【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 講演会名 第16回静電気学会春期講演会 開催日 平成27年3月5日 開催場所 東京大学工学部2号館
【解決手段】 粉粒体である測定対象を搬送用気体に乗せて搬送して、測定対象を摩擦帯電させる帯電装置を前提とし、上記搬送用気体の流れに沿って、上記搬送用気体を供給する搬送用気体供給源1と、軸心が直線状であって、上記測定対象の搬送通路となる筒体3とを配置し、上記搬送用気体供給源1の下流に、上記搬送用気体を旋回させる旋回流生成手段11を設けるとともに、上記旋回流生成手段11の下流に上記筒体3を設け、上記筒体には、上記測定対象を載置する測定対象載置部と、上記測定対象を摩擦帯電させる摩擦帯電部と、上記測定対象載置部に上記測定対象を載置するための密閉可能な供給口とを備え、上記旋回流生成手段によって生成された旋回流に巻き込まれた測定対象を、上記摩擦帯電部の内壁に接触させて摩擦帯電させる構成にした。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記した従来の粉粒体の帯電装置では、粉粒体の搬送経路中に旋回流生成部材を設けているため、粉粒体が旋回流生成部材と衝突して摩擦帯電するので旋回流生成部材の材質を摩擦帯電部と同じ材質にする必要があった。
また、粉粒体が旋回流生成部材に付着してしまい、測定対象である粉粒体の種類を変える際の清掃に時間と手間がかかってしまうという問題があった。
さらに、粉粒体を交換しないときでも、旋回流生成部材に粉粒体が付着していると、粉粒体同士の摩擦帯電が起こり、配管などを構成する材質との摩擦帯電を正確に測定できないという問題もあった。
【0006】
さらにまた、旋回流生成部材が、配管の開口断面積を小さくしてしまうため、粉粒体がスムーズに搬送できないということもあった。特に、旋回流生成部材に粉粒体が付着すると、粉粒体の通過断面積がさらに狭くなり、十分な粉粒体搬送ができないことがあった。
この発明の目的は、粉粒体の摩擦帯電特性を正確かつ短時間で測定可能な、粉粒体の帯電装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の発明は、粉粒体である測定対象を搬送用気体に乗せて搬送して、測定対象を摩擦帯電させる帯電装置を前提とし、上記搬送用気体の流れに沿って、上記搬送用気体を供給する搬送用気体供給源と、軸心が直線状であって、上記測定対象の搬送通路となる筒体とを配置し、上記搬送用気体供給源の下流に、上記搬送用気体を旋回させる旋回流生成手段を設けるとともに、上記旋回流生成手段の下流に、上記筒体を設けている。
そして、上記筒体には、上記測定対象を載置する測定対象載置部と、上記測定対象を摩擦帯電させる摩擦帯電部と、上記測定対象載置部に上記測定対象を載置するための密閉可能な供給口とを備え、上記旋回流生成手段によって生成された旋回流に巻き込まれた測定対象を、上記摩擦帯電部の内壁に接触させて摩擦帯電させる構成にしたことを特徴とする。
【0008】
第2の発明は、上記旋回流生成手段が、上記筒体に固定する本体と、本体に形成され、上記搬送用気体を旋回させるための複数の貫通孔とからなり、上記貫通孔は、上記本体の外周に沿って配置されるとともに、上記本体であって、上記貫通孔を通過する上記搬送用気体の流れの下流側の面には、上記複数の貫通孔を配置した中央に、上記流れに沿って断面積を小さくするコーン状の突部を設けたことを特徴とする。
【0009】
第3の発明は、上記筒体に対し、上記旋回流生成手段を着脱可能に設けたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
第1の発明の帯電装置によれば、測定対象の摩擦帯電特性を効率的かつ正確に測定することができるようになる。
