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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-77854(P2017-77854A)
(43)【公開日】2017年4月27日
(54)【発明の名称】チェーンレス車両のリニア変速機構
(51)【国際特許分類】
   B62M 11/12 20060101AFI20170407BHJP
   F16H 15/52 20060101ALI20170407BHJP
   B62M 6/55 20100101ALI20170407BHJP
   B62M 11/02 20060101ALI20170407BHJP
   B62M 17/00 20060101ALI20170407BHJP
【FI】
   B62M11/12
   F16H15/52 G
   B62M6/55
   B62M11/02
   B62M17/00 C
【審査請求】有
【請求項の数】12
【出願形態】OL
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2015-207776(P2015-207776)
(22)【出願日】2015年10月22日
(11)【特許番号】特許第6033388号(P6033388)
(45)【特許公報発行日】2016年11月30日
(71)【出願人】
【識別番号】509339957
【氏名又は名称】摩特動力工業股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】MOTIVE POWER INDUSTRY CO.,LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】特許業務法人HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】程信霖
(72)【発明者】
【氏名】▲とう▼景忠
【テーマコード(参考)】
3J051
【Fターム(参考)】
3J051AA03
3J051BA02
3J051BB08
3J051BD02
3J051BE07
3J051CA03
3J051CB07
3J051DA02
3J051DA06
3J051FA01
(57)【要約】
【課題】構造が簡素かつ小型であり、リニア変速領域が広く、伝達ロスが少なく、変速するときにジャークが発生することを防ぐチェーンレス車両のリニア変速機構を提供する。
【解決手段】チェーンレス車両のリニア変速機構は、変速部1、軸方向動力入力回転体2、軸方向動力出力回転体3、足踏み式横方向動力源4、軸方向動力伝達部5及び横方向動力出力部6を備える。軸方向動力入力回転体2は、内傾斜動力入力環状面を有するとともに、支持回転体の軸方向に沿って動力を入力する。足踏み式横方向動力源4は、支持回転体の径方向に沿って軸方向動力入力回転体2と噛合される。軸方向動力伝達部5は、支持回転体の軸方向に沿って軸方向動力出力回転体3と噛合される。横方向動力出力部6は、支持回転体の径方向に沿って軸方向動力伝達部5と噛合される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
変速部、軸方向動力入力回転体、軸方向動力出力回転体、足踏み式横方向動力源、軸方向動力伝達部及び横方向動力出力部を備えたチェーンレス車両のリニア変速機構であって、
前記変速部は、支持回転体、複数の伝動球体及び複数の駆動円杆を有し、前記伝動球体は、前記支持回転体に間隔をおいて移動可能に配置され、前記伝動球体の径方向上には、円柱状収納部が設けられ、前記駆動円杆の内方端は、前記支持回転体の径方向に沿って前記円柱状収納部に移動可能に配置され、前記支持回転体の径方向を起点として前記支持回転体の軸方向に至るまで前記駆動円杆が偏心回転され、
前記軸方向動力入力回転体は、内傾斜動力入力環状面を有するとともに、前記支持回転体の軸方向に沿って動力を入力し、
前記軸方向動力出力回転体は、内傾斜動力出力環状面を有するとともに、前記支持回転体の軸方向に沿って動力を出力し、前記伝動球体は、前記内傾斜動力入力環状面と、前記内傾斜動力出力環状面と、前記支持回転体との間に移動可能に挟持され、
前記足踏み式横方向動力源は、前記支持回転体の径方向に沿って前記軸方向動力入力回転体と噛合され、
前記軸方向動力伝達部は、前記支持回転体の軸方向に沿って前記軸方向動力出力回転体と噛合され、
前記横方向動力出力部は、前記支持回転体の径方向に沿って前記軸方向動力伝達部と噛合されることを特徴とするチェーンレス車両のリニア変速機構。
【請求項2】
前記足踏み式横方向動力源と噛合する補助動力源をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載のチェーンレス車両のリニア変速機構。
【請求項3】
前記補助動力源は、補助動力ベベルギヤを有し、
前記足踏み式横方向動力源は、横方向動力ベベルギヤを有し、
前記補助動力ベベルギヤは、前記横方向動力ベベルギヤと噛合することを特徴とする請求項2に記載のチェーンレス車両のリニア変速機構。
【請求項4】
前記補助動力源は、前記支持回転体の径方向に沿って設置されるか、前記支持回転体の軸方向に沿って設置されることを特徴とする請求項2に記載のチェーンレス車両のリニア変速機構。
【請求項5】
前記軸方向動力入力回転体及び前記軸方向動力出力回転体は、前記伝動球体の対をなす2側にそれぞれ設けられ、
前記伝動球体が前記内傾斜動力入力環状面と、前記内傾斜動力出力環状面と、前記支持回転体の外円周面との間に移動可能に挟持され、
