(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-74306(P2017-74306A)
(43)【公開日】2017年4月20日
(54)【発明の名称】清掃用具
(51)【国際特許分類】
A47K 11/10 20060101AFI20170331BHJP
A61L 2/10 20060101ALI20170331BHJP
A61L 2/24 20060101ALI20170331BHJP
A61L 2/20 20060101ALI20170331BHJP
A47L 13/10 20060101ALI20170331BHJP
A47L 13/51 20060101ALI20170331BHJP
A61L 101/10 20060101ALN20170331BHJP
【FI】
A47K11/10
A61L2/10
A61L2/24
A61L2/20 100
A47L13/10 D
A47L13/51
A61L101:10
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2015-204663(P2015-204663)
(22)【出願日】2015年10月16日
(71)【出願人】
【識別番号】515288225
【氏名又は名称】シャンイ・ツール有限会社
(71)【出願人】
【識別番号】000187231
【氏名又は名称】昭和有機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100074561
【弁理士】
【氏名又は名称】柳野 隆生
(74)【代理人】
【識別番号】100124925
【弁理士】
【氏名又は名称】森岡 則夫
(74)【代理人】
【識別番号】100141874
【弁理士】
【氏名又は名称】関口 久由
(74)【代理人】
【識別番号】100163577
【弁理士】
【氏名又は名称】中川 正人
(72)【発明者】
【氏名】中井 敏
(72)【発明者】
【氏名】西野 徳剛
【テーマコード(参考)】
2D036
3B074
4C058
【Fターム(参考)】
2D036DA26
3B074AA02
3B074AB03
4C058AA07
4C058BB06
4C058DD05
4C058DD11
4C058EE01
4C058KK02
4C058KK23
4C058KK43
4C058KK50
(57)【要約】
【課題】清掃用ブラシ及び収納ケースを清潔に保てる清掃用具に関する。
【解決手段】収納ケース2に殺菌灯3を備えることで、清掃用ブラシ1を殺菌可能とするとともに、清掃用ブラシ1の柄部と把持部17と着脱自在18にすることで、ブラシ部31が汚れた際には取り外して廃棄可能とした清掃用具。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
清掃用ブラシとそれを収納する収納ケースとを備えた清掃用具であって、
前記収納ケースに、前記収納ケース内に設置した殺菌灯により、前記清掃用ブラシのブラシ部を殺菌する殺菌手段を設けた、
ことを特徴とする清掃用具。
【請求項2】
前記収納ケースは、筒状の収納ケース本体と、前記収納ケース本体の上面を閉塞する天蓋と、前記収納ケース本体の下面を閉塞する底板とを備え、前記天蓋は前記清掃用ブラシの長さ方向の途中部に固定され、前記収納ケース本体の上面を天蓋で閉蓋した状態で、前記清掃用ブラシのブラシ部が、前記殺菌灯に対面するように収納ケース内に中空支持されることを特徴とする請求項1記載の清掃用具。
【請求項3】
前記収納ケース本体が、筒状に嵌合可能な一対の金属製の押出成形品からなることを特徴とする請求項2記載の清掃用具。
【請求項4】
