特開2017-80649(P2017-80649A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-80649(P2017-80649A)
(43)【公開日】2017年5月18日
(54)【発明の名称】バイオフィルムの除去方法
(51)【国際特許分類】
   B01D 65/06 20060101AFI20170414BHJP
【FI】
   B01D65/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2015-208796(P2015-208796)
(22)【出願日】2015年10月23日
(71)【出願人】
【識別番号】000135265
【氏名又は名称】株式会社ネオス
(72)【発明者】
【氏名】大川 直士
(72)【発明者】
【氏名】増田 紳治
【テーマコード(参考)】
4D006
【Fターム(参考)】
4D006GA03
4D006GA06
4D006GA07
4D006KC16
4D006KD11
4D006KD12
4D006KD14
4D006KD15
4D006KD16
4D006KD29
4D006KD30
4D006KE30P
(57)【要約】      (修正有)
【課題】透過膜などの洗浄対象物を傷つけずに効率的に洗浄対象物上に形成したバイオフィルムを除去する方法の提供。
【解決手段】(A)pHが1〜4の液状組成物であって、(A1)ホルミル基を有する化合物と酸とを含有する液状組成物、(A2)ホルミル基を有する酸を含有する液状組成物、(A3)糖酸を含有する液状組成物の何れかを洗浄対象物に接触させる工程、及び(B)アルカリ剤を含有する液状組成物を洗浄対象物に接触させる工程を含む、バイオフィルムの除去方法。好ましくは、ホルミル基を有する化合物が低級アルデヒド又は還元糖から選択される1種以上であり、ホルミル基を有する酸が蟻酸又はグリオキシル酸であり、糖酸がアスコルビン酸であるバイオフィルムの除去方法。(A)工程を行った後に(B)工程を続いて行うバイオフィルムの除去方法。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)pHが1〜4の液状組成物であって、(A1)ホルミル基を有する化合物と酸とを含有する液状組成物、(A2)ホルミル基を有する酸を含有する液状組成物、(A3)糖酸を含有する液状組成物の何れかを洗浄対象物に接触させる工程、および(B)アルカリ剤を含有する液状組成物を洗浄対象物に接触させる工程を含む、バイオフィルムの除去方法。
【請求項2】
ホルミル基を有する化合物が低級アルデヒド、還元糖からなる群から選ばれる1種以上である請求項1に記載のバイオフィルムの除去方法。
【請求項3】
ホルミル基を有する酸が、ギ酸またはグリオキシル酸である請求項1に記載のバイオフィルム除去方法。
【請求項4】
糖酸がアスコルビン酸である請求項1に記載のバイオフィルムの除去方法。
【請求項5】
(A)工程を行った後、続いて(B)工程を行う、請求項1〜4に記載のバイオフィルムの除去方法。
【請求項6】
洗浄対象物が透過膜である請求項1〜5に記載のバイオフィルムの除去方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水処理分野で使用される逆浸透膜(RO膜)、限外濾過膜(UF膜)、精密濾過膜(MF膜)などの透過膜に付着したバイオフィルムの除去方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、世界的な水資源枯渇に対処するため、膜を用いた水処理が行われるようになった。例えば、海水を淡水化して飲料水とするために逆浸透膜(RO膜)が用いられている。また、水道水の製造においては、細菌やウイルスを除去するために限外濾過膜(UF膜)が用いられている。また、下水や工場排水の浄化には膜式活性汚泥法が考案され、精密濾過膜(MF膜)が用いられている。
【0003】
これらの透過膜には微生物が付着して増殖し、バイオフィルムを形成することが問題になっている。バイオフィルムは膜の孔を塞ぎ、濾過効率を著しく低下させる。バイオフィルムの除去には次亜塩素酸ナトリウムやクロラミン化合物のような塩素系殺菌剤を用いることが提案されている(特許文献1)。しかし、塩素系殺菌剤のような酸化性の薬剤はRO膜を傷めることが問題である。このため、キレート剤や界面活性剤を含有するpH10以上の水酸化ナトリウム溶液を用いて洗浄し、更にクエン酸等の酸で洗浄することが一般的となっている。しかし、この方法によってはバイオフィルムの除去は不完全である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2015−97990
