(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-80370(P2017-80370A)
(43)【公開日】2017年5月18日
(54)【発明の名称】ターニング時の摩擦性と滑り感の体験ができる曲線コーナリングシミュレーション装置
(51)【国際特許分類】
A63G 31/04 20060101AFI20170414BHJP
【FI】
A63G31/04
【審査請求】有
【請求項の数】2
【出願形態】OL
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2015-232329(P2015-232329)
(22)【出願日】2015年11月27日
(31)【優先権主張番号】10-2015-0148371
(32)【優先日】2015年10月23日
(33)【優先権主張国】KR
(71)【出願人】
【識別番号】515330786
【氏名又は名称】カン、ドゥ ファン
(74)【代理人】
【識別番号】100130111
【弁理士】
【氏名又は名称】新保 斉
(72)【発明者】
【氏名】カン、ドゥ ファン
(57)【要約】 (修正有)
【課題】仮想現実の体験において実際の走行感を再現できるようにする体験機器を提供する。
【解決手段】ターニング時の摩擦性と滑り感の体験ができる曲線コーナリングシミュレーション装置であって、回転軸を中心として回転運動が可能なフットボード3であって、回転軸を介在して2つのペダルが形成されており、ペダルの下方にキャスターが装着される。ペダルを踏んだ際、キャスターの上方にあるキャスターブレーキが下り、キャスターの回転を塞ぐようにすることで、キャスターは2つのローラーの外側を動くベルトを含むトラックベルトのベルト上に接するようにして、フットペダルを踏む際、フットペダルを踏んだ方向に動かせる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ターニング時の摩擦性と滑り感の体験ができる曲線コーナリングシミュレーション装置であって、
回転軸を中心として回転運動が可能なフットボード3であって、回転軸を介在して2つのペダルが形成されており、ペダル2の下方にキャスター31が装着されるところ、ペダルを踏んだ際、キャスターの上方にあるキャスターブレーキが下り、キャスターの回転を塞ぐようにすることで、キャスターは2つのローラーの外側を動くベルトを含むトラックベルト7のベルト上に接するようにして、フットペダルを踏む際、フットペダル2を踏んだ方向に動かせる、
ターニング時の摩擦性と滑り感の体験ができる曲線コーナリングシミュレーション装置。
【請求項2】
前記トラックベルトは、フットボード3の回転軸と一直線上にあるものの、結合されていない下端回転軸11上に回転可能に置かれるようにし、トラックベルト7の下端には一対の下端キャスター10が下端回転軸を介在して形成され、片荷重が発生した方に押されて回転が発生するようにする、請求項1に記載のターニング時の摩擦性と滑り感の体験ができる曲線コーナリングシミュレーション装置。
【請求項3】
ターニング時の摩擦性と滑り感の体験ができる曲線コーナリングシミュレーション装置であって、
2つのローラーの外側を動くベルトを含むトラックベルト7を含むところ、前記トラックベルトはベースプレート上に設けられる一対の下端キャスター10の末端がトラックベルトに接し、
2つの下端キャスターは、下端回転軸11を中心として対称される位置に設けられて片荷重が発生した方に押されて回転が発生されるようにする、
ターニング時の摩擦性と滑り感の体験ができる曲線コーナリングシミュレーション装置。
【請求項4】
下端回転軸11と同一軸上にある回転軸を中心として回転運動が可能なフットボード3を含むところ、回転軸を介在して2つのペダルが形成されており、ペダル2の下方にキャスター31が装着されるところ、ペダルを踏んだ際、キャスターの上方にあるキャスターブレーキが下り、キャスターの回転を塞ぐようにすることで、キャスターは2つのローラーの外側を動くベルトを含むトラックベルト7のベルト上に接するようにして、フットペダルを踏む際、フットペダル2を踏んだ方向に動かせるようにする、請求項3に記載のターニング時の摩擦性と滑り感の体験ができる曲線コーナリングシミュレーション装置。