前記収納ケース本体が、前記収納ケースの内部を、前記殺菌灯を収容する殺菌灯収納部と、前記殺菌灯の制御手段を収納する制御手段収納部とに縦割りに仕切る、仕切り板を備えたことを特徴とする請求項2又は3記載の清掃用具。
【請求項5】
前記殺菌灯収納部の内面が、鏡面処理されていることを特徴とする請求項4記載の清掃用具。
【請求項6】
前記殺菌灯として、オゾンを生成可能な波長の遠紫外線と、オゾンを分解して活性酸素を生成可能な波長の近紫外線の2種類の波長の紫外線を照射可能なものを用いた請求項1乃至5のいずれか記載の清掃用具。
【請求項7】
前記殺菌手段が、前記天蓋の開閉操作を検出する検知センサーと、前記検知センサーからの信号に基づいて、前記殺菌灯を制御するための制御手段を備えたことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか記載の清掃用具。
【請求項8】
前記底板の上面を傾斜面で構成したことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか記載の清掃用具。
【請求項9】
前記清掃用ブラシが、持ち手としての把持部と、先端部にブラシ部を有する柄部と、前記把持部に柄部を着脱自在に保持する着脱手段とを備え、前記把持部に着脱手段の操作部を設けたことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか記載の清掃用具。
【請求項10】
前記着脱手段は、前記柄部の基端部と把持部の先端部とに設けた、軸方向に移動自在で且つ相対回転不能に嵌合する凹凸嵌合部と、両端部が把持部外へ突出するように、前記把持部を挿通する操作軸と、前記操作軸の基端部に固定した操作部と、前記操作軸の先端部に設けた雄ネジと、前記雄ネジに螺合する前記柄部の基端部に設けた雌ネジとを備えたことを特徴とする請求項9記載の清掃用具。
【請求項11】
前記清掃用ブラシの柄部が樹脂製であることを特徴とする、請求項1乃至10のいずれか記載の清掃用具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、清掃用ブラシ及び収納ケースを清潔に保てる清掃用具に関する。
【背景技術】
【0002】
清掃用具を清潔に保つための発明として、トイレブラシ収納庫内に殺菌灯を設けたものや、ブラシの先端部を取り外し可能なものが種々提案され、実用化されている。
【0003】
具体的には、収納棚の一部にトイレブラシの収納庫を設け、内部に殺菌灯を設けることで、トイレブラシの殺菌を可能としたトイレ用収納棚(特許文献1)や、把持部に設けられた操作部を操作することで、柄部の先端側に装着された清掃部材を使い捨て可能とした柄付き清掃具(特許文献2)などがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実開平5−4997号公報
【特許文献2】実用新案登録第3105217号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、特許文献1記載のトイレ用収納棚は、殺菌灯の光が直接トイレブラシに照射されることがなく、大きな殺菌効果は期待できない。殺菌灯は、対象物の近くで照射しない限り、その殺菌作用が大きく減衰されてしまうからである。また、特許文献2記載の柄付き清掃具は、清掃部材を使い捨て可能にすることで、清掃部材の交換により清掃具の先端部は清潔に保たれるものの、柄部に付着した汚れまでは綺麗にできないことから、清掃部材の交換時などにおいて、手指が柄部に接触して汚れることがある。しかも、柄部の汚れを清掃しないで、清掃具をそのまま収納ケースに収納すると、柄部において雑菌が繁殖し、収納ケース内が二次汚染されるという問題もある。さらに、清掃中に把持部を保持す
る人の手に、水滴が飛散することを防ぐことはできないという問題があった。
【0006】
