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  • 特開2017072991-警備装置 図000003
  • 特開2017072991-警備装置 図000004
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-72991(P2017-72991A)
(43)【公開日】2017年4月13日
(54)【発明の名称】警備装置
(51)【国際特許分類】
   G08B 25/04 20060101AFI20170324BHJP
   G08B 25/00 20060101ALI20170324BHJP
   G08B 13/196 20060101ALI20170324BHJP
【FI】
   G08B25/04 E
   G08B25/00 510M
   G08B13/196
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2015-199538(P2015-199538)
(22)【出願日】2015年10月7日
(71)【出願人】
【識別番号】597122769
【氏名又は名称】大阪ガスセキュリティサービス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】特許業務法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】橋本 純一
(72)【発明者】
【氏名】仲谷 豊
(72)【発明者】
【氏名】深江 政和
(72)【発明者】
【氏名】岡島 高志
【テーマコード(参考)】
5C084
5C087
【Fターム(参考)】
5C084AA02
5C084AA07
5C084DD11
5C084DD41
5C084DD83
5C084EE01
5C084GG78
5C087AA02
5C087AA03
5C087AA25
5C087BB74
5C087DD05
5C087FF01
5C087FF02
5C087GG02
5C087GG08
5C087GG46
5C087GG66
5C087GG70
5C087GG83
(57)【要約】      (修正有)
【課題】警備対象領域に滞在している者の撮影が不用意に行われない警備装置の提供。
【解決手段】警備対象領域で発生した異常に対処するための警備措置の実行が許可されている警備実行状態で動作している間は、情報収集部Aによって警備対象領域で収集された情報に基づいて警備対象領域での異常の発生を検出して警備措置を行い、警備措置の実行が許可されていない警備解除状態で動作している間は警備措置を行わない警備装置10である。情報収集部は、警備対象領域において撮影を行う撮影装置11を有し、警備実行状態と警備解除状態との間での警備状態の切替指示の入力を受け付ける入力受付部12と、入力受付部で受け付けた切替指示に応じて警備実行状態で動作している間は、撮影装置を動作させる。また、入力受付部で受け付けた切替指示に応じて警備解除状態で動作している間は撮影装置を停止させる警備制御部13を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
警備対象領域で情報を収集する情報収集部を備え、前記警備対象領域で発生した異常に対処するための警備措置の実行が許可されている警備実行状態で動作している間は、前記情報収集部によって前記警備対象領域で収集された情報に基づいて前記警備対象領域での異常の発生を検出して前記警備措置を行い、前記警備措置の実行が許可されていない警備解除状態で動作している間は前記警備措置を行わない警備装置であって、
前記情報収集部は、受電部で受電した電力を利用して前記警備対象領域において撮影を行う撮影装置を有し、
前記警備実行状態と前記警備解除状態との間での警備状態の切替指示の入力を受け付ける入力受付部と、
前記撮影装置の前記受電部への電力の供給状態を制御する電力制御部と、
前記入力受付部で受け付けた前記切替指示に応じて前記警備実行状態で動作している間は、前記電力制御部に対して前記撮影装置の前記受電部への電力供給を行わせることで前記撮影装置を動作させ、及び、前記入力受付部で受け付けた前記切替指示に応じて前記警備解除状態で動作している間は、前記電力制御部に対して前記撮影装置の前記受電部への電力供給を行わせないことで前記撮影装置を停止させる警備制御部とを備える警備装置。
【請求項2】
