特開2017-71444(P2017-71444A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-71444(P2017-71444A)
(43)【公開日】2017年4月13日
(54)【発明の名称】包装箱
(51)【国際特許分類】
   B65D 5/22 20060101AFI20170324BHJP
【FI】
   B65D5/22 H
   B65D5/22 G
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2016-196867(P2016-196867)
(22)【出願日】2016年10月5日
(31)【優先権主張番号】特願2015-198108(P2015-198108)
(32)【優先日】2015年10月6日
(33)【優先権主張国】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000201641
【氏名又は名称】全国農業協同組合連合会
(74)【代理人】
【識別番号】100128358
【弁理士】
【氏名又は名称】木戸 良彦
(74)【代理人】
【識別番号】100086210
【弁理士】
【氏名又は名称】木戸 一彦
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 富隆
(72)【発明者】
【氏名】柿沼 成二
(72)【発明者】
【氏名】松本 龍太郎
(72)【発明者】
【氏名】松尾 洋明
(72)【発明者】
【氏名】荒川 拓哉
(72)【発明者】
【氏名】宮田 知明
【テーマコード(参考)】
3E060
【Fターム(参考)】
3E060AA03
3E060AB20
3E060BB01
3E060BB05
3E060BC02
3E060CC14
3E060CC17
3E060CC34
3E060CC45
3E060DA07
3E060DA23
3E060EA09
3E060EA12
(57)【要約】
【課題】収容物を傷つけることなく多段積みにすることができるとともに、収容物を良好に取り出すことができる包装箱を提供する。
【解決手段】 包装箱1は、底板3,前側板4,後側板5,左側板6,右側板7,左前側連結片8,右前側連結片10,左後側連結片9,右後側連結片11,左頂板12,右頂板13とを備える。左頂板12と右頂板13は、折目A9,A11を介して、左側板6と右側板7の内面側と外面側の双方に折曲可能に形成される。左頂板12と右頂板13とに、係止片12a,13aを、左頂板12と右頂板13の内面側と外面側の双方に折曲可能に形成する。係止片12a,13aが係止される係止孔19と、係止片12a,13aが挿入される挿入部21とを設ける。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
四角形状の底板と、該底板の四辺に折目を介して一体に設けられる前側板,後側板,左側板,右側板と、前記前側板と前記左側板とを連結する左前側連結片と、前記前側板と前記右側板とを連結する右前側連結片と、前記後側板と前記左側板とを連結する左後側連結片と、前記後側板と前記右側板とを連結する右後側連結片と、前記左側板の左端部に折目を介して一体に設けられる左頂板と、前記右側板の右端部に折目を介して一体に設けられる右頂板とを備えた板状部材を組み立てることにより形成される包装箱において、
前記左頂板は、折目を介して、前記左側板の内面側と外面側の双方に折曲可能に形成されるとともに、前後方向両端部に、前後方向に突出し、且つ、折目を介して前記左頂板の内面側と外面側の双方に折曲可能な一対の係止片を備え、
前記右頂板は、折目を介して、前記右側板の内面側と外面側の双方に折曲可能に形成されるとともに、前後方向両端部に、前後方向に突出し、且つ、折目を介して前記右頂板の内面側と外面側の双方に折曲可能な一対の係止片を備え、
前記前側板と前記後側板の上縁部に、前記各係止片が係止される係止孔がそれぞれ形成され、