前記円柱状収納部は、円柱状収納槽を含み、
前記駆動円杆の内方端は、前記支持回転体の径方向に沿って前記円柱状収納槽内に移動可能に配置され、
前記変速部は、駆動環体を有し、
前記駆動円杆の外方端は、前記駆動環体に枢着され、
前記駆動環体は、前記支持回転体の軸方向に沿って移動することを特徴とする請求項1に記載のチェーンレス車両のリニア変速機構。
【請求項6】
前記変速部は、駆動リードスクリュー及び少なくとも1つの案内杆体を含み、
前記駆動リードスクリューは、前記駆動環体に貫通されて噛合され、
前記案内杆体は、前記駆動環体に移動可能に貫通されることを特徴とする請求項5に記載のチェーンレス車両のリニア変速機構。
【請求項7】
前記変速部は、駆動環体及び位置決め体を有し、
前記駆動環体の内環面には、複数の斜め案内溝が形成され、
前記位置決め体は、前記支持回転体の軸方向を取り囲むように形成された複数の軸方向位置決め貫通孔を有し、
前記軸方向位置決め貫通孔は、径方向の外側に軸方向案内開口が形成され、径方向の内側に軸方向円弧状案内溝が形成され、
前記駆動環体は、前記位置決め体の外側に移動可能に配置される上、前記伝動球体が前記軸方向位置決め貫通孔内に移動可能にそれぞれ閉じこめられ、前記伝動球体の対をなす2側は、前記軸方向位置決め貫通孔の対をなす2側から露出され、前記円柱状収納部は、円柱状収納流路をそれぞれ含み、前記駆動円杆の内方端は、前記支持回転体の径方向に沿って前記円柱状収納流路へ移動可能に貫通されるとともに、前記軸方向円弧状案内溝に移動可能に配置され、前記駆動円杆の外方端は、前記軸方向案内開口を介して前記斜め案内溝に移動可能に配置され、前記軸方向動力入力回転体及び前記軸方向動力出力回転体は、前記伝動球体の同じ側に位置し、
前記支持回転体は、前記伝動球体に位置し、前記軸方向動力入力回転体及び前記軸方向動力出力回転体と反対側に位置し、前記伝動球体が前記内傾斜動力入力環状面と、前記内傾斜動力出力環状面と、前記支持回転体の側環面と間に移動可能に挟持され、前記駆動環体が前記支持回転体の軸方向を中心として前記位置決め体の周りで回転されることを特徴とする請求項1に記載のチェーンレス車両のリニア変速機構。
【請求項8】
前記変速部は、駆動環体を有し、
前記円柱状収納部は、円柱状収納槽をそれぞれ含み、
前記駆動円杆の内方端は、前記支持回転体の径方向に沿って、前記円柱状収納槽内に移動可能に配置され、
前記駆動円杆の外方端は、前記駆動環体に枢着され、
前記軸方向動力入力回転体及び前記軸方向動力出力回転体は、前記伝動球体の同じ側に位置し、
前記支持回転体は、前記伝動球体に位置するとともに、前記軸方向動力入力回転体及び前記軸方向動力出力回転体と反対側に位置し、前記伝動球体が前記内傾斜動力入力環状面と、前記内傾斜動力出力環状面と、前記支持回転体の側環面と間に移動可能に挟持され、
前記駆動環体は、前記支持回転体の軸方向に沿って移動することを特徴とする請求項1に記載のチェーンレス車両のリニア変速機構。
【請求項9】
前記足踏み式横方向動力源は、横方向動力ベベルギヤを有し、
前記軸方向動力入力回転体は、軸方向動力入力ベベルギヤを有し、
前記横方向動力ベベルギヤと前記軸方向動力入力ベベルギヤとが噛合することを特徴とする請求項1に記載のチェーンレス車両のリニア変速機構。
【請求項10】
前記軸方向動力出力回転体は、軸方向動力出力平歯車を有し、
前記軸方向動力伝達部は、軸方向動力伝達平歯車を有し、
前記軸方向動力出力平歯車と前記軸方向動力伝達平歯車とが噛合することを特徴とする請求項1に記載のチェーンレス車両のリニア変速機構。
【請求項11】
前記軸方向動力出力平歯車と前記軸方向動力伝達平歯車とを噛合させる平歯車をさらに備えることを特徴とする請求項10に記載のチェーンレス車両のリニア変速機構。
【請求項12】
前記横方向動力出力部は、横方向動力出力ベベルギヤを有し、
前記軸方向動力伝達部は、軸方向動力伝達ベベルギヤを有し、
前記横方向動力出力ベベルギヤと前記軸方向動力伝達ベベルギヤとが噛合することを特徴とする請求項1に記載のチェーンレス車両のリニア変速機構。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、チェーンレス車両のリニア変速機構(linear gear shift mechanism for chainless vehicle)に関し、特に、構造が簡素で小型であり、広いリニア変速領域(wide linear gear−changing range)を有し、伝達ロスが少なく、変速時にジャークが発生することを防ぐチェーンレス車両のリニア変速機構に関する。
【背景技術】
【0002】
従来技術の足踏みで進む乗り物は、速度を調整したりより容易に足踏みしたりできるように、前ギヤ、後ギヤ、チェーン及び変速機構を含む。しかし前ギヤ、後ギヤ、チェーン及び変速機構は、複雑で大型であり、変速領域が小さく、伝達ロスが多く、変速時にジャークが発生し易かった。そのため、これらの問題点を改善するために、2つのドラムにVベルトを組み合わせた無段変速機が開発されたが、ドラム及びVベルトの体積が大きめである上、変速領域が依然小さかった。