(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-76962(P2017-76962A)
(43)【公開日】2017年4月20日
(54)【発明の名称】電気音響変換器
(51)【国際特許分類】
H04R 1/02 20060101AFI20170331BHJP
H04R 9/02 20060101ALI20170331BHJP
H04M 1/02 20060101ALI20170331BHJP
H04M 1/03 20060101ALI20170331BHJP
【FI】
H04R1/02 102Z
H04R9/02 101A
H04R9/02 102A
H04M1/02 C
H04M1/03 B
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2016-197476(P2016-197476)
(22)【出願日】2016年10月5日
(31)【優先権主張番号】62/237,961
(32)【優先日】2015年10月6日
(33)【優先権主張国】US
(71)【出願人】
【識別番号】516299383
【氏名又は名称】サウンド、ソリューションズ、インターナショナル、カンパニー、リミテッド
【氏名又は名称原語表記】SOUND SOLUTIONS INTERNATIONAL CO., LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100091982
【弁理士】
【氏名又は名称】永井 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100082991
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 泰和
(74)【代理人】
【識別番号】100105153
【弁理士】
【氏名又は名称】朝倉 悟
(74)【代理人】
【識別番号】100141830
【弁理士】
【氏名又は名称】村田 卓久
(72)【発明者】
【氏名】ミヒャエル、シェーフマン
(72)【発明者】
【氏名】エーリヒ、クライン
(72)【発明者】
【氏名】エリベルト、バウアー
【テーマコード(参考)】
5D012
5D017
5K023
【Fターム(参考)】
5D012BB01
5D012BB02
5D012GA01
5D017AE22
5K023AA07
5K023BB03
5K023BB06
5K023EE05
5K023LL06
(57)【要約】 (修正有)
【課題】モバイル装置のための音質の良好な小型スピーカーを提供する。
【解決手段】音声変換器(スピーカ110)は、薄膜組立体111と、ポットプレート180を含む磁石組立体と、薄膜組立体111と該ポットプレート180の間に差し込まれたカラー116とを備える。カラー116は、側壁122に側面開口124を有し、モバイル装置の筐体内の後部容積に側面通気孔を提供する。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
音声変換器において、
(a)薄膜組立体であって、
(i)外周を有する薄膜と、
(ii)前記薄膜の前記外周に取り付けられた薄膜リングと、
(iii)前記薄膜に取り付けられた薄膜プレートと、を含む薄膜組立体と、
(b)磁石システムであって、
(i)ポット組立体であって、
(A)外周を有するポットプレートと、
(B)前記ポットプレートに取り付けられた中心磁石と、
(C)前記ポットプレートの反対側で前記中心磁石に取り付けられた上部プレートと、を含むポット組立体と、
(ii)外周磁石組立体であって、
(A)前記ポットプレートの前記外周に近接して配置されるとともに、前記中心磁石を取り囲む外側磁石の集合体と、
(B)前記外側磁石の集合体に取り付けられたリングプレートと、を含む外周磁石組立体と、
(iii)前記外周磁石組立体の間に形成された空隙と、を含む磁石システムと、
(c)実質的に矩形のカラーであって、
(i)前記ポットプレートに実質的に平行な第1部分と、
(ii)前記カラーの前記第1部分を通じて延びる実質的に矩形の孔と、
(iii)前記第1部分から実質的に垂直に下方に延びる第2部分であって、後部容積に側面通気孔を設けるために、開口の集合体が前記第2部分を通じて延びる第2部分と、
(iv)前記第2部分から実質的に垂直に外方に延びる支持タブと、を含む実質的に矩形のカラーと、
(d)コイル組立体であって、
(i)前記空隙に位置するとともに、前記薄膜に取り付けられる上面を有するコイルと、
(ii)前記コイルから延びる一対の電気リード線と、を含むコイル組立体と、を備えた音声変換器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気的音声信号を音響音に変換するスピーカーまたは音響音を電気的音声信号に変換する受信機のような音声変換器に関する。また、この発明は、高音響出力のために最適化されるとともに、携帯電話、タブレット、ゲーム装置、ノートパソコンまたは同様の装置のような小さい容積のモバイル装置の中に設置されるマイクロスピーカーに関する。
【背景技術】
【0002】
従来技術のマイクロスピーカーは、スピーカーのための後部容積(back volume)を提供する筐体の中に収納されている。しばしば、後部容積は、吸着体材料によって充填され、後部容積の見かけの仮想の拡張をもたらす。吸着体は、スピーカーの共振周波数を、吸着体がない場合には、より大きい後部容積によってのみ達成され得る値まで下げることに役立つ。従来技術のスピーカーでは、筐体は、小さい孔を通じて吸着体を充填されてもよく、このことは、吸着体の筐体への一様でない、または不完全な充填がもたらされ、音の質が低下する結果となる。
【0003】