前記左前側連結片と前記左後側連結片とは、折目を介して前記左側板の前後方向の両端部にそれぞれ一体に設けられ、
前記右前側連結片と前記右後側連結片とは、折目を介して前記右側板の前後方向の両端部にそれぞれ一体に設けられ、
前記前側板と前記左前側連結片との間、前記前側板と前記右前側連結片との間、前記後側板と前記左後側連結片との間、前記後側板と前記右後側連結片との間に、前記各係止片を挿入して係止する挿入部をそれぞれ形成し、
前記左頂板と前記右頂板とを、折目を介して前記左側板と右側板の内面側にそれぞれ折曲するとともに、前記各係止片を、折目を介して前記左頂板と前記右頂板の内面側にそれぞれ折曲して、前記各係止片を前記各係止孔に係止する収容物収容状態と、前記左頂板と前記右頂板とを、折目を介して前記左側板と前記右側板の外面側にそれぞれ折曲するとともに、前記各係止片を、折目を介して前記左頂板と前記右頂板の外面側にそれぞれ折曲して、前記各係止片を前記各挿入部に挿入する収容物取り出し状態とに組換え可能であることを特徴とする包装箱。
【請求項2】
前記左側板と前記左頂板との間に設けられる折目と、前記右側板と前記右頂板との間に設けられる折目とに、リード罫または逆罫を入れたことを特徴とする請求項1記載の包装箱。
【請求項3】
前記挿入部の上部と下部とに、前記係止片を前記挿入部に差し込む際のガイド及び係止部となる一対の係止突片が形成されていることを特徴とする請求項1又は2記載の包装箱。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、1枚の板状部材を所定の形状に打ち抜いて組み立てることにより形成される包装箱に関し、詳しくは、果実や生鮮野菜等のパックを収容して、多段積みにすることができる包装箱に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、果実や生鮮野菜等のパックを収容して、多段積みにする包装箱として、1枚の板状部材を所定の形状に打ち抜いて、折目に沿って折り曲げることで形成されるものがあり、四角形状の底板と、底板の四辺に折目を介して一体に設けられる前側板,後側板,左側板,右側板と、四隅の上部に設けられる頂部縁片とを備え、収容物を外から見やすくするとともに、包装箱を多段積みする際に、頂部縁片により収容物を保護して傷まないようにしたものがあった(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−170479号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上述の特許文献1のものでは、頂部縁片が、収容した果実や生鮮野菜等のパックの一部を覆っていることから、陳列時に収容されたパックを取り出しにくかった。
【0005】
そこで本発明は、収容物を傷つけることなく多段積みにすることができるとともに、収容物を良好に取り出すことができる包装箱を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の包装箱は、四角形状の底板と、該底板の四辺に折目を介して一体に設けられる前側板,後側板,左側板,右側板と、前記前側板と前記左側板とを連結する左前側連結片と、前記前側板と前記右側板とを連結する右前側連結片と、前記後側板と前記左側板とを連結する左後側連結片と、前記後側板と前記右側板とを連結する右後側連結片と、前記左側板の左端部に折目を介して一体に設けられる左頂板と、前記右側板の右端部に折目を介して一体に設けられる右頂板とを備えた板状部材を組み立てることにより形成される包装箱において、前記左頂板は、折目を介して、前記左側板の内面側と外面側の双方に折曲可能に形成されるとともに、前後方向両端部に、前後方向に突出し、且つ、折目を介して前記左頂板の内面側と外面側の双方に折曲可能な一対の係止片を備え、前記右頂板は、折目を介して、前記右側板の内面側と外面側の双方に折曲可能に形成されるとともに、前後方向両端