特開2017-80283(P2017-80283A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 安本 和明の特許一覧

<>
  • 特開2017080283-ロウリュ式カプセルサウナ装置 図000003
  • 特開2017080283-ロウリュ式カプセルサウナ装置 図000004
  • 特開2017080283-ロウリュ式カプセルサウナ装置 図000005
  • 特開2017080283-ロウリュ式カプセルサウナ装置 図000006
  • 特開2017080283-ロウリュ式カプセルサウナ装置 図000007
  • 特開2017080283-ロウリュ式カプセルサウナ装置 図000008
  • 特開2017080283-ロウリュ式カプセルサウナ装置 図000009
  • 特開2017080283-ロウリュ式カプセルサウナ装置 図000010
  • 特開2017080283-ロウリュ式カプセルサウナ装置 図000011
  • 特開2017080283-ロウリュ式カプセルサウナ装置 図000012
  • 特開2017080283-ロウリュ式カプセルサウナ装置 図000013
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-80283(P2017-80283A)
(43)【公開日】2017年5月18日
(54)【発明の名称】ロウリュ式カプセルサウナ装置
(51)【国際特許分類】
   A61H 33/06 20060101AFI20170414BHJP
【FI】
   A61H33/06 Q
   A61H33/06 B
【審査請求】有
【請求項の数】2
【出願形態】OL
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2015-214546(P2015-214546)
(22)【出願日】2015年10月30日
(71)【出願人】
【識別番号】515303263
【氏名又は名称】安本 和明
(74)【代理人】
【識別番号】240000039
【弁護士】
【氏名又は名称】弁護士法人 衞藤法律特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】安本 和明
【テーマコード(参考)】
4C094
【Fターム(参考)】
4C094AA01
4C094BA02
4C094DD09
4C094EE03
4C094EE09
4C094GG03
4C094GG04
(57)【要約】
【課題】カプセル内を効率よく水蒸気で加湿することができ、汎用性や量産性に優れたロウリュ式カプセルサウナ装置を提供する。
【解決手段】加湿機構11を、散水装置4とサウナストーン収納函5とから構成する。散水装置4を、貯水タンク9に貯留したロウリュ水を揚水する散水用ポンプ10と、その全面に渡って複数の散水孔4bが穿設された天板4cと、この天板4cの周縁を囲んで配置されると共にその全長に渡って複数の散水孔4bが穿設された散水用配管4aとから構成する。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
開閉可能な上部蓋体と下部入浴容器とからなるカプセル式サウナ装置において、加熱したサウナストーンに散水して前記カプセル室内を加湿する加湿機構の全部又は一部を前記サウナ装置内に着脱自在に設けたことを特徴とするロウリュ式カプセルサウナ装置。
【請求項2】
加湿機構が、複数の散水孔が穿設された天板と、該天板の周縁を囲んで配置されると共に複数の散水孔が穿設された散水用配管と、貯水タンク及びこの貯水タンクから前記散水用配管に送水する散水用ポンプとからなる散水装置と、該散水装置の下方に配置されるサウナストーン収納函とからなり、該サウナストーン収納函には、サウナストーンとサウナストーンを載置する網体と、前記サウナストーンを加熱するヒーターを付設してなることを特徴とする請求項1記載のロウリュ式カプセルサウナ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、個人住宅あるいはホテル等の室内に設置して使用されるカプセルサウナ装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般的なロウリュ式のサウナ室は、熱したサウナストーンに水をかけて水蒸気を発生させることにより、入浴者の体感温度を上げて発汗作用を促進し、健康を増進させる目的で温泉施設等に併設されることが多く広く普及している。こうしたサウナ室は躯体に木材を大量に使用し施工が大掛りであり、一般家庭等に設置して個人的に使用するのには不向きである。