本発明は、知られた変換器の不利益がない、モバイル装置のための音声変換器を有することを目的とする。モバイル装置、特にマイクロスピーカーのための新規な音声変換器は、筐体内の後部容積に側面通気孔をもたらす側面開口を含むカラーを備えている。側面開口は、通常のフレームおよび後部通気孔の必要性を取り除き、スピーカーにより小さいサイズをもたらす。また、側面開口の各々は、吸着体材料のサイズよりも小さい最大サイズを有し、吸着体材料がスピーカーの磁石、コイルおよび薄膜に接触することを抑制する。側面開口およびそれのサイズは、筐体が、吸着体材料を直接充填されることを可能にする。吸着体の直接の充填は、後部容積内に吸着体のより一様で完全な分配をもたらし、次に、スピーカーの音質を改善する。このような音声変換器の更なる詳細および利点は、以下の記載および添付の図面により明らかになるであろう。
【発明の概要】
【0004】
簡潔に、本発明の一態様は、薄膜組立体と、コイル組立体と、磁石システムと、を備えた音声変換器に向けられている。薄膜組立体は、外周を有する薄膜と、薄膜の外周に取り付けられた薄膜リングと、薄膜に取り付けられた薄膜プレートと、を含んでいる。磁石システムは、ポット組立体(pot assembly)と、外周磁石組立体(perimeter magnet assembly)と、外周磁石組立体の間に形成された空隙とを含んでいる。ポット組立体は、外周を有するポットプレートと、ポットプレートに取り付けられた中心磁石と、ポットプレートの反対側で中心磁石に取り付けられた上部プレートと、を含んでいる。外周磁石組立体は、ポットプレートの外周に近接して配置されるとともに、中心磁石を取り囲む外側磁石の集合体と、外側磁石の集合体に取り付けられたリングプレートと、を含んでいる。また、音声変換器は、ポットプレートに実質的に平行な第1部分と、カラーの第1部分を通じて延びる実質的に矩形の孔と、第1部分から実質的に垂直に下方に延びる第2部分と、を有する実質的に矩形のカラーを含んでいる。開口の集合体が第2部分を通じて延び、後部容積に側面通気孔を設けている。開口の集合体は、吸着体の筐体への直接の充填を可能にしている。また、支持タブが、カラーの第2部分から実質的に垂直に外方に延びている。コイル組立体は、空隙に位置するコイルと、コイルから延びる一対の電気リード線と、を含んでいる。コイルの上面は、薄膜に取り付けられている。
【0005】
音声変換器の実施の形態では、矩形の形状を有しているように示されるとともに記載されているが、他の実施の形態では、音声変換器は、限定はされないが円形および卵形を含む様々な形状を有してもよいことが理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0006】
本発明のこれらおよび他の態様、特徴、詳細、有用性および利点は、以下の詳細な記載、付加された特許請求の範囲、および本発明の典型的な実施の形態に従って特徴を説明する添付の図面により、より完全に明らかになるであろう。
【0007】
【
図1】
図1は、従来技術の矩形のマイクロスピーカーの要部を示す分解上面斜視図。
【
図2A】
図2Aは、従来技術の矩形のマイクロスピーカーの要部を示す底面斜視図。
【
図2B】
図2Bは、従来技術の矩形のマイクロスピーカーの要部を示す底面斜視図。
【
図3A】
図3Aは、従来技術の筐体の一部内における従来技術の矩形のマイクロスピーカーを示す上面斜視図。
【
図3B】
図3Bは、従来技術の筐体内における従来技術の矩形のマイクロスピーカーを示す断面斜視図。
【
図3C】
図3Cは、従来技術の筐体内における従来技術の矩形のマイクロスピーカーを示す断面斜視図。
【
図4】
図4は、本発明の第1の実施の形態による矩形のマイクロスピーカーを示す分解上面斜視図。
【
図5】
図5は、本発明の第1の実施の形態による矩形のマイクロスピーカーのコイル組立体を示す上面斜視図。
【
図6A】
図6Aは、本発明の第1の実施の形態による矩形のマイクロスピーカーを示す上面斜視図。
【
図6B】
図6Bは、本発明の第1の実施の形態による矩形のマイクロスピーカーを示す底面斜視図。
【
図7】
図7は、本発明の第1の実施の形態による矩形のマイクロスピーカーを示す断面斜視図。
【
図8】
図8は、本発明の第1の実施の形態による矩形のマイクロスピーカーを示す、一部を切り取った上面斜視図。
【
図9A】
図9Aは、本発明の第1の実施の形態による筐体の第1部分内に組み立てられた矩形のマイクロスピーカーを示す上面斜視図。
【
図9B】
図9Bは、本発明の第1の実施の形態による筐体内に組み立てられた矩形のマイクロスピーカーを示す上面斜視図。
【
図10】
図10は、本発明の第1の実施の形態による筐体内に組み立てられた矩形のマイクロスピーカーを示す断面斜視図。
【
図11】
図11は、本発明の第1の実施の形態による筐体内に矩形のマイクロスピーカーを組み立てる方法を説明するフローチャート。
【
図12A】
図12Aは、本発明の第2の実施の形態による矩形のマイクロスピーカーのカラーを示す底面斜視図。
【
図12B】
図12Bは、本発明の第2の実施の形態による矩形のマイクロスピーカーのカラーを示す上面斜視図。
【0008】
一部の図面において、同様の参照符号は、同様または同等の部分を言及している。
【発明を実施するための形態】
【0009】
様々な実施の形態が、様々な装置によりここで記載されている。多数の具体的詳細が明記され、明細書に記載されるとともに、添付の図面に説明されたような実施の形態の全体の構造、機能、製造および使用の完全な理解を提供する。しかしながら、このような具体的詳細なしに、実施の形態が実施されてもよいことが、当業者によって理解されるであろう。他の例では、知られた操作、部品および要素は、詳細には記載されておらず、明細書に記載された実施の形態は不明瞭とはならない。当業者は、ここに記載され、説明された実施の形態は、非限定的な例として理解するであろう。また、ここに開示された具体的な構造的および機能的な詳細は、典型であってもよいとともに、必ずしも実施の形態の範囲を限定せず、実施の形態の範囲は、付加された特許請求の範囲によって単に定義される。
