【解決手段】 一対の支持部材で物品を保持して搬送する物品搬送装置であって、それぞれの前記支持部材は、前記物品を保持するための複数の収容部を備えており、搬送する前記物品の形状に応じて選択した前記収容部を使用して物品を搬送する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の物品搬送装置では、一つの搬送路(例えば、ベルトコンベア)に取り付ける支持部材は全て同一の形状であり、搬送する物品の形状が異なる場合(例えば、チューブ状の物品と、円柱(角柱)状の物品を搬送する場合)には、支持部材の間隔を調整するだけでは、物品を安定して支持することができない問題があった。
【0005】
そのため従来では、形状の異なる物品を搬送する場合には、物品形状に応じて全ての支持部材を交換しなければならず、物品搬送の処理能力の向上にも限界があった。
【0006】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされ、支持部材を交換することなく複数種類の物品の姿勢を維持して安定した搬送を可能とする物品搬送装置および箱詰め装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)本発明は、一対の支持部材で物品を保持して搬送する物品搬送装置であって、それぞれの前記支持部材は、前記物品を保持するための複数の収容部を備えており、搬送する前記物品の形状に応じて選択した前記収容部を使用して物品を搬送する、ことを特徴とする物品搬送装置である。
【0008】
このような構成によれば、形状の異なる物品を搬送する場合であっても、物品形状に応じて全ての支持部材を交換することなく、物品を搬送することができる。
【0009】
(2)本発明はまた、前記複数の支持部材が取り付けられる搬送路を備え、前記収容部は、前記搬送路の下流側から前記物品を支持する下流側収容部と、前記搬送路の上流側から前記物品を支持する上流側収容部とを含み、前記上流側収容部と前記下流側収容部は異なる形状である、ことを特徴とする上記(1)に記載の物品搬送装置である。
【0010】
(3)本発明はまた、前記複数の支持部材は、第一の支持体と第二の支持体を含み、前記第一の支持体と前記第二の支持体は搬送方向の前後に配置されて前記物品を支持するものであり、前記第一の支持体は、前記上流側収容部と前記下流側収容部が異なる形状であり、前記第二の支持体は、前記上流側収容部と前記下流側収容部が異なる形状であり、前記第一の支持体の前記上流側収容部と前記第二の支持体の前記下流側収容部は支持する前記物品を中心として対称の形状である、ことを特徴とする上記(2)に記載の物品搬送装置である。
【0011】
(4)本発明はまた、複数の無端搬送手段を搬送方向と平行かつ並列に配置し、前記第一の支持体と前記第二の支持体とが、別々の前記無端搬送手段に配置され、前記第一の支持体と前記第二の支持体との間隔が調整可能である、ことを特徴とする上記(3)に記載の物品搬送装置である。
【0012】
このような構成によれば、物品の形状だけでなく、物品のサイズが変更された場合であっても、支持部材を交換することなく、容易に物品のサイズに合わせることができる。
【0013】
(5)本発明はまた、前記複数の支持部材はそれぞれ、前記上流側収容部と前記下流側収容部の間に前記搬送路に対して垂直方向に突出する仕切り部を有する、ことを特徴とする上記(2)乃至(4)のいずれか一項に記載の物品搬送装置である。
【0014】
(6)本発明はまた、前記複数の支持部材は、前記搬送路に対して着脱可能である、ことを特徴とする上記(2)乃至(5)のいずれか一項に記載の物品搬送装置である。
【0015】
このような構成によれば、支持部材を交換することにより、より多くの物品の形状に対応することができる。
【0016】
(7)本発明はまた、前記物品が載置された前記収容部を間欠的に移動させ、前記収容部を前記物品の搬入位置、又は搬出位置の少なくとも一方に対応させて停止し、該物品の搬入、又は搬出を行う、ことを特徴とする上記(1)乃至(6)のいずれか一項に記載の物品搬送装置である。
