【解決手段】車両に設置され、無線通信可能な車載器と、前記車載器と無線通信可能な情報処理装置とを含む駐車場管理システムであって、前記車載器は、切替信号に基づいて、無線通信の発信機と受信機とを切り替える切替手段を有し、前記情報処理装置は、発信機へと切り替えられた前記車載器から発信される電波を受信する、駐車場内に配置された電波受信手段と、前記電波を受信している前記電波受信手段の位置に基づいて、前記車両の位置を特定する特定手段と、前記車両を駐車スペースへと誘導する誘導手段と、を有する、ことを特徴とする。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に、本発明を実施するための形態について、図面を参照して、例示的に詳しく説明記載する。ただし、以下の実施の形態に記載されている、構成、数値、処理の流れ、機能要素などは一例に過ぎず、その変形や変更は自由であって、本発明の技術範囲を以下の記載に限定する趣旨のものではない。
【0014】
[第1実施形態]
本発明の第1実施形態としての駐車場管理システム100について、
図1を用いて説明する。駐車場管理システム100は、ショッピングモールなどの大規模駐車場や立体駐車場、地下駐車場において車両を所定の駐車スペースに誘導するシステムである。
【0015】
図1に示すように、駐車場管理システム100は、車両に設置され、無線通信可能な車載器110と、車載器110と無線通信可能な情報処理装置120とを含む。車載器110は、切替部111を有する。切替部111は、切替信号に基づいて、無線通信の発信機と受信機とを切り替える。
【0016】
情報処理装置120は、電波受信部121と、特定部122と、誘導部123とを有する。電波受信部121は、駐車場内に配置され、発信機へと切り替えられた車載器110から発信される電波を受信する。特定部122は、発信機へと切り替えられた車載器110から発信される電波に基づいて、車両の位置を特定する。誘導部123は、車両を所定の駐車スペースへと誘導する。
【0017】
本実施形態によれば、車載器を無線通信の発信機として用いて車両を駐車スペースへ誘導することができる。
【0018】
[第2実施形態]
次に本発明の第2実施形態に係る駐車場管理システムについて、
図2A乃至
図6Bを用いて説明する。
図2A乃至
図2Cは、本実施形態に係る駐車場管理システム200の動作の概要を説明するための図である。なお、以下の説明では、無線通信規格として無線LAN(Local Area Network)を例に説明をするが、親機(発信機)と子機(受信機)との間で無線通信可能な規格であればこれには限定されない。また、以下の説明中における「ビーコン」とは、アクセスポイント(AP:Access Point)から送出される信号(パケット)をいう。
【0019】
図2A乃至
図2Cは、本実施形態に係る駐車場管理システム200の動作の概要について説明する図である。
図2Aに示したように、車両230が、駐車場に入場しようとして、駐車場の入場ゲートに近づくと、車両230に設置された車載器が、駐車場の入口の入場ゲートに設けられている切替信号発信機240から発信されている切替信号を受信する。切替信号を受信した車載器は、無線LANの子機(クライアント)から親機(アクセスポイント)へと切り替えられる。その後、車両230は、駐車場内に進入する。なお、切替信号発信機240としては指向性アンテナを用いるのが代表的であるが、これには限定されず、様々な種類のアンテナを用いてもよい。
【0020】
そして、駐車場管理システム200は、車両230が駐車場の入場ゲートを通過して駐車場に入場すると、空きスペース(駐車スペース)を検知して、車両230を検知した空きスペースへと誘導する。空きスペースを検知する手法は、種々の公知技術を用いてもよい。例えば、駐車場に設置された監視カメラの画像を解析して空きスペースを検知する手法(例えば、特開2014−215786の段落[0019]参照)などがあるが、これには限定されない。
【0021】
具体的には、
図2Bに示したように、車両230が、駐車場内に進入すると、親機へと切り替えられた車載器から発信されるビーコンなどの電波を、駐車場内に設けられた、無線LANの電波受信機としての複数の子機(例えば、アンテナ260)で受信する。そして、駐車場管理システム200は、駐車場内のどの位置にあるアンテナ260で、ビーコンを受信しているかに基づいて、車両230の位置を時々刻々と特定して、空きスペースまで車両230を誘導する。なお、ビーコンを受信しているアンテナ260の位置に、どの程度の強度(電界強度)のビーコンを受信しているかを加味して、車両230の位置を特定することもできる。また、ビーコンの種類は限定されないが、電波ビーコンや光ビーコンなどであってもよい。
【0022】
例えば、同図に示したように、ショッピングモールなどの屋外にある大規模駐車場において、車両230がその駐車場に入場すると、駐車場管理システム200は、駐車場内の空きスペースを検知する。そして、駐車場管理システム200は、車両230から発信されるビーコンをアンテナ260で受信して、車両230の位置を特定し、車両230を空きスペースへと誘導する。
【0023】
さらに、駐車場管理システム200は、車載器から車両230の走行情報、例えば、速度や加速度、ハンドル舵角などの情報を取得して、移動する車両230の動きを追跡することができる。したがって、車両230の誘導方法は、例えば、誘導対象の車両230の位置や動きに合わせて、サインパネル250に誘導対象の車両230の自動車登録番号(ナンバー)と方向支持のための矢印とを表示して、車両230を空きスペースへと誘導する方法がある。また、例えば、駐車場内にスピーカを設置して、音声ガイダンスを用いて車両230を空きスペースへと誘導する方法がある。その他にも、車両230のユーザの所持するスマートフォンなどの携帯端末にメッセージや駐車場内の地図を送信して誘導する方法などがあるが、これらには限定されない。