この発明では、旋回流生成手段よりも下流側に測定対象載置部を設けたので、測定対象が旋回流生成手段に接触することがなく、測定対象が旋回流生成手段に付着することによる様々な問題を回避できる。
【0011】
例えば、旋回流生成手段の清掃に手間がかかることがなく、実験の効率化ができるし、旋回流生成手段に付着した測定対象と移動する測定対象との摩擦帯電による誤差の発生もない。
さらに、測定対象と筒体との摩擦帯電と、測定対象と旋回流生成手段との摩擦帯電とに違いが出ないように考慮する必要がないので、旋回流生成手段の材質を筒体と同じにしなくてもよく、旋回流生成手段の材質選択の自由度が上がる。旋回流生成手段の材質選択の自由度が上がれば、様々な形状の旋回流生成手段を形成することが容易になり、測定対象に応じてより効率的な旋回流を生成し、結果として効率的な摩擦帯電を実現することもできるようになる。
【0012】
第2の発明によれば、貫通孔の下流側のコーン状の突部によって、旋回流生成手段の下流側で搬送用気体が安定して旋回し、旋回回数も多くなり、この旋回流に乗って搬送される粉粒体の帯電量を大きくすることができる。そのため、旋回する粉粒体の帯電が飽和帯電量に近く安定し、再現性もよくなる。
第3の発明によれば、測定対象の種類によって、適切な旋回流生成手段を選択して用いることができる。例えば、測定対象の粒径や密度、流動特性などが異なる場合には、摩擦帯電させやすい旋回流にも違いがあるが、旋回流生成手段を交換することによって、どんな測定対象も、適切に帯電させることができるようになる。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1は、第1実施形態の粉粒体の帯電装置の構成図である。
この帯電装置は、粉粒体を搬送するための搬送用エアを供給するエア供給源1、このエア供給源1に接続されたエア配管2、及びエア配管2からエアが供給される直管状の筒体3を備えるとともに、この筒体3に配管電荷量測定部4及びサイクロン型ファラデーケージ5を接続したものである。そして、上記筒体3の外周を接地された金属板で形成されたシールド部材6で囲っている。
なお、
図1中、符号7は搬送用エアの供給圧を制御するレギュレータ、符号8は電磁弁である。
【0015】
また、上記エア配管2と上記筒体3との間、筒体3とサイクロン型ファラデーケージ5との間には、図示しない絶縁部材を介在させて両者間の電気的導通を遮断している。
そして、上記配管電荷量測定部4及びサイクロン型ファラデーケージ5を除いた部分が、この発明の帯電装置に相当する。
この第1実施形態では、粉粒体の搬送用気体としてエアを用いることにするが、搬送用気体は爆発の危険性が低く安定した気体であれば、エアに限らない。
【0016】
次に、
図1の帯電装置の各部材について説明する。
上記筒体3は、ステンレス製の部材で、筒本体3aにふた部3bで密閉可能な供給口3cを形成している(
図1参照)。この供給口3cは、この実施形態の帯電装置によって摩擦帯電させる粉粒体を筒体3内に供給するための口となる。上記筒本体3a及びふた部3bとは、
図2に示すように外方に突出させたフランジ部3d,3eを備え、これらフランジ部3d,3eを連結部材9,9によって結合することで上記供給口3cを密閉可能にしている。
そして、上記ふた部3bの直下を、後で説明する帯電実験の際に上記粉粒体を載置するための測定対象載置部10としている。
【0017】
また、上記筒体3内には、矢印Aで示す搬送用エアの流れを基準にして、上記供給口3cより上流側に旋回流形成部材11を設けている。
この旋回流形成部材11は、
図2〜4に示すように、円盤状の本体11aを備え、この本体11aの一方の底面には、側面を中心に向かって傾斜させた凹部11bを形成するとともに、この凹部11bの底には、コーン状の凸部11cを形成している。さらに、上記凸部11cの底部外周に沿って8個の貫通孔11dを形成している。各貫通孔11dは、上記本体11aの一方の底面から他方の底面に向かい、本体11aの軸線に対して中心線がねじれるように形成された孔である。