【0017】
(8)本発明はまた、上記(1)乃至(7)のいずれか一項に記載の物品搬送装置と、前記物品を収容する収容部材を搬送する収容部材搬送装置と、前記物品を前記収容部材の内部に移送する移送手段と、を備え、前記物品が載置される前記収容部を前記移送手段に対応させて箱詰めを行う、ことを特徴とする箱詰め装置である。
【0018】
このような構成によれば、形状の異なる物品を搬送する場合であっても、物品形状に応じて全ての支持部材を交換することなく、物品を搬送することができる箱詰め装置を提供できる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、支持部材を交換することなく複数種類の物品の姿勢を維持して安定した搬送を可能とする物品搬送装置および箱詰め装置を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図面を参照して、本発明に係る供給装置について詳細に説明する。
【0022】
図1は、本実施形態の物品搬送装置1の概要図であり、同図(a)が上面図であり、同図(b)が正面図である。また、
図2は、物品搬送装置1の収容部13A,13B付近を拡大して示す図であり、同図(a)が上面図、同図(b)が正面図、同図(c)、(d)が一組の収容部13Aの正面図である。また
図3は、物品搬送装置1の収容部13A、13B付近を拡大して示す図であり、同図(a)が上面図、同図(b)が正面図、同図(c)が一組の収容部13Bの正面図である。
【0023】
図1〜
図3に示すように、物品搬送装置1は、例えばバケットコンベアであり、搬送路(例えば、環状のチェーン、又はベルト)12と、搬送路12に取り付けられ、物品XA(物品XA1,XA2)を支持して移動する複数の支持部材(例えば、支持体131、132)を有する。支持体131、132は物品XAの収容部13A、13Bを構成する。
【0024】
物品搬送装置(バケットコンベア)1は、物品XAが載置された収容部13A、13Bを搬送方向Tに沿って間欠的に移動させ、上流側(
図1〜
図3では右側)から下流側(
図1〜
図3では左側)に物品XAを搬送し、収容部を物品XAの搬入位置、又は搬出位置の少なくとも一方に対応させて停止し、物品XAの搬入、又は搬出を行う。
【0025】
本実施形態のバケットコンベア1は、1つの搬送路1で製品変更に伴う複数の形状の異なる物品XA1、XA2を搬送可能である。物品XA1は例えば、角柱(または円柱)状の容器であり(
図1,
図2参照)、物品XA2は例えば、物品XA1とは外形状の異なる容器であり、例えば上面視において台形状で側面視において楕円形状のチューブ状の容器である(
図3参照)。
【0026】
具体的に、
図1に示すように、バケットコンベア1は、中枢となる制御ユニット(図示省略)と、この制御ユニットの制御下で動力を発生させるサーボモータ(図示省略)と、このサーボモータによって回転する駆動用のスプロケット10と、この駆動用のスプロケット10に連動する従動用のスプロケット11と、スプロケット10,11に引っ掛けられて走行する2つの無端搬送手段(例えば、環状チェーン)12A、12Bと、環状チェーン)12A、12Bに取り付けられた複数の支持体131、132を備えている。後に詳述するが、支持体131、132はそれぞれ複数の収容部131A、131B、132A、132Bを有しており、収容部131Aと収容部132Aとでバケット13Aを構成し、収容部131Bと収容部132Bとでバケット13Bを構成する。
【0027】
2つの環状チェーン12A、12Bは、搬送方向と平行に並列に配置され、一方の環状チェーン(例えば、環状チェーン12A)には、支持体131が取り付けられ、もう一方の環状チェーン(例えば、環状チェーン12B)には、支持体132が取り付けられている。
【0028】
