特開2017-80364(P2017-80364A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特開2017-80364造園樹木高所作業用2丁掛け安全作業帯
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-80364(P2017-80364A)
(43)【公開日】2017年5月18日
(54)【発明の名称】造園樹木高所作業用2丁掛け安全作業帯
(51)【国際特許分類】
   A62B 35/00 20060101AFI20170414BHJP
   A01G 23/00 20060101ALI20170414BHJP
【FI】
   A62B35/00 B
   A01G23/00 551Z
【審査請求】有
【請求項の数】2
【出願形態】書面
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2015-224280(P2015-224280)
(22)【出願日】2015年10月28日
(71)【出願人】
【識別番号】515318371
【氏名又は名称】森田 弘行
(72)【発明者】
【氏名】森田 弘行
【テーマコード(参考)】
2E184
【Fターム(参考)】
2E184JA04
2E184KA04
2E184KA11
2E184LA16
(57)【要約】      (修正有)
【課題】樹上で移動時に安全帯を外して転落事故を起こしたり、不安定な体制で作業をしたりすることを解消する安全器具を提供する。
【解決手段】シットハーネス、ワークポジショニングハーネス(腹部アタッチメントポイント及び両側部アタッチメントポイント付)と造園樹木高所作業用2丁掛け安全作業帯をセットで使用する。2丁掛け安全作業帯はランヤードA部分1AとランヤードB部分1Bから構成されており、両部分は1本のアイ付ロープ1からなる。ランヤードA部分1AとランヤードB部分1Bを交互に使用することにより、2丁掛け安全作業帯となり、常にどちらかで安全を確保できる。作業時は、ランヤードA部分1AとランヤードB部分1B両方を使用することにより、安定した作業姿勢を取ることができ、2点保持となるため、万が一の際のバックアップ機能をも有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
両末端にアイの付いた1本のロープ(メインロープは4.5m程度から6.0m程度)を使用し、両端にそれぞれランヤードAとランヤードBを組合わせ、具備している。
ランヤードAはメインロープのA側アイには、カラビナ(開閉式接続金具)を取り付け、メインロープには、可動式締具(2アイ式フリクションロープ)と2穴可動補助滑車(プーリー)とカラビナ(開閉式接続金具)を接続して取り付ける。
ランヤードBは、メインロープのB側アイには、カラビナ(開閉式接続金具)を取り付け、メインロープには、可動式締具(2アイ式フリクションロープ)と1穴可動補助滑車(プーリー)とカラビナ(開閉式接続金具)を接続して取り付ける。
この一体化された構造とシステムを特徴とする造園樹木高所作業用2丁掛け安全作業帯。
【請求項2】
一体化された造園樹木高所作業用2丁掛け安全作業帯は、樹木という親綱や堅固な手すり等の無い特殊な環境で、体への落下衝撃を与えない作業帯としての転落防止機能、安定した作業姿勢(ポジショニング)を取るための作業帯としての機能、枝間隔が広く直に登れない場所での木登り器具としての機能、作業時の2点保持のバックアップ機能を、常に体への負担を与えずに一つの一体化された器具で行えることを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、造園技術者等が樹木に登り作業する際、安定した作業姿勢で樹上での作業を容易に行うことができるだけでなく、転落を防止し安全を確保できる器具である。
【背景技術】
【0002】
造園作業での樹上での安全帯については、高所作業用安全帯、一本吊り専用安全帯、U字吊り兼用安全帯など、一般建設現場等での使用を想定した安全帯が流用されていた。これらの器具は樹木に登るという特殊な条件での使用を考慮され制作されたものでなかった。
【0003】
また、転落を防止することに主眼が置かれ、樹木上で安全に作業できる体制づくりが考慮されていなかった。
【0004】
また、一本吊り専用安全帯は、作業者が万一足を滑らせたり、足元の枝が折れたりした際は、ロープ1本で受け止め、転落を防止しているが、落下による体への衝撃が大きかった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
