【解決手段】音声データと、合成音を再生するためのテキスト情報を含む読み上げデータと、読み上げデータに基づく合成音の再生時間帯を示す再生リストデータとを含む放送信号を生成する生成部と、生成部により生成された放送信号を送信する送信部とを備え、送信部は、読み上げデータに基づく合成音の再生開始時刻よりも前に、読み上げデータと、当該読み上げデータに係る再生リストデータとを含む放送信号を送信する。
音声データと、合成音を再生するためのテキスト情報を含む読み上げデータと、前記読み上げデータに基づく前記合成音の再生時間帯を示す再生リストデータとを含む放送信号を生成する生成部と、
前記生成部により生成された前記放送信号を送信する送信部とを備え、
前記送信部は、前記読み上げデータに基づく前記合成音の再生開始時刻よりも前に、前記読み上げデータと、当該読み上げデータに係る前記再生リストデータとを含む前記放送信号を送信する
送信装置。
前記再生リストデータは、さらに、前記読み上げデータに基づいて前記合成音を再生する場合に当該再生リストデータに示される前記合成音の再生時間帯を超えて再生することを許容するか否かを示す延長再生可否情報を含む
請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の送信装置。
音声データと、合成音を再生するためのテキスト情報を含む読み上げデータと、前記読み上げデータに基づく前記合成音の再生時間帯を示す再生リストデータとを含む放送信号を受信する受信部と、
前記放送信号に含まれる音声データを再生する再生部と、
前記再生リストデータが示す前記合成音の再生時間帯に従い、前記読み上げデータに含まれる前記テキスト情報が示す前記合成音を再生する読み上げ部とを備え、
前記受信部は、前記読み上げデータに基づく前記合成音の再生開始時刻よりも前に、前記読み上げデータと前記再生リストデータとを含む前記放送信号を受信する
受信装置。
前記再生リストデータは、さらに、前記読み上げデータに基づいて前記合成音を再生する場合に当該再生リストデータに示される前記合成音の再生時間帯を超えて再生することを許容するか否かを示す延長再生可否情報を含み、
前記読み上げ部は、前記延長再生可否情報が前記合成音の再生時間帯を超えて再生することを許容している場合には、前記合成音の再生時間帯を超えることを許容して前記読み上げデータに基づいて前記合成音を再生する
請求項7〜請求項12のいずれか1項に記載の受信装置。
音声データと、合成音を再生するためのテキスト情報を含む読み上げデータと、前記読み上げデータに基づく前記合成音の再生時間帯を示す再生リストデータとを含む放送信号を生成する生成ステップと、
前記生成ステップにおいて生成された前記放送信号を送信する送信ステップとを含み、
前記送信ステップでは、前記読み上げデータに基づく前記合成音の再生開始時刻よりも前に、前記読み上げデータと、当該読み上げデータに係る前記再生リストデータとを含む前記放送信号を送信する
送信方法。
音声データと、合成音を再生するためのテキスト情報を含む読み上げデータと、前記読み上げデータに基づく前記合成音の再生時間帯を示す再生リストデータとを含む放送信号を受信する受信ステップと、
前記放送信号に含まれる音声データを再生する再生ステップと、
前記再生リストデータが示す前記合成音の再生時間帯に従い、前記読み上げデータに含まれる前記テキスト情報が示す前記合成音を再生する読み上げステップとを含み、
前記受信ステップでは、前記読み上げデータに基づく前記合成音の再生開始時刻よりも前に、前記読み上げデータと前記再生リストデータとを含む前記放送信号を受信する
受信方法。
音声データと、合成音を再生するためのテキスト情報を含む読み上げデータと、前記読み上げデータに基づく前記合成音の再生時間帯を示す再生リストデータとを含む放送信号を生成する生成部と、
前記生成部により生成された前記放送信号を送信する送信部としてコンピュータを機能させるためのプログラムであって、
前記送信部は、前記読み上げデータに基づく前記合成音の再生開始時刻よりも前に、前記読み上げデータと、当該読み上げデータに係る前記再生リストデータとを含む前記放送信号を送信する
プログラム。
音声データと、合成音を再生するためのテキスト情報を含む読み上げデータと、前記読み上げデータに基づく前記合成音の再生時間帯を示す再生リストデータとを含む放送信号を受信する受信部と、
前記放送信号に含まれる音声データを再生する再生部と、
前記再生リストデータが示す前記合成音の再生時間帯に従い、前記読み上げデータに含まれる前記テキスト情報が示す前記合成音を再生する読み上げ部としてコンピュータを機能させるためのプログラムであって、
前記受信部は、前記読み上げデータに基づく前記合成音の再生開始時刻よりも前に、前記読み上げデータと前記再生リストデータとを含む前記放送信号を受信する
プログラム。
【発明を実施するための形態】
【0020】
最初に本発明の実施態様を列記して説明する。
(1)本発明の一実施態様に係る送信装置は、音声データと、合成音を再生するためのテキスト情報を含む読み上げデータと、前記読み上げデータに基づく前記合成音の再生時間帯を示す再生リストデータとを含む放送信号を生成する生成部と、前記生成部により生成された前記放送信号を送信する送信部とを備え、前記送信部は、前記読み上げデータに基づく前記合成音の再生開始時刻よりも前に、前記読み上げデータと、当該読み上げデータに係る前記再生リストデータとを含む前記放送信号を送信する。
【0021】
この構成によると、読み上げデータに基づく合成音の再生開始時刻よりも前に、送信部が、当該読み上げデータと、合成音の再生時間帯を示す再生リストデータとを含む放送信号を送信することができる。このため、受信装置は、読み上げデータに基づく合成音の再生開始時刻よりも前に読み上げデータと再生リストデータとを取得することができる。これにより、再生リストデータに示される予定の再生時間帯に読み上げデータの再生を行うことができるため、音声データの再生が終了した後、切れ目なく読み上げデータの再生を行うことができる。よって、音声が途切れることなく番組を放送することができる。
【0022】
(2)前記送信部は、前記読み上げデータに基づく前記合成音の再生開始時刻よりも前に、同一の前記読み上げデータを含む前記放送信号を複数回送信してもよい。
【0023】
この構成によると、読み上げデータに基づく合成音の再生開始時刻よりも前に、送信部が、当該読み上げデータを含む放送信号を、複数回送信することができる。このため、受信装置には、読み上げデータを取得する機会が複数回与えられることになる。よって、トンネル内を走行時などのように電波状況が悪く読み上げデータを取得することができなかったとしても、その他のタイミングで読み上げデータを取得することができる。これにより、読み上げデータの取りこぼしを防止することができる。これにより、読み上げデータの再生時における無音時間の発生を防止することができる。
【0024】
(3)また、前記送信部は、前記再生リストデータが示す前記合成音の再生時間帯に前記音声データとしてフィラーを含む前記放送信号を送信してもよい。
【0025】
この構成によると、読み上げデータの再生終了後から再生リストデータが示す合成音の再生時間帯が終わるまでの間、フィラーを再生することができる。このため、読み上げデータの再生終了後に無音時間が発生するのを防止することができる。
