特開2017-78732(P2017-78732A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 山中 孝光の特許一覧

<>
  • 特開2017078732-問題集作成方法並びに問題集 図000003
  • 特開2017078732-問題集作成方法並びに問題集 図000004
  • 特開2017078732-問題集作成方法並びに問題集 図000005
  • 特開2017078732-問題集作成方法並びに問題集 図000006
  • 特開2017078732-問題集作成方法並びに問題集 図000007
  • 特開2017078732-問題集作成方法並びに問題集 図000008
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-78732(P2017-78732A)
(43)【公開日】2017年4月27日
(54)【発明の名称】問題集作成方法並びに問題集
(51)【国際特許分類】
   G09B 7/08 20060101AFI20170407BHJP
   G06Q 50/20 20120101ALI20170407BHJP
【FI】
   G09B7/08
   G06Q50/20
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2015-205239(P2015-205239)
(22)【出願日】2015年10月19日
(71)【出願人】
【識別番号】509285403
【氏名又は名称】山中 孝光
(74)【代理人】
【識別番号】100092163
【弁理士】
【氏名又は名称】穴見 健策
(74)【代理人】
【識別番号】100136928
【弁理士】
【氏名又は名称】高宮 章
(72)【発明者】
【氏名】山中 孝光
【テーマコード(参考)】
2C028
5L049
【Fターム(参考)】
2C028AA07
2C028BC01
5L049CC34
(57)【要約】
【課題】学習者が問題を解く際に各学習者の学習レベルに応じた問題を簡単に把握することができ、学習者の学習意欲を向上し、学習者自身の学習効率、学習効果を向上しうると同時に、指導者の指導効率、指導効果を向上しうる問題集作成方法並びに問題集を提供することにある。
【解決手段】複数の問題に関する情報を記録した問題データベースに、入力部から過去に行った試験の問題ごとの正答率を入力するステップS12と、処理部が、問題データベースに入力された正答率に基づいて各問題の難易度を複数段階に分けるステップS14と、処理部が、問題と難易度とを関連付けて問題データベースに記録するステップS16と、出力部で問題データベースに保存された問題と難易度表示を同時に出力するステップS18と、を含む問題集作成方法から構成される。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の問題に関する情報を記録した問題データベースに、入力部から過去に行った試験の問題ごとの正答率を入力するステップと、
処理部が、問題データベースに入力された正答率に基づいて各問題の難易度を複数段階に分けるステップと、
処理部が、問題と難易度とを関連付けて問題データベースに記録するステップと、
出力部で問題データベースに記録された問題と難易度表示を同時に出力するステップと、を含むことを特徴とする問題集作成方法。
【請求項2】
問題データベースには、問題の出題方式を識別する出題方式情報を記録しておき、
難易度を分けるステップでは、処理部が問題の出題方式情報に対応する補正値によって正答率を補正するステップを含み、補正された正答率に基づいて難易度を設定することを特徴とする請求項1記載の問題集作成方法。
【請求項3】
補正値は、問題の出題方式が択一式の場合に、択一式問題の選択肢数に対応して設定されたことを特徴とする請求項2記載の問題集作成方法。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれかに記載の問題データベースから選択される問題と、各問題の難易度表示をそれぞれの問題の近接位置に複数段階難易度表示で記載したことを特徴とする問題集。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、学習者の学習効率、学習効果の向上及び指導者の指導効率、指導効果の向上を期待できる問題集作成方法並びに問題集に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、学校や専門学校、学習塾又は資格試験、会社の採用試験や研修等の広い場面で様々な問題集が利用されている。従来の問題集は、主として作成者や出版社が問題構成を検討して作成しており、実際の学習者の状況が考慮されずに作成される場合が多い。