【0024】
なお、車両230誘導用の標識であるサインパネル250と電波(ビーコン)受信機であるアンテナ260とは、図示したように、別個に駐車場内に配置してもよいし、両者を一体として駐車場内に配置してもよい。また、サインパネル250に、車両230のナンバーおよび方向指示用の矢印の他に、誘導先の駐車スペース(空きスペース)の番号を表示してもよい。
【0025】
なお、駐車場管理システム200は、駐車場内に設けた複数のアンテナ260のうち、どのアンテナ260で、どの程度の強度の電波を受信しているかをリスト表示することができる。駐車場管理システム200は、このような受信電波のリストなどを利用して、車両230の位置を特定し、所定の駐車スペースへと車両230を誘導する。
【0026】
次に、
図2Cに示したように、駐車場管理システム200は、車両230が誘導された空きスペースに駐車したことを、駐車スペースのそれぞれに設けられたセンサ270、例えば、赤外線センサや超音波センサの反応を用いて確認することができる。なお、駐車場管理システム200が、車両230が駐車スペースに駐車したことを確認する方法は、これには限定されず、例えば、駐車場に設置された監視カメラの映像に基づいて確認してもよい。
【0027】
また、一般利用者用の駐車スペースとは異なり、特定の利用者、例えば、車いす利用者のみが利用できる駐車スペースには、図示したように区画を制御するゲート280が設けられていることがある。そして、駐車場管理システム200は、移動する車両230を追跡することができるので、誘導されてきた車両230が、利用者が限定されている駐車スペースの前に到着したことを検知して、ゲート280の開閉を制御してもよい。これにより、駐車場管理システム200は、利用者が限定されている駐車スペースの不正利用や誤利用を防止することもできる。また、不正利用を監視する監視員を配置する必要もないので、人件費を抑えることもできる。
【0028】
さらに、本実施形態に係る駐車場管理システム200は、屋外の大規模駐車場の他に、GPS(Global Positioning System)では、車両230の正確な位置の特定ができない、立体駐車場であっても適用することができる。すなわち、無線LANの親機へと切り替えられた車載器からの電波を受信するアンテナ260(受信機)が、どのフロアのアンテナ260であるかを判定することにより、車両230がどのフロアのどの位置にいるかを正確に特定することができる。
【0029】
また、GPSの電波が届かない地下駐車場であっても、立体駐車場と同様に車両230の位置を正確に特定することができる。さらに、屋外駐車場であっても、雨除けの屋根が設置されている場合には、同様にGPSの電波が届かず、車両230の位置の特定ができないが、本実施形態に係る駐車場管理システム200は、このような場合でも問題なく動作する。
【0030】
図3は、本実施形態に係る駐車場管理システム200の機能構成を説明するためのブロック図である。駐車場管理システム200は、車載器310と、情報処理装置320とを含む。車載器310は、切替部311と、発信部312と、送信部313とを備える。切替部311は、入場ゲートに設けられた、切替信号発信機240から発信された切替信号を受信すると、車載器310を無線LANの子機から親機へと切り替える。車載器310が親機へ切り替わると、発信部312からビーコンなどの電波を発信して、無線LANの子機(アンテナ260)から、親機(車載器310)が見えるようにする。ビーコンは、例えば、無線LANの親機を識別するSSID(Service Set Identifier)などを含んでいてもよい。そして、送信部313は、情報処理装置320に対して、車載器310が取得した走行情報や車両情報などの情報を送信する。
【0031】
情報処理装置320は、特定部321と、誘導部322と、走行情報取得部323と、識別子取得部324と、探索部325と、記憶部326と、ビーコン受信部327と、抽出部328とを備える。特定部321は、車両230の位置を特定する。誘導部322は、車両230を駐車スペースへと誘導する。走行情報取得部323は、車載器310から車両230の速度や加速度、ハンドル舵角などの走行情報を取得する。識別子取得部324は、車載器310から車載器310の識別子を取得する。探索部325は、駐車場内の空きスペースを探索する。記憶部326は、取得した車載器310の識別子と、車両230のユーザ情報とを関連付けて記憶する。ビーコン受信部327は、無線LANの親機としての車載器310から発信されるビーコンなどの電波を受信する。抽出部328は、車載器310の識別子に基づいて、識別子と車両のユーザ情報とを関連付けて記憶する記憶部326からユーザ情報を抽出する。以下、情報処理装置320の各構成の動作について詳細に説明する。
【0032】
ビーコン受信部327は、車載器310の発信部312から発信されるビーコン(電波)を受信するアンテナ260などの受信機であり、駐車場内に複数配置されている。なお、本実施形態の説明では、ビーコン受信部327は、情報処理装置320の構成の一部として説明をするが、ビーコン受信部327は、情報処理装置320の外部の構成としてもよい。ビーコン受信部327を外部の構成とする場合、情報処理装置320は、発信部312から発信されるビーコンを、アンテナなどのビーコン受信部327を介して受信することとなる。なお、情報処理装置320は、電波強度とともに、ビーコンを受信しているビーコン受信部327のリストを、例えば、図示しない表示部などに表示してもよい。
