特開2017-76238(P2017-76238A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-76238(P2017-76238A)
(43)【公開日】2017年4月20日
(54)【発明の名称】被介護者の救護支援システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20170331BHJP
   G08B 25/04 20060101ALI20170331BHJP
   G08B 21/02 20060101ALI20170331BHJP
   G08B 25/10 20060101ALI20170331BHJP
   G06F 13/00 20060101ALI20170331BHJP
【FI】
   G06Q50/10
   G08B25/04 K
   G08B21/02
   G08B25/10 D
   G06F13/00 510C
   G06F13/00 560A
   G06F13/00 605E
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2015-203184(P2015-203184)
(22)【出願日】2015年10月14日
(71)【出願人】
【識別番号】515001222
【氏名又は名称】株式会社みらい町内会
(74)【代理人】
【識別番号】100076071
【弁理士】
【氏名又は名称】松浦 恵治
(72)【発明者】
【氏名】堂本 政浩
(72)【発明者】
【氏名】日高 立郎
(72)【発明者】
【氏名】植田 元気
【テーマコード(参考)】
5B084
5C086
5C087
5L049
【Fターム(参考)】
5B084AA02
5B084AA15
5B084AA17
5B084AA30
5B084AB02
5B084AB36
5B084BA10
5B084BB02
5B084BB16
5B084DA16
5B084DB08
5B084DC02
5B084DC03
5B084EA07
5C086AA22
5C086BA30
5C086CA28
5C086CA30
5C086CB36
5C086DA14
5C086DA40
5C086EA45
5C086FA18
5C087AA02
5C087AA03
5C087AA10
5C087AA21
5C087AA25
5C087BB11
5C087BB20
5C087BB73
5C087BB74
5C087DD03
5C087EE14
5C087EE18
5C087FF01
5C087FF02
5C087FF16
5C087FF19
5C087GG09
5C087GG10
5C087GG22
5C087GG66
5C087GG70
5L049CC11
(57)【要約】      (修正有)
【課題】被介護者(徘徊者)の個人情報を、被介護者の被服などに目立つように表示することなく、また被介護者にストレスを与えることなく、安全かつ確実に保護者の元に戻す。
【解決手段】インターネット上の伝言板サイトを利用する被介護者の救護支援システムにおいて、必要な基本情報を入力し、この基本情報を個別QRコードとリンクさせて識別番号付きのQRコード(登録商標)を印刷したシールを発行する。発見者が個別QRコードを撮影すると、伝言板サイトのトップ画面を自動で開示し、発見者が被介護者の個別識別番号と現在状況の入力を行うと、システム利用者(保護者)にメールを自動発信し、システム利用者から発見者に対処方法を連絡する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
インターネット上の伝言板サイトを利用する被介護者の救護支援システムにおいて、
本システムのシステム管理者と、被介護者を介護する立場の家族・介護者(保護者)である本システムのシステム利用者と、対象となる被介護者を発見した発見者間で情報交換を行う被介護者の救護支援システムであって、
システム管理者が使用する管理コンピュータは、
必要な基本情報を入力するための基本情報入力手段と、この基本情報を個別QRコード(登録商標)とリンクさせて識別番号付きのQRコードを印刷したシールを発行する識別番号付きQRコードのシール発行手段と、発見者により被介護者の個別QRコードが撮影された際に、発見者コンピュータに伝言板サイトのトップ画面を自動通信するトップ画面開示手段と、
発見者により被介護者の個別識別番号と現在状況の入力がなされた際に、システム利用者に発見者からの入力情報をメールで自動発信する発見メール自動発信手段と
発見メール自動発信手段でシステム利用者にメールが送信された際に、発見者に対処方法を連絡するための対処方法連絡手段とを、
含み構成されることを特徴とする被介護者の救護支援システム。
【請求項2】
被介護者がシステム利用者以外の関係者に引き取られた際に、当該引取り機関の連絡先を入力する引取り確認入力手段と、