警備対象領域で情報を収集する情報収集部を備え、前記警備対象領域で発生した異常に対処するための警備措置の実行が許可されている警備実行状態で動作している間は、前記情報収集部によって前記警備対象領域で収集された情報に基づいて前記警備対象領域での異常の発生を検出して前記警備措置を行い、前記警備措置の実行が許可されていない警備解除状態で動作している間は前記警備措置を行わない警備装置であって、
前記情報収集部は、前記警備対象領域において撮影を行う撮影装置を有し、
前記警備実行状態と前記警備解除状態との間での警備状態の切替指示の入力を受け付ける入力受付部と、
前記入力受付部で受け付けた前記切替指示に応じて前記警備実行状態で動作している間は前記撮影装置を動作させ、及び、前記入力受付部で受け付けた前記切替指示に応じて前記警備解除状態で動作している間は前記撮影装置を停止させる警備制御部とを備える警備装置。
【請求項3】
前記警備措置は、前記警備対象領域で異常が発生したことを示す情報を、通信回線で接続されたセンター装置へ送信することを含む請求項1又は2に記載の警備装置。
【請求項4】
前記警備対象領域で異常が発生したことを示す情報は、前記撮影装置が撮影した静止画像又は動画像である請求項3に記載の警備装置。
【請求項5】
前記撮影装置は、動作中に点灯又は点滅し、停止中に消灯する表示部を有する請求項1〜4の何れか一項に記載の警備装置。
【請求項6】
前記情報収集部は、前記警備対象領域での物の動きを検出可能なセンサーを備え、当該センサーの検出結果に基づいて前記警備対象領域での異常の発生を検出する請求項1〜5の何れか一項に記載の警備装置。
【請求項7】
前記情報収集部は、前記警備対象領域で撮影した画像中から物の動きを検出することで前記警備対象領域での異常の発生を検出する請求項1〜6の何れか一項に記載の警備装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、警備対象領域の警備を行う警備装置に関する。
【背景技術】
【0002】
防犯などの目的で警備対象領域での異常の有無を監視する警備装置が用いられている。異常の有無を監視するときに有用なのが、防犯カメラなどの撮影装置である。防犯カメラは、リアルタイムでの監視や録画による犯罪発生時の証拠保全のほかに、リアルタイムでの監視や録画を行っていることによる犯罪抑制にも有効であり、犯罪の多様化やセキュリティ意識の高まりから需要が増えている。
【0003】
日本防犯設備協会で挙げる6品目の防犯設備機器(「映像監視装置」、「侵入者検知器」、「監視装置」、「生活情報システム」、「出入管理装置」、「一般防犯機器」)の大半は犯罪抑制に効果をもたらす機器で占められている。特に防犯カメラは一般的なセンサー装置による侵入者検知と異なり、不審者の存在が画像として明確に確認できるため、警察への即時通報が可能であることから効果も高く、市場は拡大している。
【0004】
防犯カメラは、主に街頭や商店街、マンションや会社、店舗などに設置されるが、プライバシーや肖像権などの問題から設置場所は共用部分(例えば会社においては廊下など)に限定されることが多く、専有部分(例えば会社においてはワーキングスペースや更衣室など)には設置されないことが多い。しかしながら、就業時間中に更衣室などに侵入し、従業員の帰社後に犯行に及ぶケースや内部犯行もあることから、共用部分のみならずワーキングスペースなどへの防犯カメラの導入を検討する会社も増えており、プライバシー保護の問題が議論されている。このプライバシー保護対策として、防犯カメラの中には、レンズカバーなどの遮蔽物で物理的にレンズを隠すことでワーキングスペースに従業員が居る業務時間中には撮影を行えないようにしたり、撮影データが不正に閲覧されないように記憶装置へのアクセス制限を行っているものもある。
【0005】
一般的な警備装置は、例えば建物の内部に設定されている警備対象領域において撮影を行うカメラ(撮影装置)や、扉の開閉を検出する開閉センサーや、物の動きを検出する空間センサーなどの情報収集部で収集された情報に基づいて、警備対象領域に不審者が侵入したような異常の発生を検出する。尚、警備装置は、警備対象領域の監視を常時行う必要が無いこともある。例えば、会社の建物内に人が不在になる夜間は警備装置によって不審者の侵入を監視する必要があるが、従業員が業務を行っている昼間は警備装置によって監視を行う必要はないと考えることもできる。
【0006】
特許文献1(特開2004−303031号公報)には、警備装置運用者による設定操作を受け付けて、警備対象領域で発生した異常に対処するための警備措置(例えば、画像の送信)の実行が許可されている警備実行状態と、警備措置の実行が許可されていない警備解除状態とを切り替える警備装置が記載されている。具体的には、特許文献1には、警備装置が備えるカメラユニットは、常時動作して、撮影画像を画像処理部に伝送し、警備装置が備える画像処理部は、カメラユニットから受信した撮影画像をメモリ部に保持することが記載されている。