【0033】
そして、特定部321は、ビーコン受信部327で受信したビーコンに基づいて、車両230の位置を特定する。具体的には、駐車場内のどの位置にあるビーコン受信部327でビーコンを受信しているかの情報に基づいて、車両230の位置を特定する。また、ビーコン受信部327が駐車場内のどの位置にあるかの情報と、ビーコン受信部327の設置エリアや設置位置、受信感度(dB)などの情報と、ビーコンの電波強度の情報とを総合的に判断して車両230の位置を特定することもできる。なお、発信部312から発信されるビーコンは、車両230の位置特定をより正確にするために、電波強度(電界強度)を弱めておいてもよい。つまり、電波強度が大きい場合には、ビーコンを受信可能なビーコン受信部327の個数が増えてしまうので、車両230の大まかな位置の絞り込みが難しくなり、車両230の位置の特定までに時間を要してしまうこととなる。
【0034】
したがって、あらかじめビーコンの電波強度を下げておけば、ビーコンを受信可能なビーコン受信部327の数も減るので、車両230の大まかな位置の絞り込みが容易になるというメリットがある。通常、無線LANのビーコンの強度は、50〜100mの距離まで届く強度となっているが、例えば、10〜20mの距離まで届くような強度に弱めてもよい。具体的には、発信部312にアテネータ(減衰器)やダミーロードを設けてビーコン強度を弱めてもよいし、車載器320のファームウェアを書き換えてビーコン強度を弱めてもよい。
【0035】
また、特定部321は、ビーコン受信部327で受信したビーコンについての情報に、走行情報取得部323で取得した車両230の走行情報を加味して、車両230の位置を特定する。走行情報を取得することにより、車両230がどこで加速したか、どこでブレーキを踏んで減速したかなどを詳細に把握できるので、駐車場内を移動する車両230の動きを追跡することが可能となり、より正確な位置特定が可能となる。
【0036】
したがって、発信するビーコンの電波強度を弱くしておくことにより、車両230の近辺に存在するビーコン受信部327ではビーコンを受信でき、車両230から比較的離れた位置にあるビーコン受信部327ではビーコンを受信できなくなる。これにより、より正確に車両230の位置を特定できる。また、ビーコンの電波強度(電界強度)は、駐車場の広さやアンテナ260などのビーコン受信部327の性能、設置数、設置位置、電波障害物の有無などに基づいて適宜変更すればよい。
【0037】
識別子取得部324は、車載器310から車載器310の識別子を取得する。記憶部326は、取得した識別子と、車両230のユーザのユーザ情報とを紐付けて記憶する。ユーザ情報には、例えば、ユーザの名前や年齢、性別、住所、職業、連絡先、車両230の自動車登録番号(ナンバー)などの情報が含まれるが、これらには限定されない。
【0038】
探索部325は、駐車場内の空きスペースを探索する。探索部325が空きスペースを探索する方法としては、例えば、抽出部328が、記憶部326から抽出したユーザ情報に基づいて、空きスペースを探索する方法がある。具体的には、例えば、ユーザの性別が男性であれば、大工用品コーナーに近い駐車スペースを探索し、女性であれば、食料品コーナーに近い空きスペースを探索するようにしてもよい。また、探索部325は、例えば、駐車スペースのそれぞれに設けられた赤外線センサや超音波センサなどセンサ270の反応に基づいて、駐車スペースが空いているか、または車両230が駐車されているかを判断する。
【0039】
そして、誘導部322は、探索部325が探索した空きスペースに車両230を誘導する。すなわち、駐車場内に設けられたサインパネル250に、誘導対象の車両230のナンバープレートに表示されている自動車登録番号(ナンバー)を表示し、さらに、車両230の進行方向を矢印などで指示して、誘導する。誘導に際しては、走行情報取得部323が車載器310から取得した車速や加速度、ハンドル舵角などの情報と、ビーコン受信部327が受信したビーコンの電波強度の情報とから、車両230が駐車場内のどこを移動しているかを追跡することができる。したがって、誘導部322が、サインパネル250に誘導サインを表示するタイミングは、車両230が、サインパネル250に対して、所定の距離まで近づいたタイミングで誘導サインを表示すればよい。
【0040】
なお、上述の説明では、誘導部322は、探索部325が探索した空きスペースに車両230を誘導する例で説明をしたが、探索部325を設けずに、誘導部322が空きスペースを探索して、車両230を誘導してもよい。
【0041】
この場合、誘導部322は、記憶部326に記憶されている誘導対象の車両230のユーザのユーザ情報に基づいて、空きスペースを探索して、車両230を駐車スペースに誘導する。例えば、誘導部322は、識別子取得部324が車載器310から取得した識別子に基づいて、記憶部326からユーザ情報を取得して、取得したユーザ情報に対応する駐車スペースを探知して、車両230を誘導してもよい。
【0042】