【0010】
明細書全体にわたって、「様々な実施の形態」、「いくつかの実施の形態」、「一実施の形態」若しくは「実施の形態」または同様な記載は、実施の形態と関連して記載された特定の特徴、構造または特性は少なくとも1つの実施の形態に含まれていることを意味している。このため、明細書全体にわたって、適当な箇所での、「様々な実施の形態では」、「いくつかの実施の形態では」、「一実施の形態では」若しくは「実施の形態では」または同様な記載の出現は、必ずしも全てが同一の実施の形態について言及してはいない。また、特定の特徴、構造または特性は、1つ以上の実施の形態において、適切な態様で組み合わされてもよい。このため、一実施の形態と関連して説明され、または記載された特定の特徴、構造または特性は、組み合わせが非論理的または非機能的ではない場合、1つ以上の実施の形態の特徴、構造または特性に、全体としてまたは部分的に組み合わされてもよい。
【0011】
なお、原文の明細書および特許請求の範囲に使用されている単数形の「a」、「an」および「the」は、特に意味を明確に指示していない限り、複数の指示対象を含んでいる。
【0012】
記載内および特許請求の範囲内に、「第1」、「第2」および同様な用語が存在する場合、これらの用語は、同様な要素間を区別するために使用されており、必ずしも特定の順番または番号順を記載するためではない。使用された用語は、適当な状況のもとで取り換え可能であり、ここで記載された本発明の実施の形態は、例えば、ここで説明されたもの、またはここで記載されたもの以外の順番により操作できることが理解されるべきである。また、「含む」、「有する」およびこれらのバリエーションは、非排他的な包括に及ぶように意図されており、要素のリストを含む処理、方法、物品または装置は、必ずしもこれらの要素に限定されず、明示的にリストアップされていない、またはこのような処理、方法、物品または装置に固有ではない他の要素を含んでいてもよい。
【0013】
記載内および特許請求の範囲内に、「左」、「右」、「前」、「後」、「頂部」、「底部」、「上」、「下」および同様な用語が存在する場合、これらの用語は、記述的な意向のために使用されており、必ずしも恒久的な相対位置を記載するためではない。使用された用語は、適当な状況のもとで取り換え可能であり、ここで記載された本発明の実施の形態は、例えば、ここで説明されたもの、またはここで記載されたもの以外の幾何学的配置により操作できることが理解されるべきである。
【0014】
明細書内および特許請求の範囲内で使用される寸法等を表す全ての数字は、「約」との用語によって全ての例が修正されるものとして理解されるべきである。
【0015】
図1は、従来技術の矩形のマイクロスピーカー10の要部を示す分解上面斜視図である。スピーカー10は、通常、例えば、エーテルケトン(PEEK)、アクリレートおよび/若しくは熱可塑性エラストマー(TEP)、ポリエーテルイミド(PEI)、並びに/または技術的に知られた他の材料のような、1つ以上の材料の層から作られた薄膜12を備えている。薄膜12は、薄膜12を強化する薄膜プレート14を含んでいてもよい。スピーカー10は、リード線34を含むコイル32を更に備えている。コイル32を駆動する電気的信号は、リード線34を通じてコイル32に送られる。組み立てられたスピーカー10のコイル32は、例えば、接着剤、テープまたは技術的に知られた他の接着部材のような接着部材によって薄膜12に固定される。
【0016】
スピーカー10は、外周磁石組立体52およびポット組立体60を含む磁石システム50を備えている。外周磁石組立体52は、矩形のスピーカー10の矩形の側面に配置された4つの磁石54と、磁石54に固定されたリングプレート58と、を含んでいる。ポット組立体60は、ポットプレート80と、ポットプレート80の中心に配置された磁石62と、ポットプレート80の反対側で磁石62に固定された上部プレート64と、を含んでいる。外周磁石組立体52およびポット組立体60は、磁場ガイド68を形成している。磁場ガイド68は、外周磁石組立体52と中心磁石組立体60との間の空隙70において、組み立てられたスピーカー10に配置されたコイル32内に、磁石54、62の磁場を導くとともに集束する。
【0017】
従来技術のマイクロスピーカー10は、マグネットシステム50と薄膜12とを組み立てるとともに整列させるフレーム90を更に備えている。コイル32は、空隙70内に収まるとともに、リード線34を通じてコイル32に送られた電気的信号に従って、空隙70内を上下に移動することができる。通常、フレーム90は、フレーム90がスピーカー10の他の部品に対するエアフローおよび固定を可能にする開口を含む複雑な表面を有することができるように、成形プラスチックから作製されている。コイル32のリード線34の端部は、導体パッド92tにはんだ付けされ、組立処理の間に、フレーム90の上面に固定される。
図2Aに示すように、フレーム90の底面は、フレーム90の上面の導体パッド92tに電気的に接続される導体パッド92bを含んでいる。
図2Bに示すように、更なる電気的接続が、導体パッド96を含むフレキシブルプリント基板94により作り出されている。フレキシブルプリント基板94の導体パッド96は、組立処理の間に、導体パッド92bにはんだ付けされる。コイル32を駆動する電気的信号は、フレキシブルプリント基板94、導体パッド96、導体パッド92bおよび導体パッド92tを通じて、リード線34に送られる。また、