一方、例えば、特許文献1には、生徒の理解度や各教科の進捗度にあったオーダー問題集を作成する個別形学習問題編集システムの技術が提案されている。特許文献1の学習問題編集システムは、選択用問題見本から各学校の担当教師が問題選択表を作成し、コンピュータに入力して問題選択表に対応した問題を編集・組版処理して版下製作をし、印刷製本してオーダー問題集を作成するものであった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特公平8−27532号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の問題集や特許文献1のシステムで作成された問題集のように、例えば、基礎問題、標準問題、発展問題等に問題の難易度が設定してある場合がある。しかしながら、このような基礎、標準、発展等の難易度は、作成者独自の見解で作成されていることが多い上に、難易度の設定が大雑把であり、問題集を使って学習する学習者各々の実際の学習レベルに合致しなかった。したがって、従来の問題集には、学習者自身のレベルに対応したものがどの問題であるか、どの問題に取り組むべきか等の明確な指標がないことから、学習意欲も低くなりがちであり、学習効率、学習効果が思うように得られなかった。同時に、学校や学習塾等で、指導者が学習者に対して指導する際にも、明確な基準がないことから、指導者独自の見解で学習者を指導してしまう場合があり、学習者の学習レベルに応じた適切な指導が困難であった。
【0005】
本発明は上記従来の課題に鑑みてなされたものであり、その一つの目的は、学習者が問題を解く際に各学習者の学習レベルに応じた問題を簡単に把握することができ、学習者の学習意欲を向上し、学習者自身の学習効率、学習効果を向上しうると同時に、指導者の指導効率、指導効果を向上しうる問題集作成方法並びに問題集を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために本発明は、複数の問題に関する情報を記録した問題データベース108に、入力部104から過去に行った試験問題に関連する問題ごとの正答率を入力するステップS12と、処理部102が、問題データベース108に入力された正答率に基づいて各問題の難易度を複数段階に分けるステップS14と、処理部102が、問題12と難易度とを関連付けて問題データベース108に記録するステップS16と、出力部106で問題データベース108に記録された問題12と難易度表示14を同時に出力するステップS18と、を含む問題集作成方法から構成される。好適には、問題の難易度は10段階に設定するとよい。問題データベース108には、過去に行った試験の問題のみに限らず、それ以外の問題に関する情報を記録しておいてもよい。その場合に、過去の試験問題以外の問題の難易度については、作成者が難易度を直接入力して設定できるようにしてもよい。用紙や冊子状の問題集を作成する際の問題の抽出方法は任意でよく、どのような方法で問題を抽出しても、各問題に正答率に基づいた難易度が表示されている問題集を作成できる。
【0007】
また、問題データベース108には、問題の出題方式を識別する出題方式情報を記録しておき、難易度を分けるステップS14では、処理部102が問題の出題方式情報に対応する補正値によって正答率を補正するステップを含み、補正された正答率に基づいて難易度を設定することとしてもよい。補正値は、例えば、択一問題(選択式問題)、文章問題、穴埋め問題、計算問題等の出題形式に応じて任意に設定してもよい。
【0008】
また、補正値は、問題の出題方式が択一式の場合に、択一式問題の選択肢数に対応して設定してもよい。
【0009】
さらに、本発明は、請求項1ないし3のいずれかに記載の問題データベースから選択される問題と、各問題の難易度表示14をそれぞれの問題12の近接位置に複数段階難易度表示14で記載した問題集10から構成される。
【発明の効果】
【0010】
本発明の問題集作成方法によれば、複数の問題に関する情報を記録した問題データベースに、入力部から過去に行った試験の問題ごとの正答率を入力するステップと、処理部が、問題データベースに入力された正答率に基づいて各問題の難易度を複数段階に分けるステップと、処理部が、問題と難易度とを関連付けて問題データベースに記録するステップと、出力部で問題データベースに記録された問題と難易度表示を同時に出力するステップと、を含むことから、問題の難易度を実情に沿って客観的に適切に設定した問題集を作成できる結果、学習者が問題を解く際に、例えば、各学習者の偏差値等の学習レベルに応じた難易度の問題を簡単に把握して問題に取り組むことができるので、学習意欲を向上し、学習者自身の学習効率、学習効果を向上しうると同時に、指導者の指導効率、指導効果を向上しうる問題集を提供できる。