これまでに樹木に登る際に一般的に使用されていた安全帯等は、樹木に登ることを考慮していない物であったため、次のような誤った使われ方をするという欠点があった。
【0007】
親綱等が有る場所で使用する目的の安全帯を、親綱等が無い樹木の上下移動で使用するため、親綱の代わりに幹または堅固な枝に回し掛けて使用した。そのためランヤードの長さに制約がある国内の安全帯では、移動できるクリアランスが取れなくなり、一時外すことが行われ、非常に危険な状況が発生していた。
【0008】
このように、これまでに使用されていた安全帯は、樹木に登り降りする為の器具ではないため、樹上を上下移動する際の、専用の安全対策の器具の開発が、課題となっていた。
【0009】
また、樹木上での作業する際、安全な作業が出来る姿勢を確保するには、国外の特殊な技術の講習を受けなくてはならなかった。よって一部の技術者にのみ使用され、一般造園技術者が、それを広く使用することは出来なかった。
【課題を解決するための手段】
【0010】
課題を解決する手段としては、後に記載されている発明を実施するための形態を参考に記載すると、当発明は、請求項1 請求項2を次のような手段で解決することを特徴とする。
【0011】
ランヤードA部分とランヤードB部分から構成されており、両部分は、1本のアイ付ロープ1(4.5メートルから6.0メートル程度)で一体化されている。作業者は別途一般市販品のシットハーネス、ワークポジショニングハーネス(腹部アタッチメントポイント及び両側部アタッチメントポイント付)(参考図参照)を使用する。
【0012】
ランヤードA部分は、メインロープ1のA側アイ1A側を用い、A側アイ1Aには、カラビナ(開閉式接続金具)2Aを取り付ける。ランヤードA部分のメインロープ1には、可動式締具(2アイ式フリクションロープ)3と2穴可動補助滑車(プーリー)4とカラビナ(開閉式接続金具)2Bを接続して取り付ける。
【0013】
ランヤードB部分は、メインロープ1のB側アイ1B側を用い、B側アイ1Bには、カラビナ(開閉式接続金具)2Cを取り付ける。ランヤードB部分のメインロープ1には、可動式締具(2アイ式フリクションロープ)3と1穴可動補助滑車(プーリー)5とカラビナ(開閉式接続金具)2Dを接続して取り付ける。
【0014】
上記の手段により、各部材を組み合わせた物が、造園樹木高所作業用2丁掛け安全作業帯となる。
【0015】
当発明を使用する造園技術者等は、図3にある様な、既製品のワークポジショニングシットハーネスH等を着用する。ワークポジショニングシットハーネスHには、腹部アタッチメントポイントHA‐1及び左右2か所の側部アタッチメントポイントHA‐2を有する物を使用する。
【0016】
ランヤードA部分とワークポジショニングシットハーネスHとの接続は、ランヤードA部分のカラビナ(開閉式接続金具)2BをポジショニングシットハーネスHの腹部アタッチメントポイントHA‐1とを、作業中は常時接続した状態で使用する。ランヤードA部分のカラビナ(開閉式接続金具)2Aは、樹木に登る(上昇)する際、一時的に2穴可動補助滑車(プーリー)4から外し、樹木(上部の幹又は堅固な枝の又)J‐1にメインロープを掛け回した状態にし、ランヤードA部分の2穴可動補助滑車(プーリー)4に接続して使用する。接続後、造園技術者等は、樹を登ってゆく。その際、上昇と同時に樹木(上部の幹又は堅固な枝の又)J‐1に掛けたランヤードA部分の緩みを取りながら登る。緩みは可動式締具(2アイ式フリクションロープ)3と2穴可動補助滑車(プーリー)4の中を通過したメインロープ1をランヤードB側に引くことで解消される。ワークポジショニングシットハーネスHを着用した造園技術者等は、腹部アタッチメントポイントHA‐1とランヤードA部分のカラビナ(開閉式接続金具)2Bと接続されており、造園技術者等の荷重が、ランヤードA部分に加わると、可動式締具(2アイ式フリクションロープ)3が締まり、造園技術者等は下降(転落)することは無い。
【0017】