図2Aおよび
図2Bに示すように、ポットプレート80は、後部容積103(
図3Bおよび
図3C参照)と薄膜12の後部容積側面(back volume side)との間でエアフローを可能にする底部通気孔98を含んでいる。従来技術のスピーカー10の底部通気孔98は非対称になっており、音響性能の低下の原因となり得るとともに、薄膜12を早めに消耗させ得る薄膜12のタンブルを潜在的に与えるようになっている。底部通気孔98は、コイル32に送られる電気的信号に従って、薄膜12の振動を可能にする。
【0018】
図3A、
図3Bおよび
図3Cを参照すると、従来技術のマイクロスピーカー10は、通常、筐体100内に置かれており、筐体100は、スピーカー10のための後部容積103を提供する。筐体100は、クラムシェルのように2つの部分から形成されてもよく、第1筐体部分102aと第2筐体部分102bとを含んでいてもよい。スピーカー10は、第1筐体部分102aと第2筐体部分102bとの間に差し込まれている。いくつかの応用では、後部容積103に吸着体が含まれていてもよい。吸着体は、より効果的な後部容積を生み出すように作用し、音響性能および質を改善し得る。吸着体を含む応用のために、通常、隔離体106が第1筐体部分102aと第2筐体部分102bとの間に差し込まれている。隔離体106は、薄膜12と後部容積103内に置かれた吸着体108との間でエアフローを可能にする孔107の集合体を含んでいる。孔107は、通常、筐体内に充填された吸着体材料108よりも小さい最大寸法を有しており、吸着体材料は、磁石54、62、コイル32およびスピーカー10の薄膜12に接触しない。
【0019】
従来技術の応用では、第1筐体部分102aと第2筐体部分102bとが互いに噛み合わされた後、後部容積103に充填孔104を通じて吸着体108が充填される。後部容積103に吸着体108が充填された後、ステッカーのようなカバー109が、孔104を塞ぐために孔104を覆って置かれる。
【0020】
音響性能および質は、後部容積103に充填される吸着体108の量に高く依存している。しかしながら、充填孔104を通じた吸着体108の後部容積103への充填は、最善ではない。すなわち、吸着体108が一団となり、または後部容積103の一部に不規則に集まり、特定の構造のために要求された望まれた量の吸着体108を後部容積103に充填することが抑制され得る。これは、音響性能および質のための構造が満たされないことをもたらす。また、特定の構造のために要求された望まれた量の吸着体108が後部容積103に充填されたとしても、カバー109が最終的に緩み、吸着体108が後部容積103から漏れ、または出てき得る。これは、時間と共に音響性能および質の低下をもたらす。
【0021】
本発明の第1の実施の形態に関連する部品は、
図4乃至
図11に示されている。
図4は、矩形のスピーカー110に関連する部品を示す分解斜視図である。
図5は、コイル132の組立体およびフレキシブルプリント基板136を示す斜視図である。
図6Aは、矩形のスピーカー110に関連する部品を示す上面斜視図である。
図6Bは、矩形のスピーカー110に関連する部品を示す底面斜視図である。
図7は、矩形のスピーカー110に関連する部品を示す断面斜視図である。
図8は、矩形のスピーカー110に関連する部品を示す、一部を切り取った上面斜視図である。
図9Aは、筐体190の第1部分192a内に組み立てられた矩形のスピーカー110に関連する部品を示す上面斜視図である。
図9Bは、筐体190内に組み立てられた矩形のスピーカー110に関連する部品を示す上面斜視図である。
図10は、筐体190内に組み立てられた矩形のスピーカー110に関連する部品を示す断面斜視図である。
図11は、筐体190内に矩形のマイクロスピーカー110を組み立てる方法を説明するフローチャートである。
【0022】
図4を参照すると、スピーカー110は、薄膜組立体111と、カラー116と、コイル組立体130と、磁石システム150と、を備えている。薄膜組立体111は、薄膜112と、薄膜112の外周の周囲に延びる薄膜リング113と、薄膜112を強化する薄膜プレート114と、を含んでいる。薄膜112は、例えば、エーテルケトン(PEEK)、アクリレートおよび/若しくは熱可塑性エラストマー(TEP)、ポリエーテルイミド(PEI)、並びに/または技術的に知られた他の材料のような、1つ以上の材料の層から作られていてもよい。
【0023】
磁石システム150は、外周磁石組立体152と、ポット組立体160と、それらの間に形成された空隙170と、を含んでいる。外周磁石組立体152は、矩形のスピーカー110の矩形の側面に配置された4つの磁石154と、磁石154に固定されたリングプレート158と、を含んでいる。ポット組立体160は、ポットプレート180と、ポットプレート180の中心に配置された磁石162と、ポットプレート180の反対側で磁石162に固定された上部プレート164と、を含んでいる。外周磁石組立体152およびポット組立体160は、磁場ガイド168を形成している。磁場ガイド168は、外周磁石組立体152と中心磁石組立体160との間の空隙170(
図7参照)において、組み立てられたスピーカー110に配置されたコイル組立体130内に、磁石154、162の磁場を導くとともに集束する。
【0024】
続いて、
図4および