引取り確認入力手段で引取り機関が判明した際に、引取り確認入力手段で得られた情報をシステム利用者にメールで自動発信する引取り確認メール自動発信手段とを、
さらに備えることを特徴とする請求項1に記載の被介護者の救護支援システム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、徘徊中の高齢者(被介護者)を発見した際に、被介護者の居場所を共有する伝言板サイトを利用して、当該被介護者の人物特定に必要な個人情報を取得し、それに基づき救護や支援をすることに関する被介護者の救護支援システムに関する。なお、本発明において被介護者とは、必ずしも高齢者に限定されるものでは無く、年齢を問うことなくすべての知的障害者(知的障害児)さらには幼児など、保護者による介護を必要とするすべての人を含むものであるが、例示として認知症高齢者を挙げて以下に説明する。
【0002】
また本発明における伝言板サイトとは、伝言板、掲示板などの機能(チャット等の情報通信機能)を有するウエブサイトを意味し、本システムはインターネット上の通信技術を介して成立する被介護者の救護支援システムである。
【背景技術】
【0003】
近年、平均寿命の高齢化に伴い、認知症などを患う高齢者が増加し、特に認知症高齢者は保護者の手厚い努力もむなしく徘徊をしてしまうという事態が頻発している。
認知症高齢者は、本人の居所地域、既往症、必要な薬の服用条件、その他重要な介護に必要となる条件などに関する個人情報を、徘徊者を発見した人や周囲の人に自ら説明することが困難であるため、その徘徊者は簡単に家族や施設に戻れないという現実があった。
【0004】
上記の問題に対処するため、認知症高齢者の衣服に、住所、氏名、連絡先などを直接表示しておくことなども行われているが、この場合には、徘徊時に速やかに発見者から家族や介護支援者(保護者)に連絡を伝えやすいという効果はあるものの、高齢者本人並びにその家族の個人情報が無防備の状態で多数の人々の目に晒されることとなっていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平11−30658号公報
【特許文献2】特開2005−216107号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
被介護者はまったく初対面の人に発見された場合で、被介護者が自身の身元に関する情報を開示できない、もしくはしない場合には、被介護者の生命身体の安全の確保が困難であり、一方被保護者の居住地域や氏名などを読み取れるように個人情報を目立つように表示することははばかられ、また、特に認知症高齢者は疾病の特性上、普段と異なる環境にあることや身元に関する初対面の発見者による質問等で受ける心理的・精神的ストレスによって、著しく症状を悪化させることがあるという問題点があった。
本発明においては、上記の全ての問題点を解消した、被介護者の救護支援システムを提供せんとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1の発明は、前記課題を解決すべく検討を行った結果、
インターネット上の伝言板サイトを利用する被介護者の救護支援システムにおいて、
本システムのシステム管理者と、被介護者を介護する立場の家族・介護者(保護者)である本システムのシステム利用者と、対象となる被介護者を発見した発見者間で情報交換を行う被介護者の救護支援システムであって、
システム管理者が使用する管理コンピュータは、
必要な基本情報を入力するための基本情報入力手段と、この基本情報を個別QRコード(登録商標)とリンクさせて識別番号付きのQRコードを印刷したシールを発行する識別番号付きQRコードのシール発行手段と、発見者により被介護者の個別QRコードが撮影された際に、発見者コンピュータに伝言板サイトのトップ画面を自動通信するトップ画面開示手段と、
発見者により被介護者の個別識別番号と現在状況の入力がなされた際に、システム利用者に発見者からの入力情報をメールで自動発信する発見メール自動発信手段と
発見メール自動発信手段でシステム利用者にメールが送信された際に、発見者に対処方法を連絡するための対処方法連絡手段とを、
含み構成されることを特徴とする被介護者の救護支援システムである。
【0008】
また請求項2の発明は、前記管理コンピュータは、
被介護者がシステム利用者以外の関係者に引き取られた際に、当該引取り機関の連絡先を入力する引取り確認入力手段と、
引取り確認入力手段で引取り機関が判明した際に、引取り確認入力手段で得られた情報をシステム利用者にメールで自動発信する引取り確認メール自動発信手段とを、
さらに備えることを特徴とする請求項1に記載の被介護者の救護支援システムである。
【発明の効果】
【0009】
