【解決手段】本発明は、貫通孔を有する第1連結部材と、上記第1連結部材の貫通孔に配置され、接続パッドが配置された活性面、及び上記活性面の反対側に配置された非活性面を有する半導体チップと、上記第1連結部材及び上記半導体チップの非活性面の少なくとも一部を封止する封止材と、上記第1連結部材及び上記半導体チップの活性面上に配置され、上記接続パッドと電気的に連結された再配線層を含む第2連結部材と、を含み、上記第1連結部材の第1絶縁層には上記第2連結部材と接した状態で第1再配線層が上記第1絶縁層に埋め込まれ、それとは反対側の側面上に第2再配線層が配置され、上記第1及び第2再配線層は上記接続パッドと電気的に連結されるファンアウト半導体パッケージ及びその製造方法に関する。
前記第2再配線層は、前記第1及び第2絶縁層をそれぞれ貫通する第1及び第2ビアを通じて前記第1及び第3再配線層とそれぞれ電気的に連結される、請求項3に記載のファンアウト半導体パッケージ。
前記第2連結部材の再配線層と前記第1再配線層との間の距離が前記第2連結部材の再配線層と前記接続パッドとの間の距離より大きい、請求項1から請求項5の何れか一項に記載のファンアウト半導体パッケージ。
前記第1連結部材を形成する段階は、前記第1絶縁層上に前記第2再配線層を覆う第2絶縁層を形成する段階、及び前記第2絶縁層上に第3再配線層を形成する段階をさらに含み、
前記第3再配線層は前記接続パッドと電気的に連結される、請求項15に記載のファンアウト半導体パッケージの製造方法。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下では、添付の図面を参照し、本発明の好ましい実施例について説明する。しかし、本発明の実施例は様々な他の形態に変形されることができ、本発明の範囲は以下で説明する実施例に限定されない。また、本発明の実施例は、当該技術分野で平均的な知識を有する者に本発明をより完全に説明するために提供されるものである。したがって、図面における要素の形状及びサイズ等はより明確な説明のために拡大縮小表示(または強調表示や簡略化表示)がされることがある。
【0012】
電子機器
図1は電子機器システムの例を概略的に示すブロック図である。
【0013】
図面を参照すると、電子機器1000はメインボード1010を収容する。メインボード1010にはチップ関連部品1020、ネットワーク関連部品1030、及びその他の部品1040等が物理的及び/または電気的に連結される。これらは、後述する他の部品とも結合して様々な信号ライン1090を形成する。
【0014】
チップ関連部品1020としては、揮発性メモリ(例えば、DRAM)、非揮発性メモリ(例えば、ROM)、フラッシュメモリ等のメモリチップと、セントラルプロセッサ(例えば、CPU)、グラフィックプロセッサ(例えば、GPU)、デジタル信号プロセッサ、暗号化プロセッサ、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ等のアプリケーションプロセッサチップと、アナログ−デジタルコンバータ、ASIC(application−specific IC)等のロジックチップ等が含まれるが、これに限定されるものではなく、これ以外にもその他の形態のチップ関連部品が含まれることはもちろんである。また、これらチップ関連部品1020が互いに組み合わせられることももちろんである。
【0015】
ネットワーク関連部品1030としては、Wi−Fi(IEEE 802.11ファミリー等)、WiMAX(IEEE 802.16ファミリー等)、IEEE 802.20、LTE(long term evolution)、Ev−DO、HSPA+、HSDPA+、HSUPA+、EDGE、GSM(登録商標)、GPS、GPRS、CDMA、TDMA、DECT、ブルートゥース(登録商標)(Bluetooth(登録商標))、3G、4G、5G及びその後のものと指定された任意の他の無線及び有線プロトコルが含まれるが、これに限定されるものではなく、これ以外にもその他の複数の無線または有線標準またはプロトコルのうちの任意のものが含まれることはもちろんである。また、これらネットワーク関連部品1030が上述のチップ関連部品1020とともに互いに組み合わせられることももちろんである。
【0016】
その他の部品1040としては、高周波インダクタ、フェライトインダクタ、パワーインダクタ、フェライトビーズ、LTCC(Low Temperature Co−Firing Ceramics)、EMI(Electro Magnetic Interference)フィルター(filter)、MLCC(Multi−Layer Ceramic Condenser)等が含まれるが、これに限定されるものではなく、これ以外にもその他の様々な用途のために用いられる受動部品等が含まれることはもちろんである。また、これら部品1040が上述のチップ関連部品1020及び/またはネットワーク関連部品1030とともに互いに組み合わせられることももちろんである。
【0017】
電子機器1000の種類により、電子機器1000はメインボード1010に物理的及び/または電気的に連結されたり、または連結されない他の部品を含んだりすることができる。この他の部品は、例えば、カメラ1050、アンテナ1060、ディスプレイ1070、バッテリー1080、オーディオコーデック(図示せず)、ビデオコーデック(図示せず)、電力増幅器(図示せず)、羅針盤(図示せず)、加速度計(図示せず)、ジャイロスコープ(図示せず)、スピーカー(図示せず)、大量貯蔵装置(例えば、ハードディスクドライブ)(図示せず)、CD(compact disk)(図示せず)、及びDVD(digital versatile disk)(図示せず)等を含むが、これに限定されるものではなく、この他にも電子機器1000の種類によって様々な用途のために用いられるその他の部品等が含まれることはもちろんである。
【0018】
電子機器1000は、スマートフォン(smart phone)、個人用情報端末(personal digital assistant)、デジタルビデオカメラ(digital video camera)、デジタルスチルカメラ(digital still camera)、ネットワークシステム(network system)、コンピュータ(computer)、モニター(monitor)、タブレット(tablet)、ラップトップ(laptop)、ネットブック(netbook)、テレビジョン(television)、ビデオゲーム(video game)、スマートウォッチ(smart watch)、自動車(automotive)等であってよい。但し、これに限定されるものではなく、これらの他にもデータを処理する任意の他の電子機器であることはもちろんである。
【0019】
図2は電子機器の一例を概略的に示す斜視図である。
【0020】
図面を参照すると、半導体パッケージは、上述のような多様な電子機器に様々な用途で適用される。例えば、スマートフォン1100の本体1101の内部にはメインボード1110が収容され、上記メインボード1110には様々な部品1120が物理的及び/または電気的に連結される。また、カメラ1130のようにメインボード1110に物理的及び/または電気的に連結されるか、または連結されない他の部品が本体1101内に収容される。このとき、上記部品1120のうちの一部は上述のようなチップ関連部品であることができ、半導体パッケージ100は、例えば、そのうちアプリケーションプロセッサであってよいが、これに限定されるものではない。また、電子機器は、必ずしもスマートフォン1100に限定されるものではなく、上述のように他の電子機器であってもよいことはもちろんである。
【0021】
半導体パッケージ
一般に、半導体チップは、数多くの微細な電気回路が集積されているが、それ自体では半導体完成品としての役割を果たすことができず、外部からの物理的または化学的衝撃によって損傷する可能性が存在する。そのため、半導体チップ自体をそのまま使用せずに、半導体チップをパッケージング処理してパッケージの状態で電子機器等に用いる。
【0022】
半導体パッケージング処理が必要な理由は、電気的な連結という観点から見る際に、半導体チップと電子機器のメインボードの回路幅に差があるためである。具体的には、半導体チップの場合は接続パッドのサイズが小さく接続パッドとの間隔が非常に微細であるのに対し、電子機器に用いられるメインボードの場合は部品実装パッドのサイズが相対的に大きく部品実装パッドとの間隔が半導体チップのスケールよりも遥かに大きい。したがって、半導体チップを、このようなメインボード上に直接装着することが困難であり、相互の回路幅の差を緩衝させることができるパッケージング技術が求められる。
【0023】
このようなパッケージング技術によって製造される半導体パッケージは、構造及び用途に応じてファンイン半導体パッケージ(Fan−in semiconductor package)とファンアウト半導体パッケージ(Fan−out semiconductor package)に区分されることができる。
【0024】
以下では、図面を参照して、ファンイン半導体パッケージとファンアウト半導体パッケージについてより詳しく説明する。
【0025】
(ファンイン半導体パッケージ)
図3はファンイン半導体パッケージのパッケージング前後を概略的に示す断面図であり、
図4はファンイン半導体パッケージのパッケージング過程を概略的に示す断面図である。
【0026】
図面を参照すると、半導体チップ2220は、シリコン(Si)、ゲルマニウム(Ge)、ガリウム砒素(GaAs)等を含む本体2221、本体2221の一面上に形成されたアルミニウム(Al)等の導電性物質を含む接続パッド2222、及び本体2221の一面上に形成され、且つ接続パッド2222の少なくとも一部を覆う酸化膜や窒化膜等のパッシベーション膜2223を含む、例えば、ベア(Bare)状態の集積回路(IC)であることができる。このとき、接続パッド2222が非常に小さいため、集積回路(IC)は、電子機器のメインボード等はもちろん、中間レベルのプリント回路基板(PCB)にも実装されることが困難である。
【0027】
よって、接続パッド2222を再配線するために、半導体チップ2220上に、半導体チップ2220のサイズに応じて連結部材2240を形成する。連結部材2240は、半導体チップ2220上に感光性絶縁樹脂(PID)のような絶縁物質で絶縁層2241を形成し、接続パッド2222をオープンさせるビア孔2243hを形成した後、配線パターン2242及びビア2243を形成することで形成することができる。その後、連結部材2240を保護するパッシベーション層2250を形成し、開口部2251を形成した後、アンダーバンプ金属層2260等を形成する。即ち、一連の過程を通じて、例えば、半導体チップ2220、連結部材2240、パッシベーション層2250、及びアンダーバンプ金属層2260を含むファンイン半導体パッケージ2200が製造される。
【0028】
このように、ファンイン半導体パッケージは、半導体チップの接続パッド、例えば、I/O(Input/Output)端子をすべて素子の内側に配置させたパッケージ形態であり、電気的特性が良く安価で生産することができる。したがって、スマートフォンに入る多くの素子がファンイン半導体パッケージの形態で製作されている。具体的には、小型でありながら、高速の信号伝達を実現する方向で開発が行われている。
【0029】