図5を参照すると、コイル組立体130は、コイル132と、リード線134と、フレキシブルプリント基板136と、を含んでいる。コイル132を駆動するための電気的信号は、フレキシブルプリント基板136およびリード線134を通じて送られる。組み立てられたスピーカー110のコイル132は、例えば、接着剤、テープまたは技術的に知られた他の接着部材のような接着部材によって薄膜112に固定される。従来技術のマイクロスピーカーと異なり、コイル132のリード線134は、フレキシブルプリント基板136に直接接続されている。フレキシブルプリント基板136は、フレキシブルプリント基板136の第1末端部上に一対の導体パッド138を含み、一対の導体パッド138は、第1末端部の反対側のプリント基板136の第2末端部上の導体パッド140と電気通信をする。導体パッド140と138との間の電気通信は、技術的に知られた配線および/またはビアを使用して実現されてもよい。リード線134は、はんだ接続によって導体パッド138に電気的に接続されており、電気的信号を電極部分(図示せず)からフレキシブルプリント基板136の配線および/ビアを通じて、導体パッド138を通じて、およびリード線134を通じて、導体パッド140およびコイル132に流すことを可能にしている。当業者によって、様々な実施の形態では、リード線134とフレキシブルプリント基板136との間の電気的接続は、技術的にしられた様々な方法、例えば、フレキシブルプリント基板136に取り付けられた電気コネクタ内にリード線134を挿入することによって実現されてもよいことが理解されるであろう。
【0025】
図1、
図2Aおよび
図2B示す従来技術のマイクロスピーカー10と異なり、マイクロスピーカー110は、フレーム90に含まれていた導体パッド92tおよび導体パッド92bを必要としない。電極部分からコイル132に電気的信号を送信するために必要な追加の部品を取り除くことにより、従来技術のスピーカー10と比較して、サイズが減少し、部品および製造コストが減少し、スピーカー110のための耐久性および音質が向上する。例えば、リード線134をフレキシブルプリント基板136の導体パッド138に直接接続することによって、電気的接続の数が各リード線134につき、1つ減少する。
【0026】
図4および
図5に示すように、コイル132のリード線134は、フレキシブル基板136に近接した、コイルの側面から延びており、各リード線134は、小さい輪を形成している。これは、リード線134が従来技術のマイクロスピーカー10のリード線34よりも長さが短くなることを可能にする。しかしながら、他の実施の形態では、例えば、コイル132のリード線134は、コイル132のリード線134がフレキシブル基板136に遠位の、コイルの側面から延び、かつフレキシブルプリント基板136の導体パッド138に電気的に接続されるために、内方に輪状になっていてもよい。図示のように、リード線134は、コイル132の底部から延びており、コイルが静止位置にあるとき、実質的に水平かつフレキシブルプリント基板136と実質的に同一平面内にあってもよい。様々な実施の形態では、スピーカー110は、2015年4月15日に出願され、「Speaker with Supported Coil Wire」という名称の米国仮出願62/147,801号に記載されているように、コイル132および/またはリード線134を支持するための1つ以上の支持部材を含んでいてもよい。これの全体は、ここで参照として組み込まれる。コイル組立体130の他の特徴は、2015年4月15日に出願され、代理人整理番号112256−0091を有する「Electroacoustic Transducer with Flexible Coilwire Connection」という名称の米国仮出願に記載されている。これの全体は、参照として組み込まれる。
【0027】
図4、
図6A、
図6B、
図7および
図8を参照すると、カラー116は、実質的に水平かつポットプレート180に実質的に平行な第1部分118を含んでいる。実質的に矩形の開口120は、スピーカー110の操作の間、コイル132が移動する第1部分118に設けられている。第1部分118は、リムとして役立ち、通常、例えば接着剤または接着部材によって薄膜リング113に取り付けられている。カラー116の第1部分118の側面から、下方かつ実質的に垂直に延びるものは第2部分であり、側壁122として示されている。側壁122は、カラー116の外周の周囲に延びている。
【0028】
カラー116は、側壁122から実質的に水平に延びる安定化タブ126を含んでいる。
図6Aおよび
図7に示すように、安定化タブ126は、フレキシブルプリント基板136と結合し、フレキシブルプリント基板136を安定化することに役立ち、リード線134と導体パッド138との間の電気的接続を保護し、スピーカー110内のカラー116およびコイル組立体130の位置を維持する。安定化タブ126は、例えば、接着剤、テープまたは技術的に知られた他の接着部材のような接着部材142(
図4参照)を使用してフレキシブルプリント基板136に取り付けられている。
【0029】
側壁122は、カラー116の角部に近接するとともに、側壁122を通じて延びる開口124の集合体を含んでいる。好ましくは、カラー116の角部に近接して、開口124の2つの配列が存在する。開口124は、段および列に配置された実質的に円形の孔として示されている。カラー116の側壁122の各側面は、15個の開口124の2つの配列に配置された30個の開口124と共に示されている。様々な実施の形態では、例えば、開口124は、側壁122にレーザー加工されてもよい。開口124は、後部容積196(
図10参照)と薄膜112(
図8の矢印A参照)の後部容積側面との間でエアフローを可能にする側面通気孔として役立つ。
図4および
図8に示すように、開口124は、外周磁石組立体152の磁石154の間で、隙間156と実質的に整列させられ、スピーカー110は、後部容積196(