ランヤードA部分を使用し、登った造園技術者等は、次にランヤードB部分を使用して、安全で安定した体制を作る。ランヤードB部分とワークポジショニングシットハーネスHとの接続は、ランヤードB部分のカラビナ(開閉式接続金具)2DをポジショニングシットハーネスHの側部アタッチメントポイントHA‐2とを、作業中は常時接続した状態で使用する。ランヤードA部分を使用できる範囲で登り切った造園技術者等は、ランヤードB部分のカラビナ(開閉式接続金具)2Cを、樹木(腹部の幹又は堅固な枝の又)J‐2にメインロープを回し掛けした状態にし、ランヤードB部分のカラビナ(開閉式接続金具)2Dを接続した反対側のポジショニングシットハーネスHの側部アタッチメントポイントHA‐2に接続する。接続後、造園技術者等は、ランヤードB部分の緩みを取る。緩みは可動式締具(2アイ式フリクションロープ)3と1穴可動補助滑車(プーリー)5の中を通過したメインロープ1をランヤードA側に引くことで、解消される。
緩みを解消して、ランヤードB部分に造園技術者等の荷重を加えると、可動式締具(2アイ式フリクションロープ)3が締まり、U字吊り状態の安定した安定した作業姿勢(ポジショニング)で樹上での作業を容易に行うことができる。可動式締具(2アイ式フリクションロープ)3は、荷重が加わった状態でも、可動式締具(2アイ式フリクションロープ)3の結び部分を1穴可動補助滑車(プーリー)5側に引くことで荷重の加わったままでも移動させることができる。
【0018】
ランヤードB部分で安定した作業姿勢(ポジショニング)を取った造園技術者等は、ランヤードA部分のカラビナ(開閉式接続金具)2Aの接続を解除し、可動式締具(2アイ式フリクションロープ)3を2穴可動補助滑車(プーリー)4側に移動させることにより、ランヤードA部分のメインロープ1の長さを調整し、前述の、樹木(上部の幹又は堅固な枝の又)J‐1にメインロープを掛け回した状態にし、ランヤードA部分の2穴可動補助滑車(プーリー)4に接続して使用する。接続後、ランヤードB部分のカラビナ(開閉式接続金具)2Cの接続を解除し、造園技術者等は樹を登ってゆくことを繰り返す。
【0019】
この繰り返しにより、一体化された、ランヤードA部分とランヤードB部分を使用して樹Jに登る。木に登るという移動している際は、ランヤードA部分又はランヤードB部分のどちらかが、樹J‐1又は樹J‐2に掛け回した状態で接続されているため、転落することは無い。
【0020】
造園技術者等が、樹上で剪定作業、伐採作業等を行う際は、ランヤードA部分及びランヤードB部分を同時に樹J‐1及び樹J‐2に掛け回した状態で接続し、ランヤードA部分及びランヤードB部分両方に荷重をかけることにより、安定した作業姿勢(ポジショニング)で樹上での作業を、両手を使い容易に行うことができる。
【発明の効果】
【0021】
この発明による効果は、課題であった「一般的に使用されていた安全帯等は、樹木に登ることを考慮していない物であった」、「親綱等が無い樹木の上下移動で使用する」、「ランヤードの長さに制約がある国内の安全帯では、移動できるクリアランスが取れなくなり、一時外すことが行われ、非常に危険な状況が発生していた。」、「樹木に登り降りする為の器具ではないため、樹上を上下移動する際の、専用の安全対策の器具の開発が課題」となっていたことについては、前述の解決するための手段を使用することにより、次のような効果がある。
【0022】
一般的に使用されていた安全帯等は、樹木に登ることを考慮していない物であったが、当発明により、請求項1の一体化された造園樹木高所作業専用に考案された2丁掛け安全作業帯である。この発明は、樹木に登り降りする為の専用の器具であり、樹上を上下移動する際の、専用の安全対策の器具である。
【0023】
親綱等が無い樹木の上下移動で使用する点については、当発明により、請求項2の親綱等が無い樹木でも、ランヤードA部分又はランヤードB部分を掛け回した状態で使用することにより、樹木の幹又は堅固な枝の又に常時接続した状態で上下移動が安全に行える効果がある。
【0024】
ランヤードの長さに制約がある国内の安全帯では、移動できるクリアランスが取れなくなり、一時外すことが行われ、非常に危険な状況が発生していたことについては、この発明により、請求項1の構造とシステムを特徴とする、両末端にアイの付いた1本のロープ(メインロープは4.5m程度から6.0m程度)を使用することにより、ランヤードAとランヤードBは1本のロープをお互いに共用することが出来、長さを有効に活用出来る。よって造園樹木高所作業用2丁掛け安全作業帯は、一時外すこと無く、危険な状況は発生しない効果がある。
【0025】
国内のランヤードの制約については、衝撃荷重を規格内に抑えるための長さの制約であり、本発明は、常に緩みを取りながら(常にテンションをかけながら)使用できるため、大きな落下衝撃は発生しない効果がある造園樹木高所作業用2丁掛け安全作業帯である。
【0026】