部に、前後方向に突出し、且つ、折目を介して前記右頂板の内面側と外面側の双方に折曲可能な一対の係止片を備え、前記前側板と前記後側板の上縁部に、前記各係止片が係止される係止孔がそれぞれ形成され、前記左前側連結片と前記左後側連結片とは、折目を介して前記左側板の前後方向の両端部にそれぞれ一体に設けられ、前記右前側連結片と前記右後側連結片とは、折目を介して前記右側板の前後方向の両端部にそれぞれ一体に設けられ、前記前側板と前記左前側連結片との間、前記前側板と前記右前側連結片との間、前記後側板と前記左後側連結片との間、前記後側板と前記右後側連結片との間に、前記各係止片を挿入して係止する挿入部をそれぞれ形成し、前記左頂板と前記右頂板とを、折目を介して前記左側板と右側板の内面側にそれぞれ折曲するとともに、前記各係止片を、折目を介して前記左頂板と前記右頂板の内面側にそれぞれ折曲して、前記各係止片を前記各係止孔に係止する収容物収容状態と、前記左頂板と前記右頂板とを、折目を介して前記左側板と前記右側板の外面側にそれぞれ折曲するとともに、前記各係止片を、折目を介して前記左頂板と前記右頂板の外面側にそれぞれ折曲して、前記各係止片を前記各挿入部に挿入する収容物取り出し状態とに組換え可能であることを特徴としている。
【0007】
また、前記左側板と前記左頂板との間に設けられる折目と、前記右側板と前記右頂板との間に設けられる折目とに、リード罫または逆罫を入れると好ましく、さらに、前記挿入部の上部と下部とに、前記係止片を前記挿入部に差し込む際のガイド及び係止部となる一対の係止突片が形成されていると好適である。
【発明の効果】
【0008】
本発明の包装箱によれば、収容物を収容した後、左頂板と右頂板とを、折目を介して左側板と右側板の内面側に折曲し、各係止片を係止孔に係止することにより、収容物の上部に左頂板と右頂板とを配置させることができ、包装箱を多段積みにしても収容物を傷つける虞がない。また、収容物を取り出す際には、左頂板と右頂板とを、折目を介して、左側板と右側板の外面側にそれぞれ折曲し、各係止片を各挿入部に挿入して係止することにより、包装箱の上部全体を大きく開口させることができ、収容物を良好に取り出すことができる。
【0009】
また、左側板と左頂板との間に設けられる折目と、右側板と右頂板との間に設けられる折目とに、リード罫または逆罫を入れたことにより、前記各折目を介して、左頂板と右頂板とを、左側板と右側板の内面側と外面側の双方に良好に折曲することができる。さらに、挿入部の下部に、係止片を挿入部に差し込む際のガイド及び係止部となる係止突片を形成したことにより、係止片を挿入部に容易に挿入させて、確実に係止させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の第1形態例を示す包装箱の展開図である。
図2】同じく一部を折曲した状態を示す包装箱の斜視図である。
図3】同じく左頂板及び右頂板の係止片を係止孔に係止させる状態の斜視図である。
図4】同じく左頂板及び右頂板の係止片を係止孔に係止させた状態の包装箱の斜視図である。
図5】同じく左頂板及び右頂板の係止片を係止孔に係止させた状態の包装箱の要部側面図である。
図6】同じく左頂板及び右頂板の係止片を挿入部に挿入させる際の説明図である。
図7】同じく左頂板及び右頂板の係止片を挿入部に挿入させた状態の包装箱の斜視図である。
図8】同じく左頂板及び右頂板の係止片を挿入部に挿入させた状態の包装箱の要部側面図である。
図9】本発明の第2形態例を示す包装箱の展開図である。
図10】同じく一部を折曲した状態を示す包装箱の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1乃至図8は本発明の包装箱を、例えば苺のパックを縦横二列ずつ4パック収容する包装箱に適用した第1形態例を示すもので、包装箱1は、段ボールシートからなる板状部材2を図1に示す展開図のように打ち抜いて組み立てることにより形成される。なお、図1において、板状部材2は、包装箱1の前側面を下方、後側面を上方、左側面を左側、右側面を右側に向けた状態である。以下の説明において、図1の上下方向を包装箱1の前後方向とし、図1の左右方向を包装箱1の左右方向として説明する。
