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特開2017-76608輝度制御デバイスを有するLEDランプ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-76608(P2017-76608A)
(43)【公開日】2017年4月20日
(54)【発明の名称】輝度制御デバイスを有するLEDランプ
(51)【国際特許分類】
   H05B 37/02 20060101AFI20170331BHJP
   F21L 4/00 20060101ALI20170331BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20170331BHJP
【FI】
   H05B37/02 D
   F21L4/00 510
   H05B37/02 L
   F21Y115:10
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
【外国語出願】
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2016-183368(P2016-183368)
(22)【出願日】2016年9月20日
(31)【優先権主張番号】1501948
(32)【優先日】2015年9月21日
(33)【優先権主張国】FR
(71)【出願人】
【識別番号】593008058
【氏名又は名称】ゼデル
【氏名又は名称原語表記】ZEDEL
(74)【代理人】
【識別番号】100091982
【弁理士】
【氏名又は名称】永井 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100082991
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 泰和
(74)【代理人】
【識別番号】100105153
【弁理士】
【氏名又は名称】朝倉 悟
(74)【代理人】
【識別番号】100108785
【弁理士】
【氏名又は名称】箱崎 幸雄
(72)【発明者】
【氏名】クリストフ、ノガ、ムバイ
(72)【発明者】
【氏名】フィリップ、ベレル
【テーマコード(参考)】
3K273
【Fターム(参考)】
3K273PA07
3K273QA01
3K273RA16
3K273SA04
3K273SA37
3K273SA45
3K273SA46
3K273TA03
3K273TA07
3K273TA08
3K273TA09
3K273TA15
3K273TA37
3K273TA40
3K273TA54
3K273TA71
3K273TA76
3K273UA22
3K273UA29
3K273VA08
(57)【要約】      (修正有)
【課題】スポーツ、ゲームを含む多数の活動に好適なヘッドランプを提供する。
【解決手段】ランプ10は、一つまたは複数のLED型ダイオードを有する発光ユニット300と、情報または制御信号に応答して発光ユニットからの光ビームの輝度および/または形状を制御するための手段100、110と、光学系に関連づけられ、前記光ビームに照明された被照明対象上の領域の反射光強度を表す電気信号を生成するための取込手段240、250と、取込手段により生成された情報から情報または制御信号を生成するための制御ユニット230と、を備える。発光ユニットは、制御ユニットの制御の下、変更可能な視野を有する焦点システムを取込む手段を含む。好ましくは、焦点距離が固定された少なくとも2つのセンサを取込手段が含み、あるいは、単一のセンサが、電気的に制御可能な単一の焦点システムに組み合わせられてもよい。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一つまたは複数のLED型ダイオードを有する光源(300)と、
制御情報または制御信号に応答して前記光源の光ビームの輝度および/または形状を制御するための手段(100,110,230)と、
光を感知して前記光に照明された領域の反射光強度を表す電気信号を生成するための取込手段と、
前記取込手段により生成された情報から前記制御情報または前記制御信号を生成するための制御ユニット(230)と、
を備え、
前記取込手段は、前記制御ユニットにより制御された可変の焦点フィールドに関連づけられて、異なる焦点距離で対応する電気信号を生成することを特徴とするランプ。
【請求項2】
前記取込手段は、
前記光ビームにより被照明対象上に照明された領域の反射光強度を表す電気信号を生成するための第1光学系(241)に関連づけられた第1センサ(240)と、
