特開2017-80018(P2017-80018A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-80018(P2017-80018A)
(43)【公開日】2017年5月18日
(54)【発明の名称】多目的カバー
(51)【国際特許分類】
   A47C 27/12 20060101AFI20170414BHJP
   A63B 61/00 20060101ALI20170414BHJP
   A63B 71/02 20060101ALI20170414BHJP
【FI】
   A47C27/12 E
   A47C27/12 L
   A63B61/00 Z
   A63B71/02 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2015-210848(P2015-210848)
(22)【出願日】2015年10月27日
(71)【出願人】
【識別番号】595061369
【氏名又は名称】株式会社三英
(74)【代理人】
【識別番号】100080528
【弁理士】
【氏名又は名称】下山 冨士男
(74)【代理人】
【識別番号】100073601
【弁理士】
【氏名又は名称】前田 和男
(72)【発明者】
【氏名】吉澤 今朝男
【テーマコード(参考)】
3B096
【Fターム(参考)】
3B096AA01
3B096AB10
3B096AD04
(57)【要約】
【課題】本発明は、定常的には、卓球競技用フェンスとして用いるように形成されている衝立状の骨格部分に被せるカバーとして機能し、自然災害発生時等には、防寒用具として機能するという経済性に優れた多様な用途を併有する多目的カバーを提供する。
【解決手段】本発明の多目的カバーは、二つ折り重ね合わせ形態と、展開形態とに変更可能に構成した四角形状又はほぼ四角形状の断熱性・保温性を有するシート状のカバー本体2と、二つ折り重ね合わせ形態におけるカバー本体2の両側辺部2a、2bを閉塞し、上・下辺部2cのうちのいずれかの一辺部側のみを開口状態とする一対の線ファスナー5と、を有し、形態の変更に応じて、卓球競技用フェンスとして用いるように形成されている衝立状の骨格部分に被せる卓球フェンスカバー機能、寝袋等の身体用防寒用具としての機能、更には、防寒用敷物シートとしての機能を発揮させる構成としたものである。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
二つ折り重ね合わせ形態で、四角形状又はほぼ四角形状の断熱性・保温性を有するとともに、両側辺部を閉塞し、かつ、上・下辺部のうちのいずれかの一辺部側を閉塞し、上・下辺部のうちのいずれかの一辺部側のみを開口状態として袋状としたシート状のカバー本体として構成し、
形態の変更に応じて物品のカバー機能及び身体に対する複数種の防寒機能を発揮し得る構成としたことを特徴とする多目的カバー。
【請求項2】
二つ折り重ね合わせ形態と、展開形態とに変更可能に構成した四角形状又はほぼ四角形状の断熱性・保温性を有するシート状のカバー本体と、
二つ折り重ね合わせ形態におけるカバー本体の両側辺部を閉塞し、上・下辺部のうちのいずれかの一辺部側のみを開口状態とする一対のファスナーと、
を有し、
形態の変更に応じて物品のカバー機能及び身体に対する複数種の防寒機能を発揮し得る構成としたことを特徴とする多目的カバー。
【請求項3】
カバー本体を、二つ折り重ね合わせ形態で、両側辺部及び上・下辺部のうちのいずれかの一辺部側を閉鎖し、上・下辺部のうちのいずれかの一辺部側のみを開口状態とするように構成したとともに、
前記両側辺部及び前記上・下辺部のうちの閉鎖されている一辺部の3辺に連続可能なようなファスナーを配置し、前記カバー本体を夫々2枚に分離して一枚ずつ個別使用できるように構成し、
前記カバー本体を、二つ折り重ね状態、展開状態、並びに、2枚に分離して個別使用できるようにし、
形態の変更に応じて物品のカバー機能及び身体に対する複数種の防寒機能を発揮し得る構成としたことを特徴とする多目的カバー。
【請求項4】
前記シート状のカバー本体は、合成樹脂製シートと、断熱性・保温性シートとの重合構造であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の多目的カバー。
【請求項5】
前記シート状のカバー本体は、断熱性・保温性シートのみからなることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の多目的カバー。
