(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-79956(P2017-79956A)
(43)【公開日】2017年5月18日
(54)【発明の名称】ケースカバー
(51)【国際特許分類】
A45C 11/00 20060101AFI20170414BHJP
A47K 10/42 20060101ALI20170414BHJP
【FI】
A45C11/00 C
A47K10/42 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2015-210291(P2015-210291)
(22)【出願日】2015年10月27日
(71)【出願人】
【識別番号】515297342
【氏名又は名称】岡本 扶美
(74)【代理人】
【識別番号】100151208
【弁理士】
【氏名又は名称】植田 吉伸
(72)【発明者】
【氏名】岡本 扶美
【テーマコード(参考)】
3B045
【Fターム(参考)】
3B045BA11
3B045CE02
3B045DA44
3B045EA02
3B045EA06
3B045FC08
3B045IA05
(57)【要約】
【課題】不必要な凸部を形成することがない布製のケースカバーの製造方法を提供することである。
【解決手段】ケースカバー10の製造方法は、上面部4と側面部5との間にわたって曲げられた曲面部6を有するケースの周囲を覆うケースカバー10の製造方法であって、上面部4の面積と曲面部6の面積の総和よりも小さい面積を有し、少なくとも上面部4の略全体と曲面部6の一部を覆う布製の上面カバー部12を設ける第1の工程と、側面部5の周方向に巻回され、側面部5の略全体を覆う布製の側面カバー部14を設ける第2の工程と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上面部と側面部との間にわたって曲げられた曲面部を有するケースの周囲を覆うケースカバーの製造方法であって、
前記上面部の面積と前記曲面部の面積の総和よりも小さい面積を有し、少なくとも前記上面部の略全体と前記曲面部の一部を覆う布製の上面カバー部を設ける第1の工程と、
前記側面部の周方向に巻回され、前記側面部の略全体を覆う布製の側面カバー部を設ける第2の工程と、
を備えることを特徴とするケースカバーの製造方法。
【請求項2】
請求項1に記載のケースカバーの製造方法において、
前記上面カバー部と前記側面カバー部の境界部を覆うように周方向に巻回され、帯状で布製の境界カバー部を設ける第3工程をさらに備えることを特徴とするケースカバーの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ケースカバーに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ウェットティッシュやお尻ふきなどを収納するケースが種々開発されている。本発明に関連する技術として、例えば、特許文献1には、容易に開閉蓋を開けることができ、開閉蓋を開いた後に摘み部から手を放したときに、合成樹脂の反発力により開閉蓋が閉じてしまうことがなく、かつ、再封した際にしわが生じるのを防止できる包装体が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015−85968号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のように従来機能性を考慮したケースは開発されているが、デザイン性を考慮したものが極めて少ない。そこで、花柄などの模様が施された布をカバーとして利用することも考えられるが、一枚の布を用いてケースの上面部と側面部を覆う場合に側面部の角部でしわが生じてしまい不必要な凸部が形成されてしまう課題がある。また、このような凸部はデザイン性を鑑みてもあまり好ましいものとは言えない。
【0005】
本発明の目的は、不必要な凸部を形成することがない布製のケースカバーの製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係るケースカバーの製造方法は、上面部と側面部との間にわたって曲げられた曲面部を有するケースの周囲を覆うケースカバーの製造方法であって、前記上面部の面積と前記曲面部の面積の総和よりも小さい面積を有し、少なくとも前記上面部の略全体と前記曲面部の一部を覆う布製の上面カバー部を設ける第1の工程と、前記側面部の周方向に巻回され、前記側面部の略全体を覆う布製の側面カバー部を設ける第2の工程と、を備えることを特徴とする。
【0007】
また、本発明に係るケースカバーの製造方法において、前記上面カバー部と前記側面カバー部の境界部を覆うように周方向に巻回され、帯状で布製の境界カバー部を設ける第3工程をさらに備えることが好ましい。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、上面カバー部と側面カバー部によってケース全体が覆われている。そして、上面カバー部は、上面部の面積と曲面部の面積の総和よりも小さい面積を有しているため、布が余ることが無くしわが生じない。したがって、不必要な凸部を形成することがない。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明に係る実施形態において、ケースカバーを示す図である。
【
図2】本発明に係る実施形態において、ケースカバーによって覆われるハードケースを示す図である。
【
図3】本発明に係る実施形態において、ケースカバーの各構成要素を分離した図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本発明に係る実施の形態について添付図面を参照しながら詳細に説明する。以下では、全ての図面において同様の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、本文中の説明においては、必要に応じそれ以前に述べた符号を用いるものとする。