前記第1光学系とは別個の第2光学系(251)に関連づけられて前記照明された領域の反射光強度を表す第2情報を生成する第2センサ(250)と、
を備え、
前記制御ユニット(230)は、前記第1および第2センサ(240,250)により生成された一方または他方の信号を選択するように適合化され、前記光ビームの制御は、前記センサの一方または他方により生成された情報に起因する、ことを特徴とする請求項1に記載のランプ。
【請求項3】
前記取込手段は、
電気的に制御可能で、かつ、前記制御ユニット(330)によって制御されるように構成された光学系(350)に関連づけられたセンサ(340)を備え、
前記制御ユニット(330)は、輝度を制御するための前記制御信号または制御情報を併せて生成し、
前記制御信号は、前記電気的に制御可能な光学系(350)を制御する、ことを特徴とする請求項1に記載のランプ。
【請求項4】
前記光源は、少なくとも2つのLEDを有するディスプレイユニット(300)を備え、各ディスプレイユニットは、独自の焦点光学系を有し、その電力供給が前記制御情報または制御信号によって制御される、ことを特徴とする請求項2または3に記載のランプ。
【請求項5】
前記光源は、制御可能な光学系に関連づけられた一つまたは複数のLEDを備え、前記光学系は前記制御情報または前記制御信号によって制御される、ことを特徴とする請求項2または3に記載のランプ。
【請求項6】
制御モジュール(200)が、前記光ビームの制御情報または制御信号の生成のための距離の測定値および/または前記取込手段の取込角を併用するために、対象までの距離を決定するためのテレメトリ手段をさらに備える、ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載のランプ。
【請求項7】
前記制御ユニット(230)は、複数の所定のプロファイルに対応するパラメータを用いて設定される、請求項1乃至6のいずれか一項に記載のランプ。
【請求項8】
前記設定は、コンピュータ、タッチスクリーン・タブレットまたはスマートフォンと通信するためのUSBポートを介して行われる、請求項6に記載のランプ。
【請求項9】
ヘッドランプからなることを特徴とする、請求項1乃至8のいずれか一項に記載のランプ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、LED付きのランプ、特に、LED輝度制御デバイスを有するヘッドランプに関する。
【背景技術】
【0002】
ヘッドランプは、職業上の活動、スポーツおよびゲームを含む多数の活動において使用される。
【0003】
一般的に述べると、これらのランプは、効率的で、快適で、最長のバッテリ寿命を確保すべき「ハンドフリー」タイプの発光を可能にするよう意図される。
【0004】
このような新しいヘッドランプの機能性は多年にわたり高められてきている。
【0005】
本出願人は、ランプが一定のパワーを生成する、いわゆる「静的」モードとは異なり、ランプによって発せられる光のパワーの調整を利用する、いわゆる「動的発光」の概念を導入した。2008年4月24日出願の仏国特許出願公開第2930706号明細書は、光の強度の調整を制御するために、ランプに照明される対象によって反射される光を検知するための光センサを使用する自動制御された発光ランプを説明する。図1は、ランプにより照明されている対象16の表面によって反射される光を表す信号を出力するために、ハウジング内で発光ダイオードLED11の近傍に配置された光学センサ14を含むランプを示す。信号は、予め定められた閾値に従ってLEDのパワーを自動的に制御するためのコントローラ13の第2出力へ送信される。このように、発光を環境内で調整するいかなる手動動作をも要求することなく、電力消費を管理しながら、ランプにより発光された光ビームの自動制御が達成される。
【0006】
このような従来のランプは、それぞれ広角および狭角の別個のビームを生成して該ランプのユーザに多大な柔軟性を提供する多数のLEDの提供により改善されてきており、これにより、「遠く」を見るためであるが「近く」をも快適に見せる強い光から利益を享受することができる。
【0007】
このランプは、特に、ロッククライミング、ハイキング、ランニングなどを含むスポーツ界で顕著な成功を収めている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、いわゆる動的調整システムは、狭角ビームを用いた「遠見」または広角ビームを用いた「近見」で異なる態様で干渉する光エコーにより容易に攪乱されがちであるため、実装することが難しいようである。
【0009】