尚、特許文献1に記載の警備装置は、カメラユニットは画像を常時撮影しているものの、警備解除状態(即ち、人が、警備対象領域に滞在しているため、カメラが撮影した画像に写ってしまう状態)では、その人のプライバシーを考慮して、撮影画像をメモリ部には保持するものの外部の記録部には送信しないことにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2004−303031号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1に記載の警備装置では、警備実行状態であるか或いは警備解除状態であるかに関わらず、カメラユニットは画像を常時撮影し、撮影画像をメモリ部に保持するように構成されている。つまり、人が警備対象領域に滞在しており、カメラユニットが撮影した画像にその人が写る状態であっても、カメラユニットは画像を撮影し続けている。そのため、その人のプライバシーが完全に守られているとは言い難い。
【0009】
このように、特許文献1に記載の警備装置では、カメラユニット自体は常時動作しているため、カメラユニットや撮影画像を保持しているメモリ部に対する部外者からの不正アクセスがあった場合には、部外者によって人の姿や撮影画像が見られる可能性がある。
また、専有部に従業員が居る業務時間中にはレンズカバーなどで物理的にレンズを隠す対策を行ったとしても、従業員から見てレンズがレンズカバーなどによって塞がっていることが分り難いこと、及び、レンズカバーなどの操作が不正アクセスなどによる遠隔操作によって可能なことから、いつレンズカバーが開くかもしれないといった不信感もあり、従業員の理解が得られないといった問題がある。
【0010】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、警備対象領域に滞在している者の撮影が不用意に行われない警備装置を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するための本発明に係る警備装置の特徴構成は、警備対象領域で情報を収集する情報収集部を備え、前記警備対象領域で発生した異常に対処するための警備措置の実行が許可されている警備実行状態で動作している間は、前記情報収集部によって前記警備対象領域で収集された情報に基づいて前記警備対象領域での異常の発生を検出して前記警備措置を行い、前記警備措置の実行が許可されていない警備解除状態で動作している間は前記警備措置を行わない警備装置であって、
前記情報収集部は、受電部で受電した電力を利用して前記警備対象領域において撮影を行う撮影装置を有し、
前記警備実行状態と前記警備解除状態との間での警備状態の切替指示の入力を受け付ける入力受付部と、
前記撮影装置の前記受電部への電力の供給状態を制御する電力制御部と、
前記入力受付部で受け付けた前記切替指示に応じて前記警備実行状態で動作している間は、前記電力制御部に対して前記撮影装置の前記受電部への電力供給を行わせることで前記撮影装置を動作させ、及び、前記入力受付部で受け付けた前記切替指示に応じて前記警備解除状態で動作している間は、前記電力制御部に対して前記撮影装置の前記受電部への電力供給を行わせないことで前記撮影装置を停止させる警備制御部とを備える点にある。
【0012】
上記特徴構成によれば、警備制御部は、入力受付部で受け付けた切替指示に応じて切り替えられる警備実行状態及び警備解除状態に連動して、電力制御部に対して撮影装置への電力供給を行わせることで撮影装置を動作させるか或いは電力供給を行わせないことで撮影装置を停止させるかを制御する。つまり、警備実行状態では、撮影装置に電力供給が行われることで動作して、警備対象領域において撮影が行われるようになる。また、警備解除状態では、撮影装置に電力供給が行われないことで停止して、警備対象領域において撮影が行われないようになる。その結果、警備解除状態に設定されている間、即ち、警備対象領域に人が滞在している間には、撮影装置によって撮影され得る位置に人がいたとしても、その人は撮影装置によって撮影されないことになる。加えて、撮影装置への電力供給を行わせることで撮影装置を動作させるか或いは電力供給を行わせないことで撮影装置を停止させるかを切り替えることができるのは、警備実行状態及び警備解除状態を切り替えることができる正当な人物に限定される。つまり、不正な人物が撮影装置を動作させることが困難になる。
従って、警備対象領域に滞在している者を不用意に撮影することがない警備装置を提供できる。
