施形態によれば、各グリッパーペア16を構成する左右グリッパー16a、16bを同一の支持部14を介して回転テーブル55に揺動可能に固定することで、複数のグリッパーペア16をコンパクトに設置できる。その一方で、グリッパーペア16を構成する各グリッパーに対して力を適切に伝達し、各グリッパーペア16の開閉動作を精度良くコントロールできる。
【0070】
上述の従来の装置では4つのグリッパーを揺動させるために4つの支持部14が必要とされていたが、本実施形態によれば4つのグリッパー(第1グリッパー31〜第4グリッパー34)を2つの支持部14によって揺動可能に支持することができる。これにより、左右グリッパー16a、16b間の間隔を従来よりも狭められる。また本実施形態に係るグリッパーペア16の設置スペースを、従来のグリッパーペアの設置スペースよりも小さくすることが可能であり、回転テーブル55の径を従来の回転テーブルの径よりも小さくすることができる。回転テーブル55の径を小さくすることで、回転搬送時に袋B及び内容物にかかる遠心力を小さくすることができ、回転搬送時に袋Bから内容物が溢れてしまうことを効果的に防ぐことができる。
【0071】
<変形例>
本発明は、上述の実施形態には限定されず、他の変形が加えられてもよい。
【0072】
例えば、第1連結機構39及び第2連結機構52の構成は特に限定されない。リンク機構によって第1連結機構39が構成されてもよいし、連結軸及び嵌合穴の組み合わせによって第2連結機構52が構成されてもよい。
【0073】
また上述の実施形態では、回転軸54が回転しても円筒カム57は回転しない例について説明したが、円筒カム57は回転軸54とともに回転してもよい。例えば回転軸54及び回転テーブル55が所定の角度だけ回転する場合に、円筒カム57も回転軸54及び回転テーブル55とともに同じ所定の角度だけ回転してもよい。この場合、円筒カム57は、回転軸54及び回転テーブル55とともに所定の角度だけ一旦回転し、回転軸54及び回転テーブル55が停止した後に同じ所定の角度だけ逆回転して元の位置に復帰するように構成されてもよい。これにより、例えば袋Bの導入口部を開口する開口工程と、導入口部を介して袋B内部に内容物を充填する充填工程とが隣り合った処理位置において行われる場合に、開口工程で実現されるグリッパー間の間隔を維持した状態で充填工程を行う処理位置まで袋Bを搬送することが可能である。このような円筒カム57の移動制御は、例えば円筒カム57を移動させる駆動装置(図示省略)及び当該駆動装置を制御するコントローラ(図示省略)によって実行可能である。
【0074】
また力作用機構24を構成する要素はカムレバー部61には限定されず、各グリッパーペア16の開閉に必要な力を所望のグリッパーに加えられる任意の構成を採用しうる。また力伝達機構26の具体的な構成も限定されない。上述の例では、第1グリッパー31から第4グリッパー34に力が伝達され、第1グリッパー31から第3グリッパー33に力が伝達され、第3グリッパー33から第2グリッパー32に力が伝達されるが、力伝達機構26によって各グリッパーに伝えられる力の伝達経路は上述の例に限定されない。すなわち、第1のグリッパーペア21及び第2のグリッパーペア22を構成するグリッパー(第1グリッパー31〜第4グリッパー34)の一部又は全部を適切に連結して、力作用機構24からの力を第1グリッパー31〜第4グリッパー34の一部又は全部に伝えて、第1のグリッパーペア21及び第2のグリッパーペア22の開閉動作を適切にコントロールできる任意の要素(例えば連結機構及びリンク機構等)によって、力伝達機構26を構成することが可能である。
【0075】
したがって上述の実施形態では、2組のグリッパーペア16(第1のグリッパーペア21及び第2のグリッパーペア22)を構成する4つのグリッパーのうち最も外側に配置されるグリッパーの1つが「力作用機構24(カムレバー部61)によって力が加えられる第1グリッパー31」を構成する例について説明したが、他の位置に配置されるグリッパーが「力作用機構24(カムレバー部61)によって力が加えられる第1グリッパー31」を構成することも可能である。
【0076】
また上述の実施形態では、回転軸54及び回転テーブル55の回転が間欠的に行われる例について説明したが、回転軸54及び回転テーブル55が連続的に回転する装置及び方法に対しても本発明を適用することが可能である。
【0077】
本発明の態様は、上述した個々の実施形態に限定されるものではなく、当業者が想到しうる種々の変形も含むものであり、本発明の効果も上述した内容に限定されない。すなわち、特許請求の範囲に規定された内容及びその均等物から導き出される本発明の概念的な思想と趣旨を逸脱しない範囲で種々の追加、変更及び部分的削除が可能である。