特開2017-80305(P2017-80305A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-80305(P2017-80305A)
(43)【公開日】2017年5月18日
(54)【発明の名称】仕上げ乾燥装置
(51)【国際特許分類】
   D06F 58/12 20060101AFI20170414BHJP
   F26B 3/06 20060101ALI20170414BHJP
   F26B 15/00 20060101ALI20170414BHJP
   F26B 21/00 20060101ALI20170414BHJP
【FI】
   D06F58/12
   F26B3/06
   F26B15/00 B
   F26B21/00 C
   F26B15/00 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2015-214840(P2015-214840)
(22)【出願日】2015年10月30日
(71)【出願人】
【識別番号】592176055
【氏名又は名称】株式会社アサヒ製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100084412
【弁理士】
【氏名又は名称】永井 冬紀
(72)【発明者】
【氏名】杉沼 雄一
(72)【発明者】
【氏名】森 幸次郎
【テーマコード(参考)】
3B168
3L113
【Fターム(参考)】
3B168AB21
3B168AB24
3B168AB29
3B168AC14
3B168AC23
3B168AC30
3B168AD01
3B168AE07
3B168BA55
3B168BA64
3B168WB14
3L113AA02
3L113AB02
3L113AC05
3L113AC42
3L113AC48
3L113AC49
3L113AC52
3L113AC53
3L113BA14
3L113CB22
3L113DA02
(57)【要約】
【課題】仕上げ乾燥装置で熱風を効率的に利用する。
【解決手段】仕上げ乾燥装置は、一方向に延在し、前記一方向に搬送される洗濯物に熱風を供給して洗濯物の皺伸ばしを含む仕上げ処理を行う仕上げ室と、前記仕上げ室に連通し、前記仕上げ室と並置され、前記仕上げ処理された洗濯物を熱風により乾燥処理する乾燥室と、熱風を生成し、該熱風の一部を前記仕上げ室に供給すると共に、前記熱風の他の一部を前記乾燥室に供給する熱風供給部と、前記洗濯物を、前記仕上げ室および前記乾燥室を順次通って、搬送する搬送部と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一方向に延在し、前記一方向に搬送される洗濯物に熱風を供給して洗濯物の皺伸ばしを含む仕上げ処理を行う仕上げ室と、
前記仕上げ室に連通し、前記仕上げ室と並置され、前記仕上げ処理された洗濯物を熱風により乾燥処理する乾燥室と、
熱風を生成し、該熱風の一部を前記仕上げ室に供給すると共に、前記熱風の他の一部を前記乾燥室に供給する熱風供給部と、
前記洗濯物を、前記仕上げ室および前記乾燥室を順次通って、搬送する搬送部と、を備える仕上げ乾燥装置。
【請求項2】
請求項1に記載の仕上げ乾燥装置において、
前記熱風供給部は、互いに並置された前記仕上げ室と前記乾燥室との間に配置され、
前記熱風供給部は、前記熱風の一部を前記仕上げ室にその上部から供給して前記仕上げ室の下部から回収して循環させ、前記熱風の他の一部を前記乾燥室に供給する仕上げ乾燥装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の仕上げ乾燥装置において、
前記乾燥室に供給された前記熱風の他の一部を前記乾燥室における前記洗濯物の搬送方向に関して上流側から吸い込んで装置外部に排出する排気部をさらに備える仕上げ乾燥装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項に記載の仕上げ乾燥装置において、
前記仕上げ室は、前記一方向に配列された複数の仕上げ領域を有し、
前記熱風供給部は、前記複数の仕上げ領域に対応した複数の熱風供給源を有し、
前記複数の熱風供給源の少なくとも一つは、生成した熱風を、対応する前記仕上げ領域に供給し、前記乾燥室に供給せず、
前記複数の熱風供給源の残りは、生成した熱風を、対応する前記仕上げ領域と前記乾燥室とに供給する仕上げ乾燥装置。
【請求項5】
一方向に延在し、前記一方向に搬送される洗濯物に熱風を供給して洗濯物の皺伸ばしを含む仕上げ処理を行う仕上げ室と、
前記仕上げ室に連通し、前記仕上げ処理された洗濯物を熱風により乾燥処理する乾燥室と、
前記洗濯物を所定方向に拡げた状態で吊り下げる複数の吊り下げ具を、前記仕上げ室内および前記乾燥室内を順次通って、搬送する搬送部と、を備え、