【請求項6】
前記ファスナーは、線ファスナー又は細幅の面ファスナーであることを特徴とする請求項2又は3記載の多目的カバー。
【請求項7】
前記カバー本体は、卓球競技用フェンスとして用いるように形成されている衝立状の骨格部分に被せて卓球競技用フェンス機能、及び身体に対する複数種の防寒機能を発揮できるようにしたものであることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の多目的カバー。
【請求項8】
前記カバー本体を、二つ折り重ね状態、展開状態、並びに、前記カバー本体を2枚に分離して個別使用できるようにし、二つ折り重ね形態又は展開形態或いは二つを切り離した形態とし、防寒用敷物シート、及び身体に対する複数種の防寒機能をできるようにしたものであることを特徴とする請求項2乃至6のいずれか1項に記載の多目的カバー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多目的カバーに関し、詳しくは、例えば卓球競技用フェンスとして用いるように形成されている衝立状の骨格部分に簡単に被せて卓球競技用フェンスとしての機能とともに、防寒用具・敷物等としての機能を併有する多目的カバーに関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、体育館内で行われる卓球競技会や卓球練習の際には、卓球台の周りに主に卓球ボールの飛散を防ぐために卓球競技用フェンスを複数台列設配置することが通常である。
【0003】
このような卓球競技用フェンスは、東日本大震災のような自然災害時においては、例えば体育館等が避難所になった際には、避難者の居場所を区切る目的等で使用する場合もある。
【0004】
このような場合、寒冷期における自然災害発生時等においては、その直後からインフラ遮断による避難者の防寒対策や固い床面に直接座った際に、身体が痛くなるなどに対するケアが極めて重要となる。
【0005】
しかし、従来の卓球競技用フェンスは、専ら卓球ボールの飛散防止のみを目的としたものであり、例えば防寒用・クッション性を持たせた敷物シート等の用途には不向きである。
【0006】
一方、自然災害発生時において床面に敷く防寒用の敷物シートも従来から存在しているが、このような敷物シートは、通常は倉庫内に保管されて自然災害発生時にしか使用されないため、倉庫面積を占有し、災害予算も別途必要という事例が多々発生している。
【0007】
特許文献1には、四角形状に枠組みし、支持脚により起立可能とした卓球用の固定フェンスに対して、袋状カバーを被せた卓球フェンスが開示されている(特許文献1、図5)。
しかし、この袋状カバーも、既述した場合と同様、専ら卓球ボールの飛散防止のみを目的としたものであり、例えば防寒用の敷物シート等の機能を有するものではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2000−116840号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、上記従来技術に鑑みて開発されたものであり、定常的には通常の卓球競技用フェンスとして機能し、自然災害発生時等には防寒・クッション性を持たせた敷物として機能するという経済性に優れた多様な用途を併有する多目的カバーを提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る多目的カバーは、二つ折り重ね合わせ形態と、展開形態とに変更可能に構成した四角形状又はほぼ四角形状の断熱性・保温性を有するシート状のカバー本体と、二つ折り重ね合わせ形態におけるカバー本体の両側辺部を閉塞し、上・下辺部のうちのいずれかの一辺部側のみを開口状態とする一対のファスナーと、を有し、形態の変更に応じて物品のカバー機能及び身体に対する複数種の防寒機能を発揮し得る構成としたことを最も主要な特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
請求項1記載の発明によれば、定常的には卓球競技用フェンスとして用いるように形成されている衝立状の骨格部分に簡単に被せて卓球競技用フェンスとして機能させ、また、自然災害発生時等の異常事態発生時には寝袋や防寒用敷物等のような身体に対する複数種の防寒機能を発揮させることができる経済性に優れて有用な多目的カバーを実現し提供することができる。