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のような状況の下、本発明の解決しようとする課題は、透過膜などの洗浄対象物を傷めることなく効率的に洗浄対象物上に形成したバイオフィルムを除去する方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねたところ、還元性を有する酸性の液状組成物とアルカリ性の液状組成物を用いることによって、バイオフィルムを効率的に除去出来ることを見出した。本発明は、このような知見に基づいて完成したものであり、以下の様態のバイオフィルム除去方法を提供する。
項1. (A)pHが1〜4の液状組成物であって、(A1)ホルミル基を有する化合物と酸とを含有する液状組成物、(A2)ホルミル基を有する酸を含有する液状組成物、(A3)糖酸を含有する液状組成物の何れかを洗浄対象物に接触させる工程、および(B)アルカリ剤を含有する液状組成物を洗浄対象物に接触させる工程を含む、バイオフィルムの除去方法。
項2. ホルミル基を有する化合物が低級アルデヒド、還元糖からなる群から選ばれる1種以上である項1に記載のバイオフィルムの除去方法。
項3. ホルミル基を有する酸が、ギ酸またはグリオキシル酸である項1に記載のバイオフィルム除去方法。
項4. 糖酸がアスコルビン酸である請求項1に記載のバイオフィルムの除去方法。
項5. (A)工程を行った後、続いて(B)工程を行う、項1〜4に記載のバイオフィルムの除去方法。
項6. 洗浄対象物が透過膜である項1〜5に記載のバイオフィルムの除去方法。
【発明の効果】
【0007】
本発明におけるバイオフィルムの除去方法によると、透過膜などの洗浄対象物を傷めることなく洗浄対象物上に形成したバイオフィルムを効果的に除去できる。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明のバイオフィルム除去方法における(A)工程の液状組成物のpHは1〜4である。pH1以下では透過膜を傷める可能性があり、pH4以上ではバイオフィルム除去効果が弱くなる。
【0009】
(A)工程ではpHが1〜4の液状組成物であって、(A1)ホルミル基を有する化合物と酸とを含有する液状組成物、(A2)ホルミル基を有する酸を含有する液状組成物、(A3)糖酸を含有する液状組成物の何れかを使用する。
【0010】
(A1)は、アルデヒドや還元糖等のホルミル基を有し還元性を有する化合物と酸とを含有する組成物である。(A2)、(A3)は一分子中に還元性を有する基と酸性官能基とを有する化合物を含有する組成物である。
【0011】
アルデヒドとしては、低級アルデヒドが好ましく、具体的には、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピルアルデヒド、グリオキザール、マロンジアルデヒド、グルタルアルデヒド、グリコールアルデヒド、グリセリンアルデヒド等を挙げることができる。
【0012】
還元糖としては、キシロース、リボース、アラビノース、グルコース、マンノース、ガラクトース等を挙げることができる。
【0013】
酸はpHを4以下に調整できるものであれば特に限定されるものではなく、無機酸、有機酸の何れを用いてもよい。無機酸としては塩酸、硫酸、硝酸、リン酸等を例示でき、有機酸としては酢酸、プロピオン酸、シュウ酸、マロン酸、クエン酸、乳酸、リンゴ酸、ピルビン酸、コハク酸、酒石酸を例示できる。これらの酸を二種類以上用いることもできる。
【0014】
(A2)において、ホルミル基を有する酸としてはギ酸、グリオキシル酸、オキソプロパン酸を例示することができる。(A2)の液状組成物は、ホルミル基を有する酸のほか、無機酸や低級カルボン酸等の有機酸を含有していてもよい。
【0015】
(A3)において糖酸としては、例えばグルクロン酸、ガラクツロン酸、マンヌロン酸、アスコルビン酸等が挙げられる。中でも、経済的な面および性能の面からアスコルビン酸が好適である。(A3)の液状組成物は、糖酸のほか、無機酸や低級カルボン酸等の有機酸を含有していてもよい。
【0016】
(A1)〜(A3)の液状組成物の残部は水である。該液状組成物の使用時の濃度は、0.001〜10重量%、好ましくは0.01〜0.5重量%である。0.001重量%以下ではバイオフィルムの除去効果が不十分であり、10重量%以上では効果が飽和する。
【0017】