【0018】
そのため、上記凸部11c側から
図3の矢印A方向に流れる搬送用エアが、上記旋回流形成部材11の貫通孔11dを通過すると旋回流が生成される(
図3,4参照)。
なお、上記搬送用エアの流入側では、上記凹部11bの側面とコーン状の凸部11cの外周面とが相まって、
図3の矢印A方向の搬送用エアを各貫通孔11dへ導く機能を発揮している。
【0019】
一方、上記本体11aにおいて搬送用エアの出口側となる他方の底面にも、
図4に示すように上記複数の貫通孔11dを配置した中央に、気体の流れに沿って断面積を小さくするコーン状の凸部11eを形成している。このような凸部11eを形成すると、貫通孔11dから噴出する搬送用エアが、上記凸部11eに沿って流れ、形成される旋回流を乱れにくくすることができる。その結果、より安定した旋回流が生成され、旋回回数も多くなる。
【0020】
そして、上記旋回流生成部材11の本体11aを上記筒体3に挿入し、その外周を筒体3の内壁に図示しない手段で着脱可能に固定している。
したがって、上記測定対象載置部10に粉粒体を載置して搬送用エアを供給すれば、上記粉粒体は生成された旋回流に乗って筒体3の内壁との間で摩擦帯電しながら搬送される。
この第1実施形態では、上記筒体3において測定対象載置部10よりも下流側の部分がこの発明の摩擦帯電部を構成する。
【0021】
また、上記したように、上記コーン状の凸部11eを形成したことによって、安定した旋回流が生成されると考えているが、その理由は次のとおりである。
図4に示すように、複数の貫通孔11dから気体が高速で噴出すると、これら複数の貫通孔11dで囲まれた本体11の中央付近には負圧領域が生成される。この負圧によって部分的に下流に向かう流れが引き付けられ、旋回流が乱れてしまうと考えられる。
しかし、上記凸部11eを形成すれば、負圧領域を小さくできるうえ、気体の流れをガイドできるので、安定した旋回流が生成されると考えられる。
そして、突部11eを設けることによって旋回回数の多い旋回流が生成されることは、シミュレーションによって確認済みである。
【0022】
なお、上記凸部11eの形状や大きさも旋回流の生成に影響を与える。例えばコーンの高さを高くすれば、旋回流が整い易くなるが、高さが高くなると、上記凸部11eに粉粒体が付着してしまう可能性もある。
したがって、上記凸部11eの最適な形状や大きさなどは、装置全体の寸法や粉粒体の粒径、物性などによって設定することができる。
【0023】
一方、筒体3に接続した上記配管電荷量測定部4は、粉粒体との摩擦によって筒体3に発生する電荷量Q
1〔nC〕を筒本体3aから取得し、測定するものである。
また、筒体3の下流側端部に接続されたサイクロン型ファラデーケージ5は、上記旋回流に乗って筒体3の内壁で摩擦帯電した粉粒体の電荷量Q
2〔nC〕を測定するための装置である。
したがって、このサイクロン型ファラデーケージ5で測定される電荷量Q
2〔nC〕は、測定対象の粉粒体の初期電荷量を除電してから測定しているために、上記配管電荷量測定部4で測定される粉粒体の電荷量Q
1〔nC〕と逆極性になる。このように、電荷量Q
1〔nC〕が、電荷量Q
2〔nC〕と逆極性になるのは、電荷量Q
1〔nC〕が想定対象となる粉流体との摩擦相手である筒本体3aから計測したものだからである。
【0024】
上記サイクロン型ファラデーケージ5は、帯電した粉粒体を旋回流で捕集しながら電荷量を測定する装置であって、例えば、特許第5474001号に記載されている。このようなサイクロン型ファラデーケージ5を用いれば、粉粒体の比電荷を正確に測定することが可能であるが、上記筒体3から放出された粉粒体の電荷量を測定する装置はこれに限らない。
【0025】
次に、この第1実施形態の帯電装置を用いた粉粒体の帯電実験について説明する。
実験装置は、