具体的には、誘導部322は、例えば、取得したユーザ情報から、車両230のユーザが一般のユーザであることが分かれば、一般客用の駐車スペースに誘導する。また、車両230のユーザが、例えば、駐車場に併設されているショッピングモールなどを頻繁に利用するお得意様であれば、建物の出入口に近いお得意様用の駐車スペースに誘導してもよい。また、誘導部322は、お得意様のうち、生鮮食料品の購入頻度が高いユーザであれば、生鮮食料品コーナーの出入口に近い駐車スペースに誘導してもよい。日用品の購入頻度が高いユーザであれば、日用品コーナーの出入口に近い駐車スペースに誘導してもよい。このように、誘導部322は、ユーザの商品購入履歴などに基づいて、誘導する駐車スペースを適宜選択してもよい。さらに、車両230のユーザが、例えば、車いすの利用者であれば、誘導部322は、車両230を車いす用の駐車スペースに誘導する。
【0043】
図4Aは、本実施形態に係る駐車場管理システム200の情報処理装置320が備えるアンテナ情報テーブルの一例を示す図である。アンテナ情報テーブル401は、アンテナID(Identifier)411に関連付けて設置エリア412と、設置位置413と、受信感度414とを格納する。なお、アンテナ情報テーブル401に格納される項目はこれらには限定されず、アンテナの性能などに関する項目であればいずれの項目であってもよい。設置エリア412は、アンテナ260(ビーコン受信部327)が設置されている駐車場内の大まかなエリアを示している。例えば、大規模駐車場であれば、駐車場をいくつかの区画に区切って、駐車場の管理などを行うが、設置エリア412は、例えば、このような区画に相当する。設置位置413は、アンテナ260が設置エリア412内のどの位置に設置されているかを示している。受信感度414は、アンテナ260の受信感度を表す。そして、特定部321は、どのエリアのどの位置に設置されているアンテナ260でビーコンを受信しているかに基づいて、車両230の位置を特定する。また、特定部321は、どのエリアのどの位置に設置されているアンテナ260で、どの程度の強度で車載器310からのビーコンを受信しているかについての情報を総合して、車両230の位置を特定することもできる。
【0044】
図4Bは、本実施形態に係る駐車場管理システム200の情報処理装置320が備える駐車スペース情報テーブルの一例を示す図である。駐車スペース情報テーブル402は、駐車スペースID421に関連付けて、エリア名422と、種別423と、番号424とを格納する。なお、駐車スペース情報テーブル402に格納される項目はこれらには限定されず、駐車スペースに関する項目であればいずれの項目であってもよい。エリア名422は、駐車スペースが存在している駐車場内のエリアを表す。例えば、大規模駐車場では、駐車場全体をいくつかの区画(エリア)に分けており、エリア名422は、その区画の名前を表している。なお、エリア名422は、アンテナ情報テーブル401の設置エリア412と同じものであっても、異なるものであってもよい。
【0045】
種別423は、駐車スペースの種別を表すものであり、例えば、「一般」は、一般利用者用の駐車スペースであり、「お得意様」は、ショッピングモールなどを頻繁に利用するお得意様用の駐車スペースである。また、「車いす用」は、車いすを利用する車いす利用者用の駐車スペースである。番号424は、駐車スペースに一意に割り当てられた数字などの駐車スペース識別用の記号であり、例えば、駐車スペースの路面や番号表示用プレートなどに表示されている。そして、この番号424を、車両230のナンバーおよび方向指示用矢印とともにサインパネル250に表示して、車両230を誘導してもよい。
【0046】
図4Cは、本実施形態に係る駐車場管理システム200の情報処理装置320が備える車載器情報テーブルの一例を示す図である。車載器情報テーブル403は、車載器ID431に関連付けて、発信電波強度432と、ユーザID433と、自動車登録番号434とを格納する。自動車登録番号434は、車両230に取り付けられているナンバープレートに表示されている、いわゆるナンバーである。発信電波強度432は、車載器310が無線LANの親機として発信するビーコンなどの電波の強度を表す。発信電波強度432は、車両230の位置特定をより正確に行うために、駐車場の広さなどに応じて適宜変更してもよい。そして、車載器310の発信部312は、設定された電波強度でビーコンを発信する。
【0047】
ユーザID433は、車載器310が設置される車両230のユーザを識別するための識別記号である。車載器310の送信部313は、情報処理装置320に対して、車載器ID431やユーザID433を送信する。また、ナンバープレートに表示されている自動車登録番号434と車載器ID431とは関連付けて記憶されているので、誘導部322は、サインパネル250に車載器ID431ではなく自動車登録番号434を表示して、車両230を駐車スペースへ誘導する。
【0048】
図5Aは、本実施形態に係る駐車場管理システム200の車載器310のハードウェア構成を説明するためのブロック図である。車載器310は、CPU(Central Processing Unit)511、ROM(Read Only Memory)512およびRAM(Random Access Memory)513を備えている。さらに、車載器310は、ストレージ514と通信制御部515とを備えている。
【0049】
CPU511は、演算処理用のプロセッサであり、プログラムを実行することにより車載器310の各機能構成部を実現する。なお、CPU511は1つに限定されず、複数であってもよい。ROM512は、リードオンリメモリであり、初期データやファームウェアなどのプログラムを記憶する。通信制御部515は、例えば、車載器310とその他の機器などとの間の通信を制御する。また、通信制御部515は、CPU511とは独立したCPUを有して、RAM513の領域に送受信データを書き込みまたは読み出しをするのが望ましい。さらに、RAM513とストレージ514との間でデータを転送するDMAC(Direct Memory Access Controller)を設けるのが望ましい(図示なし)。よって、CPU511は、RAM513がデータを受信したこと、またはRAM513にデータが転送されたこと、を認識してデータを処理する。また、CPU511は、処理結果をRAM513に準備しておき、後に行われる送信または転送については、通信制御部515やDMACに行わせる。