ランプがプロスポーツ選手および実業家の他、あらゆるセクタにおいて使用できるように、輝度の調整メカニズムを改善してあらゆる状況において干渉およびエコーを最小化することが望ましい。
【0010】
この点が本発明の解決しようとする技術的課題である。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の一目的は、様々な光ビームを生成でき、あらゆる状況において光の干渉を最小にする輝度制御のための動的な制御メカニズムが取り付けられたヘッドランプを提供することにある。
【0012】
本発明の他の一目的は、スポーツマン、ハイカなどに加えて産業の複数の領域において使用可能なヘッドランプを提供することにある。
【0013】
本発明のさらに他の目的は、可変の幾何ビームを有し、自身が生成する狭角または広角の光ビームに対して動的な調整を迅速に適用できるランプを提供することにある。
【0014】
本発明の更なる目的は、様々な状況において使用可能な新たな能力と特徴を備えたヘッドランプを提供することにある。
【0015】
上述の目的および他の目的は、例えば、
一つまたは複数のLED型ダイオードを有する光源と、
制御情報または制御信号に応答して前記光源の光ビームの輝度および/または形状を制御するための手段と、
光を感知して前記光ビームに照明された領域の反射光強度を表す電気信号を生成するための取込手段と、
前記取込手段により生成された情報から前記制御情報または前記制御信号を生成するための制御ユニットと、
を備えるヘッドランプのようなランプによって達成される。
【0016】
上記ランプは、上記取込手段が、上記制御ユニットにより制御された可変の焦点フィールドに関連づけられて、異なる焦点距離で対応する電気信号を生成することを特徴とする。
【0017】
一実施形態において、上記ランプは、2つの信号を生成するように別個の焦点に関連づけられた少なくとも2つのセンサを含み、上記制御ユニットは、輝度の動的調整を実行するように、上記センサが生成した2つの信号のうちの一つを選択するように構成される。
【0018】
上記ランプは、被照明領域によって反射された光を表す2つの異なる情報を同時に生成するように、第1センサに関連づけられた第1光学系と異なる第2光学系に関連づけられる第2センサを備える。
【0019】
上記光ビームの制御は、それぞれの光学系に関連づけられた、一方および/または他方のセンサにより生成され、上記制御ユニットによって選択された情報の結果として行われる。
【0020】
他の一つの実施形態において、上記ランプは、光学系に関連づけられたユニークなセンサを備えて電気的に制御可能で上記制御ユニットにより制御されるよう構成された取込手段を含み、これにより、上記ランプの輝度を制御する上記制御情報または制御信号の生成とともに、反射光の取込角の帰還制御を達成する。
【0021】
特定の一実施形態において、上記光源は、少なくとも2つのLEDを有するディスプレイユニットを備え、各ディスプレイユニットは、独自の焦点光学系を有し、その電力供給が前記制御情報または制御信号によって制御される。
【0022】
好ましくは、上記光源は、制御可能な光学系に関連づけられた一つまたは複数のLEDを備え、前記光学系は前記制御情報または前記制御信号によって制御される。
【0023】
特定の一実施形態において、上記ランプは、上記光ビームの制御情報または制御信号の生成のための距離の測定値および/または上記取込手段の取込角を併用するために、対象までの距離を決定するためのテレメトリ手段をさらに備える。
【0024】
特定の一実施形態において、制御ユニット(230)は、複数の所定のプロファイルに対応するパラメータを用いて設定され、この設定は、コンピュータ、タッチスクリーン・タブレットまたはスマートフォンと通信するためのUSBポートを介して行われる。
【0025】
本発明は、ヘッドランプを実現するために特に好適である。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】電力消費の調整を提供するいわゆる「動的発光」を有する既知のヘッドランプの一例を示す図。
図2】各々が独自の光学系を有する2つのセンサを備える、本発明に係るランプの第1実施形態を示す図。
図3】電気的に制御可能な光学系に関連づけられた単一のセンサを有する、本発明に係るランプの第2実施形態を示す図。
図4】第1実施形態を実現した特定の実施例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本発明の一つまたは複数の実施形態の他の特徴は、添付の図面を参照しながら、以下の本発明の実施形態の説明から明らかになる。