【0012】
板状部材2は、長方形状の底板3と、底板3の一対の長辺にそれぞれ折目A1,A2を介して一体に設けられる前側板4,後側板5と、底板3の一対の短辺にそれぞれ折目A3,A4を介して一体に設けられる左側板6,右側板7と、左側板6の前側及び後側にそれぞれ折目A5,A6を介して一体に設けられる左前側連結片8及び左後側連結片9と、右側板7の前側及び後側にそれぞれ折目A7,A8を介して一体に設けられる右前側連結片10及び右後側連結片11と、左側板6と右側板7の左右方向外縁部にそれぞれ折目A9,A10を介して一体に設けられる左頂板12及び右頂板13とを備えている。
【0013】
前側板4は、底板3に前記折目A1を介して連続して形成される前側外板4aと、前側外板4aの前記折目A1に対向する外縁部に、折目A11を介して一体に形成される前側上縁板4bと、前側上縁板4bの前記折目A11に対向する外縁部に折目A12を介して一体に形成される前側内板4cとで構成され、前側内板4cの左右方向両端部には、折目A13,A14を介して、第1左側内板半体14と第1右側内板半体15とがそれぞれ一体に設けられている。さらに、第1左側内板半体14と第1右側内板半体15の左右方向両端部には、切取り線B1,B2を介して、仕切板16,16が切り取り可能に設けられ、仕切板16の底板側辺の中央部には、スリット16aがそれぞれ形成されている。
【0014】
後側板5は、底板3に前記折目A2を介して連続して形成される後側外板5aと、後側外板5aの前記折目A2に対向する外縁部に、折目A15を介して一体に形成される後側上縁板5bと、後側上縁板5bの前記折目A15に対向する外縁部に折目A16を介して一体に形成される後側内板5cとで構成され、後側内板5cの左右方向両端部に折目A17,A18を介して、第2左側内板半体17と第2右側内板半体18とがそれぞれ一体に設けられている。
【0015】
左側板6は、左前側連結片8が連結される折目A5が、底板3の前側外板4aが連結される折目A1よりも板状部材2の内側に形成されるとともに、左後側連結片9が連結される折目A6が、底板3の後側外板5aが連結される折目A2よりも板状部材2の内側に形成され、左側板6の折目A5から折目A6までの長さ寸法は、底板3の折目A1から折目A2までの長さ寸法よりも短くなっている。
【0016】
右側板7は、右前側連結片10が連結される折目A7が、底板3の前側外板4aが連結される折目A1よりも板状部材2の内側に形成されるとともに、右後側連結片11が連結される折目A8が、底板3の後側外板5aが連結される折目A2よりも板状部材2の内側に形成され、右側板7の折目A7から折目A8までの長さ寸法は、底板3の折目A1から折目A2までの長さ寸法よりも短くなっている。
【0017】
左頂板12及び右頂板13と左側板6及び右側板7との間に設けられた前記折目A9,A10には、リード罫または逆罫が入れられており、左頂板12及び右頂板13は、左側板6又は右側板7の内面側と外面側に向けてそれぞれ折曲可能に形成されている。また、左頂板12の前後方向両端部には、折目A19,A19を介して、前後方向に突出する一対の係止片12a,12aが、右頂板13の前後方向両端部には、折目A20,A20を介して前後方向に突出する一対の係止片13a,13aがそれぞれ形成され、各係止片12a,13aは、折目A19,A20を介して左頂板12又は右頂板13の内面側と外面側に向けてそれぞれ折曲可能に形成されている。各係止片12a,13aは、基端側から先端側に向けて漸次幅が狭くなる略楔状に形成され、外側面が腕曲面で形成されるとともに、各係止片12a,13aの基端部は、左頂板12又は右頂板13よりも外側に突出し、各係止片12aの基端部と左頂板12との間と、各係止片13aの基端部と右頂板13との間には、段部12b,13bがそれぞれ形成されている。