図1に示す帯電装置であるが、上記筒体3は、ステンレス(SUS304)製の直管で、全長1300〔mm〕、内直径35〔mm〕である。
上記旋回流生成部材11は、ステンレス(SUS304)製で、上記貫通孔11dは内径が約6〔mm〕である。
また、上記エア供給源1として、(株)日立産機システム製の小型空気圧縮機(POD−3.7MA5)、レギュレータ7としてSMC(株)製のフィルタレギュレータ(AW40−06CG)を用いた。
この帯電実験は、上記筒体3との摩擦によって粉粒体からなる測定対象がどの程度帯電するのかを測定するための実験である。したがって、この帯電実験は、粉粒体とステンレス(SUS304)との摩擦帯電実験となる。
【0026】
実験手順は次のとおりである。
(1)上記エア供給源1でエアを乾燥圧縮し、レギュレータ7によって搬送用エアの供給圧力Pを所定の値に調整する。この実験では、供給圧力Pを、0.15〔MPa〕〜0.35〔MPa〕の範囲で0.05〔MPa〕ごとに調整した。
(2)筒体3のふた部3bを開けて、測定対象載置部10に、体積基準の50%粒径D
50が67〔μm〕の樹脂製の粉粒体を1.0〔g〕載置する。
(3)粉粒体の初期電荷量の影響を消すため、春日電機(株)製の小型静電気除去装置(KD−150W)を供給口3cから内部へ挿入して測定対象載置部10上の粉粒体を除電する。
(4)ふた部3bによって供給口3cを密封する。
(5)電磁弁8を開いて、筒体3へ搬送用エアを供給する。
(6)筒本体3aの電荷量Q
1〔nC〕と、サイクロン式ファラデーケージ5の回収容器に捕集された粉粒体の電荷量Q
2〔nC〕とを測定する。
【0027】
上記手順(5)で電磁弁8を開くと、供給された搬送用エアが旋回流生成部材11を通過して旋回流を生成し、測定対象載置部10の粉粒体を巻き込んで旋回させる。旋回した粉粒体は、筒体3の内壁と摩擦帯電しながら搬送され、最終的に上記サイクロン式ファラデーケージ5の回収容器に捕集される。
上記実験では、上記サイクロン式ファラデーケージ5で、測定対象載置部10に載置した全量の1.0〔g〕を回収することができた。
【0028】
上記の帯電実験によって測定された電荷量Q
1〔nC〕,Q
2〔nC〕は、粉粒体が、上記測定対象載置部10からサイクロン式ファラデーケージ5の回収容器に捕集されるまでの間に変化するが、その絶対値が最大となって安定する。この安定した時の電荷量Q
1〔nC〕,Q
2〔nC〕の値を、粉粒体の重量Mで割って比電荷(Q/M)
1〔nC/g〕及び(Q/M)
2〔nC/g〕を求めた。その結果を
図5に示す。
【0029】
図5は、搬送用エアの供給圧力Pごとの、最大の比電荷(Q/M)
1〔nC/g〕及び(Q/M)
2〔nC/g〕を示した表である。この表に示すように、初期帯電がない粉粒体では、筒体3から配管電荷量測定部4で測定した電荷量と、筒体3から放出されてからサイクロン式ファラデーケージ5で測定した電荷量とは、逆極性で絶対値がほぼ等しいことが確認できた。つまり、粉粒体の電荷量を測定するためには、上記配管電荷量測定部4あるいはサイクロン型ファラデーケージ5のいずれか一方のみで足りることがわかった。
【0030】
また、この実施形態の帯電装置を用いた試験装置によって、ノイズなどの影響を受けずに電荷量Q
1〔nC〕,Q
2〔nC〕あるいは比電荷(Q/M)
1〔nC/g〕,(Q/M)
2〔nC/g〕を測定できることもわかった。
さらに、搬送用エアの供給圧力Pを上げると、電荷量が高くなることもわかった。このことから、粉粒体の帯電測定を想定する際に、上記供給圧力Pを調整すれば、飽和帯電量まで帯電させる可能性があることもわかった。
【0031】
さらにまた、実験後に、実験に用いた上記樹脂製の粉粒体が上記旋回流生成部材11に付着していないことを確認できた。
上記樹脂製の粉粒体が旋回流生成部材11に付着していなかったのは、搬送用エア流を基準にして、上記旋回流生成部材11が測定対象載置部10よりも上流側に設けられているため、すなわち旋回する粉粒体が旋回流生成部材11の位置を通過しないからである。