図10参照)と薄膜112の後部容積側面との間に実質的に確実な空気通路を含んでいる。このため、開口124は、コイル132に送られる電気的信号に反応した薄膜112のひずみのない振動を可能にする。カラー116上に開口124を包括しているため、
図2Aおよび
図2Bに示すような後部通気孔は、ポットプレート180に必要ない。ポットプレート180上の後部通気孔を必要としないことにより、ポットプレート180の形状および/または特徴は、従来技術のスピーカーのポットプレート80と比較して簡略化され、部品のコストが減少し得る。
【0030】
開口124の数および/またはサイズは、変更されてもよく、後部容積(図示せず)に適当なサイズの側面通気孔を提供し、スピーカーのための望まれた音響性能を達成する。すなわち、開口124の合計の開口領域は、特定の応用の設計要件に従って修正されてもよい。同様に、側壁122での開口124の配置は、側壁122の角部に隣接していることに限定されず、外周磁石組立体152の磁石154の間で、隙間156と実質的に整列させられることに限定されない。例えば、開口124は、側壁122の1つ以上の側面に沿った中間点に設置されてもよい。他の実施の形態では、例えば、開口124は、側壁122の1つ以上の側面に沿って一様にまたは一様ではなく分配されてもよい。好ましくは、カラー116の側壁122の各側面での開口124の開口領域は、実質的に等しくなっている。これは、側壁122の全ての側面での開口124を通じた実質的に等しい給気および排気を可能にし、薄膜112の全体にわたって、薄膜112の実質的に垂直に等しい移動を促進させる。すなわち、これにより薄膜112のタンブルを減少または取り除きやすくなり、次に、薄膜112の早めの故障をもたらし得る薄膜112への不均一な応力を減少または取り除く。このため、薄膜112のタンブルを減少させることにより、音響性能および質が向上し、薄膜112およびスピーカー110の耐久性が向上する。
【0031】
他でより詳細に記載されたように、スピーカー110は、筐体190内に置かれ、吸着体材料が直接充填されてもよい。吸着体がスピーカー110の磁石154、162、コイル132および薄膜112に接触することを抑制するために、開口124は、筐体内に充填された吸着体材料よりも小さい最大寸法を有してもよい。吸着体材料は、例えば、2013年7月4日に公開され、「Loudspeaker System with Improved Sound」という名称の米国公開公報2013/0170687号公報に記載されているゼオライト材料でもよい。これの全体は、ここで参照として組み込まれる。
【0032】
カラー116は、好ましくは、約0.1mm〜約0.2mm(例えば、約0.1mm、約0.11mm、約0.12mm、約0.13mm、約0.14mm、約0.15mm、約0.16mm、約0.17mm、約0.18mm、約0.19mm、約0.20mm)の厚みを有するステンレス鋼のシートから形成されている。様々な実施の形態では、カラー116の厚みは、0.1mm未満であってもよい。様々な他の実施の形態では、カラー116の厚みは、0.2mmよりも大きくてもよい。他の実施の形態では、例えば、カラー116は、限定はされないが、金属(例えば、スチール、アルミニウム、チタニウム、マグネシウムおよびこれらの合金)、プラスチック(例えば、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン(ABS)、ポリ塩化ビニル(PVC))、複合材料(例えば、カーボン・ファイバー、アラミド強化ポリマー)等を含む様々な材料から形成されてもよい。カラー116は、限定はされないが、プレス、鋳造、射出成型を含む付加的な製造等によって形成されてもよい。
【0033】
組み立てられたスピーカー110が、
図6A、
図6B、
図7および
図8に示されている。薄膜組立体111は、カラー116に取り付けられており、カラー116は、次に、フレキシブルプリント基板136に(例えば接着部材142によって)支持タブ126により取り付けられる。フレキシブルプリント基板126は、ポットプレート180に取り付けられており、外周磁石組立体152および中心磁石162がポットプレート180に取り付けられる。様々な実施の形態では、例えば、カラー116は、スピーカー110の剛性を向上させるためにポットプレートに取り付けられていてもよい。
【0034】
図9A、
図9Bおよび
図10を参照すると、筐体190内に据付けられた、組み立てられたスピーカー110が示されている。筐体190は、第1筐体部分192aと、第2筐体部分192bと、を含んでいる。後部容積196は、第1筐体部分192aと、第2筐体部分192bと、スピーカー110とによって画定されている。第2筐体部分192bは、開口194を含んでおり、開口194は、スピーカー110のポットプレート180と実質的に同じサイズになっている。スピーカー110が第1筐体部分192a内に組み立てられ、第2筐体部分192bが第1筐体部分192a内に置かれたとき、ポットプレート180は、開口194を塞ぐために役立つ。開口194に挿入されるとともに、開口194を閉じるポットプレート180を有していることにより、筐体190の外寸を減少し、一方で筐体190の後部容積196を最大化することができる。このため、従来技術のスピーカー10および筐体100と比較して、より大きいスピーカー110およびより大きい後部容積196が装置内で使用され得る。または、代わりに従来技術のスピーカー10と同一の音響性能を有する、より小さいスピーカー110が装置内で使用され得る。
【0035】
続いて
図9A、
図9Bおよび
図10を参照するとともに、
図11を参照すると、スピーカー110を筐体190内に組み立てるとともに、吸着体を後部容積196に充填する方法が記載されている。ステップ1100において、スピーカー110は、薄膜112が下方を向いた状態で第1筐体部分192a内に置かれる。