請求項2記載の発明によれば、二つ折り重ね合わせ形態と、展開形態との二種類にわたる形態の変更に応じて、定常的には卓球競技用フェンスとして用いるように形成されている衝立状の骨格部分に簡単に被せて卓球競技用フェンスとして機能させ、また、自然災害発生時等の異常事態発生時には寝袋や防寒用敷物等のような身体に対する複数種の防寒機能を発揮させることができる経済性に優れて有用な多目的カバーを実現し提供することができる。
請求項3記載の発明によれば、請求項1、2と同様の効果に加えて、前記カバー本体を二つ折り重ね状態、展開状態、並びに、2枚に分離して個別使用できる経済性に優れて有用な多目的カバーを実現し提供することができる。
【0012】
請求項4記載の発明によれば、前記シート状のカバー本体を合成樹脂製シートと、断熱性・保温性シートとの重合構造として、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の発明と同様な効果を奏する多目的カバーを実現し提供することができる。
【0013】
請求項5記載の発明によれば、前記シート状のカバー本体を断熱性・保温性シートのみからなる構造として、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の発明と同様な効果を奏する多目的カバーを実現し提供することができる。
【0014】
請求項6記載の発明によれば、前記ファスナーを、線ファスナー又は細幅の面ファスナー構造として、請求項2又は3記載の発明と同様な効果を奏する多目的カバーを実現し提供することができる。
【0015】
請求項7記載の発明によれば、カバー本体を二つ折り重ね合わせ形態とし、かつ、両側辺部と、上・下辺部のうちのいずれかの一辺部側とを前記ファスナーにより閉塞して、例えば卓球競技用フェンスとして用いるように形成されている衝立状の骨格部分に被せて卓球競技用フェンスとして使用することができ、又は寝袋、着袋、足入れ防寒具として実用に供することができる請求項1乃至6のいずれか1項に記載の発明と同様な効果を奏する多目的カバーを実現し提供することができる。
【0016】
請求項8記載の発明によれば、前記カバー本体を、二つ折り重ね状態、展開状態、並びに、前記カバー本体を2枚に分離して個別使用できるようにし、二つ折り重ね形態又は展開形態或いは二つを切り離した形態として実用に供することができる請求項2乃至6のいずれか1項に記載の発明と同様な効果を奏する多目的カバーを実現し提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1図1は本発明の実施例に係る多目的カバーの展開形態の概略平面図である。
図2図2は本実施例に係る多目的カバーの部分断面図である。
図3図3は本実施例に係る多目的カバーの二つ折り重ね合わせ形態とし、線ファスナーにより側辺部を閉塞した状態を示す概略底面図である。
図4図4は本実施例に係る多目的カバーの二つ折り重ね合わせ形態とした場合の使用状態の一例を示す概略斜視図である。
図5図5は本実施例に係る多目的カバーの二つ折り重ね合わせ形態とした場合の使用状態(寝袋形態)を示す概略斜視図である。
図6図6は本実施例に係る多目的カバーの二つ折り重ね合わせ形態とした場合の使用状態(卓球競技用フェンス)を示す概略斜視図である。
図7図7は本実施例に係る多目的カバーにおけるカバー本体の他例を示す概略斜視図である。
図8図8(a)は本実施例に係る多目的カバーにおけるカバー本体の更なる他例を示す概略斜視図であり2枚の各カバー本体を連結した状態を示すものである。図8(b)は本実施例に係る多目的カバーにおけるカバー本体の更なる他例を示す一部を省略した概略斜視図であり2枚の各カバー本体を分離した状態を示すものである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明は、定常的には卓球競技用フェンスとして用いるように形成されている衝立状の骨格部分に簡単に被せて卓球競技用フェンスとして機能し、例えば自然災害発生時等の異常事態発生時には防寒用具・敷物等として機能するという経済性に優れた多様な用途を併有する多目的カバーを提供するという目的を、二つ折り重ね合わせ形態と、展開形態とに変更可能に構成した四角形状又はほぼ四角形状の断熱性・保温性を有するシート状のカバー本体と、二つ折り重ね合わせ形態におけるカバー本体の両側辺部を閉塞し、上・下辺部のうちのいずれかの一辺部側のみを開口状態とする一対のファスナーと、を有し、形態の変更に応じて、卓球フェンスに被せる卓球フェンスカバー機能、寝袋等の身体用防寒用具としての機能、更には防寒用敷物シートとしての機能を発揮させる構成により実現した。