【0003】
そのため、個人で使用することができる小型のサウナ器具や装置が従来から種々提案されているが、家屋の改修や新たな水回り施設を要する。そこで、近年、一般住宅の既設室内にも設置容易なカプセル式のサウナ装置が市販されている。このカプセル式サウナ装置は、成形が容易で量産性に優れると共に、耐久性に優れ、小型軽量で搬送性、設置自在性に優れ、手軽に利用できる汎用性、省エネルギー性、安全性に優れたものとされている。
例えば、カプセル状に形成された入浴室と、入浴室の内部を加熱する加熱部を有し、入浴室が略円筒形状に形成された周壁部と、周壁部に形成された開口部と、周壁部に回動又は摺動自在に配設され開口部を開閉する開閉扉とを備えたカプセル式サウナ(特許文献1参照。)。
また、下部容器がFRP製で、略船底型に形成された周壁部と、周壁部の下部に延設された底部接地部と、周壁部の上端の開口部に覆設されたベッド部とを有し、下部容器のベッド部が遠赤外線等の電磁波を放射する放射体岩盤と、放射体岩盤を加熱する放射体加熱部とが固定される放射部固定凹所部を備え、上部容器が、FRP製で、外壁部と内壁部とを有し、長手方向の他端部に入浴者の頭部を露出させるための切り欠き部を備えた二重構造にされ、上部容器の内壁部が、下部容器と上部容器で囲まれる入浴部を加熱する入浴部加熱部が配設される加熱部固定孔部を備えたカプセルサウナ用の容器(特許文献2参照。)等が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−150057号公報
【特許文献2】特開2010−125201号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記従来のカプセル式サウナ装置は、いわゆる岩盤浴効果を利用した放射体岩盤をシーズヒーター等で加熱し、入浴者の体躯を温める構成に過ぎず、水蒸気により加湿するロウリュ式サウナと同様のサウナ効果は得難いものと予想される。しかしながら、カプセル内を水蒸気でむらなく加湿する点については課題が残る。
【0006】
本発明は上記のような課題に鑑み、カプセル内を効率よく水蒸気で加湿することができ、こうした加湿器を搭載しても小型かつ低コストで量産性に優れたロウリュ式カプセルサウナ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
そこで本発明は、開閉可能な上部蓋体と下部入浴容器とからなるカプセル式サウナ装置において、加熱したサウナストーンに散水して前記カプセル室内を加湿する加湿機構の全部又は一部を前記サウナ装置内に着脱自在に設けたことを第1の特徴とする。また、加湿機構が、複数の散水孔が穿設された天板と、該天板の周縁を囲んで配置されると共に複数の散水孔が穿設された散水用配管と、貯水タンク及びこの貯水タンクから前記散水用配管に送水する散水用ポンプとからなる散水装置と、該散水装置の下方に配置されるサウナストーン収納函とからなり、該サウナストーン収納函には、サウナストーンとサウナストーンを載置する網体と、前記サウナストーンを加熱するヒーターを付設してなることを第2の特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、下記の優れた効果がある。
(1)個人住宅やホテル等の既存の施設に簡便に設置して温泉施設等に併設される水蒸気により加湿するロウリュ式サウナと同様のサウナ効果を手軽に得ることができる。
(2)複数の散水孔が穿設された天板と、該天板の周縁を囲んで配置されると共に複数の散水孔が穿設された散水用配管を設けたので、カプセル内を効率よく水蒸気で加湿することができる。
(3)加湿機構の全部又は一部を着脱自在に設けたので、汎用性並びに量産性に優れ、サウナストーンの交換やメンテナンス作業を簡便にできる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明に係るカプセルサウナ装置の正面側斜視図である。
図2】本発明に係るカプセルサウナ装置の背面側斜視図である。
図3】本発明に係るカプセルサウナ装置の正面図である。
図4】本発明に係るカプセルサウナ装置の背面図である。
図5】本発明に係るカプセルサウナ装置の下部入浴容器の平面図である。
図6図3の左側面図である。
図7】散水機構の斜視図である。
図8】散水機構の平面図である。
図9】サウナストーン収納函の斜視図である。
図10】サウナストーン収納函の格納庫の斜視図である。
図11】格納庫にサウナストーン収納函を内装した状態を示す要部断面図である。
【発明を実施するための形態】
【実施例】
【0010】