請求項2の一体化された造園樹木高所作業用2丁掛け安全作業帯は、前述の解決するための手段を使用することにより、樹木という親綱や堅固な手すり等の無い特殊な環境でも体への落下衝撃を与えずに転落防止機能、安定した作業姿勢(ポジショニング)を取るための作業帯としての機能、枝間隔が広く直に登れない場所での木登り器具としての機能、作業時の2点保持のバックアップ機能を、常に体への負担を与えずに一つの一体化された器具で行えるという効果がある。
【0027】
また、この発明による効果は、課題であった「樹木上での作業する際、安全な作業が出来る姿勢を確保するには、国外の特殊な技術の講習を受けなくてはならなかった。」点については、当発明により一般造園技術者が、一般的な登り込みでの剪定作業行う場合でも、機能を理解することで使用することが出来るという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】本発明を使用して樹に登る際の代表的なイメージ図である。
図2】本発明の詳細を表す斜視図である。
図3】本発明を使用する際に着用する標準的なワークポジショニングシットハーネス(既製品)の参考図
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、図面を参照してこの発明の実施の形態について説明する。
【0030】
本実施の形態の造園樹木高所作業用2丁掛け安全作業帯は、ランヤードA部分とランヤードB部分から構成されており、両部分は1本のアイ付ロープ1(4.5メートルから6.0メートル程度)で一体化されているものである。作業者は別途一般市販品のシットハーネス、ワークポジショニングハーネス(腹部アタッチメントポイント及び両側部アタッチメントポイント付)(参考図参照)を着用して造園樹木高所作業用2丁掛け安全作業帯を使用する形態である。
【0031】
ランヤードA部分は、メインロープ1のA側アイ1A側を用い、A側アイ1Aには、カラビナ(開閉式接続金具)2Aが取り付けられ形成している。ランヤードA部分のメインロープ1には、可動式締具(2アイ式フリクションロープ)3と2穴可動補助滑車(プーリー)4とカラビナ(開閉式接続金具)2Bを接続して取り付けられ形成している。
【0032】
ランヤードB部分は、メインロープ1のB側アイ1B側を用い、B側アイ1Bには、カラビナ(開閉式接続金具)2Cを取り付けられ形成している。ランヤードB部分のメインロープ1には、可動式締具(2アイ式フリクションロープ)3と1穴可動補助滑車(プーリー)5とカラビナ(開閉式接続金具)2Dを接続して取り付けられ形成している。
【0033】
当形態の造園樹木高所作業用2丁掛け安全作業帯は、図3にある様な、既製品のワークポジショニングシットハーネスH等を着用する。ワークポジショニングシットハーネスHには、腹部アタッチメントポイントHA‐1及び左右2か所の側部アタッチメントポイントHA‐2を有する物を使用する。腹部と側部のアタッチメントポイントを有する物であれば、フルハーネスタイプの使用も可能であるが、腹部側部アタッチメントポイントを有しないハーネスは、使用できない。
【0034】
ランヤードA部分とワークポジショニングシットハーネスHとの接続は、ランヤードA部分のカラビナ(開閉式接続金具)2BをポジショニングシットハーネスHの腹部アタッチメントポイントHA‐1とを、作業中は常時接続した状態で使用する。ランヤードA部分のカラビナ(開閉式接続金具)2Aは、樹木に登る(上昇)する際、一時的に2穴可動補助滑車(プーリー)4から外し、樹木(上部の幹又は堅固な枝の又)J‐1にメインロープを掛け回した状態にし、ランヤードA部分の2穴可動補助滑車(プーリー)4に接続して使用する。カラビナ(開閉式接続金具)2Aは、一時的に外すが、その際ランヤードBは接続されているので、転落することは無い。接続後、造園技術者等は樹を登ってゆく。その際、上昇と同時に樹木(上部の幹又は堅固な枝の又)J‐1に掛けたランヤードA部分の緩みを取りながら登る。緩みは可動式締具(2アイ式フリクションロープ)3と2穴可動補助滑車(プーリー)4の中を通過したメインロープ1をランヤードB側に引くことで解消される。ワークポジショニングシットハーネスHを着用した造園技術者等は、腹部アタッチメントポイントHA‐1とランヤードA部分のカラビナ(開閉式接続金具)2Bと接続されており、造園技術者等の荷重が、ランヤードA部分に加わると、可動式締具(2アイ式フリクションロープ)3が締まり、造園技術者等は下降(転落)することは無い。また緩みを取りながら登ってゆくことで、常にランヤードにテンションがかかっている状況となる為、落下による衝撃は発生しない。(一般的なフォールアレスト状況を発生しない。)また、腹部アタッチメントポイントと接続されていることから、ランヤードAに荷重がかかっている状態でも、体への負担無く使用できる。