図9Aに示すように、薄膜112は、側面発射ポート199(side firing port)(
図10参照)を仕切る音経路198と連通している。スピーカー110が第1筐体部分内に置かれた後、開いた容積は、第1筐体部分192a内に残っている。第2筐体部分192bが第1筐体部分192a内に置かれたとき、開いた容積が後部容積になるであろう。ステップ1102において、望まれた量の吸着体材料が開いた容積に直接充填される。開いた容積の全体が容易に接近可能であり、側面通気孔が開口124によって設けられているため、特定の構造のために望まれ、または特有の吸着体の全体が容易に筐体190内に充填される。個々の開口124の最大サイズが吸着体材料のサイズよりも小さいため、吸着体材料が磁石154、162、コイル132および薄膜112に接触する危険を伴うことなく、吸着体がスピーカー110に対して直接充填され得る。また、開口124を含んでおり、かつそれのサイズにより、スピーカー10のような隔離体プレート106は必要ない。ステップ1104において、特有の量の吸着体が第1筐体部分192a内に充填された後、第2筐体部分192bが第1筐体部分192a内に置かれる。第2筐体部分192bは、第1筐体部分192aおよびポットプレート180に対して塞がれてもよい。このため、従来技術の構造とは異なり、カバーによって塞がれることを必要とする小さい充填孔は存在しない。
【0036】
様々なステップがここでは1つの順番で記載されたが、他の実施の形態の方法は、本発明の範囲から逸脱することなく、いかなる順番、および/または記載された全てのステップを行うことなく、実行され得るということが理解されるであろう。
【0037】
側面発射ポート199を仕切る音経路198を含む筐体190が説明されたが、様々な実施の形態では、スピーカー110の筐体は、上部または底部発射ポートを仕切る音経路を含んでいてもよい。筐体190は、通路を更に含んでもよく、通路からフレキシブルプリント基板136が出ることにより、スピーカー110を駆動するための電極部分(図示せず)に接続されてもよい。
【0038】
本発明のカラー216の別の実施の形態は、
図12A、
図12Bに説明されているとともに、以下に記載されている。1つ以上のカラー116およびカラー216の幾つかの特徴は、互いに共通しており、従って、一実施の形態におけるそのような特徴の記載は、他の実施の形態に適用することが理解されるべきである。また、一実施の形態に特定の特質および態様は、組み合わされ、またはその代わりに他の実施の形態に特定の特質および態様に使用されてもよい。
【0039】
カラー216は、実質的に水平かつポットプレート180に実質的に平行な第1部分218を含んでいる。実質的に矩形の開口220は、スピーカー110の操作の間、コイル132が移動する第1部分218に設けられている。第1部分218は、リムとして役立ち、通常、例えば接着剤または接着部材によって薄膜リング113に取り付けられている。カラー216の第1部分218の側面から、下方かつ実質的に垂直に延びるものは第2部分であり、側壁222として示されている。側壁222は、カラー216の外周の周囲に延びている。
【0040】
側壁216は、カラー216の角部に近接するとともに、側壁222を通じて延びる開口224の集合体を含んでいる。開口224は、列に配置されたスロットとして示されている。スロット開口224は、側壁222の末端部からカラー216の第1部分218に向かって上方に延びるように示されている。様々な実施の形態では、例えば、開口224は、側壁222にレーザー加工されてもよい。開口224は、後部容積(図示せず)と薄膜112の後部容積側面との間でエアフローを可能にする側面通気孔として役立つ。開口124は、外周磁石システム150の磁石154の間で、隙間と実質的に整列させられ、スピーカーは、後部容積と薄膜112の後部容積側面との間に実質的に確実な空気通路を含んでいてもよい。このため、開口224は、コイル132に送られる電気的信号に反応した薄膜112のひずみのない振動を可能にする。カラー116上に開口124を包括しているため、
図2Aおよび
図2Bに示すような後部通気孔は、ポットプレート180に必要ない。ポットプレート180上の後部通気孔を必要としないことにより、ポットプレート180の形状および/または特徴は、従来技術のスピーカーのポットプレート80と比較して簡略化され、部品のコストが減少し得る。
【0041】
カラー216は、側壁222から実質的に水平に延びる安定化タブ226を含んでいる。安定化タブ226は、
図4、
図6A、
図6Bおよび
図7に示す安定化タブ126と同じように機能する。安定化タブ226は、フレキシブルプリント基板136と結合し、フレキシブルプリント基板136を安定化することに役立ち、リード線134と導体パッド138との間の電気的接続を保護し、スピーカー内のカラー216およびコイル組立体130の位置を維持する。安定化タブ226は、例えば、接着剤、テープまたは技術的に知られた他の接着部材のような接着部材142(
図4参照)を使用してフレキシブルプリント基板136に取り付けられている。
【0042】
音声変換器の実施の形態では、矩形の形状を有しているように示されるとともに記載されているが、他の実施の形態では、音声変換器は、限定はされないが円形および卵形を含む様々な形状を有してもよいことが理解されるであろう。従って、本発明は、矩形の形状を有している音声変換器に限定はされない。
【0043】