【0026】
(4)また、前記再生リストデータは、さらに、前記読み上げデータの種別を示す種別情報を含んでもよい。
【0027】
例えば、天気情報に関する読み上げデータの内容は、頻繁に変化するものではない。このため、ある再生時間帯における天気情報の読み上げデータが取得できなかった場合には、種別情報に基づいて、既に取得済みの過去の再生時間帯における天気情報の読み上げデータを検出し、検出した過去の読み上げデータを再生する。これにより、読み上げデータの再生時における無音時間の発生を防止することができる。また、ユーザによって、好みの番組は異なる。この構成によると、放送信号の受信装置にユーザが好む情報の種別を登録しておくことで、読み上げデータを選択的に再生することができる。例えば、受信装置には、ユーザが好む情報の種別として経済ニュースが登録され、ユーザが好まない情報の種別としてスポーツニュースが登録されているものとする。再生リストデータには読み上げデータの種別情報が含まれているため、受信装置は、再生リストデータに基づいて、経済ニュースの読み上げデータを再生し、スポーツニュースの読み上げデータを再生しないなどのように、ユーザの好みに合った読み上げデータの再生を行うことができる。
【0028】
(5)また、前記再生リストデータは、さらに、前記読み上げデータに係る地域を示す地域情報を含んでいてもよい。
【0029】
この構成によると、放送信号の受信装置が設置された車両が存在する地域またはその車両が走行する予定の地域に応じて、読み上げデータを選択して再生することができる。例えば、受信装置が設置された車両が東京方面に向かっている場合には、東京方面の渋滞情報や東京方面の天気情報などの読み上げデータを選択して再生することができる。これにより、ドライバにとって有益な情報を、当該ドライバに提供することができる。
【0030】
(6)また、前記再生リストデータは、さらに、前記読み上げデータに基づいて前記合成音を再生する場合に当該再生リストデータに示される前記合成音の再生時間帯を超えて再生することを許容するか否かを示す延長再生可否情報を含んでもよい。
【0031】
この構成によると、延長再生可否情報が合成音の再生時間帯を超えて再生することを許容することを示している場合には、読み上げデータの再生中に、再生すべき音声データがあったとしても、読み上げデータの再生を優先させることができる。例えば、台風情報などの重要な気象情報の読み上げデータの再生を、音声データの再生よりも優先させることができる。これにより、重要な読み上げデータが再生の途中で途切れてしまうのを防ぐことができる。
【0032】
(7)本発明の他の実施態様に係る受信装置は、音声データと、合成音を再生するためのテキスト情報を含む読み上げデータと、前記読み上げデータに基づく前記合成音の再生時間帯を示す再生リストデータとを含む放送信号を受信する受信部と、前記放送信号に含まれる音声データを再生する再生部と、前記再生リストデータが示す前記合成音の再生時間帯に従い、前記読み上げデータに含まれる前記テキスト情報が示す前記合成音を再生する読み上げ部とを備え、前記受信部は、前記読み上げデータに基づく前記合成音の再生開始時刻よりも前に、前記読み上げデータと前記再生リストデータとを含む前記放送信号を受信する。
【0033】
この構成によると、読み上げデータに基づく合成音の再生開始時刻よりも前に、受信部が、当該読み上げデータと、合成音の再生時間帯を示す再生リストデータとを含む放送信号を受信することができる。これにより、読み上げ部は、再生リストデータに示される予定の再生時間帯に読み上げデータの再生を行うことができるため、再生部による音声データの再生が終了した後、切れ目なく読み上げデータの再生を行うことができる。よって、音声が途切れることなく番組を放送することができる。
【0034】
(8)前記受信部は、前記読み上げデータに基づく前記合成音の再生開始時刻よりも前に、同一の前記読み上げデータを含む前記放送信号を複数回受信してもよい。
【0035】
この構成によると、読み上げデータに基づく合成音の再生開始時刻よりも前に、受信部が、当該読み上げデータを含む放送信号を、複数回受信することができる。よって、受信装置を備えた車両のトンネル内走行時などのように電波状況が悪く読み上げデータを取得することができなかったとしても、受信部は、その他のタイミングで読み上げデータを取得することができる。これにより、読み上げデータの取りこぼしを防止することができる。これにより、読み上げデータの再生時における無音時間の発生を防止することができる。
【0036】
(9)また、前記受信部は、前記再生リストデータが示す前記合成音の再生時間帯に前記音声データとしてフィラーを含む前記放送信号を受信し、前記再生部は、前記読み上げデータに基づく前記合成音の再生終了後から前記再生リストデータが示す前記合成音の再生時間帯の終了までの間、前記フィラーを再生してもよい。
【0037】
この構成によると、読み上げデータの再生終了後、次の音声データの再生が行われるまでの間、フィラーを再生することができる。このため、読み上げデータの再生終了後に無音時間が発生するのを防止することができる。
【0038】
(10)また、前記再生リストデータは、さらに、前記読み上げデータの種別を示す種別情報を含み、前記読み上げ部は、前記再生リストデータが示す前記合成音の再生時間帯に係る前記読み上げデータを受信できなかった場合には、受信できなかった当該読み上げデータの種別と同一の種別を有する読み上げデータに基づいて前記合成音を再生してもよい。
【0039】
例えば、天気情報に関する読み上げデータの内容は、頻繁に変化するものではない。このため、ある再生時間帯における天気情報の読み上げデータが取得できなかった場合には、種別情報に基づいて、既に取得済みの過去の再生時間帯における天気情報の読み上げデータを再生することができる。これにより、読み上げデータの再生時における無音時間の発生を防止することができる。
【0040】
(11)また、前記再生リストデータは、さらに、前記読み上げデータに係る地域を示す地域情報を含み、前記受信装置は、さらに、前記受信装置が設置された車両が存在する地域または当該車両が走行する予定の地域を示す地域情報を取得する地域情報取得部を備え、前記読み上げ部は、前記再生リストデータに基づいて、前記地域情報取得部が取得した地域情報が示す地域と同一の地域に係る前記読み上げデータを選択し、選択した前記読み上げデータに含まれる前記テキスト情報が示す前記合成音を再生してもよい。
【0041】
この構成によると、車両が存在する地域またはその車両が走行する予定の地域に応じて、読み上げデータを選択して再生することができる。車両が東京方面に向かっている場合には、東京方面の渋滞情報や東京方面の天気情報などの読み上げデータを選択して再生することができる。これにより、ドライバにとって有益な情報を、当該ドライバに提供することができる。
【0042】
(12)また、前記再生リストデータは、さらに、前記読み上げデータの種別を示す種別情報を含み、前記受信装置は、さらに、前記読み上げデータの種別ごとに、前記読み上げデータに基づく前記合成音の再生の要否を示す再生要否情報を取得する再生要否情報取得部を備え、前記読み上げ部は、前記再生リストデータに基づいて、前記再生要否情報が前記合成音の再生を要求する種別の前記読み上げデータを選択し、選択した前記読み上げデータに含まれる前記テキスト情報が示す前記合成音を再生してもよい。