前記搬送部は、前記仕上げ室内においては、前記所定方向が前記複数の吊り下げ具の搬送方向に対応するように、かつ、前記複数の吊り下げ具を、少なくとも二つの吊り下げ具からなる吊り下げ具グループ毎に、搬送し、
隣接する吊り下げ具グループは、一方の吊り下げ具グループと他方の吊り下げ具グループとの間隔が、前記吊り下げ具グループ内の少なくとも二つの吊り下げ具の間隔よりも大きく、
前記吊り下げ具グループ内の前記少なくとも二つの吊り下げ具の間隔は、それぞれに吊り下げられた洗濯物の少なくとも一部が互いに重なり合うように、定められている仕上げ乾燥装置。
【請求項6】
請求項5に記載の仕上げ乾燥装置において、
前記一方の吊り下げ具グループと前記他方の吊り下げ具グループとの間隔は、前記一方の吊り下げ具グループの吊り下げ具によって吊り下げられた洗濯物と、前記他方の吊り下げ具グループの吊り下げ具によって吊り下げられた洗濯物とが互いに接触しないように、定められている仕上げ乾燥装置。
【請求項7】
請求項5または6に記載の仕上げ乾燥装置において、
前記搬送部は、前記乾燥室内においては、前記所定方向が前記複数の吊り下げ具の搬送方向にほぼ垂直となるように、搬送し、
前記搬送部は、前記仕上げ室内における搬送速度が前記乾燥室内における搬送速度よりも大きく、
前記仕上げ室と前記乾燥室とは、前記仕上げ室内での前記吊り下げ具の搬送方向と前記乾燥室内での前記吊り下げ具の搬送方向とが平行になるように、並置されている仕上げ乾燥装置。
【請求項8】
請求項5〜7のいずれか一項に記載の仕上げ乾燥装置において、
前記吊り下げ具グループ内の前記少なくとも二つの吊り下げ具の間隔は、それぞれに吊り下げられた洗濯物が前記吊り下げ具の前記所定方向の大きさの半分以上が重なり合うように、定められている仕上げ乾燥装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、仕上げ乾燥装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ハンガーなどで拡げた洗濯物を拡げ方向(横方向)に搬送しながら仕上げる横型ユニットと、ハンガーなどで拡げた洗濯物を拡げ方向とは直交する縦方向に搬送しながら仕上げる縦型ユニットと、横型ユニットと縦型ユニットとの間で洗濯物を搬送する搬送装置を備えた仕上げ乾燥装置が知られている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開昭63−170489号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上述した特許文献に記載の仕上げ乾燥装置では、横型ユニットおよび縦型ユニットのそれぞれに、熱風循環装置が設けられている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
(1)仕上げ乾燥装置は、一方向に延在し、前記一方向に搬送される洗濯物に熱風を供給して洗濯物の皺伸ばしを含む仕上げ処理を行う仕上げ室と、前記仕上げ室に連通し、前記仕上げ室と並置され、前記仕上げ処理された洗濯物を熱風により乾燥処理する乾燥室と、熱風を生成し、該熱風の一部を前記仕上げ室に供給すると共に、前記熱風の他の一部を前記乾燥室に供給する熱風供給部と、前記洗濯物を、前記仕上げ室および前記乾燥室を順次通って、搬送する搬送部と、を備える。
(2)仕上げ乾燥装置は、一方向に延在し、前記一方向に搬送される洗濯物に熱風を供給して洗濯物の皺伸ばしを含む仕上げ処理を行う仕上げ室と、前記仕上げ室に連通し、前記仕上げ処理された洗濯物を熱風により乾燥処理する乾燥室と、前記洗濯物を所定方向に拡げた状態で吊り下げる複数の吊り下げ具を、前記仕上げ室内および前記乾燥室内を順次通って、搬送する搬送部と、を備え、前記搬送部は、前記仕上げ室内においては、前記所定方向が前記複数の吊り下げ具の搬送方向に対応するように、かつ、前記複数の吊り下げ具を、少なくとも二つの吊り下げ具からなる吊り下げ具グループ毎に、搬送し、隣接する吊り下げ具グループは、一方の吊り下げ具グループと他方の吊り下げ具グループとの間隔が、前記吊り下げ具グループ内の少なくとも二つの吊り下げ具の間隔よりも大きく、前記吊り下げ具グループ内の前記少なくとも二つの吊り下げ具の間隔は、それぞれに吊り下げられた洗濯物の少なくとも一部が互いに重なり合うように、定められている。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、熱風供給部で生成された熱風を仕上げ室および乾燥室で効率的に利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】仕上げ乾燥装置の全体構成を示す模式的な平面図である。
図2】仕上げ乾燥装置の正面図である。
図3】仕上げ乾燥装置の右側面図である。
図4】仕上げ室コンベアのチェーンと、このチェーンに取り付けられたフックと、フックに吊り下げられたハンガーと、ハンガーに吊り下げられた洗濯物とを示す図である。
