特開2017-80270(P2017-80270A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特開2017080270-外反母趾を予防するための靴 図000003
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-80270(P2017-80270A)
(43)【公開日】2017年5月18日
(54)【発明の名称】外反母趾を予防するための靴
(51)【国際特許分類】
   A43B 7/26 20060101AFI20170414BHJP
【FI】
   A43B7/26
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2015-214282(P2015-214282)
(22)【出願日】2015年10月30日
(71)【出願人】
【識別番号】503068082
【氏名又は名称】ヤスナガコーヒ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001900
【氏名又は名称】特許業務法人 ナカジマ知的財産綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】安永 和央
【テーマコード(参考)】
4F050
【Fターム(参考)】
4F050HA05
4F050HA53
4F050HA55
(57)【要約】
【課題】 靴の形状の工夫により外反母趾を予防する靴を提供する。
【解決手段】 靴1は、靴底2と、靴底2上に配された甲被3とを備える。甲被3は、第一足指側の側面部11と第一足指の前方にある第一足指前面部12とを有する。甲被3の側面部11が、第一足指の付け根の関節に相当する関節位置Paよりも後方にある第1位置P1と第一足指の指先に相当する指先位置Pbよりも前方にあり第一足指前面部12よりも後方にある第2位置P2との間の区間16で略直線状である。靴底2の内面7が、第一足指F1と第二足指F2の間に相当する位置に、甲被3の側面部11の区間16に略平行な突条部8を有する。
【選択図】 図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外反母趾を予防するための靴であって、靴底と、前記靴底上に配された甲被とを備え、前記甲被は、第一足指側の側面部と前記側面部に連なり前記第一足指の前方にある第一足指前面部とを有し、前記甲被の前記側面部が、第一足指の付け根の関節に相当する関節位置よりも後方にある第1位置と前記第一足指の指先に相当する指先位置よりも前方にあり前記第一足指前面部よりも後方にある第2位置との間の区間で略直線状であり、前記靴底の内面が、前記第一足指と前記第二足指の間に相当する位置に、前記甲被の前記側面部の前記区間に略平行な突条部を有する、靴。
【請求項2】
前記突条部は、前記第一足指側の第1面と前記第二足指側の第2面とを有し、前記第2面の斜度が前記第1面の斜度よりも急峻である、請求項1に記載の靴。
【請求項3】
前記突条部の前端の幅が後端の幅よりも広い、請求項1または2に記載の靴。
【請求項4】
前記突条部の前端の高さが後端の高さよりも高い、請求項1乃至3の何れかに記載の靴。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外反母趾を予防するための靴に関する。
【背景技術】
【0002】
外反母趾は、第一足指(親指)の指先が外側に向けて変形する症状をいう。ここで、外側は、身体の中心軸から遠い位置を指し、内側は、身体の中心線に近い位置を指す。従来、外反母趾を予防するため、第一足指の指先が内側に向かうように設計された靴が提案されている。例えば、特許文献1は、第一足指と第二足指(人差指)の間を通過して第一足指を内側に向けて引張ることが可能な帯体を備えた靴を開示している(段落0016、0028参照)。また、特許文献2は、第一足指と第二足指の間の位置に、第一足指を内側に向けて押圧することが可能な仕切部材を備えた靴を開示している(段落0010参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−162268号公報
【特許文献2】特開2001−128705号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