【0028】
以下に説明する実施例は、パワフルなLEDダイオードを有する発光ランプ、特にヘッドランプの実現に特に好適である。
【0029】
ここでは非限定的な例のみが述べられ、操作可能性を向上させるために当業者が本発明を他の発光システムに適用できることは明らかである。
【0030】
図2は、様々な焦点を有する取込手段が設けられ、それぞれ異なる2つの固定焦点を有する2つで一組のセンサに基づく、光強度を制御するための高機能の制御手段を有する(ヘッドランプであることが想定される)ランプ10の第1実施形態の全体構成を示す。
【0031】
ランプ10は、制御モジュール200に関連づけられた電力モジュール100と、複数のLED発光ダイオードを有する発光ユニット300とを含み、各LEDには、その独自の焦点システムが取り付けられている。用語「LED」は、通常、本明細書において総称的に使用され、例えば白色LED、赤色LED、レーザダイオードなどの任意の発光デバイスを称してよい。
【0032】
図2に描写された例において、単純化のため、2つで一組のダイオード301,302が示され、これらのダイオードには、電力モジュール100に接続された供給導体303,304がそれぞれ設けられ、図2に示すように、関連する光学系(図示せず)と共に、広角ビームおよび狭角ビームの生成をそれぞれ可能にする。より一般的には、ランプの輝度を高めるために、当業者は、複数のダイオードを同一の焦点光学系内に提供してもよいし、ランプの有用性が高まるように光学系の数を増やしてもよい。あるいは、電気的に制御可能な単一の焦点システムを有する一組のLEDを配設し、これにより、LEDにより生成されるビーム光の幾何形状を制御するための情報/制御信号をも制御ユニット230が生成するようにしてもよい。このような実施形態は、出願人により2015年2月13日に出願され、公開番号WO2015/121429にて公開された国際特許出願PCT/EP2015/053127において詳細に説明されている。
【0033】
特定の実施形態において、その供給導体303,304をそれぞれ介したLEDダイオード301,302への電力供給は、制御モジュール200により生成される情報または制御信号110の制御下で実行される。
【0034】
電力モジュール100は、具体的に、高強度の光ビームを生成するためのLED照明ランプ内で従来から見られる部品であって、一般的にパルス幅変調(PWM)に基づく、当業者によく知られた、クラスオーディオ回路D内で使用される既知のものに類似する部品の全てを含む。PWM変調は、制御信号110によって制御される。一般的に述べると、上述の用語「信号」は、LED301/302へ電力を供給するために使用されるPWM変調を含め、電力モジュール100の制御をもたらすことができる電気量−電流または電圧−をいう。これは、レジスタ内に格納されて光ビームの送出電力を制御するために電力モジュール100への任意の適切な手段によって送られるような論理情報である任意の「制御情報」を「制御信号110」へ置換することが可能であるという理解を伴った唯一の特定の実施形態である。特定の一実施形態において、2つの制御モジュール200と電力モジュール100とが同一の集積回路内に集積されることを考慮することもできる。
【0035】
従って、「制御信号110」に言及する時は、電気量−電流または電圧−の制御を用いる実施形態と、電力モジュール100内で伝送される論理情報によって命令が有効化される実施形態とを無差別に包含することを当業者は容易に理解できる。このため、以下では、「制御信号」と「制御情報」とを特に区別することなく使用する。
【0036】
通常、スイッチおよび、電力モジュール100を構成するスイッチング部品−あり得るバイポーラトランジスタ、FET(電界効果トランジスタ)またはMOS(金属酸化膜半導体)もしくはMOSFET−は当業者に周知であり、簡単のためにこの点の説明は意図的に低減する。同様に、PWM変調の様々な側面については、一般的な文献を参照されたい。
【0037】
電力モジュールのより具体的な一例を図4との関連で以下に説明する。図2に戻ると、その光軸がLED301/302の光軸に実質的に平行である少なくとも2つで一組のフォトタイプのセンサ240,250に基づいて、制御モジュール200が様々な焦点フィールドを有する取込システムを含むことを理解することができる。センサ240,250は、それぞれ電気信号を生成し、これらの電気信号は、それぞれ、適切な回路242,252を介して、これらの信号を扱うことができる制御ユニット230へ送信される。
【0038】
各センサ240または250は、独自の焦点光学系241,251にそれぞれ関連づけられ、図2に示すように、別個の焦点光学の結果、それぞれ狭角および広角の異なる取込角40,50を可能にする。