本発明の(A)工程に用いる液状組成物には、さらに、極性溶剤を添加することができる。極性溶剤としては、グリセリン、メタノール、エタノール、プロパノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ブチレングリコール、ペンチレングリコール、ヘキシレングリコール、トリエチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、グリセリンモノメチルエーテル、グリセンモノエチルエーテル、グリセリンモノプロピルエーテル、グリセンモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジグリセリンモノメチルエーテル、ジグリセリンモノエチルエーテル、ジグリセリンモノプロピルエーテル、ジグリセリンモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル等が挙げられる。
【0018】
本発明の(B)工程の液状組成物に用いられるアルカリ剤としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム等のアルカリ金属水酸化物類、オルト珪酸ナトリウム、メタ珪酸ナトリウム、セスキ珪酸ナトリウム等の珪酸塩類、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等の炭酸塩類、ホウ酸ナトリウム等のホウ酸塩類、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルカノールアミン、リジン、アルギニン等の塩基性アミノ酸類、テトラメチルアンモニウム等の四級アミン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、スペルミン、スペルミジン等のポリアミン類が挙げられる。これらのアルカリ剤の中でも、好ましくは水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、メタケイ酸ナトリウム又は1号ケイ酸カリウムである。アルカリ剤は2種以上を組み合わせて用いても良い。
【0019】
(B)工程に用いる液状組成物の残部は水である。該液状組成物の25℃におけるpHは通常9〜13であり、好ましくは10〜12である。
【0020】
(B)工程の液状組成物には、さらに、アニオン界面活性剤、金属封鎖剤、多価アルコール、極性溶剤を添加することができる。アニオン界面活性剤は特に限定されるものではなく、例えば、アルキル硫酸エステル塩(例えば、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸カリウム等)、アルキルベンゼンスルホン酸塩(例えば、リニアドデシルベンゼンスルホン酸トリエタノールアミン、リニアドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等)、αオレフィンスルホン酸、高級脂肪酸エステルスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、アルキルリン酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸、石鹸等が挙げられる。
【0021】
キレート剤としては、通常使用されるものであれば特に限定されないが、例えば、リン酸系化合物(例えば、オルトリン酸、ピロリン酸、トリポリリン酸、メタリン酸、ヘキサメタリン酸等)、ホスホン酸類(例えば、エタン−1,1−ジホスホン酸、エタン−1,1,2−トリホスホン酸、エタン―1−ヒドロキシ−1,1,2−トリホスホン酸、エタン−1−ジカルボキシ−1,2−ジホスホン酸、メタンヒドロキシホスホン酸等)、ホスホノカルボン酸類(例えば、2−ホスホノブタン−1,2−ジカルボン酸、1−ホスホノブタン−2,3,4−トリカルボン酸、αメチルホスホノコハク酸等)、アミノカルボン酸類(例えば、ニトリロトリ酢酸、イミノ二酢酸、エチレンジアミン四酢酸、ヒドロキシエチレンジアミン四酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、グリコールエーテルジアミン四酢酸、ヒドロキシエチルイミノ二酢酸、トリエチレンテトラミン六酢酸、イミノジコハク酸、アスパラギン酸ジ酢酸、アミノメチルグリシンジ酢酸等)、有機酸(例えば、ジグリコール酸、オキシジコハク酸、カルボキシメチルオキシコハク酸、アスコルビン酸、グルコン酸、クエン酸、乳酸、酒石酸、シュウ酸、リンゴ酸、コハク酸、アジピン酸、スベリン酸等)、アミノ酸(例えば、アスパラギン酸、グルタミン酸、グリシン等)、これらのアルカリ金属塩、アンモニア塩又はアルカノールアミン塩を挙げることができる。
【0022】