制御ユニットは、バケットコンベア1の各部を統括的に制御する。すなわち、バケットコンベア1の各部は、制御ユニットの制御下において動作して、その動作状況が制御ユニットによって管理される。
【0029】
具体的に、制御ユニットは、CPU、RAM、及びROM等から構成され、各種制御を実行する。CPUは、いわゆる中央演算処理装置であり、各種プログラムが実行されて各種機能を実現する。RAMは、CPUの作業領域として使用される。ROMは、CPUで実行される基本OSやプログラムを記憶する。
【0030】
駆動用のスプロケット10は、サーボモータの駆動によって回転する。従動用のスプロケット11は、環状チェーン12の走行によって、駆動用のスプロケット10に連動して回転する。環状チェーン12は、駆動用のスプロケット10の回転によって循環するように走行する。これら複数のバケット13A、13Bは、環状チェーン12の外周に放射状となるように、かつ、互いに連続するように並べて配置され、当該環状チェーン12と一体になって垂直面内で循環するように走行する。なお、
図1(b)では図面下側を循環する環状チェーン12に取り付けられているバケット13A、13Bの図示を省略している。
【0031】
図2に示されるように、複数のバケット13A、13Bは、第1支持体131と第2支持体132によって構成された収容部である。第1支持体131と第2支持体132はそれぞれ、例えば樹脂によって成形(切削加工による成形、射出成形など)され、又はアルミを削り出して成形された一体成形品である。第1支持体131と第2支持体132は搬送方向Tの前後において交互に(隣り合って)配置され、これらの間に配置された物品XA1、XA2を支持する。なお、複数のバケット13A、13B(第1支持体131と第2支持体132)は、一体成形品に限らず複数の部材を組み合わせて形成してもよい。
【0032】
図2および
図3を参照して、第1支持体131は、ベース部131Xと、ベース部131Xの進行方向前後のほぼ中央付近において搬送面(環状チェーン12)に対して垂直方向に突出する仕切り部131Cと、仕切り部131Cより下流側(進行方向の前方側)にあって環状チェーン12の上流側から物品XA1を支持・収容する収容部(第1上流側収容部)131Aと、仕切り部131Cより上流側(進行方向の後方側)にあって環状チェーン12の下流側から他の物品XA2を支持・収容する収容部(第1下流側収容部)131Bを有している。そして、第1上流側収容部131Aと第1下流側収容部131Bは、搬送する物品の形状に沿った異なる形状を呈している。
【0033】
ここでは一例として、正面視(
図2(b)、
図2(c)、
図3(b)、
図3(c))において、第1上流側収容部131Aは直角部を有する略L字の形状であり、第1下流側収容部131Bは直角部を有しない鈍角の略L字の形状である。より詳細には、第1上流側収容部131Aは、正面視において、仕切り部131Cの垂直な壁面とベース部131Xの上面による略直角の角部(直角部)131CXと、ベース部131Xの上面と側面とに連続する傾斜部131VAを有する略L字形状である。
【0034】
一方、第1下流側収容部131Bは、正面視(
図2(b)、
図2(c)、
図3(b)、
図3(c))において、仕切り部131Cの上方から下方に向かって肉厚となるように一部に曲面を含んで張り出す壁面と、ベース部131Xの上面とによる略鈍角部131OAと、ベース部131Xの上面と側面とに連続する傾斜部131VBとを有する鈍角略L字形状である。
【0035】
また、第2支持体132は、ベース部132Xと、ベース部132Xの進行方向前後のほぼ中央付近において搬送面(環状チェーン12)に対して垂直方向に突出する仕切り部132Cと、仕切り部132Cより下流側(進行方向の前方側)にあって環状チェーン12の上流側から物品XA2を支持・収容する収容部(第2上流側収容部)132Bと、仕切り部131Cより上流側(進行方向の後方側)にあって環状チェーン12の下流側から他の物品XA1を支持・収容する収容部(第2下流側収容部)132Aを有している。そして、第2上流側収容部132Bと第2下流側収容部132Aは、搬送する物品の形状に沿った異なる形状を呈している。