【0050】
RAM513は、CPU511が一時記憶用のワークエリアとして使用するランダムアクセスメモリである。RAM513には、本実施形態の実現に必要なデータを記憶する領域がある。このようなデータとして、RAM513は、受信した切替信号の強度である切替信号強度5311および発信するビーコンの強度であるビーコン強度5312を一時的に記憶する。さらに、RAM513は、車両230の速度5313、加速度5314、ハンドル舵角5315およびユーザID5316などを一時的に記憶する。
【0051】
切替信号強度5311は、切替部311が、車載器310を無線LANの子機から親機へと切り替えるためのトリガーとなる切替信号の強度であるが、これが所定の強度を超える場合に、切替部311により切り替えられるようにしてもよい。ビーコン強度5312は、無線LANの親機として発信するビーコンの強度であり、発信部312は、ビーコン強度5312に基づいて、所定の強度のビーコンを発信する。速度5313、加速度5314およびハンドル舵角5315は、特定部321が車両230の位置を特定するため、および誘導部322が車両230を誘導するために用いる。ユーザID5316は、送信部313により情報処理装置320へ送信されるデータである。送受信データ5317は、通信制御部515を介して送受信されるデータである。
【0052】
ストレージ514は、データベースや各種パラメータ、本実施形態の実現に必要な以下のプログラムやデータなどを記憶する記憶デバイスである。ストレージ514は、車載器ID/ユーザIDデータベース5411を格納する。車載器ID/ユーザIDデータベース5411は、車載器IDとユーザIDとを紐付けて格納するデータベースであり、車載器ID431やユーザID433に関連するデータなども格納されているデータベースである。
【0053】
ストレージ514は、さらに、切替モジュール5412と、発信モジュール5413とを格納する。切替モジュール5412は、車載器310を無線LANの子機から親機に切り替えるモジュールである。発信モジュール5413は、無線LANの親機に切り替えられた車載器310から、ビーコンを発信するモジュールである。これらのモジュール5412〜5413は、CPU511によりRAM513のアプリケーション実行領域5318に読み出され、実行される。制御プログラム5414は、車載器310の全体を制御するためのプログラムである。なお、
図5Aに示したRAM513やストレージ514には、車載器310が有する汎用の機能や他の実現可能な機能に関するプログラムやデータは図示されていない。
【0054】
次に、
図5Bは、本実施形態に係る駐車場管理システム200の情報処理装置320のハードウェア構成を説明するためのブロック図である。情報処理装置320は、CPU521、ROM522およびRAM523を備えている。さらに、情報処理装置320は、ストレージ524と通信制御部525とを備えている。CPU521は、演算処理用のプロセッサであり、プログラムを実行することにより情報処理装置320の各機能構成部を実現する。なお、CPU521は1つに限定されず、複数であってもよく、また、画像処理用のGPU(Graphics Processing Unit)を含んでもよい。ROM522は、リードオンリメモリであり、初期データやファームウェアなどのプログラムを記憶する。通信制御部525は、例えば、情報処理装置320とその他の機器などとの間の通信を制御する。また、通信制御部525は、CPU521とは独立したCPUを有して、RAM523の領域に送受信データを書き込みまたは読み出しをするのが望ましい。さらに、RAM523とストレージ524との間でデータを転送するDMACを設けるのが望ましい(図示なし)。よって、CPU521は、RAM523がデータを受信したこと、またはRAM523にデータが転送されたこと、を認識してデータを処理する。また、CPU521は、処理結果をRAM523に準備しておき、後に行われる送信または転送については、通信制御部525やDMACに行わせる。
【0055】
RAM523は、CPU521が一時記憶用のワークエリアとして使用するランダムアクセスメモリである。RAM523には、本実施形態の実現に必要なデータを記憶する領域がある。このようなデータとして、RAM523は、受信電波強度5321、受信アンテナ5322、速度5323、加速度5324、ハンドル舵角5325および駐車スペースID5326を一時的に記憶する。
【0056】
受信電波強度5321は、車載器310が発信するビーコンの電波強度であり、受信アンテナ5322は、ビーコンを受信しているアンテナ260の情報であり、特定部321は、これらから車両230の位置を特定する。速度5323、加速度5324およびハンドル舵角5325は、移動する車両230の位置を特定するためや、車両230を誘導するために用いられるデータである。駐車スペースID5326は、車両230を誘導すべき駐車スペースのデータである。送受信データ537は、通信制御部505を介して送受信されるデータである。
【0057】