【0011】
図1は、ケースカバー10を示す図である。
図2は、ケースカバー10によって覆われるハードケース2を示す図である。
図3は、ケースカバー10の各構成要素を分離した図である。ケースカバー10は、ウェットティッシュやお尻ふきが収納されたハードケース2を覆うカバーである。なお、ハードケース2は、ケースカバー10の構成要素ではないが、ケースカバー10の構造を説明するために必要であるため、最初にハードケース2について説明する。
【0012】
ハードケース2は、上面部4と、側面部5と、曲面部6と、底面部7と、蓋部8とを有する。ハードケース2は、程度な強度を有する材料を用いて構成されており、例えば、プラスチックを用いて構成することができる。
【0013】
ハードケース2の内部には、複数枚のウェットティッシュなどが折りたたまれて収納されており、上面部4の中央に設けられた蓋部8を開いて取り出すことができる。上面部4及び底面部7は略平板形状を有し、所定の間隔をあけて平行に位置している。
【0014】
側面部5は、底面部7の四辺外端部に立設している。曲面部6は、上面部4と側面部5との間にわたって曲げられて形成されており、上面部4と側面部5の間に所定の曲率を有する曲面を含む。
【0015】
ここで、ハードケース2において、上面部4の面積をS
Uとし、曲面部6の面積をS
Rとし、側面部5の面積をS
Sとする。
【0016】
次に、ケースカバー10の各構成要素について説明する。ケースカバー10は、上面カバー部12と、側面カバー部14と、境界カバー部16とを備えて構成される。
【0017】
上面カバー部12は、ハードケース2の上面部4と曲面部6を覆う布部材である。上面カバー部12は、矩形形状を有している。上面カバー部12の面積をS
cuとすると、S
cu≦S
U+S
Rの関係式が成立するように上面カバー部12の大きさが設定されている。また、上面カバー部12は、蓋部8の開閉に伴って開閉する蓋部を有しており、その境界の隙間にはレース部材などを設置して隙間が見えにくいように配慮している。ここで、上面カバー部12は、花柄模様などが装飾され、フランスの伝統工芸として知られるカルトナージュ用の布等を用いることがより良いデザイン性を考慮した際に好適となる。
【0018】
側面カバー部14は、ハードケース2の側面部5の周方向に巻回され、側面部5の略全体を覆う布部材である。側面カバー部14は、帯状の形状を有している。ここで、側面カバー部14の面積をS
CSとすると、S
CS≧S
Sの関係式が成立するように側面カバー部14の大きさが設定される。また、上面カバー部12の面積S
cuと側面カバー部14の面積S
CSの双方がハードケース2に取り付けられた際に境界部に隙間が生じることがないように面積が設定されることが好適である。なお、側面カバー部14も上面カバー部12と同様にカルトナージュ用の布を帯状に形成して使用しても良く、その他、美観を生じる帯状のリボンを用いて構成してもよい。
【0019】
境界カバー部16は、上面カバー部12と側面カバー部14の境界部を覆うように周方向に巻回される布部材である。境界カバー部16は、側面カバー部14と同様に帯状の形状を有しているが、側面カバー部14に比べて面積が小さい。ここで、境界カバー部16の面積をS
Cbとすると、0.05×S
CS≦S
Cb≦0.3×S
CSの範囲がより好ましいデザインとなる。なお、境界カバー部16は、レース状の帯部材を用いて構成することが好ましく、また、
図1,3に示されるように所定の間隔で複数の装飾具が吊下げられていることも好適である。
【0020】
次に、ケースカバー10の製造方法について説明する。最初に、ハードケース2を用意し(S2)、続いてボンド等の接着剤を用いて上面カバー部12をハードケース2の上面部4と曲面部6を覆うように取り付ける(S4)。
【0021】
その後、側面カバー部14をハードケース2の側面部5を覆うように巻回し、ボンド等の接着剤を用いて取り付ける(S6)。次いで、上面カバー部12と側面カバー部14の境界部を覆うように境界カバー部16を側面部5の上部に巻回し、ボンド等の接着剤を用いて上面カバー部12及び側面カバー部14に取り付ける(S8)。これにより、ケースカバー10が完成する。
【0022】
続いて、上記構成のケースカバー10の製造方法の作用について説明する。上記のように、当該ケースカバー10の製造方法では、S
cu≦S
U+S
Rの関係式が成立するような上面カバー部12を取り付けている。これにより、取り付け対象領域(上面部4及び曲面部6)に対して上面カバー部12の布が余ることがない。したがって、上面カバー部12においてしわが発生することがない。
【0023】
また、ケースカバー10の製造方法では、上面カバー部12とは別の部材であり、S
CS≧S
Sの関係式が成立するような側面カバー部14を用いてハードケース2の側面部5を覆っている。したがって、ケースカバー10全体において余分な凸部を形成することなくカバーとして機能させることができる。また、上面カバー部12及び側面カバー部14はカルトナージュ用の布を用いて装飾が施されたものであり、デザイン性にも優れている利点がある。
【0024】
さらに、ケースカバー10の製造方法では、上面カバー部12と側面カバー部14の境界部を覆うように境界カバー部16が設けられている。これにより、上面カバー部12と側面カバー部14の補強部材として機能するとともに、複数の装飾具が吊下げられているようなデザインが施されているため、美しい美観が生じるというメリットがある。
【符号の説明】
【0025】
2 ハードケース、4 上面部、5 側面部、6 曲面部、7 底面部、8 蓋部、10 ケースカバー、12 上面カバー部、14 側面カバー部、16 境界カバー部。