【0043】
ユーザによって、好みの番組は異なる。この構成によると、再生要否情報に基づいて、読み上げ部が、読み上げデータを選択的に再生することができる。例えば、再生要否情報取得部が、ユーザが好む読み上げデータの種別として経済ニュースを取得し、当該種別としてスポーツニュースを取得しなかったとする。再生リストデータには読み上げデータの種別情報が含まれているため、読み上げ部は、再生リストデータに基づいて、経済ニュースの読み上げデータを再生し、スポーツニュースの読み上げデータを再生しないなどのように、ユーザの好みに合った読み上げデータの再生を行うことができる。
【0044】
(13)また、前記再生リストデータは、さらに、前記読み上げデータに基づいて前記合成音を再生する場合に当該再生リストデータに示される前記合成音の再生時間帯を超えて再生することを許容するか否かを示す延長再生可否情報を含み、前記読み上げ部は、前記延長再生可否情報が前記合成音の再生時間帯を超えて再生することを許容している場合には、前記合成音の再生時間帯を超えることを許容して前記読み上げデータに基づいて前記合成音を再生してもよい。
【0045】
この構成によると、延長再生可否情報が合成音の再生時間帯を超えて再生することを許容することを示している場合には、読み上げデータの再生中に、再生すべき音声データがあったとしても、読み上げデータの再生を優先させることができる。例えば、台風情報などの重要な気象情報の読み上げデータの再生を、音声データの再生よりも優先させることができる。これにより、重要な読み上げデータが再生の途中で途切れてしまうのを防ぐことができる。
【0046】
(14)本発明の他の実施態様に係る端末装置は、放送信号に含まれるデータの一覧を示す一覧データを受信するデータ受信部と、前記一覧データに示される前記データの送信を要求する送信要求信号を送信する送信要求部とを備え、前記データ受信部は、さらに、前記送信要求部が送信した前記送信要求信号が示す前記データを受信する。
【0047】
この構成によると、放送信号に含まれるデータの一覧を示す一覧データの中から、受信できずに取りこぼしたデータの送信要求信号を送信することにより、当該データを受信することができる。
【0048】
(15)本発明の他の実施態様に係るサーバは、送信装置から送信される放送信号に含まれるデータの送信を要求する送信要求信号を端末装置から受信する送信要求信号受信部と、前記送信要求信号受信部が受信した前記送信要求信号が示す前記データを、前記端末装置に再送信する再送信部とを備える。
【0049】
この構成によると、受信装置が受信できずに取りこぼしたデータの送信要求信号を、端末装置から受信し、当該データを端末装置に送信することができる。
【0050】
(16)本発明の他の実施態様に係る送信方法は、音声データと、合成音を再生するためのテキスト情報を含む読み上げデータと、前記読み上げデータに基づく前記合成音の再生時間帯を示す再生リストデータとを含む放送信号を生成する生成ステップと、前記生成ステップにおいて生成された前記放送信号を送信する送信ステップとを含み、前記送信ステップでは、前記読み上げデータに基づく前記合成音の再生開始時刻よりも前に、前記読み上げデータと、当該読み上げデータに係る前記再生リストデータとを含む前記放送信号を送信する。
【0051】
この構成に含まれる各ステップは、(1)に示した送信装置が備える各処理部に対応する。このため、(1)に示したのと同様の作用および効果を奏することができる。
【0052】
(17)本発明の他の実施態様に係る受信方法は、音声データと、合成音を再生するためのテキスト情報を含む読み上げデータと、前記読み上げデータに基づく前記合成音の再生時間帯を示す再生リストデータとを含む放送信号を受信する受信ステップと、前記放送信号に含まれる音声データを再生する再生ステップと、前記再生リストデータが示す前記合成音の再生時間帯に従い、前記読み上げデータに含まれる前記テキスト情報が示す前記合成音を再生する読み上げステップとを含み、前記受信ステップでは、前記読み上げデータに基づく前記合成音の再生開始時刻よりも前に、前記読み上げデータと前記再生リストデータとを含む前記放送信号を受信する。
【0053】
この構成に含まれる各ステップは、(7)に示した受信装置が備える各処理部に対応する。このため、(7)に示したのと同様の作用および効果を奏することができる。
【0054】
(18)本発明の他の実施態様に係るデータ受信方法は、放送信号に含まれるデータの一覧を示す一覧データを受信するステップと、前記一覧データに示される前記データの送信を要求する送信要求信号を送信するステップと、前記送信要求信号が示す前記データを受信するステップとを含む。
【0055】
この構成に含まれる各ステップは、(14)に示した端末装置が備える各処理部に対応する。このため、(14)に示したのと同様の作用および効果を奏することができる。
【0056】
(19)本発明の他の実施態様に係るデータ送信方法は、送信装置から送信される放送信号に含まれるデータの送信を要求する送信要求信号を端末装置から受信するステップと、前記送信要求信号が示す前記データを、前記端末装置に再送信するステップとを含む。
【0057】
この構成に含まれる各ステップは、(15)に示したサーバが備える各処理部に対応する。このため、(15)に示したのと同様の作用および効果を奏することができる。
【0058】
(20)本発明の他の実施態様に係るプログラムは、音声データと、合成音を再生するためのテキスト情報を含む読み上げデータと、前記読み上げデータに基づく前記合成音の再生時間帯を示す再生リストデータとを含む放送信号を生成する生成部と、前記生成部により生成された前記放送信号を送信する送信部としてコンピュータを機能させるためのプログラムであって、前記送信部は、前記読み上げデータに基づく前記合成音の再生開始時刻よりも前に、前記読み上げデータと、当該読み上げデータに係る前記再生リストデータとを含む前記放送信号を送信する。
【0059】
この構成は、(1)に示した送信装置と同様の構成を有する。このため、(1)に示したのと同様の作用および効果を奏することができる。
【0060】
(21)本発明の他の実施態様に係るプログラムは、音声データと、合成音を再生するためのテキスト情報を含む読み上げデータと、前記読み上げデータに基づく前記合成音の再生時間帯を示す再生リストデータとを含む放送信号を受信する受信部と、前記放送信号に含まれる音声データを再生する再生部と、前記再生リストデータが示す前記合成音の再生時間帯に従い、前記読み上げデータに含まれる前記テキスト情報が示す前記合成音を再生する読み上げ部としてコンピュータを機能させるためのプログラムであって、前記受信部は、前記読み上げデータに基づく前記合成音の再生開始時刻よりも前に、前記読み上げデータと前記再生リストデータとを含む前記放送信号を受信する。
【0061】
この構成は、(7)に示した受信装置と同様の構成を有する。このため、(7)に示したのと同様の作用および効果を奏することができる。
【0062】