【0018】
前側上縁板4bと後側上縁板5bとには、左頂板12及び右頂板13を折目A9,A10から左側板6又は右側板7の内面側に向けて折曲し、且つ、各係止片12a,13aを折目A19,A20から左頂板12又は右頂板13の内面側に向けてそれぞれ折曲した際に、各係止片12a,13aが挿入される矩形の係止孔19がそれぞれ穿設される。また、各係止孔19には、各係止片12a,13aの段部12b,13bを通過させる切込線19aがそれぞれ設けられている。
【0019】
また、底板3の長辺となる折目A1,A2の中央部には、切欠き20,20がそれぞれ形成され、前側内板4cの中央部には、切欠き20に挿入される突部4dが、後側内板5cの中央部には、切欠き20に挿入される突部5dがそれぞれ設けられる。さらに、前側上縁板4bの中央部には、前側外板4aの内面側に前側内板4cを折り込んだ際に上方に突出する突片4eを形成するための切起こし線が、後側上縁板5bの中央部には、後側外板5aの内面側に後側内板5cを折り込んだ際に上方に突出する突片5eを形成するための切起こし線がそれぞれ設けられている。
【0020】
左前側連結片8と左後側連結片9とは、左側端部に開口する凹部8a,9aをそれぞれ備えたコ字状に形成され、左前側連結片8と左後側連結片9の左右方向の長さ寸法は、それぞれ前側外板4a又は後側外板5aの前後方向の長さ寸法から、板状部材2の厚さ寸法を引いた寸法に形成されている。また、左前側連結片8と左側板6との間の折目A5の中間位置には、左側板6から左前側連結片方向に突出する一対の係止突片6a,6aを形成するための切起こし線が所定の間隔を有して形成されるとともに、左後側連結片9と左側板6との間の折目A6の中間位置にも同様に、左側板6から左後側連結片方向に突出する一対の係止突片6b,6bを形成するための切起こし線が所定の間隔を有して形成されている。
【0021】
右前側連結片10と右後側連結片11とは、左前側連結片8と左後側連結片9と同様に、右側端部に開口する凹部10a,11aをそれぞれ備えたコ字状に形成され、右前側連結片10と右後側連結片11の左右方向の長さ寸法は、それぞれ前側外板4a又は後側外板5aの前後方向の長さ寸法から、板状部材2の厚さ寸法を引いた寸法に形成されている。また、右前側連結片10と右側板7との間の折目A7の中間位置には、右側板7から右前側連結片方向に突出する一対の係止突片7a,7aを形成するための切起こし線が所定の間隔を有して形成されるとともに、右後側連結片11と右側板7との間の折目A8の中間位置にも同様に、右側板7から右後側連結片方向に突出する一対の係止突片7b,7bを形成するための切起こし線が所定の間隔を有して形成されている。なお、左前側連結片8,左後側連結片9,右前側連結片10,右後側連結片11の左右方向の長さ寸法は、板状部材2の強度や厚さ寸法等により適宜設定すれば良く、上述の寸法に限るものではない。
【0022】
次に、上述した板状部材2を折曲加工して、包装箱1を形成する手順について説明する。
【0023】
まず、切取り線B1,B2を介して、仕切板16を第1左側内板半体14と第1右側内板半体15からそれぞれ切り離す。次いで、折目A3を介して左側板6を底板3から立ち上げ、左前側連結片8を、折目A5を介して折目A1方向へ、左後側連結片9を折目A6を介して折目A2方向へそれぞれ折曲するとともに、折目A4を介して右側板7を底板3から立ち上げ、右前側連結片10を折目A7を介して折目A1方向へ、右後側連結片11を折目A8を介して折目A2方向へそれぞれ折曲する。
【0024】
前側外板4aを折目A1に沿って立ち上げ、前側上縁板4bを折目A11に沿って底板3と平行に折曲し、次いで、前側内板4cを折目A12に沿って内側、すなわち底板3側に折り畳む。前側内板4cと前側外板4aとの間に左前側連結片8と右前側連結片10とを挟みながら、前側外板4aの内側に前側内板4cを重ね、突部4dを切欠き20に係合させて固定する。さらに、折目A13を介して、第1左側内板半体14を折目A3方向へ折曲して左側板6の内側に配置するとともに、折目A14を介して、第1右側内板半体15を折目A4方向へ折曲して右側板7の内側に配置する。