但し、ファンイン半導体パッケージは、I/O端子をすべて半導体チップの内側に配置する必要があるためスペース的な制約が多い。したがって、このような構造は、数多くのI/O端子を有する半導体チップやサイズが小さい半導体チップに適用するには困難な点がある。また、このような脆弱性により、電子機器のメインボードにファンイン半導体パッケージが直接実装されて用いられることができない。半導体チップのI/O端子を再配線工程によってそのサイズ及び間隔を拡大したとしても、電子機器のメインボードに直接実装されることができる程度のサイズ及び間隔を有するものではないためである。
【0030】
図5はファンイン半導体パッケージがインターポーザ基板上に実装されて最終的に電子機器のメインボードに実装された場合を概略的に示す断面図である。また、
図6はファンイン半導体パッケージがインターポーザ基板に内蔵されて最終的に電子機器のメインボードに実装された場合を概略的に示す断面図である。
【0031】
図面を参照すると、ファンイン半導体パッケージ2200は、半導体チップ2220の接続パッド2222、即ち、I/O端子がインターポーザ基板2301を通じて再び再配線され、最終的にはインターポーザ基板2301上にファンイン半導体パッケージ2200が実装された状態で電子機器のメインボード2500に実装されることができる。このとき、半田ボール2270等はアンダーフィル樹脂2280等で固定されることができ、外側は成形材2290等でカバーされることができる。または、ファンイン半導体パッケージ2200は、別のインターポーザ基板2302内に内蔵(Embedded)されることもでき、内蔵された状態でインターポーザ基板2302によって半導体チップ2220の接続パッド2222、即ち、I/O端子が再び再配線され、最終的に電子機器のメインボード2500に実装されることができる。
【0032】
このように、ファンイン半導体パッケージは、電子機器のメインボードに直接実装されて用いられることが困難であるため、別のインターポーザ基板上に実装された後、再びパッケージング工程を経て、電子機器のメインボードに実装されたり、またはインターポーザ基板内に内蔵されたまま電子機器のメインボードに実装されたりして用いられている。
【0033】
(ファンアウト半導体パッケージ)
図7はファンアウト半導体パッケージの概略的な形状を示す断面図である。
【0034】
図面を参照すると、ファンアウト半導体パッケージ2100は、例えば、半導体チップ2120の外側が封止材2130で保護され、半導体チップ2120の接続パッド2122が連結部材2140によって半導体チップ2120の外側まで再配線される。このとき、連結部材2140上にはパッシベーション層2150がさらに形成されることができ、パッシベーション層2150の開口部にはアンダーバンプ金属層2160がさらに形成されることができる。また、アンダーバンプ金属層2160上には半田ボール2170がさらに形成されることができる。半導体チップ2120は、本体2121、接続パッド2122、パッシベーション膜(図示せず)等を含む集積回路(IC)であることができる。連結部材2140は、絶縁層2141、絶縁層2141上に形成された再配線層2142、及び接続パッド2122と再配線層2142等を電気的に連結するビア2143を含むことができる。
【0035】
このように、ファンアウト半導体パッケージは、半導体チップ上に形成された連結部材を通じて半導体チップの外側にまでI/O端子を再配線して配置させた形態である。上述したように、ファンイン半導体パッケージは、半導体チップのI/O端子をすべて半導体チップの内側に配置する必要がある。その結果、素子のサイズが小さくなるとボールのサイズ及びピッチを減らさなければならないため、標準化したボールレイアウトを用いることができない。これに対し、ファンアウト半導体パッケージは、このように半導体チップ上に形成された連結部材を通じて半導体チップの外側にまでI/O端子を再配線して配置させた形態であるため、半導体チップのサイズが小さくなっても、標準化したボールレイアウトをそのまま用いることができる。また、後述するように、別のインターポーザ基板がなくても、電子機器のメインボードに実装されることができる。
【0036】
図8はファンアウト半導体パッケージが電子機器のメインボードに実装された形状を示す断面図である。
【0037】
図面を参照すると、ファンアウト半導体パッケージ2100は、半田ボール2170等を通じて電子機器のメインボード2500に実装されることができる。即ち、上述したように、ファンアウト半導体パッケージ2100は、半導体チップ2120上に、半導体チップ2120のサイズを超えてファンアウト領域まで接続パッド2122を再配線することができる連結部材2140が形成されるため、標準化したボールレイアウトをそのまま用いることができる。その結果、別のインターポーザ基板等がなくても、電子機器のメインボード2500に実装されることができる。
【0038】
このように、ファンアウト半導体パッケージは、別のインターポーザ基板がなくても、電子機器のメインボードに実装されることができることから、インターポーザ基板を用いるファンイン半導体パッケージに比べて厚さを薄く実現することができるため小型化及び薄型化が可能となる。また、熱特性及び電気的特性に優れ、モバイル製品に特に適する。また、印刷回路基板(PCB)を利用する一般のPOP(Package on Package)タイプよりもコンパクトに実現することができ、曲げ現象の発生による問題を解決することができる。
【0039】
一方、ファンアウト半導体パッケージとは、このように半導体チップを電子機器のメインボード等に実装するとともに外部の衝撃から半導体チップを保護するためのパッケージ技術を意味するもので、スケールや用途等が異なり、ファンイン半導体パッケージが内蔵されるインターポーザ基板等の印刷回路基板(PCB)とは異なる概念である。
【0040】
以下では、半導体チップが封止される領域に再配線層が形成された第1連結部材を導入し、且つ再配線層の厚さによって生じる第2連結部材の絶縁距離の不均一を解消することができるファンアウト半導体パッケージについて図面を参照して説明する。
【0041】
図9はファンアウト半導体パッケージの一例を概略的に示す断面図であり、
図10は
図9のファンアウト半導体パッケージの概略的なI−I'線に沿った切断平面図である。
【0042】
図面を参照すると、一例によるファンアウト半導体パッケージ100Aは、貫通孔110Hを有する第1連結部材110と、第1連結部材110の貫通孔110Hに配置され、接続パッド122が配置された活性面、及び活性面の反対側に配置された非活性面を有する半導体チップ120と、第1連結部材110及び半導体チップ120の非活性面の少なくとも一部を封止する封止材130と、第1連結部材110及び半導体チップ120の活性面上に配置され、接続パッド122と電気的に連結された再配線層142a、142bを含む第2連結部材140と、を含む。第1連結部材110は、第2連結部材140と接する第1絶縁層111aと、第2連結部材140と接し、第1絶縁層111aに埋め込まれた第1再配線層112aと、第1絶縁層111aの第1再配線層112aが埋め込まれた側とは反対側の側面上に配置された第2再配線層112bと、第1絶縁層111a上に配置され、第2再配線層112bを覆う第2絶縁層111bと、第2絶縁層111b上に配置された第3再配線層112cと、を含む。第1〜第3の再配線層112a、112b、112cは、接続パッド122と電気的に連結される。付加的に、一例によるファンアウト半導体パッケージ100Aは、第2連結部材140上に配置されたパッシベーション層150と、パッシベーション層150の開口部151上に配置されたアンダーバンプ金属層160と、アンダーバンプ金属層160上に配置された接続端子170と、を含む。
【0043】
一般に、ファンアウト半導体パッケージは、半導体チップの周りを単にEMC(Epoxy Molding Compound)等の封止材で封止して包む構造を採用しており、その下部に第2連結部材を形成して半導体チップの再配線を実現する。ところが、半導体チップの周りを単に封止材で封止して包む場合は、様々な原因によって発生する反り(warpage)を制御することが難しく、半導体チップの固定に限界があり、さらに封止領域をルーティング領域として活用することが困難であるため、配線設計自由度が低下する。
【0044】
これを改善させるための方案として、例えば、
図34に示すように、半導体チップが封止される領域に剛性に優れた絶縁層211'からなる第1連結部材210'を導入し、且つ第1連結部材210'に再配線層212a'、212b'やビア213'等を形成することで、曲げ問題を改善させるとともにより広いルーティング領域を提供することを考えることができる。ところが、このような場合、第1連結部材210'の一側に形成された再配線層212a'の厚さによって段差Hが生じる。段差Hは第2連結部材240'の絶縁距離を不均一にするという問題点がある。通常、再配線層212a'の厚さによって生じる段差Hは少なくとも10μm程度であるため、それによる絶縁距離の不均一は第2連結部材の最初のビア243a'の設計に大きな影響を与える要素となり得る。即ち、絶縁距離の不均一は、半導体チップ220'の接続パッド222'と連結されるビア243a'のファインピッチ(fine pitch)化を難しくする要素となり得、その結果、第2連結部材240'の高密度配線設計が難しくなるという問題点がある。
【0045】
これに対し、一例によるファンアウト半導体パッケージ100Aのように、第2連結部材140と接する第1連結部材110の再配線層112aを第1絶縁層111a内に埋め込む場合、第1再配線層112aの厚さによって生じる段差が最小化するため、第2連結部材140の絶縁距離が一定になる。即ち、第2連結部材140の再配線層142aから第1絶縁層111aの下面までの距離と、第2連結部材140の再配線層142aから接続パッド122までの距離との差は、第1再配線層112aの厚さより小さい。したがって、第2連結部材140の高密度配線設計が容易となるという長所がある。
【0046】
以下、一例によるファンアウト半導体パッケージ100Aに含まれるそれぞれの構成についてより詳細に説明する。
【0047】
第1連結部材110は、半導体チップ120の接続パッド122を再配線させる再配線層112a、112bを含むため、第2連結部材140の層数を減らすことができる。必要によっては、具体的な材料に応じてパッケージ100Aの剛性を維持することができ、封止材130の厚さの均一性の確保等の役割を果たすことができる。場合によっては、第1連結部材110によって一例によるファンアウト半導体パッケージ100Aがパッケージオンパッケージ(Package on Package)の一部として用いられることができる。第1連結部材110は貫通孔110Hを有する。貫通孔110H内には、半導体チップ120が第1連結部材110と所定の距離離れるように配置される。半導体チップ120の側面の周りは第1連結部材110によって取り囲まれることができる。但し、これは一例に過ぎず、他の形態で多様に変形することができ、その形態に応じて、他の機能を行うことができる。
【0048】