そのため、機構の構造を簡素かつ小型にし、リニア変速領域が広めであり、伝達ロスが少なく、変速時にジャークが発生することを防ぐ技術が求められていた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の目的は、構造が簡素かつ小型であり、リニア変速領域が広く、伝達ロスが少なく、変速するときにジャークが発生することを防ぐチェーンレス車両のリニア変速機構を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記課題を解決するために、本発明の第1の形態によれば、変速部、軸方向動力入力回転体、軸方向動力出力回転体、足踏み式横方向動力源、軸方向動力伝達部及び横方向動力出力部を備えたチェーンレス車両のリニア変速機構であって、前記変速部は、支持回転体、複数の伝動球体及び複数の駆動円杆を有し、前記伝動球体は、前記支持回転体に間隔をおいて移動可能に配置され、前記伝動球体の径方向上には、円柱状収納部が設けられ、前記駆動円杆の内方端は、前記支持回転体の径方向に沿って前記円柱状収納部に移動可能に配置され、前記支持回転体の径方向を起点として前記支持回転体の軸方向に至るまで前記駆動円杆が偏心回転され、前記軸方向動力入力回転体は、内傾斜動力入力環状面を有するとともに、前記支持回転体の軸方向に沿って動力を入力し、前記軸方向動力出力回転体は、内傾斜動力出力環状面を有するとともに、前記支持回転体の軸方向に沿って動力を出力し、前記伝動球体は、前記内傾斜動力入力環状面と、前記内傾斜動力出力環状面と、前記支持回転体との間に移動可能に挟持され、前記足踏み式横方向動力源は、前記支持回転体の径方向に沿って前記軸方向動力入力回転体と噛合され、前記軸方向動力伝達部は、前記支持回転体の軸方向に沿って前記軸方向動力出力回転体と噛合され、前記横方向動力出力部は、前記支持回転体の径方向に沿って前記軸方向動力伝達部と噛合されることを特徴とするチェーンレス車両のリニア変速機構が提供される。
【0005】
前記足踏み式横方向動力源と噛合する補助動力源をさらに備えることが好ましい。
【0006】
前記補助動力源は、補助動力ベベルギヤを有し、前記足踏み式横方向動力源は、横方向動力ベベルギヤを有し、前記補助動力ベベルギヤは、前記横方向動力ベベルギヤと噛合することが好ましい。
【0007】
前記補助動力源は、前記支持回転体の径方向に沿って設置されるか、前記支持回転体の軸方向に沿って設置されることが好ましい。
【0008】
前記軸方向動力入力回転体及び前記軸方向動力出力回転体は、前記伝動球体の対をなす2側にそれぞれ設けられ、前記伝動球体が前記内傾斜動力入力環状面と、前記内傾斜動力出力環状面と、前記支持回転体の外円周面との間に移動可能に挟持され、前記円柱状収納部は、円柱状収納槽を含み、前記駆動円杆の内方端は、前記支持回転体の径方向に沿って前記円柱状収納槽内に移動可能に配置され、前記変速部は、駆動環体を有し、前記駆動円杆の外方端は、前記駆動環体に枢着され、前記駆動環体は、前記支持回転体の軸方向に沿って移動することが好ましい。
【0009】
前記変速部は、駆動リードスクリュー及び少なくとも1つの案内杆体を含み、前記駆動リードスクリューは、前記駆動環体に貫通されて噛合され、前記案内杆体は、前記駆動環体に移動可能に貫通されることが好ましい。
【0010】
前記変速部は、駆動環体及び位置決め体を有し、前記駆動環体の内環面には、複数の斜め案内溝が形成され、前記位置決め体は、前記支持回転体の軸方向を取り囲むように形成された複数の軸方向位置決め貫通孔を有し、前記軸方向位置決め貫通孔は、径方向の外側に軸方向案内開口が形成され、径方向の内側に軸方向円弧状案内溝が形成され、前記駆動環体は、前記位置決め体の外側に移動可能に配置される上、前記伝動球体が前記軸方向位置決め貫通孔内に移動可能にそれぞれ閉じこめられ、前記伝動球体の対をなす2側は、前記軸方向位置決め貫通孔の対をなす2側から露出され、前記円柱状収納部は、円柱状収納流路をそれぞれ含み、前記駆動円杆の内方端は、前記支持回転体の径方向に沿って前記円柱状収納流路へ移動可能に貫通されるとともに、前記軸方向円弧状案内溝に移動可能に配置され、前記駆動円杆の外方端は、前記軸方向案内開口を介して前記斜め案内溝に移動可能に配置され、前記軸方向動力入力回転体及び前記軸方向動力出力回転体は、前記伝動球体の同じ側に位置し、前記支持回転体は、前記伝動球体に位置し、前記軸方向動力入力回転体及び前記軸方向動力出力回転体と反対側に位置し、前記伝動球体が前記内傾斜動力入力環状面と、前記内傾斜動力出力環状面と、前記支持回転体の側環面と間に移動可能に挟持され、前記駆動環体が前記支持回転体の軸方向を中心として前記位置決め体の周りで回転されることが好ましい。
【0011】
前記変速部は、駆動環体を有し、前記円柱状収納部は、円柱状収納槽をそれぞれ含み、前記駆動円杆の内方端は、前記支持回転体の径方向に沿って、前記円柱状収納槽内に移動可能に配置され、前記駆動円杆の外方端は、前記駆動環体に枢着され、前記軸方向動力入力回転体及び前記軸方向動力出力回転体は、前記伝動球体の同じ側に位置し、前記支持回転体は、前記伝動球体に位置するとともに、前記軸方向動力入力回転体及び前記軸方向動力出力回転体と反対側に位置し、前記伝動球体が前記内傾斜動力入力環状面と、前記内傾斜動力出力環状面と、前記支持回転体の側環面と間に移動可能に挟持され、前記駆動環体は、前記支持回転体の軸方向に沿って移動することが好ましい。
【0012】
前記足踏み式横方向動力源は、横方向動力ベベルギヤを有し、前記軸方向動力入力回転体は、軸方向動力入力ベベルギヤを有し、前記横方向動力ベベルギヤと前記軸方向動力入力ベベルギヤとが噛合することが好ましい。
【0013】
前記軸方向動力出力回転体は、軸方向動力出力平歯車を有し、前記軸方向動力伝達部は、軸方向動力伝達平歯車を有し、前記軸方向動力出力平歯車と前記軸方向動力伝達平歯車とが噛合することが好ましい。
【0014】
前記軸方向動力出力平歯車と前記軸方向動力伝達平歯車とを噛合させる平歯車をさらに備えることが好ましい。
【0015】