【実施例】
【0019】
以下、本発明の実施例に係る多目的カバーについて図面を参照して詳細に説明する。
【0020】
本実施例に係る多目的カバー1は、図1乃至図3に示すように、平面視四角形状又はほぼ四角形状のカバー本体2を具備し、このカバー本体2を断熱性・保温性を有するシート状に形成するとともに、中央部13からの二つ折り重ね合わせ形態と、展開形態とに変更可能に構成したものである。
【0021】
前記カバー本体2は、二つ折りで折り重ねるとき外側となる合成樹脂製シート3と、この合成樹脂製シート3の内面側に添着状態となるように例えば縫製等で固着した断熱性・保温性シート4との重合構造としている。
この実施例では、前記合成樹脂製シート3は、例えば強化繊維入りPVCターポリン製のシートとしている。
【0022】
前記断熱性・保温性シート4は、例えばフリース素材、ウエットスーツ素材、その他の繊維材等から形成した防寒性・クッション性を有したシートの中から選定したシートである。
【0023】
本実施例に係る多目的カバー1は、更に、二つ折り重ね合わせ形態におけるカバー本体2における両側辺部2a、2bを閉塞し、上・下辺部2cのうちのいずれかの一辺部側のみを開口状態とする一対のファスナーである公知の一対の線ファスナー5、5を具備している。
【0024】
前記側辺部2a側の線ファスナー5は、図1に概略的に示すように、カバー本体2における中央部13において、側辺部2aから少し内方に入った位置に線ファスナー5を構成するスライダー6を配置し、各々エレメントを列設けた一対のテープ7、7を前記スライダー6の位置から分岐配置に前記側辺部2aの両側隅部の領域に至るように前記合成樹脂製シート3に縫製等の手段で取り付けるとともに、前記断熱性・保温性シート4の側辺部2a側の端辺部で覆われ、前記スライダー6がスライド可能な状態で配置され、前記スライダー6の閉操作により二つ折りで折り重ねたカバー本体2の側辺部2aを閉塞するように構成している。なお、図1にはスライダー6が中央部13において露出する態様で示している。
前記側辺部2b側の線ファスナー5も、上述した場合と同様に構成している。
【0025】
前記線ファスナー5に替えて図示しないが細幅の面ファスナーを用いる構成とすることもしてもよい。
【0026】
次に、図4乃至図6を参照して本実施例に係る多目的カバー1の各種の使用形態について説明する。
【0027】
図4は、前記多目的カバー1のカバー本体2を二つ折り重ね合わせ形態とし、例えば寒冷期における自然災害発生時等において、避難者Mの防寒用具である敷物として使用する形態を示すものである。
【0028】
この場合、二つ折りで折り重ねたカバー本体2の側辺部2a、2bは、各々線ファスナー5により閉塞する場合の他、単に前記カバー本体2を二つ折り重ね合わせ形態とし線ファスナー5により閉塞しない状態でも防寒用具である敷物として機能させることができる。
【0029】
また、避難者Mが多数人存在する場合には、カバー本体2を二つ折りにしないで図1に示す展開状態のままこれら多数人の避難者Mが座ったり寝たりする防寒用具として機能させることができる。
なお、図示する実施例ではファスナー部分を具備した例を示しているが、本発明においては、前記カバー本体2を展開状態としないで使用する状態もあり得ることから、必ずしも当該ファスナー部分を必要とするものではない。
すなわち、二つ折り重ね合わせ形態で、四角形状又はほぼ四角形状の断熱性・保温性を有するとともに、両側辺部を閉塞し、かつ、上・下辺部2cのうちのいずれかの一辺部側を閉塞し、上・下辺部2cのうちのいずれかの一辺部側のみを開口状態として袋状としたシート状のカバー本体2として構成しても良い。
【0030】
図5は、前記多目的カバー1のカバー本体2を例えば長さ200cm、二つ折りの幅寸法100cmを有するように形成し、このカバー本体2を例えば寝袋形態として避難者Mの終身用又は休息用の防寒用具として使用する形態を示すものである。
【0031】
この場合には、二つ折りで折り重ねたカバー本体2の側辺部2a、2bを前記線ファスナー5により各々閉塞するか、片側の側辺部2aのみを前記線ファスナー5により閉塞するか、更には、単に二つ折りで折り重ねたままとするかは、避難者Mが任意に選定し得ることは言うまでもない。