第1連結部材110は、第2連結部材140と接する第1絶縁層111aと、第2連結部材140と接し、第1絶縁層111aに埋め込まれた第1再配線層112aと、第1絶縁層111aの第1再配線層112aが埋め込まれた側とは反対側の側面上に配置された第2再配線層112bと、第1絶縁層111a上に配置され、第2再配線層112bを覆う第2絶縁層111bと、第2絶縁層111b上に配置された第3再配線層112cと、を含む。第1〜第3再配線層112a、112b、112cは接続パッド122と電気的に連結される。第1連結部材110は、第1及び第2絶縁層111a、111bをそれぞれ貫通し、第1及び第2再配線層112a、112bと第2及び第3再配線層112b、112cをそれぞれ電気的に連結する第1及び第2ビア113a、113bを含む。第1再配線層112aが埋め込まれるため、上述したように、第2連結部材140の絶縁層141aの絶縁距離が実質的に一定になることができる。第1連結部材110が多くの数の再配線層112a、112b、112cを含むため、第2連結部材140をさらに簡素化することができる。したがって、第2連結部材140の形成過程で発生する不良による歩留まりの低下を改善させることができる。
【0049】
絶縁層111a、111bの材料は特に限定されない。例えば、絶縁物質が用いられることができる。このとき、絶縁物質としては、エポキシ樹脂のような熱硬化性樹脂、ポリイミドのような熱可塑性樹脂、またはこれら樹脂が無機フィラーとともにガラス繊維(Glass Cloth、Glass Fabric)等の芯材に含浸された樹脂、例えば、プリプレグ(prepreg)、ABF(Ajinomoto Build−up Film)、FR−4、BT(Bismaleimide Triazine)等が用いられることができる。必要によっては、感光性絶縁(Photo Imageable Dielectric:PID)樹脂を用いることもできる。第1絶縁層111a及び第2絶縁層111bは、互いに同一の絶縁物質を含むことができ、その境界が不明確であってよいが、これに限定されるものではない。
【0050】
再配線層112a、112b、112cは半導体チップ120の接続パッド122を再配線する役割を果たす。形成物質としては、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、スズ(Sn)、金(Au)、ニッケル(Ni)、鉛(Pb)、チタン(Ti)、またはこれらの合金等の導電性物質を用いることができる。再配線層112a、112b、112cは、該層の設計デザインによって様々な機能を行うことができる。例えば、グランド(Ground:GND)パターン、パワー(Power:PWR)パターン、信号(Signal:S)パターン等を含むことができる。ここで、信号(S)パターンは、グランド(GND)パターン、パワー(PWR)パターン等を除いた各種の信号、例えば、データ信号等を含む。また、ビアパッドや接続端子パッド等を含む。これに制限されないが、一例として、再配線層112a、112b、112cはすべてグランドパターンを含むことができる。この場合、第2連結部材140の再配線層142a、142bにグランドパターンを最小化して形成することができるため、配線設計自由度が向上することができる。
【0051】
再配線層112a、112b、112cのうち、封止材130に形成された開口部131に露出した一部の再配線層112cには、必要に応じて表面処理層(図示せず)がさらに形成されることができる。表面処理層(図示せず)は、公知のものであれば特に限定されるものではなく、例えば、電解金めっき、無電解金めっき、OSPまたは無電解スズめっき、無電解銀めっき、無電解ニッケルめっき/置換金めっき、DIGめっき、HASL等によって形成されることができる。
【0052】
ビア113a、113bは、互いに異なる層に形成された再配線層112a、112b、112cを電気的に連結させ、その結果、第1連結部材110内に電気的経路を形成させる。ビア113a、113bも、形成物質として導電性物質を用いることができる。ビア113a、113bは、
図11に示すように、導電性物質で完全に充填されたものであってよく、または導電性物質がビア孔の壁面に沿って形成されたものであってもよい。また、テーパー状だけでなく、円筒状等の公知のすべての形状が適用されることができる。一方、後の工程から分かるように、第1ビア113aのための孔を形成する際に、第1再配線層112aの一部のパッドがストッパー(stopper)の役割を果たすことができ、第2ビア113bのための孔を形成する際に、第2再配線層112bの一部のパッドがストッパー(stopper)の役割を果たすことができるため、ビア113a、113bは、上面の幅が下面の幅より大きなテーパー状であることが工程上有利であり得る。この場合、第1ビア113aは第2再配線層112bの一部、第2ビア113bは第3の再配線層112cの一部とそれぞれ一体化することができる。
【0053】
半導体チップ120は、数十〜数百万以上の素子が一つのチップ内に集積化した集積回路(Integrated Circuit:IC)であってよい。集積回路は、例えば、セントラルプロセッサ(例えば、CPU)、グラフィックプロセッサ(例えば、GPU)、デジタル信号プロセッサ、暗号化プロセッサ、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ等のアプリケーションプロセッサチップであってよいが、これに限定されるものではない。半導体チップ120は、活性ウェハを基盤に形成されることができる。この場合、本体121を成す母材としては、シリコン(Si)、ゲルマニウム(Ge)、ガリウム砒素(GaAs)等が用いられることができる。本体121には様々な回路が形成されることができる。接続パッド122は、半導体チップ120を他の構成要素と電気的に連結させるためのもので、形成物質としては、アルミニウム(Al)等の導電性物質を特に制限なく用いることができる。また、本体121上には接続パッド122を露出させるパッシベーション膜123が形成されることができる。パッシベーション膜123は、酸化膜または窒化膜等であってよく、または酸化膜と窒化膜の二重層であってもよい。パッシベーション膜123を通じて接続パッド122の下面は封止材130の下面と段差を有することができる。その結果、封止材130が接続パッド122の下面にブリージングすることをある程度防ぐことができる。また、その他の必要な位置に絶縁膜(図示せず)等がさらに配置されることもできる。
【0054】
半導体チップ120の非活性面は、第1連結部材110の第3再配線層112cの上面より下に位置することができる。例えば、半導体チップ120の非活性面は、第1連結部材110の第2絶縁層111bの上面より下に位置することができる。半導体チップ120の非活性面と、第1連結部材110の第3再配線層112cの上面との高さの差は2μm以上、例えば、5μm以上であることができる。このとき、半導体チップ120の非活性面の角で発生するクラックを効果的に防止することができる。また、封止材130を適用する場合における半導体チップ120の非活性面上の絶縁距離の偏差を最小化することができる。
【0055】
第1連結部材110の第2再配線層112bは、半導体チップ120の活性面と非活性面との間に位置することができる。第1連結部材110は、半導体チップ120の厚さに対応する厚さで形成されることができる。これにより、第1連結部材110の内部に形成された第2再配線層112bは、半導体チップ120の活性面と非活性面との間のレベルに配置されることができる。
【0056】
封止材130は、第1連結部材110及び/または半導体チップ120を保護することができる。封止形態は、特に限定されず、第1連結部材110及び/または半導体チップ120の少なくとも一部を包む形態であれば構わない。例えば、封止材130は、第1連結部材110及び/または半導体チップ120の非活性面を覆うことができ、貫通孔110Hの壁面と半導体チップ120の側面との間の空間を満たすことができる。また、封止材130は、半導体チップ120のパッシベーション膜123と第2連結部材140との間の空間の少なくとも一部を満たすこともできる。一方、封止材130が貫通孔110Hを満たすことにより、具体的な物質によって接着剤の役割を果たすとともに座屈(buckling)を減少させることができる。
【0057】
封止材130の具体的な物質は特に限定されない。例えば、絶縁物質が用いられることができる。このとき、絶縁物質としては、同様にエポキシ樹脂のような熱硬化性樹脂、ポリイミドのような熱可塑性樹脂、またはこれら樹脂に無機フィラーのような補強材が含まれた樹脂、例えば、ABF、FR−4、BT、PID樹脂等が用いられることができる。また、EMC等の公知の成形物質を用いることもできることはもちろんである。必要によっては、熱硬化性樹脂または熱可塑性樹脂が無機フィラーとともにガラス繊維(Glass Cloth、Glass Fabric)等の芯材に含浸された樹脂を用いることもできる。
【0058】
封止材130は、複数の物質からなる複数の層で構成されることができる。例えば、貫通孔110H内の空間を第1封止材で満たし、その後、第1連結部材110及び半導体チップ120を第2封止材で覆うことができる。または、第1封止材を用いて貫通孔110H内の空間を満たすとともに、所定の厚さで第1連結部材110及び半導体チップ120を覆い、その後、第1封止材上に第2封止材を所定の厚さで再び覆う形態で使用することもできる。この他にも様々な形態で応用することができる。
【0059】
封止材130には、電磁波遮断のために必要に応じて導電性粒子が含まれることができる。導電性粒子は、電磁波遮断が可能なものであればいかなるものも用いることができ、例えば、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、スズ(Sn)、金(Au)、ニッケル(Ni)、鉛(Pb)、チタン(Ti)、半田(solder)等で形成されることができるが、これは一例に過ぎず、特にこれに限定されるものではない。
【0060】
第2連結部材140は、半導体チップ120の接続パッド122を再配線するための構成である。第2連結部材140を通じて様々な機能を有する数十〜数百の接続パッド122が再配線されることができ、後述する接続端子170を通じてその機能に適するように外部と物理的及び/または電気的に連結されることができる。第2連結部材140は、絶縁層141a、141bと、絶縁層141a、141b上に配置された再配線層142a、142bと、絶縁層141a、141bを貫通し、再配線層142a、142bを連結するビア143a、143bと、を含む。一例によるファンアウト半導体パッケージ100Aでは、第2連結部材140が複数の再配線層142a、142bで構成されるが、これに限定されるものではなく、単一の層で構成されることもできる。また、これと異なる層数を有することができることはもちろんである。
【0061】
絶縁層141a、141bの物質としては絶縁物質が用いられることができる。このとき、絶縁物質としては、上述のような絶縁物質の他にも、PID樹脂のような感光性絶縁物質を用いることもできる。この場合、絶縁層141a、141bをより薄く形成することができ、より容易にビア143a、143bのファインピッチを達成することができる。絶縁層141a、141bの物質は、互いに同一であってよく、必要によっては、互いに異なってもよい。絶縁層141a、141bは工程によって一体化してその境界が不明確であり得る。
【0062】
再配線層142a、142bは実質的に接続パッド122を再配線する役割を果たす。形成物質としては、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、スズ(Sn)、金(Au)、ニッケル(Ni)、鉛(Pb)、チタン(Ti)、またはこれらの合金等の導電性物質を用いることができる。再配線層142a、142bは、該層の設計デザインに応じて様々な機能を行うことができる。例えば、グランド(Ground:GND)パターン、パワー(Power:PWR)パターン、信号(Signal:S)パターン等を含む。ここで、信号(S)パターンは、グランド(GND)パターン、パワー(PWR)パターン等を除いた各種の信号、例えば、データ信号等を含む。また、ビアパッドや接続端子パッド等を含む。
