【実施例】
【0014】
本発明の消臭節水便器の一実施例を示す
図1を参照されたい。本発明が提供する消臭節水便器は便鉢10、噴水管12、吸気管14および少なくとも1つのスイッチ11を含む。
【0015】
便鉢10の内壁104の上部、リム内側102には凹状の空間を有し、これは
図3からはっきりと分かる。
このリム内側102上にはオーバーフロー孔106を有し、このオーバーフロー孔106は便器内部の水が溢れ出すのを防ぐ、または便器内壁を水を流して洗浄するのに用いられ、オーバーフロー孔106から水が排出される。このリム内側102の空間に噴水管12および吸気管14が便鉢の上縁を取り巻くように設置される。
噴水管12の一端は取水端であり、もう一端は密閉され、この末端の密閉は可動式の管端キャップ124による。取水端は給水管(この給水管はさらに分岐して貯水タンク24に給水する)の前端に接続するものであって、貯水タンク24の出水端に接続するものではない。噴水管12には複数の噴水口122を有し、水を噴出する。スイッチ11は噴水管12に接続して給水管の水が噴水管12中に流入するのを制御し、噴水口122の噴水のタイミングを制御する。噴水管12の水は貯水タンク24からではなく給水管から供給されるので、噴水が貯水タンク24のエネルギー消散後の貯水に影響することはない。
【0016】
本発明は複数の固定具15および複数のフック152をさらに含む。固定具15は噴水管12および吸気管14を固定するのに用いられ、フック152は吸気管14と噴水管12を束ねて便鉢10のリム内側102のオーバーフロー孔106、洗浄水の吐出口上、または洗浄水管上に引っ掛けるのに用いられる。
この固定具15は一般的によく見られる結束バンドまたはフックであってもよい。したがって、本発明は構造がシンプルで、組み立てやすく、噴水管12を固定具15に固定し、さらに固定具15を便鉢10のリム内側102に入れ、フック152を利用してオーバーフロー孔106に引っ掛けるだけでよ。よって、別途釘を打ったり、ねじや接着剤で固定して設置する必要がなく、噴水管12および吸気管14が脱落する心配もない。
【0017】
本発明は吸気脱臭機能を有する吸気装置16をさらに含み、吸気管14の一端も同じくスイッチ11に接続し、もう一端は吸気装置16の吸気パイプ20に接続する。この吸気パイプ20は便鉢内部または壁内部に延伸でき、吸気装置16は吸気管14と吸気パイプ20の間に設けることもできる。吸気パイプ20は便鉢10底部の排水管22に接続し、スイッチ11を押して吸気装置16を起動すると、便器内部の空気を吸気パイプ20に送出し、相通する吸気管14は吸気装置16の作用を受けて負圧状態を作り、吸気管14の吸気孔142は気体を吸い込む穴となり、便鉢10内部の空気に対する吸引力が発生し、便鉢10内部の空気は吸い取られた後吸気パイプ20から便鉢10底部の排水管22中に排出される。
吸気孔が便鉢の上方または上縁の便座に設けられた場合、便座内部の空気が吸引されて負圧状態に近づくと主に外部の空気を取り込み始めるので、吸い取る臭気量は多くない。それに比べ、本発明の吸気孔142は便鉢10内のリムの空間中に設けられるので、隔てられることで上方の空気が流入するのを防ぎ、便器の臭気を直接吸い取り負圧状態を形成し、外部に漏れる臭気を減らすことができ、より効果的で消臭効率も上がる。
【0018】
図3から噴水管12と吸気管14の位置関係がさらにはっきりとわかる。この両者は上下や内外等の設置位置を入れ替えることができるが、噴水管12の噴水口122は便鉢10の内壁に対面させる必要がある。
【0019】
図4および
図5は本発明の消臭節水便器の側面断面図である。本発明の吸気装置16は便鉢10の外部に設けることも、便鉢10の内部に設けることも可能である。
図5では便鉢10内部に設けられており、便器製造元からの出荷前に取り付けられたものである。
図4は便鉢10の外部に設けられており、使用者が自分で設置した位置である。
【0020】
吸気装置16はスイッチ11で制御する以外にも、