本発明の目的は、殺菌灯をブラシ部の至近距離に設置することで、殺菌効果を向上させブラシ部を清潔にすると共に、柄部を着脱可能にすることで、ブラシ部を清潔に保つことを可能となし、殺菌灯により収納ケース内も清潔に保てる清掃用具を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る清掃用具は、清掃用ブラシとそれを収納する収納ケースとを備えた清掃用具であって、前記収納ケースに、前記収納ケース内に設置した殺菌灯により、前記清掃用ブラシのブラシ部を殺菌する殺菌手段を設けた、ことを特徴とする清掃用具である。なお、殺菌灯としては、例えば紫外線殺菌灯を利用することができ、紫外線を清掃用ブラシに照射することで、ブラシ部及び柄部を殺菌し、清潔に保つことが可能となる。
【0008】
この清掃用具を用いて清掃作業を行う際には、収納ケースから清掃用ブラシを取り外して、必要な清掃作業を行うことになり、また清掃後には、清掃用ブラシを収納ケースに収納した状態で、収納ケース内のブラシ部及び柄部に対して殺菌灯により紫外線を照射して、ブラシ部及び柄部を殺菌することになる。つまり、この清掃用具では、収納ケース内において清掃用ブラシのブラシ部及び柄部を殺菌するので、紫外線が人体に悪影響を及ぼすことを防止しつつ、ブラシ部及び柄部を紫外線により効率的に殺菌して、ブラシ部及び柄部を清潔に保つことができるとともに、収納ケース内を清潔に保つことが可能となる。
【0009】
ここで、前記収納ケースは、筒状の収納ケース本体と、前記収納ケース本体の上面を閉塞する天蓋と、前記収納ケース本体の下面を閉塞する底板とを備え、前記天蓋は前記清掃用ブラシの長さ方向の途中部に固定され、前記収納ケース本体の上面を天蓋で閉蓋した状態で、前記清掃用ブラシのブラシ部が、前記殺菌灯に対面するように収納ケース内に中空支持されていることが好ましい。この場合には、清掃用ブラシを保持する手のカバーとして、前記天蓋を機能させることができるので、清掃時に汚れた水滴が万一飛散した場合でも、この飛散した水滴が清掃用ブラシを把持する手に付着することを防止できる。しかも、天蓋に付着した汚れた水滴は、清掃用ブラシとともに殺菌されるので、収納ケース内において雑菌が増殖することも防止できる。
【0010】
前記収納ケース本体が、筒状に嵌合可能な一対の金属製の押出成形品からなることを特徴としていることが好ましい。収納ケース本体は、合成樹脂の成形品で構成することも可能であるが、金属製の押出成形品で構成すると、清掃用具に高級感を付与できるので好ましい。また、収納ケース本体として、単一部材からなる金属製の筒状の押出成形品を用いることもできるが、内面を鏡面処理することが困難なので、筒状に嵌合可能な一対の押出成形品で構成することが好ましい。
【0011】
前記収納ケース本体が、該収納ケースの内部を、前記殺菌灯を収容する殺菌灯収納部と、前記殺菌灯の制御手段を収納する制御手段収納部とに縦割りに仕切る、仕切り板を備えていることが好ましい。また、前記殺菌灯収納部の内面が、鏡面処理されていることが好ましい。殺菌灯より照射される紫外線が、鏡面処理された内面に反射されることで、ブラシの殺菌灯に対面していない側まで、紫外線が回り込み、殺菌をすることが可能となるためである。
【0012】
前記殺菌灯として、オゾンを生成可能な波長の遠紫外線と、オゾンを分解して活性酸素を生成可能な波長の近紫外線の2種類の波長の紫外線を照射可能なものを用いることが好ましい。この場合には、オゾンの100倍〜1万倍の殺菌効果を有する活性酸素により、ブラシ部を効率的に殺菌できるので好ましい。
【0013】