更に、前記線ファスナー5は、図1において側辺部2a、側辺部2bに夫々独立して配置されているが、図8の他例で示すように、図中に中央部13と示す位置を含め、側辺部2a、側辺部2b、中央部13の3辺に連続してなる線ファスナー5を配置することにより、自然災害発生時等においてカバー本体2Aを夫々分離して一枚ずつ個別に使用できるように構成しても良い。
なお、図8(a)は本実施例に係る多目的カバーにおけるカバー本体の更なる他例を示す概略斜視図であり2枚の各カバー本体2を連結した状態を示すものである。図8(b)は2枚の各カバー本体2を分離した状態を示すものである。
図8の実施例の場合、自然災害発生時等において例えばプライバシーの問題等から、相互に面識、認識の無い避難者と近接して利用することを倦厭する避難者に対し、カバー本体2Aを夫々分離して分離した夫々の一枚を各避難者1名分として有効に利用することができる。
なお、図8の実施例の場合において、図示するように、線ファスナー5を用いて構成する場合は、スライダー6を2個具備するように構成すると、カバー本体2Aを前記展開状態として利用することも勿論可能である。
【0032】
図6は、前記多目的カバー1を、例えば体育館に設置され卓球競技等の際に卓球台周辺の仕切りとして定常的に使用される卓球競技用フェンス11として使用する形態を示すものである。
【0033】
この場合には、前記カバー本体2を二つ折り重ね合わせ形態とし、かつ、両側辺部2a、2bを前記線ファスナー5により各々閉塞して、卓球競技用フェンス11として用いるように形成されている衝立状の骨格部分12に簡単に被せて、卓球競技の際における卓球の飛散防止機能を発揮させるものである。
【0034】
以上説明した本実施例に係る多目的カバー1によれば、例えば多数の卓球台を備えた体育館等の施設において、卓球競技の際に卓球台周辺に配置する卓球競技用フェンス11として使用することができ。
【0035】
また、例えば、寒冷期における自然災害発生時等における避難者Mの例えば訪寒対策として、前記多目的カバー1を、展開形態又は二つ折り重ね合わせ形態として体育館等の床面に敷くことにより、当該避難者Mの防寒具として有効活用することができる。
【0036】
これにより、当該体育館等の施設においては、防寒専用の防寒シート等を倉庫内に保管し管理しておく必要はなくなり、大きな経済効果を発揮させることが可能となる。
【0037】
前記多目的カバー1の防寒具としての機能について更に付言すると、この多目的カバー1を敷物として利用する場合には、避難者M等にとって床面からの寒さを防ぐばかりでなく、長時間体育館の床などに座る際におきる疲労(痛さ)の軽減を図れるという利点がある。
【0038】
また、カバー本体の両側辺部2a、2bに設けた線ファスナー5の開閉によって、カバー本体2を二つ折りに重ね合わせた形態としたり、多くの避難者Mが存在する場合の使用態様である展開状態とする切替操作が簡略容易であり、操作性の点でも優れた機能を発揮するものである。
【0039】
更に、前記多目的カバー1は、既述した寝袋態様で使用する場合の他、着袋態様や、使用者の足だけを二つ折り重ね合わせ形態のカバー本体2内に入れて暖をとる足入防寒具として利用することが可能である。
【0040】
図7は、本実施例に係る多目的カバー1を構成するカバー本体2の他例であるカバー本体2Aを概略的に示すものである。
【0041】
このカバー本体2Aは、線ファスナー5を備える点で前記カバー本体2と基本的構成はほぼ同様であるが、前記カバー本体2と異なり、前記合成樹脂製シート3を用いず既述したような断熱性・保温性シート4のみの単一素材シートにより形成したことが特徴である。なお、断熱性・保温性シート4の詳細形態は図示省略する。
【0042】
このようなカバー本体2Aを採用した多目的カバー1によっても、既述した多目的カバー1の場合と同様な効果を発揮させることができる。
【産業上の利用可能性】
【0043】
本発明の多目的カバーは、例えば日常的な使用態様として薄型テレビジョンや薄型暖房器具(パネル型ヒーター)等のような薄型物品のカバー用具としても応用可能である。
【符号の説明】
【0044】
1 多目的カバー
2 カバー本体
2A カバー本体
2a 側辺部
2b 側辺部
2c 上・下辺部
3 合成樹脂製シート
4 断熱性・保温性シート
5 線ファスナー
6 スライダー
7 テープ
11 卓球競技用フェンス
12 卓球競技用フェンスの衝立状の骨格部分
13 中央部
M 避難者
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8