前記横方向動力出力部は、横方向動力出力ベベルギヤを有し、前記軸方向動力伝達部は、軸方向動力伝達ベベルギヤを有し、前記横方向動力出力ベベルギヤと前記軸方向動力伝達ベベルギヤとが噛合することが好ましい。
【発明の効果】
【0016】
本発明のチェーンレス車両のリニア変速機構は、構造が簡素かつ小型であり、リニア変速領域が広く、伝達ロスが少なく、変速時にジャークが発生することを防ぐ。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1図1は、本発明の一実施形態に係るチェーンレス車両のリニア変速機構を示す分解斜視図である。
図2図2は、本発明の一実施形態に係るチェーンレス車両のリニア変速機構を別の角度から見たところを示す分解斜視図である。
図3図3は、本発明の一実施形態に係るチェーンレス車両のリニア変速機構の軸方向動力入力回転体、変速部及び軸方向動力出力回転体を示す分解斜視図である。
図4図4は、本発明の一実施形態に係る軸方向動力入力回転体、変速部及び軸方向動力出力回転体を別の角度から見たところを示す分解斜視図である。
図5図5は、本発明の一実施形態に係るチェーンレス車両のリニア変速機構の変速部を示す断面図である。
図6図6は、本発明の一実施形態に係るチェーンレス車両のリニア変速機構の他の軸方向動力入力回転体、変速部及び軸方向動力出力回転体を示す分解斜視図である。
図7図7は、本発明の一実施形態に係るチェーンレス車両のリニア変速機構の他の軸方向動力入力回転体、変速部及び軸方向動力出力回転体を別の角度から見たところを示す分解斜視図である。
図8図8は、本発明の一実施形態に係るチェーンレス車両のリニア変速機構の他の軸方向動力入力回転体、変速部及び軸方向動力出力回転体を示す斜視図である。
図9図9は、本発明の一実施形態に係るチェーンレス車両のリニア変速機構の他の軸方向動力入力回転体、変速部及び軸方向動力出力回転体を別の角度から見たところを示す斜視図である。
図10図10は、本発明の一実施形態に係る他の変速部を示す断面図である。
図11図11は、本発明の一実施形態に係るチェーンレス車両のリニア変速機構を示す斜視図である。
図12図12は、本発明の一実施形態に係るチェーンレス車両のリニア変速機構を別の角度から見たところを示す斜視図である。
図13図13は、本発明の一実施形態に係るチェーンレス車両のリニア変速機構をさらに別の角度から見たところを示す斜視図である。
図14図14は、本発明の一実施形態に係るチェーンレス車両のリニア変速機構をさらに別の角度から見たところを示す斜視図である。
図15図15は、本発明の一実施形態に係るチェーンレス車両のリニア変速機構の補助動力源を水平に配置したときの状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、これによって本発明が限定されるものではない。
【0019】
図1図14を参照する。図1図14に示すように、本発明の一実施形態に係るチェーンレス車両のリニア変速機構は、伝動球体12及び駆動円杆13の作動方式がより明白になるように、図5及び図10では伝動球体12及び駆動円杆13の作動方式のみ表されているが、その他の伝動球体及び駆動円杆の作動方式も図5及び図10の作動方式と同じである。図1図14に示すように、本発明の一実施形態に係るチェーンレス車両のリニア変速機構は、少なくとも変速部1、軸方向動力入力回転体2、軸方向動力出力回転体3、足踏み式横方向動力源4、軸方向動力伝達部5及び横方向動力出力部6から構成されてなる。変速部1は、支持回転体11、複数の伝動球体12及び複数の駆動円杆13を有する。伝動球体12は、支持回転体11の外円周面(図5参照)又は側環面112(図10参照)に、同じ円周角で間隔をおいて移動可能に配置される。側環面112は、複数の伝動球体12を組み合わすことができるように内側に凹んだ円弧状である。複数の伝動球体12は、円柱状収納部121を径方向に沿ってそれぞれ有する。複数の駆動円杆13の内方端は、支持回転体11の径方向に沿って円柱状収納部121に移動可能に配置される。駆動円杆13の円周面には、複数の駆動円杆13と複数の伝動球体12との間の摩擦ロスを減らすための潤滑油が収容される第1の油案内溝131がそれぞれ形成されている。図5に示すように、支持回転体11の径方向を起点として支持回転体11の軸方向に至るまで駆動円杆13を時計回りに回転させるか逆時計回りに回転させ、伝動球体12を時計回りに偏心回転させるか逆時計回りに回転させる(その他未表示の駆動円杆及び伝動球体も同様である)。図3図5を参照する。図3図5に示すように、軸方向動力入力回転体2の一側面には、内傾斜動力入力環状面21及び第1の接続軸23が設けられ、軸方向動力入力回転体2は、支持回転体11の軸方向で動力を入力する。軸方向動力入力回転体2の第1の接続軸23は、支持回転体11の一側に設けられた軸受111に枢着される。図6図10に示すように、軸方向動力入力回転体2は、一側面に内傾斜動力入力環状面21及び軸方向動力入力軸24が設けられ、支持回転体11の軸方向に沿って動力を入力する。軸方向動力入力回転体2の軸方向動力入力軸24は、支持回転体11に貫通される。図3図5に示すように、軸方向動力出力回転体3は、一側面に内傾斜動力出力環状面31及び第2の接続軸33が設けられるとともに、支持回転体11の軸方向に沿って動力が出力される。軸方向動力出力回転体3の第2の接続軸33は、支持回転体11の他側に設けられた軸受111に枢着される。図6図10に示すように、軸方向動力出力回転体3は、一側面に設けられた内傾斜動力出力環状面31と、他側面に設けられた軸方向動力出力軸34と、を有するとともに、支持回転体11の軸方向に沿って動力が出力される。