【0032】
したがって、この実施形態の帯電装置では、粉粒体が旋回流生成部材11の貫通孔11dに詰まってその開口を小さくしてしまったり、粉粒体同士の摩擦帯電が発生したりすることがない。
なお、粉粒体が旋回流生成部材11に付着していないことは、実験終了後に筒体3のふた部材3bを開ければ一目で確認できるし、上記帯電実験においてサイクロン型ファラデーケージ5が、粉粒体の全量を回収できたことからも確認できた。
【0033】
上記のように、旋回流生成部材11に粉粒体が付着することがない第1実施形態の帯電装置なら、粉粒体の種類を変えて実験する際の帯電装置の清掃が、従来と比べて簡単になる。特に、旋回流生成部材11は、筒体3と比べて、複雑な形状をしているため、粉粒体が付着した場合には、その清掃に手間がかかるが、上記第1実施形態の帯電装置なら、その手間を省いて効率的な帯電実験ができる。
【0034】
また、上記旋回流生成部材11を、筒体3から着脱自在に設けるようにすれば、上記旋回流生成部材11を異なる形状の旋回流生成部材に取り換えて使用することができる。例えば、上記貫通孔11dの大きさや方向、数などを変更した旋回流生成部材によって生成される旋回流を変更することができる。粉粒体の粒径や密度、流動特性などに応じて、粉粒体の旋回状態が変わることが考えられるが、適切な旋回流生成部材の形状を選択することによって、より効率的な摩擦帯電を実現できる可能性もある。
なお、旋回流生成部材11の着脱機構は、どのようなものでもよい。例えば筒体3の一端開口から、旋回流生成部材11を挿入したり、取り出したりするようにしてもよいし、筒体3の端部外周と、旋回流生成部材11の外周にフランジを設け、それらをねじなどで結合するようにしてもよい。
【0035】
また、この実施形態の旋回流生成手段11は、粉粒体の摩擦帯電に影響しないため、どのような材質で形成されてもよい。上記実施形態では、ステンレス製にしているが、もっと加工が容易な材質を選択すれば、より複雑な形状の旋回流生成手段を形成することもできる。したがって、任意の旋回流を生成することができる。
なお、上記第1実施形態では、粉粒体が旋回流に乗って摩擦帯電する摩擦帯電部と上記測定対象載置部10とを、1本の筒体3内に設けているが、測定対象載置部を備えた筒体と摩擦帯電部を備えた筒体とを別部材にして、これら別々の部材を連結してこの発明の筒体を構成するようにしてもよい。ただし、上記測定対象載置部でも粉粒体が旋回して帯電するので、測定対象載置部を備えた筒体と、摩擦帯電部を備えた筒体とは同じ材質にする。
【0036】
さらに、この発明の筒体は、旋回流に乗った粉粒体が偏りなく摩擦帯電部の内壁に接触するため、軸心が直線状であればよく、その形状は上記筒体3のような直管状に限定されない。
例えば、
図6に示す第2実施形態の筒体12のように全体をテーパー状にしたものや、
図7に示す第3実施形態の筒体13のように、直径の異なる2つの直管をテーパーで連結したような形状でもよい。このような筒体12,13を、第1実施形態の筒体3の代わりに用い、他の構成を第1実施形態と同様にすれば、これら第2,3実施形態でも、上記第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0037】
また、上記第1〜3実施形態では、旋回流生成手段として、搬送用エアをねじれる方向に導くための貫通孔を形成した旋回流生成部材11を筒体に固定しているが、旋回流生成手段は、上記旋回流生成部材11に限定されない。貫通孔を通過した搬送用流体が旋回流になればどのような形状でもよいし、貫通孔を備えて筒体に固定する部材ではなく、例えば、回転羽根のようなものでもよい。いずれにしても、旋回流生成手段を測定対象載置部10よりも上流側に設けて、粉粒体が付着することがないようにする必要がある。