通常の靴は、靴の甲被のつま先部分が先細り形状となっている。靴を履いている際に、第一足指の指先は、甲被の内面を押圧し、甲被の内面からその反力を受ける。このとき、甲被のつま先部分が先細り形状であるため、第一足指の指先が受ける反力は、外側に向かう成分を含む。特に、強く地面をけり出す際または斜面を下る際など、足のつま先に体重がかかる場合に、靴内で足の位置が前方にずれて、第一足指の指先が甲被の内面から強い反力を受ける。第一足指の指先がこのような反力を恒常的または断続的に受けることが外反母趾の一つの要因と考えられている。
【0005】
上述の通り、特許文献1,2は、外反母趾を予防するための靴を提案している。しかしながら、これらの靴は、靴の甲被のつま先部分が先細り形状となっているため、第一足指の指先が外側に向かう原因を排除しようというものではない。
本発明は、第一足指の指先が甲被の内面から反力を受けにくくして外反母趾を予防する靴を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
外反母趾を予防するための靴であって、靴底と、前記靴底上に配された甲被とを備え、前記甲被は、第一足指側の側面部と前記側面部に連なり前記第一足指の前方にある前面部とを有し、前記甲被の前記側面部が、第一足指の付け根の関節に相当する関節位置よりも後方にある第1位置と前記第一足指の指先に相当する指先位置よりも前方にあり前記前面部よりも後方にある第2位置との間の区間で略直線状であり、前記靴底の内面が、前記第一足指と前記第二足指の間に相当する位置に、前記甲被の前記側面部の前記区間に略平行な突条部を有する、靴。
【発明の効果】
【0007】
足の位置が靴内で前方にずれたとき、第一足指は靴底の内面の突条部に沿って移動する。靴の甲被の側面部が第一足指の指先位置よりも前方まで略直線状であり且つ突条部に略平行であるから、第一足指は、突条部に沿って移動しても甲被の内面には当接しにくい。従って、第一足指が甲被の内面を押圧して甲被の内面から反力を受けるという事態を生じにくくすることができ、ひいては外反母趾を予防することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の実施形態に係る靴の一部切欠き斜視図である。
図2】本発明の実施形態に係る靴の靴底の上面図である。
図3】本発明の実施形態に係る靴の断面図である。
図4】本発明の別の実施形態に係る靴の断面図である。
図5】本発明のさらに別の実施形態に係る靴の靴底の上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明を実施するための形態を、図面を参照して詳細に説明する。本明細書では、身体の中心軸を基準とした内外を示す場合は「内側」、「外側」の用語を利用する。靴の内外を示す場合は、単に「内」、「外」の用語を利用する。また、足のつま先を「前」、足の踵を「後」とする。
図1に示すように、靴1は、靴底2と、靴底2上に配された甲被3を備える。靴1は、左足用の靴である。右足用の靴は、左足用の靴と対称形であるから説明を省略する。
【0010】
靴底2は、表底4、中底5および中敷6を備える。靴底2の内面7は、第一足指と第二足指との間の位置に突条部8を有する。表底4、中底5および中敷6は、それぞれ、本革、合皮、ゴム、樹脂などからなる。靴底2は、3層構造であるが、これに限らず、単層構造、2層構造などでもよい。
甲被3は、靴底2に糸で縫合されており、本革、合皮、ゴム、樹脂などからなる。甲被3は、単層構造であるが、これに限らず、2層構造、3層構造などでもよい。また、甲被3は靴底2と別体構造であるが、これに限らず、靴底2と一体構造でもよい。
【0011】
図2は、靴底2の上面図である。甲被3の内面9の輪郭を二点鎖線で示す。靴1を履いたときに足裏が靴底2に接触する領域の輪郭を破線で示す。通常、足のサイズは人それぞれであるから、靴メーカーは、複数のサイズの靴を提供している。図2の足裏の輪郭線は、適切なサイズの靴を履いたときの足裏を示している。また、強く地面をけり出す際または斜面を下る際など、体重がつま先にかかる場合、靴1内で足の位置が標準の位置よりも前方にずれることがある。図2の足裏の輪郭線は、そのような状況ではなく、靴1内で足の位置が標準の位置にある状況の足裏を示している。
【0012】