【0036】
第2支持体132は、一例として正面視(
図2(b)、
図2(c)、
図3(b)、
図3(c))において、第2下流側収容部132Aは直角部を有する略L字の形状であり、第2上流側収容部132Bは直角部を有しない鈍角の略L字の形状である。より詳細には、第2下流側収容部132Aは、正面視において、仕切り部132Cの垂直な壁面とベース部132Xの上面による略直角の角部(直角部)132CXと、ベース部132Xの上面と側面とに連続する傾斜部132VAを有する略L字形状である。
【0037】
一方、第2上流側収容部132Bは、正面視において、仕切り部132Cの上方から下方に向かって肉厚となるように一部に曲面を含んで張り出す壁面と、ベース部132Xの上面とによる略鈍角部132OAと、ベース部132Xの上面と側面とに連続する傾斜部132VBとを有する鈍角略L字形状である。
【0038】
つまり、第2支持体132の第2下流側収容部132Aと、第1支持体131の第1上流側収容部131Aとは、これらの間で支持する物品XA1を中心として対称の形状である。また、第1支持体131の第1下流側収容部131Bと、第2支持体132の第2上流側収容部132Bとは、これらの間で支持する物品XA2を中心として対称の形状である。
【0039】
なお、第1上流側収容部131Aと第2下流側収容部132Aは、上面視において仕切り部131C、132Cが搬送方向Tの直交方向となるように各仕切り部131C、132Cの壁面が形成されている。一方、第1下流側収容部131Bと第2上流側収容部132Bは、上面視において仕切り部131C、132Cが搬送方向の直交方向から傾斜するように(上面視において台形状となるように)に各仕切り部131C、132Cの壁面が形成されている(
図2(a)の太線参照)。
【0040】
そして、第1支持体131の第1上流側収容部131Aと第2支持体132の第2下流側収容部132Aは対向して配置され、第2下流側収容部132Aが例えば角柱状の物品XA1の下流側を支持するとともに第1上流側収容部131Aが物品XA1の上流側を支持してこれを搬送する。つまり、第1支持体131の第1上流側収容部131Aと第2支持体132の第2下流側収容部132Aは、物品XA1を収容して搬送するバケット13Aとなる(
図2(b)〜(d))。
【0041】
また、
図2(d)に示すように、第1支持体131および第2支持体132間のピッチを、変更することにより、物品XA1のサイズが変更になった場合であってもバケット13Aを交換することなく、搬送することができる。
【0042】
また、第1支持体131の第1下流側収容部131Bと第2支持体132の第2上流側収容部132Bは対向して配置され、第1下流側収容部131Bが、例えばチューブ状の物品XA2の下流側を支持するとともに第2上流側収容部132Bが物品XA2の上流側を支持してこれを搬送する。つまり、第1支持体131の第1下流側収容部131Bと第2支持体132の第2上流側収容部132Bは、物品XA2を収容して搬送するバケット13Bとなる(
図3(b)、(c))。
【0043】
なお、図示は省略するが、バケット13Bの第1支持体131および第2支持体132間のピッチも
図2(d)に示すように変更可能である。
【0044】
このように、第1支持体131は仕切り部131Cを挟んで前方側と後方側の形状が異なっており(仕切り部131Cを中心として非対称の形状であり)、第2支持体132は仕切り部132Cを挟んで前方側と後方側の形状が異なっている(仕切り部132Cを中心として非対称の形状である)。
【0045】
そして、第1支持体131と第2支持体132とは、物品の支持面が、支持する物品を中心として対称となるように対向させて、環状チェーン12に交互に取り付けられる。
【0046】