【請求項5】
前記下端キャスター10は、ベースプレート12上に設けられ、下端回転軸11上に多数個のアームを有する中間フレーム8が置かれ、中間フレーム8に四角フレーム15が結合し、四角フレーム15にトラックベルト7が結合されるようにし、中間フレーム8の下方では下端キャスター10とバネ9が支持され、片荷重が加えられる際に片荷重によって下端キャスターが押されるようにすることができる、請求項2または請求項4のうち、何れか1つの請求項に記載のターニング時の摩擦性と滑り感の体験ができる曲線コーナリングシミュレーション装置。
【請求項6】
前記フットボード3の末端にはハンドル結合部が形成されており、ハンドル結合部にはハンドル軸が立てられ、ハンドル軸20の末端にハンドルが形成されるところ、ハンドル17は上下方向に動くが、ハンドル17の両方は連動され、互いに異なる方向に動かせることができる、請求項5に記載のターニング時の摩擦性と滑り感の体験ができる曲線コーナリングシミュレーション装置。
【請求項7】
前記下端キャスターと上端キャスターは、2つの支持軸の内側にキャスターが結合されて回転されるようにし、支持軸が結合された方向にバネが取り付けられたキャスターブレーキがキャスターの方に動くようにして、キャスターブレーキをペダルで踏んだり、キャスターが押されたりして、キャスターブレーキがキャスターに当接する際にキャスターの回転数を減らすことができる、請求項6に記載のターニング時の摩擦性と滑り感の体験ができる曲線コーナリングシミュレーション装置。
【請求項8】
フットボード3とベースプレート12の回転角及びハンドル17の上下位置をセンシングして送信するセンシング位置収集部をさらに含むことを特徴とする、請求項7に記載のターニング時の摩擦性と滑り感の体験ができる曲線コーナリングシミュレーション装置。
【請求項9】
トラックベルト7の速度に応じてユーザーの方に風を吹き込む送風機51をさらに含む、請求項8に記載のターニング時の摩擦性と滑り感の体験ができる曲線コーナリングシミュレーション装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、仮想現実体験において使用する直線走行、ターニング、コーナリング走行が可能であり、ターニング時の摩擦性と滑り感の体験ができる曲線コーナリングシミュレーション装置に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明は、仮想現実体験において使用する直線走行、ターニング、コーナリング走行が可能であり、ターニング時の摩擦性と滑り感の体験ができる曲線コーナリングシミュレーション装置に関する。最近は仮想現実を応用した多様な仮想現実装置が提案されているが、このような装置は動作具現機器にコンピューターを連結して、プログラムによる仮想環境の変化を、動作具現機器を通じて物理的な変動に示すことで、ユーザーが仮想の状況を実際の状況として認知するようにしたものである。
【0003】
このような仮想現実体験のための装置の中で代表的なものとして、ユーザーが座っている姿勢で、大型スクリーンから見られる映像に応じて、椅子、自動車、ヘリコプター、馬の形状を有する搭乗器具が上下左右などに位置を変えるようにする位置変位を有する搭乗型仮想体験器具が広く普及されており、このような搭乗型シミュレーション装置は、椅子や馬形状の搭乗器具を前後左右に位置変位するか振動させるために、多数の油圧または空圧シリンダーを搭乗器具の下部に設け、これらのシリンダーに制御信号を印加して、多様な動作を具現させている。
【0004】
しかし、油圧や空圧シリンダーを用いた搭乗型シミュレーション装置は、位置制御信号を空圧または油圧制御信号に変換すべきであり、また、圧力伝達媒体の圧縮条件が満たされるべきなので、設備が複雑であり、製造コストが高まるという短所がある。また、体積と重量が大きくなるにつれて、設置場所に制約が発生すると共に、動作反応の迅速性が低下されて現実感を低下させる問題があった。