最後に、なお、本発明は上述した実施の形態に限定されず、例としての典型的なものである。また、発展、変形および組み合わせが、特許請求の範囲内において存在するとともに、上記の開示から、当業者が所有するものとして置かれている。従って、ここで記載かつ説明された技術および構造は、実例かつ典型的なものであり、本発明の範囲を限定しないものと理解されるべきである。本発明の範囲は、知られた同等のものおよびこの出願の出願時に予測不可能な同等なものを含む、付加された特許請求の範囲によって定義される。
【手続補正書】
【提出日】2016年12月1日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
音声変換器において、
薄膜を含む薄膜組立体と、
外周を有するポットプレートを含む磁石組立体と、
前記薄膜組立体と前記ポットプレートとの間に差し込まれたカラーとを備え、
前記カラーは、前記カラーの各側面に沿って前記ポットプレートに垂直に延びる側壁と、前記側壁を貫通して延びる1つ以上の開口とを含む、音声変換器。
【請求項2】
前記磁石組立体は、ポットプレートの前記外周に近接して配置された磁石の集合体と、各磁石の間の隙間を含む1つ以上の隙間とを更に含み、
前記カラーの前記側壁内の前記開口は、前記隙間に近接して位置している、請求項1に記載の音声変換器。
【請求項3】
前記カラーの前記側壁内の前記開口は、前記磁石組立体内の前記隙間に対して整列され、前記開口を通じて確実な空気通路を提供する、請求項2に記載の音声変換器。
【請求項4】
前記カラーは、矩形であるとともに、4つの角部区域を有し、
前記開口は、各角部区域に近接して列状に配置されている、請求項1に記載の音声変換器。
【請求項5】
前記開口は、前記カラーの各側面で2つの列に配置されている、請求項4に記載の音声変換器。
【請求項6】
前記開口は、円形である、請求項1に記載の音声変換器。
【請求項7】
前記開口は、段および列に配置されている、請求項1に記載の音声変換器。
【請求項8】
前記開口は、前記カラーの各側面に位置し、
前記開口は、前記カラーの各側面に、等しい開口領域を提供する、請求項1に記載の音声変換器。
【請求項9】
前記開口は、前記薄膜組立体の前記薄膜のタンブルを減少するために配置されている、請求項1に記載の音声変換器。
【請求項10】
前記開口は、スロットである、請求項1に記載の音声変換器。
【請求項11】
前記カラーは、矩形の開口が貫通して延びる前記側壁から内方に延びるリムを更に含む、請求項1に記載の音声変換器。
【請求項12】
前記カラーは、前記カラーの一側面に沿って前記側壁から延びる安定化タブを更に含む、請求項1に記載の音声変換器。
【請求項13】
音声変換器組立体において、
音声変換器であって、
薄膜と、
ポットプレートを有し、前記ポットプレートは外周を有する、磁石システムと、
前記薄膜と前記ポットプレートとの間に差し込まれたカラーとを備え、
前記カラーは、前記ポットプレートに垂直に延びる側壁と、前記側壁を貫通して延びる1つ以上の開口とを含む、音声変換器と、
前記音声変換器が中に収納される筐体とを備え、
前記筐体と前記音声変換器とが後部容積を画定し、
前記側壁内の前記開口は、前記後部容積と前記音声変換器との間の前記開口を通じて、側面通気孔エアフロー(side venting air flow)を可能にする、音声変換器組立体。
【請求項14】
前記後部容積内に位置する吸着体材料を更に備え、
前記吸着体材料の少なくとも一部は、前記音声変換器の前記側壁に接触し、
前記側壁内の前記開口は、前記吸着体材料よりも小さい最大寸法を有し、前記吸着体材料が前記開口を通じて前記音声変換器内に移動することを抑制する、請求項13に記載の音声変換器組立体。
【請求項15】
前記筐体は、第1筐体部分と、
第2筐体部分とを含み、
前記第2筐体部分は、前記音声変換器の前記ポットプレートに対応する開口を含み、前記音声変換器が前記第1筐体部分内に置かれ、前記第2筐体部分が前記第1筐体部分内に置かれたとき、前記ポットプレートは、前記第2筐体部分内の前記開口を塞ぐ、請求項13に記載の音声変換器組立体。
【請求項16】
前記磁石システムは、ポットプレートの前記外周に近接して配置された磁石の集合体と、各磁石の間の隙間を含む1つ以上の隙間とを更に含み、
前記カラーの前記側壁内の前記開口は、前記隙間に近接して位置している、請求項13に記載の音声変換器組立体。
【請求項17】
前記カラーの前記側壁内の前記開口は、前記磁石システム内の前記隙間に対して整列され、前記開口を通じて確実な空気通路を提供する、請求項16に記載の音声変換器組立体。
【請求項18】
前記開口は、前記側壁内に位置し、前記薄膜組立体の前記薄膜のひずみのない振動を可能にする、請求項1に記載の音声変換器。
【請求項19】
音声変換器組立体を組み立てる方法において、音声変換器組立体は、
(i)第1筐体部分と、第2筐体部分とを含む筐体と、
(ii)音声変換器であって、薄膜と、ポットプレートを有する磁石組立体と、前記薄膜と前記ポットプレートとの間に差し込まれたカラーとを有し、前記カラーは側壁および前記側壁を貫通して延びる1つ以上の開口を有する、音声変換器とを備え、
前記方法は、
i)前記音声変換器を前記第1筐体部分内に置く工程と、
ii)所望の量の吸着体材料を前記第1筐体部分に充填する工程であって、前記吸着体材料は、前記音声変換器に対して直接充填されてもよく、前記側壁内の前記開口は、前記吸着体材料よりも小さい最大寸法を有し、前記吸着体材料が前記開口を通じて前記音声変換器内に移動することを抑制する、所望の量の吸着体材料を前記第1筐体部分に充填する工程と、
iii)前記第2筐体部分を前記第1筐体部分内に置く工程とを備えた、音声変換器組立体を組み立てる方法。
【請求項20】
前記第2筐体部分は、前記ポットプレートに対応する開口を含み、
前記方法は、前記音声変換器の前記ポットプレートによって前記第2筐体部分内の前記開口を塞ぐ工程を更に備えた、請求項19に記載の音声変換器組立体を組み立てる方法。
【外国語明細書】