図5に示すように、伝動球体12は、内傾斜動力入力環状面21と、内傾斜動力出力環状面31と、支持回転体11の外円周面との間に移動可能に挟持される(その他未表示の伝動球体も同様である)。軸方向動力入力回転体2と軸方向動力出力回転体3との回転方向は反対である。図10に示すように、伝動球体12は、内傾斜動力入力環状面21と、内傾斜動力出力環状面31と、支持回転体11の側環面112との間に移動可能に挟持される(その他未表示の伝動球体も同様である)。軸方向動力入力回転体2と軸方向動力出力回転体3との回転方向は同じである。足踏み式横方向動力源4は、支持回転体11の径方向に沿って軸方向動力入力回転体2と噛合される。足踏み式横方向動力源4とは、人力による足踏みで動力を発生させることができる。軸方向動力伝達部5は、支持回転体11の軸方向に沿って軸方向動力出力回転体3と噛合され、支持回転体11の軸方向に沿って動力を伝達する。横方向動力出力部6は、支持回転体11の径方向に沿って軸方向動力伝達部5と噛合される。軸方向動力伝達部5は、チェーンを介して伝達するのではなく、足踏み式横方向動力源4の動力を横方向動力出力部6へ伝達する。
【0020】
図1及び図3を参照する。図1及び図3に示すように、足踏み式横方向動力源4に時計回りの足踏みが行われると、軸方向動力入力回転体2が時計回りに回転し、伝動球体12が軸方向動力入力回転体2の内傾斜動力入力環状面21(図4を参照する)により逆時計回りに回転し、軸方向動力出力回転体3と、軸方向動力出力回転体3の内傾斜動力出力環状面31とが伝動球体12により逆時計回りに回転される。足踏み式横方向動力源4に逆時計回りの足踏みが行われると、軸方向動力入力回転体2が逆時計回りに回転し、伝動球体12が軸方向動力入力回転体2の内傾斜動力入力環状面21(図4を参照する)により時計回りに回転され、軸方向動力出力回転体3と、軸方向動力出力回転体3の内傾斜動力出力環状面31とが伝動球体12により時計回りに回転される。
【0021】
図1図6及び図8を参照する。図1図6及び図8に示すように、図1の軸方向動力入力回転体、変速部及び軸方向動力出力回転体は、図6及び図8では他の軸方向動力入力回転体、変速部及び軸方向動力出力回転体に置換し、軸方向動力入力ベベルギヤ22は図6及び図8では軸方向動力入力軸24に置換される。足踏み式横方向動力源4に時計回りの足踏みが行われると、軸方向動力入力回転体2が時計回りに回転し、伝動球体12が軸方向動力入力回転体2の内傾斜動力入力環状面21により時計回りに回転され、軸方向動力出力回転体3と、軸方向動力出力回転体3の内傾斜動力出力環状面31とが伝動球体12により時計回りに回転される。足踏み式横方向動力源4に逆時計回りの足踏みが行われると、軸方向動力入力回転体2が逆時計回りに回転し、伝動球体12が軸方向動力入力回転体2の内傾斜動力入力環状面21により逆時計回りに回転され、軸方向動力出力回転体3と、軸方向動力出力回転体3の内傾斜動力出力環状面31とが伝動球体12により逆時計回りに回転される。
【0022】
図5の中央図及び左図を参照する。図5の中央図及び左図に示すように、駆動円杆13が支持回転体11の径方向に沿って逆時計回りに偏心回転されると、伝動球体12が駆動円杆13の周りで回転する上、支持回転体11の外円周面上で支持回転体11の径方向に沿って逆時計回りに偏心回転する。このとき軸方向動力入力回転体2の内傾斜動力入力環状面21が伝動球体12の大円周に接触され、軸方向動力出力回転体3の内傾斜動力出力環状面31が伝動球体12の小円周に接触される。それ故、軸方向動力入力回転体2の速度が軸方向動力出力回転体3の速度より大きくなって駆動円杆13が支持回転体11の径方向に沿って逆時計回りに偏心回転すると、本発明のチェーンレス車両のリニア変速機構は、小さな力で足踏みして速度を下げることができる。図5の中央図及び右図を参照する。図5の中央図及び右図に示すように、駆動円杆13が支持回転体11の径方向に沿って時計回りに偏心回転されると、伝動球体12が駆動円杆13の周りで回転されるとともに、支持回転体11の外円周面上で支持回転体11の径方向に沿って時計回りに偏心回転し、軸方向動力入力回転体2の内傾斜動力入力環状面21が伝動球体12の小円周に接触される。軸方向動力出力回転体3の内傾斜動力出力環状面31が伝動球体12の大円周に接触されるため、軸方向動力入力回転体2の速度が軸方向動力出力回転体3の速度より遅くなる。それ故、駆動円杆13が支持回転体11の径方向に沿って時計回りに偏心回転されると、本発明に係るチェーンレス車両のリニア変速機構は、大きな力で足踏みして速度を上げることができる。以上、駆動円杆13及び伝動球体12により説明したが、その他の駆動円杆及び伝動球体の作動方式も同様である。
【0023】
図10の中央図及び左図を参照する。図10の中央図及び左図に示すように、駆動円杆13が支持回転体11の径方向に沿って逆時計回りに偏心回転されると、伝動球体12が駆動円杆13の周りで回転する上、支持回転体11の側環面112上で支持回転体11の径方向に沿って逆時計回りに偏心回転される。このとき軸方向動力入力回転体2の内傾斜動力入力環状面21が伝動球体12の大円周に接触される。軸方向動力出力回転体3の内傾斜動力出力環状面31は、伝動球体12の小円周に接触される。それ故、軸方向動力入力回転体2の速度が軸方向動力出力回転体3の速度より大きくなって駆動円杆13が支持回転体11の径方向に沿って逆時計回りに偏心回転されると、本発明のチェーンレス車両のリニア変速機構は、小さな力で足踏みして速度を下げることができる。図10の中央図及び右図を参照する。図10の中央図及び右図に示すように、駆動円杆13が支持回転体11の径方向に沿って時計回りに偏心回転されると、伝動球体12が駆動円杆13の周りで回転するとともに、支持回転体11の側環面112上で支持回転体11の径方向に沿って時計回りに偏心回転されると、軸方向動力入力回転体2の内傾斜動力入力環状面21が伝動球体12の小円周に接触される。また、軸方向動力出力回転体3の内傾斜動力出力環状面31が伝動球体12の大円周に接触されるため、軸方向動力入力回転体2の速度が軸方向動力出力回転体3の速度より遅くなる。それ故、駆動円杆13が支持回転体11の径方向に沿って時計回りに偏心回転されると、本発明に係るチェーンレス車両のリニア変速機構は、大きな力で足踏みを行って速度を上げることができる。以上、駆動円杆13及び伝動球体12により説明したが、その他の駆動円杆及び伝動球体の作動方式も同様である。