図1で示すように、便器の便座108に設けられた少なくとも1つの圧力センサー18によって起動することもできる。
使用者が座ると体重により便座108に圧力がかかり、圧力センサー18が重量を感知して吸気装置16を起動し、使用者の重量が便座108を離れると吸気装置16が自動的に電力を遮断して吸気を停止することにより、スイッチ操作のし忘れを防ぐ。
【0021】
本発明のスイッチ11により手動で給水を制御することもできる。スイッチ11を押すと給水管から噴水管12に水が流入し、噴水口122から流出し、便鉢10の内壁104に沿って水が下に流れて一層の水膜を形成する。スイッチ11を離すと給水は自動的に停止され、噴水管12中には水が供給されなくなる。
本発明の噴水管12は貯水タンクに入る前の給水管に直接接続しており、貯水タンク24の出水口に接続するものではないため、給水管の前端の方が水圧が強いという利点があり、かつ水流も持続される。噴水管を貯水タンクに接続した場合、貯水の流力を先に浪費してしまうという問題が生じる可能性がある。
【0022】
使用者が用を足す際、自分の排泄物が便器に落下する大体の時間を必然的に感覚で知ることができるので、排泄時にスイッチ11を押して噴水口122から水が出始めるようにでき、便器の内壁104に沿って下に流れた水が内壁104上で一層の水膜を形成することで、排泄物が内壁104上に付着せずに流れていく。便器内に落下する排泄物がない時は、スイッチ11を押さず(スイッチ11はオフ状態になり)、噴水管12は水を流すための取水をしない。使用者が用を足し終わると、貯水タンク24の水を流して汚物を排出する。
このような流れにより、排泄物が内壁上に付着することがなく、何度も水を流すことを回避でき、臭気の発生を防止できるので、トイレの水を流す際の水量を大幅に節約でき、水資源の節約につながる。また、便器内の水位が噴水管12の取水の影響を受けて次第に高くなり、流す水の重力によりまず排出口が塞がれ、サイフォン作用の水位の高さまで速く達しやすく、排水吸引力が増し、貯水タンクのエネルギー消散後の貯水を利用するものではないので、貯水タンクの水より効用ははるかに大きくなる。
【0023】
便鉢の臭気発生の原因は以下の点にまとめられる。
1.排泄物が人体から便器内に落ちる時に空気に触れる過程で臭気が発散される。
2.排泄物が落下して便器の内壁に付着して汚れとなり、空気中に蒸発して臭気を発散し続ける。
3.便鉢底部に一時的に残留した排泄物が露出した時、または水に浸かった時に残った臭気が発散され続ける。
4.排泄物が流されるまで滞留している時、まだ水に浸かって軟化して薄まっていない、または部分的に流出して減量される。
5.貯水タンク以外の水を流す量がさらに増大し、水位が急速に上昇してサイフォン作用が早めに生じて、便器内の汚臭気体が外に漏れ出る。
6.便器内に残った臭気が自然に発散され、便鉢の開口から導引(負圧)により排出されない。
【0024】
便器により水資源を浪費する原因には以下の点がある。
1.貯水タンクの貯水位置が低く、圧力が小さく、水位が低く、流量が流力に代替され、一度に大量の水が流れる。
2.排泄物が便器内壁に付着して垢となり、洗い流しにくくなり、何度も水を流したり、ブラシで擦ってから水で流すことが必要になる。
3.便器の水を流す前に、便器内の水をサイフォン作用が発生する高さ以上になるまで貯めないと、汚れを素早く落とすことができず、その前に重力流を有する水量が減少すると、便器内の水位の上昇を加速する必要がある。
4.排尿と排便の際に必要な機能と方式は異なり、排尿の場合は尿の付着と流す水の量を低減することが重視され、排便の場合は水を流す時にサイフォン作用を形成するための水量が重視されるので、排尿と排便では別々に対応する。
5.使用者が排尿する際、本発明によれば便鉢の噴水のみで対応でき、貯水タンクの水を使用して大量排水する必要がない。
【0025】
上述の記載は本発明の好ましい実施例の説明に過ぎず、本発明の実施範囲を限定するものではない。したがって、本発明の特許請求の範囲で述べられた特徴および精神に基づいてなされた変更や潤色はすべて、本発明の特許請求の範囲内に含まれる。