【0025】
前側板4と同様に、後側外板5aを折目A2に沿って底板3から立ち上げ、後側上縁板5bを折目A15に沿って底板3と平行に折曲し、次いで、後側内板5cを折目A16に沿って内側に折り畳む。後側内板5cと後側外板5aとの間に左後側連結片9と右後側連結片11とを挟みながら、後側外板5aの内側に後側内板5cを重ね、突部5dを切欠き20に係合させて固定する。さらに、折目A17を介して、第2左側内板半体17を折目A3方向へ折曲して左側板6の内側に配置するとともに、折目A18を介して、第2右側内板半体18を折目A4方向へ折曲して右側板7の内側に配置する。
【0026】
次に、左頂板12を折目A9から左側板6の内面側に向けて、底板3と平行になるように略90°折曲し、係止片12a,12aを折目A19,A19を介して左頂板12の内面側に向けてそれぞれ90°折曲して係止孔19,19に係止させる。同様に右頂板13を折目A10から右側板7の内面側に向けて、底板3と平行になるように略90°折曲し、係止片13a,13aを折目A20,A20を介して右頂板13の内面側に向けて90°折曲して係止孔19,19に係止させる。
【0027】
仕切板16,16のスリット16a,16aを相互に嵌め合わせ、十字状に組み合わせて、底板3の中央に配置する。
【0028】
このように折曲加工された包装箱1は、前側板4と後側板5とが、突部4d,5dを切欠き20,20にそれぞれ係合させることにより、底板3に立設した状態で確実に保持させることができるとともに、左前側連結片8と右前側連結片10とが前側外板4aと前側内板4cとの間に挟持され、さらに左後側連結片9と右後側連結片11とが後側外板5aと後側内板5cとの間に挟持されることから、左側板6及び右側板7も底板3から立設した状態で確実に保持させることができる。
【0029】
また、左側板6と左前側連結片8とを連結する折目A5は、底板3の前側外板4aが連結される折目A1よりも板状部材2の内側に形成され、左側板6と左後側連結片9とを連結する折目A6は、底板3の後側外板5aが連結される折目2Aよりも板状部材2の内側に形成されるとともに、右側板7と右前側連結片10とを連結する折目A7は、底板3の前側外板4aが連結される折目A1よりも板状部材2の内側に形成され、右側板7と右後側連結片11とを連結する折目A8は、底板3の後側外板5aが連結される折目A2よりも板状部材2の内側に形成されていることから、左前側連結片8及び右前側連結片10と前側外板4aとの間、及び、左後側連結片9及び右後側連結片11と後側外板5aとの間には隙間がそれぞれ形成される。さらに、この各隙間の上部と下部とに、一対の係止突片6a,6b,7a,7bが配置され、一対の係止突片6a,6aの間、係止突片6b,6bの間、係止突片7a,7aの間、係止突片7b,7bの間に形成される空間部が、各係止片12a,13aが挿入される挿入部21となる。さらに、前側上縁板4bと後側上縁板5bから突片4e,5eが上方に向けてそれぞれ突出する。
【0030】
上述の包装箱1に、4つの苺パックを収容する際には、図3乃至図5に示されるように、上述のような手順で底板3の周囲に前側板4,後側板5,左側板6,右側板7を立設した後、底板3の中央に、十字状に組み合わせた仕切板16,16を配置し、4つに区分けされた空間に苺パックをそれぞれ1個づつ収容する。次いで、左頂板12を折目A9から左側板6の内面側に向けて、底板3と平行になるように略90°折曲し、係止片12a,12aを折目A19,A19を介して左頂板12の内面側に向けて90°それぞれ折曲して係止孔19,19に挿入する。同様に右頂板13を折目A10から右側板7の内面側に向けて、底板3と平行になるように略90°折曲し、係止片13a,13aを折目A20,A20を介して右頂板13の内面側に向けて90°折曲して係止孔19,19に挿入する。このとき、各凹部8a,9a,10a,11aは、各係止片12a,13aが係止孔19に挿入される際の逃げ部となり、各係止片12a,13aは、段部12b,13bが切込線19aをそれぞれ通過し、前側上縁板4b又は後側上縁板5bの内部に入り込んで係止される。