【0005】
さらに、走行型体験器具の場合、上記のような油圧や空圧式シリンダーを使用する場合、反応が遅くなり、左右回転に対して特に敏感に反応することができず、曲線型トラックを走行する場合、実際の回転の際に感じられる滑り感を再現することができない。
【0006】
大韓民国特許公開番号第10−2004−0088327号の「体感型ゲーム装置」の場合、ゲーム映像の変化をジョイスティックのようなユーザーの入力装置からの入力を反映し、ギアを通じてユーザーの椅子に回転運動を与えるようになるところ、モーターとギアを用いて垂直軸を中心として回転運動を起こすが、ジョイスティックによる入力がユーザーの椅子まで反映されるには時間がかかると共に、椅子は単なる回転運動をするだけなので、実際の走行感とは程遠い。
【0007】
例えば、実際の後輪駆動車の場合、コーナーを曲がる際、アクセルを最後まで踏めば後輪が横に滑ってしまうが、速度を大幅に減らしていない状態でもコーナーを曲がるために実際の運転ではこのようなテクニックを活用することができるところ、上記の特許の場合、またはその他に、現在市販されている仮想現実体験機器は、このような滑りに対する具現ができていないので、油圧式の場合、不連続的に急に動くだけである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上記のような短所を克服するために案出されたものであって、仮想現実の体験において実際の走行感を再現できるようにする体験機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記のような目的を達成するために、ターニング時の摩擦性と滑り感の体験ができる曲線コーナリングシミュレーション装置を提供することにおいて、回転軸を中心として回転運動が可能なフットボード3であって、回転軸を介在して2つのペダルが形成されており、ペダル2の下方にキャスター31が装着されるところ、ペダルを踏んだ際、キャスターの上方にあるキャスターブレーキが下り、キャスターの回転を塞ぐようにすることで、キャスターは2つのローラーの外側を動くベルトを含むトラックベルト7のベルト上に接するようにして、フットペダルを踏む際、フットペダル2を踏んだ方向に動かせることができる。
【0010】
前記トラックベルトは、フットボード3の回転軸と一直線上にあるものの、結合されていない下端回転軸11上に回転可能に置かれるようにし、トラックベルト7の下端には一対の下端キャスター10が下端回転軸を介在して形成され、片荷重が発生した方に押されて回転が発生するようにする、ターニング時の摩擦性と滑り感の体験ができる。
【0011】
前記下端キャスター10は、ベースプレート12上に設けられ、下端回転軸11上に多数個のアームを有する中間フレーム8が置かれ、中間フレーム8に四角フレーム15が結合し、四角フレーム15にトラックベルト7が結合されるようにし、中間フレーム8の下方では下端キャスター10とバネ9が支持され、片荷重が加えられる際に片荷重によって下端キャスターが押されるようにすることができる。
【0012】
前記フットボード3の末端にはハンドル結合部が形成されており、ハンドル結合部にはハンドル軸が立てられ、ハンドル軸の末端にハンドルが形成されるところ、ハンドルは上下方向に動くが、ハンドルの両側は連動され、互いに異なる方向に動かせることができる。
【0013】
前記下端キャスターと上端キャスターは、2つの支持軸の内側にキャスターが結合されて回転されるようにし、支持軸が結合された方向にバネが取り付けられたキャスターブレーキがキャスターの方に動くようにして、キャスターブレーキをペダルで踏んだり、キャスターが押されたりして、キャスターブレーキがキャスターに当接する際にキャスターの回転数を減らすことができる。
【0014】
フットボードとベースプレートの回転角及びハンドルの上下位置をセンシングして送信するセンシング位置収集部をさらに含むことを特徴とする、ターニング時の摩擦性と滑り感の体験ができる。
【発明の効果】
【0015】