以下、図面に示す実施例に基づいて本発明の実施の形態を説明する。
図1乃至図6に示すように、本発明に係るロウリュ式カプセルサウナ装置は、膨出円弧形状の上部蓋体1と、入浴者が仰臥可能なベッド部(凹所)3がほぼ全長に渡って形成された船形の下部入浴容器2とを複数の蝶番2aにて開閉可能に連結して構成されており、上部蓋体1を閉蓋した状態で入浴者の頭部以外の体躯をほぼ密閉した状態でカプセル室内に収納できるようにされている。そして、上部蓋体1の一方の側面には開閉動作の手掛かりとなる外側取手1a及び内側取手1bが設けられている。
【0011】
下部入浴容器2には前記ベッド部3が形成されると共に、入浴者の頭部が収納される凹所3cの両側面に一対のスピーカー3aとこれらを作動させるアンプ3bが取り付けられ、入浴中に音楽やリラックス音響等を聴くことできるようにされている。また、下部入浴容器2の下端側には給湯管2aが配設され、ベッド部3に給湯して貯留することができる。そして、入浴により溢れた温水は、入浴者の脚部凹所3d側でかつ下部入容器2の一側面側に設けられたオーバーフロー槽2cに越流して排水管2bから排出できるようにされている。
【0012】
さらに、下部入浴容器2の入浴者の脚部凹所3d側でかつ下部入容器2の他側面側には、加熱したサウナストーン6に散水してカプセル室内を加湿する加湿機構11が設けられている。この加湿機構11は、概ね散水装置4とサウナストーン収納函5とから構成されている。
【0013】
図7乃至図9に示すように、散水装置4は、貯水タンク9に貯留したロウリュ水を揚水する散水用ポンプ10と、その全面に渡って複数の散水孔4bが穿設された天板4cと、この天板4cの周縁を囲んで配置されると共にその全長に渡って複数の散水孔4bが穿設された散水用配管4aとから構成され、貯水タンク9から揚水管10bによって散水用配管4aに送水されたロウリュ水を内向きに噴出するようにされている。尚、図中10aは散水用ポンプのスイッチである。また、ロウリュ水は一般的な水道水でも良いが、香料や薬剤等を添加したサウナ専用水を用いるものでもよい。
【0014】
散水装置4の下方には、後述するサウナストーン収納函5の格納室8が形成されており、函体底面に取り付けられたキャスター5dを利用してサウナストーン収納函5を格納室8に容易に出し入れできるようにされている。これにより、サウナストーン6の交換等を初めメンテナンス作業を簡便に行うことができる。
【0015】
サウナストーン収納函5には、複数個のサウナストーン6と、このサウナストーン6を載置する網体5bと、サウナストーン6を加熱するシーズヒーター5cが付設されており、サウナストーン収納函5を格納室8に収納した状態において、加熱されたサウナストーン6が散水装置4からの噴出水を浴びて水蒸気が発生するようにされている。すなわち、複数の散水孔4bが穿設された天板4cと、天板4cの周縁を囲んで配置されると共に複数の散水孔4bが穿設された散水用配管4aから細かく噴出されるロウリュ水はサウナストーン6に満遍なく散布され、少ない水量でも効率よく水蒸気を発生させることができる。
【0016】
図10乃至図11に示すように、格納室8の内側面には、サウナストーン収納函5の函体の上縁周囲に延出して設けられた鍔部5aが嵌め込まれる鍔部嵌合条8aと前記キャスター5d走行用のレール8aが設けられており、格納室8内にサウナストーン収納函5を容易かつ確実に固定することができ、不意な移動も規制することができる。
【0017】
尚、本発明は、上記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲から逸脱しない限りにおいて構成要件の変更及び付加が可能であることはいうまでもない。例えば、本実施例では、サウナ装置に加湿機構7の一部であるサウナストーン収納函5を着脱自在としているが、散水装置4を含めた加湿機構7全部を着脱可能にするものでもよい。
【符号の説明】
【0018】
1 上部蓋体
1a 外取手
1b 内取手
2 下部入浴容器
2a 給湯管
2b 排水管
2c オーバーフロー槽
2d 蝶番
3 ベッド部(凹所)
3a 防水スピーカー
3b スピーカー用アンプ
3c 頭部凹所
3d 脚部凹所
4 散水装置
4a 散水用配管
4b 散水孔
4c 天板
5 サウナストーン収納函
5a 鍔部
5b 網体
5c シーズヒーター
5d キャスター
6 サウナストーン
7 加湿機構
8 サウナストーン収納函の格納室
8a 鍔部嵌合条
8b 走行レール
9 貯水タンク
10 散水用ポンプ
10a散水ポンプ用スイッチ
10b揚水管
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11