【0031】
これにより、苺を傷つけることなく包装箱1に収容できるとともに、左頂板12と右頂板13とが苺パックの上部を覆うことから、包装箱1の上部に他の包装箱1を重ねることができる。さらに、下方の包装箱1の前側上縁板4bと後側上縁板5bから突出した突片4e,5eと、上方の包装箱の切欠き20,20とを係合させることで、包装箱1を多段積みしても荷崩れする虞がない。また、各係止片12a,13aを各係止孔19に挿入させる際に、凹部8a,9a,10a,11aが逃げ部となることから、各係止片12a,13aを各係止孔19に良好に挿入させることができる。
【0032】
苺のパックを包装箱1に収容したまま陳列する上述の収容物収容状態から、苺のパックを取り出す収容物取り出し状態に包装箱1を組換える際には、図6乃至図8に示されるように、左頂板12の各係止片12aを各係止孔19から外し、折目A9を介して、左側板6の外面側に向けて、左頂板12を左側板6の外面側に重ねるように約270°折り返すとともに、各係止片12aを折目A19を介して左頂板12の外面側に向けて180°折曲し、各挿入部21にそれぞれ挿入する。同様に、右頂板13の各係止片13aを係止孔19から外し、折目A10を介して、右側板7の外面側に向けて、右頂板13を右側板7の外面側に重ねるように略270°折り返すとともに、各係止片13aを折目A20を介して右頂板13の外面側に向けて180°折曲し、各挿入部21にそれぞれ挿入する。各係止片12a,13aは、各挿入部21を通過後、各段部12b,13bが下方の係止突片6a,6b,7a,7bにそれぞれ当接して係止される。
【0033】
これにより、包装箱1の上部を大きく開口させることができ、4つの苺パックを良好に包装箱1から取り出すことができる。また、各係止片12a,13aを各挿入部21に挿入させる際には、係止突片6a,6b,7a,7bがガイド及び係止部となり、各係止片12a,13aを各挿入部21に容易に挿入させることができ、また、確実に係止させることができる。
【0034】
図9及び図10は、本発明の第2形態例を示すもので、本形態例の包装箱31は、例えばトマトやキュウリなどの収容物を梱包するもので、底板3の中央に仕切板を配置する必要のないものに適用される。なお、第1形態例と同様の構成要素を示すものには、同一の符号をそれぞれ付して、その詳細な説明は省略する。
【0035】
本形態例の包装箱31を構成する板状部材32では、前側板4は、底板3に前記折目A1を介して連続して形成される前側外板4aと、前側外板4aの前記折目A1に対向する外縁部に、折目A11を介して一体に形成される前側上縁板4bと、前側上縁板4bの前記折目A11に対向する外縁部に折目A12を介して一体に形成される前側内板4cとで構成され、第1形態例の第1左側内板半体14と、第1右側内板半体15と、仕切板16,16とは形成しない。
【0036】
後側板5は、底板3に前記折目A2を介して連続して形成される後側外板5aと、後側外板5aの前記折目A2に対向する外縁部に、折目A15を介して一体に形成される後側上縁板5bと、後側上縁板5bの前記折目A15に対向する外縁部に折目A16を介して一体に形成される後側内板5cとで構成され、第1形態例の第2左側内板半体17と、第2右側内板半体18とは形成しない。
【0037】
左前側連結片33は、基端部となる折目A5から先端までの長さ寸法(L1)が、前側板4の基端部となる折目A1から突部4dを除く先端までの長さ寸法(L2)よりも僅かに長く形成され、左側板6の近傍に、左側端部に開口する凹部33aを備えている。さらに、左前側連結片33は、凹部33aを備えた基部33bの左右方向の長さ寸法が、前側外板4aの前後方向の長さ寸法から、板状部材32の厚さ寸法を引いた寸法に形成されるとともに、先端部33cは、左端面が先端に向けて、漸次、前側板4に近付く傾斜面で形成され、左右方向の長さ寸法が、基部33bよりも短く形成されている。