【0011】
また、問題データベースには、問題の出題方式を識別する出題方式情報を記録しておき、難易度を分けるステップでは、処理部が問題の出題方式情報に対応する補正値によって正答率を補正するステップを含み、補正された正答率に基づいて難易度を設定する構成とすることにより、例えば、出題形式によって偶然の要素が入る問題を考慮して、より正確な難易度設定及び表示を可能とする。
【0012】
また、補正値は、問題の出題方式が択一式の場合に、択一式問題の選択肢数に対応して設定された構成とすることにより、選択肢数によって変動する偶然の要素を考慮して、より正確な難易度設定及び表示を可能とする。
【0013】
さらに、本発明の問題集によれば、請求項1ないし3のいずれかに記載の問題データベースから選択される問題と、各問題の難易度表示をそれぞれの問題の近接位置に複数段階難易度表示で記載したことから、例えば、問題を10段階の難易度として、より具体的に正確に学習者の学力、学習レベルに応じた難易度の問題を容易に把握して、問題に取り組むことができる。その結果、学習者の学習意欲を向上し、学習者自身の学習効率、学習効果を向上しうると同時に、指導者の指導効率、指導効果を向上しうる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の一実施形態に係る問題集の要部説明図である。
図2】問題の10段階難易度表示と正答率との関連を説明する表である。
図3】本発明の一実施形態に係る問題集作成方法のフローチャートである
図4図3の問題集作成方法で利用される作成システムの概略機能ブロック図である。
図5】問題の出題形式と補正値との対応付けを説明する表である。
図6】問題データベースに記録される問題関連データの例である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下添付図面を参照しつつ本発明の問題集作成方法並びに問題集の実施形態について説明する。本発明に係る問題集は、例えば、学校、学習塾等その他種々の場面において、学習者が一人で学習する際に、又は学習者が教師や指導者から指導を受けながら学習する際に、利用できる問題集である。図1には、本発明の問題集の一実施形態を示している。図1に示すように、本実施形態において、問題集10は、複数の問題12を集めて作成されており、それぞれ問題12の難易度を表示する10段階難易度表示14が記載されている。本実施形態では、問題集10は、例えば、説明のために1枚の用紙20の表面に複数の問題が記載された態様で説明しているが、問題が記載された用紙を複数枚閉じて冊子状にしたものとしてもよい。
【0016】
本実施形態では、問題12は、例えば、過去に行った試験の問題(いわゆる過去問)から構成されている。過去に行った試験の問題とは、例えば、定期試験、入学試験、検定試験、資格試験、入社試験、模擬試験等その他任意の試験問題からなる。図1では、たし算問題の試験を行った例で示しているが、国語、算数(数学)、理科、社会、英語、その他の科目等、任意の問題でよい。例えば、高校受験のために勉強している中学3年生の学習者が利用する問題集を作成する場合には、都道府県の公立高等学校の過去の入学試験問題を利用することとしてもよい。問題12には、問題の横に問題番号18が付与されている。本実施形態では、問題集の問題12が記載されている用紙20の表面に別枠で構成された解答欄16が同時に記載されており、問題番号に応じた番号が記載されている。なお、問題のみが表示された問題集であってもよい。
【0017】
10段階難易度表示14は、問題12の難易度を10段階に分けて表示する難易度表示手段であり、当該問題を解く際の指標となる。図1に示すように、10段階難易度表示14は、例えば、問題の近傍位置に(図1では、問題符号18の横に並設して)表示されている。10段階難易度表示14は、当該問題12と対応する関係がわかるように問題に近い位置に表示されるが、この態様に限らず、解答欄16の近傍位置に表示することとしてもよい。10段階難易度表示14は、例えば、「1」〜「10」の数字で難易度段階を示している。図2に示すように、「1」が易しく、数字が大きくなるほど難しくなるように設定されている。なお、10段階難易度表示14の表示形式は、例えば、数字に限らず、アルファベット(A〜J等)、その他の文字、記号、図形等その他任意の表示でよい。
【0018】
10段階難易度表示14は、例えば、問題集の問題12が過去に行った試験の問題であることから、その試験を行った際に得られた各問題の正答率に基づいて設定されている。例えば、図2に示すように、正答率が91〜100%のものは、難易度レベル1に設定し、同様に正答率が10%低下するごとに、難易度が1つずつ上昇するように設定されている。なお、実際の正答率の数字をそのまま図2の表のように対応させて10段階難易度表示を設定することとしてもよいが、問題の出題形式に応じて正答率を補正し、その補正した正答率に対応して10段階難易度表示を設定することとしてもよい。例えば、後述のように、択一式の問題形式の場合には、偶然の正答が一定数含まれることから、2択、3択・・・等の選択肢数に対応して実際の正答率から補正した正答率に基づいて難易度を設定するとよい。