本実施形態では、物品XA1を搬送するために使用するバケット13Aと物品XA2を搬送するために使用するバケット13Bを切替え可能である。すなわち、搬送する物品XA1、XA2の形状に応じて収容部131Aと収容部132Aまたは収容部131Bと収容部132Bとを選択可能であり、選択した収容部131A、132A(バケット13A)または収容部131B、132B(バケット13B)を使用して物品を搬送する。そして、使用中のバケット13Aまたはバケット13Bを物品搬送装置1の搬入位置、又は搬出位置の少なくとも一方に対応させて停止し、バケット13Aへの物品XA1の搬入またはバケット13Aから物品XA1の搬出を行い、バケット13Bへの物品XA2の搬入またはバケット13Bからの物品XA2の搬出を行う。これにより、形状の異なる物品XA1(例えば角柱状または円柱状の容器など)と、物品XA2(例えば、正面視において略楕円形状で上面視において台形状のチューブ状容器など)を同じ(同一の)搬送路12上で搬送することができる。
【0047】
なお、物品搬送装置1のバケット13A、13Bへの物品XA1,XA2の搬入、及び搬出は、例えばプッシャー装置などの移送手段によって行う。また、物品搬送装置1のバケット13A、13Bへの物品XA1,XA2の搬入、又は搬出の一方、又は両方を、三次元空間を所定の軌跡で移動するロボットによって行ってもよい。
【0048】
すなわち、物品形状に応じて全ての支持部材(または収容部)を交換することなく、形状が異なる2つの物品XA1、XA2を搬送することができる。
【0049】
なお、
図1〜
図3では、第2下流側収容部132Aの直角部132CXと、第1上流側収容部131Aの直角部131CXによって角柱状の物品XA1を支持し、第2上流側収容部132Bの略鈍角部132OAと第1下流側収容部131Bの略鈍角部131OAによってチューブ状の物品XA2を支持する例を示したが、この第1支持体131および第2支持体132を交換することなく、他の形状の物品を搬送することも可能である。一例として、第2下流側収容部132Aの傾斜部132VAと、第1上流側収容部131Aの傾斜部131VAによって、例えば
図2(b)の一点鎖線で示すように円柱状(楕円柱状)の物品XA1´を支持し、搬送することもできる。
【0050】
また、第1下流側収容部131Bの傾斜部131VBおよび第2上流側収容部132Bの傾斜部132VBを用いて物品を支持するようにしてもよい。
【0051】
本実施形態の第1支持体131と第2支持体132は差動歯車によってそれぞれに取り付け位置を移動可能であって、両者の間隔は容易に調整可能であるので、形状の違いに加えて、物品XA1、XA2のサイズ(搬送方向に沿う幅)が変更された場合であっても、収容部131A、131B、132A、132Bの交換をすることなくこれらを搬送することができる。以下これについて説明する。
【0052】
図4は、第1支持体131と第2支持体132の移動機構(間隔の調整機構)について説明する概略図である。同図(a)は、差動歯車110の機構を説明する側面概要図であり、同図(b)は、第1支持体131と第2支持体132の移動機構を説明するバケットコンベア1の斜視概要図である。
【0053】
図4(a)に示すように、差動歯車110は、ギヤボックス101内に、シャフト80に固定されたギヤ94、シャフト80に固定されないギヤ92、シャフト79で固定されたギヤ95、93が設けられる。ギヤ92はチェーン駆動ギヤ102と連結している。
【0054】
シャフト80は、駆動モータMに連結したメインシャフトである。ギヤボックス101の外側には小さいギヤ98と、これと連結する大きいギヤ97が設けられる。ギヤ98にはハンドル100が設けられ、ギヤ97はガイド板96を介してギヤボックス101と連結する。ギヤ97とギヤボックス101およびシャフト80は固定されていない。
【0055】
第1支持体131および第2支持体132の位置の調整時には、ハンドル100を回転させるとギヤ98が回転しこれによりギヤ97が回転する。またこれと同期して、ギヤボックス101がギヤ94の外周にそって回転するが、ギヤ94はモータMで固定されているので回転しない。ギヤボックス101が回転することにより、ギヤ95がギヤ94の周囲で回転し、それに応じてギヤ93が回転する。これによりギヤ92が回転し、それにつれてチェーン駆動用ギヤ102が回転する。