図5】仕上げ乾燥装置の後側から見た、乗り継ぎ室における乗り継ぎコンベア、および、第1〜第3のスリックレールを模式的に示す図である。
図6】仕上げ乾燥装置の左側から見た、乾燥室における乾燥室コンベア、および、スリックレールを示す図である。
図7図3のVII−VII矢視断面を模式的に示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1〜7を参照して、本発明による仕上げ乾燥装置の一実施の形態を説明する。図1は、本実施の形態の仕上げ乾燥装置の全体構成を示す模式的な平面図であり、図2は、仕上げ乾燥装置の正面図であり、図3は、仕上げ乾燥装置の右側面図である。説明の便宜上、各図に示すように、仕上げ乾燥装置1の前後左右方向および上下方向を規定する。
【0009】
図1において、仕上げ乾燥装置1は、洗濯物の仕上げ処理および乾燥処理を行う装置であり、仕上げ室2と、乾燥室3と、乗り継ぎ室4と、熱風供給室5とを有する。仕上げ室2は、一方向(図1において前後方向)に延在し、その前端部に洗濯物10の入口1aを有する。乾燥室3は、一方向(図1において前後方向)に延在し、その前端部に洗濯物10の出口1bを有する。熱風供給室5は、仕上げ室2と乾燥室3との間に位置し、一方向(図1において前後方向)に延在する。このように、仕上げ室3と乾燥室3とは、熱風供給室5を挟むように互いに並置される。
【0010】
乗り継ぎ室4は、仕上げ室2の後端部と、乾燥室3の後端部とを連通する。こうして、仕上げ室2と乗り継ぎ室4と乾燥室3とは互いに連通していて、コの字状の一続きの通路を構成する。この一続きの通路、すなわち、仕上げ室2と乗り継ぎ室4と乾燥室3とには、一点鎖線で示した搬送路100が設けられ、この搬送路100に沿って、吊り下げ具であるハンガー11(図4参照)に吊り下げられた洗濯物10が搬送される。
【0011】
熱風供給室5には、6台の熱風供給装置50が前後方向に配列されている。各熱風供給装置50は、仕上げ室2の後述する6箇所の仕上げ領域2aのそれぞれに対応して設けられた熱風の供給源であり、生成した熱風を対応する仕上げ領域2aと、乾燥室3とに供給する。各熱風供給装置50は、ブロアーモータ51aによって駆動される送風機51と、蒸気ヒータ52とを有する。また、各熱風供給装置50には、図7に明示したように、仕上げ室2の下部に設けられた吸気口53と、仕上げ室2の上部に設けられた吹き出し口54と、乾燥室3の上部に設けられた吹き出し口55とが設けられている。
【0012】
図1において、吊り下げ具であるハンガー11に吊り下げられた洗濯物10を細長い長方形で模式的に示している。洗濯物10の長手方向は、ハンガー11によって洗濯物が拡げられた方向である。以下の説明では、洗濯物10の長手方向を、単に、拡げ方向と呼び、矢印Xで示す。
図2,3に示すように、仕上げ乾燥装置1の前面には、仕上げ乾燥装置1の各部を制御する制御装置等が収納された電気ボックス60が配置されている。
図1〜3に示すように、仕上げ乾燥装置1の左後側の上部には、乾燥室3内の空気を排気するための排気ファン61が取り付けられている。
【0013】
仕上げ室2は、熱風によって洗濯物10の皺伸ばしを含む仕上げおよび乾燥処理を行う領域である。図1に示した仕上げ室2における矢印Aは、仕上げ室2における洗濯物10の搬送方向を示している。仕上げ室2では、洗濯物10は、図2,3に示す仕上げ室コンベア70によって搬送路100に沿って搬送される。この時、洗濯物10は、その拡げ方向Xが搬送方向Aに一致するように搬送される。仕上げ室コンベア70については、後で詳述する。
仕上げ室2は、図1において二点鎖線で示すように、前後方向に配列された複数の仕上げ領域2aを有する。図1に示した例では、仕上げ室2は、上述したように6箇所の仕上げ領域2aを有する。なお、仕上げ領域2aの数は、6箇所に限らず、1箇所以上であればよい。仕上げ室2には、左右方向に離間して対向する一対の皺伸ばし用熱板21が設けられている。熱板21は、仕上げ室2の内壁を構成し、各熱風供給装置50からの熱風によって加熱される。
【0014】
図2,3に示すように、仕上げ室コンベア70は、仕上げ室2の上部に設けられ、仕上げ乾燥装置1の入口1aの前方から仕上げ乾燥装置1の後部の乗り継ぎ室4まで掛け回されたチェーン71(図3参照)によって洗濯物10を搬送するチェーンコンベアである。
図4は、仕上げ室コンベア70のチェーン71と、このチェーン71に取り付けられたフック72と、フック72に吊り下げられたハンガー11と、ハンガー11に吊り下げられた洗濯物10とを示す図である。図4に示すように、チェーン71には、複数のフック72が取り付けられ、このフック72にハンガー11のフック部分11aが掛けられる。
【0015】