【0024】
図5を参照する。図5に示すように、軸方向動力入力回転体2と軸方向動力出力回転体3との間隔が大きくなるに従い、駆動円杆13は、支持回転体11の径方向により偏心回転角度が大きくなるため、本発明に係るチェーンレス車両のリニア変速機構を簡素かつ小型にし、リニア変速領域を大幅に大きくすることができる。また、本発明のチェーンレス車両のリニア変速機構は、変速する際、伝動球体12が内傾斜動力入力環状面21、内傾斜動力出力環状面31及び支持回転体11の外円周面に滑り接触されるため、変速時の伝達ロスが少ない上、ジャークが発生することを防ぐことができる。
【0025】
図10を参照する。図10に示すように、軸方向動力入力回転体2及び軸方向動力出力回転体3と、支持回転体11との間隔が大きくなるに従い、駆動円杆13は、支持回転体11の径方向により偏心回転角度が大きくなるため、本発明に係るチェーンレス車両のリニア変速機構を簡素かつ小型にし、リニア変速領域を大幅に大きくすることができる。また、本発明に係るチェーンレス車両のリニア変速機構は、変速する際、伝動球体12が内傾斜動力入力環状面21、内傾斜動力出力環状面31及び支持回転体11の側環面112に滑り接触されるため、本発明が変速するときの伝達ロスが少なく、ジャークの発生を防ぐことができる。
【0026】
図1図2及び図11図15を参照する。図1図2及び図11図15に示すように、上述のチェーンレス車両のリニア変速機構は、足踏み式横方向動力源4と噛合され、足踏み式横方向動力源4に補助動力を供給する補助動力源7をさらに含む。補助動力源7により、本発明のチェーンレス車両のリニア変速機構は、省エネ効果を得ることができる。また、上述の技術は、図6図10の他の軸方向動力入力回転体、変速部及び軸方向動力出力回転体にも適用できる。
【0027】
図1図2及び図11図15を参照する。図1図2及び図11図15に示すように、上述のチェーンレス車両のリニア変速機構が含む補助動力源7は、補助モータ71及び電池72を有する。補助モータ71は、補助動力ベベルギヤ711を有する。電池72は、補助モータ71と直列接続される。足踏み式横方向動力源4は、クランクシャフト41及び横方向動力ベベルギヤ42を有する。クランクシャフト41は、横方向動力ベベルギヤ42に挿着される。クランクシャフト41の両端には、ペダルクランク(図示せず)がそれぞれ接続される。補助動力ベベルギヤ711は、横方向動力ベベルギヤ42と噛合される。この構成により、補助動力源7は、足踏み式横方向動力源4の径方向に沿って配置される。上述の技術は、図6図10の他の軸方向動力入力回転体、変速部及び軸方向動力出力回転体にも適用できる。
【0028】
図1図3及び図11図15を参照する。図1図3及び図11図15に示すように、上述のチェーンレス車両のリニア変速機構の補助動力源7は、支持回転体11の径方向に沿って設置されるか、支持回転体11の軸方向に沿って設置される(図3及び図15を参照する)。この構成により、補助動力源7は、チェーンレス車両のシャーシ構造に応じてチェーンレス車両のシャーシに組み合わせることができる。また、上述の技術は、図6図10の他の軸方向動力入力回転体、変速部及び軸方向動力出力回転体にも適用できる。
【0029】
図3図5を参照する。図3図5に示すように、上述のチェーンレス車両のリニア変速機構において、軸方向動力入力回転体2及び軸方向動力出力回転体3は、伝動球体12の対をなす2側にそれぞれ設けられ、伝動球体12が内傾斜動力入力環状面21と、内傾斜動力出力環状面31と、支持回転体11の外円周面との間に移動可能に挟持される。円柱状収納部121は、円柱状収納槽1211を含む。駆動円杆13の内方端は、支持回転体11の径方向に沿って円柱状収納槽1211内に移動可能に配置される。変速部1は、駆動環体14を有してもよい。駆動円杆13の外方端は、伝動球体12から露出され、枢着軸132により駆動環体14の枢着溝141に枢着されてもよい。駆動環体14は、支持回転体11の軸方向に沿って移動し、駆動環体14により駆動円杆13及び伝動球体12が時計回りに偏心回転されるか逆時計回りに偏心回転され、本発明のチェーンレス車両のリニア変速機構が変速を行う。
【0030】
図3及び図4を参照する。図3及び図4に示すように、上述のチェーンレス車両のリニア変速機構の変速部1は、駆動リードスクリュー16及び少なくとも1つの案内杆体17を含む。駆動リードスクリュー16は、駆動環体14のねじ孔142に挿着される。駆動環体14は、駆動モータ15により駆動されると、支持回転体11の軸方向に沿って移動する。案内杆体17は、駆動環体14の案内孔143に移動可能に貫通される。案内杆体17は、円杆でもよい。案内杆体17は、個数が複数で対称に配置されているため、駆動環体14が駆動リードスクリュー16により平行移動する際、バランス良く移動することができる。案内杆体17の円周面には、第2の油案内溝171が形成され、案内杆体17と駆動環体14との間には、ロスを減らすための潤滑油が収容されてもよい。