前記殺菌手段が、前記天蓋の開閉操作を検出する検知センサーと、前記検知センサーからの信号に基づいて、前記殺菌灯を制御するための制御手段を備えていることが好ましい。この場合には、検知センサーからの信号が、天蓋の開蓋状態から閉蓋状態に切り替わったことを検出した後に、殺菌灯を一定時間点灯したり、定期的に点灯したりすることが可能となるので好ましい。つまり、天蓋が完全に閉まらないまま殺菌灯を点灯すると、紫外線がケース外に漏えいし、危険であるためである。また、殺菌灯が必要以上に点灯し続けるのを防止するためである。
【0014】
また、前記底板の上面を傾斜面で構成していることが好ましい。
前記天蓋に固定された前記清掃用ブラシが、持ち手としての把持部と、先端部にブラシ部を有する柄部と、前記把持部に柄部を着脱自在に保持する着脱手段とを備え、前記把持部に着脱手段の操作部を設けていることが好ましい。柄部及びブラシ部が汚れた際に、柄部及びブラシ部に手を触れることなく、柄部及びブラシ部を外して廃棄するためである。
【0015】
前記着脱手段は、前記柄部の基端部と把持部の先端部とに設けた、軸方向に移動自在で且つ相対回転不能に嵌合する凹凸嵌合部と、両端部が把持部外へ突出するように、前記把持部を挿通する操作軸と、前記操作軸の基端部に固定した操作部と、前記操作軸の先端部に設けた雄ネジと、前記雄ネジに螺合する前記柄部の基端部に設けた雌ネジとを備えていることが好ましい。また、前記清掃用ブラシの柄部が樹脂製であることが好ましい。
【発明の効果】
【0016】
本発明に係る清掃用具によれば、収納ケース内において清掃用ブラシのブラシ部及び柄部を殺菌するので、紫外線が人体に悪影響を及ぼすことを防止しつつ、ブラシ部及び柄部を紫外線により効率的に殺菌して、ブラシ部及び柄部を清潔に保つことができるとともに、収納ケース内を清潔に保つことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図5】
図5(a)は清掃用ブラシの断面図、
図5(b)は清掃用ブラシの柄部分離時の断面図
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態について、図面を参考にしながら説明する。
図1及び
図2に示すように、本件発明に係る清掃用具は、清掃用ブラシ1とそれを収納する収納ケース2とを備えた清掃用具であって、該収納ケース2に、該収納ケース2内に設置した殺菌灯3により、該清掃用ブラシ1のブラシ部31を殺菌する殺菌手段39を設けたものである。なお、本発明は、特にトイレ用清掃用ブラシに使用することが好適である。
【0019】
図3に示すように、収納ケース2は、殺菌灯収納部側周壁7と、制御手段収納部側周壁8とを備え、収納ケース2の内部は、制御手段収納部側周壁8に一体的に設けた平面視C字状の仕切り板4により殺菌灯収納部5と制御手段収納部6とに縦割りに仕切られ、該殺菌灯収納部5は、殺菌灯収納部側周壁7と仕切り板4より形成され、該制御手段収納部6は、仕切り板4と制御手段収納部側周壁8より形成される。なお、仕切り板4は、制御手段収納部側周壁8と一体成形品で構成することもできるし、別部材で構成することも可能である。また、該仕切り板4は、平面視がC字状である必要は必ずしもなく、平面視がコの字状でも、また平面視が直線状の板材でもよい。
【0020】
図4の通り、制御手段収納部側周壁8の両側部には仕切り板突部9が長さ方向(上下方向)の全長にわたってそれぞれ形成され、殺菌灯収納部側周壁7の両側部には殺菌灯収納部側周壁溝部10が長さ方向(上下方向)の全長にわたって形成され、制御手段収納部側周壁8と殺菌灯収納部側周壁7とは、仕切り板凸部9が殺菌灯収納部側周壁溝部10に嵌合されることで筒状に結合されている。また、該殺菌灯収納部側周壁溝部10と該仕切り板凸部9が着脱自在とされることで、殺菌灯収納部内面壁11が汚れた際に、該殺菌灯収納部側周壁溝部10と該仕切り板凸部9との係合を解除し、該殺菌灯収納部内面壁11を清掃することが可能となる。