【0013】
本発明に係る警備装置の別の特徴構成は、警備対象領域で情報を収集する情報収集部を備え、前記警備対象領域で発生した異常に対処するための警備措置の実行が許可されている警備実行状態で動作している間は、前記情報収集部によって前記警備対象領域で収集された情報に基づいて前記警備対象領域での異常の発生を検出して前記警備措置を行い、前記警備措置の実行が許可されていない警備解除状態で動作している間は前記警備措置を行わない警備装置であって、
前記情報収集部は、前記警備対象領域において撮影を行う撮影装置を有し、
前記警備実行状態と前記警備解除状態との間での警備状態の切替指示の入力を受け付ける入力受付部と、
前記入力受付部で受け付けた前記切替指示に応じて前記警備実行状態で動作している間は前記撮影装置を動作させ、及び、前記入力受付部で受け付けた前記切替指示に応じて前記警備解除状態で動作している間は前記撮影装置を停止させる警備制御部とを備える点にある。
【0014】
上記特徴構成によれば、警備制御部は、入力受付部で受け付けた切替指示に応じて切り替えられる警備実行状態及び警備解除状態に連動して、撮影装置を動作させるか或いは停止させるかを制御する。つまり、警備実行状態では、撮影装置が動作して、警備対象領域において撮影が行われるようになる。また、警備解除状態では、撮影装置が停止して、警備対象領域において撮影が行われないようになる。その結果、警備解除状態に設定されている間、即ち、警備対象領域に人が滞在している間には、撮影装置によって撮影され得る位置に人がいたとしても、その人は撮影装置によって撮影されないことになる。加えて、撮影装置を動作させるか或いは撮影装置を停止させるかを切り替えることができるのは、警備実行状態及び警備解除状態を切り替えることができる正当な人物に限定される。つまり、不正な人物が撮影装置を動作させることが困難になる。
従って、警備対象領域に滞在している者の撮影が不用意に行われない警備装置を提供できる。
【0015】
本発明に係る警備装置の更に別の特徴構成は、前記警備措置は、前記警備対象領域で異常が発生したことを示す情報を、通信回線で接続されたセンター装置へ送信することを含む点にある。
【0016】
上記特徴構成によれば、センター装置は、警備対象領域で異常が発生したことを知ることができる。その結果、センター装置では、警備員の出動や警察への通報といった対応をとることができる。
【0017】
本発明に係る警備装置の更に別の特徴構成は、前記警備対象領域で異常が発生したことを示す情報は、前記撮影装置が撮影した静止画像又は動画像である点にある。
【0018】
上記特徴構成によれば、センター装置は、撮影装置が撮影した静止画像又は動画像を得て、警備対象領域で異常が発生したことを知ることができる。その結果、静止画像又は動画像という証拠に基づいて、警備員の出動や警察への通報といった対応をとることができる。
【0019】
本発明に係る警備装置の更に別の特徴構成は、前記撮影装置は、動作中に点灯又は点滅し、停止中に消灯する表示部を有する点にある。
【0020】
上記特徴構成によれば、警備対象領域に滞在している人は、表示部の表示状態を見ることで、撮影装置が動作中であるか或いは停止中であるかを容易に判断することができる。
【0021】
本発明に係る警備装置の更に別の特徴構成は、前記情報収集部は、前記警備対象領域での物の動きを検出可能なセンサーを備え、当該センサーの検出結果に基づいて前記警備対象領域での異常の発生を検出する点にある。
【0022】
上記特徴構成によれば、情報収集部として、例えば、空間センサー、赤外線センサー、及び、人の重さで反応するマットセンサーなどのセンサーを用いて、物の動き(即ち、人の存在)などの警備対象領域での異常の発生を検出することができる。
【0023】
本発明に係る警備装置の更に別の特徴構成は、前記情報収集部は、前記警備対象領域で撮影した画像中から物の動きを検出することで前記警備対象領域での異常の発生を検出する点にある。
【0024】
上記特徴構成によれば、警備対象領域で撮影した画像中から物の動きを検出することで、物の動き(即ち、人の存在)などの警備対象領域での異常の発生を検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】警備装置を備える警備システムの構成を示す図である。
図2】警備装置を備える警備システムの構成を具体的に記載した図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下に図面を参照して本発明の実施形態に係る警備装置10について説明する。