被介護者はまったく初対面の人に発見された場合で、被介護者が自身の身元に関する情報を開示できない、もしくはしない場合であっても、速やかに発見者と保護者(システム利用者)との連絡を取り合うことが可能となり、被介護者は発見されたのちに速やかに適切な処置を受けることができるため、徘徊者などの生命・身体の安全の確保が図られ、被介護者はみずからは何もせずに安全かつ確実に保護者(システム利用者)の元に戻され、被介護者の個人情報を相当程度伏せたままにすることが可能となり、また、特に認知症高齢者は疾病の特性上、普段と異なる環境にあることや身元に関する初対面の発見者による質問等で受ける心理的・精神的ストレスによって、著しく症状を悪化させることがあるが、本発明においては発見後に少しでもストレスを少なく、できるだけ早く普段の環境に戻してあげることができ、被介護者の個人情報を伏せておきたいという要望に応えることができ、また、特に認知症高齢者は疾病の特性上、普段と異なる環境にあることや身元に関する初対面の発見者による質問等で受ける心理的・精神的ストレスによって、著しく症状を悪化させることがある為、発見後に少しでもストレスを少なく、出来るだけ早く普段の環境に戻してあげることができる被介護者の救護支援システムを提供する被介護者はまったく初対面の人に発見された場合でも、速やかに発見者と保護者(システム利用者)との連絡を取り合うことが可能となり、被介護者は発見されたのちに速やかに適切な処置を受けることができるため、徘徊者などの生命・身体の安全の確保が図られ、被介護者はみずからは何もせずに安全かつ確実に保護者(システム利用者)の元に戻されるという優れた効果を発揮する。
【0010】
さらに従来の技術では、被介護者の個人情報を人目に触れる状態で表示せざるを得なかったが、本発明では個人情報を相当程度伏せたままにすることが可能となり、また、特に認知症高齢者は疾病の特性上、普段と異なる環境にあることや身元に関する初対面の発見者による質問等で受ける心理的・精神的ストレスによって、著しく症状を悪化させることがあるが、本発明においては発見後に少しでもストレスを少なく、できるだけ早く普段の環境に戻してあげることができるという効果も達成可能となった。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明に係る被介護者の救護支援システムの概要チャート図である。
図2】本発明に係る被介護者の救護支援システムの詳細チャート図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下図面に従って本発明の実施の形態を説明するが、これらは例示的に示されるもので、本発明の技術思想から逸脱しない限り種々の変形が可能なことはいうまでもない。
【0013】
本発明は、インターネット上の伝言板サイトを利用するものである。ここで伝言板サイトとは、伝言板サイト以外にも、掲示板サイトなどとも称される複数人の間での文字や記号や音声や画像などによる情報交換が行えるウエブサイトのことを意味する。
【0014】
被介護者1を介護する立場の家族や介護施設などで構成される本システムを利用するシステム利用者3(保護者)は、まず最初にシステム管理者2から本システムのサービスを受けるために必要なQRコードシール8を購入し、システム管理者2もしくはシステム利用者3(保護者)のいずれかが登録サイトから管理コンピュータ5(基幹データサーバを含む)に入力されるべき基本情報を入力(登録)する。ここで管理コンピュータは、当該コンピュータとは別体の基幹データサーバを含む概念であり、クラウドを利用する場合も当然想定される。
【0015】
この基本情報とは、被介護者1の人物特定に必要な最低限の情報(性別・年齢・居住地域・身体的特徴など)や既往症・保護時に対応が必要な事項などに加え、保護者の連絡先(3名分のメールアドレスなど)のことであり、この基本情報を事前に家族や介護施設などのシステム利用者3(保護者)により伝言板サイト付属の登録サイト上から設定し、システム管理者2の管理コンピュータ5に基本情報を入力(登録)する。(基本情報入力手段11)
上記の登録サイトへの登録は、直接入力は当然であるが、メールフォームなどを介した間接入力である場合も考えられる。
この基本情報は、管理コンピュータ5(具体的には基幹データサーバ)上に保存される。
【0016】
管理コンピュータ5は、救援支援を必要とする被介護者1それぞれに固有の識別番号と伝言板サイトへのアクセスに必要な情報をQRコードに生成し、管理コンピュータ5に入力された前記の基本情報とリンクされた個別の識別番号付きのQRコード(登録商標)をシールに印刷して、識別番号付きQRコードシール8を複数枚発行する。(シール発行手段12)
【0017】
発行されたQRコードシール8は、システム管理者2からシステム利用者3に交付され、交付されたQRコードシール8は被介護者1の衣服にアイロンなどによる熱圧着などの適宜手段により、脱落しないように取り付けられる。