次に、チェーン71に取り付けられた複数のフック72の間隔について説明する。本実施の形態では、複数のフック72は、図4に示したように、搬送方向Aの下流側のフックである下流側フック72aと上流側のフックである上流側フック72bとを含む一対のフック72が互いに相対的に小さな間隔dだけ離れるように、かつ、隣り合う一対のフック72同士が互いに相対的に大きな間隔Dだけ離れるように、チェーン71に取り付けられる。なお、間隔dは、一対のフック72a、72bに吊り下げられた一対の洗濯物10、10(下流側洗濯物10a、上流側洗濯物10b)が互いに一部重なり合う距離であり、たとえば10センチメートル程度に設定されている。間隔Dは、隣り合う一対のフック72のうち、一方の対(下流側の対)の上流側フック72bと、他方の対(上流側の対)の下流側フック72aとの間隔であり、この間隔Dは、一対のフック72a,72bに吊り下げられた一対の洗濯物10a,10bと、それに隣り合う他の一対のフック72a,72bに吊り下げられた一対の洗濯物10a,10bとが互いに接触しないように、定められている。
こうして、一対の洗濯物10a,10bは、互いに一部重なり合った状態であるが、しかしながら、隣の他の一対の洗濯物10a,10bとは、接触しない状態で、チェーン71によって搬送される。
【0016】
図1および図4において、一対の洗濯物10a,10bは、互いに一部が重なり合うように、一対のフック72a,72bに吊り下げられるが、この時に、下流側の洗濯物10aが左側、すなわち熱風供給室5に近い側に、搬送方向Aの上流側の洗濯物10bが右側、すなわち熱風供給室5から離れる側にそれぞれ位置するように、吊り下げられる。このように一対の洗濯物10a,10bの位置関係を定めることによって、後述するように、一対の洗濯物10a,10bを仕上げ室2の搬送路から乗り継ぎ室4の搬送路に移送する際に、下流側の洗濯物10a、上流側の洗濯物10bの順に互いに干渉することなく、移送することができる。すなわち、一対の洗濯物10a,10bは、左側の洗濯物(下流側の洗濯物10a)が先に乗り継ぎ室4の搬送路を左側に向かって移動し、次いで、右側の洗濯物(上流側の洗濯物10b)が乗り継ぎ室4の搬送路を左側に向かって移動する。
【0017】
次に、一対の洗濯物10a,10bの重なり合う量を説明する。上述した実施の形態では、一対の洗濯物10a,10bの重なり量は、一対のフック72a,72bの間隔dが10センチメートルとしたが、10センチメートル以下でも、10センチメートル以上でもよい。一対の洗濯物10a、10bの重なり量は、一対のフック72a,72bの間隔dが10センチメートル以下の場合には例えば0センチメートル、すなわち、2つの洗濯物がほぼ完全に重なり合う状態であってもよい。
しかしながら、間隔dをマイナスにすると、一対の洗濯物10a、10bの位置関係が上述の関係と逆になってしまうので、好ましくない。
また、一対の洗濯物10a,10bの重なり量は、間隔dが10センチメートル以上の場合には、図4に示したように、間隔dがハンガー11の肩幅Lの半分程度以下とすることが望ましい。もし、間隔dをハンガー11の肩幅Lの半分程度よりも大きくすると、熱風による仕上げ処理において、熱風によって一対の洗濯物10a,10bがはためいて、両者の位置関係が反転する恐れがあるので、好ましくない。
【0018】
なお、一部が重なり合う洗濯物10の数は、上述のように2枚に限らず、3枚または4枚であってもよい。以下の説明では、間隔dだけ離間した2つ以上のハンガー11を吊り下げ具グループと呼ぶ。
【0019】
ハンガー11に吊り下げられた洗濯物10は、仕上げ室コンベア70によって仕上げ室2を後方へ移動する間に、熱風供給装置50から供給される熱風によって仕上げ処理が行われる。なお、熱風供給装置50による仕上げ室2への熱風の供給については、後で詳述する。
【0020】
乗り継ぎ室4は、仕上げ室2の出口と乾燥室3の入口とを接続する領域であり、矢印B方向に洗濯物を搬送する。乗り継ぎ室4は、仕上げ室2において洗濯物10の拡げ方向Xが搬送方向Aに一致する状態で搬送された洗濯物10を受け取り、受け取った洗濯物10を、その拡げ方向Xが搬送方向Bと直交する状態で、搬送して、乾燥室3に引き渡す。
図2および図5に示したように、乗り継ぎ室4の上部には、仕上げ室コンベア70で搬送された洗濯物10を乾燥室3へ供給するための乗り継ぎ室コンベア90と、第1〜第3のスリックレール101〜103とが設けられている。
【0021】
図5は、仕上げ乾燥装置1の後側から見た、乗り継ぎ室4における乗り継ぎコンベア90、および、第1〜第3のスリックレール101〜103を模式的に示す図である。第1スリックレール101は、図2,5に示すように、仕上げ室コンベア70と交差し左右方向に延在するレールであり、右側が仕上げ室コンベア70のチェーン71の下部に位置し、左端が右端よりも下げられて傾斜している。第2スリックレール102は、右端が第1スリックレール101の左端と接続され、左端が第3スリックレール103の右端と接続されたレールであり、左端が右端よりも上げられて傾斜している。第3スリックレール103は、右端が第2スリックレール102の左端と接続され、左端が乾燥室3の後述するスリックレール104の後端と接続されたレールである。第3スリックレール103は、右端から左端に向かって下がるとともに、前側に曲がるように形成されている。