図1は、警備装置10を備える警備システムの構成を示す図である。警備装置10は、例えば建物等の警備対象領域内への不法侵入等を監視し、不法侵入等があった場合にはそれをセンター装置4へ通報するなどの警備措置を行う。そのため、警備装置10は、後述するように警備実行状態と警備解除状態の何れかの警備状態で動作する。警備実行状態は、例えば夜間等、警備装置10が設置されている建物等の警備対象領域に建物利用者が不在である時間帯(即ち、警備が必要な時間帯)に設定される警備状態である。これに対して、警備解除状態は、例えば昼間等、警備対象領域に建物利用者が滞在している時間帯(即ち、警備が不要な時間帯)に設定される警備状態である。
【0027】
本実施形態の警備装置10は、警備対象領域で情報を収集する情報収集部Aを備え、警備対象領域で発生した異常に対処するための警備措置の実行が許可されている警備実行状態で動作している間は、情報収集部Aによって警備対象領域で収集された情報に基づいて警備対象領域での異常の発生を検出して警備措置を行い、警備措置の実行が許可されていない警備解除状態で動作している間は警備措置を行わないように構成されている。加えて、本実施形態の警備装置10は、警備装置運用者から情報の入力を受け付ける入力受付部12と、警備装置10の動作を制御する警備制御部13とを備える。また、警備装置10は、センター装置4との間で、インターネット網などの通信回線3を介して通信するための通信部15を備えている。例えば、通信部15は、ルーターを用いて構成される。
【0028】
入力受付部12は、警備実行状態と警備解除状態との間での警備状態の切替指示の入力を受け付ける。例えば、入力受付部12は、非接触型ICチップに記憶されている情報を読み取り可能なICチップリーダを有する。そして、警備装置10の警備装置運用者が非接触型ICチップを有するICカードを入力受付部12にかざしたときに、入力受付部12が、その非接触型ICチップに記憶されている情報を読み取るように構成されている。また、入力受付部12は、認証された警備装置運用者の情報を記憶する記憶部(図示せず)を有しており、ICカードがかざされたときには、そのICカードが認証された警備装置運用者の物であるか否かを識別する。そして、入力受付部12は、かざされたICカードが認証された警備装置運用者の物であるときには、そのICカードがかざされた行為を、警備装置10における警備実行状態と警備解除状態との間での警備状態の切替指示の入力として受け付ける。更に、入力受付部12が受け付けた警備実行状態への切り替えの入力が警備制御部13に伝達されて、警備制御部13が、後述するような警備実行状態で警備装置10の動作を制御する。或いは、入力受付部12が受け付けた警備解除状態への切り替えの入力が警備制御部13に伝達されて、警備制御部13が、後述するような警備解除状態で警備装置10の動作を制御する。このように、警備装置10を警備実行状態と警備解除状態とで切り替えるための入力が、ICカードを用いて行われることで、部外者によるこのような警備状態の切り替えの可能性を非常に低くすることができる。
【0029】
情報収集部Aは、警備対象領域において撮影を行う撮影装置11を有する。また、本実施形態では、情報収集部Aはセンサー装置16も有する。
【0030】
警備装置10には主電源1から電力が供給される。主電源1は電力の供給を行っている電力系統である。或いは、電力系統と無停電電源装置とを組み合わせて主電源1が構成されてもよい。警備装置10の内部には電力線2を介して電力が供給される。但し、警備装置10が有する撮影装置11に対する電力供給は、電力制御部14によって制御される。
電力制御部14の詳細については以下に説明する。
【0031】
本実施形態の警備装置10は、撮影装置11の受電部11aへの電力の供給状態を制御する電力制御部14を備える。撮影装置11には、主電源1から警備装置10へ供給された電力が、電力制御部14を経由して供給される。そして、撮影装置11は、電力制御部14を経由して受電部11aに電力が供給されているときにのみ、その電力を利用して動作できる。例えば、電力制御部14は、機械式のリレースイッチや半導体素子を用いて構成されるスイッチなどを用いて構成される。そして、警備制御部13による制御によって電力制御部14のスイッチがオン状態になると、受電部11aへと電力が供給され、警備制御部13による制御によって電力制御部14のスイッチがオフ状態になると、受電部11aへ電力が供給されなくなる。
【0032】
このように、警備制御部13は、入力受付部12で受け付けた切替指示に応じて警備実行状態で動作している間は、電力制御部14に対して撮影装置11の受電部11aへの電力供給を行わせることで撮影装置11を動作させ、及び、入力受付部12で受け付けた切替指示に応じて警備解除状態で動作している間は、電力制御部14に対して撮影装置11の受電部11aへの電力供給を行わせないことで撮影装置11を停止させる。