【0031】
図6図10を参照する。図6図10に示すように、本発明の一実施形態に係るチェーンレス車両のリニア変速機構の変速部1は、駆動環体14及び位置決め体(limitator)8を含む。図6及び図7は、半分に分割された位置決め体8を示す。位置決め体8の軸方向位置決め貫通孔81、軸方向案内開口82及び軸方向円弧状案内溝83も半分に分割されている。駆動環体14の内環面は、複数の斜め案内溝144を有する。位置決め体8は、支持回転体11の軸方向を取り囲むように形成された複数の軸方向位置決め貫通孔81を有する。各軸方向位置決め貫通孔81は、径方向の外側に軸方向案内開口82が形成され、径方向の内側に軸方向円弧状案内溝83が形成される。駆動環体14は、位置決め体8の外側に移動可能に配置される上、複数の伝動球体12がそれぞれ軸方向位置決め貫通孔81内に移動可能に閉じこめられる。伝動球体12の対をなす2側は、軸方向位置決め貫通孔81の対をなす2側から露出される。複数の円柱状収納部121は、円柱状収納流路1212である。各駆動円杆3の内方端は、支持回転体11の径方向に沿って円柱状収納流路1212へ移動可能に貫通され、軸方向円弧状案内溝83に移動可能に配置される。駆動円杆13の外方端は、軸方向案内開口82を介して斜め案内溝144に移動可能に配置される。軸方向動力入力回転体2の内傾斜動力入力環状面21は、軸方向動力出力回転体3の内傾斜動力出力環状面31内に位置し、軸方向動力入力回転体2及び軸方向動力出力回転体3は、伝動球体12の同じ側に位置する。支持回転体11は、伝動球体12に位置し、軸方向動力入力回転体2及び軸方向動力出力回転体3と反対側に位置し、伝動球体12が内傾斜動力入力環状面21と、内傾斜動力出力環状面31と、支持回転体11の側環面112と間に移動可能に閉じこめられ、駆動環体14が支持回転体11の軸方向を中心として位置決め体8の周りで回転される。駆動円杆13の両端は、軸方向案内開口82及び軸方向円弧状案内溝83により案内されるため、駆動円杆13の両端が支持回転体11の軸方向上のみで移動し、その後、駆動環体14が位置決め体8の周りで回転すると、駆動円杆13の外方端が駆動環体14の斜め案内溝144により案内されて右方へ移動するか(図10の中央図及び左図を参照する)、左方へ移動し(図10の中央図及び右図を参照する)、駆動円杆13及び伝動球体12が同時に逆時計回りに偏心回転するか(図10の中央図及び左図を参照する)、同時に時計回りに偏心回転し(図10の中央図及び右図を参照する)、本発明のチェーンレス車両のリニア変速機構は、変速を行う。また、上述のチェーンレス車両のリニア変速機構は、複数のボール251及び位置決め環体252を含むボール環体25をさらに有する。複数のボール251は、位置決め環体252に間隔をおいて形成された複数の位置決め槽内に移動可能に閉じこめられる。ボール251は、軸方向動力入力回転体2と軸方向動力出力回転体3との間に移動可能に挟持され、軸方向動力入力回転体2と軸方向動力出力回転体3との間の摩擦ロスを低減させる。
【0032】
図3図5と併せて図6図7及び図10を参照する。本実施形態に係るチェーンレス車両のリニア変速機構は、図6図7及び図10の変速部1が図3図5の変速部1と同じであり、図3図5の駆動環体14を有する。同様に、図6図7及び図10の円柱状収納部121は、図3図5の円柱状収納部121と同じであり、それぞれ円柱状収納槽1211を含む。複数の駆動円杆13の内方端は、支持回転体11(例えば、図6図7及び図10の支持回転体11)の径方向に沿って、円柱状収納槽1211内に移動可能に配置される。駆動円杆13の外方端は、駆動環体14に枢着される。図6図10に示すように、軸方向動力入力回転体2の内傾斜動力入力環状面21は、軸方向動力出力回転体3の内傾斜動力出力環状面31内に位置する。軸方向動力入力回転体2及び軸方向動力出力回転体3は、伝動球体12の同じ側に位置する。支持回転体11は、伝動球体12に位置するとともに、軸方向動力入力回転体2及び軸方向動力出力回転体3と反対側に位置し、伝動球体12が内傾斜動力入力環状面21と、内傾斜動力出力環状面31と、支持回転体11の側環面112と間に移動可能に挟持され、図6図7及び図10で交換済みの駆動環体14は、図3図5の駆動環体14と同じであり、支持回転体11(例えば、図6図7及び図10の支持回転体11)の軸方向に沿って移動し、本発明のチェーンレス車両のリニア変速機構は変速を行う。同様に、図6図7及び図10で交換済みの駆動環体14を、図3及び図4の駆動リードスクリュー16、駆動モータ15及び案内杆体17と組み合わせ、案内杆体17及び支持回転体11の軸方向に沿って駆動リードスクリュー16により駆動環体14が平行移動する。
【0033】
図1図2及び図12を参照する。図1図2及び図12に示すように、上述のチェーンレス車両のリニア変速機構において、軸方向動力入力回転体2は、軸方向動力入力ベベルギヤ22を有する。足踏み式横方向動力源4の横方向動力ベベルギヤ42は、軸方向動力入力ベベルギヤ22と噛合される。この構成により、軸方向動力入力回転体2、変速部1及び軸方向動力出力回転体3は、足踏み式横方向動力源4の径方向に沿って設置される。また、上述の技術は、図6図10の他の軸方向動力入力回転体、変速部及び軸方向動力出力回転体にも適用できる。軸方向動力入力ベベルギヤ22は、軸方向動力入力軸24に設置される。
【0034】