QRコードシール8は、数十回から数百回程度の洗濯にも耐えるような素材で印刷され、また取り付け状態も同様の安定性が確保される。
【0018】
ついで、被介護者1が発見者4に発見された場合には、発見者4は自らの発見者コンピュータ7(通常は、カメラ付携帯電話やスマートフォン)のカメラ機能を利用して前記シールに印刷されているQRコードを撮影する。(トップ画面開示手段13)
【0019】
具体的には、発見者4がカメラ付携帯電話でQRコードシール8に表示されたQRコードを読み取ることで、携帯電話の画面上に伝言板サイトのアクセスに必要な情報(伝言板サイトのURL)が表示され、発見者4がそれをクリックすることで伝言板サイトにアクセスできる。また同時に、第1段階としてQRコードを読み取られた事実をシステム利用者3のメールアドレスに通知され、システム利用者コンピュータ6の画面で閲覧する。(第1の発見メール自動発信手段14)
【0020】
この通知の際に、システム利用者コンピュータ6(通常は、カメラ付携帯電話やスマートフォン)の伝言板サイトの画面は黄色に着色され(平時は白色)、その後に伝言板サイトにアクセスしたシステム利用者3(保護者)は、被介護者1がどこかで保護されていることを画面の色から直感的に認知できることとなる。
【0021】
その他、被介護者1が徘徊などにより所在不明になったことを保護者(システム利用者)が認知した場合には、保護者は伝言板サイトにアクセスし、システム上で被介護者に「行方不明」のステータスを付けることができる。この場合、伝言板サイトの画面は赤色に変色され、その後に発見者が本システムの伝言板サイトにアクセスした場合には、その発見者に注意を喚起することとなる。
【0022】
被介護者1の現況に応じてシステム上のステータスは、伝言板サイトの画面を青、赤、黄の信号機を模した3色で状況に対応して表示されるため、伝言板サイトにアクセスする関係者に対しては、画面の色の変化から直感的に素早く現況を訴求することができる仕組みとなっている。
【0023】
発見者4が伝言板サイトにアクセスすると、事前にシステム利用者(保護者)が登録している被介護者1の人物特定に必要な最低限の基本情報や既往症・保護時に対応が必要な事項などが伝言板サイト上で確認できるため、発見者は必要な対応を採ることが可能となる。
【0024】
伝言板サイトのトップ画面には、発見者4が入力をする予定の、被介護者1のQRコードに付与されている個別の識別番号と、被介護者の現在状況(元気、あるいはその他の状況)を入力する欄が表示されるため、さらに発見者は伝言板サイト上で被介護者を発見した場所や現在地・被介護者の状況などを入力して送信すると、保護者に対してその情報が第2報としてメールで通知されると共に伝言板サイト上にも記録される。(第2の発見メール自動発信手段15)
【0025】
システム利用者3(保護者)は発見者4とのやり取りを伝言板サイトで行うことができる為、保護者・発見者双方の携帯電話などのメールアドレスや端末固有の情報等を明らかにすることなく被介護者1の引き渡しまでの対処方法や引取りまでのやり取りをすることができる。
システム利用者(保護者)からは、伝言板サイトにアクセスした発見者に対して、当面の対処方法(すぐ迎えに行く/警察へ連絡/医療機関に連れて行くなど)を通知することができる。(対処方法連絡手段16)
発見者の携帯端末固有のGPS機能に基づく位置情報を利用する場合には、画面上で発見者に対してその承諾を得る様にダイアログが表出する。その他、発見者が警察や自治体、医療機関などの公的な機関である場合には保護者に対して電話番号などの通知を行うこともできる。
【0026】
さらに、被介護者1がシステム利用者以外の関係者に引き取られた際には、当該引取り機関の連絡先を入力する引取り確認入力手段17を備えることができ、この引取り確認入力手段17で引取り機関が判明した際には、引取り確認入力手段17で得られた情報を、システム利用者3のシステム利用者コンピュータ5にメールで自動発信する引取り確認メール自動発信手段を備えることが可能である。
【0027】
当該システムの利用によりシステム利用者3(保護者)が被介護者1を無事に引取り完了した場合には、システム利用者3(保護者)のみが伝言板サイト上に「解決済」のチェックつけて事象の完了のステータスをつけることが出来、これにより伝言板サイトの画面は青色に変色する。
【産業上の利用可能性】
【0028】
本発明は、被介護者を介護すべきすべての産業において利用される。
【符号の説明】
【0029】
1 被介護者
2 システム管理者
3 システム利用者
4 発見者
5 管理コンピュータ
6 システム利用者コンピュータ
7 発見者コンピュータ
8 QRコードシール
11 基本情報入力手段
12 シール発行手段
13 トップ画面開示手段
14 第1発見メール自動発信手段
15 第2発見メール自動発信手段
16 対処方法連絡手段
17 引取り確認入力手段
18 引取り確認メール自動発信手段

図1
図2