(22)本発明の他の実施態様に係るプログラムは、放送信号に含まれるデータの一覧を示す一覧データを受信するデータ受信部と、前記一覧データに示される前記データの送信を要求する送信要求信号を送信する送信要求部としてコンピュータを機能させるためのプログラムであって、前記データ受信部は、さらに、前記送信要求部が送信した前記送信要求信号が示す前記データを受信する。
【0063】
この構成は、(14)に示した端末装置と同様の構成を有する。このため、(14)に示したのと同様の作用および効果を奏することができる。
【0064】
(23)本発明の他の実施態様に係るプログラムは、送信装置から送信される放送信号に含まれるデータの送信を要求する送信要求信号を端末装置から受信する送信要求信号受信部と、前記送信要求信号受信部が受信した前記送信要求信号が示す前記データを、前記端末装置に再送信する再送信部としてコンピュータを機能させる。
【0065】
この構成は、(15)に示したサーバと同様の構成を有する。このため、(15)に示したのと同様の作用および効果を奏することができる。
【0066】
[本願発明の実施形態の詳細]
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも本発明の好ましい一具体例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、構成要素、構成要素の配置位置および接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。本発明は、特許請求の範囲によって特定される。よって、以下の実施の形態における構成要素のうち、本発明の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、本発明の課題を達成するのに必ずしも必要ではないが、より好ましい形態を構成するものとして説明される。
【0067】
(実施の形態1)
[1−1.システムの全体構成]
図1は、本発明の実施の形態1に係る放送システムの構成を示すブロック図である。
【0068】
放送システム1は、V−Lowマルチメディア放送を行うシステムであり、コンテンツサーバ10と、音声サーバ20と、データサーバ30と、CMS(コンテンツマネジメントサーバ)40と、マルチメディア放送センター50に設置された送信装置60と、車両80に設置された受信装置70と、端末装置90とを備える。
【0069】
コンテンツサーバ10は、V−Lowマルチメディア放送で送信装置60から受信装置70に対して提供されるデジタルコンテンツを提供するサーバである。コンテンツサーバ10は、データサーバ30に対して、観光情報、地図情報、広告情報または音楽情報などのデジタルコンテンツを提供する。また、コンテンツサーバ10は、合成音を再生するための読み上げデータを生成し、データサーバ30に提供する。読み上げデータには、例えば、気象情報のテキスト情報を示すデータが含まれる。
【0070】
データサーバ30は、コンテンツサーバ10から提供されたデジタルコンテンツと音声データとを自身の記憶装置に蓄積するとともに、これらのデータをCMS40に提供する。
【0071】
音声サーバ20は、番組内で放送される音声データをCMS40に対して提供する。音声サーバ20は、アナウンサーなどの発話者の音声を予め録音することにより得られる音声データをCMS40に提供してもよいし、発話者が発話している生の音声の音声データをCMS40に提供してもよい。
【0072】
CMS40は、音声サーバ20から提供される音声データと、データサーバ30から提供されるデジタルコンテンツおよび読み上げデータとを送信装置60に提供する。また、CMS40は、読み上げデータに基づく合成音の再生時間帯を示す再生リストデータを生成し、送信装置60に提供する。さらに、CMS40は、番組で放送されるデータの一覧を示す一覧データを生成し、送信装置60に提供する。
【0073】
送信装置60は、CMS40から提供される各種データを含む放送信号を、ISDB−Tsb方式に従い、V−Low帯の複数セグメントを用いて放送する。
【0074】
受信装置70は、例えば、車両80に備えつけられた車載器であり、送信装置60から送信される放送信号を受信し、再生する。例えば、受信装置70は、放送信号に含まれる音声データを再生するとともに、放送信号に含まれる読み上げデータに基づいて、合成音を合成する。
【0075】
端末装置90は、受信装置70が受信した放送信号に含まれるデジタルコンテンツを、受信装置70から受信し、受信したデジタルコンテンツを再生する。例えば、端末装置90は、デジタルコンテンツに含まれる観光情報、地図情報または広告情報などを、端末装置90の画面に表示する。また、端末装置90は、受信装置70が受信した放送信号に含まれる読み上げデータを受信装置70から受信し、受信した読み上げデータに基づいて合成音を再生することもできる。端末装置90と受信装置70とは、例えば、無線LAN(Local Area Network)により接続される。端末装置90は、インターネット100を介してデータサーバ30と接続され、デジタルコンテンツまたは読み上げデータの送信を要求する送信要求信号を、データサーバ30に送信する。データサーバ30は、送信要求信号に応答して、デジタルコンテンツまたは読み上げデータを端末装置90に送信する。端末装置90は、データサーバ30から送信されたデジタルコンテンツまたは読み上げデータを受信し、受信したデジタルコンテンツまたは読み上げデータを表示または再生する。
【0076】
[1−2.データサーバ30の構成]
図2は、データサーバ30の機能的な構成を示すブロック図である。データサーバ30は、CPU、RAMおよびROMなどを備えるコンピュータにより構成される。データサーバ30は、通信I/F(インタフェース)部31と、データ送受信部32と、デジタルコンテンツ記憶部33と、読み上げデータ記憶部34と、送信要求信号受信部35と、再送信部36とを備える。
【0077】
通信I/F部31は、コンテンツサーバ10、CMS40または端末装置90と通信を行うためのインタフェースであり、例えば、LANアダプタなどにより構成される。
【0078】
データ送受信部32は、通信I/F部31を介して、コンテンツサーバ10からデジタルコンテンツおよび読み上げデータを受信し、受信したデジタルコンテンツおよび読み上げデータを、デジタルコンテンツ記憶部33および読み上げデータ記憶部34にそれぞれ書き込む。また、データ送受信部32は、コンテンツサーバ10から受信したデジタルコンテンツおよび読み上げデータを、通信I/F部31を介してCMS40に送信する。
【0079】
デジタルコンテンツ記憶部33は、コンテンツサーバ10から受信したデジタルコンテンツを記憶するための記憶装置であり、HDD(Hard Disk Drive)などにより構成される。
【0080】
読み上げデータ記憶部34は、コンテンツサーバ10から受信した読み上げデータを記憶するための記憶装置であり、HDDなどにより構成される。
【0081】
送信要求信号受信部35は、通信I/F部31を介して、端末装置90からデジタルコンテンツまたは読み上げデータの送信を要求する送信要求信号を受信し、再送信部36に出力する。
【0082】