【0033】
特に、本実施形態では、警備装置10を警備実行状態と警備解除状態とで切り替えるための入力、即ち、撮影装置11を動作させる状態と停止させる状態との切り替えが、ICカードを用いて行われることで、部外者によるこのような撮影装置11の動作状態の切り替えの可能性を非常に低くすることができる。
【0034】
カメラ部11bは、警備装置10が警備実行状態にある間に、即ち、撮影装置11に電力が供給されて動作している間に、常時、静止画像又は動画像の撮影を行い続けてもよく、或いは、撮影制御部11dから制御指令を受けたときにのみ撮影を行うことでもよい。カメラ部11bで撮影された静止画像や動画像のデータはメモリ部11cに記憶される。
【0035】
また、撮影装置11が有する表示部11fは、例えばLED(発光ダイオード)ランプなどを用いて構成される。撮影装置11の受電部11aに電力が供給されているときにのみ、この表示部11fにも電力が供給される。そのため、表示部11fは、撮影装置11の動作中に点灯又は点滅し、停止中に消灯する。つまり、撮影装置11を見た者は、表示部11fのLEDランプが点灯又は点滅した状態であれば撮影装置11が動作中である(即ち、カメラ部11bによる撮影が行われている)と認識でき、表示部11fのLEDランプが消灯した状態であれば撮影装置11が停止中である(即ち、カメラ部11bによる撮影が行われていない)と認識できる。
【0036】
図2は、警備装置10を備える警備システムの構成を具体的に記載した図である。
図2では、警備装置10が警備実行状態にある間に、即ち、撮影装置11に電力が供給されて動作している間に、警備対象領域に不審者が侵入した状態を示している。図示するように、先ず、撮影装置11のセンサー部11gは警備対象領域に人が存在することを検出し、その情報は撮影装置11の撮影制御部11dに伝達される。センサー部11gは、警備対象領域での物(人物を含む)の動きを検出可能なセンサーであり、その検出結果に基づいて警備対象領域での異常の発生(即ち、警備対象領域に人が存在すること)を検出する。例えば、センサー部11gは、空間センサー、赤外線センサー、及び、人の重さで反応するマットセンサーなどのセンサーを用いて実現される。或いは、このような警備対象領域での物(人物を含む)の動きを検出して、その検出結果に基づいて警備対象領域での異常の発生(即ち、警備対象領域に人が存在すること)を検出する機能は、撮影制御部11dが、撮影装置11のカメラ部11bによって警備対象領域で撮影された静止画像中又は動画像中から物の動きを検出するという画像認識を行うことによって実現することもできる。この動き検出機能は、撮影制御部11dが、メモリ部11cに記憶されている動き検出処理プログラムを読み出して実行することにより実施される。
【0037】
カメラ部11bが静止画像又は動画像の撮影を所定時間毎に常時行っており、メモリ部11cにそれらの静止画像又は動画像のデータが記憶されている場合、撮影制御部11dは、メモリ部11cに記憶された静止画像データ(好ましくは、複数枚の静止画像データ)を、撮影装置11の通信機能部11eから警備装置10の通信部15を介してセンター装置4へ送信させる。複数枚の静止画像データを送信させる場合、撮影制御部11dは、メモリ部11cに記憶されている静止画像のうち、警備対象領域に人が存在することを上述したセンサー部11gなどが検出した時刻よりも前に撮影された静止画像、及び、その時刻よりも後に撮影された静止画像の両方が含まれるように、送信用の複数枚の静止画像を選択する。若しくは、撮影制御部11dは、メモリ部11cに記憶されている静止画像のうち、警備対象領域に人が存在することをセンサー部11gなどが検出した時刻よりも後に撮影された静止画像を複数枚選択することでもよい。同様に、動画像データを送信させる場合、撮影制御部11dは、メモリ部11cに記憶されている動画像のうち、警備対象領域に人が存在することをセンサー部11gなどが検出した時刻よりも前からその時刻の後にかけて撮影された動画像が含まれるように、送信用の動画像を選択する。若しくは、撮影制御部11dは、メモリ部11cに記憶されている動画像のうち、警備対象領域に人が存在することをセンサー部11gなどが検出した時刻よりも後に撮影された動画像のみを選択することでもよい。
【0038】