上記のような構成により、滑りのように従来の機器では具現できなかった現象を再現し、より実際に近接した仮想現実体験を可能にする効果を有する。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、添付の図面を参考しながら本発明について詳細に説明する。図中、同様な構成要素または部品は、できれば同じ参照符号にて示していることに留意されたい。本発明を説明することにおいて、関連の公知の機能あるいは構成についての具体的な説明は、本発明の要旨を不明にしないように省略する。
【0018】
図1は、本発明についての実施例に係るシミュレーション装置の外観を示す斜視図であり、
図2は、組み立ての相関関係を説明するための分解斜視図である。
図3は、ハンドルの作動を示す。
図1において、ケース4の上方にフットボード3が形成されており、フットボード3にはフットペダル1が対向して両方に形成されており、フットボード3の末端にはハンドル軸20が形成されてハンドル17が取り付けられる。ユーザーはフットボード3上でフットペダル1を踏み、ハンドル17を回しながら機器を作動させる。
【0019】
図2は、より詳しい組立図を示しており、下方から説明すると、ベースプレート12上に下端回転軸11が設けられ、下端回転軸の上方に多数個のアームを有する中間フレーム8が結合される。中間フレーム8はベースプレートに一末端が結合されたバネ9から支持され、中間フレーム8の直上には四角フレーム15が結合されるところ、四角フレーム15の前面と背面が中間フレーム8は円状の中心から半径方向に突き出たアームのうち、前面と背面に向けたアームにネジ結合され、四角フレーム15の角部分に受け板が結合され、受け板がアームに形成された孔に結合される。また、ベースプレート12で、下端回転軸11の両方に下端キャスター10が結合され、結合した際に中間フレーム8のアームの間に上がる。中間フレーム8は下端回転軸に沿って回転したり、上下に傾くことができる。
【0020】
四角フレームの前面と背面で中間フレーム8と結合するので、四角フレーム15が軸方向に沿って回ったり、側面で軸を中心として上方向への運動が可能になる。
【0021】
四角フレーム15にはトラックベルト7が結合されるところ、電動モーター6から回転力を受けて、トラックベルト7のベルトが回転運動をするようになり、電動モーター6はケースの内側に装着される。
【0022】
また、下端キャスター10はトラックベルト7の下面に接するようになるところ、トラックベルト7の上面には上端キャスターが接するようになる。四角フレーム15と電動モーター6の上方にはケース4が覆われ、ケース4の上方にはフットボード3がケース4の上面に結合され、フットボード3には一対のフットペダル1が形成されており、フットペダル1がケース4の上面に形成されたペダル結合部16に結合され、ペダル結合部16はケース4を貫通するところ、ペダル結合部16の下部には上端キャスター31が取り付けられ、上端キャスターはトラックベルト7上に接するようになる。このような構造により、フットボード3上に上がってハンドル17を握った状態でフットペダル1を踏むと、フットペダル1の回転が上端キャスターに伝達される。ハンドル17はハンドル軸20に付着されるところ、ハンドル軸20はフットボード3の正面のハンドル結合部2に差し込まれて結合される。トラックベルトは1つあるいは多数個に分離されることができ、ペダルの個数だけ形成され得るが、同じ回転数で回転されるようにする。
【0023】
ハンドルの構造は
図3に示されており、ハンドルを上下方向に動くことができ、片方のハンドルの動きはギヤとベルトを通じて他方のハンドルに伝達されるようにして、他方に連動して動かせる。
【0024】
上端キャスター31は回転運動をするところ、フットペダルを踏む際、フットペダルに連結されたキャスターブレーキによって回転運動が抑制されることができ、フットペダルから足を離せばキャスターブレーキに形成されたバネによって復元力が発生される。
【0025】
図4及び