再送信部36は、送信要求信号が示すデジタルコンテンツまたは読み上げデータを、デジタルコンテンツ記憶部33または読み上げデータ記憶部34から読み出し、読み出したデータを通信I/F部31を介して端末装置90に送信する。
【0083】
[1−3.送信装置60の構成]
図3は、送信装置60の機能的な構成を示すブロック図である。送信装置60は、通信I/F部61と、生成部62と、送信部63と、制御部64とを備える。
【0084】
通信I/F部61は、CMS40と通信を行うためのインタフェースであり、例えば、LANアダプタなどにより構成される。
【0085】
生成部62は、通信I/F部61を介してCMS40から、音声データ、デジタルコンテンツ、再生リストデータおよび一覧データを受信し、これらのデータを含む放送信号を生成する。
【0086】
送信部63は、生成部62が生成した放送信号を、放送用アンテナ52を介して送信する。例えば、送信部63は、V−Low帯の3セグメントを用いて、放送信号を放送する。3セグメントのうち、音声データが1/3セグメントを占め、読み上げデータが1/3セグメントを占め、その他のデータが残りのセグメントを占めていてもよい。これにより、音声データはストリーム配信される。
【0087】
制御部64は、生成部62による放送信号の生成タイミングや、送信部63による放送信号の送信タイミングなどを制御する。
【0088】
[1−4.受信装置70の構成]
図4は、受信装置70の機能的な構成を示すブロック図である。受信装置70は、アンテナ71と、受信部72と、再生部73と、スピーカ74と、読み上げ部75と、GPS(Global Positioning System)受信部76と、データ送信部77と、通信I/F部78とを備える。
【0089】
受信部72は、送信装置60が送信する放送信号を、アンテナ71を介して受信する。放送信号には、上述したように、音声データ、デジタルコンテンツ、再生リストデータおよび一覧データが含まれる。
【0090】
再生部73は、受信部72が受信した放送信号に含まれる音声データを、電気信号に変換し、スピーカ74から音声を出力することにより、音声データを再生する。
【0091】
GPS受信部76は、GPS衛星からの電波を受信し、受信装置70の位置情報を測位する。
【0092】
読み上げ部75は、受信部72が受信した放送信号に含まれる読み上げデータを再生する。つまり、読み上げ部75は、放送信号に含まれる再生リストデータが示す合成音の再生時間帯に従い、読み上げデータに含まれるテキスト情報が示す合成音をスピーカ74から出力する。なお、放送信号の中に複数の地域に対応した読み上げデータが含まれている場合には、読み上げ部75は、GPS受信部76が測位した位置情報に基づいて地域を特定し、特定した地域に対応する読み上げデータを再生する。例えば、放送信号の中に東京都用の読み上げデータと山梨県用の読み上げデータとが含まれており、特定した地域が東京都であれば、読み上げ部75は、東京都用の読み上げデータを再生し、山梨県用の読み上げデータは再生しない。ただし、ユーザからの指示などに従い、山梨県用の読み上げデータを再生するようにしてもよい。
【0093】
データ送信部77は、受信部72が受信した放送信号に含まれるデジタルコンテンツおよび一覧データを、通信I/F部78を介して端末装置90に送信する。
【0094】
通信I/F部78は、端末装置90と通信を行うためのインタフェースであり、例えば、無線LANアダプタなどにより構成される。
【0095】
制御部79は、受信部72、再生部73、読み上げ部75およびデータ送信部77の動作の制御を行う。例えば、制御部79は、再生リストデータに従って、読み上げ部75による読み上げデータの再生タイミングを制御してもよい。
【0096】
[1−5.端末装置90の構成]
図5は、端末装置90の機能的な構成を示すブロック図である。端末装置90は、通信I/F部91と、一覧データ受信部92と、表示部93と、入力部94と、送信要求部95と、デジタルコンテンツ受信部96とを備える。
【0097】
通信I/F部91は、受信装置70およびデータサーバ30と通信を行うためのインタフェースであり、例えば、無線LANアダプタなどにより構成される。
【0098】
一覧データ受信部92は、通信I/F部91を介して、受信装置70から一覧データを受信し、受信した一覧データを表示部93に表示する。
【0099】
表示部93は、各種データを表示する装置であり、例えば、タッチパネルなどにより構成される。
【0100】
デジタルコンテンツ受信部96は、通信I/F部91を介して、受信装置70からデジタルコンテンツまたは読み上げデータを受信し、受信したデジタルコンテンツを表示部93に表示したり、図示しないスピーカからデジタルコンテンツの音声を出力したりする。また、受信した読み上げデータに基づいて合成音をスピーカから出力する。なお、後述するように、送信要求部95が送信要求信号を送信した場合には、当該送信要求信号に対するデジタルコンテンツまたは読み上げデータをデータサーバ30から受信し、上記と同様にこれらのデータの表示または音声出力を行う。
【0101】
入力部94は、端末装置90のユーザによる各種入力を受け付ける。例えば、入力部94は、表示部93に表示された一覧データの中から、再送信を要求するデータの選択入力を受け付ける。表示部93を構成するタッチパネル上に表示された一覧データの中から、ユーザが再送信を要求するデータを選択すると、入力部94は、選択したデータの再送信要求を受け付けてもよい。
【0102】
送信要求部95は、入力部94が選択入力を受け付けたデータの送信を要求する送信要求信号を、通信I/F部91を介してデータサーバ30に送信する。
【0103】
[1−6.マルチメディア放送の具体例]
次に、放送システム1によるマルチメディア放送の具体例について説明する。
図6は、音声データおよび読み上げデータに基づく番組放送の時間経過を示す図である。
図6(a)は、送信装置60から送信される放送信号の内容を示し、
図6(b)は、受信装置70が再生する音声の内容を示す。ここでは、天気情報番組の放送を例に説明する。
【0104】
図6(a)に示すように、後述の読み上げデータAの再生開始時刻「12:02:10」よりも前に、天気情報番組に係るデータAを含む放送信号が生成部62により生成され、送信部63が、当該放送信号を、読み上げデータAの再生開始時刻「12:02:10」よりも前に送信する。データAは、再生リストデータAと、地域ごとの読み上げデータA(読み上げデータA(東京都)、読み上げデータA(千葉県北部))と、クーポンデータAと、一覧データAとを含む。
【0105】
図7は、再生リストデータAの一例を示す図である。再生リストデータは、音声データの再生時間帯と、読み上げデータに基づく合成音の再生時間帯とを示す。具体的には、12:02:00から12:02:10の間は、音声データが再生され、12:02:10から12:04:10の間は、読み上げデータAが再生されることが、スケジュールとして示されている。受信装置70は、この再生リストデータに従って、音声データおよび読み上げデータAの再生を行う。
【0106】
図8は、一覧データAの一例を示す図である。一覧データAは、データAに含まれるデータの一覧を示し、コンテンツIDと、コンテンツ名称とを含む。例えば、コンテンツID「1」のコンテンツの名称は、「音声データA」であることが示されている。なお、一覧データAは、各データの詳細な内容を含んでいてもよい。