ストレージ524は、データベースや各種パラメータ、本実施形態の実現に必要な以下のプログラムやデータなどを記憶する記憶デバイスである。ストレージ524は、アンテナ情報テーブル401と、駐車スペース情報テーブル402と、車載器情報テーブル403とを格納する。ストレージ524は、さらに、特定モジュール5421と、走行情報取得モジュール5422と、誘導モジュール5423とを格納する。特定モジュール5421は、ビーコンの強度やビーコンを受信しているアンテナ260の情報などに基づいて、車両230の位置を特定するモジュールである。走行情報取得モジュール5422は、車載器310が取得して、情報処理装置320に送信した、車両230の速度や加速度、ハンドル舵角などの情報を取得するモジュールである。
【0058】
誘導モジュール5423は、車両230を駐車スペースへ誘導するためのデータを生成して、生成したデータをサインパネル250に表示して、車両230を駐車スペースまで誘導するモジュールである。これらのモジュール5421〜5423は、CPU521によりRAM523のアプリケーション実行領域5328に読み出され、実行される。制御プログラム5424は、情報処理装置320の全体を制御するためのプログラムである。なお、
図5Bに示したRAM523やストレージ524には、情報処理装置320が有する汎用の機能や他の実現可能な機能に関するプログラムやデータは図示されていない。
【0059】
図6Aは、本実施形態に係る駐車場管理システム200の車載器310の処理手順を説明するフローチャートである。このフローチャートは、
図5AのCPU511がRAM513を使用して実行し、
図3の車載器310の機能構成部を実現する。
【0060】
ステップS601において、車載器310は、駐車場の入場ゲートに設けられている切替信号発信機240から発信されている切替信号を受信したか否かを判定する。切替信号を受信していなければ(ステップS601のNO)、車載器310は、切替信号を受信するまで待機する。切替信号を受信していれば(ステップS601のYES)、ステップS603において、切替部311は、車載器310を無線LANの子機(クライアントモード)から親機(アクセスポイントモード)へと切り替える。ステップS605において、車載器310は、発信部312から所定の電波強度のビーコンを発信する。ステップS607において、車載器310は、車両230の速度や加速度、ハンドル舵角などの走行情報を送信部313から情報処理装置320に送信する。
【0061】
図6Bは、本実施形態に係る駐車場管理システム200の情報処理装置320の処理手順を説明するフローチャートである。このフローチャートは、
図5BのCPU521がRAM523を使用して実行し、
図3の情報処理装置320の機能構成部を実現する。
【0062】
ステップS621において、情報処理装置320のビーコン受信部327は、車載器310からのビーコンを受信したか否かを判断する。車載器310からのビーコンを受信していない場合(ステップS621のNO)、情報処理装置320のビーコン受信部327は、車載器310からのビーコンを受信するまで待機する。車載器310からのビーコンを受信している場合(ステップS621のYES)、情報処理装置320は、次のステップに進む。
【0063】
ステップS623において、情報処理装置320の探索部325は、車載器310から取得した車載器IDに基づいて、これに紐付けられているユーザIDを取得し、取得したユーザIDに基づいて、記憶部326からユーザ情報を抽出して、取得する。そして、取得したユーザ情報に応じた空き駐車スペースを探索する。例えば、取得したユーザ情報から、そのユーザが一般のユーザであることが分かれば、情報処理装置320の探索部325は、一般ユーザ用の駐車スペースを探索する。また、例えば、そのユーザが車いす利用者であれば、車いす用の駐車スペースを探索する。
【0064】
ステップS625において、情報処理装置320は、どのエリアのどの位置に設置されているアンテナ260でビーコンを受信しているかを特定する。さらに、情報処理装置320は、受信したビーコンの強度も測定する。そして、ステップS627において、情報処理装置320の特定部321は、どのアンテナ260でビーコン(電波)を受信しているかに基づいて、車両230の位置を特定する。なお、情報処理装置320の特定部321は、どのアンテナ260でビーコンを受信しているかの情報に、受信している電波の強度の情報を加味して、車両230の位置を特定することもできる。
【0065】
ステップS629において、情報処理装置320の走行情報取得部323は、車載器310から車両230の速度や加速度、ハンドル舵角などの走行情報を取得する。ステップS631において、情報処理装置320の誘導部322は、移動する車両230を追跡し、サインパネル250に車両230を誘導するためのサインを表示して、探知した空きスペースへと車両230を誘導する。
【0066】
ステップS633において、情報処理装置320は、誘導した車両230が、探知した駐車スペースに到着したか否かを判断する。到着の確認は、例えば、駐車スペースのそれぞれに設けたセンサ270により行ってもよいし、駐車場に設けた監視カメラの映像に基づいて行ってもよく、これらには限定されない。誘導した車両230が、探知した駐車スペースに到着していなければ(ステップS633のNO)、情報処理装置320は、ステップS625以降の処理を繰り返して、車両230を誘導する。誘導した車両230が、探知した駐車スペースに到着したら(ステップS633のYES)、情報処理装置320は、次のステップへと進む。
【0067】