図5において、上端キャスター及び下端キャスターとトラックベルトの構成が示されている。図示のように、上端キャスター31はトラックベルト7を介在して下端キャスター10と対向するようになるところ、ベースプレート12の上面で下端回転軸11により中間フレーム8が結合され、中間フレーム8には四角フレーム15が結合されるところ、中間フレーム8は下端回転軸11に固定され、下端回転軸11の周囲でバネ9で支持されて下方に押された際に復元力を有するようにし、四角フレーム15の角部分の内側には受け板32が結合され、角部分の内側に結合されたネジとバネによって内側に押されることができるように結合する。受け板32を押すとバネによって内側に押されるが、再び元の位置に復元されるところ、受け板32が中間フレーム8のアーム部分に形成された孔に差し込まれ、中間フレーム8や四角フレーム15に力が加えられる場合、受け板32も押されることができるところ、この際、押す力が大きくなれば受け板がアームの孔の下方に下がることもあり、弾性によって少しずつ内側に押されることもある。
【0026】
また、四角フレーム15にはトラックベルト7が結合するところ、トラックベルト7の下面はベースプレート12に付着された下端キャスター10に接するようになり、中間フレーム8はアームが中心から伸びた形態になっているため、アームのない空きスペースを通じて下端キャスター10がトラックベルト7の下面に接するようになる。
【0027】
図4及び
図5には、このような構成が示されており、
図4は、側面から見た形態を示し、
図5は、前面と背面から見た形態を示している。
【0028】
このような構成によって、ユーザーがフットペダル1を踏んでハンドルを回すと、
図4及び
図5に示すように、フットペダル1の下方の上端キャスター31が押されるようになり、キャスターブレーキ41が下方に押されてキャスターの回転を塞ぐようになり、回転していたトラックベルト上にキャスターが滑り、これによってフットボード3がフットペダルを踏んだ方にやや傾くようになる。フットペダルを踏まなかった際は、フットペダルの下方のキャスターがトラックベルトに沿って回転運動をするが、キャスターの回転運動が抑制されて滑りが発生されると、摩擦騒音が発生し、両方のキャスターの回転数が異なるようになり、踏んでいないペダルは回転し続き、ペダルを踏んだ方にフットボードを回転させるようになる。
【0029】
従来には2つのキャスターを使用する代わりに1つのキャスターを使用し、キャスターの方向を転換できるようにして、このような回転運動を具現したが、本発明では、2つのキャスターを使用してキャスターが方向を転換しなくてもフットボード3が回転運動をすることを可能にした。
【0030】
前進や後進の場合には、ハンドルを回さずにフットペダルを押すようにすることができ、トラックベルト7の回転方向に応じて前進と後進が決定され、トラックベルト7の回転方向はハンドルで調整可能である。
【0031】
ところで、運転者の上体を最大限に一方向に傾けたり、その他の方法で片荷重を加えると、四角フレームが押されて、四角フレームの下方に接している下端キャスター10を押すようになり、四角フレーム15が結合している中間フレーム8のアームの上方に四角フレームが押されるようになるが、下端キャスター10はバネによって支持されており、中間フレーム8もバネ9によって支持されるので、押す力は相殺される。
【0032】
ところで、トラックベルト7が押されることにつれて、下端キャスターを押す際に下端キャスター10のキャスターはキャスターブレーキが当接することによって回転数が少なくなったり停止されてベルト上に滑るようになる。ところで、両方にあるキャスターのうち、一方のキャスターは回転し続き、他方のキャスターは横滑りしたり回転数が減少すれば、軸を中心として押されているベースプレートを基準としてキャスターの方に四角フレーム15が動くようになる。つまり、ペダルを踏んだ際、フットボード3が動くこととは別途に体重を載せた方に回転するようになる。この際、下方のバネ9や下端キャスター10が支えているので底に当たることはないが、このような作用により四角フレームと中間フレームはベースプレート12を基準として見れば隣に外れるようになる。
【0033】