【0063】
再配線層142a、142bのうち、一部露出した再配線層142bには、必要に応じて表面処理層(図示せず)がさらに形成されることができる。表面処理層(図示せず)は、当該技術分野に公知のものであれば特に限定されるものではなく、例えば、電解金めっき、無電解金めっき、OSPまたは無電解スズめっき、無電解銀めっき、無電解ニッケルめっき/置換金めっき、DIGめっき、HASL等によって形成されることができる。
【0064】
ビア143a、143bは、互いに異なる層に形成された再配線層142a、142bや接続パッド122等を電気的に連結させ、その結果、パッケージ100A内に電気的経路を形成させる。ビア143a、143bも、形成物質としては、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、スズ(Sn)、金(Au)、ニッケル(Ni)、鉛(Pb)、チタン(Ti)、またはこれらの合金等の導電性物質を用いることができる。ビア143a、143bは、導電性物質で完全に充填されたものであってよく、または導電性物質がビア孔の壁面に沿って形成されたものであってもよい。また、その形状がテーパー状、円筒状等の当該技術分野に公知のすべての形状が適用されることができる。
【0065】
第1連結部材110の再配線層112a、112b、112cの厚さは、第2連結部材140の再配線層142a、142bの厚さよりも厚ければよい。第1連結部材110は、半導体チップ120の厚さ以上の厚さを有することができるため、これに形成される再配線層112a、112b、112cも、そのスケールに合わせてより大きなサイズで形成することができる。これに対し、第2連結部材140の再配線層142a、142bは、第2連結部材140の薄型化のために、第1連結部材110の再配線層112a、112b、112cに比べて相対的に小さく形成することができる。
【0066】
パッシベーション層150は、第2連結部材140を外部からの物理的及び化学的損傷等から保護するための付加的な構成である。パッシベーション層150は、第2連結部材140の再配線層142a、142bのうちの一部の再配線層142bの少なくとも一部を露出させる開口部151を有することができる。開口部151は、再配線層142bの一面を完全にまたは一部だけ露出させることができる。また、パッシベーション層150の物質としては、特に限定されず、例えば、感光性絶縁樹脂のような感光性絶縁物質を用いてもよく、半田レジストを用いてもよい。または、芯材は含まないがフィラーは含む絶縁樹脂、例えば、無機フィラー及びエポキシ樹脂を含むABF(Ajinomoto Build−up Film)等を用いることができる。
【0067】
アンダーバンプ金属層160は、接続端子170との接続信頼性を向上させてボードレベル信頼性を改善させるための付加的な構成である。アンダーバンプ金属層160は、パッシベーション層150の開口部151内の壁面及び露出した第2連結部材140の再配線層142b上に配置されることができる。アンダーバンプ金属層160は、公知の導電性物質、即ち、金属を用いて公知の金属化(Metallization)方法で形成することができる。
【0068】
接続端子170は、ファンアウト半導体パッケージ100Aを外部と物理的及び/または電気的に連結させるための付加的な構成である。例えば、ファンアウト半導体パッケージ100Aは、接続端子170を通じて電子機器のメインボードに実装されることができる。接続端子170は、半田(solder)等で形成されることができるが、これは一例に過ぎず、材質が特にこれに限定されるものではない。接続端子170は、ランド(land)、ボール(ball)、ピン(pin)等であってよい。接続端子170は多重層または単一層で形成されることができる。多重層で形成される場合は銅ピラー(Cu pillar)及び半田を含むことができ、単一層で形成される場合はスズ−銀半田または銅を含むことができるが、これも一例に過ぎず、これに限定されるものではない。接続端子170の個数、間隔、配置形態等は、特に限定されず、通常の技術者にとって設計事項に応じて十分に変形可能である。例えば、接続端子170の数は、半導体チップ120の接続パッド122の数によって数十〜数千個であってよいが、これに限定されるものではなく、それ以上またはそれ以下の数を有してもよい。
【0069】
接続端子170のうち少なくとも一つは、ファンアウト(fan−out)領域に配置される。ファンアウト(fan−out)領域とは半導体チップ120が配置された領域を外れる領域を意味する。即ち、一例によるファンアウト半導体パッケージ100Aはファンアウト(fan−out)パッケージである。ファンアウト(fan−out)パッケージは、ファンイン(fan−in)パッケージに比べて信頼性に優れ、複数のI/O端子の実現が可能であり、3D相互接続(3D interconnection)が容易である。また、BGA(Ball Grid Array)パッケージ、LGA(Land Grid Array)パッケージ等と比較して別途の基板がなくても電子機器への実装が可能であるため、パッケージの厚さを薄く製造することができ、価格競争力にも優れる。
【0070】
図示していないが、必要によっては、第1連結部材110の貫通孔110H内に複数の半導体チップ(図示せず)が配置されることができる。または、第1連結部材110の貫通孔110Hが複数個(図示せず)であり、それぞれの貫通孔内に半導体チップ(図示せず)が配置されることもできる。また、半導体チップの他に別途の受動部品(図示せず)、例えば、コンデンサ、インダクタ等がともに貫通孔110H内に封止されることができる。なお、パッシベーション層150上に表面実装部品(図示せず)が実装されることもできる。
【0071】
図12a〜
図12dは
図3のファンアウト半導体パッケージの概略的な製造工程の一例を示す図面である。
【0072】
図12aを参照すると、先ずキャリアフィルム301を設ける。キャリアフィルム301の一面または両面には金属膜302、303が形成されることができる。金属膜302、303の間の接合面には、後の分離工程で分離が容易となるように表面処理されていてよい。または、金属膜302、303の間に離型層(Release layer)を備えて後の工程で分離を容易にすることもできる。キャリアフィルム301は、公知の絶縁基板であってよく、その材質はいかなるものであっても構わない。金属膜302、303は、通常銅箔(Cu foil)であってもよいが、これに限定されるものではなく、他の導電性物質からなる薄い薄膜であってもよい。次に、ドライフィルム304を用いて第1再配線層112aの形成のためのパターニングを行う。これは、公知のフォトリソグラフィー法を用いて形成することができる。ドライフィルム304は、感光性材料からなる公知のドライフィルムであってよい。その後、ドライフィルム304のパターニングされた空間を導電性物質で満たして再配線層112aを形成する。めっき工程を行うことができ、このとき、金属膜303はシード層の役割を果たすことができる。めっき工程としては、電解めっきまたは無電解めっき等を用いることができる。より具体的には、CVD(Chemical Vapor Deposition)、PVD(Physical Vapor Deposition)、スパッタリング(sputtering)、サブトラクティブ(Subtractive)、アディティブ(Additive)、SAP(Semi−Additive Process)、MSAP(Modified Semi−Additive Process)等の方法を用いることができるが、これに限定されるものではない。続いて、ドライフィルム304を除去する。これは、公知の方法、例えば、エッチング工程等を用いることができる。
【0073】
次に、
図12bを参照すると、金属膜303上に再配線層112aの少なくとも一部を埋め込む第1絶縁層111aを形成する。その後、第1絶縁層111aを貫通する第1ビア113aを形成する。また、第1絶縁層111a上に第2再配線層112bを形成する。第1絶縁層111aは、その前駆体を公知のラミネーション方法でラミネーションしてから硬化する方法、または公知の塗布方法で前駆体物質を塗布してから硬化する方法等で形成することができる。第1ビア113a及び第2再配線層112bは、フォトリソグラフィー法、機械ドリル及び/またはレーザードリル等を用いて第1絶縁層111aにビア孔を形成した後、ドライフィルム等でパターニングし、めっき工程等でビア孔及びパターニングされた空間を満たす方法で形成することができる。続いて、第1絶縁層111a上に第2再配線層112bを覆う第2絶縁層111bを形成する。その後、第2絶縁層111bを貫通する第2ビア113bを形成する。また、第2絶縁層111b上に第3再配線層112cを形成する。これらの形成方法は上述の通りである。次に、キャリアフィルム301を剥離する。このとき、剥離は、金属膜302、303が分離されるものであってよい。分離にはブレードが用いられることができるが、これに限定されず、公知のすべての方法が用いられることができる。一方、一連の過程はキャリアフィルム301の剥離前に第1連結部材110を形成すると説明したが、これに限定されるものではなく、キャリアフィルム301を先に剥離した後、上述の工程によって第1連結部材110を形成してもよいことはもちろんである。即ち、順序が必ずしも説明した順序に限定されるものではない。
【0074】
次に、
図12cを参照すると、残っている金属膜303を公知のエッチング方法等で除去し、且つ第1連結部材110に貫通孔110Hを形成する。貫通孔110Hは、機械ドリル及び/またはレーザードリルで形成することができる。但し、これに限定されるものではなく、研磨用粒子を用いるサンドブラスト法、プラズマを用いたドライエッチング法等によって行われることもできる。機械ドリル及び/またはレーザードリルを用いて形成した場合は、過マンガン酸塩法等のデスミア処理を行って貫通孔110H内の樹脂スミアを除去する。その後、第1連結部材110の一側に粘着フィルム305を付着する。粘着フィルム305は、第1連結部材110を固定することができるものであればいかなるものも使用でき、これに制限されないが、一例として、公知のテープ等が用いられることができる。公知のテープの例としては、熱処理によって付着力が弱くなる熱処理硬化性接着テープ、紫外線の照射によって付着力が弱くなる紫外線硬化性接着テープ等を挙げることができる。続いて、第1連結部材110の貫通孔110H内に半導体チップ120を配置する。例えば、貫通孔110H内の粘着フィルム305上に半導体チップ120を付着する方法でこれを配置する。半導体チップ120は、接続パッド122が粘着フィルム305上に付着されるようにフェイス・ダウン(face−down)の形態で配置する。
【0075】
次に、