【0107】
図6(a)に示すように、データAは、読み上げデータAの再生開始時刻「12:02:10」よりも前に、複数回送信されてもよい。例えば、送信部63は、上記開始時刻の5分前と10分前にデータAを含む放送信号を送信するようにしてもよい。これにより、受信装置70によるデータAの取得の成功確率が向上する。
【0108】
送信部63は、12:02:00から12:02:10の間、アナウンサーなどの発話者の音声データを含む放送信号を送信する。その後、送信部63は、フィラーと呼ばれるBGM(background music)を音声データとして含む放送信号を送信する。つまり、送信部63は、再生リストデータAが示す読み上げデータAの再生時間帯(12:02:10〜12:04:10)にフィラーを含む音声信号を送信する。
【0109】
図6(b)に示すように、再生部73は、再生リストデータAに従い、12:02:00から12:02:10の間、送信装置60から受信した音声データを再生する。また、読み上げ部75は、再生リストデータAに従い、12:02:10から12:04:10の間、送信装置60から受信した読み上げデータAを再生する。ただし、受信装置70が位置する東京都の読み上げデータAが、他の地域の読み上げデータAよりも短く、12:03:50に読み上げデータAの再生が終了したとする。その場合には、再生部73は、12:03:50から12:04:10の間、音声データを再生する。これにより、再生部73は、フィラーを再生することになる。
【0110】
受信装置70のデータ送信部77は、
図8に示すような一覧データAを、端末装置90に送信する。端末装置90の一覧データ受信部92は、一覧データAを表示部93に表示する。例えば、受信装置70がクーポンデータAを受信することができなかった場合に、端末装置90のユーザが、クーポンデータAを選択する。すると、送信要求部95は、クーポンデータAの送信を要求する送信要求信号を、データサーバ30に送信する。例えば、送信要求部95は、「https://www.aaa.xxx/ID=4」というURLのウェブページにアクセスすることにより、送信要求信号をデータサーバ30に送信する。ここで、「www.aaa.xxx」は、データサーバ30上で動作するウェブサーバーである。デジタルコンテンツ受信部96は、当該ウェブページよりクーポンデータAをダウンロードすることにより受信し、表示部93に表示する。これにより、取りこぼしたクーポンデータAを表示することができる。
【0111】
[1−7.実施の形態1の効果等]
以上説明したように、実施の形態1によると、読み上げデータに基づく合成音の再生開始時刻よりも前に、送信装置60の送信部63が、当該読み上げデータと、合成音の再生時間帯を示す再生リストデータとを含む放送信号を送信する。このため、受信装置70は、読み上げデータに基づく合成音の再生開始時刻よりも前に読み上げデータと再生リストデータとを取得することができる。これにより、受信装置70は、再生リストデータに示される予定の再生時間帯に読み上げデータの再生を行うことができるため、音声データの再生が終了した後、切れ目なく読み上げデータの再生を行うことができる。よって、音声が途切れることなく番組を放送することができる。
【0112】
また、読み上げデータに基づく合成音の再生開始時刻よりも前に、送信部63が、当該読み上げデータを含む放送信号を、複数回送信する。このため、受信装置70には、読み上げデータを取得する機会が複数回与えられることになる。よって、車両80のトンネル内走行時などのように電波状況が悪く読み上げデータを取得することができなかったとしても、その他のタイミングで読み上げデータを取得することができる。これにより、読み上げデータの取りこぼしを防止することができる。これにより、読み上げデータの再生時における無音時間の発生を防止することができる。
【0113】
また、送信部63は、再生リストデータが示す合成音の再生時間帯にフィラーを含む放送信号を送信している。このため、受信装置70は、読み上げデータの再生終了後から再生リストデータが示す合成音の再生時間帯が終わるまでの間、つまり、次の音声データの再生が行われるまでの間、フィラーを再生することができる。これにより、読み上げデータの再生終了後に無音時間が発生するのを防止することができる。
【0114】
また、端末装置90は、放送信号に含まれるデータの一覧を示す一覧データの中から、受信装置70が受信できずに取りこぼしたデータの送信要求信号を送信することにより、当該データを受信することができる。
【0115】
(実施の形態2)
実施の形態2では、読み上げデータを取得することができなかった場合に、過去に取得した同種の読み上げデータで補完して、読み上げデータの再生を行う放送システム1について説明する。
【0116】
放送システム1の構成および放送システム1を構成する各装置の構成は、実施の形態1と同様である。このため、その詳細な説明はここでは繰り返さない。
【0117】
[2−1.マルチメディア放送の具体例]
図9は、音声データおよび読み上げデータに基づく番組放送の時間経過を示す図である。
図9(a)は、送信装置60から送信される放送信号の内容を示し、
図9(b)は、受信装置70が再生する音声の内容を示す。ここでは、天気情報番組の放送を例に説明する。
【0118】
図9(a)に示すように、後述の読み上げデータBの再生開始時刻「12:32:10」よりも前に、天気情報番組に係るデータBを含む放送信号が生成部62により生成され、送信部63が、当該放送信号を読み上げデータBの再生開始時刻「12:32:10」よりも前に複数回(ここでは、2回)送信する。データBは、再生リストデータBと、地域ごとの読み上げデータB(読み上げデータB(東京都)、読み上げデータB(千葉県北部))と、クーポンデータBと、一覧データBとを含む。なお、12:02:00から12:04:10の間は、実施の形態1の
図6に示した天気情報番組が放送されていたものとする。
【0119】
図10は、再生リストデータの一例を示す図である。
図10(a)は、12:02:00から12:04:10の間の天気情報番組に係る再生リストデータAの一例を示し、
図10(b)は、12:32:00から12:34:25の間の天気情報番組に係る再生リストデータBの一例を示す。再生リストデータAおよび再生リストデータBは、
図7に示した再生リストデータAの構成に加えて、種別情報を含む。種別情報は、放送データ(音声データおよび読み上げデータ)の種別を示し、例えば、放送データが「音声データ」の場合には、種別情報は「トーク」であり、放送データが「読み上げデータA」または「読み上げデータB」の場合には、種別情報は「天気」である。
【0120】
図9を参照して、受信装置70は、電波の状況などにより、読み上げデータBの再生開始時刻「12:32:10」よりも前に、読み上げデータBを受信することができなかったとする。この場合、受信装置70の読み上げ部75は、読み上げデータBの種別情報「天気」と同種の読み上げデータAを、既に受信済みであれば、読み上げデータBに基づく合成音を再生するかわりに、受信済みの読み上げデータAに基づいて合成音を再生する。
【0121】
[2−2.実施の形態2の効果等]