或いは、カメラ部11bが、静止画像又は動画像の撮影を常時行っておらず、撮影制御部11dから制御指令を受けたときにのみ撮影を行う場合、撮影制御部11dは、警備対象領域に人が存在することがセンサー部11gから伝達されると、カメラ部11bに対して警備対象領域の静止画像の撮影を1回又は所定の時間間隔をおいて複数回行わせる制御指令、或いは、動画像の撮影を所定期間行わせる制御指令を伝達する。そして、撮影制御部11dは、その撮影された静止画像又は動画像のデータをメモリ部11cに記憶させる。その後、撮影制御部11dは、メモリ部11cに記憶された静止画像データ又は動画像データを、撮影装置11の通信機能部11eから警備装置10の通信部15を介してセンター装置4へ送信させる。
【0039】
撮影装置11は、メモリ部11cに、送信先のセンター装置4の送信先アドレス(例えばIPアドレス又はURI)を記憶しており、撮影装置11が撮影した静止画像又は動画像のデータを通信機能部11eから、警備装置10の通信部15を介してセンター装置4へ送信することができる。このように、撮影装置11は、警備対象領域で異常が発生したことを示す情報(静止画像又は動画像のデータ)を、通信回線3で接続されたセンター装置4へ送信するという警備措置を行っていることになる。
【0040】
尚、警備措置は、上述したようなセンター装置4への静止画像又は動画像のデータの送信に限定されない。例えば、撮影制御部11dが、静止画像又は動画像のデータの送信は行わず、警備対象領域で異常を検知した(例えば、人の存在を検知した)ことを示す情報をセンター装置4へ送信させるだけの警備措置であってもよい。或いは、撮影制御部11dが、例えば警備対象領域に存在している不審者に対する威嚇を目的として、撮影装置11が有するLEDライト11hに対して、強い光強度で光の点灯や点滅を行わせるといった警備措置を実施することもできる。
また、センター装置4から撮影装置11にアクセスし、センター装置4で画像等を見ることもできる。この場合、センター装置4より撮影装置11のメモリ部11cにアクセスし、メモリ部11cに記憶されている、カメラ部11bで撮影された静止画像や動画像のデータを、センター装置4側で閲覧することが可能である。
【0041】
警備会社等に設置されているセンター装置4では、警備装置10から送信された静止画像又は動画像のデータをコンピュータ装置などで確認することができる。そして、その画像に不審者が写っている場合には、警備会社から警察へ即時通報を行うことや、不審者が侵入した現場へ警備員を出動させることなどを行うことができる。
【0042】
また、センサー装置16の検出部16bで検出された異常の発生が、通信部15を介してセンター装置4へ送信されることもある。センサー装置16が有する検出部16bは、警備対象領域に人が存在することを検出する機能(即ち、異常を検出する機能)を実現するための装置であり、例えば、警備対象領域に設置された空間センサー、赤外線センサー、及び、人の重さで反応するマットセンサーなど、警備対象領域での物(人物を含む)の動きを検出可能なセンサーを備える。そして、検出部16bは、そのセンサーの検出結果に基づいて警備対象領域での異常の発生(即ち、警備対象領域に人が存在すること)を検出する。或いは、検出部16bが警備対象領域の画像を撮影する機能を備えていれば、静止画像中又は動画像中から物の動きを検出するという画像認識によって、警備対象領域での異常の発生(即ち、警備対象領域に人が存在すること)を検出することもできる。この動き検出機能は、検出部16bが、例えば自身が記憶している動き検出処理プログラムを実行することにより実施される。
そして、センサー装置16が備える検出制御部16cは、検出部16bの検出結果に基づいて、異常が発生したと判定すると、その旨の情報を信号出力部16dを経由して警備制御部13の外部入力部13aに伝達する。尚、センサー装置16には常時電力が供給されているため、センサー装置16は上述したような警備実行状態であるか或いは警備解除状態であるかに関わらず、異常の発生を信号出力部16dによって警備制御部13へ伝達する。
【0043】
警備制御部13にも常時電力は供給されており、警備制御部13は、センサー装置16から異常が検出された旨の情報を受けたとき、警備実行状態であるのか或いは警備解除状態であるのかに応じて異なる処理を行う。具体的には、警備制御部13は、警備実行状態であるときにセンサー装置16から異常が検出された旨の情報を受けたとき、即ち、警備対象領域に人が存在しないはずの時間帯に人の存在が検出されたとき、警備対象領域で発生した異常に対処するための警備措置を実行する。この場合の警備措置は、例えば、人の存在が検出されたことをセンター装置4へ通報することのみである。これに対して、警備制御部13は、警備解除状態にあるときにセンサー装置16から異常が検出された旨の情報を受けたとき、即ち、警備対象領域に人が存在するはずの時間帯に人の存在が検出されたとき、上述したような警備措置を行わない。