図12dを参照すると、封止材130を用いて半導体チップ120を封止する。封止材130は、第1連結部材110及び半導体チップ120の非活性面を少なくとも封止し、貫通孔110H内の空間を満たす。封止材130は、公知の方法で形成されることができ、例えば、封止材130の前駆体をラミネーションしてから硬化して形成することができる。または、粘着フィルム305上に半導体チップ120を封止できるように封止材130を塗布してから硬化して形成することもできる。硬化によって半導体チップ120は固定されるようになる。ラミネーション方法としては、例えば、高温で一定の時間加圧してから減圧して室温まで冷やすホットプレスを行った後、コールドプレスで冷やして作業ツールを分離する方法等が用いられることができる。塗布方法としては、例えば、スキージでインクを塗布するスクリーン印刷法、インクを霧化して塗布する方式のスプレー印刷法等を用いることができる。その後、粘着フィルム305を剥離する。剥離方法は、特に制限されず、公知の方法で行うことができる。例えば、粘着フィルム305として熱処理によって付着力が弱くなる熱処理硬化性接着テープ、紫外線の照射によって付着力が弱くなる紫外線硬化性接着テープ等を用いた場合は、粘着フィルム305を熱処理して付着力を弱くした後に行ってもよく、または粘着フィルム305に紫外線を照射して付着力を弱くした後に行ってもよい。続いて、粘着フィルム305を除去した第1連結部材及び半導体チップ120の活性面上に第2連結部材140を形成する。第2連結部材140は、絶縁層141a、141bを順に形成し、且つそれぞれの絶縁層141a、141bを形成した後、該層にそれぞれ再配線層142a、142b及びビア143a、143bを形成することにより形成することができる。必要によっては、第2連結部材140上にパッシベーション層150を形成する。パッシベーション層150は、同様にパッシベーション層150の前駆体をラミネーションしてから硬化させる方法や、パッシベーション層150の形成物質を塗布してから硬化させる方法等を通じて形成することができる。パッシベーション層150には、第2連結部材140の再配線層142bのうち少なくとも一部が露出するように開口部(符号図示せず)を形成することができ、その上に公知の金属化方法でアンダーバンプ金属層160を形成することもできる。必要によっては、アンダーバンプ金属層160上に接続端子170を形成する。接続端子170の形成方法は、特に限定されず、その構造または形態に応じて当該技術分野によく知られている公知の方法によって形成することができる。接続端子170は、リフロー(reflow)によって固定されることができ、固定力を強化させるために、接続端子170の一部はパッシベーション層150に埋め込まれ、残りの部分は外部に露出するようにすることにより、信頼度を向上させることができる。
【0076】
一方、一連の過程は大量生産が容易になるように大容量サイズのキャリアフィルム301を設けた後、複数のファンアウト半導体パッケージ100Aを製造し、その後、ソーイング(Sawing)工程を通じて個別的なファンアウト半導体パッケージ100Aとしてシンギュレーションするものであってもよい。この場合、生産性に優れるという長所がある。
【0077】
図13は
図9のファンアウト半導体パッケージの変形例を概略的に示す断面図であり、
図14は
図13のファンアウト半導体パッケージの概略的なII−II'線に沿った切断平面図である。
【0078】
図面を参照すると、変形例によるファンアウト半導体パッケージ100Bでは、第1連結部材110の貫通孔110Hの壁面に金属層114が配置される。金属層114は、半導体チップ120で発生する熱を効果的に分散させる役割を果たす。また、金属層114は、電磁波遮蔽防止の役割も果たすことができる。なお、金属層114は、第1連結部材110の他の再配線層112a、112b、112cのグランドパターンと連結されてグランドとして活用することもできる。金属層114は、壁面の全体に配置されることもでき、特定の形状にパターニングされて配置されることもできる。金属層114は、上述したような導電性物質、即ち、金属物質を含むことができる。
【0079】
その他、他の構成または製造方法は、一例によるファンアウト半導体パッケージ100Aで説明したものと実質的に同一であるため省略する。
【0080】
図15は
図9のファンアウト半導体パッケージの変形例を概略的に示す断面図であり、
図16は
図15のファンアウト半導体パッケージの概略的なIII−III'線に沿った切断平面図である。
【0081】
図面を参照すると、変形例によるファンアウト半導体パッケージ100Cでは、貫通孔110H内に別の第1受動部品124が配置される。また、パッシベーション層150の表面上に別の第2受動部品126が配置される。第1受動部品124は、高容量キャパシタ、例えば、MLCCであってよいが、これに限定されるものではない。第2受動部品126は、低容量キャパシタ、例えば、Si系のキャパシタであってよいが、これに限定されるものではない。これらは、同一のパワーラインに連結されることができる。これにより、半導体チップ120と電気的に連結されて電源供給効率を向上させることができる。
【0082】
その他、他の構成または製造方法は、一例によるファンアウト半導体パッケージ100Aで説明したものと実質的に同一であるため省略する。
【0083】
図17は
図9のファンアウト半導体パッケージの変形例を概略的に示す断面図であり、
図18は
図17のファンアウト半導体パッケージの概略的なIV−IV'線に沿った切断平面図である。
【0084】
図面を参照すると、変形例によるファンアウト半導体パッケージ100Dでは、第1連結部材が一つ以上の連結ユニット110A〜110Eで構成される。それぞれの連結ユニット110A〜110Eは半導体チップ120の周りに配置される。それぞれの接続ユニット100A〜100Eは、第1絶縁層111a−1、111a−2等と、第2連結部材140と接し、第1絶縁層111a−1、111a−2等に埋め込まれた第1再配線層112a−1、112a−2等と、第1絶縁層111a−1、111a−2等の第1再配線層112a−1、112a−2等が埋め込まれた側とは反対側の側面上に配置された第2再配線層112b−1、112b−2等と、第1絶縁層111a−1、111a−2等上に配置され、第2再配線層112b−1、112b−2等を覆う第2絶縁層111b−1、111b−2等と、第2絶縁層111b−1、111b−2等上に配置された第3再配線層112c−1、112c−2等と、を含む。接続ユニット100A〜100Eのそれぞれの第1〜第3再配線層112a−1、112a−2、112b−1、112b−2、112c−1、112c−2等は、接続パッド122と電気的に連結される。封止材130は、それぞれの接続ユニット100A〜100E及び半導体チップ120の非活性面の少なくとも一部を封止する。封止材130は、それぞれの接続ユニット100A〜100Eの側面をすべて封止する。その結果、それぞれの接続ユニット100A〜100Eの側面は外部に露出しない。
【0085】
その他、他の構成または製造方法は、一例によるファンアウト半導体パッケージ100Aで説明したものと実質的に同一であるため省略する。
【0086】
図19は
図9のファンアウト半導体パッケージの変形例を概略的に示す断面図である。
【0087】
図面を参照すると、変形例によるファンアウト半導体パッケージ100Eでは、封止材130上に、封止材130を貫通するビア183を通じて第1連結部材110の第3再配線層112cと電気的に連結された再配線層182が配置される。また、封止材130上に、再配線層182の一部を露出させる開口部(符号図示せず)を有するパッシベーション層180が配置される。開口部(符号図示せず)上には別の表面実装部品181、186が配置されて再配線層182と電気的に連結される。表面実装部品181、186は、その種類に応じて再配線層182と直接連結されてもよく、半田(符号図示せず)等を通じて連結されてもよく、またはアンダーバンプ金属層184及び接続端子185を通じて連結されてもよい。表面実装部品181、186は、多様な種類の受動部品であってもよく、または多様な種類の集積回路であってもよい。
【0088】
その他、他の構成または製造方法は、一例によるファンアウト半導体パッケージ100Aで説明したものと実質的に同一であるため省略する。
【0089】
図20は
図9のファンアウト半導体パッケージの変形例を概略的に示す断面図である。
【0090】
図面を参照すると、変形例によるファンアウト半導体パッケージ100Fでは、封止材130上にメモリチップパッケージ187が積層される。メモリチップパッケージ187は、封止材130に配置され、且つ第1連結部材110の第3配線層112cの一部を露出させる開口部131に形成されたアンダーバンプ金属層184、及びアンダーバンプ金属層184上に形成された接続端子185を通じて第1連結部材110の第3再配線層112cと電気的に連結される。メモリチップパッケージ187は、揮発性メモリ(例えば、DRAM)、非揮発性メモリ(例えば、ROM)、フラッシュメモリ等のメモリチップを含むものであってもよい。
【0091】
その他、他の構成または製造方法は、一例によるファンアウト半導体パッケージ100Aで説明したものと実質的に同一であるため省略する。
【0092】
図21は
図9のファンアウト半導体パッケージの変形例を概略的に示す断面図である。
【0093】
図面を参照すると、変形例によるファンアウト半導体パッケージ100Gでは、第1再配線層112aが第1絶縁層の内部にリセスされる。これにより、第1絶縁層111aの下面と第1再配線層112aの下面との間に段差を有するようになる。その結果、封止材130を形成する際に、封止材130の形成物質がブリージングし、第1再配線層112aを汚染させることを防止することができる。一方、このように第1再配線層112aが第1絶縁層111aの内部にリセスされるため、第1連結部材110の第1再配線層112aの下面は、半導体チップ120の接続パッド122の下面より上側に位置することができる。また、第2連結部材140の再配線層142aと第1連結部材110の第1再配線層112aとの間の距離は、第2連結部材140の再配線層142aと半導体チップ120の接続パッド122との間の距離よりも大きければよい。
【0094】
その他、他の構成または製造方法は、一例によるファンアウト半導体パッケージ100Aで説明したものと実質的に同一であるため省略する。
【0095】
図22は
図9のファンアウト半導体パッケージの変形例を概略的に示す断面図である。
【0096】
図面を参照すると、変形例によるファン−アウト半導体パッケージ100Hでは、第1接続部材110が、第2絶縁層111b上に配置され、第3再配線層112cを覆う第3絶縁層111cと、第3絶縁層111c上に配置された第4再配線層112dと、をさらに含む。即ち、第1接続部材110がより多くの数の再配線層112a、112b、112c、112dを有することができる。その結果、第2接続部材140をさらに最小化することができる。したがって、上述したように、工程の歩留まり等をより向上させることができる。
【0097】
その他、他の構成または製造方法は、一例によるファンアウト半導体パッケージ100Aで説明したものと実質的に同一であるため省略する。
【0098】
図23はファンアウト半導体パッケージの他の一例を概略的に示す断面図であり、
図24は
図23のファンアウト半導体パッケージの概略的なV−V'線に沿った切断平面図である。
【0099】