【0022】
乗り継ぎ室コンベア90は、第2スリックレール102に沿って洗濯物10を搬送するコンベアであり、第2スリックレール102の上部で第2スリックレール102と平行に掛け回されたチェーン91を有する。チェーン91には、掛け回されたチェーン91の外周側に向かって突出する爪92が取り付けられている。なお、乗り継ぎ室コンベア90は、後述する乾燥室コンベア80と同様の構成を有する。
【0023】
洗濯物10を吊したハンガー11は、上述のように洗濯物10の拡げ方向Xが搬送方向Aと一致する状態で、仕上げ室コンベア70によって搬送されて、乗り継ぎ室4においてフック部分11aがフック72から外されて第1のスリックレール101に係止されることで、第1のスリックレール101に乗り移る。洗濯物10を吊したハンガー11は、その自重によって第1のスリックレール101上を左方に向かって滑り降りる。こうして、洗濯物10は、その拡げ方向Xが第1のスリックレール101に直交する状態で、第1のスリックレール上を移動する。なお、上述したように、1つの吊り下げ具グループにおける2つのフック72同士の距離が小さいので、1つの吊り下げ具グループにおける2つの洗濯物10は、略同時に第1のスリックレール101に乗り移り、第1のスリックレール101の左方に向かって移動する。
【0024】
その後、洗濯物10を吊したハンガー11は、乗り継ぎ室コンベア90の爪92によってフック部分11aが右方から押されることで、第2のスリックレール102上で左上方に向かって押し上げられる。このとき、1つの爪92によって2つのハンガー11(洗濯物10)が第2のスリックレール102の左上方に向かって押し上げられる。
【0025】
洗濯物10を吊したハンガー11は、第2のスリックレール102の左上端まで押し上げられると第3のスリックレールに乗り移り、その自重によって第3のスリックレール103上を滑り降り、乾燥室3のスリックレール104に乗り移る。このように、乗り継ぎ室4では、2つの洗濯物10がひとまとめとして、すなわち、2つの洗濯物10を1組として乾燥室3に向かって搬送される。以上のように、洗濯物10は、仕上げ室2においては拡げ方向Xが搬送方向Aに一致する状態で搬送されていたが、乗り継ぎ室4においては、拡げ方向Xが搬送方向Bに直交する状態で搬送され、その直交状態のまま、乾燥室3に引き渡される。
【0026】
乾燥室3は、仕上げ処理が行われた後の洗濯物10を熱風によって乾燥する乾燥処理を行う領域である。乾燥室3は、上述したように熱風供給室5を挟んで仕上げ室2と反対側に設けられ、仕上げ室2と平行に延在して仕上げ室2と並置されている。図1に示した乾燥室3における矢印Cは、乾燥室3における洗濯物10の搬送方向を示している。乾燥室3では、洗濯物10は、拡げ方向Xが搬送方向Cと直交する状態で、後述する乾燥室コンベア80によって搬送される。乾燥室3の上部には、乗り継ぎ室コンベア90で搬送された洗濯物10を乾燥室3内で搬送する乾燥室コンベア80と、スリックレール104とが設けられている。
【0027】
図6は、仕上げ乾燥装置1の左側から見た、乾燥室3における乾燥室コンベア80、および、スリックレール104を示す図である。乾燥室コンベア80は、スリックレール104に沿って洗濯物10を搬送するコンベアであり、乾燥室3の後部から仕上げ乾燥装置1の出口1bの前方まで掛け回されたチェーン81を有する。チェーン81には、掛け回されたチェーン81の外周側に向かって突出する爪82が取り付けられている。なお、上述したように、乾燥室コンベア80は、乗り継ぎ室コンベア90と同様の構成を有する。乾燥室コンベア80は、乾燥室3の天井3aから吊り下げられている。
スリックレール104は、乾燥室コンベア80の下方に配置されている。スリックレール104は、乾燥室3の後部から仕上げ乾燥装置1の出口1bの前方まで前後方向に延在する。
【0028】
図6において図示しないハンガー11(洗濯物10)は、第3のスリックレール103上を滑り降り、乾燥室3のスリックレール104に乗り移ると、乾燥室コンベア80の爪82によってフック部分11aが前方に向かって押されることで、スリックレール104上を前方に向かって移動する。このとき、1つの爪82によって2つのハンガー11(洗濯物10)がスリックレール104の前方に向かって押される。すなわち、乾燥室3では、洗濯物10は、乾燥室コンベア80によって2つの洗濯物10を1組として搬送される。
【0029】