【0056】
ギヤボックス101(差動歯車110)の回転によって回転したチェーン駆動用ギヤ102は、同図(b)に示すように、ギヤ103を介し、更にベベルギヤ104を介して、ギヤ139を回転させる。ギヤ139は、固定側ギヤ202と調整側ギヤ140を結ぶシャフト203に設けたギア204と噛合う。ギヤ139の回転でギヤ204が回転し、それに伴いギヤ140が回転する。これにより環状チェーン12を介して、他方の調整側ギヤ205が回転する。固定側ギヤ202、207は固定されているため、調整側ギヤ205の回転により、第1支持体131および第2支持体132の位置(間隔)が調整される。
【0057】
図5は、本実施形態の箱詰め装置(カートナー)20の一例を示す上面概要図である。箱詰め装置20は、物品XA1を、例えば側方が開口した箱(胴貼りカートン)YA1内に押送して収容する装置であって、上述のバケットコンベア1と、押送手段21と、カートン搬送コンベア22と、を有する。
【0058】
バケットコンベア1は、バケット13A(第1支持体131と第2支持体132の間)に、例えば、角柱(または円柱)状の容器である物品XA1を載置して、搬送方向Tに沿って間欠的に移動してこれらを搬送する。バケットコンベア1の下流側端部の搬出位置には、押送手段21が設けられている。押送手段21は、先端に押送板23が設けられた物品押送部材(プッシャー)24と、これを搬送方向Tに直交する方向Vに進退移動させるエアシリンダ等の駆動手段(不図示)を備える。物品押送部材24は、物品XA1が所定位置に達すると、先端に設けられた押送板23によって、物品XA1を付勢してV方向に押し出し、物品XA1をカートンYA1に収容する。
【0059】
カートン搬送コンベア22は、バケットコンベア1と並列に設けられ搬送方向Tに沿ってカートンYA1を搬送する。カートン搬送コンベア22は複数の搬送用バケット(不図示)を備え、カートンYA1はカートン搬送コンベア22の上流に設けられたカートン供給機(不図示)からバケットコンベア1側の側方が開口した状態でカートン搬送コンベア22に、順次供給される。カートン搬送コンベア22は、カートンYA1を間欠的に搬送する。なお、カートン搬送コンベア22においても、搬送方向の長さが調整可能な複数の搬送用バケットを備えていてもよい。
【0060】
箱詰め装置20は、物品XA1を搬送するために使用するバケット13Aと物品XA2を搬送するために使用するバケット13Bを切替え可能であり、使用中のバケット13Aまたは13Bを箱詰め装置20の押送手段(移送手段)21に対応させて停止させる。この例では、使用中のバケット13Aを箱詰め装置20の押送装置21に対応させて停止させる。カートンYA1には所定位置でその内部に物品XA1が収容されて、カートン搬送コンベア22は、カートンYA1を下流(次工程)に搬送する。
【0061】
図6は、本実施形態の箱詰め装置(カートナー)20の他の例として、例えば、チューブ状容器である物品XA2を、例えば側方が開口した箱(胴貼りカートン)YA2内に押送して物品XA2の幅の広いチューブ容器のシール側から収容する箱詰め装置20を示す上面概要図である。
【0062】
バケットコンベア1は、バケット13B(第1支持体131と第2支持体132の間)に、物品XA2を載置して、搬送方向Tに沿って間欠的に移動してこれらを搬送する。バケットコンベア1の下流側端部の搬出位置には、押送手段21が設けられている。物品押送部材24は、物品XA2が所定位置に達すると、先端に設けられた押送板23によって、物品XA2を付勢してV方向に押し出し、物品XA2をカートンYA2に収容する。
【0063】