なお、該殺菌灯収納部側周壁7と、制御手段収納部側周壁8とは金属製の押出成型品であることが、好ましい実施の形態であるが、合成樹脂材料の押出成型品で構成することもできるし、射出成形などの成形品で構成することも可能である。また、該殺菌灯収納部側周壁7及び仕切り板4は、殺菌灯収納部5側の内面が鏡面処理されていることが、好ましい実施の形態である。前記殺菌灯3より照射された紫外線が、該殺菌灯収納部側周壁7及び仕切り板4の内面で反射されることで、清掃用ブラシ1の直接紫外線が照射されない部位にも紫外線が照射され、さらなる殺菌効果を得られるためである。
【0021】
殺菌灯収納部下面開口部12には殺菌灯収納部底板13が着脱可能に嵌合固定され、該殺菌灯収納部下面開口部12は該殺菌灯収納部底板13で閉塞されている。該殺菌灯収納部底板13が汚れた際には、該殺菌灯収納部底板13を取り外して洗浄できるように構成されている。なお、殺菌灯収納部底板上面14は、例えば、一方向に傾斜した傾斜面で構成されていることが好ましい実施の形態である。該殺菌灯収納部底板の直上に設置される清掃用ブラシ1より落下する水滴が、傾斜面により該殺菌灯収納部底板上面14に沿って移動して拡散することで、水滴の蒸発を促進して、雑菌の繁殖を防止するためである。なお、該殺菌灯収納部底板上面14の清掃用ブラシ1の直下点を頂点に、山状に隆起が設けられていてもよい。該清掃用ブラシ1より落下した水滴を、該殺菌灯収納部底板上面14の全面に拡散させるためである。更に、該殺菌灯収納部底板上面14は、段階的な傾斜面で構成してもよく、親水性を高めるための模様を設けてもよい。なお、該殺菌灯収納部底板13は、紫外線により劣化し難い材料、例えばシリコン製であることが望ましい実施の形態である。更に、該殺菌灯収納部底板上面14に酸化チタンを塗布、あるいは該殺菌灯収納部底板13に酸化チタンを含有させて、殺菌作用や消臭作用が得られるように構成してもよい。
【0022】
殺菌灯収納部上面開口部15には、殺菌灯収納部蓋部16が着脱自在に嵌合され、該殺菌灯収納部上面開口部15は該殺菌灯収納部蓋部16により閉塞されている。該殺菌灯収納部蓋部16には、清掃用ブラシ1の柄部17及び把持部18が接続されている。該柄部17及び前記ブラシ部31は、該殺菌灯収納部蓋部16を該殺菌灯収納部上面開口部15に嵌合することにより、前記殺菌灯収納部5内において殺菌灯に対面するよう懸吊される。なお該殺菌灯収納部蓋部16は、清掃時に汚れた水滴が飛散し、使用者の手に付着することを防ぐための鍔の役割も果たしている。
【0023】
図5に示す通り、清掃用ブラシ1は、上記の通り前記殺菌灯収納部蓋部16に取り付けられた、持ち手としての前記把持部18と、先端部に前記ブラシ部31を有する前記柄部17とを備えている。該ブラシ部31は、該柄部17の先端に設けられたブラシ基部19と、該ブラシ基部19に放射状に設けられた毛部20よりなる。該毛部20は、たとえばフィラメントを束ねた毛束を、該ブラシ基部19に植設することで構成されている。なお、図面上では該ブラシ基部19の一部に毛部20が植毛されているが、該ブラシ基部19の全面に植毛されていてもよい。また、該ブラシ基部19は、該柄部17と一体成型されていてもよいし、別部材を該柄部17の先端に嵌合させてもよい。
【0024】
また、前記柄部17と前記把持部18を着脱自在とするため、着脱手段が設けられている。着脱手段について説明すると、該把持部18を挿通する操作軸21が設けられ、操作軸21の基端部は把持部18から上方へ突出され、操作軸21の先端は該殺菌灯収納部蓋部16を貫通して下方へ突出されている。操作軸21の上端部には操作部26が相対回転不能に設けられ、操作軸21は、操作部26により把持部18から脱落しないように係止されるとともに、操作部26により回転操作できるように構成されている。該殺菌灯収納部蓋部16より下方へ突出している該操作軸21の先端には、操作軸先端雄ネジ35が設けられ、該柄部17の基端部には柄部基端雌ネジ36が設けられ、該操作軸先端雄ネジ35を該柄部基端雌ネジ36に螺合することで、該柄部17と該把持部18は着脱自在に固定される。