溶剤としては、グリセリン、メタノール、エタノール、プロパノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ブチレングリコール、ペンチレングリコール、ヘキシレングリコール、トリエチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、グリセリンモノメチルエーテル、グリセンモノエチルエーテル、グリセリンモノプロピルエーテル、グリセンモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジグリセリンモノメチルエーテル、ジグリセリンモノエチルエーテル、ジグリセリンモノプロピルエーテル、ジグリセリンモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル等が挙げられる。
【0023】
本発明のバイオフィルムの除去方法は、(A)工程の酸性の液状組成物を洗浄対象物に接触させる工程と(B)工程のアルカリ性の液状組成物を洗浄対象物に接触させる工程を有しており、何れの工程を先に行ってもよい。特に、(A)工程の酸性の液状組成物を接触させた後(B)工程のアルカリ性の液状組成物を接触させることが、著しいバイオフィルム除去効果が発揮されるので、好ましい。
【0024】
(A)工程と(B)工程との間など、各工程間には洗浄対象物の水洗工程が入ってもよい。
【0025】
本発明において、液状組成物を適用する洗浄対象物として好ましくは透過膜であり、具体的にはRO膜、UF膜、MF膜等が挙げられる。バイオフィルムの除去方法としては、液状組成物を、対象物の膜から構成されるモジュール内に循環させることによって使用される。
【実施例】
【0026】
本発明の内容を以下の実施例により説明するが、本発明の内容は実施例に限定して解釈されるものではない。
【0027】
<各液状組成物の調製>
アスコルビン酸0.2gを水99.8gに溶解し、a1剤とした。この溶液のpHは3.0であった。また、グリオキシル酸0.2gを水99.8gに溶解し、a2剤とした。この溶液のpHは2.6であった。更に、クエン酸0.2gを水99.8に溶解し、a3剤とした。この溶液のpHは2.6であった。
50%水酸化ナトリウム溶液0.1g、ハイテノール227L(第一工業製薬株式会社製、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム27%含有)0.185g、EDTA二ナトリウム0.05g、ソルビトール0.05gを水99.665gに溶解し、b剤とした。この溶液のpHは11.7であった。
【0028】
<バイオフィルム付着RO膜>
海水淡水化装置で使用後のバイオフィルムが付着したRO膜を入手し、これを約5cm角に切断して試験に用いた。
【0029】
実施例1
300ml容量のビーカーに撹拌子とa1剤を100ml入れ、次いで5cm角に切断したRO膜をバイオフィルムが付着した面を上にして入れてRO膜を浸漬した。24時間撹拌を継続した後、RO膜を取り出した。
300ml容量のビーカーに撹拌子とB剤100mlを入れ、取り出したRO膜を同様に浸漬した。24時間撹拌を継続した後、RO膜を取り出し、バイオフィルム除去の評価を行った。結果を表1に示した。
【0030】
<バイオフィルム除去の評価>
取り出した膜を水で洗浄した後、0.1%クリスタルバイオレット溶液に5分間浸漬し、バイオフィルムを染色した。流水で余分な染色液を除去した後、バイオフィルムの除去の程度を下記の基準により評価した。
1:膜全体が濃い青紫色に染まった。
2:染色の程度は薄くなったが、膜の地肌は全く見えかった。
3:染色の程度はかなり薄くなり、僅かに膜の地肌が見えた。
4:バイオフィルムは殆ど除去され、膜上に青紫の斑点が観察された。
5:バイオフィルムは完全に除去された。
【0031】
実施例2
a1剤のかわりにa2剤を用いた以外は実施例1と同様にして評価を行った。
【0032】
実施例3
a1剤のかわりにb剤を用い、b剤のかわりにa1剤を用いた以外は実施例1と同様にして評価を行った。
【0033】
比較例1
【0034】
300ml容量のビーカーに撹拌子とb剤を100ml入れ、次いで5cm角に切断したRO膜をバイオフィルムが付着した面を上にして入れてRO膜を浸漬した。24時間撹拌を継続した後、RO膜を取り出し、バイオフィルム除去の評価を行った。
【0035】
比較例2
b剤のかわりにa1剤を用いた以外は比較例1と同様にして評価を行った。
【0036】
比較例3
a1剤のかわりにa3剤を用いた以外は実施例1と同様にして評価を行った。
【0037】
表1に示したように、アスコルビン酸またはグリオキシル酸を含有する組成物とアルカリ性組成物を用いて洗浄したことによって、バイオフィルムはよく除去された。一方、アスコルビン酸を含有する組成物のみ、またはアルカリ性組成物のみで洗浄した場合には、バイオフィルムは殆ど除去されなかった。また、非還元性酸であるのクエン酸を含有する溶液とアルカリ性組成物で洗浄した場合にも、バイオフィルムは殆ど除去されなかった。
【0038】
【表1】