そして、ステップS635において、情報処理装置320は、誘導した車両230が探知した駐車スペースに駐車したことを確認する。駐車の確認は、例えば、駐車場内の駐車スペースのそれぞれに設置されている赤外線センサや超音波センサなどのセンサ270の反応情報を用いて行ってもよいが、これには限定されない。例えば、駐車場に設置されている監視カメラなどの映像に基づいて、駐車の確認を行ってもよい
【0068】
本実施形態によれば、車両を自動的に駐車スペースに誘導できる。また、無線LANを用いて車両の位置の特定を行うので、大規模駐車場や立体駐車場、地下駐車場であっても、低コストで駐車場管理システムを導入することができる。さらに、駐車場管理者は、駐車場を効率的に運用することができる。車載器を無線LANの親機とするので、車載器から情報処理装置に対して様々な情報を提供しながらも、情報処理装置において車両(車載器)の位置を特定することができる。
【0069】
なお、本実施形態に係る駐車場管理システムの車載器の用途は、ここで説明した駐車場管理システムには限定されない。例えば、高速道路や有料道路などの特定のエリア(限られたエリア、隔離空間)などにおける車両管理システムや通行量管理システム、料金収受システムなどに用いることもできる。
【0070】
[第3実施形態]
次に本発明の第3実施形態に係る駐車場管理システムについて、
図7乃至
図10を用いて説明する。
図7は、本実施形態に係る駐車場管理システム700の機能構成を説明するためのブロック図である。本実施形態に係る駐車場管理システム700は、上記第2実施形態と比べると、POS(Point of Sales)データ取得部を有する点で異なる。その他の構成および動作は、第2実施形態と同様であるため、同じ構成および動作については同じ符号を付してその詳しい説明を省略する。
【0071】
駐車場管理システム700は、車両230を誘導する際に、POSサーバにアクセスして、POS情報を取得して、取得したPOS情報に応じた駐車スペースを探索して、誘導する。具体的には、取得したPOS情報から商品の購入履歴などを割り出し、どのような商品を購入しているかを判断し、例えば、来店したユーザが、生鮮食品を主に購入している場合には、生鮮食品の販売コーナーに近い駐車スペースに誘導する。また、そのユーザが、日用品を主に購入している場合には、日用品の販売コーナーに近い駐車スペースに誘導する。さらに、例えば、年間の購入金額が所定の金額を超えるユーザは、お得意様として、建物の入り口に近い駐車スペースへ誘導したり、お得意様エリアに誘導したりして、ユーザに来店に対するメリットを与えてもよい。
【0072】
図7に示したように、情報処理装置820は、POS情報取得部821をさらに備える。POS情報取得部821は、ショッピングモールなどの会計・精算エリアに設置されているPOSレジスターと連動するPOSサーバなどからPOS情報を取得する。
【0073】
具体的には、情報処理装置820が、車載器310から取得したユーザIDに基づいて、POS情報取得部821が、POSサーバからそのユーザのPOS情報を取得する。そして、取得したPOS情報からそのユーザの商品購入履歴を取り出して、例えば、生鮮食料品の購入頻度が高い場合には、誘導部322は、そのユーザが乗ってきた車両230を生鮮食料品コーナーに近い駐車スペースに誘導する。また、日用品の購入頻度が高い場合には、誘導部322は、車両230を日用品コーナーに近い駐車スペースに誘導する。
【0074】
図8は、本実施形態に係る駐車場管理システム700の情報処理装置820が備えるPOS情報データベース901の一例を示す図である。POS情報データベース901は、会員ID911に関連付けて、車載器ID912と、来店日時913と、購入履歴914とを格納する。会員ID911は、販売店が来店客に配布しているポイントカードに付与されている会員番号などに相当する。情報処理装置820は、購入履歴914から、そのユーザの来店頻度や頻繁に購入する商品を割り出して、例えば、探索部325は、ユーザの購入履歴に応じた駐車スペースを探索してもよい。また、探索部325は、購入頻度の高い商品に合わせた駐車スペース、例えば、衣料品販売コーナーに近い駐車スペースを探索してもよい。そして、誘導部322は、探索部325で探索した駐車スペースに車両230を誘導する。
【0075】
図9は、本実施形態に係る駐車場管理システム700の情報処理装置820のハードウェア構成を説明するブロック図である。RAM1023は、CPU521が一時記憶用のワークエリアとして使用するランダムアクセスメモリである。RAM1023には、本実施形態の実現に必要なデータを記憶する領域がある。このようなデータとして、RAM1023は、POS情報1031を一時的に記憶する。POS情報1031は、車両230のユーザの購入履歴などを割り出すために用いられるデータである。
【0076】
ストレージ1024は、データベースや各種パラメータ、本実施形態の実現に必要な以下のプログラムやデータなどを記憶する記憶デバイスである。ストレージ1024は、POS情報データベース901を格納する。そして、POS情報データベース901に記録されているデータは、CPU521によりRAM1023に読み出されて、展開される。展開されたデータは、探索部325が空きスペースを探索するために用いる。
【0077】
図10は、本実施形態に係る駐車場管理システム700の情報処理装置820の処理手順を説明するフローチャートである。このフローチャートは
図9のCPU521がRAM1023を使用して実行して、
図7の機能構成部を実現する。なお、
図6Bと同様の処理には同じステップ番号を付して、説明を省略する。
【0078】