【0025】
該殺菌灯収納部蓋部16には蓋部上面螺合凸部22が設けられており、該蓋部上面螺合凸部22内には、蓋部上面螺合雌ネジ23が設けられている。また、該把持部18の先端部には、把持部先端雄ネジ24が設けられ、該蓋部上面螺合雌ネジ23と、該把持部先端雄ネジ24を螺合することで、該殺菌灯収納部蓋部16と該把持部18は接続されている。一方、該殺菌灯収納部蓋部16には、柄部嵌合壁25により構成される、柄部基端部収納空間37が設けられている。該柄部17の基端と、基端側に設けられた柄部基端隆起部38が該柄部基端部収納空間37に嵌合されることで、該殺菌灯収納部蓋部16と該柄部17は相対回転不能に接続され、該操作軸21の回転に合わせて該柄部17が共回りすることが防止され、該操作軸先端雄ネジ35を該柄部基端雌ネジ36から解螺できるように構成されている。
【0026】
図6に示すように、把持部18から上方へ突出する操作軸21の基端部には二股隆起部32と操作ネジ抜け防止材34とが形成され、操作部26の成形時に操作軸21の基端部を操作部26にインサート成形することで、操作部26には、二股隆起部32の操作軸基端溝部33に嵌合する操作ネジ隆起部43と、操作ネジ抜け防止材34に嵌合する操作ネジ凹部42とが形成され、操作部26は、操作軸21に対して相対回転不能で且つ軸方向に移動不能に設けられている。ただし、操作部26と操作軸21との連結構造としては、ビスなどを用いた連結構造にて行うことも可能である。
【0027】
この着脱手段では、操作部26を回転操作することで、
図5(a)に示す通り、前記操作軸21が回転し、螺合している前記雄ネジ35と前記雌ネジ36が分離することで、前記柄部17と前記把持部18を取り外すことができる。また、
図5(b)に示す通り、柄部嵌合壁25に柄部17の上端部を内嵌させて、操作部26を回転操作することで、操作軸先端雄ネジ35を該柄部基端雌ネジ36に螺合させ、把持部18に柄部17を連結できるように構成されている。このように、操作部26を回転操作することにより、柄部17に対して手を触れることなく、把持部18から柄部17を取り外すことができるので、柄部17の交換時に、柄部17が汚れていた場合でも、手を触れることなく柄部17を取り外してブラシ部31を交換することができる。
【0028】
なお、該柄部17及び前記ブラシ部31は樹脂製であることが、好ましい実施の形態である。特にトイレ清掃用のブラシの場合、該ブラシ部31に汚れが付着する頻度が高く、交換可能なように廉価な樹脂を使うことが好ましいためである。
【0029】
前記殺菌手段39は、前記殺菌灯3と後述する制御手段29よりなる。
図2に示すように、該殺菌灯3は殺菌灯収納部天蓋27から懸吊されている。該殺菌灯3としては紫外線殺菌灯が好ましい実施の形態である。なお、照射される紫外線等の殺菌光は減衰率が高く、殺菌対象との距離が近ければ近いほど殺菌効果が発揮される。従って、該殺菌灯3と前記ブラシ部31を対面させることが好ましい。また、殺菌灯に清掃用ブラシ1が衝突して破損することを避けるため、該殺菌灯収納部天蓋27から、保護用支柱28を設けることが好ましい。
【0030】