図面を参照すると、他の一例によるファンアウト半導体パッケージ200Aは、貫通孔210Hを有する第1連結部材210と、第1連結部材210の貫通孔210Hに配置され、接続パッド222が配置された活性面、及び活性面の反対側に配置された非活性面を有する半導体チップ220と、第1連結部材210及び半導体チップ220の非活性面の少なくとも一部を封止する封止材230と、第1連結部材210及び半導体チップ220の活性面上に配置され、接続パッド222と電気的に連結された再配線層242a、242bを含む第2連結部材240と、を含む。第1連結部材210は、第2連結部材240と接する絶縁層211と、第2連結部材240と接し、絶縁層211に埋め込まれた第1再配線層212aと、絶縁層211の第1再配線層212aが埋め込まれた側とは反対側の側面上に配置された第2再配線層212bと、を含む。第1連結部材210は、絶縁層211を貫通し、第1及び第2再配線層212a、112bを電気的に連結するビア213を含む。第1及び第2再配線層212a、212bは接続パッド222と電気的に連結される。付加的に、他の一例によるファンアウト半導体パッケージ200Aは、第2連結部材240上に配置されたパッシベーション層250と、パッシベーション層250の開口部251上に配置されたアンダーバンプ金属層260と、アンダーバンプ金属層260上に配置された接続端子270と、を含む。
【0100】
他の一例によるファンアウト半導体パッケージ200Aのように、第2連結部材240と接する第1連結部材210の第1再配線層212aを絶縁層211内に埋め込む場合、第1再配線層212aの厚さによって生じる段差が最小化するため、第2連結部材240の絶縁距離が一定になる。即ち、第2連結部材240の再配線層242aから絶縁層211の下面までの距離と、第2連結部材240の再配線層242aから接続パッド222までの距離との差は、第1再配線層212aの厚さより小さい。したがって、第2連結部材240の高密度配線設計が容易となるという長所がある。
【0101】
以下、他の一例によるファンアウト半導体パッケージ200Aに含まれるそれぞれの構成についてより詳細に説明する。
【0102】
第1連結部材210は、半導体チップ220の接続パッド222を再配線させる再配線層212a、212bを含むため、第2連結部材240の層数を減らすことができる。必要によっては、具体的な材料に応じてパッケージ200Aの剛性を維持することができ、封止材230の厚さの均一性の確保等の役割を果たすことができる。また、第1連結部材210は貫通孔210Hを有する。貫通孔210H内には、半導体チップ220が第1連結部材210と所定の距離離れるように配置される。半導体チップ220の側面の周りは第1連結部材210によって取り囲まれることができる。但し、これは一例に過ぎず、他の形態で多様に変形することができ、その形態に応じて、他の機能を行うことができる。
【0103】
絶縁層211の材料は特に限定されない。例えば、絶縁物質が用いられることができる。このとき、絶縁物質としては、エポキシ樹脂のような熱硬化性樹脂、ポリイミドのような熱可塑性樹脂、またはこれら樹脂が無機フィラーとともにガラス繊維(Glass Cloth、Glass Fabric)等の芯材に含浸された樹脂、例えば、プリプレグ(prepreg)、ABF(Ajinomoto Build−up Film)、FR−4、BT(Bismaleimide Triazine)等が用いられることができる。必要によっては、感光性絶縁(Photo Imageable Dielectric:PID)樹脂を用いることもできる。
【0104】
再配線層212a、212bは半導体チップ220の接続パッド222を再配線する役割を果たす。形成物質としては、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、スズ(Sn)、金(Au)、ニッケル(Ni)、鉛(Pb)、チタン(Ti)、またはこれらの合金等の導電性物質を用いることができる。再配線層212a、212bは、該層の設計デザインによって様々な機能を行うことができる。例えば、グランド(Ground:GND)パターン、パワー(Power:PWR)パターン、信号(Signal:S)パターン等を含むことができる。ここで、信号(S)パターンは、グランド(GND)パターン、パワー(PWR)パターン等を除いた各種の信号、例えば、データ信号等を含む。また、ビアパッドや接続端子パッド等を含む。これに制限されないが、一例として、再配線層212a、212bはすべてグランドパターンを含むことができる。この場合、第2連結部材240の再配線層242a、242bにグランドパターンを最小化して形成することができるため、配線設計自由度が向上することができる。
【0105】
再配線層212a、212bのうち、封止材230に形成された開口部231に露出した一部の再配線層212bには、必要に応じて表面処理層(図示せず)がさらに形成されることができる。表面処理層(図示せず)は、公知のものであれば特に限定されるものではなく、例えば、電解金めっき、無電解金めっき、OSPまたは無電解スズめっき、無電解銀めっき、無電解ニッケルめっき/置換金めっき、DIGめっき、HASL等によって形成されることができる。
【0106】
ビア213は、互いに異なる層に形成された再配線層212a、212bを電気的に連結させ、その結果、第1連結部材210内に電気的経路を形成させる。ビア213も、形成物質としては導電性物質を用いることができる。ビア213は、
図25に示されたように、導電性物質で完全に充填されたものであってよく、または導電性物質がビア孔の壁面に沿って形成されたものであってもよい。また、その形状がテーパー状だけでなく、円筒状等の公知のすべての形状が適用されることができる。一方、後の工程から分かるように、ビア213のための孔を形成する際に、第1再配線層212aの一部のパッドがストッパー(stopper)の役割を果たすことができるため、ビア213は上面の幅が下面の幅より大きなテーパー状であることが工程上有利であり得る。この場合、ビア213は第2再配線層212bの一部と一体化することができる。
【0107】
半導体チップ220は、数百〜数百万個以上の素子が一つのチップ内に集積化した集積回路(Integrated Circuit:IC)であってよい。集積回路は、例えば、セントラルプロセッサ(例えば、CPU)、グラフィックプロセッサ(例えば、GPU)、デジタル信号プロセッサ、暗号化プロセッサ、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ等のアプリケーションプロセッサチップであってもよいが、これに限定されるものではない。半導体チップ220は、活性ウェハを基盤に形成されることができる。この場合、本体221を成す母材としては、シリコン(Si)、ゲルマニウム(Ge)、ガリウム砒素(GaAs)等が用いられることができる。本体221には様々な回路が形成されることができる。接続パッド222は、半導体チップ220を他の構成要素と電気的に連結させるためのもので、形成物質としては、アルミニウム(Al)等の導電性物質を特に制限なく用いることができる。また、本体221上に接続パッド222を露出させるパッシベーション膜223が形成されることができる。パッシベーション膜223は、酸化膜または窒化膜等であってよく、または酸化膜と窒化膜の二重層であってもよい。パッシベーション膜223を通じて接続パッド222の下面は封止材230の下面と段差を有することができる。その結果、封止材230が接続パッド222の下面にブリージングすることをある程度防ぐことができる。また、その他の必要な位置に絶縁膜(図示せず)等がさらに配置されることもできる。
【0108】
半導体チップ220の非活性面は第1連結部材210の第2再配線層212bの上面より下に位置することができる。例えば、半導体チップ220の非活性面は、第1連結部材210の絶縁層211の上面より下に位置することができる。半導体チップ220の非活性面と、第1連結部材210の第2再配線層212bの上面との高さの差は2μm以上、例えば、5μm以上であることができる。このとき、半導体チップ220の非活性面の角で発生するクラックを効果的に防止することができる。また、封止材230を適用する場合における半導体チップ220の非活性面上の絶縁距離の偏差を最小化することができる。
【0109】
封止材230は、第1連結部材210及び/または半導体チップ220を保護することができる。封止形態は、特に限定されず、第1連結部材210及び/または半導体チップ220の少なくとも一部を包む形態であれば構わない。例えば、封止材230は、第1連結部材及び半導体チップ220の非活性面を覆うことができ、貫通孔210Hの壁面と半導体チップ220の側面との間の空間を満たすことができる。また、封止材230は、半導体チップ220のパッシベーション膜223と第2連結部材240との間の空間の少なくとも一部を満たすこともできる。一方、封止材230が貫通孔210Hを満たすことにより、具体的な物質によって接着剤の役割を果たすとともに座屈(buckling)を減少させることができる。
【0110】
封止材230の具体的な物質は特に限定されない。例えば、絶縁物質が用いられることができる。このとき、絶縁物質としては、同様にエポキシ樹脂のような熱硬化性樹脂、ポリイミドのような熱可塑性樹脂、またはこれら樹脂に無機フィラーのような補強材が含まれた樹脂、例えば、ABF、FR−4、BT、PID樹脂等が用いられることができる。また、EMC等の公知の成形物質を用いることもできることはもちろんである。必要によっては、熱硬化性樹脂または熱可塑性樹脂が無機フィラーとともにガラス繊維(Glass Cloth、Glass Fabric)等の芯材に含浸された樹脂を用いることもできる。
【0111】
封止材230は、複数の物質からなる複数の層で構成されることができる。例えば、貫通孔210H内の空間を第1封止材で満たし、その後、第1連結部材210及び半導体チップ220を第2封止材で覆うことができる。または、第1封止材を用いて貫通孔210H内の空間を満たすとともに、所定の厚さで第1連結部材210及び半導体チップ220を覆い、その後、第1封止材上に第2封止材を所定の厚さで再び覆う形態で使用することもできる。この他にも様々な形態で応用することができる。
【0112】
封止材230には、電磁波遮断のために必要に応じて導電性粒子が含まれることができる。導電性粒子は、電磁波遮断が可能なものであればいかなるものも用いることができ、例えば、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、スズ(Sn)、金(Au)、ニッケル(Ni)、鉛(Pb)、チタン(Ti)、半田(solder)等で形成されることができるが、これは一例に過ぎず、特にこれに限定されるものではない。
【0113】
第2連結部材240は、半導体チップ220の接続パッド222を再配線するための構成である。第2連結部材240を通じて様々な機能を有する数十〜数百の接続パッド222が再配線されることができ、後述する接続端子270を通じてその機能に適するように外部と物理的及び/または電気的に連結されることができる。第2連結部材240は、絶縁層241a、241bと、絶縁層241a、241b上に配置された再配線層242a、242bと、絶縁層241a、241bを貫通し、再配線層242a、242bを連結するビア243a、243bと、を含む。他の一例によるファンアウト半導体パッケージ200Aでは、第2連結部材240が、複数の再配線層242a、242bで構成されるが、単一の層で構成されることもできる。また、これと異なる層数を有することができることはもちろんである。
【0114】
絶縁層241a、241bの物質としては絶縁物質が用いられることができる。このとき、絶縁物質としては、上述のような絶縁物質の他にも、PID樹脂のような感光性絶縁物質を用いることもできる。この場合、絶縁層241a、241bをより薄く形成することができ、より容易にビア243a、243bのファインピッチを達成することができる。絶縁層241a、241bの物質は、互いに同一であってよく、必要によっては互いに異なってもよい。絶縁層241a、241bは工程によって一体化してその境界が不明確であり得る。