以上説明したように、再生リストデータは、読み上げデータの種別を示す種別情報を含む。また、読み上げ部75は、再生リストデータが示す合成音の再生時間帯に係る読み上げデータBを受信できなかった場合には、受信できなかった当該読み上げデータBの種別と同一の種別を有する読み上げデータAに基づいて合成音を再生する。例えば、天気情報に関する読み上げデータの内容は、頻繁に変化するものではない。このため、ある再生時間帯における天気情報の読み上げデータが取得できなかった場合には、種別情報に基づいて、既に取得済みの過去の再生時間帯における天気情報の読み上げデータを検出し、検出した過去の読み上げデータを再生する。これにより、読み上げデータの再生時における無音時間の発生を防止することができる。
【0122】
(実施の形態3)
実施の形態3では、読み上げデータを選択的に再生することのできる放送システム1について説明する。
【0123】
放送システム1の構成は、実施の形態1と同様である。ただし、送信装置60が送信する再生リストデータおよび受信装置70の構成が以下のように異なる。
【0124】
[3−1.再生リストデータについて]
図11は、再生リストデータの一例を示す図である。実施の形態3に係る再生リストデータは、
図7に示した実施の形態1に係る再生リストデータと比較して、さらに、種別情報と地域情報とを含む。種別情報は、放送データ(音声データおよび読み上げデータ)の種別を示し、例えば、放送データが「音声データ」の場合には、種別情報は「トーク」である。また、放送データが「読み上げデータC1」、「読み上げデータC2」、「読み上げデータC3」および「読み上げデータC4」の場合には、種別情報は、それぞれ、「天気」、「CM」、「渋滞情報」および「経済ニュース」である。
【0125】
これらの読み上げデータは、地域ごとの読み上げデータに分けられており、地域情報は、読み上げデータに係る地域を示す。例えば、東京都の天気に関する読み上げデータである「読み上げデータC1(東京都)」に係る地域情報は、「東京都」である。
【0126】
[3−2.受信装置70の構成]
図12は、実施の形態3に係る受信装置70の機能的な構成を示すブロック図である。実施の形態3に係る受信装置70は、
図4に示した受信装置70の構成に加えて、地域情報取得部111と、対応関係情報記憶部112と、再生要否情報取得部113と、対象種別情報記憶部114とを備える。
【0127】
地域情報取得部111は、受信装置70が設置された車両80が存在する地域または当該車両80が走行する予定の地域を示す地域情報を取得する。
【0128】
対応関係情報記憶部112は、位置情報(例えば、緯度情報および経度情報)と地域情報との対応関係を示す対応関係情報を記憶している。例えば、東京都に対応付けられる緯度情報および経度情報が対応関係情報として記憶されている。
【0129】
地域情報取得部111は、GPS受信部76に接続されており、GPS受信部76が測位した車両80の位置情報に基づいて、対応関係情報記憶部112に記憶されている対応関係情報から、車両80が存在する地域を示す地域情報を取得する。また、地域情報取得部111は、カーナビ(カーナビゲーションシステム)に接続されていてもよい。この場合には、地域情報取得部111は、カーナビから車両80の目的地の位置情報または経由地の位置情報を取得し、取得した位置情報に基づいて、対応関係情報から、車両80が走行する予定の地域を示す地域情報を取得してもよい。
【0130】
読み上げ部75は、再生リストデータに基づいて、地域情報取得部111が取得した地域情報が示す地域と同一の地域に係る読み上げデータを選択し、選択した読み上げデータを再生する。例えば、車両80が東京方面に向かって走行している場合には、東京方面の渋滞情報や東京方面の天気情報などの読み上げデータを選択して再生することにより、ドライバにとって有益な情報を再生する。
【0131】
対象種別情報記憶部114は、ユーザが興味の対象とする読み上げデータの種別を示す対象種別情報を記憶している。対象種別情報は、予めユーザにより設定されているものとする。
図13は、対象種別情報記憶部114に記憶されている対象種別情報の一例を示す図である。対象種別情報には、読み上げデータの種別ごとに読み上げを必要とするか否かが、ユーザごとに示されている。例えば、ユーザAについては、経済ニュース、スポーツニュース、天気、CMおよび渋滞情報の読み上げデータの再生を必要とするが、エンタメニュースの読み上げデータの再生は不要である旨が示されている。なお、ここで言うユーザは、受信装置70のユーザであり、受信装置70または端末装置90を操作することにより、受信装置70にユーザ名を設定してもよい。
【0132】
再生要否情報取得部113は、対象種別情報記憶部114から、受信装置70のユーザが興味の対象とする読み上げデータの種別情報と、興味の対象としない読み上げデータの種別情報とを取得する。つまり、再生要否情報取得部113は、読み上げデータの種別ごとに、読み上げデータに基づく合成音の再生の要否を示す再生要否情報を取得する。例えば、ユーザAが受信装置70を利用している場合には、再生要否情報として、経済ニュース、スポーツニュース、天気、CMおよび渋滞情報の再生が必要であり、エンタメニュースの再生は不要であることを示す情報を取得する。
【0133】
読み上げ部75は、さらに、再生リストデータに基づいて、再生要否情報が読み上げデータの再生が必要であることを示している種別の読み上げデータを選択し、選択した読み上げデータを再生する。例えば、ユーザAに対しては、経済ニュースなどの読み上げデータの再生は行うが、エンタメニュースの読み上げデータの再生を行わない。
【0134】
なお、再生要否情報には、再生が必要な読み上げデータの種別が含まれており、再生が不要な読み上げデータの種別は含まれていなくてもよい。この場合、読み上げ部75は、再生要否情報に含まれていない種別の読み上げデータは、再生が不要と判断して、再生しないようにしてもよい。
【0135】
また、再生要否情報には、再生が必要な読み上げデータの種別は含まれておらず、再生が不要な読み上げデータの種別が含まれていてもよい。この場合、読み上げ部75は、再生要否情報に含まれていない種別の読み上げデータは、再生が必要であると判断して、再生するようにしてもよい。
【0136】
[3−3.マルチメディア放送の具体例]
図14は、音声データおよび読み上げデータに基づく番組放送の時間経過を示す図である。
図14(a)は、送信装置60から送信される放送信号の内容を示す。
図14(b)は、千葉県北部に向かっているユーザAが利用する受信装置70が再生する音声の内容を示す。
図14(c)は、東京都に向かっているユーザBが利用する受信装置70が再生する音声の内容を示す。
図15は、
図14の続きとして受信装置70が再生する音声の内容を示す図である。つまり、
図15(a)は、
図14(b)の続きとしてユーザAが利用する受信装置70が再生する音声の内容を示し、
図15(b)は、
図14(c)の続きとしてユーザBが利用する受信装置70が再生する音声の内容を示す。
【0137】
図14(a)に示すように、読み上げデータC1の再生開始時刻「12:02:10」よりも前に、データCを含む放送信号が生成部62により生成され、送信部63が、当該放送信号を、読み上げデータC1の再生開始時刻「12:02:10」よりも前に複数回送信する。データCは、再生リストデータCと、地域ごとの読み上げデータC1〜C4と、クーポンデータCと、一覧データAとを含む。