乾燥室コンベア80による洗濯物10の搬送速度は、仕上げ室コンベア70による洗濯物10の搬送速度よりも低く設定されている。これは、仕上げ室コンベア70における吊り下げ具グループ間の間隔Dよりも、乾燥室コンベア80によって搬送される2つで1組の洗濯物10の各組の間隔の方が狭いため、チェーン71,81の移動速度が同じであれば、乾燥室コンベア80の方が仕上げ室コンベア70よりも単位時間当たりの洗濯物10の搬送数が多くなるからである。
なお、図1に示すように、仕上げ室2の前後方向の長さと、乾燥室3の前後方向の長さが同等であるので、乾燥室コンベア80による洗濯物10の搬送速度を仕上げ室コンベア70による洗濯物10の搬送速度よりも低く設定することで、仕上げ室2における洗濯物10の滞在時間よりも乾燥室3における洗濯物10の滞在時間の方が長くなる。したがって、乾燥室3における洗濯物10の乾燥時間を十分に確保できるので、洗濯物10を十分に乾燥できる。
【0030】
ハンガー11に吊り下げられた洗濯物10は、乾燥室コンベア80によって乾燥室3を移動する間に、熱風供給装置50から供給される熱風によって乾燥処理が行われる。乾燥室3への熱風の供給については、後で詳述する。
乾燥室3で乾燥された洗濯物10は、出口1bから仕上げ乾燥装置1の外部に搬出される。その後、洗濯物10は、ハンガー11のフック部分11aがスリックレール104から外されて、不図示の搬送コンベアで搬送される。
【0031】
図1,3および図7を参照して、熱風供給装置50について説明する。図7は、図3のVII−VII矢視断面を模式的に示した図である。図1に示すように、6台の熱風供給装置50は、上述したように仕上げ室2と乾燥室3との間の熱風供給室5に配置されている。上述したように、各熱風供給装置50は、6箇所の仕上げ領域2aのそれぞれに対応する熱風供給源である。
【0032】
図3,7に示すように、各仕上げ室2内の空気は、送風機51によって吸気口53から吸い込まれて、蒸気ヒータ52に供給されて加熱される。蒸気ヒータ52で加熱された熱風は、蒸気ヒータ52の上方で仕上げ室2へ向かう熱風と、乾燥室3へ向かう熱風とに分配される。
仕上げ室2へ向かう熱風は、吹き出し口54から仕上げ室2の上部に、すなわち、熱風供給装置50に対応する仕上げ領域2aの上部に吹き出される。仕上げ領域2aの上部に吹き込まれた熱風は、仕上げ領域2a内を下方に向かって流れ、吸気口53から再び吸い込まれる。
【0033】
乾燥室3に向かう熱風は、吹き出し口5から乾燥室3内に吹き出される。乾燥室3内に吹き込まれた熱風は、乾燥室3を後方に向かって流れて、図1〜3に示した排気ファン61で外部に排気される。具体的には、図2に示すように、乾燥室3の後方下部、すなわち、洗濯物10の搬送方向に関して乾燥室3の上流側の下部に、吸気口62が設けられている。吸気口62と排気ファン61とはダクト63によって接続されている。吸気口62から吸い込まれた乾燥室3内の熱風は、ダクト63および排気ファン61を介して、仕上げ乾燥装置1の外部に排気される。
【0034】
なお、上述したように、各仕上げ領域2aでは、吸気口53から吸い込まれた仕上げ領域2a内の熱風は、そのすべてが吹き出し口54から再び仕上げ領域2aへ供給されるのではなく、一部が乾燥室3へ供給される。そのため、仕上げ乾燥装置1の入口1aからは、外気が仕上げ室2内に流入する。
【0035】
各熱風供給装置50における熱風の温度、仕上げ室2および乾燥室3への熱風供給量は、熱風供給装置50毎に適宜設定されている。たとえば、複数の仕上げ領域2aのうち、洗濯物10の搬送方向Aに関して上流の仕上げ領域2aでは、下流の仕上げ領域2aよりも湿度が高い。そこで、たとえば、洗濯物10の搬送方向Aに関して上流側の仕上げ領域2aに対応する熱風供給装置50から乾燥室3への熱風供給量を、下流側の仕上げ領域2aに対応する熱風供給装置50から乾燥室3への熱風供給量よりも低減するようにしてもよい。これにより、乾燥室3の湿度が上昇することを抑制できる。
なお、上述した上流側の仕上げ領域2aに対応する熱風供給装置50から乾燥室3への熱風供給量の低減は、上流側の仕上げ領域2aに対応する熱風供給装置50から乾燥室3および仕上げ室2への熱風供給量の割合を変更しても良いし、その代わりに、熱風供給装置50が生成する熱風量を低減しても良い。
【0036】
次に、本実施の形態の仕上げ乾燥装置1の動作を説明する。仕上げ乾燥装置1では、ハンガー11に吊り下げられた洗濯物10は、仕上げ室コンベア70によって入口1aから仕上げ室2内に搬送される(図1参照)。本実施の形態では、チェーン71に取り付けられたフック72の間隔を上述したように設定しているので、複数の洗濯物10は、仕上げ室コンベア70によって2つの洗濯物10を1組として仕上げ室2に拡げ方向Xに沿って順次投入される。