甲被3は、第一足指F1側の側面部11、側面部11に連なり第一足指F1の前方にある第一足指前面部12、第一足指前面部12に連なり第二乃至第五足指F2〜F5の前方にある第二乃至第五足指前面部13、第二乃至第五足指前面部13に連なる第五足指F5側の側面部14および側面部14と側面部11に連なり踵の後方にある後面部15を有する。
【0013】
側面部11は、第1位置P1と第2位置P2の間の区間16において略直線状である。第1位置P1は、第一足指F1の付け根の関節に相当する関節位置Paよりも後方にあり、足の土踏まずに相当する位置Pcよりも前方にある。第1位置P1と関節位置Paとの距離は、靴のサイズにもよるが、例えば、1センチメートル以上2センチメートル以下である。第2位置P2は、第一足指F1の指先に相当する指先位置Pbよりも前方にあり第一足指前面部12よりも後方にある。第2位置P2と指先位置Pbとの距離は、靴のサイズにもよるが、例えば、0.5センチメートル以上2センチメートル以下である。側面部11における第1位置P1よりも後方の区間は、足の土踏まずの形状に沿って湾曲して、後面部15に滑らかにつながる曲線状である。側面部11における第2位置P2よりも前方の区間は、第一足指前面部12に滑らかにつながる曲線状である。
【0014】
第一足指前面部12は、略直線状または緩やかに湾曲した曲線状であり、側面部11の区間16に略直交する。第二乃至第五足指前面部13は、第二足指F2、第三足指F3、第四足指F4および第五足指F5の各指先を結ぶ曲線に沿う曲線状である。側面部14は、足の外側の側面の形状に沿って湾曲して、後面部15に滑らかにつながる曲線状である。後面部15は、踵の形状に沿って湾曲する曲線状である。
【0015】
突条部8は、靴の前後方向に長く、側面部11の区間16に略平行である。突条部8の後端21は、第一足指F1と第二足指F2の指股よりも前方に位置し、突条部8の前端22は、第一足指F1の指先よりも前方に位置する。突条部8の高さは、例えば、5ミリメートル以上20ミリメートル以下である。突条部8の頂部と甲被3との間に隙間があってもよく、隙間がなく突条部8と甲被3とが連結していてもよい。
【0016】
突条部8は、足の位置が靴1内で前方にずれたとき、第一足指F1の移動方向を規定する役割または第一足指F1を案内する役割を果たす。靴1の甲被3の側面部11が指先位置Pbよりも前方の第2位置P2まで略直線状であり且つ突条部8に略平行であるから、第一足指F1が突条部8に沿って移動しても甲被3の側面部11の内面9には当接しにくい。つまり、靴1内における突条部8に沿う前方に、甲被3の側面部11、甲被3の第一足指前面部12および靴底2の突条部8で規定された、第一足指F1の移動を受け入れる空間が確保されている。従って、第一足指F1が甲被3の内面9を押圧して甲被3の内面9から反力を受けるという事態を生じにくくすることができ、ひいては外反母趾を予防することができる。
【0017】
また、図3に示されるように、突条部8は、略三角形状の横断面を有し、第一足指F1側の第1面23と、第二足指F2側の第2面24を有する。第1面23および第2面24は、何れも斜面である。ここで、斜面とは、靴底2の内面7の平坦面部分に平行ではなく、垂直でもないことをいう。第1面23の斜度は、これに限られないが、例えば、45°〜70°である。第2面24の斜度は、これに限られないが、例えば、60°〜90°である。第1面23は、第一足指F1に接触する領域では僅かに凹んだ凹面状である。同様に、第2面24は、第二足指F2に接触する領域では僅かに凹んだ凹面状である。凹面の曲率は、第一足指F1および第二足指F2の形状に合わせて人間工学的に設計されている。これらにより、第一足指F1および第二足指F2のフィット感を得ることができる。なお、第1面23および第2面24は、必ずしも凹面状であることを要さず、平面状または凸面状であってもよい。
【0018】
また、図3に示されるように、第一足指F1は、突条部8の第1面23に部分的に乗り上げることとしてもよい。つまり、突条部8の第1面23は、第一足指F1に踏まれる位置まで延在していてもよい。第1面23は、第一足指F1の荷重による押圧力を受けて、その反力を第一足指F1に付与する。第1面23が斜面なので、この反力は内側に向かう成分を含む。従って、第一足指F1の指先を自然に内側に向けることができる。また、図3に示されるように、第二足指F2は、突条部8の第2面24に乗り上げないこととしてもよい。つまり、突条部8の第2面24は、第二足指F2に踏まれる位置まで延在しなくてもよい。これにより、第二足指F2は、靴底2の内面7の平坦面部分を踏むことになる。これは、通常の靴を履いたときと同じ状況なので指先の違和感を無くすことができる。