【0138】
受信装置70は、
図11に示した再生リストデータCに従って、音声データおよび読み上げデータC1〜C4の再生を行う。
【0139】
図14(b)および
図15(a)に示すように、ユーザAが利用する受信装置70の再生部73は、再生リストデータCに従い、12:02:00から12:02:10の間、送信装置60から受信した音声データを再生する。地域情報取得部111は、受信装置70が設置された車両80が走行する予定である千葉県北部を示す地域情報を取得する。このため、読み上げ部75は、読み上げデータC1(千葉県北部)、読み上げデータC2(千葉県北部)、読み上げデータC3(千葉県北部)、読み上げデータC4(千葉県北部)を読み上げ対象とする。なお、これらの読み上げデータC1〜C4の種別は、天気、CM、渋滞情報および経済ニュースである。
図13に示した対象種別情報に基づいて、ユーザAはいずれの種別の読み上げデータも再生を必要としていることが再生要否情報取得部113により取得されている。このため、読み上げ部75は、再生リストデータCに従って、読み上げデータC1(千葉県北部)、読み上げデータC2(千葉県北部)、読み上げデータC3(千葉県北部)、読み上げデータC4(千葉県北部)を順次再生する。
【0140】
また、
図14(c)および
図15(b)に示すように、ユーザBが利用する受信装置70の再生部73は、再生リストデータCに従い、12:02:00から12:02:10の間、送信装置60から受信した音声データを再生する。地域情報取得部111は、受信装置70が設置された車両80が走行する予定である東京都を示す地域情報を取得する。このため、読み上げ部75は、読み上げデータC1(東京都)、読み上げデータC2(東京都)、読み上げデータC3(東京都)、読み上げデータC4(東京都)を読み上げ対象とする。なお、これらの読み上げデータC1〜C4の種別は、天気、CM、渋滞情報および経済ニュースである。
図13に示した対象種別情報に基づいて、ユーザBは天気、CMおよび渋滞情報の再生を必要としているが、経済ニュースの再生は必要としていないことが再生要否情報取得部113により取得されている。このため、読み上げ部75は、再生リストデータCに従って、読み上げデータC1(東京都)、読み上げデータC2(東京都)、読み上げデータC3(東京都)を順次再生するが、読み上げデータC4(東京都)は再生しない。読み上げデータC4の再生時間の間は、再生部73がフィラーを再生する。なお、再生を必要としている未再生の読み上げデータがある場合には、フィラーを再生する代わりに、その読み上げデータを再生するようにしてもよい。
【0141】
[3−4.実施の形態3の効果等]
以上説明したように、実施の形態3によると、受信装置70が設置された車両80が存在する地域またはその車両80が走行する予定の地域に応じて、読み上げデータを選択して再生することができる。これにより、ドライバにとって有益な情報を、当該ドライバに提供することができる。
【0142】
また、受信装置70にユーザが好む情報の種別を登録しておくことで、読み上げデータを選択的に再生することができる。これにより、ユーザの好みに合った読み上げデータの再生を行うことができる。
【0143】
なお、車両80が千葉県北部を通過して、千葉県南部に向かうような場合には、これら両地域の読み上げデータを再生してもよい。この時、先に通過する千葉県北部に関する読み上げデータを、後に到達する千葉県南部に関する読み上げデータよりも先に再生してもよい。
【0144】
[4.付記]
以上、本発明の実施の形態に係る放送システム1について説明したが、本発明は、この実施の形態に限定されるものではない。
【0145】
たとえば、送信装置60から送信される再生リストデータは、読み上げデータに基づく合成音を再生する際に、当該再生リストデータに示される合成音の再生時間帯を超えて再生することを許容するか否かを示す延長再生可否情報を含んでいてもよい。
図16は、延長再生可否情報を含む再生リストデータの一例を示す図である。
図16に示す再生リストデータでは、読み上げデータAを再生する際に、再生終了時刻「12:04:10」までに再生が終了しなかったとしても、そのまま読み上げデータAを再生し続けてもよいことを示している。つまり、受信装置70の読み上げ部75は、延長再生可否情報が「可」となっていれば、再生終了時刻「12:04:10」までに再生が終了しなかったとしても、そのまま読み上げデータAを最後まで再生し続ける。
【0146】
この構成によると、例えば、台風情報などの重要な気象情報の読み上げデータの再生を、音声データの再生よりも優先させることができる。これにより、重要な読み上げデータが再生の途中で途切れてしまうのを防ぐことができる。
【0147】
また、上述の実施の形態1および2では、読み上げデータの再生終了後から次の音声データの再生開始までの間にフィラーを再生することとしたが、フィラーの再生のタイミングはこれに限定されるものではない。例えば、音声データの再生終了後から読み上げデータの再生開始までの間に無音時間が発生しないようにするために、その間、フィラーを再生するようにしてもよい。
【0148】
また、上記の各装置は、具体的には、マイクロプロセッサ、ROM、RAM、ハードディスクドライブ、ディスプレイユニット、キーボード、マウスなどから構成されるコンピュータシステムとして構成されてもよい。RAMまたはハードディスクドライブには、コンピュータプログラムが記憶されている。マイクロプロセッサが、コンピュータプログラムに従って動作することにより、各装置は、その機能を達成する。ここでコンピュータプログラムは、所定の機能を達成するために、コンピュータに対する指令を示す命令コードが複数個組み合わされて構成されたものである。
【0149】
さらに、上記の各装置を構成する構成要素の一部または全部は、1個のシステムLSIから構成されているとしてもよい。システムLSIは、複数の構成部を1個のチップ上に集積して製造された超多機能LSIであり、具体的には、マイクロプロセッサ、ROM、RAMなどを含んで構成されるコンピュータシステムである。RAMには、コンピュータプログラムが記憶されている。マイクロプロセッサが、コンピュータプログラムに従って動作することにより、システムLSIは、その機能を達成する。
【0150】
また、本発明は、上記に示す方法であるとしてもよい。また、本発明は、これらの方法をコンピュータにより実現するコンピュータプログラムであるとしてもよいし、上記コンピュータプログラムからなるデジタル信号であるとしてもよい。
【0151】
また、本発明は、上記コンピュータプログラムまたは上記デジタル信号をコンピュータ読取可能な非一時的な記録媒体、例えば、ハードディスクドライブ、CD−ROM、半導体メモリなどに記録したものとしてもよい。また、これらの非一時的な記録媒体に記録されている上記デジタル信号であるとしてもよい。
さらに、上記実施の形態および上記変形例をそれぞれ組み合わせるとしてもよい。
【0152】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。