仕上げ室2では、仕上げ領域2aの上部に吹き込まれた熱風が、各仕上げ領域2a内を下方に向かって流れている。この下方に向かう熱風によって、洗濯物10は、左右方向にはためいて、乾燥されながら皺伸ばしされると同時に、洗濯物10を挟んで対向配置された熱板21、21と接触して洗濯物10の乾燥および皺伸ばしが一層促進される。なお、上述したように、2つの洗濯物10は、一部重ねられた状態で仕上げ室2内を搬送されるが、2つの洗濯物10のうち、右側の洗濯物10は、右側の熱板21と接触し、左側の洗濯物10は、左側の熱板21と接触する。これにより、仕上げ室2における洗濯物10の皺伸ばし効果を確保しつつ、仕上げ室2における処理量を向上できる。
【0037】
仕上げ室コンベア70によって複数の仕上げ領域2aを通過した洗濯物10は、上述したように、乗り継ぎ室4内を乗り継ぎ室コンベア90によって、2つの洗濯物10を1組として乾燥室3に向かって搬送される。
【0038】
乾燥室3では、上述したように、洗濯物10は、乾燥室コンベア80によって2つの洗濯物10を1組として搬送される。乾燥室3には、上述したように、各熱風供給装置50からの熱風が供給されている。洗濯物10は、乾燥室3を通過することで、熱風によって乾燥される。
乾燥室3を通過して出口1bから仕上げ乾燥装置1の外部に排出された洗濯物10は、不図示の搬送コンベアで搬送される。
【0039】
上述した実施の形態の仕上げ乾燥装置1では、次の作用効果を奏する。
(1)仕上げ乾燥装置1は、一方向に延在し、前記一方向に搬送される洗濯物10に熱風を供給して洗濯物10の皺伸ばしを含む仕上げ処理を行う仕上げ室2と、仕上げ室2に連通し、仕上げ室2と並置され、仕上げ処理された洗濯物10を熱風により乾燥処理する乾燥室3と、熱風を生成し、該熱風の一部を仕上げ室2に供給すると共に、熱風の他の一部を乾燥室3に供給する熱風供給装置50と、洗濯物10を、仕上げ室2および乾燥室3を順次通って、搬送する仕上げ室コンベア70および乾燥室コンベア80と、を備える。これにより、熱風供給装置50で生成された熱風を仕上げ室2および乾燥室3で効率的に利用できる。
【0040】
(2)熱風供給装置50は、互いに並置された仕上げ室2と乾燥室3との間に配置され、熱風の一部を仕上げ室2にその上部から供給して仕上げ室2の下部から回収して循環させ、熱風の他の一部を乾燥室3に供給する。これにより、仕上げ室2内の熱風の熱エネルギーを有効に利用できる。
【0041】
(3)乾燥室3に供給された熱風を乾燥室3における洗濯物10の搬送方向に関して上流側から吸い込んで装置外部に排出する排気ファン61を設けた。これにより、仕上げ乾燥装置1内の湿度を効果的に抑制できる。
【0042】
(4)仕上げ乾燥装置1は、一方向に延在し、前記一方向に搬送される洗濯物10に熱風を供給して洗濯物の皺伸ばしを含む仕上げ処理を行う仕上げ室2と、仕上げ室2に連通し、仕上げ処理された洗濯物10を熱風により乾燥処理する乾燥室3と、洗濯物10を所定方向に拡げた状態で吊り下げる複数のハンガー11を、仕上げ室2内および乾燥室3内を順次通って、搬送する仕上げ室コンベア70および乾燥室コンベア80と、を備える。仕上げ室コンベア70は、仕上げ室2内においては、前記所定方向が複数のハンガー11の搬送方向に対応するように、かつ、複数のハンガー11を、少なくとも二つのハンガー11からなる吊り下げ具グループ毎に、搬送する。隣接する吊り下げ具グループは、一方の吊り下げ具グループと他方の吊り下げ具グループとの間隔が、吊り下げ具グループ内の少なくとも二つのハンガー11の間隔よりも大きい。吊り下げ具グループ内の少なくとも二つのハンガー11の間隔は、それぞれに吊り下げられた洗濯物10の少なくとも一部が互いに重なり合うように、定められている。
これにより、仕上げ室2における洗濯物10の皺伸ばし効果を確保しつつ、仕上げ室2における処理量を向上できる。
【0043】
(5)一方の吊り下げ具グループと他方の吊り下げ具グループとの間隔は、一方の吊り下げ具グループのハンガー11によって吊り下げられた洗濯物10と、他方の吊り下げ具グループのハンガー11によって吊り下げられた洗濯物10とが互いに接触しないように、定められている。これにより、それぞれの吊り下げ具グループの洗濯物10に熱風を十分に吹き付けることができるので、洗濯物10の仕上げのムラを抑制できる。
【0044】
(6)乾燥室コンベア80は、乾燥室3内においては、前記所定方向が複数のハンガー11の搬送方向にほぼ垂直となるように、搬送する。仕上げ室コンベア70は、仕上げ室2内における搬送速度が乾燥室3内における搬送速度よりも大きい。すなわち、乾燥室コンベア80による洗濯物10の搬送速度は、仕上げ室コンベア70による洗濯物10の搬送速度よりも低く設定されている。これにより、乾燥室3における洗濯物10の乾燥時間を十分に確保できるので、洗濯物10を十分に乾燥できる。
【0045】
(7)仕上げ室2と乾燥室3とは、仕上げ室2内でのハンガー11の搬送方向と乾燥室3内でのハンガー11の搬送方向とが平行になるように、並置されている。これにより、仕上げ室2と乾燥室3との間に熱風供給装置50を配置でき、熱風供給装置50からの熱風を効率的に仕上げ室2および乾燥室3に供給できる。