【0019】
さらに、図3に示されるように、第2面24の斜度は、第1面23の斜度よりも急峻であることとしてもよい。第一足指F1の指先が内側に向かうと、第二足指F2の指先もそれに伴い内側に向かおうとする。第2面24の斜度を第1面23の斜度よりも急峻にすることで、第二足指F2の指先の内側に向かう移動を規制しやすくできる。つまり、第二足指F2の指先が内側に向かい突条部8を乗り越えてしまうことを防止できる。これにより、第一足指F1を内側に向かわせつつ第二足指F2を適切な位置に留めることができ、外反母趾の予防の効果を高めることができる。なお、第1面23が凹面状の場合、第1面23の斜度は、厳密には第1面23上のそれぞれの位置で異なる。この場合、第1面23の斜度は、便宜的に、突条部8の頂部と突条部8の裾野部を結ぶ直線と靴底2の内面7の平坦面部分との成す角で規定できる。第2面24の斜度についても同様である。
【0020】
また、図2に示されるように、突条部8は、上面視略三角形状を有する。このように、突条部8の前端22の幅が後端21の幅よりも広いこととしてもよい。第一足指F1は、強く地面をけり出す際または斜面を下る際など、体重が足のつま先にかかる場合に前方にずれやすい。つまり、足の位置が前方にずれるときほど、第一足指F1が靴底2の内面7を強く押圧して強い反力を受ける。そして、第一足指F1が強い反力を受けるときこそ、第一足指F1の指先を内側に向かわせることが望まれる。突条部8の前端22の幅を後端21の幅よりも広くすることで、第一足指F1が前方にずれるほど、第一足指F1が突条部8を踏む面積を増加することができ、ひいては第一足指F1が内側に向かう力を受けやすくできる。突条部8の幅は、後端21から前端に向けて段階的に広くしてもよく、連続的に広くしてもよい。ただし、図2に示すように連続的に広くすれば、段階的に広くする場合に比べて突条部8の第1面23および第2面24が滑らかとなり、指先の違和感を少なくすることができる。
【0021】
また、突条部8が上面視略三角形状であることに加え、または、それとは別に、第1面23の斜度が、後端21から前端22まで次第に変化していてもよい。例えば、第1面23の後端21の斜度が急峻であり、前端22の斜度が緩やかであることとしてもよい。これにより、第一足指F1が前方にずれるほど、第一足指F1が突条部8を踏む面積を増加することができ、ひいては第一足指F1が内側に向かう力を受けやすくできる。
【0022】
さらに、図1に示されるように、突条部8の前端22の高さが後端21の高さよりも高いこととしてもよい。靴1を履く際、第一足指F1および第二足指F2を突条部8を隔てた両側の空間にそれぞれ進ませることになる。突条部8の高さが比較的高い場合、靴1を履く際に第一足指F1および第二足指F2の左右方向の動きの自由度が少なく、足入れに気を使うことになる。一方、靴1を履いてしまえば、第一足指F1の移動方向を規定する役割または第一足指F1を案内する役割を果たすために突条部8の高さは比較的高めに確保されていることが望まれる。突条部8の前端22の高さを後端21の高さよりも高くすることで、靴1を履く際の足入れもよく、しかも靴1を履いてからの突条部8の役割を適切に発揮させることができる。突条部8の高さは、後端21から前端に向けて段階的に高くしてもよく、連続的に高くしてもよい。ただし、図1に示すように連続的に高くすれば、段階的に高くする場合に比べて突条部8の稜線部分が滑らかとなり、指先の違和感を少なくすることができる。
【0023】
図3に示される靴では、突条部8は、中敷6に形成されている。中敷6を、例えば、ウレタンフォーム等の樹脂で形成する場合、金型を利用して所望の形状に成型可能である。また、中敷6が中底5の表面形状を反映する程度に薄くて柔軟性を有する場合、中底5に突条部を設けることで靴底2の突条部8を形成することとしてもよい。突条部8は、靴底2の内面7に現れていればよく、靴底2のどの層の突条部によるものかは問われない。また、突条部8は、一体成型に限らず、別体で成型したものを接着することで形成してもよい。
【0024】