ユーザーはフットボード3に足を乗せたまま、ペダルを踏んでいる状態であるが、ユーザーの立場からはフットボード3とケース4及びベースプレート12を見ているようになるところ、ペダルを踏む場合にはフットボード3の方向が外れるようになり、体重を載せればベースプレートを基準としてケース4の方向まで外れるようになり、フットボード3のみ回転することを1次回転と言い、ケース4まで回転することを2次回転と言う。
【0034】
従来の仮想現実体験機器の場合、フットボード3に該当する足場が回転することはあったが、これだけでは様々な駆動装置とブレーキで作動する乗り物を足場一つのみで具現することは難しかった。しかし、本願発明による場合、このような動き、特に、回転時の働きを更に微細に具現することが可能になった。
【0035】
従来の機器は、滑りのような現象を具現することができなかったので、不連続的な動きによって方向が変わったりしたが、本発明は、左右調節及び体重を乗せる動作まで具現することができるので、より現実に近い動きを感じることができる。このため、フットボード3とトラックカバー4の回転角及びハンドルの上下位置の変位と左右位置の変位をセンシングして、ゲームまたはコンテンツのプレーヤーと連動させることができ、6軸ジャイロスコプセンサーを活用することができる。
【0036】
本発明に係るシステムは、100ボルト〜240ボルトで動作し、トラックベルト7の速度を調整することができ、停止している状態でスタートボタンを押すと最低の速度で回転をスタートし、速度を上げたり下げたりすることができ、このような装置はハンドルに装着される。さらに、トラックベルトの回転速度をセンシングするために、ベルトのローラーにセンサーを装着して、トラックベルトの回転速度が一定の速度を超えないようにする。
【0037】
また、別途の送風コントローラーを通じてユーザーの方に風を送るところ、送風量がトラックベルトの回転速度と連動されるようにして、回転速度が上がるほど送風量が大きくなるようにして、ユーザーにとって実在感を感じらせるようにする。ストップボタンを作動させたり、ストッパーを離脱するようになれば電源をオフする。
【0038】
図4及び
図5は、上端キャスター及び下端キャスターとトラックベルトとの結合度を示している。フットペダル1を踏めば、キャスターブレーキ41が下り、キャスターが回転することを塞ぐようになり、フットペダルから足を離せばバネの作用によってキャスターブレーキが上がり、キャスターが再び回転するようになる。キャスターブレーキ41が作動する場合、キャスターはトラックベルト7上を滑ることで動くようになる。この場合、両方にある車輪(キャスター)の回転数が変わるようになり、ブレーキが作動した方に傾くようになる。
【0039】
下端キャスターはトラックベルト7の下面に接しているところ、上方から押されるようになる場合、キャスターブレーキ41の作動によってキャスターが回転しなくなると、一方のキャスターが押されるようになり、押される方に傾くようになる。
【0040】
図6には、ハンドルとフットペダルの作動及び片荷重を加えることによるフットボードの動きを示している。
【0041】
図7は、本発明に係る装置の作動についてフローチャートを通じて示す。
図7は、試運転動作試験を示しているが、本発明に係る装置と前記装置を使用するコンテンツを選択して電源をオンするところ、この際、頭には仮想現実を支援するHMDを着用した後、フットボードに搭乗することができる。
【0042】
左方のペダルを踏んだ際、フットボード3が左方に回転すれば正しく作動するのであり、そうでない場合、トラックベルトの上端に接する上端キャスターの接触不良があるかどうかを確認する。正しく作動する場合、ハンドルの左右回転動作ができているかどうかを確認し、そうでない場合、上端キャスターとハンドル連係動作不良であるかどうかを確認する。異常のない場合、左方のフットペダルの押しを解除し、右方のフットペダルに対して同じ方法の確認が行われる。フットペダルの異常有無の確認が終わると、フットボードの前進及び後進について確認し、前進の設定中に前進されずにフットボードが回転する場合、トラックベルトの上端の左右側のキャスターのうち、一方のキャスターに接触状態不良があるかどうかを確認し、そうでない場合には、トラックベルトの上端の左右のうち、両方の接触不良があるかどうかを確認する。