【0039】
制御ユニット230はさらに、センサ240,250によって生成された2つの信号のうちの一つを必要に応じて選択し、これを用いてランプの輝度を制御するように構成される。
従って、図2の実施形態によれば、制御モジュール200内に配置された制御ユニット230内で行われる適切な処理の結果、センサ240/250により生成された信号は、電力モジュール100用の制御情報または制御信号110を生成するために使用することができ、この制御情報または制御信号110は、LED301または302への電力供給の制御に役立ち、従って、ランプにより生成される、それぞれ狭角(遠見)または広角(近見)の光ビームの焦点距離の制御に役立つ。
【0040】
これにより、2つのセンサ240,250によってそれぞれ生成される情報に基づいて実行される適切な処理により、発光11または12の適切な角度を適時に選択して活性または動的な制御メカニズムにより使用できるようになり、その結果、ヘッドランプにより生成される輝度に十分に適合した幾何形状を有する光のビームが生成される。
【0041】
従って、例えば、遠見の状況において、図2中に符号11で示されるように、高輝度の狭角ビームの生成に伴い、制御ユニット230は、その光学系241に関連づけられて、関連づけられたセンサ240により生成される情報を主として使用し、その結果、センサ240に基づいて調整された適切な光ビームを生成する。従って、輝度の動的な制御システムは、焦点角度が特に狭いために、光のクラッタにより妨害されにくくなり、これにより、例えば、ランプのユーザが暗い森の中で移動する場合、大変便利になる。
【0042】
他の状況において、例えば、長距離ランナが暗い環境内で走っている状況において、このランナが、反射の強い服を着た他のランナの後ろに来た場合、後ろのランナのヘッドランプの光調整メカニズムは、前方のランナが着る服によりもたらされる反射によって妨害されるかもしれない。このような状況において、このような望ましくない干渉により調整メカニズムが損なわれることを防ぐために、人は、数度の非常に狭い角度(センサ240)を使用することに、強い関心を抱くであろう。
【0043】
このような非常に狭いフィールドもまた、ユーザが道路の側部を歩き、強反射の道路標識に向かっているという状況において非常に便利であろう。このような標識もまた、ヘッドランプの輝度を制御する動的調整メカニズムを妨害するおそれがあるからである。また、わずか数度の、特に狭い取込角を提供することにより、反射パネルにより発生される干渉を最小化してもよい。
【0044】
他の状況において、例えば、90°もの広い焦点距離でセンサ250を選択し、広い立体角上で光情報の「集積」が形成されるのを可能にすると有利である。
【0045】
例えば、産業労働の環境において、近見が容易になるように広いビームを有するランプを職工が使用しなければならないことがある。このような状況において、制御ユニット230は、広い立体角に基づく反射情報を集積するように、広角に関連づけられたセンサ250を選択するよう構成され、これにより、ヘッドランプのユーザが作業する際の光沢面を有する道具からの厄介な反射の影響を低減することが可能になる。
【0046】
上述した実施形態の結果、例えばヘッドランプにより生成される光の下で研磨の作業を実行する家具職人は、そのランプの手前に両手が移動するときに、動的な調整メカニズムの「ポンピング」効果をもたらず狭角視野の利用で顕著に妨害されるであろうことが理解できる。このような状況において、この悩ましい影響を避けるために、制御ユニット230は、センサによって生成される電気信号が家具職人の両手の位置から実質的に独立する程十分に広い焦点距離に関連づけられた他のセンサ250を選択する。これにより、家具職人は、一定の光から恩恵を受けることができる。
【0047】
上述した多数の例において理解できるように、その独自の異なる焦点距離に関連づけられた少なくとも2つのセンサの組み合わせと、それらの適切な選択により、一方または他方の取込角の選択を管理する動的調整メカニズムが、ランプ使用の快適さを究極的に顕著に改善する機会を大幅に増大させることができる。
【0048】
図2における例は、それぞれが自身の独自の焦点光学系を有する2つの別個のセンサを含む配置を示す。当業者であれば、光調整メカニズムの調整可能性が増大するようにセンサの数を増やすことを想像できるであろうことは明らかである。
【0049】
特定の実施形態において、制御モジュール200は、被照明対象への距離を表す情報を制御ユニット230へ供給するためのテレメトリモジュール、例えばレーザテレメトリをさらに含むよう構成される。