【0046】
次のような変形も本発明の範囲内であり、変形例の一つ、もしくは複数を上述の実施形態と組み合わせることも可能である。
(変形例1)
上述の説明では、たとえば、洗濯物10の搬送方向に関して上流側の仕上げ領域2aに対応する熱風供給装置50から乾燥室3への熱風供給量を、洗濯物10の搬送方向に関して下流側の仕上げ領域2aに対応する熱風供給装置50から乾燥室3への熱風供給量よりも減らすようにしてもよい旨について言及した。
本変形例では、たとえば、洗濯物10の搬送方向に関して上流側の仕上げ領域2aに対応するいずれかの熱風供給装置50において、乾燥室3に熱風を分配しない。これにより、乾燥室3の湿度が上昇することをさらに抑制できる。
また、たとえば、洗濯物10の搬送方向に関して上流側の仕上げ領域2aに対応するいずれかの熱風供給装置50において、吸気口53から吸い込んだ仕上げ室2内の空気の一部を仕上げ室2や乾燥室3に供給せずに、仕上げ乾燥装置1の外部に排気するようにしてもよい。これにより、仕上げ室2や乾燥室3で湿度が上昇することを抑制できる。
【0047】
(変形例2)
図2に示した、乾燥室3の熱風を吸い込む吸気口62は、乾燥室3の後方下部、すなわち、洗濯物10の搬送方向に関して乾燥室3の上流側の下部に設けたが、乾燥室3の後方下部に限らず、乾燥室3の中央部又は前方の下部に設けても良いし、乾燥室3の下部以外に設けても良く、さらには、1箇所に限らず、乾燥室3内に2箇所以上に設けてもよい。また、吸気口62を乾燥室3ではなく、乗り継ぎ室4に設けてもよい。
【0048】
(変形例3)
上述の説明では、1つの吊り下げ具グループにおける一対のフック72a,72bの高さは同じであったが、本発明はこれに限定されない。たとえば、1つの吊り下げ具グループにおける一対のフック72a,72bの高さを異ならせてもよい。
【0049】
(変形例4)
上述の説明では、一方の吊り下げ具グループと他方の吊り下げ具グループとの間隔は、一方の吊り下げ具グループのハンガー11に吊り下げられた洗濯物10と、他方の吊り下げ具グループのハンガー11に吊り下げられた洗濯物10とが互いに接触しないように、定められていた。しかし、たとえば、洗濯物10が上着のように袖部を有する衣類であれば、一方の吊り下げ具グループのハンガー11に吊り下げられた洗濯物10の袖部と、他方の吊り下げ具グループのハンガー11に吊り下げられた洗濯物10の袖部とが互いに接触したとしても、洗濯物10の仕上げにムラが実質的に生じない。
そこで、一方の吊り下げ具グループと他方の吊り下げ具グループとの間隔は、たとえば、一方の吊り下げ具グループのハンガー11に吊り下げられた洗濯物10の袖部と、他方の吊り下げ具グループのハンガー11に吊り下げられた洗濯物10の袖部とが互いに接触するように定められていてもよい。
【0050】
(変形例5)
上述の説明では、乾燥室3において洗濯物10は、乾燥室コンベア80によって2つの洗濯物10を1組として搬送される。これに対して本変形例では、乾燥室3において洗濯物10は、乾燥室コンベア80によって洗濯物10を1つずつ搬送される。すなわち、本変形例では、乾燥室コンベア80によって洗濯物10は、それぞれが互いに等間隔で離間した状態で搬送される。
乾燥室コンベア80によって洗濯物10を1つずつ搬送するために、本変形例では、たとえば、第1スリックレール101上でのハンガー11の移動を一時的に禁止する、不図示のストッパ装置が設けられている。
ストッパ装置は、1つの吊り下げ具グループにおける2つのハンガー11のうち、1つ目のハンガー11が第1のスリックレール上を滑り降りて第2のスリックレール102の右端まで移動することを許可する。その後、ストッパ装置は、1つの吊り下げ具グループにおける2つのハンガー11のうち、2つ目のハンガー11が第1のスリックレール上を滑り降りるのを途中で停止させる。その後、ストッパ装置は、1つ目のハンガー11が乗り継ぎ室コンベア90によって搬送され始めたことを、たとえば、近接センサ等の出力に基づいて検出すると、2つ目のハンガー11が第2のスリックレール102の右端まで第1のスリックレール上を滑り降りるのを許可する。
なお、このストッパ装置は、上述したように第1スリックレール101に対して設けてもよいが、第1スリックレール101ではなく、第3スリックレール103に対して設けてもよい。
【0051】
上記では、種々の実施の形態および変形例を説明したが、本発明はこれらの内容に限定されるものではない。本発明の技術的思想の範囲内で考えられるその他の態様も本発明の範囲内に含まれる。
【符号の説明】
【0052】
1;仕上げ乾燥装置
2;仕上げ室
2a;仕上げ領域
3;乾燥室
10;洗濯物
11;ハンガー
50;熱風供給装置
61;排気ファン
70;仕上げ室コンベア
80;乾燥室コンベア
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7