【0043】
後進の場合には、前進の場合と同様の方法で確認し、運転者の上体を最大限に左側に傾けて左側片荷重を加え、フットボードの2次左回転の有無を確認するところ、2次左回転が発生しない場合、下端キャスターの左側接触不良の有無を確認し、ハンドルを右回転動作させながら、1次フットボードの右回転が発生するかどうかを確認し、トラックベルトの速度を増やしながらハンドルに対する連係動作を確認する。
【0044】
その後、運転者の上体を最大限に右方に傾けて右側片荷重を加えた状態で、フットボードの2次右回転が発生するかどうかを確認し、下端キャスターの接触不良の有無を確認し、ハンドルの左回転、フットペダルの押しによって正常に動作するかどうかを確認する。全ての確認が終わると、仮想現実ディスプレー装置(HMD:Head Mount Display)を着用し、仮想現実ゲームや仮想現実コンテンツの体験を始めるようになる。
【符号の説明】
【0045】
1 フットペダル
3 フットボード
4 ケース
6 電動モーター
7 トラックベルト
8 中間フレーム
9 バネ
10 下端キャスター
11 下端回転軸
12 ベースプレート
15 四角フレーム
16 ペダル結合部
17 ハンドル
31 上端キャスター
51 送風機
【手続補正書】
【提出日】2017年3月13日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ターニング時の摩擦性と滑り感の体験ができる曲線コーナリングシミュレーション装置
であって、
設置面と略平行に配置されるベースプレート(12)に対し、回転軸を中心としてベースプレート(12)と略平行な面で回転運動が可能なフットボード(3)を備え、
フットボード(3)の上面の左右に2つのペダル(1)が配設される一方、フットボード(3)の下面にはペダル(1)の下方位置にそれぞれ上端キャスター(31)が配設されており、ペダル(1)の下部には上端キャスター(31)の回転を制動するキャスターブレーキ(32)を付設することで、ペダルを踏んだ時には上端キャスター(31)の回転が制動されるようになっており、
前後の2つのローラーによって駆動され、前後方向に走行するトラックベルト(7)をベースプレート(12)とフットボード(3)との間に位置するフレーム(15)上に備え、左右の上端キャスター(31)はそれぞれのトラックベルト(7)の上面に接触しながら回転する状態にあり、
ペダル(1)を踏んだ際、キャスターブレーキ(32)がかかることによってトラックベルト(7)の駆動がフットボード(3)に伝動し、ペダル(1)を踏まれた側と踏まれていない側の上端キャスター(31)とトラックベルト(7)との摩擦差によってフットボード(3)が回転運動するようにした
ターニング時の摩擦性と滑り感の体験ができる曲線コーナリングシミュレーション装置。
【請求項2】
前記のフットボード(3)は前記フレーム(15)に対して相対的に回転可能であると共に、フレーム(15)は、前記ベースプレート(12)に対して下端回転軸(11)を中心に相対的に回転可能な構成において、
前記のトラックベルト(7)の下面に接触しながら回転する下端キャスター(10)を左右に備えると共に、下端キャスター(10)を下方に押すことで下端キャスター(10)と抵触し、下端キャスター(10)の回転を制動する下側キャスターブレーキを備え、
前記のフットボード(3)に対して前記上端キャスター(31)のキャスターブレーキ(32)が作用するよりもさらに大きな偏荷重を加えた際に、上端キャスタ(31)の下方に作用する力がトラックベルト(7)を介して下端キャスター(10)を下方に変位させることで下側キャスターブレーキが下端キャスター(10)を制動し、トラックベルト(7)と前記のベースプレート(12)との間においても左右の摩擦差によって前記トラックベルト(7)を備えたフレーム(15)がベースプレート(12)に対して回転運動するようにした
請求項1に記載のターニング時の摩擦性と滑り感の体験ができる曲線コーナリングシミュレーション装置。