【0115】
再配線層242a、242bは実質的に接続パッド222を再配線する役割を果たす。形成物質としては、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、スズ(Sn)、金(Au)、ニッケル(Ni)、鉛(Pb)、チタン(Ti)、またはこれらの合金等の導電性物質を用いることができる。再配線層242a、242bは、該層の設計デザインに応じて様々な機能を行うことができる。例えば、グランド(Ground:GND)パターン、パワー(Power:PWR)パターン、信号(Signal:S)パターン等を含む。ここで、信号(S)パターンは、グランド(GND)パターン、パワー(PWR)パターン等を除いた各種の信号、例えば、データ信号等を含む。また、ビアパッドや接続端子パッド等を含む。
【0116】
再配線層242a、242bのうち、一部露出した再配線層242bには、必要に応じて表面処理層(図示せず)がさらに形成されることができる。表面処理層(図示せず)は、当該技術分野に公知のものであれば特に限定されるものではなく、例えば、電解金めっき、無電解金めっき、OSPまたは無電解スズめっき、無電解銀めっき、無電解ニッケルめっき/置換金めっき、DIGめっき、HASL等によって形成されることができる。
【0117】
ビア243a、243bは、互いに異なる層に形成された再配線層242a、242b、接続パッド222等を電気的に連結させ、その結果、パッケージ200A内に電気的経路を形成させる。ビア243a、243bも、形成物質としては、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、スズ(Sn)、金(Au)、ニッケル(Ni)、鉛(Pb)、チタン(Ti)、またはこれらの合金等の導電性物質を用いることができる。ビア243a、243bは、導電性物質で完全に充填されたものであってよく、または導電性物質がビア孔の壁面に沿って形成されたものであってもよい。また、その形状がテーパー状、円筒状等の当該技術分野に公知のすべての形状が適用されることができる。
【0118】
第1連結部材210の再配線層212a、212bの厚さは、第2連結部材240の再配線層242a、242bの厚さよりも厚ければよい。第1連結部材210は、半導体チップ220の厚さ以上の厚さを有することができるため、これに形成される再配線層212a、212bも、そのスケールに合わせてより大きなサイズで形成することができる。これに対し、第2連結部材240の再配線層242a、242bは、第2連結部材240の薄型化のために、第1連結部材210の再配線層212a、212bに比べて相対的に小さく形成することができる。
【0119】
パッシベーション層250は、第2連結部材240を外部からの物理的及び化学的損傷等から保護するための付加的な構成である。パッシベーション層250は、第2連結部材240の再配線層242a、242bのうちの一部の再配線層242bの少なくとも一部を露出させる開口部251を有することができる。開口部251は、再配線層242bの一面を完全にまたは一部だけ露出させることができる。また、パッシベーション層250の物質としては、特に限定されず、例えば、感光性絶縁樹脂のような感光性絶縁物質を用いてもよく、半田レジストを用いてもよい。または、芯材は含まないがフィラーは含む絶縁樹脂、例えば、無機フィラー及びエポキシ樹脂を含むABF(Ajinomoto Build−up Film)等を用いることができる。
【0120】
アンダーバンプ金属層260は、接続端子270との接続信頼性を向上させてボードレベル信頼性を改善させるための付加的な構成である。アンダーバンプ金属層260は、パッシベーション層250の開口部251内の壁面及び露出した第2連結部材240の再配線層242b上に配置されることができる。アンダーバンプ金属層260は、公知の導電性物質、即ち、金属を用いて公知の金属化(Metallization)方法で形成することができる。
【0121】
接続端子270は、ファンアウト半導体パッケージ200Aを外部と物理的及び/または電気的に連結させるための付加的な構成である。例えば、ファンアウト半導体パッケージ200Aは、接続端子270を通じて電子機器のメインボードに実装されることができる。接続端子270は、導電性物質、例えば、半田(solder)等で形成されることができるが、これは一例に過ぎず、材質が特にこれに限定されるものではない。接続端子270は、ランド(land)、ボール(ball)、ピン(pin)等であってよい。接続端子270は多重層または単一層で形成されることができる。多重層で形成される場合は銅ピラー(Cu pillar)及び半田を含むことができ、単一層で形成される場合はスズ−銀半田または銅を含むことができるが、これも一例に過ぎず、これに限定されるものではない。接続端子270の個数、間隔、配置形態等は、特に限定されず、通常の技術者にとって設計事項に応じて十分に変形可能である。例えば、接続端子270の数は、半導体チップ220の接続パッド222の数によって数十〜数千個であってよいが、これに限定されるものではなく、それ以上またはそれ以下の数を有してもよい。
【0122】
接続端子270のうち少なくとも一つは、ファンアウト(fan−out)領域に配置される。ファンアウト(fan−out)領域とは半導体チップ220が配置された領域を外れる領域を意味する。即ち、一例によるファンアウト半導体パッケージ200Aはファンアウト(fan−out)パッケージである。ファンアウト(fan−out)パッケージは、ファンイン(fan−in)パッケージに比べて信頼性に優れ、複数のI/O端子の実現が可能であり、3D相互接続(3D interconnection)が容易である。また、BGA(Ball Grid Array)パッケージ、LGA(Land Grid Array)パッケージ等と比較して別の基板がなくても電子機器への実装が可能であるため、パッケージの厚さを薄く製造することができ、価格競争力にも優れる。
【0123】
図示していないが、必要によっては、第1連結部材210の貫通孔210H内に複数の半導体チップ(図示せず)が配置されることができる。または、第1連結部材210の貫通孔210Hが複数個(図示せず)であり、それぞれの貫通孔内に半導体チップ(図示せず)が配置されることもできる。また、半導体チップの他に別の受動部品(図示せず)、例えば、コンデンサ、インダクタ等がともに貫通孔210H内に封止されることができる。なお、パッシベーション層250上に表面実装部品(図示せず)が実装されることもできる。
【0124】
図26a〜
図26dは
図23のファンアウト半導体パッケージの概略的な製造工程の一例を示す図面である。
【0125】
図26aを参照すると、先ずキャリアフィルム301を設ける。キャリアフィルム301の一面または両面には金属膜302、303が形成されることができる。金属膜302、303の間の接合面には、後の分離工程で分離が容易となるように表面処理されていてよい。または、金属膜302、303の間に離型層(Release layer)を備えて後の工程で分離を容易にすることもできる。キャリアフィルム301は、公知の絶縁基板であってよく、その材質はいかなるものであっても構わない。金属膜302、303は、通常銅箔(Cu foil)であってもよいが、これに限定されるものではなく、他の導電性物質からなる薄い薄膜であってもよい。次に、ドライフィルム304を用いて第1再配線層212aの形成のためのパターニングを行う。これは、公知のフォトリソグラフィー法を用いて形成することができる。ドライフィルム304は、感光性材料からなる公知のドライフィルムであってよい。その後、ドライフィルム304のパターニングされた空間を導電性物質で満たして第1再配線層212aを形成する。めっき工程を行うことができ、このとき、金属膜303はシード層の役割を果たすことができる。めっき工程としては、電解めっきまたは無電解めっき等を用いることができる。より具体的には、CVD(Chemical Vapor Deposition)、PVD(Physical Vapor Deposition)、スパッタリング(sputtering)、サブトラクティブ(Subtractive)、アディティブ(Additive)、SAP(Semi−Additive Process)、MSAP(Modified Semi−Additive Process)等の方法を用いることができるが、これに限定されるものではない。続いて、ドライフィルム304を除去する。これは、公知の方法、例えば、エッチング工程等を用いることができる。
【0126】
次に、
図26bを参照すると、金属膜303上に第1再配線層212aの少なくとも一部を埋め込む絶縁層211を形成する。その後、絶縁層211を貫通するビア213を形成する。また、絶縁層211上に第2再配線層212bを形成する。絶縁層211は、その前駆体を公知のラミネーション方法でラミネーションしてから硬化する方法、または公知の塗布方法で前駆体物質を塗布してから硬化する方法等で形成することができる。ビア213及び第2再配線層212bは、フォトリソグラフィー法、機械ドリル及び/またはレーザードリル等を用いて絶縁層211にビア孔を形成した後、ドライフィルム等でパターニングし、めっき工程等でビア孔及びパターニングされた空間を満たす方法で形成することができる。続いて、キャリアフィルム301を剥離する。このとき、剥離は、金属膜302、303が分離されるものであってよい。分離には、ブレードが用いられることができるが、これに限定されず、公知のすべての方法が用いられることができる。一方、一連の過程はキャリアフィルム301の剥離前に第1連結部材210を形成すると説明したが、これに限定されるものではなく、キャリアフィルム301を先に剥離した後、上述の工程によって第1連結部材210を形成してもよいことはもちろんである。即ち、順序が必ずしも説明した順序に限定されるものではない。
【0127】
次に、
図26cを参照すると、残っている金属膜303を公知のエッチング方法等で除去し、且つ第1連結部材210に貫通孔210Hを形成する。貫通孔210Hは、機械ドリル及び/またはレーザードリルで形成することができる。但し、これに限定されるものではなく、研磨用粒子を用いるサンドブラスト法、プラズマを用いたドライエッチング法等によって行われることもできる。機械ドリル及び/またはレーザードリルを用いて形成した場合は、過マンガン酸塩法等のデスミア処理を行って貫通孔210H内の樹脂スミアを除去する。その後、第1連結部材210の一側に粘着フィルム305を付着する。粘着フィルム305は、第1連結部材210を固定することができるものであればいかなるものも使用でき、これに制限されないが、一例として、公知のテープ等が用いられることができる。公知のテープの例としては、熱処理によって付着力が弱くなる熱処理硬化性接着テープ、紫外線の照射によって付着力が弱くなる紫外線硬化性接着テープ等を挙げることができる。続いて、第1連結部材210の貫通孔210H内に半導体チップ220を配置する。例えば、貫通孔210H内の粘着フィルム305上に半導体チップ220を付着する方法でこれを配置する。半導体チップ220は、接続パッド222が粘着フィルム305上に付着されるようにフェイス・ダウン(face−down)の形態で配置する。
【0128】
次に、