【0019】
なお、問題集の問題12は、上記したような過去の試験問題に限らず、問題集の作成者や指導者等が新規に又は独自に考えた問題やその他任意の問題でもよい。その場合には、10段階難易度表示は、正答率に基づいて区分することができないので、作成者等により設定した10段階難易度表示を記載することとしてもよい。また、過去の試験問題と、その他の問題と、の両方を集めて問題集を作成することとしてもよい。
【0020】
このように、問題に10段階難易度表示を設定したことにより、例えば、学習者は、自身の学力段階に対応した問題の難易度を容易に把握して、解答に取り組むことができる。学習者は、例えば、自身の偏差値に対応して自身の学習レベルに対応する難易度レベルを定め、自身のレベルに対応する難易度以下の問題に対しては「自己解決をもって当然解けなくてはならない」とし、自身のレベルよりやや高い難易度の問題に対しては「成績を上げるために取り組まなければならない問題」とし、自身のレベルより数段上の高い難易度の問題に対しては「今の段階では取り組む必要のない問題」と、明確に区別して学習に取り組むことができ、学習意欲、学習効率、学習効果の向上を期待できる。同様に、指導者も対象となる学習者の成績を把握していれば、学習者に取り組ませる問題の難易度に対応して明確に区別して指導することができるので、指導効率、指導効果の向上を期待できる。
【0021】
次に、図2から図6を参照しつつ、本発明の問題集作成方法の一実施形態について説明する。なお、上記実施形態と同様の部材の符号を付して詳細な説明を省略する。本実施形態の問題集作成方法は、例えば、上述したような10段階難易度表示14が記載された問題集10を作成する方法である。図3に示すように、本実施形態の問題集作成方法は、問題ごとの正答率を入力するステップS12と、問題の難易度を分けるステップS14と、問題と難易度とを関連付けるステップS16と、問題と難易度表示を同時に出力するステップS18と、を含む。
【0022】
本実施形態に係る問題集作成方法は、例えば、図4に示すような、問題集作成システム100を利用して実行することができる。問題集作成システム100は、例えば、中央演算処理装置、メモリ、ハードディスク等の記録装置、キーボードやマウス等の入力装置、モニタやプリンタ等の出力装置等を含むパーソナルコンピュータ等の一般的なコンピュータや周辺機器が利用される。コンピュータは、予めプログラミングされたプログラムに応じて処理を実行するようになっており、処理部102と、入力部104と、出力部106と、問題データベース108と、難易度テーブル110と、補正テーブル112と、の機能を実行する。なお、問題集作成システム100は、1つのコンピュータのみで実現する態様に限らず、例えば通信回線で接続される複数のコンピュータを協働させて実現することとしてもよい。
【0023】
処理部102は、例えば、問題の難易度の設定や正答率の補正等を実行する。入力部104は、キーボード等の装置から入力されたデータを受けて、処理部、問題データベースに入力する入力手段である。出力部106は、問題や難易度等をモニタやプリンタに出力する出力手段である。問題データベース108には、例えば、複数の問題に関する情報が記録されている。例えば、図6に示すように問題を識別するための識別符号No.や問題のデータ、問題の出題形式を識別する情報データ等が記録されている。問題データベースに問題そのものを記録しておかなくてもよく、別途保存した問題と識別符号等で関連付けしておくこととしてもよい。さらに、後述のように、必要に応じて、入力される正答率データや、10段階難易度のデータ等が各問題に関連付けされて記録される。難易度テーブル110は、図2に示すように、実際の正答率又は後述する補正した正答率等の入力した正答率に基づいて、対応付けされる10段階の難易度が記録されている。補正テーブル112は、図5に示すように、問題データベース108に記録された問題の出題形式と対応する補正値が記録されている。なお、図5の補正値は、任意に変更してもよく、補正値で計算して補正する態様に限らず、任意の補正式を利用して正答率を補正することとしてもよい。また、難易度テーブル110や補正テーブル112を設けずに、問題データベースで補正値を関連付けして記録することとしてもよい。また、補正値や補正式を作成者が入力してデータベースに設定することとしてもよい。また、問題データベースには、過去の試験問題に限らず、その他の問題に関する情報を記録しておいてもよい。また、例えば、問題データベースには、各問題に関連してその問題の単元、教科、分野、出題地域、出題時期などを記録しておくこととしてもよい。