【0038】
左後側連結片34は、基端部となる折目A6から先端までの長さ寸法が、後側板5の基端部となる折目A2から突部5dを除く先端までの長さ寸法よりも僅かに長く形成され、左側板6の近傍に、左側端部に開口する凹部34aを備えている。さらに、左後側連結片34は、凹部34aを備えた基部34bの左右方向の長さ寸法が、後側外板5aの前後方向の長さ寸法から、板状部材32の厚さ寸法を引いた寸法に形成されるとともに、先端部34cは、左端面が先端に向けて、漸次、後側板5に近付く傾斜面で形成され、左右方向の長さ寸法が、基部34bよりも短く形成されている。
【0039】
右前側連結片35は、基端部となる折目A7から先端までの長さ寸法が、前側板4の基端部となる折目A1から突部4dを除く先端までの長さ寸法(L2)よりも僅かに長く形成され、右側板7の近傍に、右側端部に開口する凹部35aを備えている。さらに、右前側連結片35は、凹部35aを備えた基部35bの左右方向の長さ寸法が、前側外板4aの前後方向の長さ寸法から、板状部材32の厚さ寸法を引いた寸法に形成されるとともに、先端部35cは、右端面が先端に向けて、漸次、前側板4に近付く傾斜面で形成され、左右方向の長さ寸法が、基部35bよりも短く形成されている。
【0040】
右後側連結片36は、基端部となる折目A8から先端までの長さ寸法が、後側板5の基端部となる折目A2から突部5dを除く先端までの長さ寸法よりも僅かに長く形成され、右側板7の近傍に、右側端部に開口する凹部36aを備えている。さらに、右後側連結片36は、凹部36aを備えた基部36bの左右方向の長さ寸法が、後側外板5aの前後方向の長さ寸法から、板状部材32の厚さ寸法を引いた寸法に形成されるとともに、先端部36cは、右端面が先端に向けて、漸次、後側板5に近付く傾斜面で形成され、左右方向の長さ寸法が、基部36bよりも短く形成されている。
【0041】
上述のように形成された第2形態例では、第1形態例で行う仕切辺16,16の切り取り、組み立て作業を省略できるとともに、第1左側内板半体14,第2左側内板半体17,第1右側内板半体15,第2右側内板半体18を設けていないことから、板状部材32の組み立て作業の工程が減少し、作業性の向上が図れる。
【0042】
なお、本発明は上述の各形態例のような収納物に限らず、どのような収容物でも差し支えない。また、特許請求の範囲の記載内において、包装箱の構成要素は種々の変形が可能である。
【符号の説明】
【0043】
1…包装箱、2…板状部材、3…底板、4…前側板、4a…前側外板、4b…前側上縁板、4c…前側内板、4d…突部、4e…突片、5…後側板、5a…後側外板、5b…後側上縁板、5c…後側内板、5d…突部、5e…突片、6…左側板、6a,6b…係止突片、7…右側板、7a,7b…係止突片、8…左前側連結片、8a…凹部、9…左後側連結片、9a…凹部、10…右前側連結片、10a…凹部、11…右後側連結片、11a…凹部、12…左頂板、12a…係止片、12b…段部、13…右頂板、13a…係止片、13b…段部、14…第1左側内板半体、15…第1右側内板半体、16…仕切板、16a…スリット、17…第2左側内板半体、18…第2右側内板半体、19…係止孔、19a…切込線、20…切欠き、21…挿入部、31…包装箱、32…板状部材、33…左前側連結片、33a…凹部、33b…基部、33c…先端部、34…左後側連結片、34a…凹部、34b…基部、34c…先端部、35…右前側連結片、35a…凹部、35b…基部、35c…先端部、36…右後側連結片、36a…凹部、36b…基部、36c…先端部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10