図4(a)に別の実施形態の突条部の断面形状を示す。突条部8aは、略同じ斜度を有する第1面23および第2面24を有する。図4(a)に示されるように、第二足指F2は、突条部8aの第2面24に部分的に乗り上げることとしてもよい。つまり、突条部8aの第2面24は、第二足指F2に踏まれる位置まで延在していてもよい。第一足指F1が内側に向かおうとすると、第二足指F2もそれに伴い内側に向かおうとする。このとき、第二足指F2の内側への移動を完全に規制すると、第一足指F1と第二足指F2の間が広がり過ぎる可能性がある。第2面24を略垂直にするのではなく、斜面にすることで、ある程度、第二足指F2の内側への移動の自由度を与え、第一足指F1と第二足指F2の間が広がり過ぎるのを防止することができる。
【0025】
図4(b)に別の実施形態の突条部の断面形状を示す。突条部8bは、略垂直な第1面23および第2面24を有する。図4(b)に示されるように、第一足指F1および第二足指F2は、靴底2の内面7の平坦面部分を踏むことになる。これにより、通常の靴と同じ履き心地を得ることができる。
図5に別の実施形態の突条部の上面形状を示す。突条部8cは、後端21から前端22まで略一定の幅を有し、後端21から前端22まで略一定の高さを有する。このような形状でも、突条部8cに沿う前方に、甲被3の側面部11、甲被3の第一足指前面部12および靴底2の突条部8cで規定された、第一足指F1の移動を受け入れる空間が確保されている。従って、第一足指F1が甲被3の内面9を押圧して甲被3の内面9から反力を受けるという事態を生じにくくすることができ、ひいては外反母趾を予防することができる。
【0026】
上述の通り、本発明の各実施形態に係る靴は、甲被3の側面部11と甲被3の第一足指前面部12とで第一足指F1の前方を箱形または角形とした靴となっている。このような形状の靴が、特に、幼児または女性の将来における外反母趾の対策に有効であると考える。
【産業上の利用可能性】
【0027】
本発明は、外反母趾を予防するための靴に利用可能である。
【符号の説明】
【0028】
1 靴
2 靴底
3 甲被
4 表底
5 中底
6 中敷
7 靴底の内面
8,8a,8b,8c 突条部
9 甲被の内面
11 第一足指側の側面部
12 第一足指前面部
13 第二乃至第五足指前面部
14 第五足指側の側面部
15 後面部
16 第1位置P1と第2位置P2との間の区間
21 突条部の後端
22 突条部の前端
図1
図2
図3
図4
図5
【手続補正書】
【提出日】2017年1月26日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外反母趾を予防するための靴であって、靴底と、前記靴底上に配された甲被とを備え、前記甲被は、第一足指側の側面部と前記側面部に連なり前記第一足指の前方にある第一足指前面部とを有し、前記甲被の前記側面部が、第一足指の付け根の関節に相当する関節位置よりも後方にある第1位置と前記第一足指の指先に相当する指先位置よりも0.5センチメートル以上2センチメートル以下前方にあり前記第一足指前面部よりも後方にある第2位置との間の区間で略直線状であり、前記靴底の内面が、前記第一足指と前記第二足指の間に相当する位置に、前記甲被の前記側面部の前記区間に略平行な突条部を有する、靴。
【請求項2】
前記突条部は、前記第一足指側の第1面と前記第二足指側の第2面とを有し、前記第2面の斜度が前記第1面の斜度よりも急峻であり、前記第一足指は前記第1面に部分的に乗り上げるとともに、前記第二足指は前記第2面に乗り上げず前記靴底の内面の平坦面を踏む
請求項1に記載の靴。
【請求項3】
前記突条部の前端の幅が後端の幅よりも広い、請求項1または2に記載の靴。
【請求項4】
前記突条部の前端の高さが後端の高さよりも高い、請求項1乃至3の何れかに記載の靴。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
外反母趾を予防するための靴であって、靴底と、前記靴底上に配された甲被とを備え、前記甲被は、第一足指側の側面部と前記側面部に連なり前記第一足指の前方にある前面部とを有し、前記甲被の前記側面部が、第一足指の付け根の関節に相当する関節位置よりも後方にある第1位置と前記第一足指の指先に相当する指先位置よりも0.5センチメートル以上2センチメートル以下前方にあり前記前面部よりも後方にある第2位置との間の区間で略直線状であり、前記靴底の内面が、前記第一足指と前記第二足指の間に相当する位置に、前記甲被の前記側面部の前記区間に略平行な突条部を有する、靴。