【0024】
図3のフローチャートにしたがって問題集作成方法を説明すると、ステップS12では、例えば、キーボード等を使用して過去に行った試験問題の問題ごとに実際の正答率を入力して問題データベース108に記録する。次にステップS14では、処理部102が、入力された正答率に基づいて10段階の難易度を設定する。本実施形態では、具体的には、まず、ステップS141において、処理部は、問題データベースから当該問題の出題形式を判定する。例えば、問題ごとに出題形式に応じて識別情報を付与して問題データベース108に記録しておき、処理部は、その識別情報に基づいて、比較的高い割合で偶然の正答が含まれる択一式問題(あるいは選択式問題)か、偶然の要素の少ない択一式(選択式)以外の問題かを判断する。択一式以外の問題の場合には、ステップS142にて、処理部が、図2に示すような難易度テーブルを参照して問題の難易度を設定する。一方、ステップS141で、当該問題が択一問題であると判断した場合には、ステップS143に進み、補正テーブルを参照して択一問題の選択肢数に応じた補正値を実際の正答率に乗算して補正した正答率を算出する。次に、ステップS144において、処理部は、補正した正答率に基づいて図2に示すような難易度テーブルを参照して難易度を設定する。例えば、ある問題が5択問題で、実際の正答率が42%だった場合には、ステップS142で、補正テーブルを参照して5択問題の補正値0.9を実際の正答率に乗算して補正した値を求める。すると、補正した正答率の数値は38%となる。そして、ステップS143で、当該問題では、38%の正答率に対応して難易度7として設定する。なお、本実施形態では、択一問題か否かで実際の正答率で難易度を設定するか、補正した正答率で難易度を設定するかの処理を分けたが、それに限らない。択一式問題以外の場合には、補正値を1と設定しておき、常に正答率と補正値とを乗算して補正した正答率を利用して難易度を設定することとしてもよい。また、正答率の補正は、正答率に補正値を乗算して補正する構成に限らず、任意の補正式で正答率を補正することとしてもよい。なお、例えば、過去の試験問題以外の問題を問題集に掲載する場合には、上記ステップS12、S14とは別に、入力部等を介して、作成者等が独自に判断した10段階の難易度を入力して、設定することとしてもよい。
【0025】
次に、ステップS16では、処理部が設定した10段階の難易度を、当該問題と関連付けして問題データベースに記録する。ステップS18では、複数の問題を編集して問題集を作成する際に、例えば、モニタ等に問題と設定された10段階の難易度を同時に表示させたり、作成した問題集のデータをプリンタ等で出力したりする。このようにして、最終的に用紙等に問題集を出力することで、図1に示すように、各々の問題の近くの位置に10段階難易度が同時に表示された問題集が作成される。なお、例えば、作成システム100に問題編集機能を備えておいてもよい。例えば、問題集を作成する際に、作成システム100から、正答率、難易度、単元、教科、分野、出題地域、出題時期などを元に問題を抽出する。その結果作成される問題集には、上記のように、問題集に掲載された全ての問題各々に本発明による正答率に関連付けられた難易度が表記されることになる。なお、例えば、問題集に、学習者の偏差値と10段階難易度表示との対応関係を記載した表など、その他任意の学習レベルと難易度との対応関係を示すものを記載しておいてもよい。また、例えば、種々の試験を監修作成する者が、その結果帳票に試験を受けた学習者(試験の受験者)の参考学習レベルとして10段階の難易度を記載して、当該学習者に送付するようにし、その結果帳票に記載される学習者の参考学習レベルと問題集の難易度表記とを関連付けることもできる。
【0026】
以上説明した本発明の問題集並びに問題集作成方法は、上記した実施形態のみの構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した本発明の本質を逸脱しない範囲において、任意の改変を行ってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0027】
本発明の問題集作成方法並びに問題集は、例えば、学校や専門学校、学習塾又は資格試験、会社の採用試験や研修等の種々の場面で利用できる問題集に好適に適用できる。
【符号の説明】
【0028】
10 問題集
12 問題
14 10段階難易度表示
102 処理部
104 入力部
106 出力部
108 問題データベース
110 難易度テーブル
112 補正テーブル
図1
図2
図3
図4
図5
図6