【0050】
より具体的には、制御ユニット230は、センサ240,250(または他の任意の追加のセンサ)により生成される情報の一方または他方を選択するだけでなく、LED301,302によって形成されるそれぞれ別個の広角ビームおよび狭角ビームの生成を制御することもできるような新たな機能性を提供するよう構成されてもよい。
【0051】
従って、いくつかの実施形態において、制御ユニット230は、図2のビーム11,12で描写されているように、センサ240,250に関連づけられた角度40,50を適用することにより、より広い、または、より狭い照明コーンの形成を自動的に制御するよう構成されてもよい。
【0052】
通常、制御信号または情報信号110は、2つのセンサ240,250によってそれぞれ提供される情報の両方を使用することから生成される。
【0053】
次に、図3を参照して第2実施形態を説明する。第2実施形態はまた、LED301,302の他に電力モジュール100を含み、これらの参照番号は維持される。しかしながら、制御モジュール200は、本実施形態において、制御ユニット330により生成されて回路351を経由して送信される制御信号を介して電気的に制御可能な焦点距離350に関連づけられた単一のセンサ340を有する新たな制御モジュール300によって置換されている。これにより、変更可能な焦点システムが、センサ340とその電気的に制御される焦点システム350との組み合わせに基づくことになる。センサ340は、ランプによって生成され、かつ/または被照明対象物から反射された輝度を表す電気的情報を生成し、この情報は、回路342を介して制御ユニット330へ送られる。
【0054】
第2実施形態の構成要素のうちで図2に示す第1実施形態に対して不変のものにはその符号が維持される。
この第2実施形態において、制御ユニット330が2つの制御情報を生成することが分かる。すなわち、信号110によって電力モジュール100へ伝達される、(供給導体303/304を介した)ダイオード301/302への電源供給を制御するための第1情報と、電気光学システム350用の回路351によって伝達される、センサ340に関連づけられた取込円錐の立体角を制御するための第2情報である。モジュール350を実現する目的で、例えばMEMSマイクロミラーのようなマイクロエレクトロニクスや、異なる屈折指標を有する2つの透明液の間にインタフェイスを提供するための液体レンズベースのシステムにおける最新情報を特に用いて、光学焦点の電気的制御を与える任意の種類のシステムを使用することを考慮してもよい。
【0055】
次いで、制御ユニット330は、環境に応じて広角または狭角となり得る可変焦点を用いて、センサ340により生成される電気信号の処理に移行することができ、これにより、動的調整システムにより使用されるべき制御信号110,351を共に生成する。
【0056】
このようにして、センサ340の取込角と、ダイオード301,302により生成されるビーム光の角度との両方により自動的に制御される「ズーム」の効果がもたらされるのは明らかである。
【0057】
動的調整メカニズムは特に効率的になり、センサ340の取込角の有益な帰還制御の可能性と共に、制御および調整の新たな可能性を提供する。より一般的には、本実施形態は、活性または動的な発光の帰還制御を、光学光センサ340の取込角の制御に共に関連づける。
【0058】
特に、動作の3つのゾーンまたは領域を以下のように定義することができる:
ゾーン1):反応的発光制御の現状メカニズムに対応する「読取りゾーン」と指定された、近見ゾーンである;
ゾーン2):「読取りゾーン」から出発し、ユーザによって調整可能(または不可能)な所定の距離にまで延在する、ユーザの中ほどに配置される作業ゾーンである。所定の距離は、ユーザに関連づけられた特定の「プロファイル」に関連して有利に定義してよい。
【0059】
ゾーン3):この自由のゾーンは、上記作業ゾーンから出発して無限へ延在する。
【0060】
特定の実施形態において、以下に従ってセンサ340の取込角を制御すると有益であり得る。
【0061】
−読取りゾーンにおいて、写角は最も広くなる;
−作業ゾーンにおいて、ヘッドランプは、不快な光の変化を避けるためにセンサ340の取込角の自動制御を行うように構成されている。センサの視野領域における大容量の集積により、直近の光景に含まれる要素の大部分を考慮に入れることができる。これにより、厄介な変光の攪乱効果を防止することができる。
【0062】
−自由の領域において、取込角は、従来の動的調整メカニズムにおけると同様に、最も狭角となり得るよう構成される。この焦点は、作業ゾーン内に配置される要素により発生する変光を防止する。