カートン搬送コンベア22は、バケットコンベア1と並列に設けられ搬送方向Tに沿ってカートンYA2を搬送する。カートン搬送コンベア22は複数の搬送用バケット(不図示)を備え、カートンYA2はカートン搬送コンベア22の上流に設けられたカートン供給機(不図示)からバケットコンベア1側の側方が開口した状態でカートン搬送コンベア22に、順次供給される。カートン搬送コンベア22は、カートンYA2を間欠的に搬送する。なお、カートン搬送コンベア22においても、搬送方向の長さが調整可能な複数の搬送用バケットを備えていてもよい。
【0064】
この例では、使用中のバケット13Bを箱詰め装置20の押送装置21に対応させて停止させる。カートンYA2には所定位置でその内部に物品XA2が収容されて、カートン搬送コンベア22は、カートンYA2を下流(次工程)に搬送する。
【0065】
なお、本実施形態の箱詰め装置20において、カートンYA1、YA2はサイズ及び形状が同じカートンを用いてもよい。
【0066】
また、上記の実施形態ではカートンYA1、YA2として、側方が開放した胴貼りカートンを用いた箱詰め装置(エンドロードカートナー)20の場合を例に説明したが、これに限らず、一枚の展開された状態のカートン(ブランクシート)YA1、YA2にそれぞれ物品XA1、XA2を側方から押送して供給し、包み込む箱詰め装置(ラップラウンドカートナー)20や、カートンYA1、YA2として上方のみが開放したワンタッチ箱を用いて、上方から物品XA1、XA2を上方から供給する箱詰め装置20であっても同様に実施できる。
【0067】
また、押送手段21は、フィンガーコンベアでも良い。
【0068】
図7を参照して、バケットコンベア1の変形例について説明する。
図5は、バケットコンベア1の変形例を示す正面図である。
【0069】
第1支持体131および第2支持体132の形状として、第1支持体131は前方側と後方側の形状が異なっており(第1支持体131の前後方向の中央付近の仕切り部131Cを中心として非対称の形状であり)、第2支持体132は前方側と後方側の形状が異なっている(第2支持体132の前後方向の中央付近の式リブ132C部分を中心として非対称の形状である)ものであれば、上記の例に限らない。
【0070】
例えば同図(a)に示すように、第1支持体131の第1上流側収容部131Aが、正面視において、湾曲部1311を有し、第1下流側収容部131Bが、直角部1312のみを有するように構成されてもよい。この場合、第2支持体132は、第2下流側収容部132Aが、正面視において、湾曲部1321を有し、第2上流側収容部132Bが、直角部1322を有するように配置される。
【0071】
これにより、破線で示すように、第1上流側収容部131Aの湾曲部1311と、第2下流側収容部132Aの湾曲部1321によって、円柱状(または楕円柱状)の物品XA3を支持し、第1下流側収容部131Bの直角部1312と、第2上流側収容部132Bの直角部1322によって、角柱状の物品XA4を支持してこれらを同一搬送路12上で同時に交互に搬送することができる。
【0072】
さらに、上記の実施形態では、第1支持体131と第2支持体132を有する例を説明したが、さらに形状の異なる第3支持体133および第4支持体134を有していても良い。この場合、前後に位置する一組目の第1支持体131と第2支持体132は例えば同じ形状であって、対向する収容部(第1上流側収容部131Aと第2下流側収容部132A)とが支持する物品XA5を中心として対称の形状となるように配置され、第1支持体131と第2支持体132に続いて前後に位置する二組目の第3支持体133と第4支持体134は例えば同じ形状であって、対向する収容部(第3上流側収容部133Aと第4下流側収容部134A)とが支持する物品XA7を中心として対称の形状となるように配置される。
【0073】
なお、この場合、隣り合う第2支持体132と第3支持体133、および隣り合う第1支持体131と第4支持体134とはそれぞれ異なる形状であるが、これらの対向する収容部、すなわち第2上流側収容部132Bと第3下流側収容部133B、および第1下流側収容部131Bと第4上流側収容部134Bとは、それぞれが支持する物品XA6を中心として対称の形状(ここでは直角部を有する形状)とする。