殺菌灯3として紫外線を照射するものを用いる場合には、10nm〜400nmの任意の波長の紫外線を照射可能なものを採用できる。特に、253.7nmの波長の紫外線が最も殺菌効果が高いことから、253.7nm±50nmの波長の紫外線を照射可能な殺菌灯3を採用することが好ましい。また、紫外線としては、オゾンを生成可能な波長200nm以下の遠紫外線と、オゾンを分解して活性酸素を生成可能な波長380nm〜200nmの近紫外線の2種類の波長の紫外線を組み合わせて用いると、オゾンの100倍〜1万倍の殺菌効果を有する活性酸素により、ブラシ部31を効率的に殺菌できるので好ましい。具体的には、オゾンを生成可能な波長185nmの遠紫外線と、オゾンを分解して活性酸素を生成可能な波長254nmの近紫外線とを照射可能な、遠紫外線と近紫外線とを同時に照射可能な1本の紫外線殺菌灯を設けることもできるし、遠紫外線と近紫外線とを個別に照射可能な2本の紫外線殺菌灯を設けることもできる。
【0031】
また、殺菌灯3を制御するための制御手段29が、前記制御手段収納部6に収納されている。該制御手段収納部6の底面は、制御手段収納部底板40を制御手段収納部底板留めネジ41により固定される。さらに、殺菌灯収納部上面開口部15には検知センサー30が設けられ、前記殺菌灯収納部蓋部16の閉蓋状態と開蓋状態とを検出できるように構成されている。該制御手段29では該検知センサー30の信号に基づいて、殺菌灯を点灯状態と消灯状態とに制御できるように構成されている。殺菌灯の点灯時間は、短すぎれば、十分な殺菌効果が得られず、逆に長すぎても殺菌効果に大きな影響はない上に、照射される紫外線等により前記柄部17や前記ブラシ部31を劣化させてしまう可能性があるため、2〜10分程度に設定することが好ましい。また、清掃用ブラシ1を収納ケース2に仮収容することもあるので、検出センサーにより閉蓋状態が検出されてから、1〜2分経過後に殺菌灯3を点灯するように制御することが望ましい。また、長時間にわたって、例えば24時間以上にわたって閉蓋状態が検出される場合には、前記と同ように2〜10分程度、殺菌灯3を点灯することも、雑菌の繁殖を抑制する上で好ましい。ただし、手動により殺菌灯3を点灯状態と消灯状態とに切り換えるように構成することも可能である。
【0032】
具体的な実施例として、例えば本件発明をトイレ内に設置し、トイレの清掃用具として、前記清掃用ブラシ1を使用する。収納ケース2に収納された清掃用ブラシ1は、清掃時に収納ケース2から取り出され、清掃のために使用した後、収納ケース2に収納される。しかし清掃時に、清掃用ブラシ1のブラシ部31、前記柄部17に汚れた水滴等が付着してしまうため、そのまま放置していると雑菌が繁殖してしまう。そこで、
図7に示すように、清掃終了後、前記殺菌灯収納部上面開口部15から清掃用ブラシ1を挿入し、前記殺菌灯収納部蓋部16を閉めることで、前記検知センサー30が閉蓋を検出し、前記殺菌灯3が点灯状態となり、該清掃用ブラシ1が殺菌される。殺菌終了後、前記制御手段29より、殺菌灯3が消灯状態となる。
【符号の説明】
【0033】
1 清掃用ブラシ
2 収納ケース
3 殺菌灯
4 仕切り板
5 殺菌灯収納部
6 制御手段収納部
7 殺菌灯収納部側周壁
8 制御手段収納部側周壁
9 仕切り板凸部
10 殺菌灯収納部側周壁溝部
11 殺菌灯収納部内面壁
12 殺菌灯収納部下面開口部
13 殺菌灯収納部底板
14 殺菌灯収納部底板上面
15 殺菌灯収納部上面開口部
16 殺菌灯収納部蓋部
17 柄部
18 把持部
19 ブラシ基部
20 毛部
21 操作軸
22 蓋部上面螺合凸部
23 蓋部上面螺合雌ネジ
24 把持部先端雄ネジ
25 柄部嵌合壁
26 操作部
27 殺菌灯収納部天蓋
28 保護用支柱
29 制御手段
30 検知センサー
31 ブラシ部
32 二股隆起部
33 操作軸基端溝部
34 操作ネジ抜け防止材
35 操作軸先端雄ネジ
36 柄部基端雌ネジ
37 柄部基端部収納空間
38 柄部基端隆起部
39 殺菌手段
40 制御手段収納部底板
41 制御手段収納部底板留めネジ
42 操作ネジ部
43 操作ネジ隆起部