【0063】
図4は、図2に関連して説明された第2実施形態を詳細に描写し、電力モジュール100が、電圧Vccを生成する(図示しない)バッテリと、PWM変調、すなわちPWMを採用する回路132,131によりそれぞれ制御されてLED301,302へ電流をそれぞれ供給するための2つの電源スイッチ121,122と、を含むことを示す。スイッチ121,122は、例えばバイポーラトランジスタ、FET(電界効果トランジスタ)またはMOS(金属酸化膜半導体)またはMOSFETなどの半導体デバイスで構成される。
【0064】
スイッチ121,122の両方は、制御モジュール200内に集積された制御ユニット230によって生成される制御情報または制御信号113,114によりそれぞれ制御される。
【0065】
ここで、図4に示す形態は一実施形態であり、当業者であれば、同一の電気回路における2つの回路121,122を統合することによるものを含め、他の構成例を使用できることは明らかである。
【0066】
図4をさらに参照すると、制御ユニット230が、アドレスバスを介してRAM225、ROMまたはEEPROM等226へ従前からの制御データを伝達するシグナルプロセッサ231を含むことが分かる。
【0067】
実例として、図2に示すセンサ240(250も同様)は、その光学系241(251も同様)を有するアナログセンサであり、ディジタル情報の生成を可能にするアナログ/ディジタルコンバータ242(252も同様)に関連づけられ、生成されたディジタル情報は、次いでデータバス、アドレスバス等を介してシグナルプロセッサ231により利用可能にされ得る。
【0068】
好ましい実施形態において、フォトセンサ240,250の立体角がLEDダイオオードにより照明される領域に確実に対応するように、フォトセンサ240,250は、LEDダイオードの光軸に実質的に平行な光軸を有する。
【0069】
他の一実施形態において、制御ユニットに含まれるUSBモジュール227を介してUSBポート228がアクセス可能でバスに接続され、これにより、USB標準に従ったデータ交換が可能である。具体的には、上述したように、USBインタフェイスにより、設定パラメータおよびプロファイルをランプ内に格納することが可能になる。
【0070】
このようにして、制御ユニット230は、例えば、コンピュータ、ラップトップ、タッチパッド、携行型情報端末、さらにはスマートフォンのようなデータ処理デバイスと通信することができる。
【0071】
USBポートはランプとコンピュータとの間の通信手段のほんの一例に過ぎないことに留意されたい。当業者は、無線(ブルートゥース(登録商標)、Wi−Fiなど)を含め、他の通信手段を検討するであろう。特定の実施形態において、ヘッドランプは、例えば専用のウェブサーバを介して容易に構成される自身のインターネットプロトコルのIPアドレスさえ有する。
【0072】
このような通信は、例えば、その所有者による用途に従ってランプの調整データを好適に蓄積しまたは選択するために役立ち得る「プラファイル」のような構成データを特に交換するために特に有益である。以下に述べるように、静的モード(動的なまたは反応的な発光調整のスイッチオフ)または動的モード(動的なまたは反応的な発光調整のスイッチオン)を含め、「プロファイル」によって、手順または具体的な動作モードの活性化が、代替的に、または累積的に可能となる。
【0073】
(本発明の利点)
動的調整のために使用されるセンサに関連づけられた、光ビームおよび角度の両方を共に制御できるようにすることにより、ヘッドランプは、特に以下の状況において、ユーザにとって特に、より効率的により快適になる:
−ランプと被照明面との間の距離が短く、かつ、該被照明面が、非常に異なるコントラストのいくつかの色(例えば、黒、白など)で構成される場合
−(自動車フードの下での労働などの)起伏のある環境においてユーザが少し後ずさりして、孔、反射面および異なる色によって引き起こされる外乱の影響を最小化することで適合化が改善される場合
−ユーザがランプの前におり、特に街灯柱の光に関し、ユーザの頭の移動によって適合化がより阻害されなくなる場合
−ユーザが地平線または水平線を見る時に、中途の障害物に起因する攪乱
−あるランナがランナのグループ内で走っており、そのグループのうち数人が高反射性の服を着ている場合。
【0074】
これらの状況の全てにおいて、本発明は、ユーザにとって不快の源となる、厄介な輝度変化、および煩わしさを回避し、または低減することを可能にする。
図1
図2
図3
図4
【外国語明細書】
2017076608000001.pdf