【0035】
ランヤードA部分を使用し、登った造園技術者等は、次にランヤードB部分を使用して、安全で安定した体制を作る。ランヤードB部分とワークポジショニングシットハーネスHとの接続は、ランヤードB部分のカラビナ(開閉式接続金具)2DをポジショニングシットハーネスHの側部アタッチメントポイントHA‐2とを、作業中は常時接続した状態で使用する。ランヤードA部分を使用できる範囲で登り切った造園技術者等は、ランヤードB部分のカラビナ(開閉式接続金具)2Cを、樹木(腹部の幹又は堅固な枝の又)J‐2にメインロープを回し掛けした状態にし、ランヤードB部分のカラビナ(開閉式接続金具)2Dを接続した反対側のポジショニングシットハーネスHの側部アタッチメントポイントHA‐2に接続する。側部アタッチメントポイントの使用は、左右を入れ替えて使用しても可能である。接続後、造園技術者等は、ランヤードB部分の緩みを取る。緩みは可動式締具(2アイ式フリクションロープ)3と1穴可動補助滑車(プーリー)5の中を通過したメインロープ1をランヤードA側に引くことで、解消できる。
緩みを解消して、ランヤードB部分に造園技術者等の荷重を加えると、可動式締具(2アイ式フリクションロープ)3が締まり、U字吊り状態の安定した安定した作業姿勢(ポジショニング)で樹上での作業を容易に行うことができる。可動式締具(2アイ式フリクションロープ)3は、荷重が加わった状態でも、可動式締具(2アイ式フリクションロープ)3の結び部分を1穴可動補助滑車(プーリー)5側に引くことで荷重の加わったままでも移動させることができる。左右アタッチメントポイントを使用してU字吊り状態になり荷重をかけることにより、非常に安定した体制ができる。
【0036】
ランヤードB部分で安定した作業姿勢(ポジショニング)を取った造園技術者等は、ランヤードA部分のカラビナ(開閉式接続金具)2Aの接続を解除し、可動式締具(2アイ式フリクションロープ)3を2穴可動補助滑車(プーリー)4側に移動させることにより、ランヤードA部分のメインロープ1の長さを調整し、前述の、樹木(上部の幹又は堅固な枝の又)J‐1にメインロープを掛け回した状態にし、ランヤードA部分の2穴可動補助滑車(プーリー)4に接続して使用する。接続後、ランヤードB部分のカラビナ(開閉式接続金具)2Cの接続を解除し、造園技術者等は樹を登ってゆくことを繰り返す。昇る際は、幹枝に足や手を使い、通常の木登り方法も出来るし、ランヤードA部分のロープを使用して登ることも出来る。
【0037】
この繰り返しにより、一体化された、ランヤードA部分とランヤードB部分を使用して樹Jに登る又は降りることが、安全に行うことが出来る。木に登る又は降りるという移動している際は、ランヤードA部分又はランヤードB部分のどちらかが、樹J‐1又は樹J‐2に掛け回した状態で接続されているため、転落することは無い。
【0038】
造園技術者等が、樹上で剪定作業、伐採作業等を行う際は、ランヤードA部分及びランヤードB部分を同時に樹J‐1及び樹J‐2に掛け回した状態で接続し、ランヤードA部分及びランヤードB部分両方に荷重をかけることにより、安定した作業姿勢(ポジショニング)で樹上での作業を容易に行うことができる。また、剪定作業、伐採作業等を行う際、万が一ロープを切断する状況になっても、作業時は2か所で確保されている形態のために安全は確保されている。
【0039】
この発明で使用する造園樹木高所作業用2丁掛け安全作業帯の部材は、すべて23キロニュートン(約2300キログラム)以上の強度を有しているものを使用しており、欧州(EN規格)並びにアメリカ(ANSI規格)にも適合する材料、構造で形成されている。
【符号の説明】
【0040】
1 メインロープ(4.5m〜6.0m)
1A メインロープA側アイ
1B メインロープB側アイ
2A カラビナ(開閉式接続金具)
2B カラビナ(開閉式接続金具)
2C カラビナ(開閉式接続金具)
2D カラビナ(開閉式接続金具)
3 可動式締具(2アイ式フリクションロープ)
4 2穴可動補助滑車(プーリー)
5 1穴可動補助滑車(プーリー)
J 樹木
J1 樹木(上部の幹又は堅固な枝)
J2 樹木(腹部の幹又は堅固な枝)
L−A ランヤードA
L−B ランヤードB
H ワークポジショニングハーネス(既製品)
HA−1 腹部アタッチメントポイント
HA−2 側部アタッチメントポイント
図1
図2
図3