ステップS1101において、情報処理装置820のPOS情報取得部821は、車載器IDに紐付けられているユーザIDなどに基づいて、車両230のユーザのPOS情報を取得する。ステップS1103において、情報処理装置820は、取得したPOS情報から、ユーザの購入履歴などを抽出して、抽出した購入履歴に基づいて空き駐車スペースを探知する。
【0079】
本実施形態によれば、POS情報との連携を図ることにより、ユーザのニーズに合わせて車両を自動的に駐車スペースへ誘導することができる。また、駐車場管理者は、駐車場を効率的に運用することができる。さらに、駐車場を併設する店舗運営者は、ユーザに対して来店することのインセンティブを与えて、来店頻度を上げることも、顧客の囲い込みもできる。
【0080】
[第4実施形態]
次に本発明の第4実施形態に係る駐車場管理システムについて、
図11および
図12を用いて説明する。
図11は、本実施形態に係る駐車場管理システム1200の構成を説明するためのブロック図である。本実施形態に係る駐車場管理システム1200は、上記第2実施形態と比べると、車両情報取得部および報知部を有する点で異なる。その他の構成および動作は、第2実施形態と同様であるため、同じ構成および動作については同じ符号を付してその詳しい説明を省略する。
【0081】
情報処理装置1220は、車両情報取得部1221と報知部1222とを備える。車両情報取得部1221は、車載器310が取得した車両230の車両情報を取得する。車両情報は、例えば、燃料残量やエンジンのON/OFFの情報、トリップメータの値、平均燃費などであるが、これらには限定されない。
【0082】
報知部1222は、車両230のユーザに対して、燃料残量が所定の値以下になっていることを報知する。ユーザに対する報知のタイミングは、車両230のエンジンがOFFになったことを検知した後のタイミングで報知する。このタイミングは、エンジンOFFになった直後のタイミングであってもよいし、エンジンOFFになった後、所定の時間経過した後のタイミングであってもよい。そして、報知部1222は、例えば、ユーザが所持するスマートフォンなどの携帯端末にメールなどで、「燃料残量が少ないです。帰りに給油して下さい。」などのメッセージを送信する。報知部1222は、エンジンがOFFになってから報知メールを送信するので、車両230の運転中のユーザは、運転に集中でき、わき見運転などによる事故を防止できる。
【0083】
図12は、本実施形態に係る駐車場管理システム1200の情報処理装置1220の処理手順を説明するフローチャートである。なお、
図6と同様の処理には同じステップ番号を付して説明を省略する。
【0084】
ステップS1301において、情報処理装置1220の車両情報取得部1221は、燃料残量などの車両情報を取得して、燃料残量が所定の残量値以下か否かを判断するする。燃料残量が所定の残量値よりも大きければ(ステップS1301のNO)、情報処理装置1220は、処理を終了する。燃料残量が所定の残量値よりも小さければ(ステップS1301のYES)、情報処理装置1220は、次のステップに進む。なお、車両情報の取得のタイミングはこのタイミングには限定されず、車両230が駐車場に入場した後であれば、いずれのタイミングで取得してもよい。
【0085】
ステップS1303において、情報処理装置1220の車両情報取得部1221は、ユーザが車両230のイグニッションキーをOFFにして、エンジンを停止したか否かを判断する。車両230のエンジンが停止していなければ(ステップS1303のNO)、情報処理装置1220は、車両230のエンジンが停止するまで待機する。車両230のエンジンが停止したら(ステップS1303のYES)、情報処理装置1220は、次のステップへ進む。
【0086】
ステップS1303において、情報処理装置1220の報知部1222は、ユーザが所持する携帯端末などに、燃料残量が所定値以下になっていることを知らせるアラートをメッセージとして報知する。
【0087】
本実施形態によれば、ユーザはガス欠などを未然に防ぐことができ、ショッピングモールなどの販売店にとっては、ガソリンスタンドを併設していれば、売り上げを増やすことができる。また、販売店は、ユーザに対して、商品購入のついでにガソリンスタンドで給油する機会を与えることができるので、ユーザに対する商品の販売機会を増大させることができる。
【0088】
[他の実施形態]
以上、実施形態を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上記実施形態に限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、本願発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。また、それぞれの実施形態に含まれる別々の特徴を如何様に組み合わせたシステムまたは装置も、本発明の範疇に含まれる。
【0089】
また、本発明は、複数の機器から構成されるシステムに適用されてもよいし、単体の装置に適用されてもよい。さらに、本発明は、実施形態の機能を実現する情報処理プログラムが、システムあるいは装置に直接あるいは遠隔から供給される場合にも適用可能である。したがって、本発明の機能をコンピュータで実現するために、コンピュータにインストールされるプログラム、あるいはそのプログラムを格納した媒体、そのプログラムをダウンロードさせるWWW(World Wide Web)サーバも、本発明の範疇に含まれる。特に、少なくとも、上述した実施形態に含まれる処理ステップをコンピュータに実行させるプログラムを格納した非一時的コンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)は本発明の範疇に含まれる。