【0044】
このように、警備装置10は、撮影装置11及びセンサー装置16の何れで異常が検出されたかに関わらず、警備実行状態で動作している間であれば警備措置を行い、警備解除状態で動作している間であれば警備措置を行わないことになる。
【0045】
<別実施形態>
上記実施形態では、警備装置10の構成について具体例を挙げて説明したが、その構成については適宜変更可能である。例えば、上記実施形態で説明した入力受付部12及び警備制御部13及び電力制御部14の構成は適宜変更可能である。
一例を挙げると、上記実施形態では、入力受付部12がICチップリーダを有して構成される例を説明したが、入力受付部12の構成は適宜変更可能である。一例を挙げると、入力受付部12が、「警備実行」ボタン及び「警備解除」ボタンやテンキースイッチなど、警備装置運用者の押し操作による入力を受け付けるスイッチなどを用いて実現されてもよい。この場合、例えば、入力受付部12が有する「警備実行」ボタンが警備装置運用者によって押し操作入力されると、その入力が警備制御部13に伝達されて、警備制御部13が後述するような警備実行状態で警備装置10の動作を制御する。或いは、入力受付部12が有する「警備解除」ボタンが警備装置運用者によって押し操作入力されると、その入力が警備制御部13に伝達されて、警備制御部13が後述するような警備解除状態で警備装置10の動作を制御する。また或いは、入力受付部12が、例えばセンター装置4からの遠隔操作による「警備実行」の入力及び「警備解除」の入力や、モバイル端末からの「警備実行」の入力及び「警備解除」の入力を受け付けるように構成してもよい。
他にも、警備制御部13を独立して設置せずに、警備制御部13の機能を、撮影装置11に搭載されている他の演算処理装置警備実行状態によって実現してもよい。
【0046】
上記実施形態では、警備対象領域で発生した異常に対処するための警備措置の例として、警備対象領域で異常が発生したことを示す情報(例えば、撮影装置11で撮影した警備対象領域の静止画像又は動画像のデータ)をセンター装置4へ送信することや、警備対象領域で光を発することなどを例示したが、警備措置はそれらに限定されない。例えば、警備装置10が、音声を出力できる装置を更に備え、警備対象領域で異常が発生した場合には、その装置を用いて警備対象領域で「異常発生」といった音声メッセージや警報音などの音声を出力するといった警備措置を行ってもよい。
【0047】
上記実施形態では、警備実行状態(即ち、撮影装置11が動作している状態)において撮影装置11がセンサー部11gを用いて警備対象領域に人が存在することを検出する例を説明したが、その検出機能をセンサー装置16にも担わせるなど、別の構成に変更してもよい。具体例を挙げると、センサー装置16で検出された異常の発生が、撮影装置11が有する外部入力部(図示せず)へ、センサー装置16から直接伝達又はセンサー装置16から警備制御部13を経由して又はセンサー装置16から電力制御部14を経由して伝達されるように構成してもよい。そして、撮影装置11は、センサー装置16から異常を検出した旨の信号の伝達を直接又は警備制御部13を経由して受けたとき、警備対象領域において撮影を行い、それにより得られた静止画像や動画像などのデータを撮影装置11からセンター装置4に送信させる警備措置を行うことができる。
【0048】
上記実施形態では、警備装置10がセンサー装置16を備えている例を説明したが、警備装置10はセンサー装置16を備えていなくてもよい。
【0049】
尚、上記実施形態(別実施形態を含む、以下同じ)で開示される構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示される構成と組み合わせて適用することが可能であり、また、本明細書において開示された実施形態は例示であって、本発明の実施形態はこれに限定されず、本発明の目的を逸脱しない範囲内で適宜改変することが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0050】
本発明は、警備対象領域に滞在している者の撮影が不用意に行われない警備装置に利用できる。
【符号の説明】
【0051】
3 通信回線
4 センター装置
10 警備装置
11 撮影装置(情報収集部)
11a 受電部
11f 表示部
12 入力受付部
13 警備制御部
14 電力制御部
15 通信部
16 センサー装置(情報収集部)
A 情報収集部
図1
図2