図26dを参照すると、封止材230を用いて半導体チップ220を封止する。封止材230は、第1連結部材210及び半導体チップ220の非活性面を少なくとも封止し、貫通孔210H内の空間を満たす。封止材230は、公知の方法で形成されることができ、例えば、封止材230の前駆体をラミネーションしてから硬化して形成することができる。または、粘着フィルム305上に半導体チップ220を封止できるように封止材230を塗布してから硬化して形成することもできる。硬化によって半導体チップ220は固定されるようになる。ラミネーション方法としては、例えば、高温で一定の時間加圧してから減圧して室温まで冷やすホットプレスを行った後、コールドプレスで冷やして作業ツールを分離する方法等が用いられることができる。塗布方法としては、例えば、スキージでインクを塗布するスクリーン印刷法、インクを霧化して塗布する方式のスプレー印刷法等を用いることができる。その後、粘着フィルム305を剥離する。剥離方法は、特に制限されず、公知の方法で行うことができる。例えば、粘着フィルム305として熱処理によって付着力が弱くなる熱処理硬化性接着テープ、紫外線の照射によって付着力が弱くなる紫外線硬化性接着テープ等を用いた場合は、粘着フィルム305を熱処理して付着力を弱くした後に行ってもよく、または粘着フィルム305に紫外線を照射して付着力を弱くした後に行ってもよい。続いて、粘着フィルム305を除去した第1連結部材210及び半導体チップ220の活性面上に第2連結部材240を形成する。第2連結部材240は、絶縁層241a、241bを順に形成し、且つそれぞれの絶縁層241a、241bを形成した後、該層にそれぞれ再配線層242a、242b及びビア243a、243bを形成することにより形成することができる。必要によっては、第2連結部材240上にパッシベーション層250を形成する。パッシベーション層250は、同様にパッシベーション層250の前駆体をラミネーションしてから硬化させる方法や、パッシベーション層250の形成物質を塗布してから硬化させる方法等を通じて形成することができる。パッシベーション層250には、第2連結部材240の再配線層242bのうち少なくとも一部が露出するように開口部(符号図示せず)を形成することができ、その上に公知の金属化方法でアンダーバンプ金属層260を形成することもできる。必要によっては、アンダーバンプ金属層260上に接続端子270を形成する。接続端子270の形成方法は、特に限定されず、その構造または形態に応じて当該技術分野によく知られている公知の方法によって形成することができる。接続端子270は、リフロー(reflow)によって固定されることができ、固定力を強化させるために、接続端子270の一部はパッシベーション層250に埋め込まれ、残りの部分は外部に露出するようにすることにより、信頼度を向上させることができる。
【0129】
一方、一連の過程は大量生産が容易になるように大容量サイズのキャリアフィルム301を設けた後、複数のファンアウト半導体パッケージ200Aを製造し、その後、ソーイング(Sawing)工程を通じて個別的なファンアウト半導体パッケージ200Aとしてシンギュレーションするものであってもよい。この場合、生産性に優れるという長所がある。
【0130】
図27は
図23のファンアウト半導体パッケージの変形例を概略的に示す断面図であり、
図28は
図27のファンアウト半導体パッケージの概略的なVI−VI'線に沿った切断平面図である。
【0131】
図面を参照すると、変形例によるファンアウト半導体パッケージ200Bでは、第1連結部材210の貫通孔210Hの壁面に金属層214が配置される。金属層214は、半導体チップ220で発生する熱を効果的に分散させる役割を果たす。また、金属層214は、電磁波遮蔽防止の役割も果たすことができる。なお、金属層214は、第1連結部材210の他の再配線層212a、212bのグランドパターンと連結されてグランドとして活用することもできる。金属層214は、壁面の全体に配置されることもでき、特定の形状にパターニングされて配置されることもできる。金属層214は、上述したような導電性物質、即ち、金属物質を含むことができる。
【0132】
その他、他の構成または製造方法は、他の一例によるファンアウト半導体パッケージ200Aで説明したものと実質的に同一であるため省略する。
【0133】
図29は
図23のファンアウト半導体パッケージの変形例を概略的に示す断面図であり、
図30は
図29のファンアウト半導体パッケージの概略的なVII−VII'線に沿った切断平面図である。
【0134】
図面を参照すると、変形例によるファンアウト半導体パッケージ200Cでは、貫通孔210H内に別の第1受動部品224が配置される。また、パッシベーション層250の表面上に別の第2受動部品226が配置される。第1受動部品224は、高容量キャパシタ、例えば、MLCCであってよいが、これに限定されるものではない。第2受動部品226は、低容量キャパシタ、例えば、Si系のキャパシタであってよいが、これに限定されるものではない。これらは、同一のパワーラインに連結されることができる。これにより、半導体チップ220と電気的に連結されて電源供給効率を向上させることができる。
【0135】
その他、他の構成または製造方法は、他の一例によるファンアウト半導体パッケージ200Aで説明したものと実質的に同一であるため省略する。
【0136】
図31は
図23のファンアウト半導体パッケージの変形例を概略的に示す断面図である。
【0137】
図面を参照すると、変形例によるファンアウト半導体パッケージ200Dでは、封止材230上に、封止材230を貫通するビア283を通じて第1連結部材210の第2再配線層212bと電気的に連結された再配線層282が配置される。また、封止材230上に、再配線層282の一部を露出させる開口部(符号図示せず)を有するパッシベーション層280が配置される。開口部(符号図示せず)上には別の表面実装部品281、286が配置されて再配線層282と電気的に連結される。表面実装部品281、286は、その種類に応じて再配線層282と直接連結されてもよく、半田(符号図示せず)等を通じて連結されてもよく、またはアンダーバンプ金属層284及び接続端子285を通じて連結されてもよい。表面実装部品281、286は、多様な種類の受動部品であってもよく、または多様な種類の集積回路であってもよい。
【0138】
その他、他の構成または製造方法は、他の一例によるファンアウト半導体パッケージ200Aで説明したものと実質的に同一であるため省略する。
【0139】
図32は
図23のファンアウト半導体パッケージの変形例を概略的に示す断面図である。
【0140】
図面を参照すると、変形例によるファンアウト半導体パッケージ200Eでは、封止材230上にメモリチップパッケージ287が積層される。メモリチップパッケージ287は、封止材230の第1連結部材210の第2再配線層212bの一部を露出させる開口部(符号図示せず)に形成されたアンダーバンプ金属層284、及びアンダーバンプ金属層284上に形成された接続端子285を通じて第1連結部材210の第2再配線層212bと電気的に連結される。メモリチップパッケージ287は、揮発性メモリ(例えば、DRAM)、非揮発性メモリ(例えば、ROM)、フラッシュメモリ等のメモリチップを含むものであってもよい。
【0141】
その他、他の構成または製造方法は、他の一例によるファンアウト半導体パッケージ200Aで説明したものと実質的に同一であるため省略する。
【0142】
図33は
図23のファンアウト半導体パッケージの変形例を概略的に示す断面図である。
【0143】
図面を参照すると、変形例によるファンアウト半導体パッケージ200Fでは、第1再配線層212aが絶縁層211の内部にリセスされる。これにより、絶縁層211の下面と第1再配線層212aの下面との間に段差を有するようになる。その結果、封止材230を形成する際に、封止材230の形成物質がブリージングし、第1再配線層212aを汚染させることを防止することができる。一方、このように第1再配線層212aが絶縁層211の内部にリセスされるため、第1連結部材210の第1再配線層212aの下面は、半導体チップ220の接続パッド222の下面より上側に位置することができる。また、第2連結部材240の再配線層242aと第1連結部材210の第1再配線層212aとの間の距離は、第2連結部材240の再配線層242aと半導体チップ220の接続パッド222との間の距離よりも大きければよい。
【0144】
その他、他の構成または製造方法は、他の一例によるファンアウト半導体パッケージ200Aで説明したものと実質的に同一であるため省略する。
【0145】
図34は第2連結部材の絶縁距離が不均一なファンアウト半導体パッケージの一例を概略的に示す断面図である。
【0146】
図面を参照すると、再配線層の絶縁距離が不均一なファンアウト半導体パッケージ200Gは、同様に第1連結部材210'、半導体チップ220'、封止材230'、第2連結部材240'、パッシベーション層250'、及び接続端子270'を含む。第1連結部材210'は、貫通孔210H'を有し、絶縁層211'、絶縁層211'の両面上に形成された再配線層212a'、212b'、及び絶縁層211'を貫通するビア213'を含む。半導体チップ220'は、本体221'、接続パッド222'、パッシベーション膜223'等を含む。第2連結部材240'は、絶縁層241a'、241b'、再配線層242a'、242b'、ビア243a'、243b'を含む。第1連結部材210'の下面上に形成された再配線層212a'は第2連結部材240'の絶縁物質に埋め込まれる。その結果、再配線層212a'の厚さの分だけの段差Hによって絶縁距離の不均一をもたらす可能性がある。また、別のアンダーバンプ金属層を有さないためボードレベル信頼性が低下するおそれがある。
【0147】
また、本発明で用いられた「一例」または「変更例」という表現は、互いに同一の実施例を意味せず、それぞれ互いに異なる固有の特徴を強調して説明するために提供されるものである。しかし、上記提示された一例または変更例は、他の一例または変更例の特徴と結合して実現されることを排除しない。例えば、特定の一例で説明された事項が他の一例で説明されていなくても、他の一例でその事項と反対であるか矛盾する説明がない限り、他の一例に関連する説明であると理解されることができる。
【0148】
本発明において「連結される」というのは、直接的に連結された場合だけでなく、間接的に連結された場合を含む概念である。また、「電気的に連結される」というのは、物理的に連結された場合と、連結されていない場合をともに含む概念である。なお、第1、第2等の表現は、一つの構成要素と他の構成要素を区分するために用いられるもので、該当する構成要素の順序及び/または重要度等を限定しない。場合によっては、本発明の範囲を外れずに、第1構成要素は第2構成要素と命名されることもでき、類似して第2構成要素は第1構成要素と命名されることもできる。
【0149】
本発明において、「上部、下部、上側、下側、上面、下面」等は、添付の図面に基づいて判断する。例えば、第1接続部材は、再配線層よりも上部に位置する。但し、特許請求の範囲がこれに限定されるものではない。また、垂直方向とは上述した上部及び下部の方向を意味し、水平方向とはこれと垂直な方向を意味する。このとき、垂直断面とは垂直方向の平面で切断した場合を意味するもので、図面に示した断面図をその例として挙げることができる。また、水平断面とは水平方向の平面で切断した場合を意味するもので、図面で示す平面図をその例として挙げることができる。
【0150】
なお、本発明で用いられた用語は、一例を説明するために説明されたものであるだけで、本発明を限定しようとする意図ではない。このとき、単数の表現は文脈上明確に異なる意味でない限り、複数を含む。