図1図2図13及び図14を参照する。図1図2図13及び図14に示すように、上述のチェーンレス車両のリニア変速機構において、軸方向動力出力回転体3は、軸方向動力出力平歯車32を有する。軸方向動力伝達部5は、軸方向動力伝達平歯車511及び伝動杆51を有する。軸方向動力伝達平歯車511は、伝動杆51の一端に接続される。軸方向動力出力平歯車32は、軸方向動力伝達平歯車511と噛合される。この構成により、足踏み式横方向動力源4の動力は、軸方向動力出力回転体3の軸方向に沿って伝達される。また、上述の技術は、図6図10の他の軸方向動力入力回転体、変速部及び軸方向動力出力回転体にも適用できる。軸方向動力出力平歯車32は、軸方向動力出力軸34に設置される。
【0035】
図1図2図13及び図14を参照する。図1図2図13及び図14に示すように、上述のチェーンレス車両のリニア変速機構は、平歯車52をさらに含む。軸方向動力出力平歯車32は、平歯車52を介して軸方向動力伝達平歯車511と噛合される。この構成により、軸方向動力出力回転体3は、平歯車52を介して後続機構の回転方向を変化させる。また、上述の技術は、図6図10の他の軸方向動力入力回転体、変速部及び軸方向動力出力回転体にも適用できる。
【0036】
図2及び図14を参照する。図2及び図14に示すように、上述のチェーンレス車両のリニア変速機構において、横方向動力出力部6は、横方向動力出力ベベルギヤ61を有する。横方向動力出力部6には、車輪(図示せず)が接続されてもよい。軸方向動力伝達部5は、軸方向動力伝達ベベルギヤ512を有してもよい。軸方向動力伝達ベベルギヤ512は、伝動杆51の他端に接続される。横方向動力出力ベベルギヤ61は、軸方向動力伝達ベベルギヤ512と噛合される。この構成により、軸方向動力伝達部5の動力の伝達方向が変わり、横方向動力出力部6へ伝達される。また、上述の技術は、図6図10の他の軸方向動力入力回転体、変速部及び軸方向動力出力回転体にも適用できる。
【0037】
図1図3及び図11を参照する。図1図3及び図11に示すように、足踏み式横方向動力源4により時計回りの足踏みが行われ、軸方向動力入力回転体2が時計回りに回転されると、伝動球体12が軸方向動力入力回転体2の内傾斜動力入力環状面21(図4を参照する)により逆時計回りに回転され、軸方向動力出力回転体3の内傾斜動力出力環状面31、軸方向動力出力回転体3及び軸方向動力出力平歯車32が伝動球体12により逆時計回りに回転された後、平歯車52が軸方向動力出力平歯車32により時計回りに回転し、軸方向動力伝達平歯車511、伝動杆51及び軸方向動力伝達ベベルギヤ512が逆時計回りに回転し、最終的に横方向動力出力部6の横方向動力出力ベベルギヤ61が軸方向動力伝達ベベルギヤ512により時計回りに回転される。足踏み式横方向動力源4が逆時計回りの足踏みを行うと、軸方向動力入力回転体2が逆時計回りに回転され、伝動球体12が軸方向動力入力回転体2の内傾斜動力入力環状面21(図4を参照する)により時計回りに回転され、軸方向動力出力回転体3の内傾斜動力出力環状面31、軸方向動力出力回転体3及び軸方向動力出力平歯車32が伝動球体12により時計回りに回転された後、平歯車52が軸方向動力出力平歯車32により逆時計回りに回転されると、軸方向動力伝達平歯車511、伝動杆51及び軸方向動力伝達ベベルギヤ512が時計回りに回転され、最終的に横方向動力出力部6の横方向動力出力ベベルギヤ61が軸方向動力伝達ベベルギヤ512により逆時計回りに回転される。この構成により、本発明に係るチェーンレス車両のリニア変速機構は、チェーンを使用しなくとも、横方向動力出力部6を足踏み式横方向動力源4と同じ方向へ回転させることができる。また、図6図10の変速部1の軸方向動力入力軸24及び軸方向動力出力軸34の回転方向が同じであるため、図6図10の変速部1は、チェーン及び平歯車52を使用しなくとも、横方向動力出力部6を足踏み式横方向動力源4と同じ方向へ回転させることができる。
【0038】
当該分野の技術を熟知するものが理解できるように、本発明の好適な実施形態を前述の通り開示したが、これらは決して本発明を限定するものではない。本発明の主旨と領域を逸脱しない範囲内で各種の変更や修正を加えることができる。従って、本発明の特許請求の範囲は、このような変更や修正を含めて広く解釈されるべきである。
【符号の説明】
【0039】
1 変速部
2 軸方向動力入力回転体
3 軸方向動力出力回転体
4 足踏み式横方向動力源
5 軸方向動力伝達部
6 横方向動力出力部
7 補助動力源
8 位置決め体
11 支持回転体
12 伝動球体
13 駆動円杆
14 駆動環体
15 駆動モータ
16 駆動リードスクリュー
17 案内杆体
21 内傾斜動力入力環状面
22 軸方向動力入力ベベルギヤ
23 第1の接続軸
24 軸方向動力入力軸
25 ボール環体
31 内傾斜動力出力環状面
32 軸方向動力出力平歯車
33 第2の接続軸
34 軸方向動力出力軸
41 クランクシャフト
42 横方向動力ベベルギヤ
51 伝動杆
52 平歯車
61 横方向動力出力ベベルギヤ
71 補助モータ
72 電池
81 軸方向位置決め貫通孔
82 軸方向案内開口
83 軸方向円弧状案内溝
111 軸受
112 側環面
121 円柱状収納部
131 第1の油案内溝
132 枢着軸
141 枢着溝
142 ねじ孔
143 案内孔
144 斜め案内溝
171 第2の油案内溝
251 ボール
252 位置決め環体
511 軸方向動力伝達平歯車
512 軸方向動力伝達ベベルギヤ
711 補助動力ベベルギヤ
1211 円柱状収納槽
1212 円柱状収納流路
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15