【0074】
これにより、この例では、第1上流側収容部131Aと第2下流側収容部132Aによって、円柱状の物品XA5を支持し、第2上流側収容部132Bと第3下流側収容部133Bによって、角柱状の物品XA6を支持し、第3上流側収容部133Aと第4下流側収容部134Aによって多角柱(八角柱)状の物品XA7を支持し、第4上流側収容部134Bと第1下流側収容部131Bによって、角柱状の物品XA6を支持して、同一搬送路12を同時に搬送することができる。また、この場合において、第1支持体131〜第4支持体の間隔も差動歯車によって調整可能である。
【0075】
なお、上述の第1支持体131および第2支持体132(さらに第3支持体133および第4支持体134)は、それぞれに着脱、交換が可能である。
【0076】
また、本明細書における「上流」および「下流」は一例であり、これらは逆であってもよい。すなわち、第1支持体131は仕切り部131Cを挟んで前方側と後方側の形状が異なっており(仕切り部131Cを中心として非対称の形状であり)、第2支持体132は仕切り部132Cを挟んで前方側と後方側の形状が異なっている(仕切り部132Cを中心として非対称の形状である)。具体的には、第1上流側収容部131Aが、正面視(
図1(b)、
図2)において、略鈍角部131OAと、傾斜部131VBとを有する鈍角略L字形状であり、第1下流側収容部131Bが、直角部131CXと、傾斜部131VAを有する略L字形状であってもよい。この場合、第2下流側収容部132Aが、正面視(
図1(b)、
図2)において、略鈍角部132OAと、傾斜部132VBとを有する鈍角略L字形状であり、第2上流側収容部132Bが、直角部132CXと、傾斜部132VAを有する略L字形状となる。
【0077】
本発明は、上記実施形態に限られるものではなく、その趣旨及び技術思想を逸脱しない範囲で種々の変形が可能である。
【0078】
すなわち、上記実施形態において、各構成の位置、大きさ、長さ、形状、材質、向きなどは適宜変更できる。
【0079】
例えば、無端搬送手段(例えば、環状チェーン)12毎にサーボモータを備え、複数の支持体(第1支持体131,第2支持体132)を独立して駆動してもよい。また、互いに異なる形状の支持体を備えた3つ以上の複数の無端搬送手段12を搬送方向と平行、かつ並列に配置してもよい。また、複数の支持体は、それぞれ、環状チェーン12から取り外して交換可能な構成としてもよい。これにより、バケット13A、13Bのピッチを例えば2倍ピッチ以上にして、大きな物品XAを搬送できる。又は、第1支持体131および第2支持体132を異なる形状に変更して、更に形状の異なる物品を搬送できる。また、対向する第1支持体131、第2支持体132の形状は、支持する物品を中心として対称な形状でなくてもよい。また、第1支持体131、第2支持体132の形状は、物品XAを垂直面内において所定角度に傾けて(傾斜させて)搬送、又は当該物品を押送して箱詰めできるような形状としてもよい。
【0080】
また、対向する第1支持体131、第2支持体132の間隔が変更可能な構造でなくてもよい。
【0081】
また、バケットコンベア1は、物品XAの搬送方向の前後を支持するフィンガーを備えたフィンガーコンベアでもよい。この場合、搬送方向の直角方向に複数のフィンガーを設けてもよい。
【0082】
また、カートン搬送コンベア22は、カートンYA1、YA2を連続的に搬送し、ロボットや、複数の押送部材が循環するプッシャー装置によって、連続的に箱詰めしてもよい。
【0083】
また、物品XA(XA1)は、ノズルを備えたポンプ付き容器でもよい。この場合、バケット13A(第2支持体132の第2下流側収容部132Aと第1支持体131の第1上流側収容部131A)を使用して搬送し、容器側面及びノズル先端(ノズル出口)を上流側支持体131の仕切り部131Cの側壁に当接させて、物品の水平面内の回転を抑制して搬送するとよい。